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(ヽ'ω`) ブーン系鬱祭りのようです

1 ◆R6iwzrfs6k:2012/11/06(火) 21:37:25 ID:8rmxfGKQO
場所:創作板の鬱祭スレ中心
VIP投下も可(後述)

時期:12月20日18時〜26日7時まで

投下作品:長編短編なんでもおk
イラスト(漫画含む)もぜひ投下してください

作品傾向:ファンタジー、学園物、セカイ系、ラブコメ、SF、童話、シリアスその他諸々…
バッドエンドに限らずハッピーエンドでも構いません
読者を鬱に引きずり込む要素があればなんでもおk!

まとめ先:行きずりトマトsocietyさん
http://letas.en-grey.com/

ルール
・創作板本スレでの投下は30レス以内(短編)まで
・以下の条件に当てはまる場合は本スレではなく、創作板かVIPに個別スレを立ててください
1.ながら投下
2.安価を指定して展開を進める作品
3.連作短編作品
4.30レス以内に収まらない作品

・なお、個別スレを立てた場合は本スレに報告をお願いします
報告がなかった場合まとめに乗らない可能性があります

・過度のエログロについては前書きを推奨します

195川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:07:19 ID:kisSzpRM0
.


投下します


.

196川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:08:06 ID:kisSzpRM0
10

ある日のニュース

備府市志別町10の3にて、17歳少女が元担任の男を刺す事件が発生。男性は意識不明の重体。
少女は身寄りなく元担任と同棲していたと思われる。

.

197川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:11:55 ID:kisSzpRM0




( ´∀`)「な、先生のうちに来い。生活援助してやるからさ・・・」







川 ゚ -゚)「…」

.

198川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:12:42 ID:kisSzpRM0



( ´∀`)「お前がまさかそんなことしてたな・・・」







川 ゚ -゚)「…」

.

199川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:14:12 ID:kisSzpRM0

/ ,' 3 「・・・お前だったのか・・・2度と戻ってくるな」

( ´∀`)「先生いつでもお前の見方だからな、また、頑張れ」
(*゚ー゚)「友達裏切って平気なんだ 絶交だね。じゃね」



ξ゚⊿゚)ξ「リーダー聞きました?親父に見つかったんだって、だっさ」
lw´‐ _‐ノv 「よし、例の件バラせ」



川 ゚ -゚)「…」

.

200川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:15:50 ID:kisSzpRM0

/ ,' 3 「お前、最近何か様子が変だぞ・・・試験の結果も良くないし」
从;ー;从 「もう学校やめる さよなら」
( ´∀`)「いきなり2桁台に転落とか、お前らしくもない」
(*゚ー゚)「クー隠してたなんて・・・内藤くんとの事」
(*‘ω‘ *)「正直がっかりだよ・・・」
( ゜ω゜)「なんだお!ちょっとくらい頭がいいからっていい気になるなお!」
ξ゚⊿゚)ξ「デパスなんかいるかよ!!リタリンとかもっとアガるクスリ持ってこいよ、ったく、使えねーなww」



川 ゚ -゚)「…」

.

201川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:16:40 ID:kisSzpRM0

/ ,' 3 「なんだ、最近薬の在庫がおかしいな」
从;ー;从 「なんで?見捨てるの?友達なのに・・・」
( ´∀`)「わりぃわりぃ、プリントと間違えて来季の試験問題渡しちまった」
(*゚ー゚)「内藤くんはどう思ってるのかな・・・」
(*‘ω‘ *)「正直がっかりだよ」
( ゜ω゜)「クー、好きだお、付き合ってくれお!」
ξ゚⊿゚)ξ「バレちゃったらまずいもんねー☆でさでさでさ・・・」





川 ゚ -゚)「…」

.

202川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:18:07 ID:kisSzpRM0

/ ,' 3 「学校には話をつけてきた。予備校への入校も済ませたからな」
从;ー;从 「いっしょに、警察行ってくれる?」
( ´∀`)「このプリント、コピーしといてくれ」
(*゚ー゚)「もち、応援してくれるよね。友達だもんね」
(*‘ω‘ *)「なんでいきなり辞めんの?みんなで頑張ってきたのに・・・」
( ゜ω゜)「お前のことが気になるお」
ξ゚⊿゚)ξ「あんた何持ってんの?あ!!!来季の試験問題じゃん!!」




川 ゚ -゚)「…」

.

203川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:18:53 ID:kisSzpRM0

/ ,' 3 「ソフト部はやめて勉強に専念しろ、異論は認めない」
从;ー;从 「クー、どうしよう…あたし…万引きしちゃった」
( ´∀`)「先生忙しいんだ、生徒同士のことはお前に任せるよ」
(*゚ー゚)「クー、あたし、B組の内藤くんが好きなんだけど…」
(*‘ω‘ *)「クーが来なきゃ始まんないもんっ、絶対きてよ?」
( ゜ω゜)「クー、お前付き合ってる奴いるかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「成績もだけど、先生のゴキゲン取りもなかなかってとこかぁww」
lw´‐ _‐ノv 「リア充うぜーwww」




川 ゚ -゚)「…」

.

204川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:20:07 ID:kisSzpRM0

/ ,' 3 「お前にはこんなレベルで満足してもらっちゃ困る」
从;ー;从 「クー、ほんとに友達でいてくれる?ほんとに?」
( ´∀`)「おう、先生に代わって修学旅行のアンケート取りまとめといてくれ」
(*゚ー゚)「クー、好きな人いる?」
(*‘ω‘ *)「クーのおかげで勝った!最高!」
( ^ω^)「おまえ、笑うとちょっとかわいいおww」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたのノート、ちょっと汚しちゃったwwわっるーい、悪気はないんだ」
lw´‐ _‐ノv 「やだ、こんな班分け」




川 ゚ -゚)「…」

.

205川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:20:50 ID:kisSzpRM0

/ ,' 3 「お前は父さんの跡をついで、この病院の院長になるんだ」
从;ー;从 「クー、あたしたちいつまでも友達だよね?」
( ´∀`)「お前は期待の星だからな、先生も鼻が高い」
(*゚ー゚)「クー、一緒にかえろ?」
(*‘ω‘ *)「クー来週の試合がんばろね!」
( ^ω^)「クー、次は俺が学年トップだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたって得な性格ね、悩みなんかなさそう」
lw´‐ _‐ノv 「席が隣だからって馴れ馴れしくしないでね」




川 ゚ -゚)「…」

.

206川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:23:24 ID:kisSzpRM0


あるところにそれはそれは美しい少女がいました
爽やかでスラリとした長身と、涼し気な顔、聡明な頭脳
すべてのものから祝福され、あらゆる期待を背負った彼女は
間違いなく世界で一番幸福な女性になるはずだったのです

.

(始)

207川 ゚ -゚) × / ,' 从;ー;( ´∀`・・・・:2012/12/21(金) 22:24:08 ID:kisSzpRM0
以上です。ありがとうございました。

208名も無きAAのようです:2012/12/21(金) 22:24:36 ID:suEvnocA0

終わりから始めるって発想が新しい上に面白かった!

2091/2:2012/12/21(金) 22:28:42 ID:kisSzpRM0
もともとこのスレで投下したものが原案です
短詩形によるイメージの訓練だそうです

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/37256/1275662795/38
38 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] :2010/06/07(月) 09:36:23 ID:EJCc2GE20 (2/6) [PC]
/ ,' 3 「お前は父さんの跡をついで、この病院の院長になるんだ」
从;ー;从 「クー、どうしよう…あたし…万引きしちゃった」
( ´∀`)「おう、先生に代わって修学旅行のアンケート取りまとめといてくれ」
(*゚ー゚)「クー、あたし、B組の内藤くんが好きなんだけど…」
(*‘ω‘ *)「クーが来なきゃ始まんないもんっ、絶対きてよ?」
( ゜ω゜)「クー、好きだお。付き合ってくれお!」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたって得な性格よね、悩みなんかなさそう」
lw´‐ _‐ノv 「やだ、こんな班分け」




川 ゚ -゚)「…」

予備校の帰り道 いろいろなことが頭の中を去来する たくさんの方向からバイアスがかかって
引きちぎれそうな気持ち 自分でありたい 誰かのためじゃなく ただの自分 そっけない
塩も砂糖もまぶしてない ただの自分でいたい

川の上には月
そして橋。



人も馬も渡らぬときの橋の景まこと純粋に橋かかり居る 斉藤史
.

2102/2:2012/12/21(金) 22:30:21 ID:kisSzpRM0
41 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] :2010/06/07(月) 17:57:59 ID:EJCc2GE20 (5/6) [PC]
/ ,' 3 「成績が下がってるそうじゃないか、どうしたんだ」
从;ー;从 「クー、ねえ、一緒に警察に言ってくれるよね?」
( ´∀`)「そんなこと先生にいわれても困る。お前が一番クラスを把握してるだろ」
(*゚ー゚)「友達裏切って平気なんだ?」
(*‘ω‘ *)「なんかこの前は正直期待はずれだったよ」
( ゜ω゜)「俺のどこが悪いんだお?いい気になるなお?」
ξ゚⊿゚)ξ「優等生さん、ご機嫌斜め?」
lw´‐ _‐ノv 「結局みんなの言いなりなんだ」




川:::::: )「…」


空が心の鏡なら
どす黒い曇天の空に雹を孕め
もしも神なら
間違いなく最後のスイッチを押してる


生臭き生類はみな滅せよと天の怒りのごとく雹の降る 斉藤史


・・・と、もともと斉藤史氏の短歌からの発想です。ありがとうございました。

211名も無きAAのようです:2012/12/21(金) 23:23:59 ID:9buNWrRA0
鬱!

212名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 00:35:35 ID:9z2lyrbA0
(;A;) 皆クオリティ高すぎいぃぃいいぃぃいいいぃ ぬわー・・・

213名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 11:10:12 ID:hm0L4ZnIC
ラノベの時と違ってみんなゆっくり投下だな


かくいう自分もだが('A`)

214名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 11:16:20 ID:s7pR4Mzs0
ラノベ祭りに参加してると鬱祭りに取れる時間がなくてだな……

215削除師三ヽ( 'A`)ノ★:<^ω^;削除>
<^ω^;削除>

216名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 21:57:43 ID:CybtGELY0
投下します

217名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 21:58:46 ID:CybtGELY0

街角にある小さくてとても古いアパルトマンがあった。
石壁に覆われた外観、重たい鉄扉のついた時代遅れの建物だった。
それでも、ここにはたくさんの人が訪ねてきた。
たった一人の女に会いに、数々の女達が足繁く通う。

そのおかげでアパルトマンは活気づき、再び息を吹き返した。

218名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 21:59:34 ID:CybtGELY0


女はクーチュリエ(仕立て屋)だった。
クーチュリエと名乗ってはいるが、それは大層なものではない。
自室に少しだけ手を加えた、とても小さな店だった。
看板を掲げているわけではないので、依頼人の御婦人達は、
蔓草を模した門扉をくぐり抜け、石畳の敷き詰められた小さな庭を越えて、彼女の部屋の戸をそっと叩く。

クーチュリエが作る服はけして派手ではないのに、客の心を掴んで離さなかった。
よく肌に馴染み、身体をしっとりと包み込む。
まるでよく訓練された犬のような服を、彼女はたった一人で作り上げることができた。

ζ(゚ー゚*ζ「素晴らしい仕上がりね、クーチュリエ! 
今度のパーティーに絶対に着ていくわ!」

川 ゚ -゚)「なんの、なんの。私も喜んで貰えて嬉しいです、マドモワゼル」

けして己の指先に自惚れることなく、控えめに微笑んで喜びを表した。
彼女は服を作るとき以外はとても内気な少女だった。

219名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:00:44 ID:CybtGELY0


川 ゚ -゚)プルメリアの恋のようです('A`)

220名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:01:40 ID:CybtGELY0
今日もお客様を出迎えるため、クーチュリエは念入りに部屋を磨き上げていた。

川 ゚ -゚)「ふぅ、完璧だ」

腰に手を当てて、満足げに頷く。
客がどんなドレスを欲しいのか想像を巡らせるとき、採寸のため巻き尺を腰にあてるとき、
常に快く過ごせるよう、彼女は細心の注意を払っていた。

床はオイルをかけたように艶やかに光り輝いている。
その中心には年代物の足踏みミシンが据え置かれていた。

辺りを見回して少し思案すると、おもむろに窓辺へ向かった。まだ完璧には少し足りない。
窓際には花瓶がひとつ。その中にはプルメリアの白い花がたわわに咲き誇っていた。

川 ゚ -゚)「あぶない、あぶない。これを忘れるところだった」

クーチュリエは花瓶を抱え、それを流しへ持っていく。
花は揺れるたびに甘い芳香を辺りに漂わせていた。

221名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:02:32 ID:CybtGELY0


彼女はこの花を何よりも好んだ。
つつましい生活を送るなかで唯一の贅沢は、
朝市で並ぶこの花を買い、毎朝窓辺へ生けることだった。
花が散ることのないよう慎重な手つきで花瓶を置くと、しばし花の香りを楽しんだ。

川 ゚ -゚)「うん、良い香りだ」

川 ゚ -゚)「あっ……」

窓の外はやわらかい木漏れ日が差し、斑尾模様の影を作っていた。
その隙間を縫って見えるのは、陰鬱な男の顔だった。

('A`)「……」

川 ゚ -゚)(また、悩んでる)


彼はちょうど通路を挟んだ真向かいの部屋に住んでいる、売れない小説家だった。
いつも眉を寄せ、ぼんやりと机に向かっていた。

着古したシルクのシャツに、緑のボウタイ姿。タイは皺だらけで、干からびたキュウリを思わせた。
タイと同様に本人も大変痩せこけていた。
頬は青白く、ひどく不健康そうだったし、落ち窪んだ眼窩は隅に覆われていた。
男は万年筆を手に取ると、苦しげな呻き声を洩らした。

222名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:04:27 ID:CybtGELY0


クーチュリエは男を売れない小説家だと思ったが、実際に何をやっているのかは欠片も知らなかった。
彼女が知り得ることは、この窓辺から垣間見える男の辛そうな様子だけだった。
ただ、彼は机に向かうときは常に塞ぎ込んでいて、窓も開けず一日中部屋に閉じこもっていた。


      ('A`)ハァ


川 ゚ -゚)(彼の力になりたいな……)

クーチュリエは毎日彼を見るたびに、少しずつ彼を好きになっていった。
しかし、声を掛ける意気地もなければ、温かい食事を用意することもできない。
彼女は服を縫うことは得意でも、他はてんでだめだった。
生地の上でするすると自在に動く指先は、鍋を持ったり包丁を握ると、
いやいやをするように不器用に凝り固まってしまうのだった。

川 ゚ -゚)(私は無力だ……)

川 - -)(……)

彼女にできること、それは窓辺にプルメリアの花を飾ることだった。
男が窓を締め切っていたって構わない。
窓枠の隙間からこの爽やかな香りが彼の許へ届くことを願って、クーチュリエは毎朝花を生けることを欠かさずにした。

223名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:05:29 ID:CybtGELY0


春を超え冬が来て、また再び春がやってきたころ、クーチュリエはあっけなくこの世を去った。
街に流行する熱病にかかったのだ。

何日も咳が続き、凍えるような寒気が体中を蝕んでいた。

川 ;゚ -゚)「ごほっ、ごほっ。早くドレスを仕上げなくちゃ……」

川 ;゚ -゚)(ドレスは後少しで完成する。
そしたら、寝台で身体を温かくしてたっぷりと休もう)

クーチュリエは事切れる寸前まで、ミシンを踏んでいた。
最後のひと縫を終えたとき、息を一つついて、彼女は身体をミシンにもたれかけた。

川 ;゚ -゚)(ごほっ、ごほ……。花、買いに行けなかったな……)

川 ゚ -゚)(何だかとても身体が重い……)

川 - -)(少しだけ……このまま……)


川 - -)(……)

224名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:06:22 ID:CybtGELY0


彼女は誰にも看取られることなく、ひっそりとその短い生涯を終えた。

翌日、クーチュリエの葬式がしめやかに行われた。
アパルトマンの住人、花屋、顧客は彼女の作った色とりどりのドレスを着て、葬儀に参列した。
誰しもが皆、クーチュリエを愛し、彼女の服を愛していた。

ζ(;、;*ζ「あぁクーチュリエ、こんなに若いのに。
神様はなんて不公平なの」

⌒*リ´・-・リ「きっとクーチュリエの指先が神様に愛されたのよ」

(*うー;)「そうね。彼女は多分天国で、天使達の衣を仕立てているに違いないわ」


      ***川 - -)***


レースの手袋をした喪服の婦人達は、彼女の棺いっぱいにプルメリアの花を手向けた。
プルメリアはたくさんの涙の粒を浴びて小さく震える。
芳醇で懐かしい香りが部屋中に広がると、
婦人達は身を捩って彼女の早すぎる旅立ちを悼んだ。

225名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:07:07 ID:CybtGELY0


とうとう、彼女の遺体が部屋から運び出されても、
向かい側にすむ男は彼女の部屋に訪れなかった。

では何をしていたのか?

