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夜診ロマネスク病棟のようです
1
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 22:22:28 ID:/KCj37jY0
―――府立なおるよ病院 小児病棟
('(゚∀゚∩「院長のなおるよだよ!兄者君元気かなっ!」
ttp://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/182.jpg
( ´_ゝ`)「退院したい」
Σ('(゚∀゚;∩「お待ちなすって!?」
( ‘∀‘)「だめよー兄者君。帰れるのは今週末の予定なんだから、ね?」
( ´_ゝ`)、「先週も看護婦さんそう言った」
川 ` ゥ´)「金曜日にまた具合悪くなっちゃったんだから仕方無いッピャ。
予定は未定だッピャよ」
( ‘∀‘)「もうちょっとの我慢よ。
ほら、この前弟君が持ってきてくれた、ブーンちゃんが一緒だから寂しくないでしょ?」
そう言って、兄者の頭上、ベッド脇に立つガートル台(点滴スタンド)を指差す。
T字型になったその両端の片側には、ふくよかなぬいぐるみが一体。
反対側の点滴バックと同じように吊り下げられていて
室内の彼らを見下ろし愛嬌のある笑みを浮かべていた。
( ^ω^)
川 ` ゥ´)「ほらほら、いつまでもそんながっかりした顔しないッピャ!
ブーンに笑われちゃうッピャよ〜」
('(゚∀゚∩「大丈夫だよ!
経過は順調、体調も問題無し。今週末にはきっと退院できるよ!」
('(゚∀゚∩「その為にも、今日の分のお薬ちゃんと飲むんだよ!」
( ‘∀‘)「はい、お水。これ飲んで元気になって、早く帰ろうね」
( ´_ゝ`)、「……」
45
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:11:09 ID:ukz1BOMQO
支援!
46
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:11:36 ID:/KCj37jY0
―――消灯時間は疾うに過ぎて、静寂と暗闇に包まれた一人部屋。
誰もいなくなったその部屋は、揺れるカーテンの隙間から差し込む月の光に照らされていた。
白い輝きを受けて、闇の中で仄かに浮かび上がる室内と、純白のベッド。
そして
( ^ω^)
その枕元にぽつんと残されたぬいぐるみが
無感情な笑みを顔に貼り付けて暗闇の中で笑っていた。
表情を変えぬそのぬいぐるみは、沈黙のまま持ち主の帰りをじっと待ち続ける。
―――と、思いきや。
47
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:12:52 ID:/KCj37jY0
( ^ω^)) …スッ
布と綿の詰め物でのみ構成されている筈のその体は
月の光を浴びながら、なんと、突如ゆらりと立ち上がったではないか。
( ^ω^)「……」
(( ^ω^) ポテ ポテ
闇夜に動き出したぬいぐるみは、そのまま頼りない動作でベッドを降り床へと着地すると
出入り口である扉を目指して歩を進めていく。
かの鼻が伸びる木製人形のように、不思議な力が働いて命を授かりでもしたのだろうか?
童話のような展開に、思わずそう疑いたくもなる。
ようやくブーン人形が辿りついた先、ゆっくりと独りでに開くドア。
不気味な薄明かりに輪郭を浮かび上がらせた人形は、躊躇うことなくそのドアをくぐり―――
从 ゚∀从「おーっと、逃がさねぇぜ」
そのまま、人形が病室からの脱出を実現することは叶わなかった。
開いたドアのその前には、腕を組み、不敵な笑みでこちらを見下ろすハインが立っていたからだ。
48
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:15:00 ID:/KCj37jY0
( ^ω^)「……」
从 ゚∀从「ようやく尻尾を出したな。雑魚の癖に手こずらせやがって」
愛用の巨大なメスを構え、無駄の無い動きで振り下ろしたその切っ先を
依然間の抜けた笑顔を貼り付けこちらを見上げる、ぬいぐるみの額に鋭く突きつけるハイン。
从 ゚∀从「……病気がちな兄者の命を狙ってた低級悪魔が
弟の方にとり憑いて人形に潜り込み、まんまと病院内に潜入。
一番力の強まる満月の夜を待って、入院中に魂をいただく算段だったってわけだな」
( ^ω^)「……」
从 ゚∀从「へっ、だんまりかよ。まあいいや」
ニヤリ。口角を吊り上げる。
从 ゚∀从「これより、ハインちゃん式オペを開始する。覚悟しやがれ!」
( ^ω^)
黙ってハインの言葉を聞いていたブーン人形。
だが、
ヒュンッ!
