したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

( ゚∀゚)ハッピーエンドトリガーのようです

1名も無きAAのようです:2012/09/17(月) 20:11:17 ID:8ZF/Q3ng0
オリジナルですが色々ゲーム漫画等から設定を拝借しております
何がなんでも完結させます遅筆だけど



132名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 19:50:28 ID:44ytmtUg0

  _
( ゚∀゚)「世話になった」

ζ(゚ー゚*ζ「お世話になりました!」

(´・ω・`)「こちらこそ身内が迷惑かけたね」

ショボンは心底申し訳なさそうに言った。
俺はそれを即座に否定する。
あんたには、感謝してもし足りないくらいなんだ。

(´・ω・`)「じゃあ、僕は帰ろうかな。店の事もあるし、兄者も…ね」
  _
( ゚∀゚)「あぁ、そうしてくれ」

ζ(゚ー゚*ζ「ショボンさん、またね!」

手を降りながらショボンは助手席に座った。
俺たちは、その影が消えるまでずっと、見つめていた。

133名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 19:52:43 ID:44ytmtUg0




第四話「雨と歌」




.

134名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 19:55:20 ID:44ytmtUg0

ζ(゚ー゚;ζ「お兄ちゃん…、この町なんかいる」

街の大通りを歩いていると、デレが言った。
いつになく不安そうな表情だ。
  _
( ゚∀゚)「あぁん?なんだそりゃ?」

俺は尋ねる。
こう見えても一応心配はしてるつもりだ。

ζ(゚ー゚*ζ「あのね?なんか…魔法みたいなの、感じるの」
  _
( ゚∀゚)「…!死人か?」

デレは、首を横に振った。

死人じゃなくて、魔法。
一体何なんだ、そう自問した。
だけど、そんなの決まってる。

魔女だ。

135名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 19:57:00 ID:44ytmtUg0

  _
( ゚∀゚)「デレ、もっとこっちに寄れ」

俺はデレを引き寄せた。
心なしか肩が縮こまっているような気さえする。
  _
( ゚∀゚)「体調は大丈夫か?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。ただ感じるだけだから」
  _
( ゚∀゚)「少しでも異変があったら言えよ?」

ζ(^ー^*ζ「了解であります!」

デレは敬礼の形をとった。
俺を安心させようとしているのが見え見えだ。
恐らく無理はしていないだろうけど。

136名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 19:58:47 ID:44ytmtUg0

  _
(  -∀-)

もし、今魔女が現れたとして、俺は何をするんだろう。

即座に殺すだろうか?
その考えは、一瞬で否定した。
デレが、間違いなく止めるはずだから。
だけど、デレが止めなくたって俺は撃たない。
いや、撃てないと思う。

ζ(゚、゚*ζ「お兄ちゃん?」

件の魔女に対して、憎しみがないと言えば、嘘になる。
彼女のせいで、苦しむ人をたくさん見てきたし、直接じゃないにしろ人を殺したも同然だ。

137名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:00:30 ID:44ytmtUg0


だけど俺の隣には魔女がいて。
俺は魔女が誰よりも優しい事を知っている。

だからきっと魔女が壊れてたって、俺は躊躇うんだ。
躊躇って、そして、最後には引鉄を引くんだろう。




だって、それが唯一の救いじゃないか。




.

138名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:04:04 ID:44ytmtUg0
  _
( ゚∀゚)「なぁ、もし魔女に会ったら、どうすんだ?」

俺は聞いた。
デレの考えが知りたかった。

ζ(゚ー゚*ζ「お話したい」
  _
( ゚∀゚)「話してどうする?」

ζ(゚ー゚*ζ「理由が聞きたいの」
  _
( ゚∀゚)「死人を作る理由か?」

ζ(゚ー゚*ζ「うんっ」

デレは頷いた。

139名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:05:47 ID:44ytmtUg0

魔女が死人を作る。
最近ようやく浸透してきた噂だ。

当初は眉唾物だった。
死んだ人間が蘇るというよくあるオカルト話だったのだが、誰が言い始めたのか魔女の仕業だという尾鰭を付けてからは、ある程度の信憑性を伴うようになった。