男は一日中浴室にへばりついて、反吐を吐いていた。

(lll'A`)「うぇぇ、おぇ……」

景色は歪み、明滅を繰り返す。
男の頭はベルトで絞られたようにキリキリと悲鳴をあげていた。
周りの風景が滲んでぐねぐね動くたびに、胃は律儀に痙攣した。

(ヽ'A`)「うぅ……」

最後の胃液を吐ききると、男は冷たいタイルにぐったりと横たわって、そのまま昏倒してしまった。
彼はクーチュリエが死んだことなど少しも知らなかった。
アパルトマンの周りがざわざわと騒がしくても、窓をしっかりと施錠して、膝を抱えてうずくまっていた。

226名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:07:59 ID:CybtGELY0


クーチュリエがいなくなって、アパルトマンは驚くくらい様変わりした。
石壁はくすみ、門扉は錆びた音を立てた。
小さな庭は荒れ果て、草がぼうぼうと伸び、支離滅裂な印象を与えた。

ここを訪れる人はなく、アパルトマンはまた荒んだ寂しい建物に逆戻りしてしまった。

 「よっこいっしょ!」

227名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:08:48 ID:CybtGELY0


誰かが、がたがたと乱暴な音を立てた。

アパルトマンの僅かな住人は、クーチュリエの死を悼み、部屋にひっそりと閉じこもっている。
不躾な音を立てたのは向かい側に住む、あの売れない小説家の男だった。

(*'A`)「んぐぐ……しばらく開けていないから、建て付けが益々悪くなってやがる……」

男は顔を赤くして、息んでいた。

細い腕でようやく窓をこじ開ける。

(;'A`)「はぁはぁ、やっと開いた」

額に滲む汗を拭うと、外の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

('A`)「うん、良い朝だ」

日差しに照らされた横顔は、以前と比べると随分ましになっていた。
青白かった頬には血色が戻り、ヨレヨレだったシャツは、糊のきいた真新しいものに着替えられていた。

ひどくせいせいとした顔をして、襟を整えると、ブルーのタイをきっちりと締めて居住まいを正した。
背筋はぴんと伸びて、もはやあの病的な面影はすっかりなりを潜めていた。

228名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:09:29 ID:CybtGELY0


男は、とある病を患っていた。

それはとてもやっかいで、解決する術のない病だった。
その病は神経からくるものらしく、発作が度々起きていた。
時には目が回るような感覚を覚え、またある時には耐え難い頭痛が彼を苛んだ。

男はうつ伏せになり背中を丸めて、苦痛が過ぎ去るのをじっと待つ。
いつ発作が起きるのかと、彼はびくびくしながら日々を過ごしていた。

229名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:10:11 ID:CybtGELY0


一つ、打ち明け話をしよう。

彼は向かいの少女が毎朝飾る白い花の芳香が大の苦手だった。
もはや憎んでいたと言っても差し支えないくらいに。

あれが窓の隙間から入り込み、強烈で無遠慮な匂いを漂わせるたびに、彼の発作はどんどんひどくなっていった。
それどころか、あの匂いをきっかけに発作が起こるようになってしまっていた。

やがて男は部屋を締め切って、窓の隙間に詰め物をし、一歩も部屋から出なくなった。
ものが書けなくなったので、その日の食べ物すら困窮する有り様だった。

230名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:11:25 ID:CybtGELY0

('A`)(それも今日で終わりだ……)

日差しの眩しさに目を細めて逃れる。
男の口許は自然と持ち上がり、笑みを形作った。
笑みをを浮かべたまま、意気揚々と机に向かう。
なぜあの花の香りがしなくなったのか、男は知る由もなかった。
ただ、いつもより空気が澄んでいて、身体がしゃっきりとしていた。

('∀`)φ「よーし、書くぞ」

男は病が改善したのだと一人合点して、うんうん頷いた。

その顔は、クーチュリエが見たこともない、生気に満ち溢れた清々しい表情をしていた。

231名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:12:20 ID:CybtGELY0
以上です
ありがとうごさいましたー

232名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:19:25 ID:W9iwjx9s0
なんだろう、二人に罪がないところもまた悲しいな


233名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:28:57 ID:9B4lxqy2O
乙。好きな雰囲気だ
クーチュリエ報われないな…



投下します
閲覧注意

234名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:31:15 ID:9B4lxqy2O


('A`)「ブーン、今日は大事な話があるんだ」

( ^ω^)「なんだお?」

('A`)「俺な、ずっと言おうと思ってたんだ」

( ^ω^)「もったいぶるなお」

('A`)「俺、俺は……」


ツンのことが、好きなんだ。


いつかこの時が来ることを覚悟はしていた。

僕はツンが好きだ。
僕はドクオが好きだ。

だけど大切な幼なじみと自分の片想いを比べることは出来ない。
だから僕はこの気持ちに蓋をして、二人の幸せを願うことにしたんだ。

――それなのに、現実とは上手くいかないもので。

.

235名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:32:36 ID:9B4lxqy2O


( ^ω^)「ツン、これはどういうことなんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「だから何度も言ってるとおりよ。モララーが私の友達なのは知ってるでしょ?
      今度ドクオの誕生日だから、プレゼント選びを手伝ってもらってたのよ」

ツンは僕が突き出した携帯電話を避けながら悪怯れることなく言った。
ツンは呆れ顔だ。
僕に嘘を吐いているのに。

( ^ω^)「それなら僕を誘えば良かったお。僕と一緒ならドクオに見付かったって勘違いされないお」

ξ゚⊿゚)ξ「勘違いも何も、私はやましいことなんかしてないじゃない。それに……」

( ^ω^)「それに?」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたじゃ、ダメなのよ……」

ツンはそれきり何も言わない。
どうして僕はダメなのか言わない。
僕じゃツンと釣り合わないとでも言うつもりだろうか。

ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ、もう、いいでしょ?
      私は浮気なんかしない。私はドクオが好きだから告白を受けたの」

236名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:34:19 ID:9B4lxqy2O

( ^ω^)「本当に?」

ξ゚⊿゚)ξ「私、今まであなたに酷い嘘を吐いたことがあったかしら?」

( ^ω^)「それは……」

ツンは真面目な人だ。
だから僕はツンが好きだ。
そして、だからこそ僕は身を引いた。

ξ゚⊿゚)ξ「これからもね、ドクオとデートなの。ブーンは私達の仲を取り持ってくれたでしょ?」

ξ*゚⊿゚)ξ「だから私、幸せなのよ」

( ^ω^)「嘘を吐いてるのに? 二股が幸せなのかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「だからその話はもう終わって……」

( ^ω^)「裏切ったお。ツンはドクオを裏切ったんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「!!」

ツンは目を見開いて動きを止めた。
顔から血の気が引いている。
きれいな顔が真っ白になっている。

237名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:35:21 ID:9B4lxqy2O

ξ;゚⊿゚)ξ「ぶ……ん……」

ツンは膝をついた。
僕を見上げて苦しそうに息をする。
僕はツンが好きだった。

ξ; ⊿ )ξ「なん、で……包丁、な……て……」

( ^ω^)「ツンは裏切ったお。僕はツンとドクオが仲良くしていれば良かったのに、ツンは裏切ったお」

ξ; ⊿ )ξ「……っ」

( ^ω^)「僕、知ってるお。ツンはまだ僕らが小さかった頃、嘘を吐いたお」

僕達がまだ小学生だった頃の話。
ツンは僕の誘いを断って他の友達と遊んだ。

ξ; ⊿ )ξ「あ……」

( ^ω^)「先約があったから?
       なら本当のことを言えば良かった。お母さんと買い物に行くなんて言わなければ良かったんだお」

ツンはついに床に倒れた。
うつ伏せでお腹を両手で押さえて苦しそうな呻き声を出している。

238名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:36:36 ID:9B4lxqy2O

( ^ω^)「信じていたお。二人なら幸せになってくれるって」

僕の携帯電話のディスプレイには抱き合うツンとモララーの姿。
ツンは車にひかれそうになった時に庇われたからと言っていた。

( ^ω^)「信じられないお」

不自然な体勢だ。
思えばツンは前々からやけにモララーと仲が良かった気がする。
モララーはモテたから、ツンもそういう雰囲気にあてられてしまったのだろうか。

しかしどっちにしろツンが戻ってくることはない。
いざという時の為に持ってきた包丁が役に立つとは思わなかったが、面倒なことになった。

( ^ω^)「ツンの家なのに……」

真っ赤になったカーペットをどうにかしないと。
ドクオに見つからないようにしないと。
こういう時の為にもっと勉強してくるべきだった。

どうしようか考えていると玄関のチャイムが鳴った。
誤魔化す為にも取り敢えず出た方がいいだろう。

( ^ω^)「はいはーい、どちら様ですかおー」

239名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:38:20 ID:9B4lxqy2O

手に付いた赤いものはカーペットで拭いておく。
ちゃんとは取れないけれど、手を握っておけばバレない。
上着のジッパーを上げて赤い汚れを隠す。
僕は万全の状態で玄関のドアを開けた。

( ^ω^)「……こんにちは、だお」

('A`)「よう。お前がツンのところにいるのは珍しいな」

( ^ω^)「今日はちょっとしたお話があって」

最悪だ。
ツンとドクオのデートは勝手に外で待ち合わせだと思っていたのに。
ツンは玄関からは死角だが、リビングに上げたら確実にばれる場所に放置してある。

('A`)「ふーん……。ツンは?」

( ^ω^)「近所のコンビニに買い出しに行ったお。お茶が切れたからって」

('A`)「なら帰ってくるまで待たせてもらうか」

詰みだ。
仮にもツンの恋人であるドクオを拒むことは出来ない。
僕にこれ以上打てる手は……いや、まだある。
ツンがいなくなったから、打てる一手が。

240名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:39:30 ID:9B4lxqy2O

('A`)「どうした?」

( ^ω^)「なんでもないお」

僕はドクオを先導する。

('A`)「……なんだ、この匂い」

( ^ω^)「……」

('A`)「……ツン?」

(;'A`)「ツン!」

ドクオの顔が真っ白になる。
さっきのツンみたいだ。

(;'A`)「ツン、ツン!」

ドクオは真っ赤なツンを乱暴に揺さ振る。
そのせいで止まりかけていた赤がどろりと広がる。

(;'A`)「ブーン、どういうことだよ!?」

( ^ω^)「……ドクオ、残念ながらツンは浮気をしていたお」

241名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:41:00 ID:9B4lxqy2O

僕は携帯電話のディスプレイをドクオに見せた。

('A`)「これは、どうせツンのことだから、車にひかれそうになった時に庇われたとか、そんなんだろ?」

(#'A`)「お前は、そんなことでツンを殺したのか!? そんなことで俺からツンを奪ったのか!?」

ドクオはツンの言い訳と同じことを言って僕に掴み掛かってきた。
そうかもしれない。
僕は本当は奪いたかっただけなのかもしれない。

だって今の僕は、こんなにも冷静なのだから。

( ^ω^)「ドクオ、大事な話があるんだお」

(#'A`)「言い訳なんか聞きたくねぇよ!」

僕はじりじりと壁際に追い詰められながら、今にも僕をツンと同じにしそうなドクオの手を掴む。

( ^ω^)「本当はもっと前に言うべきだったかもしれないお」

僕は、ドクオが好きなんだお。

( ^ω^)「僕、いつもドクオとツンに好きだって言ってきたお。
       だけど、この好きは特別なんだお」

242名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:42:15 ID:9B4lxqy2O

僕の告白に気を取られたドクオの手を僕から離させる。
ドクオは僕をただ見ていた。

( ^ω^)「本当は僕が君の隣にいたかったお。
       手を繋ぎたかった、キスをしたかった、君が望むならその先だって進みたかったんだお」

ドクオは完全に僕から手を離した。
僕もドクオの手を掴むのをやめた。

('A`)「そんな……ことで……」

( A )「俺は、ツンが好きだった。ずっと好きで……親友のお前が俺達のことを喜んでくれて嬉しかった」

('A`)「だけど、さ」

ドクオは足元に転がっていた真っ赤な包丁を手に取った。

(#'A`)「俺にとってはツンが全てだった!
    俺はツンがいない世界なんかいらねぇんだよ!」

(; ゚ω゚)「ドクオ!」

僕は手を伸ばした。
届かなかった。

ドクオは包丁で、自分の喉を切り裂いた。

.

243名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:43:30 ID:9B4lxqy2O


僕は放心していた。
部屋はいつの間にか真っ暗になっていた。
そんな静かな部屋に響く聞き覚えのあるメロディはツンの携帯電話のものだ。

(  ω )「……」

見なきゃ良かった。
くだらないメールだった。

244名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:45:01 ID:9B4lxqy2O

――――――――――――

From:モララー
Sub :誕生日プレゼント

――――――――

こんにちは(・∀・)ノ

この前一緒に選びに行った恋人の誕生日プレゼント、ちゃんと渡せた?
僕のセンスはあまり参考にならなかったみたいでゴメンね(笑)

そういえば車にひかれそうになった時、足捻ったりしてない?
あの時は僕も気が動転してて気が回らなかったんだけど、ヒールを履いてたから心配で。
痛かったらちゃんと病院に見せに行った方がいいよ。

今度僕にも彼氏を紹介してね。
ツンがどんな人と付き合ってるか興味がわいちゃったよ。
好物が野菜な人って珍しいね(笑)

また何か困ったことがあったら言ってね。
いつでも力になるから。

また明日、学校で(^_^)/~

――――――――――――
.

245名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:46:48 ID:9B4lxqy2O


僕はベランダに出た。
外は真っ暗だった。
下にあるはずの地面なんか、まったく見えない。

これが僕の行き先だ。

(  ω )「ごめん。ツン、ドクオ」

でもこれだけは、本当に本当だったから。




「大好きだったお」




愛は時として愛する人さえ傷付ける凶器となりうる、ようです

.