小さなその姿は、突きつけられたメスの先から忽然として掻き消えた。
ハインの後方に目を向けると、異界と化した病院内の彼方へと飛び去る一つの影がある。
先程まで頼りなく佇んでいた人形は、突如重力という枷から解き放たれ
地面から数m離れた空中を、猛スピードで “飛翔”していた。
先程からつくづく常識外れな行動を起こす人形である。
49
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:15:59 ID:/KCj37jY0
从 ゚∀从「―――逃がさねぇって言っただろ?」
しかし、対象に逃げられたハインは依然、自信に満ちた笑みを崩さない。
从 ゚∀从「いけ、ビコーズ、ゼアフォー!」
三( ∵) 三( ∴) シュババッ!!
ハインの指示で一陣の黒い風となったビコーズとゼアフォーが、一瞬でブーン人形の前に回りこんだ。
一瞬にして追いつき、二匹の作り出す風の輪が対象を取り囲む形となる。
三( ∵) 三( ∴) ヒュンヒュン
ブーン人形の周りを高速で旋回飛行し始める二匹。すると―――
(;^ω^)「!?」
二匹の旋回によって描かれた円に沿って、突如空中に
ファンタジーでよく見る魔方陣のようなものが浮かび上がってきた。
魔方陣の丁度中心に位置する形となったブーン人形。
陣がはっきりと姿を現した時、飛行を続けていたその体は
まるで見えない壁に遮られ衝突したかのように急激なブレーキを掛けられ停止し
魔方陣上の空中において、完全に動きを封じられることとなる。
( ∵)マスイ( ∴)カンリョー
(;^ω^)「ッ!!」
50
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:16:41 ID:/KCj37jY0
そして
从 ゚∀从「―――喰らいやがれ」
すかさず後方から大きく跳躍したハインが一直線にメスを振りかざした。
一閃!
从 ゚∀从「切開!!」
―――ズバズバズバッ!!
(;゚/ /ω゚)「ギャアアアアアァアアァ!!!」
51
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:18:51 ID:/KCj37jY0
ハインの振り下ろした巨大メスの一太刀によって、無残にも切り刻まれるブーン人形。
魔方陣の解除に伴い、バラバラになった各パーツは浮力を失い落下する。
零れ出た詰め物が廊下に飛び散った。
(;゚/ /ω゚)「ぐううううッ!!!」
切り裂かれたその身は、ただの布と綿で出来たぬいぐるみに過ぎない。
だがしかし、苦しそうな呻き声から察するに
中の”モノ”にも相当なダメージを負わせることが出来たようだ。
(;^/ /ω^)「ち……畜生……!あと少しで上手くいったのにお……!!」
最早ここまでか。
手や足を切り離され、胴だけになった人形の体を引き摺り、苦々しげな声を漏らした。
ハインがヒールの音を響かせて歩み寄ってくる。
(;^/ /ω^)「……だが!
あの子の命もあと少し、もうこんな容れ物は必要ないお」
( ^/ /ω^)「力は満ち満ちている……!こうなったら、直接魂をいただくとするお!」
―――苦渋の呻きが、昂然とした色を含んだそれへと変化した。次の瞬間
※:::::/ω^) ズ ゾ ゾゾゾゾ
バラバラに切り刻まれたブーン人形。その切断面から
綿やビーズの詰め物と共に、靄のようなナニカが湧き出てきた。
52
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:19:55 ID:/KCj37jY0
底知れぬ闇の色をしたそれは、布の隙間からぞわりと広がると
その向きを変えて、集中治療室がある方向へと狙いを定める。
不定形な霧状の体に、2つの赤い目が光った。
「させるかよ」
※゚※:゚:::: :::『!』
ドス黒い靄が解き放たれたその先に、暗然たる声が響く。
闇から現れたドクオが、素早くぬいぐるみを掴みその上で手を走らせた。
('A`)「縫合!」
目にも負えない速さで動く、ドクオの手に一本の針が光った。
※゚※:゚:::: :: /ω^)『……ッ!!』 ズズズズズ……
(;^/※゚::: :/ω^)「な……」 ズズズズ
(;^/:::/ω^)「なんだお!!?」 ズ ズ ズ
素早く縫い合わされていく布と布の狭間に、離脱しようとしていた黒い靄が吸い寄せられていく。
ドクオの縫合によって、瞬く間に人形が元の形を取り戻したその瞬間
全身に刻まれたツギハギが淡く光を発し、その体を包んだ。
そして。
53
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:20:13 ID:PWZpIGFM0
支援支援!