山奥でひっそりと暮らしていた俺たちには、誰かがそうして警鐘を鳴らさなければ気づけなかったかもしれない。

今でも迷信だと思っている人間の方がまだ圧倒的に多いだろう。
普通に考えて、諸手を上げて信じろという方が難しい。
だけどこれまた少なくない人間が、心の奥底で考えているのだ。

魔女が死人の軍勢を連れ、報復に来る。
悪しき魔女を成敗した自分たちに復讐をしに来ると。

140名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:07:44 ID:44ytmtUg0

  _
( ゚∀゚)「何がしたいんだろうな」

俺は、笑って言った。
こんな時くらい気分は明るいしたい。

ζ(゚ー゚*ζ「何だろうねぇ…」

うーんと唸り始めるデレ。
こういう時、俺はいつも暖かい気持ちになる。

ζ(゚ー゚*ζ「寂しいのかも!」

俺は声を上げて笑った。
  _
( ゚∀゚)「そんならお前が友達になってやりゃあいい」

ζ(^ー^*ζ「うん!」

141名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:09:12 ID:44ytmtUg0

俺たちはこうして時々逃避する。
大抵話すのは、笑いたくなるような絵空事。
ただのファンタジーだ。

でも俺は、それが夢だって分かってる。
どんなに俺たちが逃避したって、旅を続ける限り、戦うことからは逃げられない。
  _
( ゚∀゚)「よっし、とりあえず宿とって飯食うか!」

ζ(゚ー゚*ζ「はぁーい」

だから今くらいは夢を語ったって罰は当たらないだろう。

宿屋を探す道中でデレと他愛もない話をしながら、今のうちに覚悟を決めとこう、そう思った。

142名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:10:46 ID:44ytmtUg0

その日、俺は綺麗な歌声で目が覚めた。
隣のベッドを見ても、デレは寝ている。
  _
( ゚∀゚)「外…か?」

窓の外を見た。
金髪の少女が歌っていた。
朝チュンなんかより、よっぽどいい目覚めだ。
俺はしばし聞き惚れた。

詩的表現は苦手だが、何か心に染み入るような感じがして、傾聴するのをやめられなかった。

よく見ると、俺以外にも聞いている奴はいるようで、周りに小さな人だかりが出来ていた。
と言っても二桁はいない程度だが。

143名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:13:11 ID:44ytmtUg0


ζ(-、-q*ζ「上手な歌だね」

デレが目を覚ました。
ベッドから降りて、俺の隣に来ると、俺と同じように窓から少女を覗き込んだ。
  _
( ゚∀゚)「あぁ、そうだな」

俺は少し遅れて答えた。

ζ(゚、゚*ζ「…お兄ちゃん」
  _
( ゚∀゚)「どうした?」

デレがいつになくポカンとした表情で、外を見ていた。

144名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:14:56 ID:44ytmtUg0






ζ(゚、゚*ζ「あの人……魔女だ…」








.

145名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:16:53 ID:44ytmtUg0

  _
(#゚∀゚)「ッ!!?」
  _
( ゚∀゚)「行くぞ!」

俺は言った。
言いながらデレを小脇に抱え、部屋を飛び出した。

ζ(゚、゚;ζ「私っ…走れるよ!!」
  _
(#゚∀゚)「舌噛みたく無かったら黙ってろ!」

デレを降ろしてる暇はない。
階段を文字通り飛び降りて、玄関を蹴り開ける。

心の準備なんて、毛ほども出来てない。
殺す覚悟だって、戦う覚悟ですら怪しい。

でも良かった。
あの様子なら、彼女は壊れてない。
分かり合えるかもしれない。

俺が感じてるのは、期待?不安?
何だろう。
何だかよく分からない感情が、俺の足をひたすらに動かした。

裏路地に入り、目算でさっきの場所を目指す。

146名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:18:35 ID:44ytmtUg0

  _
(;゚∀゚)「おい!そこのアンタ!」

広場に着くとすぐ、俺は声を掛けた。

ξ゚⊿゚)ξ「〜?」

少女が、こちらを振り向く。
予想通り、彼女の神経はまともで、俺は少し安堵した。

ξ;゚⊿゚)ξ「!」
  _
( ゚∀゚)「ちょっと、いいか?」

俺が言い切る前に少女は反応して。
俺の隣にいたデレを見るなり駆け出した。

147名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:19:51 ID:44ytmtUg0
  _
( ゚∀゚)「おい!ちょっと待ってくれ!」