246名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:48:09 ID:9B4lxqy2O
以上です。ありがとうございました

247名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:49:40 ID:s7pR4Mzs0
お、乙……
辛いし胸が痛い
ガチの誤解か……

248名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:50:49 ID:q43YO4Ow0
乙…

249名も無きAAのようです:2012/12/22(土) 22:51:04 ID:W9iwjx9s0
すれ違いって悲しいな


関係ないけどドクオって鬱祭終了の翌日が誕生日なんだな

250名も無きAAのようです:2012/12/23(日) 23:59:55 ID:eLgLLv9.0
クリスマスイブですね

http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_468.jpg
(*゚ー゚)(,,゚Д゚)( ・∀・)

251名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 00:04:45 ID:EHASGt7.0
>>250
見れぬよ?

252 ◆R6iwzrfs6k:2012/12/24(月) 01:27:16 ID:aHzgNXPE0
クリスマスイブなんか知ったこっちゃねーよ

それぞれの生き方、のようです投下します
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/lite/read.cgi/internet/13029/1356279939/l30

253名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 16:49:14 ID:XsWFxXvE0
投下します。

254名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 16:50:01 ID:XsWFxXvE0

むかしむかし
あるところに、びんぼうなきこりのかぞくがいました

( ^ω^)「こら! ツン! お兄ちゃんのパンかえすお!」

ξ゚⊿゚)ξ「やーだよー!」

( ФωФ)「楽しそうであるな」

ζ(゚ー゚*ζ「そうね」

びんぼうでも、かぞくぜんいんしあわせでした
しかし

( ФωФ)「……今年は冷夏で、畑の作物が全て枯れてしまった。このままでは、家族全員共倒れになってしまう」

( ФωФ)「もう、子どもたちを手放すしかないんだ……!」

ζ(゚―゚*ζ「わかってる。そんなこと、わかってるからっ!!」ダンッ!

( ФωФ)「……少し静かにしなさい。子どもたちに聞こえてしまう」

ζ(゚―゚*ζ「でも、そんなこと、私には決められない」

ζ(゚―゚*ζ「私は、あの子たちの母よ? あの子たちが死ぬような決断なんて、できないわ」

ζ(゚―゚*ζ「……あなたにまかせます。あなたが決めたことならば……ね」

255名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 16:51:06 ID:XsWFxXvE0

さて、このはなしをきいていたのは、おなかがすいてねむれないこどもたち

ξ;⊿;)ξ「どうしようお兄ちゃん! 私たち、捨てられるの? 死んじゃうの?」

( ^ω^)「……大丈夫だお。ツン。お兄ちゃんが、何とかしてあげるから」

( ^ω^)「いいことを思いついたから、ちょっと外へいってくるお」

そういうと、ブーンはまどからそとへでていきました



つぎのひ

ζ(゚―゚*ζ「今日は、森へ行くわよ」

( ФωФ)「お弁当として、パンをあげよう。大事に食べるのだぞ」

かぞくは、なかよくもりへいきました
そのとちゅう、こっそりブーンは、きのうのよるにひろったしろいこいしをいっこずつおとしていきます
そうして、かぞくはもくてきのばしょへつきました

( ФωФ)「お父さんとお母さんは木を切っているから、おまえたちはそこにいるんだぞ」

( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ「はーい」

ζ(゚―゚*ζ「じゃあ、いってくるわね」

256名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 16:52:00 ID:XsWFxXvE0

こどもたちはまちました
おひるになり、パンをたべました
よるになってもおとうさんとおかあさんはかえってきません
( ^ω^)「おとーさーん!」

ξ゚⊿゚)ξ「おかーさーん!」

しずかなもりに、ふたりのこえだけがひびきます
そして、もうおとうさんとおかあさんがかえってしまったことをしると、ついにツンはなきだしてしまいました

ξ;⊿;)ξ「やだよぅ……。おとぉさんおかぁさん……」

( ^ω^)「ツン、落ち着くお」

ξ;⊿;)ξ「やだやだぁ。おどうざんおがあざんおいでがないでえええええ!」

( ^ω^)「大丈夫だお。ちゃんと、家に帰れるお。お兄ちゃんを信じるお」

しばらくして、つきがでてきました
つきは、ブーンのおいたしろいこいしをてらします

( ^ω^)「こっちだお!」タッタッ

( ^ω^)「こっちこっち!」タッタッ

( ^ω^)「あしもとにきをつけるお! いえまでもうすぐだお!」タタタタッ

257名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 16:53:01 ID:XsWFxXvE0

( ^ω^)「ただいまだお!」ガチャ

( ФωФ)ζ(;―;*ζ「!」

( ФωФ)「すまなかった……!」

ζ(;―;*ζ「ブーン! ツン!」

おとうさんとおかあさんは、こどもたちをだきしめました
しかし、たべものがないことはかわらないのです



すうじつご

ζ(゚―゚*ζ「今日も、木を切りにいくわよ」

また、かぞくはもりへいきました
しかし

( ^ω^)(やばいお。小石なんて持ってないお)

こまったブーンは、かわりにとしろいパンをちぎっておいていきました
しかし、これはしっぱいでした
いざふたりがかえろうとしたとき、パンはもうひとかけらもなくなっていたのです
こどもたちはもりをさまよいました
しかし、もりからでるどころか、どんどんとおくのほうへとはいりこんでしまっていたのです

258名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 16:54:00 ID:XsWFxXvE0

ξ゚⊿゚)ξ「もう、あるけないよ……」

( ^ω^)「じゃあ、ツンはここで休んでてだお。ちょっと、家みたいなものがみえたから、見てくるお」

ξ゚⊿゚)ξ「! それ、ほんと? 私も行く!」

こどもたちはあるいていきました
そして、あったのは、たくさんのおかしでつくられた『ような』いえでした
――しかし

( ^ω^)「おかしの家だお!」

ξ゚⊿゚)ξ「このクッキー、おいしい!」

おなかがすきすぎて、もうこどもたちには、それはおかしのいえにしかみえませんでした

( ^ω^)「おいしいお!」

ξ゚⊿゚)ξ「おかしなんてひさしぶりー!」

ふたりはばりばりと、いえをたべていきます
それはおかしににた、ただのきだとはきづかずに
やがて、いえのぬしがきづきます

(‘A`)「おいッ! おまえら、なにくってんだよっ」

( ゚ω゚)ξ゚⊿゚)ξ「ぎゃー!

259名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 16:55:04 ID:XsWFxXvE0

ふたりはおどろいてにげだそうとします

(‘A`)「家なんか食うほどおなかすいてたのか……。捨てられたのか?」

こどもたちのかたがびくっとうごきます

(‘A`)「入れよ。あったかいご飯、食いたいだろ?」

こどもたちは、かおをみあわせると、いえのなかへとはいっていきました



(‘A`)「ほら、食えよ。いっぱいあるからな」

(‘A`)(やせて、かわいそうに……)

こどもたちはほんとうにやせていました
とくに、ブーンは、よくツンにごはんをあげていたため、ガリガリにやせこけていました。

( ^ω^)「おいしいおいしい!」パクパク

ξ゚⊿゚)ξ「おかわりもっと!」

260名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 16:56:10 ID:XsWFxXvE0

つぎのひ

(‘A`)「そろそろおきろよー」

( ^ω^)「……! あ、そうだったお……」

ξ゚⊿゚)ξ「おとうさんおかあさん……」

(‘A`)「……さて、今から料理をするんだが、誰か手伝ってくれないか?」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、手伝うー」

( ^ω^)「ブーンはちょっと料理はできないから……」

(‘A`)「そうか。じゃあ、ちょっとそこでまっていてくれるか? また、なんかてつだってもらうよ」

( ^ω^)「はーい」



(‘A`)「できたぞー!」

( ^ω^)「ありがとうだお」

(‘A`)「よし、じゃあたべるか。いただきまーす!」

そして、ドクオだけがしょくじをはじめます
こどもたちは、ドクオをじっとみつめていました

261名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 16:58:04 ID:XsWFxXvE0

(‘A`)「? どうしたんだ?」

じつは、こどもたちは、ドクオのことをこどもをたべるまほうつかいだとおもっています
それは、きのうのこんなかいわのせいです

( ^ω^)「えっと……」

(‘A`)「ドクオだ」

( ^ω^)「ドクオさんは、なんでこんなところに住んでるんだお?」

(‘A`)「人が苦手でな」

ξ゚⊿゚)ξ「なんでおかしの家にしたの?」

(‘A`)「ん? 夢があっていいだろ? ほら、おれ、魔法使いだしな」

( ^ω^)「……こどもたべるのかお?」

(‘A`)「さ〜な」

ドクオにとってはちょっとふざけただけでした
でも、それをこどもたちはまにうけてしまったのです

( ^ω^)『大丈夫みたいだお』

ξ゚⊿゚)ξ『じゃあ、食べようかお兄ちゃん』

262名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 17:00:03 ID:XsWFxXvE0

ひそひそとはなし、しょくじをはじめるふたり
ドクオは、そんなこどもたちをふしぎそうにみていました



それからとおかほどたったころ

(‘A`)「今日は、パンを焼こうと思う」

ドクオは、なかなかこどもたちとなかよくなれないと、こまっていました、
そこで、いっしょにパンをつくったらなかよくなれるのでは、とおもったのです
ドクオは、けいかいするこどもたちといっしょにパンのきじをつくりはじめました



(‘A`)「さあ、後は焼くだけだぞー」

( ^ω^)「…………」

ξ゚⊿゚)ξ「…………」

そして、ドクオがかまどにパンをいれようとしたとき
いましかない
こどもたちは、ドクオをうしろからおもいっきりつきとばしました。

(‘A`)「え?」

(‘A`)「うわああああああああああああああああああああ!」

263名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 17:01:06 ID:XsWFxXvE0

( ^ω^)「やったお! やったお! わるい魔法使いは倒したお!」

ξ゚⊿゚)ξ「やった! やった! やった!」

(‘A`)(ああ)

ドクオは、むかしからひとりぼっちでした
かぞくからもきらわれ、こんなもりのなかへおいやられてしまいました
ひさしぶりにあったこども

(‘A`)(ともだちに、なろうとしただけなのにな)

ないても、なみだはすぐにじょうはつしてしまいました

(‘A`)(やっぱり、むりなのかな。ああ、熱い――)



( ゙ω゙)「もえたもえたー」

ξ゙⊿゙)ξ「わるい魔法使いは燃え死んだー」

こどもたちのめには、ただ、わるいまほうつかいのしたいにしかみえていませんでした
こどくなおとこのなきがらになんて、まったくみえていません
くるくると、こどもたちはおどりはじめました
くるくる、くるくると
それはそれは、とてもたのしそうでした

264名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 17:02:02 ID:XsWFxXvE0

こどもたちは、いえにあるかねめのものをすべてうばっていきました
そして、なんにちもかかりながら、やっといえにたどりつきました

( ^ω^)「ただいまだお!」ガチャ

ξ゚⊿゚)ξ「やっとついたー」

おとうさんとおかあさんは、ふたりのもっているものをみてすべてをさっしました
もりのおくに、かねもちがすんでいるということはきいたことがありました
おとうさんとおかあさんは、なにもいわずにこどもたちをだきしめました

( ^ω^)「おとうさん! ブーン、わるい魔法使いをやっつけたんだお!」

ξ゚⊿゚)ξ「おかあさん! 私もお兄ちゃんと一緒にやっつけたの!」

こどもたちは、すこしおおげさに、じぶんのみたことをはなします。
そう、これが、あのどうわの、ヘンゼルとグレーテルです。

そのごきこりのかぞくは、おかしのいえからもってかえってきたたからものでしあわせにくらしましたとさ。


( ^ω^)とξ゚⊿゚)ξのようです


 END

265名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 17:03:01 ID:XsWFxXvE0
以上です。
なんか、ドクオのAAちがうことに途中で気付きました。すみません。
元ネタは、皆さんの思っているとおりです。ヘンゼルとグレーテルです。
少々違うところもありますが、それは子どもたちが大げさに話したのだと解釈しておいてください。
皆さん、この話を読んで鬱になってくだされば幸いです。
ありがとうございました。

266名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 17:17:30 ID:jM5pj6360
祭りは明後日までか

267名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 17:29:49 ID:jM5pj6360
今読んできた


268名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:03:02 ID:9.6muNsU0
うわあ……ドクオ…


269名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:05:57 ID:Plfs1bkUO
よくある話だな乙

270名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:18:51 ID:hBoy/YlMO
そういや何で26日の7時までなんだ?
どうせなら26日いっぱいでやればいいのにもったいない。

271名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:20:26 ID:FwtSLtIE0
投下する

272名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:21:30 ID:FwtSLtIE0





     ('A`)は深海魚のようです



.

273名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:22:33 ID:FwtSLtIE0

 夢の中で鳴っていたけたたましい音が、硬いものに触れた感触で掻き消えた。

 瞼を開く。
 視界は暗く、眠気もかすかに残っている。
 無意識に伸びた手が目覚まし時計のボタンを押している事に、数秒の時間を要した。

 遅れて夜の冷気を感じ、手を毛布の中に引っ込める。
 昔感じた手の温もりを思い出して、少しだけ気分が沈んだ。

('A`)「……」

 畳の上に座っているデジタル時計に目をやると、まだ午前二時前だった。
 七時にセットした筈だったが、時間を間違えてしまったのか。

 現在時刻の上に表示されているアラーム時刻は、
 「01:58」という、中途半端な時間で止まっている。
 恐らくセットしている途中で眠ってしまったのだろう。


 状況を理解して行く内に、目と頭が醒めてきた。
 かすかにぼやけていた部屋の畳も、輪郭がはっきりと見えてくる。
 と同時に、喉がカラカラになっている事に気付く。

274名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:23:52 ID:FwtSLtIE0

('A`)(暖かいもん飲みたいな……)

 布団から這い出て、ゆっくりと立ち上がり台所へ向かう。
 靴下を履いている為か、さほど冷たさは感じない。

 台所にある棚を開く。
 が、望んでいたものは無い。
 コーヒーのドリップパックは既に使い切られ、空袋だけがむなしく転がっていた。


('A`)(どうする? お湯でも飲むか?)