54
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:20:35 ID:/KCj37jY0
('A`)「“結・紮”!!」
(;^メω^)「―――うおおおぉ!!?で、出れねぇおおおお!!!」
縫合が終わると同時、外部に広がっていた黒い靄は完全に元のぬいぐるみに収束されていた。
再び五体満足とはなったものの
わけが分からないといった困惑の悲鳴をあげるブーン人形。
('A`)「Dr.ドクオ様特製の糸でがっちり縫いつけてやったぜ。
これでお前はその容れ物から出る事はできねぇ」
从 ゚∀从「もうちょっと綺麗に縫えよなドクオ。大事な人形がこのザマじゃ兄者が泣くぜ」
('A`)「その大事な人形バラバラに切り刻んだ奴よりは幾分罪が軽いだろうよ。
―――院長、あとは頼みます!」
∧_∧
( ФωФ)「任せろ!」
55
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:21:55 ID:/KCj37jY0
暗闇で、ぎらりと光る金色の瞳。
首に巻いたネクタイを颯爽となびかせ、闇の中から軽やかに躍り出た一匹の黒猫の口には
一般的な薬局で手渡されるような、白い薬袋が銜えられていた。
∧_∧
( ФωФ)「院長ターックル!!」
(;゚メω゚)「ふごぉ!?」
パニックに陥り身動きできないブーン人形の上に有無を言わせず着地。
抵抗する人形を、その四肢でがっしりと押さえ込む。
そのまま、軽い動作で袋から錠剤を取り出すと
肉球つきの手で無理矢理その口部分へとつっこんだ。
(;゚メω゚)「な、なにするおおおお!!フゴフガオゴッ」
もちろん人形に摂食機能などは備わっていないのだが。
それでも錠剤状の薬は次々と、布でできたその体に吸収されていく。
∧_∧
( ФωФ)「ふふん。
悪魔更正治療の専門、我がロマネスク病棟に来たのが貴様の運の尽きであったな!」
得意気にドヤ顔をかますロマネスク院長だが、ハイン達に比べそのアクションは一番地味である。
56
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:22:36 ID:/KCj37jY0
∧_∧
( ФωФ)「―――治療完了である!!」
再び静寂が訪れた真夜中の病院内。
高らかに勝利宣言したロマネスクのその足元、静かに転がるブーン人形。
( ^メω^)
ツギハギだらけの人形と化したそれは、最早動くことも喋ることもなかった。
57
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:23:33 ID:/KCj37jY0
―――集中治療室―――
ピッ… … ピッ… … ピッ… … …
('(゚∀゚;∩「〜〜〜〜〜〜!」
(;‘∀‘)「〜〜〜〜〜〜!」
(; _ゝ)
… ピッ… … … ピッ… …
58
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:24:16 ID:/KCj37jY0
ピ … … …
… … …
「―――しっかりしろよな兄者。お前、あんなに家に帰りたがってたじゃねーか」
.
59
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:25:33 ID:/KCj37jY0
「おら、外で弟と妹がお前のこと心配して待ってるぞ。
早く行って安心させてやれよ。
―――お兄ちゃんだろ。
(; _ゝ)
………
………うる… …さ いな……
………わかってるよ。
60
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:26:16 ID:/KCj37jY0
ピッ… ピッ…
…ピッ …ピッ …ピッ …ピッ …ピッ
川;` ゥ´)「……!脈拍、正常値に戻りました!」
('(゚∀゚;∩「よし、投薬を続けてよ!」
(;‘∀‘)「はい!!」
(;-_ゝ-)「………」
('(゚∀゚;∩「しっかりするんだよ、兄者君……!!」
61
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:27:05 ID:/KCj37jY0
+ + + + + + + + + + + +
「「「退院おめでとうー!」」」
待ちに待った日曜日。
晴天の下、病院の外に停められた車の前に兄者を中心とした皆が集まっていた。
既に点滴も外され、車椅子も必要無い。
一時は危うい状態になった容態も、一度持ち直すとその後順調に回復して
無事、兼ねてからの退院予定日であった今日を迎えることが出来た。
兄者の回復を最も喜んでいたうちの1人である院長のなおるよは
出迎えに出てくることは出来なかったが、心からのお礼を言って別れの挨拶をすましてきた。
( ‘∀‘)「しばらくは無理しちゃだめよ兄者君。一時はほんとに危なかったんだからね」
川゚` ゥ´)「ほんとだッピャ。元気になって良かったッピャ。