俺は駆け出した。
デレの手を引いて。

でもそれもすぐ離す。
  _
( ゚∀゚)「離れんなよ!」

ζ(゚ー゚;ζ「うんっ!」

非常時には三メートル離れて付いて来る。
声を掛け合う。

これが俺たちの暗黙のルールだ。

148名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:20:43 ID:44ytmtUg0


少女は走りながら、何時の間にか男と合流していた。
どこで連絡を取ったのか分からないけど、間違いなく騎士だ。

いつだったか、考えた事があった。
魔女なんていなくて、騎士なんていない、全ては俺達の妄想なんじゃないかって。
でも今実際に目の前に魔女らしき人がいて、俺たちは追いかけてる。


これは現実?
それともただの勘違いか。



何にせよ、俺の中で希薄だった現実味が色味を増した事は間違いない。

149名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:22:56 ID:44ytmtUg0

  _
( ゚∀゚)「デレ、大丈夫か?」

俺は追走するデレに聞いた。
前を走る二人は、街を出て森へと入って行く。

ζ(゚、゚;ζ「う、うんっ…まだまだっ」

見たところ大丈夫そうだ。
俺はそれを確認すると、銃を調えた。

念のためだ。
そう、念のため。
  _
( ゚∀゚)「何があるかわかんねぇ。気をつけろよ」

俺は自分にも言い聞かせた。

150名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:24:23 ID:44ytmtUg0



(……)「おぉぉぉぉ!!」
  _
( ゚∀゚)「ちっ!」

襲いかかる拳打を、俺は寸でで避けた。
目の前を通り過ぎる腕を掴み、そのまま力を利用して投げ飛ばす。
  _
(#゚∀゚)「だらぁっ!!」

男だったけど、結構飛んだ。
すかさず魔女が寄っていく。

ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!!」

(;^ω^)「くそ…」

男は立ち上がり、駆け出す。
懐からナイフを出した。
戦いをやめる気はないらしい。

151名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:25:35 ID:44ytmtUg0

ζ(゚ー゚;ζ「お兄ちゃんだめ!」

デレが叫ぶ。
  _
( ゚∀゚)「大丈夫」

俺はただ返事をして、構えた。

振り向いている暇はない。
俺には見なけりゃならないものがある。

それは迫る拳打でも、薙ぐ蹴撃でもない。

相手の目だ。

それを見さえすれば、何をすべきかなんて自ずと見えてくる。

152名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:27:13 ID:44ytmtUg0
  _
( ゚∀゚)「あんた、騎士だろう?」