 しかしそれでは味気ない。
 他の何かを電子レンジで温めようとも思ったが、
 冷蔵庫には生憎、飲み物は何一つ残っていない。

('A`)(自動販売機で買うか……)

 アパート付近の大通りには自動販売機がある。
 屋外は寒いだろうが、深夜の町を歩くのも悪くないかも知れない。

 寝巻の上からジーパンを穿き、ジャンバーを羽織り、手袋をして外へ出る。
 寒さに肌が粟立ち、思わず体が震える。風が吹いていないのが救いだ。
 ひんやりとしているが、澄み切った空気の中を歩いて行くのは、どこか心地良い。

275名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:25:18 ID:FwtSLtIE0

 歩みを進める。夜に閉ざされた大通りはひっそりと静まり返っていた。
 薄く積もった雪、点滅する信号機、明かりを灯した街灯。

 夕暮れ時は、ひっきりなしに車が往来していたというのに。
 静寂を絵に描いたような深深とした景色に、「師走」という事を忘れそうになる。

 それもそうか。

 この街は都会と言うほど発展しておらず、田舎と言うほど住宅が疎ではない。
 いくつかビルは並んでいるが、駅には新幹線など通っていないし、ましてや夜だ。
 人の動きも活発ではない。ただ、他県に比べて消極的な人が多いというのは聞いた事がある。

 自分もその中の一人だろう。
 芯の部分は昔と殆ど変らない。


 小さい頃は、大人になったら好きな人と結婚して、暖かい毎日を送るのが普通だと思っていた。
 それが当然だと、盲目的に信じていた。

 だが、実際はどうだ? そんな自分はどこにもいやしないじゃないか。
 今だって、誰かと手を繋いでなどいない。
 白い息を吐き、一人きりで雪道をざくざく歩いている。

276名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:26:50 ID:FwtSLtIE0

('A`)(ん)

 頭に冷たさを感じ、空を見上げると、粉雪がぱらぱらと降り出していた。
 俺は雪男だったのか? と、心の中で笑う。

 さぞかし雲に覆われているだろうなと思っていた夜空には、瞬く星たちがいくつも見えた。
 ときおり薄い雪雲が通り、光を遮る。月を探してみたが、どこにも見当たらない。雲に隠れているのだろう。
 すぐ傍にある街灯が、満月のように思えてしまった。


('A`)「……」

 ネオンを尻目に通りを一人で歩いていく。冬の寒々しさも相まって、普段より孤独感が湧いてくる。
 寂しくはないが、自分は一人だという事を強く思い知らされる。
 夜が支配する街。静けさが包む街。まるで、索莫とした海の底のよう。

 だとしたら、自分は何だろう。
 こんな街を歩いている自分は。


 さながら、一人ぼっちで海底を泳ぐ深海魚だろうか。


.

277名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:28:23 ID:FwtSLtIE0

('A`)「!」

 少しつんのめって立ち止まる。既に自動販売機は目と鼻の先にあった。
 思索に耽っていると、つい目の前の事を忘れてしまう。

 小銭入れから硬貨を出して、入れる。
 缶コーヒーの下のボタンを押す。

 反応がない。

('A`)「?」

 もう一度押してみるが、変化なし。
 訝しげに指を離すと、そこには「売り切れ」の文字があった。

 コーヒーさえ俺を温めてくれないのか。
 隣のお茶はまだ残っていたので、仕方なくそれを買う。
 がこん、と聞き慣れた音の後、落ちてきたお茶を取り出す。

 手袋越しに冷たさが伝わってきた。
 ああ、「あったか〜い」と「つめた〜い」を間違えたのか。
 とことん駄目だな。今はもう家に帰った方が良いのかも知れない。

278名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:29:52 ID:FwtSLtIE0

 踵を返し、ゆっくりと帰路につく。

 同じ道で帰ろうとしていたが、ふと思い立ち、寄り道をしてみる事にした。
 橋を渡り、いつもなら真っすぐに行く所を右に曲がり、川沿いの路地に進む。

 しばらく歩くと左手に公園が現れる。
 ブランコが四つと、屋根つきのベンチが二つあるだけの、簡素な公園。

 公園の敷地に入る。と、携帯が震えだした。
 サブディスプレイに表示されているのは、「ジョルジュ」という名前。

('A`)「もしもし。久し振りだな、こんな夜中にどうした?」

『おおスマン。いや、ちょっと目が覚めちまって。ふとお前はどうしてるんかなーと思ってさ』

('A`)「奇遇だな。俺も今目が覚めてるところだよ。頭は冴えてないけどな」

『相変わらずだな』

('A`)「そうかねぇ……」

 ベンチに座り、友人からの言葉に溜息まじりで返す。
 ひゅう、と風が吹き抜け、身を切るような寒さに体を縮こまらせた。

279名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:31:16 ID:FwtSLtIE0

('A`)(風が出てきたか)

『調子は良いか?』

('A`)「まあまあかな。ジョルジュは?」

『クリスマスだってのに深夜に男と二人で話してる時点で、察してくれよwww』

 向こう側からは笑い声が聞こえたが、どこか無理をしているように思えた。
 以前はもっと覇気も威勢もあった筈だが。

『ま、今日も朝起きたらジョギングして、んで走り込みに行くかな。お前のアパートの前も通るかも知れんね』

('A`)「通ったら目覚ましに声でもかけてくれ」

『気が向いたらな。んじゃ、叶えるまで頑張るわ。じゃあな』

('A`)「おう。またな」

 電話を切る。
 丁度、雪垂りの音がした時だった。


('A`)(まだ目指してるのか……)

 大学で知り合いになった時から今現在まで、
 ジョルジュが目指しているものは全く変わっていなかった。

280名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:33:05 ID:FwtSLtIE0

 小さい頃から走る事が好きで、オリンピックに出る事をいつも夢見ていたらしい。
 必ず出てやる、絶対に叶えてやる、と息巻いて。
 しかし当然の事ながら、現実は甘くはなかった。

 中学時代はぐんぐん伸ばしていた記録も、高校、大学へと進むにつれ伸び悩み、
 卒業して八年以上経った今もそこから抜け出せない、と聞いている。
 だというのに、まだ夢を捨てていない。


 何でだ?
 何で、現実を知った今でも、上を向いて進んでいける?

 あの時見えていた道は、幻だったんだよ。
 前を向けよ。現実を受け入れろよ。もういいだろ。

 もう、諦めろよ。

 お前が見てる夢は、目を閉じてる時の夢だよ。
 叶いやしないんだよ。

 もう出来っこない。遅すぎるんだ。
 大人になったのなら、現実を目の前から見据えて、受け入れて、前を向いて歩いて行かないといけないんだよ。
 届かないものを目指す事ほど、意味のないものは無いのだから。

281名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:34:38 ID:FwtSLtIE0

 でも。

 そうなら。
 もし、そうなのなら。
 この、胸に何かが潜り込んでくるような気持ちは何だ?

 鳩尾を突き刺すような感触は何だ?
 目元に押し寄せてくる波は何だ?
 何で、昔に抱いた願いが蘇ってくるんだ?

 何で、俺は――


(;A;)


 涙を、流しているんだ?


(;A;)「……」

 小さい頃は。
 大人になったら好きな人と結婚して、暖かい毎日を送るのが普通だと思っていた。
 それが当然だと、盲目的に信じていた。

282名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:36:48 ID:FwtSLtIE0

 だが、実際はどうだ? そんな自分はどこにもいやしないじゃないか。
 今だって、傍には誰一人いない。
 気力と希望をすり減らし、ただ時間だけを重ねた、萎んだ自分がいるだけ。

 大学を卒業し、一人で暮らしていく事を決めた時に、不安は湧かなかった。
 誰かと付き合いを重ねていき、深い所まで知り合う事の方が、
 疑いを捨てて人を信じ切る事の方が、遥かに不安だった。


 いつからだろう。差し伸べられた手を握るのが怖くなったのは。
 いつからだろう。鏡を見る事が怖くなったのは。
 いつからだろう。朝を迎えるのが怖くなったのは。


 中学時代。小学校からの友人が他人と話している所に来た時、
 俺が友人なのかと聞かれ、違う、と言われた時からだろうか。


 高校の時のクリスマス。
 クラスメートに手を繋がれて告白され、約束された場所に着いた時、
 それが実は嘘だったと、嘲笑の声と共に理解した時からだろうか。


 入学しろ、入学しろ、と耳にタコが出来るほど言われていた難関大学に受かる事が出来ず、
 親が「産まなければ良かった」と愚痴っていたのを聞いた時からだろうか。

283名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:38:33 ID:FwtSLtIE0

 分からない。分かりたくもない。


 もしかしたら自分でどうにか出来たかもしれない。
 でも、積み重なった悔いは、降り積もった過去は、雪のようには解けてくれなかった。


 今はもう。

 流氷が漂う、冷たい冷たい海の底から、星の粒を見上げる事しか出来ない。
 既に、届かない所まで落ちてしまっている。

 自分があの時信じていた温もりは――もう、掴めやしない。



 夜空を見上げる。
 瞬く光の粒。流れる雪雲。

 昔に見た澄み切った空とは、似ても似つかない。


(うA;)「……」

284名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:39:47 ID:FwtSLtIE0

 また一つ。


 星が雲に隠れた。


 雪は止み。


 風は強さを増していく。


 何一つ浚わずに。


 何一つ殺さずに。


 ただうなりを上げて。


 ただ凍みだけを連れて。


 夜の街を。


 吹き抜けていく。

285名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:40:48 ID:FwtSLtIE0





     ('A`)は深海魚のようです

           おわり




.

286名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:41:42 ID:FwtSLtIE0
終わり。
見てくれた人ありがとう、さよーならー。

287名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 18:51:32 ID:4ow1u0Zw0
つらすぎんだろ……


288名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 20:55:43 ID:.DJCd4mQO
('A`)めげるな、頑張れよ

289名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 22:12:37 ID:cVsXFuLcO
投下しました。

( ^ω^)ホワイトクリスマスのようです
http://jbbs.m.livedoor.jp/b/i.cgi/internet/13029/1356265440/1-

290名も無きAAのようです:2012/12/24(月) 23:12:06 ID:Dxcjdsro0
今で何作くらいなんだろ

291名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 00:10:32 ID:YbiUUqLU0
クリ……なんですって?栗?
一レス投下します

292名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 00:12:05 ID:YbiUUqLU0
川 ゚ -゚)「健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを、誓います」

川 ゚ー゚)「あいしてる、ドクオ。幸せになろうな」


http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_471.jpg




すいそうの結婚式のようです

293名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 00:50:16 ID:wFlDFj320
('∀`)「クリスマスイヴの予定がいっぱいで忙しいwwwwwwwwwwwww」のようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1356308798/
の7から

書き忘れてたけど投下したよー

294名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 00:51:19 ID:wFlDFj320
>>292
これは......綺麗なのに鬱になる......
いや、綺麗だからなのか......

295名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 01:16:25 ID:5jwfPOqg0
('A`)掘り当てたのはゴミクズだったようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1356150049/

色々不手際があったせいで混乱させてしまいました
すみませんでした

296 ◆R6iwzrfs6k:2012/12/25(火) 01:55:40 ID:LcR0Iro20
クリスマスだからって容赦ないなお前ら…
でも盛り上がってて嬉しい

祭は26日朝7時まで、それまで目一杯落ち込んで

297 ◆R6iwzrfs6k:2012/12/25(火) 01:57:41 ID:LcR0Iro20
またコピペミスった…

目一杯落ち込んでクリスマスを乗りきっていこうじゃないか

このペースだと作品数は20前後になるんじゃないかと予想してみたり

もうしばしお付き合い願います

298名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 03:21:09 ID:oZ/r15Fs0
投下しました

お城のクリスマスパーティーのようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1356366947/

299名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 12:16:41 ID:Dinl0W1I0
どの作品も鬱でいいなあ
すばらしい盛り下がりだ

300名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 12:43:46 ID:UzcDrTIEO
弾数は少ないがそれぞれの質が高すぎてもうね

301名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 13:03:00 ID:SNYsXoXE0
一発で致命傷だからな

302名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 20:26:54 ID:T9qtaaBw0
それじゃ祭りじゃなくて葬式じゃないですかーやだー

303名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:18:59 ID:r6Zwjnl.0
投下しまっす

304名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:20:00 ID:r6Zwjnl.0
 
('A`)メリー・クリスマスのようです




12月25日。

クリスマスの朝を俺は特に変わったこともなく迎えた。

('A`)「あ、そういや性の六時間のことすっかり忘れてた」

性の六時間にはネットの掲示板で顔も知らない同類たちと傷を舐めあうつもりだったのに。

('A`)「昨日疲れててすぐ寝ちまったしなー……」

溜まった仕事を処理し、家に着いたのは昨夜11時ごろ。
疲れ果てて帰宅した俺はシャワーを浴びるとすぐに眠り込んでしまっていた。

('A`)「なんか最近学生時代に比べて無茶がきかなくなってきたな……」


こんな時、誰か労ってくれる彼女でも居てくれたなら――。


心に僅かに浮かんだその考えを、軽く頭を振って払いのけた。

305名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:21:44 ID:r6Zwjnl.0
 
スーツに着替えて外に目を向ければ、窓ガラスを猛烈な吹雪が叩いていた。

('A`)「うわ、すげー吹雪いてるし……めんどくせぇ」

『ホワイトクリスマス』という言葉が俺は何より大嫌いだ。

生まれてこのかた27年、ずっと国内でも屈指の豪雪地帯で過ごしてきた。
当然、雪の負の側面は嫌というほど知り尽くしてる。

『ホワイトクリスマス』? 「ロマンチック」だぁ?

テメェらこの辺の轟々と吹きすさぶ風と前が見えない程の降雪の中でもそんな寝言ほざけるのかコラ。
恋人とでも抱き合いながら吹雪のお外で最低でも二時間はたっぷりと雪のロマンチックさとやらを堪能してから出直してこいと言いたい。


(;'A`)「……って、もうこんな時間じゃねーか! 会社に遅れる!」

ふと壁の時計に目をやると、とっくに家を出てないといけない時刻になっていた。
マズい、誰に向けるでもない怒りなんか沸き上がらせてる場合じゃなかった。

置いてあった食パンを何も付けずに口の中にねじ込むと、表面が撥水加工されたコートを着込み、頼りない安物の傘を片手に急いで家を出た。

306名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:23:30 ID:r6Zwjnl.0

(;'A`)「くあー、寒ィ……」

吹き付ける風は重力を無視してみぞれを横合いから思い切り叩きつけてきた。
横から来るのではコートと傘でカバーし切れない部分も出てくる。スラックスはみるみるうちに氷雪に染まっていった。
 
会社までは徒歩約15分。
間違いなくこのスラックスはそれまでには使いものにならなくなるだろう。

まぁ社内の自分のロッカーに替えのスーツはあるから別にどうでもいいっちゃいいのだが……。

(;'A`)「やっぱ寒ィよ……」

そこにたどり着くまでの15分、濡れた衣服で寒風にさらされることに違いはない。
ギシギシと今にもヘシ折れんばかりにたわむ傘の柄を握りしめ、確実に体温を奪われながら一歩一歩猛吹雪の中を進んでいく。


(;'A`)「あー、やっと着いた……。結局20分もかかっちまった」

暖房のきいた社屋に入り、やっとひとごこちつく。

すぐにロッカー室で替えのスーツに着替え、今まで着ていたそれをビニール袋に適当に押しこむ。
水分を含んだ布の塊はけっこう重たかった。

('A`)「ま、ちょうどクリーニングどきだったしな。ちょうど良かった――と、考えよう」

適当に自分を慰め、今日も今日とてつまらない仕事を処理しにデスクへと向かった。

307名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:26:01 ID:r6Zwjnl.0

昼休み。
 
('A`)「お、この『サムゲたん風地中海サラダラーメン』、結構アタリだな」

俺は休憩室に備え付けのテレビを見つつ、すぐ向かいのコンビニで買ったカップ麺をすすっていた。

( ・∀・)「うーす。あれ、ドクオ一人?」

そう言って入ってきたのは同期のモララーだった。

('A`)「おーす。まーな、お局様をはじめ女子社員様達は今日はお休みだよ」

多趣味で社交的、顔も悪くない――まぁ、端的に言えば『リア充』に分類されるような奴だった。
かと言って俺みたいな非リアにも分け隔てなく接するあたり、俺よりもずっと人間が出来ている。

