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キラキラダンゲロス2 応援スレ
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柘榴女
:2024/07/14(日) 18:02:46
神様…という存在がいるのかどうかは私にはわかりません。
ただ、私のこの懺悔を聞くことのできるものがいるとしたら、それは神様以外にあり得ないでしょう。
神様。私は罪を犯し続けてきました。
その罪の旅路が、今日遂に一つの区切りを迎えたのです。
それを今から母に…柘榴女と呼ばれたあの人に告げたく思います。
誰にも知られるわけにはいかない告白を、どうか神様。貴方の胸の内だけにお納めください。
これがただの自己満足の振り返りに過ぎないことは百も承知ではありますが。
■■■
…母さん。貴方は覚えているでしょうか。
貴方の道を決定的に違えた男の言葉を。
「“美しい魂”、もしくは“強い魂”を!100、息子さんに捧げるのです!そうすれば息子さんは現世に蘇りましょうぞ!」
そう言って貴方を唆した教祖…彼の言うことは本当だったのです
あの教祖は、貴方が思うよりずっと有能で…貴方が思うよりもずっと悪辣な男でありました。
『不合理なるトロッコ問題(フィリッパ・クエスチョン)』
それがあの男の能力名です。
100の魂を捧げたうえで、捧げた本人が自害することで対象を蘇生させる能力。
あの教祖はその能力を用いて、誰かを蘇らせたい者に教団の邪魔者を排除させ、最後には自分自身を始末させていたのです。様々な人の愛慕を食い物にしたうえで、死者蘇生という奇跡を披露するカリスマとして上り詰めていたのです。
そんなカリスマも、貴方の狂気を読み切れず外道には生温いくらいあっさりと死にましたが。
…貴方は、早々に100人殺しましたね。
その時点で私の魂は蘇生待機状態として貴方のそばに在りました。
あとは貴方が自害すれば蘇生される…そんな状態として傍らに在ったのです。
そうです。
私は、常に貴方のそばに揺らいでおりました。
貴方の凶行を、無意味な殺戮を見続けてきたのです。
最初は訳も分からず泣き続けました。
「ママ助けて」と何度も何度も叫びました。
貴方はそんな私の叫びを全く聞かずに人を殺し続けました。
それがどれだけ私の心を傷つけたことでしょうか。
それどころか貴方は、虚空を見つめ私ではない『マー君』に語りかけていましたね。
そこに私はいないと、何度叫んでも貴方は振り向いてくれませんでした。
それがどれだけ私の心を凍らせたでしょうか。
最初の数年は何が起きているか分からず泣き叫ぶばかりでしたが、魂というものも年月で成長するのでしょうか。5~6年経つ頃には状況を理解していました。
私は何度も何度も何度も、
「私はここにいます」
「お母さん、人を殺すのはやめてください」
「お母さん、お願いだからもう静かに一人で暮らしてください」
そう語りかけました。
それでも貴方は、血にまみれながら私のために人を殺し続けました。
…そうして迎えたあの日。
貴方が自らの命を私に捧げたあの日。
───母さん。貴方は酷い人です。
私が、本当に貴方を犠牲にしてまで蘇りたいとでも思うでしょうか?
私は、貴方には静かに暮らしてほしかった。
もはや許されない罪人なれど、私のことを諦めて、たまに思い出してくれるくらいでよかった。
そんな私の願いも知らず、貴方は絶望に包まれて死んでいきました。
そうして、私は人の死に絶えた池袋で二度目の生を得たのです。
魂とは不可思議なもので、私は10年は経ったであろう14~15の肉体で蘇生しておりました。
蘇りたての弱った体で私は貴方に縋りつき、ただただ泣き続け…そのまま意識を失いました。
意識を失った私を警察は保護してくれましたが、当然私の身元は誰にも掴めませんでした。
私とあなたを結び付ける線はどこにも存在していなかったのですから。
■■■
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