俺は聞いた。

(;^ω^)「う…」

男は逡巡し、それでも構わずナイフを振るってきた。
焦燥を感じさせない、鋭い攻撃だ。

たちまち鼓動は早くなり、神経は集中する。


懐に手を入れた。
銃を取り出す。
素早く銃把を握りしめて、ナイフを受け止めた。

(;^ω^)そ

驚愕に揺れる男を尻目に、俺は銃を喉に突きつける。

153名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:32:04 ID:44ytmtUg0

  _
( ゚∀゚)っy=「ここまでやっといて何だがよ」

(;^ω^)「くそっ!」
  _
( ゚∀゚)「俺は話がし…」

ξ#゚⊿゚)ξ「ブーン退いて!」
  _
(;゚∀゚)「!!?」

その瞬間俺は吹っ飛んだ。
何をされたのか全く分からなかった。

ζ(゚ー゚;ζ「きゃっ!」

俺はデレの目の前まで飛ばされて、なんとか態勢を立て直した。

(;^ω^)「ツン!それ以上魔法使ったら…」

ξ#゚⊿゚)ξ「構やしないわ!あんたが死ぬよかマシよ!」

154名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:33:42 ID:44ytmtUg0

  _
( ゚∀゚)「やっぱ魔女か」

さっきのは魔法か。
デレのと違って、戦闘に応用出来るみたいだが、どんな魔法なのかまでは分からなかった。
衝撃波みたいなのを出されたみたいだが。

  _
( ゚∀゚)「盛り上がりのとこ悪いんだが……」

俺は、諌めようとした。
これ以上戦う気なんてないんだけれど。

ξ#゚⊿゚)ξ「私が支援するから行って来なさい!」

(;^ω^)「任せるお」
  _
(;゚∀゚)「おいおい…」

相手にそのつもりはないらしい。
というより、確実に勘違いされている。

だけど、弁明の余地は無かった。
今度は二人して、俺に向かってきた。

155名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:35:02 ID:44ytmtUg0
  _
(;゚∀゚)「おい、ちょっと待てって!」

(;^ω^)「ツン行くお!」

男だけなら、対処は容易い。
全部躱してカウンターを入れてもお釣りが来るくらいだ。
だけど、回避直後の虚を狙って、魔法が飛んでくるから厄介だ。
致命的なダメージには全くならないが、さすがにナイフは当たれば危ない。

さぁどうする。
止めるなら、魔女が先か。
俺はそう判断した。

だけどその必要は無かった。

156名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:35:47 ID:44ytmtUg0


ポツポツと、雨が降り出した。

ξ゚⊿゚)ξ「…雨?」

( ^ω^)「さっきまで晴れてたのに」
  _
(;゚∀゚)「やっべ…」

みるみるうちに雨は、豪雨へと変わり、滝のように降り出した。
前すら見えず、ただ轟音が鳴り響く。

俺は一度だけ、この状況を体験したことがある。
はっきり言って手が付けられなかった。

157名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:38:05 ID:44ytmtUg0
  _
( ゚∀゚)「まぁ、ナイスアシストだな」

俺は呟く。
その呟きすらも、轟音で遮られた。

だけど、デレの声は何故か響き渡って。




ζ(゚ー゚#ζ「話聞いて!!!!!!!」



デレが、怒った。


俺はそそくさとデレの視界から逃げ出した。
巻き込まれたら溜まったもんじゃない。

158名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:39:10 ID:44ytmtUg0

(;^ω^)「ごめんなさいお」

ξ;゚⊿゚)ξ「わ、私…殺されると思って…」

水浸しの地面に正座する見知らぬ男女。
それを見下ろすデレ。

なんともシュールな光景だが、俺はあえて口を出さず、タバコを吸っていた。

ζ(゚ー゚*ζ「だからって二人がかりですることないじゃない!お兄ちゃん死んじゃう!」

(;^ω^)「必死だったんだお…」

ζ(゚ー゚*ζ「言い訳しないの!」

明らかに年下の少女に説教される巨漢を見るのは、中々面白い。

159名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:40:30 ID:44ytmtUg0

  _
( ゚∀゚)y━・~~ 「デレ、もうその辺にしとけ」

さすがに可哀想だと思い、助け舟を出してやる。
二人が、俺に感謝の篭った視線を向けてきた。

ζ(゚、゚*ζ「お兄ちゃんが言うなら」

デレは渋々説教をやめた。
二人は立ち上がる。
  _
( ゚∀゚)「あんたらは魔女と騎士だ、そうだな?」

ξ゚⊿゚)ξ「えぇ、そうよ」

( ^ω^)「そうだお」

160名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:41:34 ID:44ytmtUg0

  _
( ゚∀゚)「率直に聞くぜ。死人を蘇らせてんのはあんたか?」

俺は聞いた。
でも、違うだろうと思っていた。
理を捻じ曲げるような魔法には見えなかったからだ。

相手が逃げたのも、多分デレを件の魔女だと思い込んだからじゃないか。


ξ゚⊿゚)ξ「違うわ」

ξ゚⊿゚)ξ「私たちもあなた達がそれなんだと思ってたもの

161名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:43:40 ID:44ytmtUg0
  _
( ゚∀゚)「そうか」