なんでまたコイツがクリスマスに出勤なんてしてるんだ。

( ・∀・)「今日は平日だ。社会人にクリスマスもクソもあっかよ」

('A`)「そりゃそーだ。つーか、むしろなんで女性陣がみんな休みなんだ」

( ・∀・)「なんか社長夫人の絵の展覧会だったか何かがあってそっちに行かされてるんだと」

('A`)「ふーん、流石よく知ってるねぇ」

( ・∀・)「女子社員の友達から聞いたんだよ」

('A`)「そりゃ女性社員と事務的会話以外したことのない俺へのあてつけか」

( ・∀・)「かもな」

308名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:27:28 ID:r6Zwjnl.0
 
('A`)「ケッ。どーせ俺は昨日も今日も予定なんてありゃしませんよーだ」

( ・∀・)「そいつぁお気の毒。彼女くらい作れよ」

('A`)「『よし、彼女作ろう!』で作れたら苦労してねーよ。お前には分からんかもしれないけどさ」

( ・∀・)「ま、精々頑張れよ。独りで過ごすクリスマスほどみじめなもんはないぜ?」

('A`)「余計なお世話だ馬鹿野郎」

へいへいサーセン、と言い残してモララーは休憩室から出ていった。


テレビでは女性アナウンサーがカップルだらけの通りで何かを喋っていた。
デートにオススメの名スポットか何かを紹介しているらしかった。

「恋人と過ごさなければ人にあらず」とでも言うかのような口ぶり。
画面の向こうの晴れた首都の風景が、余計に俺を苛立たせた。


('A`)「独りで過ごすクリスマスほどみじめなもんはない、か……」

モララーが去り際に吐いていった台詞が、やけに心に刺さった。

俺の小さなつぶやきは、窓を叩く風と雪の音に埋もれて消えていった。

309名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:29:28 ID:r6Zwjnl.0

昼下がり。

取引先との打ち合わせの為に、俺は街を走っていた。
と言っても今度は社用車での移動だから、風雨に苦しむことはない。

ゆるやかに流れていく街の景色。
朝よりはだいぶ風も雪も弱まっているらしい。

赤信号に捕まり、ゆっくりと車を止めた。
ふと道端に視線を移せば、合羽を着た小学校低学年くらいの子供が傘をさす母親に手をつながれて歩いていた。

子供がつないだ手とは逆の手で大事に抱えてる箱はケーキだろうか。

('A`)「クリスマスケーキ、か……もう何年も食ってねぇな」

そういえば実家にいた頃は毎年食べていたが、就職し一人暮らしを始めてからはとんとご無沙汰だ。

('A`)「と言ってもけっこう高いんだよな、ケーキって……。一人で食っても味気ないし」

('A`)「――恋人でもいりゃ、買ってたのかもな」

信号が青になる。

車を発進させながら、まだ点灯されていないイルミネーションで飾られた街路樹を眺める。

寒空に佇む木々は、何故だかやけに色がくすんで見えた。

310名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:31:29 ID:r6Zwjnl.0
 
午後五時。

会社に戻った俺は、残っていた仕事を片付けていた。

('A`)(けっこう良いペースだな。この分なら今日はそう残業しなくても良さそうだ)

久しぶりに早く帰れるかも、という期待がさらに手を早めた、そんな時。

(´・ω・`)「鬱田くん」

(;'A`)そ「はいっ! え、ショボン課長?」

声をかけてきたのはショボン課長だった。

(´・ω・`)「話がある。ちょっと一緒に会議室まで来てくれ」

(;'A`)「は、はい……」

ショボン課長の後ろを歩きながら、俺は必死で頭を巡らせる。

ショボン課長が声をかけてくる時は、大抵がお小言と相場は決まっている。
けど、ここ最近怒られるようなヘマをした覚えはない。

てことは、まさか……。

いやいやいや、待ってくれ。
この歳でハロワ通いなんて願い下げだ。

いやでも、もしそうだったらまずは失業保険の申請を――。

311名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:32:47 ID:r6Zwjnl.0
 
(´・ω・`)「鬱田くん」

(;'A`)そ「は、ひゃいっ!」

気が付いたら、俺と課長は会議室のパイプ椅子に腰掛けていた。

いつの間にやら目的地に着いていたらしい。

(´・ω・`)「じゃあ、早速だけど本題に入ろうか」

(;'A`)「はい」

ゴクリと生つばを飲み込む。

まさに固唾を呑んで見据える中、ショボン課長はゆっくりと唇を開いた。


(´・ω・`)「おめでとう。君の昇進が決まった」


(;'A`)「…………えっ?」


飛び出したのは、思ってもみなかった言葉だった。

312名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:34:03 ID:r6Zwjnl.0

(´・ω・`)「昇進だよ。ちょっと時期はずれだけどね」
 
('A`)「……昇進? 俺が、ですか?」

(´・ω・`)「ああ。年明けの初仕事付けで正式に昇進だ。来春からは部下も付く。勿論給料も上がるよ」

('A`)「は、その、……ありがとうございます」

(´・ω・`)「ああ、おめでとう。どうだ、この後お祝いに呑みに行かないか。勿論私の奢りだ」

('A`)「え、ええ。ありがとうございます」

(´・ω・`)「あ、でも今日はクリスマスだったな。もし予定があるなら……」

('A`)「いえ、大丈夫です。行かせて頂きます」

(´・ω・`)「そうか、なら仕事が片付き次第行こう。あとどれくらいで終わりそうかな?」

('A`)「多分、もう10分くらいで……。あ、でも行く前に一旦家に帰ってもいいですか? 途中でクリーニングも出さなきゃですんで」

(´・ω・`)「勿論構わない。では先に駅前のいつもの店で待ってるよ」

('A`)「ありがとうございます。では失礼します」


深々とお辞儀をして、俺は会議室を出た。

313名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:35:18 ID:r6Zwjnl.0
 
残っていた仕事は5分ほどで片付いた。

荷物を手早くカバンに詰め、ロッカーから濡れたスーツを押し込んだビニール袋を回収して会社を出る。

いつの間にか風と雪は止んでいた。


サクサクと雪の薄く積もった歩道を歩く。

足取りは軽い。

少しの間を置いて、ようやく喜びが胸の内からふつふつと湧き上がり始めていた。

.

314名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:37:04 ID:r6Zwjnl.0
 
そうだ、俺は何を悲観していたんだ。

クリスマスに恋人と過ごさなければいけないなんて、誰が言い出した?

クリスマスに一人の奴は良い事が起こらないなんて、誰が決めた?

クリスマスを恋人と過ごさない奴は楽しい気分でいてはならないなんて、誰が思い定めた?


辺りはすっかり暗くなっていたが、雲の切れた地平線近くの空はまだうっすらと紅さを湛えていた。

歩く大通りの街路樹はイルミネーションが輝き、きらびやかに街を飾っていた。

家に着いたら、前祝いにとっておきのワインを、一杯だけ呑もう。

つまみには、ちょっと前に貰った高級なナチュラルチーズがピッタリだろう。ワインとチーズのマリアージュだ。

気持ちはどんどん高揚していった。こんなに楽しい気分で帰宅するのは、どれくらいぶりだろうか。

.

315名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:38:45 ID:r6Zwjnl.0
.

なんのことはない。

結局、クリスマスをつまらなくしてたのは、他ならぬ自分自身だったのかもしれない。


だったら今、俺は心からこの言葉を言おう。





('∀`)「メリー・クリスマス」






.

316名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:39:59 ID:r6Zwjnl.0
.



世界が止まって見えるのは、僕らが心を止めたとき

僕らが心を動かせば、世界はいつでも踊りだす












('∀`)メリー・クリスマスのようです

                   終わり



.

317名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:43:36 ID:r6Zwjnl.0
以上です

ありあとあしたー

318名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 21:58:39 ID:T9qtaaBw0

おお、これは良い感じだ・・・

319名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:03:04 ID:kPmKg8gc0
乙!
良作の後だが、投下させてもらう

320名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:04:13 ID:kPmKg8gc0
今日はクリスマスだ。
最近の日本においては、恋人たちのためだけに存在している聖なる夜。

('A`)ラストクリスマス。のようです川 ゚ -゚)

321名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:05:15 ID:kPmKg8gc0
ξ*゚⊿゚)ξ(^ω^*)キャッキャウフフ
川 ゚ -゚)スタスタ
12月25日、街はクリスマス一色でそこらじゅうがきらびやか。
私の隣を歩いているカップルは、遊園地やら水族館やら、そんな場所でロマンチックにデートをするのだろうか。少しだけ羨ましい。
今日のデート先はカラオケ。
少なくとも私にとってはあんまりロマンチックな場所ではない。
ほとんど毎回そうだからたまには別の所が良い、と駄々をこねてみてもシャイボーイ(笑)なあいつは首を縦に振ってくれなかった。
けれどまあ、いいのだ。
浮かれた気分だけなら隣のカップルにだって負けない自信がある。
大好きな彼氏と二人で過ごせるなら、それだけで私は幸せなんだ。

322名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:06:24 ID:kPmKg8gc0
('A`)テクテク
12月25日。街はクリスマス一色だ。
なんだか昨日は良く眠れなかった。年甲斐もない、と自分に苦笑する。
彼女と付き合い始めてどれだけの月日が経っただろうか。
付き合いたての頃からあまり関係に進展がないような気がするが、多分俺のせいだよな。
今日のデート先はカラオケ。
街往く恋人たちが向かうような場所とはちょっと毛色が違うよな、と自分でも思う。
しかし、どうも遊園地やら水族館やら、そんな場所でロマンチック(笑)にデートをするのは未だに気恥ずかしくてならない。
それに、大好きな彼女と二人で過ごせるなら、それだけで俺は幸せだから。
場所なんてどうでもいいかなと思ってしまう。

323名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:07:40 ID:kPmKg8gc0
午前11時の少し前、カラオケ店の受付前は妙に混んでいた。
世の中には暇人が多いものだ。
行列の中にはリア充もいたのかもしれないが、そんなのよりも先に見慣れた黒のコートを見つけて思わず小走りになってしまった。

川 ゚ -゚)「やあ。今日は私のほうが遅くなってしまったな」
('A`)「ああ、別にいいよ。いつも待たせてるのは俺だし」
川 ゚ -゚)「そうか」
('A`)「うん」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「…」

駄目だ、まともに顔が見られない。
何がシャイボーイ()だ。これじゃ私だってシャイガール()じゃないか。
付き合ってもう1年は経つのに、こんな私だからあまり関係に進展がないのだろうか。
なんだか申し訳ないな…。

324名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:09:20 ID:kPmKg8gc0
午前11時を過ぎた頃、カラオケの個室で曲も入れずに二人で駄弁っていた。
カラオケに来てもあんまり歌わないのは俺らの悪い癖だと思う。

(*'A`)「それでモララーまた振られてんのw」
川 ゚ー゚)「なんにも変わってないんだなあいつはw」

幼馴染とまでは言わないが古い付き合いのこいつとは、共通の知り合いの話でよく盛り上がる。
かと思うと最近好きな曲の話になったり、厨二じみた人生論を語ってみたり、話はいつも飛び飛びだ。
話題が尽きることはない。ずっとこうしていたいと思う。
それなのに。

君はまた、同じ目で俺を見るんだ。

325名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:10:53 ID:kPmKg8gc0
そろそろ正午も近い。
それなのにまだ一曲も入れていないというのはどういうことだろう。
まあいつものことといえばそうだが、流石に自分たちに少し呆れてしまう。
隣の部屋からは下手くそなラブソングが聞こえてきた。

(,,゚Д゚)ラースクリィスマス、アイゲイブユーマイハッ
(*゚ー゚)キャー、ギコクーン

川 ゚ -゚)「あれ、ちょっとストーカーじみた失恋ソングだった気がするんだが」
('A`)「多分合ってる」
川 ゚ -゚)「…彼女の前で歌う曲じゃないよな」
('A`)「そうだな。よし、俺もあれ歌う」
川;゚ -゚)「どうしてそうなるんだ!?」
('A`)「やめろと言われるとやりたくなるよねキリッ」
川;゚ -゚)「口でキリッて言うなよ…とにかくやめろ、なんか嫌だからやめろ」
('A`)「さーて、らすとくりすますー、で題名合ってるっけ?」ピッ ピッ
川;゚ -゚)「人の話を聞けー!」
('∀`)ニヤニヤ

326名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:12:13 ID:kPmKg8gc0
むう、また遊ばれていたのか。
どうしてそう私をからかうのが好きなのか一度聞いてみたい。

川 ゚ -゚)「どうしてそう私をからかうのが好きなのか一度聞いてみたい」
('A`)+「面白いから」キリッ
川 ゚ -゚)「今度はちゃんとキリッとしているな」
('A`)「君は素直だから反応が見てて面白い。あと、可愛い」
川 ゚ -゚)「」
('A`)「うん、可愛い」
川 ////)「」
('A`)「ま、冗談はおいておいていい加減歌おうぜ」
川;゚ -゚)「あ、ああ。って冗談だったのか!?」
('A`)「はっはっはー、んじゃ俺からな」ピピッ
川 ゚ -゚)「…おい」

結局ラストクリスマスか…。
しかし真面目くさって歌うその横顔が私はすごく好きで、そんなに歌は上手くないけどその声がすごく好きで。
それで歌い終わった後もぼーっと見ていたら、目があった。

川 ゚ー゚)「ドクオ、好きだぞ」
(;'A`)「お、おう」

やはり照れている。
こんな時間が凄く愛おしくて、出来ることならずっと一緒にいたいと思ってしまう。
それなのに。

君はまた、同じ目で私を見るんだ。

327名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:13:58 ID:kPmKg8gc0
そろそろ14時だ。
出る前に少し食べてきたとはいえ、若干腹が減った。

('A`)「なんか食う?」
川 ゚ -゚)「そうだな。何がいい?」
('A`)「何でもいい」
川 ゚ -゚)「では、チョコレートパフェとストロベリーパフェで好きな方を選べ」
(;'A`)「…俺両方苦手なの知ってるよね?」
川 ゚ -゚)「勿論だ」

これは、ささやかな反撃のつもりなんだろうか。
なんとか説得し、無難にピザを頼む。
生暖かいピザが届くまでの間、また他愛無い話をする。
楽しい。凄く、楽しい。

だからその目で俺を見ないでくれ。


今は14時半くらいだろうか。
不味いというほどではないが決して美味しくはないピザを食べ終わると、どことなくゆったりとした沈黙が流れた。
沈黙すらも心地いいっていうのは、なかなか普段はない感覚だ。
そのちょっとした特別が私にとっては至高の幸せで、付き合ってよかったといつも思う。
幸せだ。とても、幸せだ。

だからその目で私を見ないでくれ。

328名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:15:16 ID:kPmKg8gc0
ちらと見た時計は14時38分を俺に告げた。
いつもならずっと浸っていたいと思える沈黙が、だんだん俺に重く纏わりつく。
最近、気付いてしまったんだ。
君の目に潜む気持ちに。
いやだ、そんなのはいやだ、俺の心は君がその目で俺を見る度に喚き叫ぶ。
でも、俺は君が好きだ。だから、俺は君の願いを叶えるべきなんだ。

ああ、俺はどうすればいい?


