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モンスター設定投稿所
17
:
名無しさん
:2014/06/04(水) 05:03:37
氷姫
少女には記憶がありませんでした
家は無く、親も友人もいない少女はただ一人
道なき道を彷徨い、腹が空けばそこらに生えてる草を食べるありさまでした
そんな日々を繰り返す内、湖で喉を潤していると不思議な物が目に入りました
空飛ぶ青い物体、知る人ぞ知る青精霊達の姿でした
彼らはただふよふよと宙に浮き、妙な笑みで少女を見ていました
少女もまた、負けじと彼らを見返しました
そんな奇妙な光景が、数度繰り広げられた後
少女は精霊と友達になっていました
ある日、青精霊は少女を家に招きました
そこは湖畔の外れにある、朽ちかけた祠
少女が中に入ると、先客がおりました
名をケルピー、ケルピーは青精霊の友人である少女を背に乗せ
湖畔の回りを駆け巡りました
二人の友を手に入れ、1年の歳月が流れる頃
少女は湖畔の祠を家とし、変わらず自然と共に生きておりました
そんなある日、水を汲もうと水場に寄れば
見慣れぬ女性が座っておりました
よくよく見れば、その女性は上半身は己と同じ人間ですが
下半身は魚のような鱗に覆われており、足のある場所には尾鰭が付いておりました
しかし少女はそんな事は気にしません、警戒心も無く近づく少女に女性は驚きました
ただ友に接するように、女性に話しかけたのです
女性は精霊達の王でした、しかし告げても、少女は精霊ならば友が増えたのだと喜ぶばかり
無邪気な少女を王は気に入り、加護を授けると共に、幾ばくかの法術を教えたのです
少女は王を母のように慕い、湖畔に一つの家族が出来ました
しかしそんな平穏な日も長くは続きませんでした
少女が16になる頃、近隣の国同士が争いを始めたのです
人里から離れたこの地には、滅多に人が訪れる事はありません
ですが人里がついに、隣国の軍に襲撃されたのです
命からがら逃げ延びた人々、しかし行く宛もなく
凶暴なモンスター相手には、為す術もありません
もはや神にすがるしかないと、かつて海神を祭った神殿のあった湖へとやってきました
そこには朽ち果てた祠と、精霊に一人の少女がおりました
話を聞いた少女と精霊達は、しかし人々のために立ち上がる気にはなりませんでした
平穏な生活を乱さないで欲しい、少女の心にあったのはそれだけでした
しかし少女の想いを踏みにじるように、暴威はもうすぐ傍まで迫っておりました
街を蹂躙したミノタウロスの一団が、彼らの後をつけていたのです
気配を察した精霊王は、やむなしと精霊達に戦いを命じました
しかし猛攻をもって知られるミノタウロスには、いくら王の加護を受けたとは言え為す術はなく
一匹…また一匹と倒れていきました
その中には少女の友であった精霊もおり、少女の胸は引き裂かれんばかりでした
もはや絶体絶命と、逃げ延びた街人も覚悟を決める中
突如として、ミノタウロスの足元が凍りついたのです
それは少女の怒りの発露でした
しかし歴戦のミノタウロスは、そんな事では狼狽えません
足元に斧を叩きつけ、氷を粉砕して歩みを再開しようとしたのです
ですが氷は罅も入らず、ミノタウロスは数度斧を振り下ろすも全て無駄に終わりました
一体この氷は何なのか、被った骸骨の中から、睨みつけるような視線を少女へ向けると
そこにはもう、少女はおりませんでした
代わりに、氷の衣を身にまとう一人の女性が佇んでいたのです
何者なのか、考える間もなく
ミノタウロスは全身を凍りづけにされ、粉々に打ち砕かれました
その後女性は、王の加護の元全てのミノタウロスを撃滅しました
周囲のミノタウロスがいなくなれば、街へ自ら出向き、全てのミノタウロスを氷漬けにしたのです
村人はその姿に恐怖を覚え、しかし街を取り戻した感謝にと、後に湖畔に神殿を立て直しました
この一件から、女性は氷姫と呼ばれ、近隣で恐れ敬われたのです
見る人いないだろうけど、お目汚し失礼
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