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中二ダンゲロス生徒会応援スレ

16椎名千織:2019/05/20(月) 20:20:30
(2)
これでは千織に悪いと思った江古田は、話題を戻した。
「まぁ椎名先輩が一先輩と出会った事があることはこれくらいにして、リューゲは一先輩の事を探しているみたいですね。そこで一つ思い付いた事があるのですが…」
「どうしたの江古田くん」
何かひらめいた様子の江古田。
「椎名先輩の能力は実在人物の小説を書いても実体化できるんですよね」
「まぁね。生モノは好きじゃないから普段はやらないんだけど」
「椎名先輩は一先輩の事はしっかり覚えていますよね」
「勿論!あんな事は忘れもしないよ!」
「だったら椎名先輩の能力で一先輩を実体化させる事ができるんじゃないですか?これをリューゲに会わせると何か分かるかもしれませんね」
「!!」
思わぬ案に、千織はビクッとする位驚いていた。

この案に取り組もうと、早速千織は小説を書き始めた。
「ええと実体化させるための小説だから適当に…」


昼下がりの公園で、千織は一と手を繋いで歩いていた。
そこに、ソフトクリームと書かれたのぼりが目に入った。どうやら公園の売店で売っているようだ。
「そうだ!ソフトクリームを買ってくるよ」
「あ、ありがとうございます…」
緊張ぎみの千織に、一は優しく声を掛けた。

売店から戻ってくると、一は2本のソフトクリームを持っていた。
「ごめん!好きな味を聞き忘れたからバニラとチョコの両方を買ってきた。どっちがいい?」
「バニラが…いいですね」
一の手からバニラのソフトクリームを受け取ろうとする千織、しかしその時、後ろから子供が走ってきて、一にぶつかってしまった。
一はよろけてしまい、ソフトクリームは千織の口に盛大についてしまった。
「………」
ソフトクリームだらけになった千織に一は慌てて謝った。
「ご!ごめんなさい!」


「って私を主人公にしてどうする!しかもソフトクリームを口にぶつけるって!古典的すぎる!」
いきなり声を荒げた千織に、江古田は驚いた。
「どうしたんですか?椎名先輩?」
「い、いや、何でもないよ」

しばらくすると、千織は一の小説を書き終えた。
「書き終わりましたか?」
「ま、まぁね」
「随分と顔が赤いですが大丈夫ですか?」
「大丈夫だから!」
とは言うものの、千織はかなり恥ずかしそうな表情をしていた。

「じゃあ一先輩を呼び出しますか」
と千織が言うと、スマホを天井に掲げた。すると、光の柱が現れ、その中から一が現れた。
「おおっ、これが一先輩か…、本当に男なのか?」
江古田は一を間近に見たのが初めてのようで、少し驚いていた。
「えっ!ここは何処!?」
「貴方が一先輩ですね、ちょっと頼みがあってここに呼びました」
「僕に出来ることならいいんだけど…何かな?」
「3年生のリューゲという魔王に会ってもらって、その様子を伝えてきて欲しいです」
魔王と伝えられて戸惑う一。
「ま、魔王!?大丈夫かなぁ?まぁ、会ってくるだけならいいけど」
「お願いします」
そう言われ、一は文芸部室を出ようとするが、運悪く椅子の脚に足を引っかけ、
「うわっ!」
と、千織に向かって倒れてしまった。初めて会った時の様に一に馬乗りにされる千織。
「ちょ、ちょっと…」
「ごめんなさい!」
恥ずかしくなった千織は、能力で実体化させた一をすぐに消した。
唖然とする江古田。
「…大丈夫ですか?」
「大丈夫だから…」
「…とりあえず、一先輩は実体化させない方がいいですね」
「…そうだね」

なお、この時、運悪く埴井葦菜が文芸部室の前を通り、一が千織を馬乗りにしている様子を目撃し、一に対し詰問する事になるのだが、それはまた別の話。


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