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ダンゲロスSSC3 雑談スレ

89蜜ファビオ:2017/12/10(日) 17:40:43
ラストレシピ(後編その1)の続き。その2へと続く・・・(全然終わらない)

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最後に投げかけられる真実の言葉。それは事実であり同時に呪いの言葉でもあった。
女は答えた。無論だと。

「そしてその行いは正しく自業自得。何が起ころうともその結果を誰のせいにもできない、その責と愚かさをすべて君自身が引き受けなければならない。そんことを誓えるかい?」

真実の言葉。それは彼の責任逃れの言葉であり同時に彼の優しさでもあった。
女は答えた。どんな災厄を引き起こそうとも誰も責めはしない、全ては自身の愚かさ故。女は笑った。

「安心しろ、ゆらぎをおいて私は先に死ななない。それがあの男との約束だ。同時にもう二度と死なせもしない。それが今の私の誓いだ。」
「ならもう止めない。無駄に時間を使わせてしまってごめんね。」

女は振り返った。何故男が謝るか女には理解できなかったから。そして、その男の名前を最後に呼びかけようとし、それが使えないことに改めて気づいた。
頭の中で形作れる言葉を探す。そして彼の師がとった先例に倣うことにした。

「さようなら、”あんちゃん”。」

男は音もなく静かに笑った。
「懐かしいな、初めて会ったころそう呼んでくれたっけ。でも、それ、たぶん過去一回くらいしか聞いてない言葉だ。」
女は少し顔をゆがませると、吐き捨てるよう吠えて答えた。
「当たり前だ、こんな恥ずかしい台詞、誰が二度というものか。」

出会いは偶然で会ったかもしれない、だが出会えば必ず別れがやってくる。両者の間に必ずそれは必ず舞い降りるものだ。そして、再会の期がいつか、また別れが永劫のものとなるかを人の身では知ることができない。


「じゃ僕も二度といいそうもないこと言っておくとする。

真野片菜、 『妹を頼む』 」

「―――――――――――――――――承知した。」


そして、それが二人が面と向かい話す、最後の機会となった。



●―逢魔が刻 999番地―

そこは全てが行きかうという逢魔が刻。その地には残されたのは男ひとり。

「―――かくてこの世はこともなし。やれやれ僕たちは実に無力だね。」

そう首を振った拍子に耳につけたイヤリングが揺れる。男はついと片手を耳の装飾具に当てた。

「で、そちらの結果は?」
その問いに、どこからともなく返答があった。





「結論から言おう。進道 ソラは”大当たり”だ。」

                    (その2へとつづく)


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