[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
| |
( ^ω^)は人を殺した猫のようです
1
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 20:59:27 ID:EovxaxHM0
友達のネズミがぼくに言う
('A`)「お前あのばかでかい人間を倒したんだろう? すげえなあ」
近所のおばさん達がぼくを見て話している
从'ー'从「見て…あのにゃんこって確か…」
('、`*川「ああ、あの子のお家で飼っていた… 可哀想にね」
あまり好きではない犬がぼくを慰める
_
( ゚∀゚)「んな落ち込んでじゃねえよ…調子狂うだろう」
男の子みたいな女の子がぼくを撫でる
从 ゚∀从「お前アイツの飼ってたねこだろ…?
アイツ…もう居ないんだ……居ないんだよ…」
( ^ω^)
ああ、知ってるよ。知ってるとも。
だってぼくが 殺したのだから
15
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:13:32 ID:EovxaxHM0
じゃあ、あの子をそんな風にしたのは誰だ。
16
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:14:22 ID:EovxaxHM0
あの子を動けなくしてしまった憎むべき相手は誰だ。
17
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:15:28 ID:EovxaxHM0
ああ、ああ、 それこそぼくは知っている。
18
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:16:15 ID:EovxaxHM0
(^ω^)
この、 ぼ く だ 。
ぼく 自身 なのだ。
19
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:17:44 ID:EovxaxHM0
ぼくはその場所から走り出した。 いや、逃げ出した。
とにかくあの子のにおいから逃げ出したくて、
走る走る。
だけどにおいはぼくの毛に染みついてしまったようで
ぼくは毛を噛みちぎりたくなった。
走る走る。
20
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:18:46 ID:EovxaxHM0
においの所為であの子が後ろからついて来ている気がして、
何度も後ろを振り返った。
走る、とにかく走る。
あの子の声が頭のなかでなんどもなんども再生される。
煩わしいとさえ感じる程に。
走る走る。
走る走る走る。
( ω )
21
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:19:54 ID:EovxaxHM0
散々回り道をしてぼくの、あの子の家へ着いた時にはもうお日様はどこかへ
行ってしまった。
星が、ぼくをばかにしているような気がした
笑っているような気もした
そういえばあの子が言っていた。
人は動かなくなると星になってしまうのだと。
22
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:20:46 ID:EovxaxHM0
じゃああの子は今ぼくの上に居るのだろう
こんな無様なぼくを、あざ笑っているのだろうか。
どうしようもなくなった無様なぼくは、ぼくしか知らない入り口から
蒸し暑い家の中へ入り込んだ。
23
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:21:49 ID:EovxaxHM0
入った瞬間、叫び声が耳に飛び込んでくる。
先程まで気になってしょうがなかった蝉達の鳴き声すらかき消される。
あの子のおかあさんの声だ。
なんだかとても怒っている様な声で、あの子のおとうさんに喋っている。
おとうさんも怖い顔でなにか言い返している。
24
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:22:34 ID:EovxaxHM0
ぼくはなんだか怖くなってまた、逃げ出した。
25
:
文字化け的なものは気にせず…
:2013/06/19(水) 21:23:35 ID:EovxaxHM0
ぼくは二階へ上がりあの子の部屋のドアの隙間からするりと入り込んだ。
あの子のにおいが全身を包み込む。
途端になんだか気持ちが悪くなってくる。
あの子を殺してしまった罪悪感というやつからだろうか。
26
:
あれ?自分のPCがバグってただけかな?
:2013/06/19(水) 21:24:46 ID:EovxaxHM0
(; ω )「ふみぬう」
ぼくは急いでこの部屋からベットを運びだし、風がよく吹き抜ける廊下で早く眠りたい。
だけれどぼくの体より少し大きめのベットは重くて、
息が荒くなる度あの子がぼくの体の中に入り込む。
27
:
うへえ
:2013/06/19(水) 21:25:51 ID:EovxaxHM0
そしてぼくの中で囁き続ける。
お前の所為だ、と
お前があの時呼ばなければ良かったのに、と
ずうっと囁き続けるのだ。
28
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:26:39 ID:EovxaxHM0
なんだか目の前がぼやけ始める。
29
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:27:23 ID:EovxaxHM0
( ;ω^)
なおう なおう
30
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:28:49 ID:EovxaxHM0
不幸を呼んでしまった白猫は鳴く。
なおうなおう
不幸を引き起こしてしまった白猫は泣くのだ。
31
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:29:59 ID:EovxaxHM0
なあおううぅ なあなあ なおう
32
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:31:23 ID:EovxaxHM0
―――――
――――――――
―――――――――――――
―――――――――――――――――( ω ) なおう
―――――――――――――
――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――
――――――――
―――――
――
33
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:32:58 ID:EovxaxHM0
( ^ω^)
あれからどれ位時間がたったのだろう…?
