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Ammo→Re!!のようです

148名も無きAAのようです:2013/09/26(木) 21:47:57 ID:W2H0TbLI0
ヒートは現代では珍しく、耳付きと呼ばれる人種を差別しない。
差別は優位性に立ちたがる人間の弱さの裏返しであり、それをしない彼女は芯から強いのだとよく分かる。
元殺し屋で、彼女ほどの性格の持ち主が不毛な殺し屋になった理由は、想像できなかった。
ブーンを見る時の目が時々寂しげに陰る原因もまだ分からないが、旅を続けていく過程でそれらが分かるかもしれない。

この時代の旅で出会った人間の中で、ブーンは最も気に入っている。
何が、と問われて答えるのは非常に難しい。
彼の持つ魅力、としか答えようがない。
その魅力と云う一言の中には複数の意味が込められていて、丹念に一つ一つ答えるには最低でも一時間は必要だ。

デレシアは、これまで続けてきた果てしない旅は彼に逢うためのものだったとさえ感じ始めている。
これまでに類を見ない将来性と成長速度、そして、邪気の欠片もない無垢な瞳に見つめられる度、彼の可能性を確かめたくなる。
悪い癖であることは理解している。
しかし、彼にはその可能性を見せてもらわなければならないし、是非とも見せてもらいたい。

この先、旅の途中で遭遇する争い事はその激しさを増す事だろう。
ティンバーランドが動き出すということは、そういうことだ。
ならば、多少強引なことをしてでもブーンの成長を促し、変わりゆく世界に対応出来るだけの力を付けさせなければならない。
彼は自分自身の口で、強くなりたいと言った。

その言葉が本心であることは疑いようもなく、受け入れるしかなかった。
多くの人間を見て、多くの人間と関わり、誰よりも長く世界を見てきたデレシアは、ブーンに魅了されていた。
彼が望んだのは平和でも普遍でもなく、力と進歩だった。
その選択は、この時代に最もふさわしい物。

彼はこの時代を生きるに相応しい人物なのだ。

(;∪´ω`)

ζ(゚ー゚*ζ「ブーンちゃん、大丈夫よ」

これから迎える身体検査を前に緊張しているブーンを見上げ、デレシアは優しく、語りかけるように落ち着かせる。
列が動き、階段を二段上がったところでまた止まる。
ブーツの爪先が踏みしめるたび、滑り止め加工のされた金属製の階段からは、軽い音が鳴った。

ノパ⊿゚)「にしても、こんだけでけぇ船をどうやって動かしてるんだ?」

ζ(゚ー゚*ζ「太陽光と波力、後は風力発電ね。
      海水発電装置も実験的にだけど、使っているわ」

太陽光を初めとする自然の力による発電は、ある時期から著しく進歩した。
従来の発電方法の数倍の発電量が生み出せるのだが、設備費用は数十倍に跳ね上がった。
途上国での使用が期待されたが、その価格故に一部の国で少数だけ採用され、オアシズにもその設備が導入されている。
巨体を生かした発電設備だけで航行中の電力を全て補うことが出来るよう設計されているのだが、それでも、万が一と云う場合がある。

船倉に大容量のバッテリーを備蓄していたとしても、常時七千人、最大九千人が生活をしていく中で、底を突いてしまう危険性は常にあった。
そこで発案されたのが、海水発電装置の導入である。
海水の塩分濃度の違いを利用した発電装置は、巨大な球体の装置がアンカーのようにして船尾から海に伸びており、停泊中は勿論だが、航行中も発電されるという優れもの。
船体の復元よりも、この装置の復元に最も時間が費やされ、現在では世界で唯一オアシズだけがこの装置の復元に成功している。


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