予想通りと言えば予想通りだが、少し残念だ。
だけど、デレを見ると、とても嬉しそうだった。
同じ境遇を持つものに出会えて、喜んでいるのか。

ζ(゚、゚*ζ「ね、ね!お名前なんていうの?」

ξ;゚⊿゚)ξ「私?ツンよ」

ツンと名乗った少女は戸惑っていた。
さっきまでデレに説教をされてたから、仕方ない。
一方デレは、すごく興奮している。
散歩を察知した犬みたいだ。

162名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:45:44 ID:44ytmtUg0

ζ(゚ー゚*ζ「私デレっていうの!よろしくね!」

ξ゚⊿゚)ξ「よろしく」

デレはツンの手を取り、握手と称してぶんぶんと振り回した。

ζ(゚、゚*ζ「ツンちゃんはどんな魔法なの?」

ξ゚⊿゚)ξ「私のは歌?声?あ、音かな。よくわかんないけどそんな感じ」

ζ(゚、゚*ζ「おぉー!だから歌ってたんだね!」

音の魔法か。
相変わらず際限がない。

追っかけてる時いきなり騎士と合流出来たのはそういうことか。

163名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:46:24 ID:44ytmtUg0


( ^ω^)「僕はブーンだお」

騎士の方も、俺に手を出してきた。
  _
( ゚∀゚)「ジョルジュだ」

俺も名乗り、それに応じた。

ブーンは、精悍とは程遠い顔つきをした、柔和な男だった。
だけど、表情から優しさや魔女への愛情が伺い知れて、こいつなら信用出来そうだと直感的に感じた。

(;^ω^)「あの、さっきはごめんお?ナイフなんか振り回して…」
  _
( ゚∀゚)「あーあー気にすんな。ケガとかしてないし」

俺は手を振り話を遮る。
謝られるのは、好きじゃない。

164名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 20:49:36 ID:44ytmtUg0

( ^ω^)「はぁー。ツン、こんなことなら魔法使わなきゃ良かったおね」

すぐ脇でデレと共にかしましく騒いでいたツンに、ブーンが話しかけた。

ξ゚⊿゚)ξ「だって…ブーンが」

ツンは頭を垂れる。

ζ(゚、゚*ζ「どうして魔法使っちゃいけないの?」

( ^ω^)「何でって…。魔法を使いすぎたらツンがおかしくなっちゃうお?」
  _
( ゚∀゚)y━・~~ 「ならねぇだろ」

魔法にそんな制限はない。
壊れてしまうのは、騎士のいない魔女だけだ

165名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 21:03:20 ID:Ld36MCGk0
この作品好きだわ

166名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 21:03:42 ID:44ytmtUg0

( ^ω^)「えっ?」

ζ(゚、゚*ζ「魔法使っても、大丈夫だよ?」

ξ゚⊿゚)ξ「……そうなの?」
  _
( ゚∀゚)「あのな、魔女が壊れない為の騎士だろうが」

魔女は、圧倒的な力を持つ。
さっきのツンの魔法だって、俺を殺す気でやれば容易くそれを為せたはずだ。
だけど、その圧倒的な力を持つ魔女にも、唯一敵がいる。

それが、孤独。

いくら力が強くたって、心は人と変わらない。
誰かに襲われたって、身は守れるだろう。
だけど心の傷は癒えない。

力を行使すればするほど、虚しさが募るのだ。

167名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 21:04:24 ID:44ytmtUg0
自分から人が離れていく、孤独。
誰にも分からない、大きな力を持つが故の孤独。

