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キラキラダンゲロス2 応援スレ

31柘榴女:2024/07/14(日) 18:03:11
病院で意識を取り戻した私は、罪の意識に苛まれておりました。
それも当然です。私を蘇生させるために、貴方がしてきた所業を私は全て見ていたのです。
貴方の所業は、まさに鬼畜生とでも言うべきものでした。

遺族の皆様からすれば、貴方は百万回殺しても飽き足らない外道でしょう。
貴方の罪を明らかにし、遺族の皆様の心を癒し、最悪の殺人鬼に唾を吐くことが、人間としてあるべき姿であったのでしょう。

すぐにそうすべきであると思いました。
呪われた蘇生を成した私の使命は遺族に真実を告げることだと思いました。



────それでも、私は貴方の息子です。貴方は、私の母なのです。



かつてヒーローのように私を守ってくれた貴方が、死後も糾弾される姿は見たくなかったのです。
それが人道にもとる行為であると知りつつも、私のために必死で戦い続けた貴方が、死後も罵倒され最悪の罪人として記録されることに耐えられなかったのです。

これが許されない行いだということは理解しています。
遺族の皆様からすれば、私の行いは人間の屑と罵られても仕方のないことだと思います。


それでも私は、貴方の罪をこの世から消し去ることに決めたのです。


幸いにして、元魔人警官である貴方の犯罪は上層部の手によって隠蔽されておりました。
政府の中枢が関係していた『NOVA』の宴に関わっていたということも大きかったのでしょう。
あれだけ派手に暴れた柘榴女の情報は一般には出回っておりませんでした。

それでも上層部の判断がいつ変わるかなど分からない。
正義感に満ちたジャーナリストが真実に辿り着くかもしれない。

私は、魔人警察に入るために必死で勉強をし、成長をしました。
いつ貴方の凶行が世間の目に晒されるかと怯えながらの日々でございました。

貴方の血筋なのか、私の身体は頑強に大きく育ったため警察を目指すといってもだれも止めず、応援をしてくれました。データ管理と分析を専門でやりたいと言ったときは不思議な顔をされましたが。

そうして、池袋の事件から約10年経過してから私は魔人警察の一員となり…貴方の罪を抹消すべく奔走をしたのでした。

貴方に憑いていた私は、『NOVA』のVIPしか見ることのできない一日目の結果を知っておりました。
その知識を利用してアンバードの真実を暴いてみせることで、データ分析のスペシャリストとしての地位を確たるものとしました。

警察のデータベースに残る柘榴女の、貴方の記録を私は少しずつ消していきました。
貴方が殺した被害者は全て【殺害者:不明】と登録しなおしました。
貴方が殺した膨大な人々のデータを、痕跡残さず改ざんするのは非常に骨の折れる作業でした。

何かミスをして、貴方と私の罪が明るみに出るのではないか、そんな思いに怯える日々は私の顔を酷く陰鬱なものに変えてしまいました。しかしそれも罪人の背負うべき業と理解し、私はただただ貴方の罪を消していきました。
貴方の罪を消すことは、貴方がこの世にいた痕跡を消すことでもありました。
一つデータを消すたびに私の胸は酷く痛みましたが、それを悲しむ資格は私にはないでしょう。

長い月日を経て膨大なデータの改ざんが終わり、残すは紙の資料をどうにかするのみとなりました。
自分一人で資料室をあさっていては誰かに疑念を持たれると思い、軽率で軽薄な後輩と一緒に作業することに決めました。彼ならば作業をいくらでもサボるし、興味のない内容はすぐに忘れると確信をしていたからです。

こうして、遂に今日私は貴方の罪の痕跡を全て消すことに成功しました。
あとは貴方の死体写真を燃やすのみです。
そうすれば、柘榴女の凶行も、柘榴女がこの世にいた証も、何もかも消えてなくなります。

…この報告を、きっとあなたは地獄で聞いていることでしょう。
私の行いに対しても喜んでいるとはとても思えません。

もしかしたら怒り狂い、「そんなことを貴方にしてほしくなかった」などと泣き叫んでいるのでしょうか。
「罪人になってまで私のために尽くさないでほしかった」とでも泣き叫んでいるのでしょうか。

母さん。その言葉をそのまま貴方にお返しいたします。
おそらく私も地獄に落ちることでしょう。
お説教はそこで聞きますのでご容赦ください。


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