先生の言いつけちゃんと守って、お薬もちゃんと飲むんだッピャよ」
(*´_ゝ`)「うん!看護婦さん達ありがとう」
母者も父者も休みをとって、兄者を迎えにきてくれた。
父者の運転する車に乗って、みんなで懐かしの我が家へ帰宅だ。
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ほんとに、よかったね兄者。帰ったらお祝いだよ!」
(*´_ゝ`)「うんっ」
嬉しそうに顔を綻ばせる兄者。
その胸には、ツギハギだらけになったブーン人形が大事そうに抱きしめられている。
62
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:27:56 ID:/KCj37jY0
( ^メω^)「もう悪いことなんてしないよ!」
Σ(´<_`;)「!!?」
( ´_ゝ`)「?どうした?弟者」
(´<_`;)「い、今、このぬいぐるみ喋らなかったか!?」
( ´_ゝ`)
l从・∀・ノ!リ人
@@@
@#_、_@
( ノ`)
( ‘∀‘)
川;` ゥ´)
( ^メω^)
(´<_`;)「そんな目で見ないで!!」
( ´_ゝ`)( ^メω^))「ボクブーン!ボクトケイヤクシテ マホウショウネンニナッテオ!」
(´<_`;)「やめろ!!」
63
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:29:16 ID:/KCj37jY0
ニャー
( ‘∀‘)「あら?」
l从・∀・ノ!リ人「あ!ぬこさんなのじゃー!」
談笑するみんなの中、看護婦の背後から姿を現した小さな影。
∧_∧
( ФωФ) ニャア
―――それは、どこか見覚えのある一匹の黒猫だった。
( ´_ゝ`)「あ……」
l从・∀・*ノ!リ人「かわいいのじゃ!」
( ‘∀‘)「病院の庭に住み着いてる猫さんなの。ロマネスクっていう名前なのよ」
兄者の方へゆったりと歩み寄るロマネスク。
その口には、片方だけのスリッパが銜えられていた。
64
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:29:58 ID:/KCj37jY0
川 ` ゥ´)「あれ?それ、いつだったか兄者君が片方無くしちゃったうさちゃんスリッパじゃないかッピャ」
( ‘∀‘)「あらほんと。もしかして、見つけてきてくれたの?ロマ」
∧_∧
( ФωФ) ミー
一声鳴いて、兄者の足元に擦り寄る。
( ‘∀‘)「うふふ、良かったわね兄者君。
ロマも、『退院おめでとう』だって」
( ´_ゝ`)「……ありがと、ぬこにゃん」
屈んでそのスリッパを受け取り、頭を撫でてやると
手の下で目を細め、ゴロゴロと喉を鳴らした。
65
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:30:44 ID:/KCj37jY0
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「じゃあ行くよー」
l从・∀・ノ!リ人「おうちにむかって出発進行!なのじゃ!」
( ‘∀‘)「元気でね!」
川 ` ゥ´)「お大事にッピャ」
車に乗り込み、看護婦達とその腕に抱きかかえられたロマネスクにさよならをする。
発進して数メートル進んだところで、兄者は車の座席を僅かに移動し
見送る看護婦達とは反対の方向に向けて手を振った。
(´<_` )「?誰に手を振ってるんだ?兄者」
不思議に思った弟者が窓の外を覗き見るも
兄者が手を振る先にそれらしい人物は見当たらない。
それでも手を振る兄者の顔には、どこか満足そうな笑みが浮かんでいた。
从 ゚∀从ノシ「「もう来んなよー」」('A`)ノシ
( ∵)ノシ ヨー ( ∴)ノシ yo!
日曜の午後、眩しい青空の下
白い建物は遠ざかり、次第に見えなくなっていった。
66
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:32:18 ID:/KCj37jY0
(。><)「うあーん、帰りたいんですううう」
―――日の暮れた小児病棟。
幅広い年齢層の子供達が入院しているこの建物で
多くの病室が並ぶ、その中のとある一室。
部屋に一つだけのベッドと、その上で泣きじゃくる小さな子供。
そして、その傍らに付き添う一人の医師の姿があった。
(。><)「こんなとこもうヤなんです、ママぁー」
( ´_ゝ`)「はいはい泣かない泣かない。苦いお薬ほど体に良いんだぞ?」
.
67
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:33:00 ID:/KCj37jY0
(。><)「そうじゃないんです先生!この病院、夜になったらオバケが出るんです!」
Σ( ´_ゝ`)「な、なんだってー!?」
(。><)「オバケの病院なんです、先生も呪われちゃうんです!」
( ´_ゝ`)「呪われちゃうの!?
