ダンゲロスSS5　雑談スレ

102：16BIT：2018/04/29(日) 19:45:56: 「まったく諦めの悪い娘よ....む、これは！」
りうむに意識を集中していた紅の宝石は、飛んできた白い宝石に対応できず衝突した。
「これは...おお！苦しい！苦しいぞ！」
白宝石が紅宝石と融合し、宝石の力が急速に衰え始めた、続けて空を覆っていた黒雲が晴れ青空となり、地表の肉塊は溶けて消失していった。
「おおお....！力が！我が力ーー」融合宝石が強烈な白光を出して蒸発する！そして光が晴れた後、宙にはなにもなかった。
「な、なんか知らんがうまくいったのか！？やったーーでいいよね？」
「はぁ....はぁ...やりました....気づいてくださってよかったです...疲れました....」
過酷な応酬の末力尽きたりうむは息を荒げ横になる。
「りうむちゃん...マジで大変だったろうなあ、お疲れ様、ところでであの白い宝石はなんだったんだ？」
「大変どころじゃないですよ...ふぅ...ふぅ....あの宝石に込められた能力は...ホープ＝グランディアさんの『私ノーマルです』です....」
「ノーマルです？」

エプシロン王国に住む女子中学生、ホープ＝グランディア、彼女は魔人ではない普通の女の子であり、使い捨ての四つの切り札を駆使するという戦法で戦う。この場合通常であれば四つの切り札の方が宝石に能力として登録されるのだが、それは願望装置のバグか否か、「自分は魔人ではない」という要素が能力として登録されてしまってたのだ。
「私が白の宝石をセットすると、身体能力が普通の女の子レベルに落ちるという効果になっていたでしょう.....そして、もしもそれが紅の宝石のように暴走したとすると...」
「世界中の人が「普通の人間」になる、とか？あ、もしかして！」
「そうです....！白の宝石を紅にぶつけ、共鳴させて暴走を誘発し、”人々をアキラさんの知人にする力”を”人々を普通の人間にする力”で相殺させる、というのが私の作戦でした.....ふーっ、正直、完全に机上の空論で、実現できるかものすごくあやしったのですけれど、やってみればなんとかなるものですね.....！」
「ああ、やっぱり何事ももヤケになればそれなりに上手くいくってな！おや？」
二人が顔を上げると、ホログラムめいた人型の霊体が頭上に浮遊していた。
「貴様ら...よくぞ我が野望を打ち砕いたものよ...私は再び力が充填されるのを待たねばならぬ...それまで永く深い眠りにつこうぞ....貴様らを滅ぼしてからな！」
霊体の両手にあたる部位から高熱のエネルギー砲が二人をめがけて放たれる！暴走宝石は確かに力を大きく失った、だがしかし....二人の魔人を死に至らしめるにはあまりにも、あまりにも十分な力が残っている！
「そ、そんな！」
「あっやべっこれ死...」
あまりに唐突な死の光に、二人は何もできず......

「ふんぬうぅぅぅぅぅぅ！！！」
二人の前に仁王立ちした、第102代総理大臣が受け止めていた。
「あなたは、則本英雄さん！元に戻ったのですね！」
「はっはっは！！二人とも、あの怪物を討伐してくれた事に深く感謝するッ！あとは任せなさい、私の『日ノ本ニ輝ク鋼ノ拳』ならこの程度、耐えてみせよう！」
則本英雄は一時的に"ロベルトだった"という状態に陥っていた際、後悔に満ちていたその心境も影響を受けたのだった。救えなかった命ばかりに目を向けていては何も為すことが出来ぬ、今、己が為しえる行動を起こす事こそが、総理大臣として最も重要な使命なのだ。未曾有の大惨事の前に失いかけていたその精神を彼は取り戻したのである。
「い、生きてるー！！ありがとう！総理！」
「どういたしまして！むおおおーっ！」
ラッコとりうむは後ろへと逃れた。そのタイミングで首相の横へと現れた人影が二つ....雪村桜と葉山纏である！
「お母さんたちや！この世界の人間の皆さんを！滅ぼそうだなんてことは桜、許しませんっ！総理さん！私に手をかして下さいー！！」
「まったくよォ、ひどい目にあったもんだ。体はともかく頭がポンコツロボットになっちまうってのは最悪だわ。そっからお前たちに救ってもらった訳だし、コイツを止めるの手伝ってやるぜ！」
すごい！劇場版みたい！！現れた二人は首相の手を掴み、エネルギー砲による負荷を軽減させる。
「フン！たとえ増援が一人二人生えてこようが、霊体である我に指一本たりともふれられぬわ.....貴様らの死は時間の問題ということよ....」
霊体はエネルギー砲の出力をさらに強める、防戦に徹するしか許されないというのなら、果たして全て無駄だというのか.....

ダンゲロスSS5 雑談スレ