どれだけの時間が流れただろうか。
重い重い沈黙を、私はとうとう切り裂くことにした。
最近、気付いてしまったんだ。
君の目に潜む気持ちに。
私だって、出来ることならそれは避けたい。
でも、私は君が好きだ。だから、私は君の願いを叶えるべきなんだ。

私がこうするのが、一番いいんだ。

329名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:17:05 ID:kPmKg8gc0
君は自分の鞄をがさごそと漁る。
何かとてつもなく嫌な予感がして、俺は思わず沈黙を破った。
(;'A`)「おい、ク」

彼女が取り出したのは、包丁だった。
そして、
顔をあげた君と、
目が、
あった。


机の上に包丁を置いて君を見る。

ああ、やっぱり、
君は、
その目で私を見るんだね。

330名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:18:07 ID:kPmKg8gc0
最近、気付いてしまったんだ。


最近、気付いてしまったんだ。


ふとした瞬間、
「私を殺して」
と俺に目で訴えてくる君に。


ふとした瞬間、
「君を殺したい」
と私に目で訴えてくる君に。


凄く辛そうだった。


酷く辛そうだった。


殺したくなんかない。


死にたくなんかない。


でも、これが君を救うなら。


でも、これが君を救うなら。

331名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:20:04 ID:kPmKg8gc0
俺は静かに包丁を握った。

川 -)「ドクオ」
川 ;ー;)「愛してた」


ふわりと、抱きしめられた。
あったかいな。
愛してた、なんて嘘だ。
本当は、今だって君を愛してる。
それでもこの恋は過去にしなきゃいけないから。
君に、後悔なんてさせたくないから。
本当は泣くつもりも、なかったんだけどなあ…

暖かい君の腕の中、冷たい刃を私の中に感じた。

332名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:20:54 ID:kPmKg8gc0




ずっと一緒にいたかったよ。
でも、君のためだから。
君は今、きっと幸せでいてくれるよね。

333名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 22:23:39 ID:kPmKg8gc0
('A`)ラストクリスマス。のようです川 ゚ -゚)   おわり。


初投下でお見苦しい点多々あったかと思います。行替えとか。
しばらくは読者に戻ります。
さあみんな、どんどん鬱になろうぜ!

334名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 23:06:19 ID:wMyJWi9g0

これ以上鬱にさせないでくれ…

明日こそ投下するぞー(震え声)

335名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 23:55:46 ID:DFzM7G5EO
( ^ω^)は“ふくしゅう”するようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1356273016/

終わったぁぁぁぁあ!緊張したぁぁぁぁあ!!
クリスマスに鬱になるの楽しぞぉぉぉぉぉ!!!

336名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 00:12:58 ID:rJdPkRWo0
みんな鬱の質が高すぎる

337名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 01:56:50 ID:5efgSSCM0
投下します

交換するようです

338名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 01:59:07 ID:5efgSSCM0
むかしむかし、女の子が海岸で海を眺めていた時のことでした

ミセ#゚ー゚)リ「…………」

女の子は、家族と喧嘩をしたり、自分の気にくわないことがあると、この海岸で、物思いにふけるのが大好きでした

ところで彼女は、よくこんなことを考えていました
「人魚になって、どこまでも遠くまで泳いで自由の身になりたい」と。
それは他愛のない、年頃の少女らしい 空想でした
けれどもね、皆さんが知らないだけで人魚という生き物は存在していたのです!

その証拠に、女の子は長い黒髪と銀色の鱗を持つ人魚と出会ったのでした

川 ゚ -゚)「こんにちは、人間さん」

と、人魚が急に話しかけてきたものですから、女の子はびっくりしてしまいました

ミセ*゚ー゚)リ「あなたはだぁれ?」

と、女の子は人魚に聞きました

川 ゚ -゚)「わたしは、人間に憧れている人魚さ」

と人魚は答えました

川 ゚ -゚)「ずっと前から、君のことを観察していたのだけれども、君は海が好きなのかい?」

人魚の質問に、女の子は家族が嫌いで人魚になって遠くの海まで泳いでしまいたいのだ、ということを長々と答えました

川 ゚ -゚)「ふむ、それはおあつらえむきだね。実はわたしは、一日でいいから人間になって地面を歩いたりしてみたかったんだ」

ミセ*゚ー゚)リ「それは素敵なことだけれども、」

と、ためらいがちに女の子は言いました

339名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 01:59:54 ID:5efgSSCM0

ミセ*゚ー゚)リ「そんなこと、できっこないでしょう?」

すると人魚は穏やかに微笑んで、金色の櫛を女の子に差し出しました

川 ゚ -゚)「これは、わたしの宝物で魔法の櫛なんだ。その櫛で髪をとかした人間は、たちまち人魚になって、代わりにわたしは人間になってしまうんだ」

はたして、それは彼女の言う通りなのでしょうか?
半信半疑でその櫛で髪をとかすと、不思議なことに彼女の脚はみるみるうちに銀の鱗に覆われて、透き通って立派な尾びれが生えたのです

ミセ*゚ー゚)リ「まぁっ」

気づけば、目の前にいる人魚には、真っ白で立派な脚が二本、生えていました

川 ゚ -゚)「一日でいい、どうかわたしに、君の脚を貸してはくれないか?」

その言葉に、女の子はうなずきました

ミセ*゚ー゚)リ「ええ、わたしも人魚になって海を泳いでみたかったもの、一日と言わずにずっと泳いでみたいわ」

そこで二人は話し合い、二日後の同じ時間に、同じ場所で会うことを約束しました
そして女の子は海の中へ、人魚は街へ繰り出していったのです

340名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:01:03 ID:5efgSSCM0

さて、海の中というのは、とても楽しいものでした

仰げばオレンジ色の水面がきらきらかがやいていました
水越しに見る夕陽というのは、なかなか新鮮でありました

魚たちはいきいきと自由に泳ぎまわり、水族館にいる魚よりもよっぽど楽しそうでした

まわりの景色もとっても素敵でしたが、体の変化もまた素晴らしいものでした

水中なのに息をしても、鼻が痛くなりません
耳に水が入っても、すぐになじむし気持ち悪くなりません
いつもならひりひり痛む目も、閉じる必要はまったくありません
そして、一番の変化である尾ひれも、まるで最初からそうであったかのように、女の子は使いこなすことができたのでした



ミセ*゚ー゚)リ「わぁ……」

女の子はすっかり、海中を気にいりました
魚を追いかけたり、水底まで泳いでみたりと、さまざまな遊びをしました

そのうち、女の子はもっと遠くまで行きたいと思うようになりました

ミセ*゚ー゚)リ「期限は明後日だもの」

女の子は、海面に近づいて、それから遠くまで泳ぎ始めました

341名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:02:43 ID:5efgSSCM0

さて一方、人魚のほうはどうしているのかと言いますと、

川 ゚ ー゚)「なんて美しい町なのだろう」

どこに行くあてもなく、ふらふらと町を歩いておりました
そんな彼女の姿を、人間たちは不思議そうに見ていました
なぜなら、少し歩いては立ち止まり、また少し歩いては立ち止まり、と同じことを繰り返していたからです
けれども仕方がないことなのです、今でこそ彼女は立派な脚を持った人間ですが、さきほどまでは海にたゆたう人魚だったのですから

ところで、この人魚は人間のことをまったく知りませんでした
知っていることといえば、二本の脚で地面を歩き、町に住んでいるということくらいでした
警察とか家とか、法律というものをまったく知らなかったのです
ですから、夜遅くまで出歩いていた人魚は、一人の警官に話しかけられました

('A`)「もし、そこのお嬢ちゃん」

川 ゚ -゚)「わたしか?」

('A`)「ああ、そうだよ。こんな時間になにをしているんだい?」

川 ゚ -゚)「わたしは町を歩いて観察していたんだ」

342名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:03:40 ID:5efgSSCM0

人魚の言葉をメモしながら、警官は聞きます

('A`)「深夜徘徊ね……。お家はどこかな?」

この質問に、人魚は困り果てました。
海から来たと言ったら、人魚だとばれてしまうかも、と思ったのです

川 ゚ -゚)「どこから来たのかわからない」

人魚は考え込んで、そう答えました

('A`)「そりゃ困ったな」

警官は、人魚の手を掴みました

('A`)「お嬢ちゃん、このままだと泊まるところもご飯を食べることもできないだろう、お兄さんが警察署に連れていってやる」

川 ゚ -゚)「ケイサツショ……」

はて、ケイサツショとはなんなのか?
そう聞きたかったのですが、警官は忙しそうに歩き始めてしまったので、言うことができませんでした

川 ゚ -゚)(明日また、外に出よう)

人魚はそう思い、警官と一緒にケイサツショに向かいました

343名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:04:56 ID:5efgSSCM0
ところが、朝になっても人魚は外には出れませんでした

ζ(゚ー゚*ζ「お嬢ちゃん、歳はいくつ?」

川 ゚ -゚)「……外に、出れないの?」

ζ(゚ー゚*ζ「おうちの人がお迎えにくるまで、あなたはここで保護されるの」

川 ゚ -゚)「……でも、」

ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫よ、心配しなくてもお姉さんたちがおうちに帰してあげるから」

そうはいっても、明日にはあの女の子に脚を返さなくてはいけないのです
けれども、それを説明しても目の前の人間たちに伝わるでしょうか?

川;゚ -゚)(どうしよう)

人魚は焦りはじめていました

そんな彼女の様子にも気づかずに、婦警さんは質問を続けます

どこから来たの?
お名前は?
パパとママはどうしたのかな?
旅行しに来たのかな?
なんでもいいのよ、覚えていることはない?

ぐるぐると言葉がまわって

川  - )(海に戻りたい)

人魚は、すっかり後悔していました

344名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:07:45 ID:5efgSSCM0
人魚が質問責めにあっている頃、海は海で大変なことが起きていました
遠くまで泳ぎに行った女の子は、潮の流れに巻き込まれて迷子になってしまったのです

ミセ;゚ー゚)リ「どうしよう」

あたりは一面碧ばかり。
目印になるものなんてまったくありません
泳ぎ疲れた女の子は、徐々に尾びれを動かすことができなくなりました

ミセ; ー )リ「…………」

女の子はどんどん沈んでいきます
透き通った蒼が遠ざかり、段々暗くなっていって

「ああ、人魚だ」「本当だ、人魚だ」

と、声がしたのです

ミセ*゚ー゚)リ(だれ?)

女の子は、ようく目を凝らしてみました

345名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:08:36 ID:5efgSSCM0
するとそこには、

「なんてきれいなのだろう」( ・∀  ∀・) 「これなら、さみしくないね」

二つ頭の、醜い怪物がいたのです
実はこの怪物、心やさしく乱暴なことはしないのですが、いかんせん見た目がおそろしいので誰からも嫌われておりました
ですから、怪物はぬくもりに飢えていました
けれども、女の子はそれを知るよしもありません

ミセ; ー )リ「ひっ……!」

動かない尾びれを懸命に動かして、女の子は怪物から離れようとしました。
しかし、尾びれはほんの少しゆらゆら揺れただけでした。

「泳ぎ疲れたのかな」( ・∀  ∀・) 「ならば休ませてあげよう」

怪物は、ひらひらと伸びる腕を伸ばし
、女の子の体をつかまえました

ミセ; ー )リ「や、やだっ!」

必死に身をよじりましたが、怪物は離してくれませんでした

「おうちに連れていこう」( ・∀  ∀・)「そうしよう」

怪物は、棲家である洞窟に女の子を運び入れ、尾びれの手当てをしました

「よくなるまでここにいて」( ・∀  ∀・) 「次の満月までには治るよ」

次の満月といったら、一週間後です
でもそれでは間に合わないのです

ミセ; ー )リ (どうしよう……)

女の子は、すっかり困ってしまいました

346名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:10:17 ID:5efgSSCM0
とうとう、約束の日が来てしまいました
けれども人魚は警察署から、女の子は洞窟から出ることができませんでした


川  - )(ああ……)

ミセ ー )リ(交換なんて)

川  - )(するんじゃなかった)ミセ ー )リ

もう二度と、人魚は海に帰ることができないでしょう
だってさっき、婦警さんが「遠いところにある施設」にお引っ越しするのだと、言ったから

川 ゚ -゚)(ごめんなさい)

人魚は、ひっそりと、小部屋で首を吊りました
かたわらに、錆び付いた金色の櫛をおいて



人魚が死んでしまった頃、女の子は魔法がとけてしまいました
けれども、怪物にはそれがわかりませんでした

ミセ ー )リ「…………」

「きれいな尾びれだね」( ・∀  ∀・) 「二つに分かれているなんて、変わってる」

「まるでぼくらのようだ」( ・∀  ∀・) 「たしかにね」

「どうして彼女は口をきいてくれないのかな」( ・∀  ∀・) 「きっと恥ずかしがりやなのさ」

怪物は、わからないままなのです
ずっと、ずっと

347名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:10:40 ID:kD8mOsW20
しえ

348名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:11:33 ID:5efgSSCM0
交換するようです

おわり

349名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:12:33 ID:3tr0B66gO
乙ー

もの悲しいな
おとぎ話と現実の差って感じで

350名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:30:33 ID:3tr0B66gO
即興で鬱作品考えたから投下します

ド短編な上に鬱分少なめなんでご容赦ください。

351ノパ⊿゚)はおまえらを鬱のずんどこに叩き込むようです:2012/12/26(水) 02:31:30 ID:3tr0B66gO

ノパ⊿゚)「うぉぉぉぉ!皆盛り上がってるなぁぁぁぁあ!!
    大盛況のようでアタシも嬉しいぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ノパ⊿゚)「やっぱり祭りは盛り上がらないとな!!うん!!!
    せっかくのお祭りなんだから、盛り上がってナンボだなうん!!!」

ノパ⊿゚)「じゃあ、ここらでアタシもおまえらを鬱にしてやるぞぉぉぉ!!
    おまえらを鬱のずんどこに叩き込んでやるぜぇぇぇぇぇ!!!」

352ノパ⊿゚)はおまえらを鬱のずんどこに叩き込むようです:2012/12/26(水) 02:32:19 ID:3tr0B66gO



ノパ⊿゚)っ[('A`)ドクオ]ドンッ!



ノパ⊿゚)「さぁ、おまえらはこいつを知ってるよな!!
    鬱の代名詞、鬱祭りの主役こと、ドクオだ!!
    今回の祭りでも沢山の作品で主役をはってるな!!!」

ノパ⊿゚)「こんな存在が鬱そのもの!のドクオだがな・・・
    アタシの手にかかれば・・・こうだ!!」キュキュキュッ

353ノパ⊿゚)はおまえらを鬱のずんどこに叩き込むようです:2012/12/26(水) 02:33:29 ID:3tr0B66gO
【AAテンプレその1】

( ^ω^)内藤ホライゾン ξ゚⊿゚)ξツンデレ ('A`)おまえら 川 ゚ -゚)素直クール ζ(゚ー゚*ζデレデレ
  _
( ゚∀゚)o彡゜ジョルジュ長岡 ノパ⊿゚)素直ヒート (´・ω・`)ショボーン (`・ω・´)シャキン

( ´∀`)モナー ( ・∀・)モララー (,,゚Д゚)ギコ猫 (*゚ー゚)しぃ (*゚∀゚)つー (#゚;;-゚)でぃ

/ ,' 3荒巻スカルチノフ ミ,,゚Д゚彡フサギコ ( ´_ゝ`)兄者 (´<_` )弟者

(*‘ω‘ *)ちんぽっぽ ( ><)わかんないんです=ビロード ( <●><●>)わかってます

<ヽ`∀´>ニダー ( ,,^Д^)タカラ ( ^Д^)プギャー  *(‘‘)*ヘリカル沢近 川д川貞子

(・∀ ・)斉藤またんき (-_-)ヒッキー ( ´ー`)シラネーヨ (=゚ω゚)ノぃょぅ ( ゚д゚ )こっちみんな

从'ー'从渡辺さん ('、`*川ペニサス伊藤 从 ゚∀从ハインリッヒ高岡 ( ФωФ)杉浦ロマネスク

|゚ノ ^∀^)レモナ ( ∵)ビコーズ ( ゚∋゚)クックル lw´‐ _‐ノv素直シュール J( 'ー`)しカーチャン

※ショボーンはショボン、ツンデレはツン、デレデレはデレ、ハインリッヒ高岡はハイン、
素直クール・ヒート・シュールはそれぞれクー・ヒート・シューと書かれることが多い

354ノパ⊿゚)はおまえらを鬱のずんどこに叩き込むようです:2012/12/26(水) 02:34:11 ID:3tr0B66gO
ノハ*゚⊿゚)「ふはははは!どーだぁぁぁあ!!
     ドクオの名前をおまえらにしてやったぞぉぉぉぉ!!」

ノハ*゚⊿゚)「これで鬱祭りに登場する全てのドクオは、おまえらになるんだぁぁぁあ!!」

ノハ*゚⊿゚)「どーだ!鬱になるだろう!!
    あれだけ鬱に使われたドクオが、全ておまえらの鬱に変わるのだぁぁぁぁ!!」

ノハ*゚⊿゚)「ふはははは!!アタシだって、おまえらを鬱に出来るんだよぉぉぉぉ!!」

355ノパ⊿゚)はおまえらを鬱のずんどこに叩き込むようです:2012/12/26(水) 02:35:00 ID:3tr0B66gO









ノパ⊿゚)









.

