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ダンゲロスSSReunioN マッチング相談スレ
73
:
ホセ・リベラ
:2024/02/15(木) 00:02:48
そこからの詳細はホセ自身よく覚えていない。
カイノの両腕から繰り出される銃弾の嵐を分厚い鉄板を持ち上げて防いだ…気がする。
対戦車砲を上空に放った…気がする。
高周波ブレードが喉元を掠め血が噴き出た時には恐怖で叫んだ…気がする。
なんにせよ、ホセは自分に出来る全てをカイノに注ぎ込んだ。
それでも大空を舞う閃光に追い詰められるばかりであった。
戦力の要のホセが翻弄されていることに味方は大きくざわついた。
『まずいまずい!ホセが落ちたら終わるぞ!?』
『全員!指定地点に向かえ!全霊で援護をしろ!』
―
――
―――
…そこからのホセの記憶は更に曖昧だ。
ただただ夢中に自身より遥かに強大な相手に挑んだ。
その過程で、何十何百の援軍が息絶えた。
しかしその地獄の中でホセは、戦友の亡骸に囲まれながら一筋の勝機を掴み取った。
大剣一閃。渾身の一撃はカイノの左脚部を破壊したのだ。
思わぬ負傷に困惑したか、カイノは東の空に退却していった。
「待て…まだだ…まだ!勝負はついていない!」
ホセは、自分がこんなにも大きな声が出せるとは知らなかった。
内臓がいくつも損傷し、体中の骨にひびが入っている状態にもかかわらずホセはカイノを追おうとした。
その熱情の正体が、自分でも分からなかった。
満身創痍にもかかわらずカイノを追おうとするホセを、友軍は羽交い絞めにして止めた。
普段だったらあっさり引きずり倒せる友軍を引き離すことが出来ず、痛みでホセは気を失った。
病院のベッドで意識を戻した瞬間、皆からカイノを追うのはやめてくれと懇願された。
しばらくは反発しカイノを追おうとしたが、何度も懇願されるうちにホセのほどほどの善性が顔を出した。
仲間たちのため、国のため、それを本心で思っていたのか
それとも言い訳に使ったのか
もはやホセ自身にも思い出せない。
確かなことは、ホセはカイノと戦うことを諦めて周りの声に応えることを優先した、という事実だ。
心に灯った火に蓋をする、その意味も理解せぬまま。
■■■
どうして今まで我慢できていたのだろう。
過去に封じた思いを自覚した途端、グラグラと血が沸き立った。
駆け続けた戦場で唯一勝敗が付かなかった相手を思う。
あの冷徹な、初めて恐怖を教えてくれた相手を思う。
カイノの、嵐そのものともいえる暴虐の果ての美しさを思う。
そして、嗚呼、そして。
それを、超えてみたいと、ホセは思った。思っていたのだ。あの日は。
「…こんなにもあいつと決着付けたかったんだなぁ…やっぱり俺は凡人だ。夢に気が付くのが遅すぎる…」
周囲の期待にぼんやり応え続けることで摩耗していた自身の欲求。
胸に宿った熱意は、ドンドンと膨らみ、彼を包み込んだ。
彼は、己の意思で戦う相手を求めた。
大統領として築いたコネを全力で用い、カイノの現在の居場所を突き止め、決着をつけようとした。
しかし、彼の周りの人々がそれを認めるはずもない。
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