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【2021】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所
140
:
総評2
◆vq7OBokoT2
:2022/06/06(月) 07:22:30 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
2020年、あらゆる界隈を巻き込んだ不況と混乱の中で催されたクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)は前代未聞の病に見舞われた。
不快な主人公、地雷ヒロインにご都合主義展開とクソのストロングスタイルを備えながら、テキストにキラキラルビの細菌を蔓延させ、
未知のパンデミックを引き起こした『LOVE・デスティネーション』がKOTYe2020を制した。
発足してから13年経過してもなお新たなクソ要素が発見される事態に対し、2021年に臨む歴戦の猛者たちは胸を高鳴らせていた。
KOTYeの冒険者達が乗り込むキャラベル船は、新たなる香辛料を求めて航海を続けるのである。
3月下旬、2021年のKOTYeはまさかの来訪者に慌ただしく動き始めた。
桜の開花がパンデミックで傷ついたこの国に春の到来を告げる頃、春告鳥としてウグイスカグラの『冥契のルペルカリア』がKOTYe開演の知らせを伝えてきたのである。
上質なシナリオで固定ファンを掴んでいる同ブランドだが、届いた選評は実態とあまりに乖離した宣伝文句に踊らされた、哀れな白鳥の叫びであった。
青春譚、恋愛譚、幻想奇譚の3本柱をコンセプトに据えているが、前2つは形骸化され、実際は虚構世界で展開される陰々滅々としたエピソードが続く。
各登場人物の長く重苦しいモノローグにより陰鬱さを極め、選評者をして「一個も明るい話が無い!」と言わしめた。
これを「ブランドの作風」と言えば聞こえは良いが、単に「ご新規さんお断り」とも取れる為、擁護派からも一定の支持を受けてしまう。
かくしてKOTYeに飛来した『冥契』だったが、このような予想外の良作ブランドが到来する例は本年の特徴である。
仮に「世間」である程度評価されていたとしても、たった一つの「裏切り」により、人の愛憎はオセロの如くひっくり返る。
『冥契』の演じた悲劇は本年のプロローグとして、後に檜舞台に上がる役者達を暗示していた。
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