孤独は魔女の心を蝕んで、確実に壊す。
そんな女性のそばに寄り添い、支え、守るのが騎士の役目だ。

(*^ω^)「それ、ほんとかお!?」
  _
( ゚∀゚)「むしろなんで知らなかったんだよ」

俺が言うと、ブーンはツンを抱きしめた。

(*^ω^)「やったおツン!ツンはツンのまんまだお!」

ξ*゚⊿゚)ξ「だ、だから最初からそう言ってたじゃない!」

ツンの方も満更ではないみたいだ。
あいつらは、俺たちを無視して二人の世界に入ってしまった。

俺とデレは、取り残された。

168名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 21:05:48 ID:44ytmtUg0
ζ(゚、゚*ζ「いいなぁ」
  _
( ゚∀゚)「何がだ?」

俺は聞いた。
別に羨ましい事なんて、俺は感じなかった。

ζ(゚ε ゚*ζ「何でもないですー」
  _
( ゚∀゚)「なんだそりゃ」

ζ(゚ー゚*ζ「お兄ちゃんには期待してないもん」

デレはそう言うと、帰ろうと俺たちを促した。
あの二人の輪に入って行くなんて、と感心しながらも、俺は帰路についた。

169名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 21:07:45 ID:44ytmtUg0

第四話終わり

170名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 21:09:33 ID:Ld36MCGk0
おつ

171名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 21:10:48 ID:MgjmTBdc0


172名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 21:31:58 ID:/o.X1cwg0
おつー

173 ◆7.FC9p85GA:2012/10/21(日) 21:33:27 ID:44ytmtUg0
支援乙ありがとう
鼻血がケツから出るくらい嬉しいしマジでモチベになる!
指摘とか以外にもやって欲しいこととかあったらどんどん言ってくれー

あとラノベ祭り参加したいし何分忙しい身なので次はちょっち遅れるかもっす

では!

174名も無きAAのようです:2012/10/21(日) 22:36:23 ID:L0C7W5EU0
乙!何かフラグみたいだな…

175名も無きAAのようです:2012/10/22(月) 01:43:13 ID:JyxrYzCY0
おつおつ

176名も無きAAのようです:2012/10/24(水) 23:00:14 ID:os2Rwslc0
おもろい!

177名も無きAAのようです:2012/10/25(木) 02:33:05 ID:mn0BxUEc0
乙乙
次を待つよ

個人的にシュールとか出してもらえると嬉しい
一般市民役とかで

178 ◆7.FC9p85GA:2012/10/28(日) 21:57:00 ID:uzfM0s4E0
>>177

| ∧         ∧
|/ ヽ        ./ .∧
|   `、     /   ∧
|      ̄ ̄ ̄    ヽ
| ̄ ̄ ̄月曜日 ̄ ̄ ̄)
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.\
|ヽ-=・=-′ ヽ-=・=-  /   やあ
|::    \___/    / もともとシュールは出演予定だったのだよ
|:::::::    \/     /

179名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 23:22:14 ID:sil7L8vcC


180 ◆7.FC9p85GA:2012/12/09(日) 22:18:19 ID:h8higNtg0
休載のお知らせ


      ///////////\
    ///////////:::::\\         (~)
  /∠∠∠∠∠∠∠∠∠/::::::::::::::::\\      γ´⌒`ヽ         ________
   ̄|::::┌┬┐┌┬┐:::: l::::::::::::::::::::::::::::l ̄       {i:i:i:i:i:i:i:i:}   .       |ハッピーエンドトリガー |
    |::::├┼┤├┼┤:::: |::::::::l ̄ ̄|:::::::|        ( ´・ω・)        |年度末までお休み |
    |::::└┴┘└┴┘:::: |::::::::l   。 |:::::::|         (:::O┬O          ̄ ̄ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    | ┬┬┬┬┬┬┬ :| ┬:l   |:::::::|      ◎-ヽJ┴◎ キコキコ       || 
""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""


        ∧∧  ミ _ ドスッ
        (   ,,)┌─┴┴─┐
       /   つ. 短編→ │http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1353846483/
     〜′ /´ └─┬┬─┘
      ∪ ∪      ││ _ε3
               ゛゛'゛'゛

181名も無きAAのようです:2012/12/20(木) 23:50:59 ID:J84FsuuY0
4月までか
まあ気長に待ってるわ


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板