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ダンゲロスSS5 雑談スレ

1あやまだ:2018/02/01(木) 21:12:07
ダンゲロスSS5に関連することに使用するスレッドです。
チーム参加希望者のメンバー募集や幕間SSの投稿、単なる雑談などにご活用ください。

6冥王星:2018/02/05(月) 22:26:12
【間違いなくサンプル花子に関連するSSではあるが、サンプル花子は一切でてこないSS】


 サンプル花子。量産型の少女たち。
 彼女たちの台頭は、良くも悪くも世界を一新した。
 サンプル花子が生まれた功罪は、もはや語るまでもない。そんなものはちょっと周りを見回せばいくらでも挙げられるだろう。ニュースでも毎日のようにサンプル花子に関する話題が報じられ、議論もされている。

 しかし、今オレたちが議論するべきは「サンプル花子が世の中にもたらした影響」などという真面目ぶったお題ではない。
 男子校生活で女子に飢えきったであるオレたちが、この学校の食堂で議論すべきお題なんて決まっているだろう。

「もしサンプル花子を発注するとしたら、どんな体型や性格にする?」、だ。

 それは「宝くじが当たったらどうする?」とか、「有名女アイドルと付き合うことになったらどうする?」とかそこら辺と話題と同等の議論。
 ただ、少しばかり世相を色濃く反映しただけのくだらない馬鹿話。
 でも、こういうのが青春であり、楽しくて仕方のない、かけがえのない時間というものだろう? 少なくとも、オレはそう思う。

 おっと、前置きが長くなっちまったな。しばらく考え込んでいた様子だった仲間の三人は、オレの出した議題に答えを出したようだ。
 まず意見を述べたのはヒロシ。やはりリーダー格のお前が一番に話を始めると思ったよ。

「オレはなー、やっぱりここは『ツインテールつり目で勝ち気な後輩キャラ』がベストだと思うんだよ。小悪魔系であるとなお良いな」
「あー、お前はそうだよな。Sっ気のある女子好きそう」

 オレが相槌を打つと、他の二人も同様に頷いた。しかし、当のヒロシはオレの言葉があまりお気に召さなかったようで。

「は? そんな簡単な言葉でくくってくれるなよ。いいか、『ツインテール』ってどうしても幼さを醸し出すだろ? ついでにいえば『後輩』も自分より年下であるとの象徴。先輩である自分が、幼い印象の後輩女子からいじり倒される。この、背徳感というか下克上感がたまらねーって寸法よ。どうだ、最高だろ?」
「んー、オレそういうマゾっ気は持ってないからなぁ」

 他の二人も、異口同音に「しっくりこない」と告げる。ヒロシは天涯孤独の身になったかのような絶望の表情を露わにして、言う。

「お前らが俺の理解者でないと分かって、とても悲しいよ……」
「バカだな。『皆違って皆いい』ってやつだろ。いざそういう女が現れた時に、取り合いにならずに済むじゃんか」

 このメンバーで誰よりも温厚なタカは、ヒロシをそう諭す。

「確かに! さすがタカは良いこと言うぜ! で、タカはどんなサンプル花子がいいんだ?」

 ヒロシの問いに、タカは自信ありげに言う。

「俺か? 俺は勿論王道をいくぜ! すなわち、デフォ状態の黒髪ボブ従順個体!」
「あー、なるほどな。それは一定の理解が得られる選択だ」

 俺の感想に、他の二人も頷く。シンプルな王道美少女。従順な子というのは、ある程度のニーズが発生するものだ。それは恐らく、支配欲とかが絡んでくるのだろう。
 タカは、続ける。 

「黒髪ボブが良いのは言うまでもないだろう。デフォ状態を設定した製作者はよくわかっている。そしてな、ここからが大事なんだ。人から人へ買われた、いわば奴隷扱いみたいな女の子。そして従順で可愛い女の子を、精一杯可愛がってやるんだ。それはもうとびっきりの優しさでな! そして彼女は次第に俺の優しさにメロメロになってくんだ……。『あぁ、いけない。私はサンプル花子という奴隷同然の身の上なのに、ご主人様のことが好きになってしまったの……』そんな花子に俺は言ってやるんだ。『立場や生い立ちなんて関係ない。俺たちの愛は、そんなもんで隔てられる柔なもんじゃないだろう?』ってな。これでもう花子はKO。ノックダウン。俺たち二人は輝く未来にランデブーってな。イヤッホーぅ!」
「とりあえず、お前が妄想力たくましいのはわかったから、いきなり飛び上がるな」

 危うくうどんが飛び散るところだっただろう。オレたち全員から非難の視線を受けて、タカは冷静さを取り戻す。

7冥王星:2018/02/05(月) 22:26:28

「お、おう。悪かったな……まぁ、俺からはそんな感じだ。シュンはどうだ?」
「僕かい。僕は……君たちとはまるで違った視点を持つことを示してあげよう。すなわち、『寿命の短いお姉さんタイプの花子』だ!!」
「「「なに!?」」」

