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タブンネ刑務所13
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「それじゃ、子ベビンネの管理はチカさんに任せるざんす。
まぁ〜管理といっても、接客の合間に様子を見るくらいで十分ざんすよ」
「チカさんには少し慣れてるみたいだしその方があのチビにとってもいいと思うんだ」
「へぇっ… は、はい」
「じゃあ俺は注意書きを作ってきます」
とつぜん名前を出されて反射的に返事をしてしまった女子社員
言われずとも世話は自分でする覚悟だったのだからこれは都合がいい
「それじゃみんな、仕事に戻るざんすよ〜」
ざんす男は受付へ、体格のいい社員は小ベビンネの注意書きのポップを作りに事務室へ
気が利く社員と女子社員はフーズやタブンネ購入券が入った鞄を下げ、接客のため会場内に残った
「すみません、タブンネを買いたいのですが」
「餌くださーい」
「このタブンネ欲しいんですけど」
女子社員はすぐにでも小べビンネを慰めてやりたかったが、忙しさがそれを許さなかった
入場者はどんどん増えていき、それに伴いタブンネや追加餌の購入希望者も増える
矢継ぎ早にやってくる客の対応に追われ、とても小ベビンネに構ってやれる余裕はなかった
「チィッグ… チィッグ! チィー!」
30分程接客し続け、ようやく合間ができて買い物籠に目をやると、
小ベビンネは網目の隙間から小さな手を必死に伸ばしていた
頬を網目にギュッと押し付け、体を震わしながら力いっぱいに
その伸ばす手の先にあるのは、チビママンネのいる準備室の扉
母親の声を雑踏の中から聞き分け、悲痛にそれを求めて絶対に届かない手を懸命に伸ばしている…
小ベビンネの極端なママっ子ぶりを知っていた女子社員には一目でそれが分かった
その悲壮な様に同情する暇もなく、べビンネを抱いた客が女子社員の元へやってきた
「すいません、この赤ちゃんタブンネが欲しいのですけれど」
「あ、はい、それではこちらのカードをタブンネちゃんと一緒に場外のレジ係にお渡しください
そこでお会計が済んだ後お好きな種類のモンスターボールにお入れ致します」
腕の中のベビンネは嬉しそうに笑っているが、時折チラチラと準備室の方を気にしている
この笑いながら売れていくべビンネも、いつかは母タブンネを恋しがって泣くのだろう
仕事だから仕方ないと自分を無理やり納得させていたが、なんと残酷な事をしているのだろうか…
丁寧に接客をしながらも、女子社員は引き離された親子の切なさを想い、密に涙を飲んだ
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