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異伝スレッド

6ブバスティ首長国:2016/05/15(日) 01:23:19
「戦争ね」
「うん戦争だね」
 ポート・エンジェという街。
 猫海を一望できる高台のカフェテラスにて、アトリオン人向けのモーニングセットのトーストを囓りながら少女が言う。
 それに応えるのは猫。彼女がこの世界にPlaneswalkして出会った、人語を操る猫。

 猫は転移したばかりの彼女を待ち受けており、監視の為の同行を申し出た。高位の夢魔たる彼女はあまりの申し出に面食らったが、その猫が世界の守護者の一柱であることに気が付いて、やむを得ず了承した。
「悪魔の私が言うのもなんだけど」
「うん」
「戦争、止めないの?」
「何故だい? ぼくは世界の守護者であって、人間の守護者ではないんだよ」
「…なるほど、そういうスタンスなのね」
 都市崩壊、死傷者多数、カナン王国崩壊は間近というラジオのニュースを聞きながら、しかしその口調は他人事のよう。
 この海の対岸では今日もレシプロの鈍重な爆撃機が爆弾を落としているのだろう。
「今日は船の手続きをして、明日海の向こうに行くわよ。この街からならカナンにもいけるでしょう」
 少女は紅茶を一啜り。その渋めの味に、何故か旧い知人を思い出した。
「いいけど。営業しにいくのかい? 君のご主人様のように」
「私はジャスリー様と違ってセンチメンタルじゃないし、優しくも無いわ。やりたいことをやるの。私の真実はいつだってその時その場所で決める。ついてきなさい、メンフィス」


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