いや、いやいやいや先生はオバケとかそんな非科学的なもの全然怖くないんだけどな?
そうだ、夜勤のナースさん達が怖がってストライキ起こすかもしれないだろ?」
( ´_ゝ`)「ここの院長実は胃痛持ちなんだよ。そんな話他の人にしちゃいけないぞ」
(。><)「でも怖いんです!退院したいんですう」
( ´_ゝ`)「怖いと思うからオバケも怖く見えるんだよ。気にしない気にしない」
事も無げにそう言うと、不安そうに怯える少年にそっと布団を掛けてやる。
( ´_ゝ`)「ほら、もうすぐ消灯時間だ。いいか?
今夜はオバケのことなんか考えないで、ぐっすり眠るんだぞ」
(。><)「無理なんですううう」
( ´_ゝ`)「大丈夫だよ、いい子だからおやすみ。また明日、な」
68
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:34:01 ID:/KCj37jY0
『まもなく消灯時間です。お部屋にもどり、電気・テレビなどを消して静かにお休み下さい』
「……良いな皆。
今晩いよいよ、あの子にとり憑く悪魔の”治療”にとりかかるのである」
「たく、診断までにまた時間がかかっちまったぜ」
「まさか親が持ってきた京都土産のこけしに憑いてたとはなぁ」
「へっ。こけしだろーとなんだろーと、ハインちゃんのメスにかかれば一太刀よ!」
「こけしって縫えるかなぁ……」
「ムリジャネ?」「ムリダロ」
「各々、昨夜決めたとおりの作戦でいくのであるぞ。よいな」
69
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:34:41 ID:/KCj37jY0
「で?院長。あのガキが逃げたらどうすんだよ?」
「抜かりは無い。
親しい担当医の言うことならば、素直に聞いてくれる筈である」
∧_∧
( ФωФ)「ということで、足止め役は頼んだぞ。
―――Dr.流石」
「はいはい」
( ´_ゝ`)「任せて下さいよ、院長」
70
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:35:49 ID:/KCj37jY0
从 ゚∀从「ヒャッハー腕が鳴るぜ!
ヘマすんなよ兄者!ヘマしたらその場でフルボッコだ!!」
('A`)「医大出たてのひよっこドクターに格の違いをとくと拝ませてやらぁ。
完膚無きまでにプライドへし折ってやるぜ」
( ´_ゝ`)「就任したての新人相手に厳しすぎるだろこの職場……」
( ∵)ヤキソバパン( ∴)カッテコイヤー
( ^メω^)「ブーンもお手伝いするお!」
( ´_ゝ`)「ブーンはいいよ。喋るツギハギ人形とか出てきたらマジトラウマなるから」
( ´メω`)「おーん……」
从 ゚∀从「喋る化け猫見てなんも動じなかったガキがどの神経で言ってんだか……」
( ´_ゝ`)「ぬこにゃんはいいんだよ可愛いんだから!!」
∧_∧
(;ФωФ)「フギー!失敬な!失敬な!!」
( ^メω^)「ブーンだって可愛いお!」
( ´_ゝ`)「お前のブームは俺が子供の頃にとっくに去ったんだよ」
( ;メω;)「おーん!!」
71
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:36:45 ID:/KCj37jY0
('A`)「さてと。院長、どうやらホシが動き出したようですよ」
从 ゚∀从「オーケイ、ショータイムの始まりだ!」
( ∵)「wkwk」( ∴)「tktk」
( ´_ゝ`)「荒治療には違いないな」
( ^メω^)「ブーンも手伝うおー!」
∧_∧
( ФωФ)「うむ、では行くぞ皆の者―――
治療開始である!」
( ´_ゝ`)( ^メω^)从 ゚∀从『任せな!!』('A`)(∵ )(∴ )
∧_∧
( ФωФ)夜診ロマネスク病棟のようです( ´_ゝ`) 了.
72
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:38:49 ID:ZiYhvzEo0
乙乙!!面白かったー!!
色んな絵組み合わせてたが、組み合わせ方ほんと上手いな
皆いい味出してて楽しく読めた
兄者、可愛いもの好きなのは大人になってもかわらんかったのかwww
73
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:43:15 ID:/KCj37jY0
使用イラスト:No.182 No.45 No.92 No.184
以上です。読んでくださった方ありがとうございました
夜の病院を舞台になにか書いてみたかったのです
素敵なイラストを使わせて頂いた絵師さん達に敬礼!