356ノパ⊿゚)はおまえらを鬱のずんどこに叩き込むようです:2012/12/26(水) 02:36:30 ID:3tr0B66gO



ノパ⊿゚)「・・・だから、さ」








ノハ;⊿;)「アタシを鬱祭りの作品で使っても、良いんだぜ?」







ノパ⊿゚)はおまえらを鬱のずんどこに叩き込むようです
お・わ・り

357名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:39:00 ID:3tr0B66gO

鬱々としたの多かったから、鬱の中に笑いを混ぜた結果がこれだよ!!
お目汚しすんませんでした。

358名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:46:51 ID:kD8mOsW20
wwwwwwwwww

359名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 02:54:21 ID:TrFYbX2.0
ふいたwwwww
あれ、でも目から塩水が…

360名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:22:00 ID:wkS8xGwY0
投下します

若干エロ注意

361名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:23:02 ID:wkS8xGwY0
五百円。
たったワンコインで買えるものでなにがあるのか。
それははたして君の欲を満たせるものなのか。
そんなの僕はしらねーよ。
他人の嗜好なんか知ったこっちゃねー。
だけど、僕の話を、聞いてほしい。
聞いてくれるなら、僕は君にお金を払ったってかまいやしないよ。
とってもくだらない話なんだ。
いい歳こいてフリーターなんぞやってる僕が、プリンを嫌いになった話を。
どうか、どうか聞いてほしいんだ。

362名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:24:13 ID:wkS8xGwY0



( ´ー`)はプリンが嫌いなようです



.

363名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:25:04 ID:wkS8xGwY0
話は三年ほど前にさかのぼる。
高校を卒業して、なんとなくで居酒屋に勤めた僕はうまく人間関係を築けず、半年でやめてしまった。
それからまもなく、事故で両親が他界して、僕は多額の保険金を手にいれて、マンションの一室に閉じ籠るようになった。
勘違いしないでほしいのだけれども、僕は人間が好きだ。
けっしてコミュ障とかぼっちとか、そういう単語とは無縁であったはずだった。
でも、この時の僕はすっかり参っていて、他人と関わりを持つのがすっかり嫌になっていたのだ。
人間は薄汚くて、他人を容易に踏みつぶし、勝手にいなくなるものだと考えていたのだ。
まったくもっておかしい話だろう?
その通りだ、あの時の僕は完全におかしくなっていた。
有り余る金を少しずつ使えば、誰にも知られずに生き埋めになって、死ねると思っていたのだから。
けれども僕は、人間を嫌いきれていなかった。

僕が引きこもりはじめて、半年が経とうとしていた、真冬のことだった。


( ´ー`)(また来てしまったよ……)


真夜中の公園のベンチで、星空を眺めながら、当時の僕はそう思っていた。
あの日のことはよく覚えている。
ベンチに座る前に寄った自販機で、欲しかった缶コーヒーのボタンを押したら、暖かいココアが出てきて困っていたからだ。
甘いものはあまり好きではなかった。
けれども、暖をとる分には問題なかった。
もし、あの時ココアが出てこなかったら、僕はあの子に会えなかったのかもしれない。

364名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:26:20 ID:wkS8xGwY0
( ´ー`)「…………」

「お兄さん」

(;´ー`)「 !?」

急に、声をかけられたものだから、僕はなにも返事ができずに、そちらを見た。

lw´‐ _‐ノv

貧相な体つきをした、十才くらいの女の子だった。
寒い冬だというのに、袖の伸びた薄い生地のTシャツと、青いジーンズを着た少女の視線は、僕の両手に釘付けだった。

lw´‐ _‐ノv「お兄さん、それ、飲まないの?」

( ´ー`)「あ……うん、」

その時、僕は彼女がココアを欲しがっていることに、ようやく気がついた。

( ´ー`)「……いる?」

僕がそう言った時の、彼女の顔は、とても嬉しそうで。

lw*´‐ _‐ノv「ありがとう」

小さな彼女の手の冷たさが、余計に際立った。

365名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:27:15 ID:wkS8xGwY0
( ´ー`)「……きみ、ここでなにしてたんだよ?」

lw´‐ _‐ノv「お兄さんこそ、なにしてたの?」

質問を質問で返されて、僕は困惑した。
僕はなんにも考えずにこの公園に来ていたからだ。

( ´ー`)「……散歩」

lw´‐ _‐ノv「そうなんだ」

適当な言葉を信じた彼女は、その次にこう言ってきた。

lw´‐ _‐ノv「これ、いくら?」

(;´ー`)「え?」

なんてことのない、ただの小さい缶のココアだ。
たかだか百二十円の、されど彼女には大事な情報だったらしい。

lw´‐ _‐ノv「ふぅん」

( ´ー`)「それがどうしたんだよ?」

lw´‐ _‐ノv「じゃあ少しおまけして、十五分そばにいてあげる」

( ´ー`)「は?」

わけのわからない言葉に、僕は思わず呟いてしまった。
なんで、十五分?
そもそも、なんのために?

lw´‐ _‐ノv「あ、忘れてた」

いけないいけない、と小声で、それから優しくこう名乗ったのだ。

lw´‐ _‐ノv「わたしは、妹屋のシュー。一時間五百円で、『お兄さん』のいうことをなんでもききます」

(;´ー`)「!?」

366名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:28:40 ID:wkS8xGwY0
ちょっと待て、これってやばいんじゃないの?児童売春とか、人身売買とか。
ヤのつくこわーい自由業のお兄さんとかがこの子の後ろにいるわけ?

とかなんとか考えていたら、背筋がぞっとした。
関わらない方がいい、絶対。

lw´‐ _‐ノv「お兄さん、」

(;´ー`)「な、なんだよ」

lw´‐ _‐ノv「妹屋は、わたし個人でやってることだから」

だから、気にしないで。
と、彼女はなんともいえないまなざしで、僕を見た。

( ´ー`)「…………」

逃げるタイミングを失ってしまった。
当時はそう思っていた。
だけど、実際は違ったんだ。
いびつな形でも、自分を必要としてくれたから。
だから、僕は彼女から離れられなかった。

( ´ー`)「……いつから、やってるんだよ」

lw´‐ _‐ノv「妹屋?」

僕がうなずく。
彼女はココアを一口飲んで、答えた。

367名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:29:33 ID:wkS8xGwY0
lw´‐ _‐ノv「四ヶ月くらい前から」

( ´ー`)「……なんで、」

lw´‐ _‐ノv「ご飯が食べたいからだよ。お父さんは今刑務所だし、お母さんに神様のところにいるから、一人なの」

淡々と語られたそれは、あまりにも重々しくて。
心のどこかで、「この世で一番不幸な
人生」を背負っているのだという自己陶酔を、粉々に、ぶっ壊した。

lw´‐ _‐ノv「ご飯を食べるには、お金が必要なんだよ?」

そんなことも知らないの、と無垢な声が、僕に突き刺さる。
ずきずきと痛む。
それと同時に、どうしてこんな幼い子が、あんな現実を抱え込んで、早すぎる労働をしなければいけないのだろうか、と。
助けたい、そう思ってしまったんだ。

( ´ー`)「君、名前は?」

lw´‐ _‐ノv「シューだよ」

( ´ー`)「一時間、五百円だっけ」

lw´‐ _‐ノv「うん」

僕は、スウェットのポケットからありったけのお金を取り出した。
そして、ぽかんとしているシューの手にそれを握らせた。

( ´ー`)「今手持ちはこれしかないけど、でも本当はもっとある」

だから、君の時間を買わせてくれ。
そういう前に、彼女はお金を突き返した。

lw´‐ _‐ノv「お兄さん」

( ´ー`)「なんだよ、足りないのか?」

lw´‐ _‐ノv「違う。わたしは、わたしの身を守るためにも、たくさんのお金をもらうことはしたくないんだ」

368名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:30:56 ID:wkS8xGwY0
lw´‐ _‐ノv「あまりにたくさん時間を差し出しすぎると、何されるか分かったもんじゃない。首輪をつけてはだかで遊ばれるようなことはもうしたくないの」

その言葉の意味を、理解することができなくて。
いや、理解したくなくて。
ベンチに置かれている、数枚の千円札が、急におそろしいものに見えてきたのだ。

lw´‐ _‐ノv「とはいえね、お兄さん。やっぱりわたしもお金は欲しいんだ」

こくり、とココアを飲んでシューは言う。

lw´‐ _‐ノv「信頼すべき人物だと判断したら、そのお金はもらわせてもらいます」

いやに大人びた発言だった。
けれども間違いなく彼女は子供だった。

lw´‐ _‐ノv「あ、もう時間過ぎてた」

左手に着けた、かわいらしいキャラクターものの時計を見て彼女はそう呟いた。

lw´‐ _‐ノv「わたしはこの時間なら、いつでもここの公園にいるよ」

他のお兄さんに買われなければね、と付け加えて、彼女は公園を出ていった。

振り向きざまに、

lw´‐ _‐ノv「ココア、ありがとう」

と言って。

369名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:32:45 ID:wkS8xGwY0
その日から僕は、躍起になってシューを助けようとした。
最初は一時間しか買わせてもらえなかった。
けっして変なことはしなかったんだよ。
ただ、真冬の公園のベンチで、なるべく彼女の興味をひきそうな話をしただけだった。


時々、お菓子を買うこともあった。
しかし大体そういうとき、彼女はこう言った。

lw´‐ _‐ノv「レシート見せて」

( ´ー`)「……はい」

僕が持ってきたお菓子が五百円以内であることを確認して、そうしてようやく彼女はお菓子に手をつけて、お菓子代を差し引いた分だけのお金を受け取るのだ。

思えば色々なお菓子を彼女に貢いできた。
しかし彼女の心を唯一掴むことができたのは、たかだか百円で買えるプリンであった。

lw´‐ _‐ノv「プリンはね、特別だよ」

プラスチックのスプーンでプリンをつつきながら、シューは言った。

lw´‐ _‐ノv「昔からプリンが好きで」

( ´ー`)「へぇ」

lw´‐ _‐ノv「……そういえば誕生日に、お母さんがプリンのケーキを作ってくれたこともあったなぁ」

( ´ー`)「うまそうだな」

370名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:34:45 ID:wkS8xGwY0
lw´‐ _‐ノv「おいしかったよ。でももう二度と食べられないだろうね」

この時、僕はシューの母親が神様のところにいるという話を思い出した。
当時の僕は、てっきりそれを亡くなったものだと考えていた。
本当に亡くなっていたならば、まだ彼女は救えたはずなのに。

lw´‐ _‐ノv「お兄さんは、神様って信じる?」

( ´ー`)「うーん、多分?」

lw´‐ _‐ノv「神様ってそんなに偉いのかな」

( ´ー`)「偉いんじゃねーの?」

lw´‐ _‐ノv「お母さんは、偉いって言ってる。でも、神様もご飯を食べるためには、お金が必要なんだよ」

lw´‐ _‐ノv「神様は、いつもお母さんからお金をもらわないと生きていけないんだ」

( ´ー`)「…………」

lw´‐ _‐ノv「変だよね、全知全能の神様なのに、お金がいるなんて」

お兄ちゃんは、そう思わない?と、彼女は聞いてきて。
僕はなんて答えたのか、まったく覚えていない。

ただ、それで彼女の時間を長く買うことはできなかった。
本当のきっかけは、もっと……えげつない形で。
未だに僕は罪悪感を覚えている。

371名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:36:00 ID:wkS8xGwY0
彼女と出会って一ヶ月が経とうとしていた頃。
僕は毎夜公園に通いつめて 、毎日一時間だけ彼女を買っていた。
ところがたった一日だけ、彼女が公園に来なかった日があった。
もしかして、なにか用事があって、来れなかったのかもしれない。
当時の僕は真っ先にそう思った。
実際は、自分が見捨てられてしまったのでは?とか思ってビクビクしていたのだけれども。

その翌日の夜。
今度は、いた。

lw´‐ ー‐ノv

饐えた笑顔を浮かべながら、ベンチに横たわって。

(;´ー`)「シュー……!?」

lw´‐ ー‐ノv「ああ、お兄さん」

彼女の体は、冷たかった。
いつからここにいたのだろう?