 この中で一番頭の良いシュンから放たれた想定外の選択に、オレたち全員は驚嘆する。お姉さんタイプというのは、タカと同じく王道を行く考えだろう。だが、『寿命が短い』というタイプを選ぶのはどういうことだ。
 いや、まてよ。もしやこいつ……。

「ふっ、気づいた人もいるようだね。普通は寿命が長く、いつまでも末永く一緒に得られる造形を選ぶだろう。だが、僕はあえてその選択肢を避ける。何故って? 儚い時間をより濃く楽しみ、そして死んでしまった後は思い出として楽しむためさ! 名付けて、『もういなくなってしまったお姉ちゃん的存在を生み出そう作戦!』」
「も、もういなくなってしまったお姉ちゃん的存在を生み出そう作戦……だと!?」

 もういなくなってしまったお姉ちゃん的存在。初めて聞く概念に、オレたちは息を呑む。

「『もういなく以下略存在』の説明からしなくてはいけないかな。たまにアニメやマンガで出てくるだろう。回想の中でのみ存在する、キャラクターに強い影響や思い出を与えたお姉さん的存在! 僕はそうした存在が好きで好きでたまらないんだ! ノスタルジックな思い出……もういないけど、自分の心の中には常に生き続けているお姉ちゃん……手が届かないけど、いや、もう手が届かないからこそ尊く感じる存在……そうした存在は、素晴らしいと思うんだ」
「なるほど……。確かに、人は手に入らないものをこそ欲しがる。すぐに手に入るものにはあまり価値を見出さない。その心理を利用した、究極の憧れというわけか!」

 俺の言葉に、シュンは頷く。

「そうだ。僕は君のような理解の早い生徒を持てて嬉しいよ。でも、悲しいかな。残念ながら、僕にはそういう素敵な思い出になる存在は今まで居なかったんだ。だから、もし花子を手に入れる機会があったら、その時こそ、僕の理想を実現する日だと思うんだ」
「お前……」

 シュンのメガネがキラリと輝く。それは、いつか来るかもしれない、遥か遠き理想の日を思い描いているかのようだった。
 俺は、思わず呟く。こいつは、自分の理想の為に――。

「自分の理想のために、あえてすぐ死ぬ個体を発注するだと!? このド外道! クソメガネ! 命の尊さを学び直してこい!」
「な、なんだよー。理解を示してたんじゃなかったのか。やはり人は分かり合えない……人類は愚か……!」

 シュンの人類を呪うかのような、怨嗟の声を軽く流しつつも、オレは一部同意する。

「お前のインテリらしいド外道作戦には同意しかねるが、人類が分かり合えないという点では同意だ。お前らは全員わかってない! 分かっていない!!」

 タカの前例を踏まえて、テーブルを揺らさないように気をつけつつ、オレは立ち上がる。

「ほう……お前。この議題には一家言あるようだな」
「オレらがわかっていないというのなら……」
「その証拠を、お前の考えを見せてみろ……!」

 三人と、食堂の中の幾人かの視線がオレに集まる。

「オレは……!」

 そう。これはオレがずっと温め続けていた理想郷。サンプル花子を最も活かす、真の発注とは何か。

「『幼女体型の従順な花子』が、欲しい……!」
 
 オレの一世一代(?)の皆を驚嘆させるであろう発言に、しかし仲間たちは。

8冥王星:2018/02/05(月) 22:26:42

「あぁ、ただのロリコンか」
「確かに、所持している花子に対しては何しても良いことになってるけど……」
「幼女はないでしょー幼女はー」

 呆れ返った様子の反応が返ってくる。もっとシュンのときのような反応が欲しかった。オレは焦りつつも、続ける。

「いや、だって、幼女だよ!? 幼女を好きにしてもいいって、革命じゃん! オレは、幼女のおっぱいをぢゅううううううって吸いたい!! ぢゅううううううって!」
「うわぁ」
「通報しときますね」
「僕たちの中で一番変質者なのが誰か、わかったな」

 そしてヒロシ達は、食器を片付けて帰ろうとする。

「いや、待って!? お前ら吸いたくないの!? 幼女のおっぱい!」
「別に……かなぁ」
「あくまで常識の範囲内の年齢だったら、ちょっと興味はあるけど……」
「そろそろ次の授業始まっちゃうからいくぞー」

 そして彼らは、まだ食器の残っているオレを残して教室に戻っていく。
 仕方なくオレは、紙パックのオレンジジュースの残りをストローから吸って、彼らを追いかけるべく片付け始めるのであった。

 ぢゅうううううう。

【END】


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