少なくとも日差しがぼくに優しくなったことは確かだ。
友達のネズミと
近所のおばさん達と
あまり好きではない犬と
男の子のような女の子に
ありがたく励まされたぼくは、あの日と同じ小道を歩いていた。
34
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:34:01 ID:EovxaxHM0
あの場所へ向かうために。
35
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:36:38 ID:EovxaxHM0
ねえねえ、もういいかな
ぼくはもう疲れてしまったんだよ
寝ても覚めても、あの子がぼくから離れてくれない。
毛はもうとっくに生え変わってしまったのに、おかしいね。
ほら、ほら、ほら、
36
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:37:24 ID:EovxaxHM0
今もぼくの後ろを付いて来ている。
37
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:38:40 ID:EovxaxHM0
ξ;;;;:⊿,,;)ξ
あの日、道路に横たわったときと同じ顔で。
真っ赤になって笑っているのか泣いているのか分からない顔で。
ぼくを見下ろしている。
38
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:40:31 ID:EovxaxHM0
ここを真っすぐ行ってそこを曲がれば、ほら、
――――あの子が死んだ場所
( ^ω^)
あの子のにおいが一層強くなる。
39
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:42:08 ID:EovxaxHM0
ぼくは道路に飛び出して赤黒いしみに背中を擦り付けた。
( ^ω;)「な」
40
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:43:35 ID:EovxaxHM0
( ;ω;)「あ、なああああああああ、ああ、ああああああああああ」
そうしたらあの子のところへ行ける気がして!
あの子に撫でられたような感覚を味わえる様な気がして!!
本当はずっと、ずうっと!! 謝りたかった!!!!
ごめんなさいって、ぼくのせいでごめんなさいって!
41
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:45:12 ID:EovxaxHM0
会いたい会いたい会いたい! あの子に会いたい!!
( ;ω;)「なおうなおう! にゃあにゃああ、なあおう!!」
42
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:47:01 ID:EovxaxHM0
不吉の白猫は死を呼ぶ。
それは他人の死も、 自らの死も。
43
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:48:06 ID:EovxaxHM0
気がくるった猫は気づかない。
あの子を食べた怪物と同じ怪物が、
折角警笛を鳴らしているのに気付かない、気づけない。
44
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:50:39 ID:EovxaxHM0
( ;ω゚)「なあ、あ」
ごしゃり
白い猫があかく染まる。
45
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:52:22 ID:EovxaxHM0
薄れゆく意識の中で猫はあの子の顔を見た。
もちろん本物のあの子では無い。 幻覚の類だ。
46
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:54:02 ID:EovxaxHM0
ξ*^ー^)ξ
それはもう、とびきりの笑顔だった!
47
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:56:44 ID:EovxaxHM0
猫はそりゃもう喜んだ!!
その場で飛び回りたいほどにね!!
でも、何故か出来なかった。
48
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 21:59:08 ID:EovxaxHM0
仕方ないから猫はあの子の笑顔に負けない位の笑顔を作った。
(*^ω^)
49
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 22:02:11 ID:EovxaxHM0
な
な お
お う う !
!
(*^ω^)
50
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 22:03:20 ID:EovxaxHM0
( ^ω^)は人を殺した猫のようです
51
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 22:04:05 ID:EovxaxHM0
おわり!
52
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 22:14:28 ID:N0d/rI8c0
おつ
初夏にいいホラーだった
53
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 22:15:20 ID:HNf45X0.0
乙である
54
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 22:21:23 ID:EovxaxHM0
わわわ!! 52さん53さんありがとうございます
これで心置きなくうんこ行ってこれますな(`・ω・´)
55
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 22:31:33 ID:rUinksqY0
(´;ω;`)ぬこ・・・
56
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 23:00:47 ID:EovxaxHM0
>>55
(´;ω;`) ふええ…ごめんよう…
次は頑張ってねこたんが幸せになる話を書くから…
57
:
名も無きAAのようです
:2013/06/19(水) 23:14:33 ID:1uADHZ4Q0
乙!
58
:
名も無きAAのようです
:2013/06/20(木) 00:49:01 ID:xq5tS9IoO
乙!タイトルから化け猫が人を食い殺す話かと思ったら、中身は切なかった…
59
:
名も無きAAのようです
:2013/06/20(木) 01:11:27 ID:h4OlchN.0
予告のレイアウトから惹かれた。テンポも良いしすらすら読めるのに目が離せなかった。語りも好き。読んでよかった
60
:
名も無きAAのようです
:2013/06/20(木) 09:07:55 ID:vZirsang0
>>57
>>58
>>59
ぐはあっ…!! その乙の一言が心に沁みました!
次も頑張ります(`・ω・´)
61
:
名も無きAAのようです
:2013/06/20(木) 10:55:06 ID:92XlGqII0
化け猫的な話かと思ったw
面白かったよ、乙!
62
:
名も無きAAのようです
:2013/06/20(木) 11:54:03 ID:vZirsang0
>>61
サンクス!(`・ω・´*)
化け猫かあ…w 今度書いてみようかしら
63
:
名も無きAAのようです
:2013/06/20(木) 23:19:09 ID:/5l87jtgO
ここまでが序章で、これから本編だよな?(;_;)
64
:
名も無きAAのようです
:2013/06/22(土) 21:52:43 ID:WaL.LKPc0
ちょっと車壊してくる
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板