(;´ー`)「シュー……」

lw´‐ ー‐ノv「ねえ、お兄さん。体を売る側がこんなこと言うのはおかしいんだけどさ」

lw´‐ ー‐ノv「どうか、一晩買ってくれませんか」

(;´ー`)「金ならいくらでも払うよ!」

( ´ー`)「だから、嫌なことは忘れろよ」

lw´  _ ノv「……ありがとう」

( ´ー`)「僕の住む部屋に来なさい。お風呂に入らないと、風邪をひいてしまうよ」

lw´‐ _‐ノv「……うん」

シューの手を繋ぎ、僕はマンションに向かった。
彼女の体から漂う、栗の花の匂いを無視して。

372名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:36:52 ID:wkS8xGwY0
風呂あがりの彼女は、すっかり体が暖まったらしい。
いくらか緊張もとけたようで、ぽつぽつと話し始めた。

lw´‐ _‐ノv「……信頼してたお客さんにね」

( ´ー`)「うん」

lw´‐ _‐ノv「おしっこを飲まされたの」

( ´ー`)「……うん」

lw´‐ _‐ノv「無理矢理裸にされて、でも、わたしは妹だから。お兄さんのいうことは、絶対だから」

( ´ー`)「…………」

lw´‐ _‐ノv「お金がないと、生きていけないから」

lw´  _ ノv「でも、苦いし、気持ち悪かった」

あなたみたいなお兄さんだけだったらいいのにな、なんて。
抑揚のない声で、シューは呟いた。

( ´ー`)「……僕は、シューにひどいことしないよ」

lw´‐ _‐ノv「うん、」

会話が途切れる。
どうしようか考えて、冷蔵庫の中身を思い出した。

( ´ー`)「……プリン、食うかよ?」

lw´‐ _‐ノv「…………」

なにも言わなかった。
けれども、彼女はうなずいた。
コンビニで買い溜めしたかいがあった、と思いながら、冷蔵庫からそれを出して。

渡した時に、彼女は言ったんだ。

lw´‐ _‐ノv「お兄さんと家族だったらよかったのに」

と。

373名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:37:59 ID:wkS8xGwY0
それから、シューは僕の家にいる時間が長くなった
とはいっても、真夜中から明け方までの六時間、値段にして三千円という、一日の四分の一しか買えていないのだけど。
それでも、僕といた時はシューの表情はとても柔らかで。
大好きなプリンをつついている彼女の姿を見るのが、僕のささやかな幸せだった。
彼女を救えているのだと、驕っていたんだ。


ある日、ぱたりと彼女は公園に現れなくなった。
見捨てられた、と思った。
あるいは、他の「お兄さん」に、盗られてしまったのだと。

( ´ー`)「…………」

嫉妬、悲しみ、憎悪、不安、自己嫌悪、諦め。
そんな黒いものが、僕を食い荒らしていった。
一週間ほどして、別の考えが浮かんだ。
もしかしたら彼女は幸せになれたのかもしれない、宗教に傾倒していた母親の元から離れて、施設に入ったのかもしれない、と。

どちらにせよ、彼女は僕の部屋に、もう来ない。
その事実を受け入れるために、僕は冷蔵庫に入っていたプリンを地道に食べて処分した。
プリンは舌がしびれるくらい甘かったように思えた。

374名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:40:06 ID:wkS8xGwY0
二週間が経とうとしたある日、突然インターホンが鳴った。

lw´‐ _‐ノv「お兄さん、わたし」

その声は、僕の欲していたものだった。
僕は急いで扉を開けて、彼女を部屋のなかに引き入れた。
相変わらず彼女はガリガリだった。

( ´ー`)「シュー……今まで心配したんだよ……?」

lw´‐ _‐ノv「さいごに一度、お兄さんに会いたくて」

( ´ー`)「さいご?」

lw´‐ _‐ノv「……引っ越すことになって」

( ´ー`)「そうかよ……」

元気でな、と僕はシューの頭をなでくりまわした。
シューは、なんともいえない表情で僕を見た。

lw´‐ _‐ノv「ねえ」

( ´ー`)「なんだよ?」

lw´‐ _‐ノv「さいごに、お兄さんと一緒にプリン食べたいな」

この時、冷蔵庫にはプリンが残っていなかった。
それをシューに説明したら、

lw´‐ _‐ノv「……残念だな」

と、彼女は言った。

( ´ー`)「コンビニに買いにいこうか?」

lw´‐ _‐ノv「いや、時間がないから」

例のキャラクターものの腕時計を見て、シューは言った

lw´‐ _‐ノv「……じゃあ、お元気で」

それが、シューの最期の言葉だった。
子供らしくない、いやに大人びた言葉だった。

375名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:41:51 ID:wkS8xGwY0
しばらくして、手紙が届いた。
シューからじゃあない。
僕の両親を轢き殺した加害者の男からの謝罪の手紙だ。

なんとなく、それに目を通して。
ある一文に、僕は吐き気を催した。


「ヒートが、愛娘のシューを道連れに」

(; ー )「…………」

道連れに、命を絶ってしまいましたが、わたしは人殺しの罪を償い続けようと思います。


つまり、僕は。
シューの両親から奪った金で、彼女を救った気でいて。
しかも、彼女はいなくて。
プリンも食べさせられなかった。



(; ⊿ )「ああ、」

僕のしてきたことは、ただの自己満足。





これで、話はおしまい。
プリンを見るとね、どうもあの子のことを思い出してしまうんだ。

お金?
まだまだたくさん、シューの父親からもらってるよ。
でも、もう手をつける気にはならない。
僕はただ飯を食らうボンクラな神様にはなりたくないんだ。
聞いてくれてありがとう、助かったよ。
はい、五百円。

376名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:44:27 ID:wkS8xGwY0
>>374
最後の最後にミスった

× 僕はただ飯を食らうボンクラな神様にはなりたくないん だ。
〇 僕はただ飯を食らうボンクラな神様のようにはなりたくないん だ。

です、話はおわりです

377名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:53:01 ID:aOjkibDk0
おつおつー
投下しま

37812月25日のようです:2012/12/26(水) 03:54:19 ID:aOjkibDk0
( ^ω^)「えー、はい。では、これより第1225回喪男会議を始めますお!」

(´・ω・`)「ワーワー」

( ´_ゝ`)「ヒューヒュー」

( ^ω^)「野太い歓声などいらぬ。殺意が沸く」

( ^ω^)「それはそうと、しょぼん!」

(´・ω・`)「んえ、なに?」

( ^ω^)「今日は何の日だお?」

(´・ω・`)「キリストが生まれた日?」

( ´_ゝ`)「そういうボケはいいから」

( ^ω^)「お前さ、ホンットそういうとこ空気読めないよね」

(´・ω・`)「ぶち殺すぞ、てめえら」

( ^ω^)「しょぼんのくだらないボケはいいとして」

(´・ω・`)「おい」

( ^ω^)「そう、今日はクリスマス!聖夜です!」

(´・ω・`)「おい」

( ´_ゝ`)「浮かれたカップルが蔓延る日だな」

(´・ω・`)「聞けよ、おい」

( ^ω^)「性夜じゃねえんだよ!聖夜なんだよ!!」

( ´_ゝ`)「まあ、俺ら彼女いないからね。こんな時期にカップル見たら憤死するよね」

(´・ω・`)「いい加減泣くぞ」

('A`)「しょぼん、黙って」

(´;ω;`)「ウッ……」

37912月25日のようです:2012/12/26(水) 03:55:02 ID:aOjkibDk0
( ^ω^)「まあ、そんな喪男共でね、集まってね」

( ^ω^)「なにやるって、そりゃ鍋ですよ、鍋」

( ^ω^)「野郎共、材料は持ってきたか!」

( ´_ゝ`)「はい」

( ^ω^)「……何これ?」

( ´_ゝ`)「S○YJOY」

( ^ω^)「なんで!?」

( ´_ゝ`)「え?闇鍋って聞いてたんだけど?」

( ^ω^)「ちげーよ、なんで闇鍋なんぞしなきゃいけないんだよ」

( ´_ゝ`)「いいじゃん、美味しいよS○YJOY?」

( ゚ω゚)「単品でも、美味いかは微妙だよ!?」

( ^ω^)「まあ、いい。次!しょぼん!」

(´;ω;`)「ウッ……」

( ^ω^)「……何これ?」

(´;ω;`)「S○YJOY」

( ゚ω゚)「だから、なんでだよ!!」

( ^ω^)「次!ドクオ!」

('A`)「え、ごめん」

( ^ω^)「まさか……」

('A`)「うん、S○YJOY」

(#゚ω゚)「ああああああああああああああ、もおおおおおおおおお!!!!」

38012月25日のようです:2012/12/26(水) 03:55:43 ID:aOjkibDk0
(#゚ω゚)「フー……フー……」

( ´_ゝ`)「まあまあ、落ち着けよブーン」

( ´_ゝ`)「とりあえず、飲もう。酒ならいくらでもあるしさ」

( ^ω^)「……おー、じゃあとりあえず」

(´;ω;`)「ウッ……」

( ´_ゝ`)「ほら、しょぼんもいつまでも泣いてんな。酒持て、酒」

(´;ω;`)「オウ……」

( ^ω^)「ドクオ、持ったかお?乾杯するお?」

('A`)「あー、ごめん」

( ^ω^)「お、早く持ておー」

('A`)「や、そうじゃなくて」

( ´_ゝ`)「?」

( ^ω^)「なんだお?」

('A`)「悪いけど、彼女に呼ばれてるから帰るね」

( ゚ω゚)( ゚_ゝ゚)(´゚ω゚`)「「「えっ!!!???」」」


おしまい。

381名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 03:56:35 ID:aOjkibDk0
ほぼ実話。
僕はしょぼんでした

382名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 04:19:56 ID:9G/6hNKA0
おつ
俺は一人で過ごしてたけど


投下終わりました
キャッチボール、のようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1356460039/

383 ◆R6iwzrfs6k:2012/12/26(水) 07:16:50 ID:o.dx5uEU0

('A`) クリスマスは過ぎ去った……

( A ) 今年も一人だった……

('A`) でも、今年は鬱祭があったから

('∀`) 一人じゃなかった

('∀`) いやぁ、いいね、祭っていうのは

('A`) なんだかんだで現在、計28作品がまとめられた

('A`) エロが多いのがちょっと予想外だったが……

('A`) どれもこれも質の高い鬱ばかり

('A`) 年末の忙しい時だっていうのに、祭に参加してくれてありがとう

('∀`) 楽しかったぜ、お前ら!

384名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 07:24:45 ID:3tr0B66gO
鬱ー!

さぁて、仕事頑張るか・・・

385 ◆R6iwzrfs6k:2012/12/26(水) 07:26:19 ID:o.dx5uEU0
一週間お疲れ様でした!
年末の忙しい時期にこれだけ多くの鬱作品が集まりとても嬉しく思います
初めて企画を立てたのでとても緊張していましたが、無事に済みほっとしています

参加者のみなさん、ならびにまとめの行きずりトマトsocietyさん、また企画立案に協力いただいた方々皆さん、ありがとうございました

以下は反省会、感想などのスペースとさせていただこうかと思います

投下終わったのにこちらのほうへ「投下したよ!」という報告をしていないどじっ子はどうぞ今日中に報告のほうをよろしくお願いします

386名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 09:31:36 ID:8qwHJ5yE0
欝祭り、投下致しました

心は後悔に涙するようです
http://jbbs.livedoor.jp/internet/13029/

387名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 10:00:09 ID:WqSovfg60
終了時刻夜7時だと思ってた

388名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 16:23:23 ID:P5oIxKJ.0
間に合わなかった・・・鬱だ

389名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 16:40:06 ID:Rn6pNEN2O
完結していないのでも大丈夫でしたら、参加作品の仲間にしてください


∬ _ゝ )にぶんのいちのようです( <_  )
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1356440553/

390名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 17:16:12 ID:3tr0B66gO
間に合わなかったならのなら
普通にスレ立てて投下すればいいじゃないか(ゲス顔)

391名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 18:14:37 ID:.fzPXzGg0
終わったな
あとは感想書くだけ?

392名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 18:19:42 ID:9RjTe82Q0
またやつが感想絵スレをたてるのだろうか......

393名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 21:05:42 ID:Qzmiyo4.0
感想?ここで書けばいいじゃない!
お勧め作品とか書けばいいじゃない!

394名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 06:44:36 ID:G.MUgx72O
みんな乙

395名も無きAAのようです:2012/12/28(金) 10:15:44 ID:alvFD6ugO
∬ _ゝ )にぶんのいちのようです( <_  )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1356440553/


本日完結の予定でしたが書き溜めがバクにより全消しの被害にあい、投下が不可能になりました…
予定が立たない状態でずるずるするのは申し訳ないので参加を辞退させてください
ただでさえ、中途半端な状態で参加してしまったのに本当にすみません

396 ◆R6iwzrfs6k:2012/12/28(金) 14:17:03 ID:RNWtJlew0
>>395
まず今までお疲れ様でした
書き溜めが消えてしまったショック、お察しします…
トマトの管理人さんと相談した結果、未完という形で鬱祭作品としてまとめたいとのことでした
主催自身もにぶんのいちはとてもおもしろい話だと感じていたので、ぜひまとめてもらえたいのですが…
せっかくですから辞退は取り消してみませんか?
また、時間がかかっても完結したものを見てみたいとは個人的には思うのですが、まとめにのせるかどうかの最終的な判断は>>395さんに任せます
よろしくお願いします

397名も無きAAのようです:2012/12/28(金) 15:05:59 ID:LJPcIlr.0
皆さん乙でしたー

ところで今回の祭で面白かった・気に入った・オススメな作品を教えてたもれ
自薦他薦は問わないわよ(チラッ

398名も無きAAのようです:2012/12/28(金) 17:02:12 ID:1Wp3SUokO
>>397
個人的には、れんれんのようですとある罪人の話。
今時の英雄は〜、も好きだ。

399名も無きAAのようです:2012/12/28(金) 20:04:12 ID:fPsuFIW60
じゃあ簡単にお気に入り作品の感想を

或る阿呆の半生。
( ・∀・)の半生を書いた作品。
他の鬱祭り作品とは明らかに雰囲気が異なり、鬱のベクトルもまた違う。
短く、読みやすい文章なのでさくっと読めるが、心にズギャンとくる。

終末のようです
久しぶりに会った幼馴染の('A`)とζ(゚ー゚*ζ、そしてブーンの話。
短いため何言ってもネタバレになりそうな作品。二人は幸せになれたのだろう、きっと。
やや猟奇的な表現があるため閲覧注意。

('∀`)「 クリスマスイヴの予定がいっぱいで忙しいwwwwwwwwwwwww」ようです
誤爆したスレの乗っ取りで参加した特殊な作品。
内容は('A`)と( ^ω^)がドクオの家でだらだらと過ごすギャグ。
かなり気軽に読める上に面白く、オチは実にドクオらしい。ドクオに幸あれ。

('A`)メリー・クリスマスのようです
クリスマスに出社する社会人('A`)の一日の話。
かなり淡々と進むので、他の作品と比較するとかなり読みやすい部類に入ると思う。
最後のレスの文章には元気付けられた。

400名も無きAAのようです:2012/12/28(金) 20:25:41 ID:CM9k0ayc0
自分は
川 ゚ -゚- × - --- 从-ー-( ´∀`・・・・
が好きだな。
書き方が面白かった。

401名も無きAAのようです:2012/12/28(金) 23:39:48 ID:alvFD6ugO
>>396
395です
わざわざこんな不義理者のために貴重な時間を割いて話し合って頂けたとは…
主催様、並びにトマト様、丁重な対応をしていただき感謝の言葉もありません
本当にありがとうございます

まさか未完でもまとめて頂けるとはまったく思っておらず、正直に言いましてかなり嬉しかったです
まとめてもらうことは昔からの夢でしたから…
大変心苦しいのですが、お言葉に甘えさせてもらってもいいでしょうか?
シナリオは出来ていますし、一度は書き上げた作品ですので、あまり期間を開けずに完結させることを約束します
コロコロと意見を変えて申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いします

402名も無きAAのようです:2012/12/28(金) 23:40:23 ID:T43zPxbo0
鬱祭けっこう盛り上がっ……いや、むしろ盛り下がったなぁ

403 ◆R6iwzrfs6k:2012/12/29(土) 01:21:59 ID:TvX/knxE0
>>401
いえいえ、完結するのを楽しみに待っています
どうぞじっくり創作してくださいな

話は変わりますが、そういえば「はい俺ー!」をしていなかったのでしてみようかと思います
皆さんもすればいいんじゃないかな…

作者:塔と民話のサーガのようですとか

参加作品:れんれんのようです、それぞれの生き方、のようです、終末のようです、( ´ー`)はプリンが嫌いなようです、交換するようです

あと後日各作品の感想とか書いていきたいと思ってます

404名も無きAAのようです:2013/01/07(月) 00:48:32 ID:0rMEQewA0
巻き込まれ規制で鬱祭りにレス参加すら出来なかった…鬱だ…
クオリティの高さに脱帽したぞ、みんな乙

405名も無きAAのようです:2014/07/14(月) 21:23:44 ID:aels4sUI0
こっそり報告。
行きずりトマトsocietyさんが消失してしまったようなので、企画作品を保管しました。
http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-category-38.html

意見要望等ありましたら遠慮なく言っていただければと思います


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