タイトル病棟名のロマネスクはromanesqueの意味を含ませております
書いてて思ったけど、兄者、腕に点滴針刺さったまま走ったり動き回ったり器用な奴だな。
みんな真似しないでね。血まみれなるよ(経験談
74
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:46:15 ID:aCAdIDow0
面白かった・・・!これ絶対読み返したくなる
乙!
75
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:46:57 ID:ukz1BOMQO
乙!めっちゃ良かった!!
個々の絵の繋げ方が上手いし、話もキャラも可愛かった!
そんでもって俺の描いたドクオハインゼアビコ使ってくれてありがとう!
まさかアレがこんなマーベラスな作品に仕上がるとは!泣きそう!
76
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:51:27 ID:teJ3xwgw0
うわあああ絵使っていただいてる……!ありがとうございます!
面白かったです、乙!
77
:
名も無きAAのようです
:2012/11/20(火) 23:57:07 ID:PWZpIGFM0
なおるよ達を描いた者です使ってくれてありがとう!
4枚の絵がごく自然にひとつの話になっててすごい
途中弟者に百物語的な不安を抱いたけどそんなことなくて良かった
面白かった乙乙!
78
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 00:17:02 ID:VxYCVSYE0
乙
79
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 00:25:16 ID:UAPvFikc0
絵の繋げ方うめええええ!
話も可愛いやらドキドキするやらで面白かった!
乙乙!
80
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 01:03:49 ID:cDdHN0Mk0
面白かった!
乙乙ー!!
81
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 01:28:49 ID:.ocvkqhQ0
これは良作・・・!
おつおつー
82
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 07:53:44 ID:nxOc.QHcO
面白かった
オチも大好き
おつです!
83
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 08:38:39 ID:oKitrsfw0
絵の使い方も話も最高だった!
乙乙!
84
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 16:35:32 ID:9I3Q.z4w0
なにこれクソ面白い
クソ乙!
85
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 16:48:27 ID:/2kp..YQ0
こういう集まってわらわらするの大好きだわ
乙!
86
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 17:05:20 ID:0B75C9BUO
成長した兄者の活躍に期待せずにはいれないな
楽しいオチでホッとした、乙!
87
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 19:17:04 ID:n4VTreZI0
乙!
話と絵の使い方が良かった!
面白かったよー!
88
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 22:10:29 ID:pxtKVUSo0
改めまして、No.184を描いた者です!
使っていただき本当にありがとうございました
漫画は描けないのでイラストをば
面白かったです、乙でした!
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_319.jpg
89
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 23:18:57 ID:UGQr2aY60
>>88
おひょう!ほんわかかわええ即効保存!
まさかイラストいただけるとは思ってなかったので滅茶苦茶嬉しいです。細かい部分が忠実!
こちらこそ、No.184の絵は話の良いアクセントになり大変助かりました
改めて、物語を華で彩って下さった絵師さん達に最敬礼!
90
:
名も無きAAのようです
:2012/11/26(月) 15:54:03 ID:c8dwEWjA0
楽しく読ませてもらった! 乙!
91
:
名も無きAAのようです
:2012/11/27(火) 22:17:54 ID:RhAfGPtE0
祭終わったし、せっかくだからちろっとはい俺させてくださいな
夜診ロマネスク病棟は不肖、マインドBがお送りしました
専スレではひとりぼっちの魔物の話書いたよ
絵は6枚くらい描いたけど恥ずかしいから割愛
ちなみに両作とも一枚ずつ自分の絵使いました。ははっ非生産的わろす
本当に、絵描きとしても書き手としても読者としても非常に楽しい1週間でした
みんなおつかれありがとう!!
そして、現行の方は……おかしい、11月末には続きを投下できる予定だったんだが……
ちょっと今祭終了で軽い燃え尽き症候群に陥ってるので、解消次第ガシガシ書きますですもうしばしお待ちを!
92
:
名も無きAAのようです
:2012/11/27(火) 22:46:07 ID:4qaNB3TQ0
マインドBだったのか
ロマネスク病棟もひとりぼっちの魔物も面白かったよ
現行も待ってる
93
:
名も無きAAのようです
:2012/11/27(火) 23:02:11 ID:sh7slROE0
まさかの!
ロマネスク病棟も面白かったよー!
マインドBも楽しみにしてる!
94
:
名も無きAAのようです
:2012/11/28(水) 23:34:28 ID:Maf1h2Kw0
おつ
現行も待ってるぜ
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