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三夜一夜の果て

1 さまんさ :2012/08/06(月) 20:25:23
三夜一夜ルール:https://dl.dropbox.com/u/53789508/rakugaki/2012_08/3helen/3helen_rules.txt #基本的に千夜一夜のヘレンと全く同じとします。

特殊ルール1:某マックオートさんが終盤近くに起こしたイベント「サミットカード」程度のお戯れは推奨しませんが許可します。やられたら笑って許してあげましょう。あまりやらないようにしましょう。
特殊ルール2:千夜一夜よりもゆるくやりましょう。設定を緻密にするあまり読み込みの足らない相手に必要以上を要求してはなりません。

期日:本日から〜12日23:59:59までとします。別に毎日1000文字かかなくても大丈夫です。

2 さまんさ :2012/08/06(月) 20:36:03
キャラクターも本文もここに投稿してください。

【キャラクター投稿】
・名前(必須)、設定(必須)、構成、画像のURL等。
・ここに直接書き込んでください。
・構成考えるのめんどくさい人はあとでもいいです。なくてもいいです。
・物語の途中で投稿してもいいみたいです。

3 utsm3@飢者髑髏喜一第0話 :2012/08/06(月) 22:03:54
・名前 飢者髑髏 喜一
・イメージ https://dl.dropbox.com/u/53789508/rakugaki/2012_08/3helen/3helen_utsm3_dokuro.jpg
・構成 HP8知性2/技9
 9/0/1//死の欠片
 45/0/8/防御無視/ドノンガ
 プラン 死の欠片。相手の防御力8以上ならドノンガ。
・設定 
 男。フリーランス。高校生。16才。黒髪。
異世界からリリオットのある世界に召喚された。
 あれこれ考える事が嫌い。すばやさをモットーとする。
 非常にケンカっぱやく、口から出るのは女とセックスする事ばかり。
 リリオットから帰る手段を探すついでに
 無損失疎通路の使い手、特に魔女を探している。

4 utsm3@飢者髑髏喜一第01話 :2012/08/07(火) 00:21:15
精霊都市リリオットの7番街は商業地区である。
まばらに人が行き交い、出店が賑やかな声を張り上げ、土煙と日差しの匂いがけだるさと少しの懐かしさを運んでくれる。商業都市は混とんとしている。あちらではフルーツを山のように積んだ車が秤を吊るし、こちらでは刃物を床に並べた男がじっと客の訪れを待っている。親子連れの者もいれば、辺りをキョロキョロと見ている不審者もいる。売る物も買う者も滅茶苦茶。秩序も何もあったものではない。公騎士団が本来それを正すはずなのだが、セブンハウスのペルシャ家により7番街に立ち入る事はできない。当然毎日何かしらの事件がおこる。この場所での喧騒と人だかりは日常なのである。

その日最初の人だかりを作ったのは黒髪の少年だった。発端はきっと些細なもので、肩がぶつかっただの、店の商品が紛い物であっただのの類であったのだろう。少年は複数の男達に囲まれ、暴行を受けようとしていた。もし彼に謙虚さがあれば冷静に状況を見つめ逃走することで自らを守っただろう。彼に強靭な肉体や綿密なプランがあれば一対多をものともせずに向かい来る敵を倒しただろう。知恵を絞り、策を練りこの場をやりすごす事もできるだろう。

彼にはその全てが無かった。

少年は戦闘が避けられないとみるや、もっとも近い男に走り寄り鳩尾に信じられない速度の拳を連打した。9/0/1//死の欠片とよばれるそれは当たり所さえよければドラゴンですら瞬きする暇も与えず倒せる高速の拳であるのだが…

いかんせん、防御に弱い。

黒髪の少年は拳を掴まれ連打を封じられる。死の欠片を諦め抵抗を試みるも倒す人数が違いすぎる。体力が圧倒的に足りない。あわれ少年は地面にうずくまり、男達の暴力をその身に浴び続けた。あとはボロ雑巾のようになるまで殴られた後に金品をはがれるか、わけのわからぬ所に連れて行かれ臓物を切り売りされ人生の幕を降ろすか。どちらにせよ彼に未来はないだろう。
野次馬もすっかり飽きた顔で消化試合を見つめていた。


だから、誰もがそこに新たな人物の介入があるとは思わなかったし、その人物の起こした行動にとても驚いた。
「皆さま、ケンカはお止めになって下さい」

5 平澤@ウエルディメンタ・デ・パパス第0話 :2012/08/07(火) 02:35:38
ウエルディメンタ・デ・パパス
82/3/5

羽ペン 3/3/1
紅茶 30/0/9 回復
老いたるオカルティズムの祖 41/6/11 炎熱


相手現ウェイト≧11 かつ 老いたるオカルティズムの祖の攻撃力-相手の防御力≦0 なら老いたるオカルティズムの祖
相手現HP≦(相手防御力-3)×相手残りウェイト なら羽ペン
老いたるオカルティズムの祖の攻撃力≧相手最大HP+45 なら老いたるオカルティズムの祖
自最大HP-自現HP≧30 かつ 自最大HP-自現HP≦相手最大HP-相手現HP なら紅茶
同時行動 なら羽ペン
相手が凍結でなくウェイト=9 なら紅茶
相手の防御が2以下ならば羽ペン
紅茶
老いたるオカルティズムの祖

リリオットの売文家。
オカルト書の募集家である。
肖像画は若いころのもの。
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sinope/20120806/20120806230324_original.png?1344261824

6 平澤@ウエルディメンタ・デ・パパス第0話 :2012/08/07(火) 02:39:41
すみません、プラン一文目の「≦0」は「≧相手現HP」です。

7 drau@ダンサ・カルナヴァル第0話 :2012/08/07(火) 12:05:45
名前: ダンサ・カルナヴァル
構成:60/10/4
(詳しい構成はまた後日に記します)

男性。外れの漁村からジェロニモ鳩にまたがって、新鮮な魚やらを売りにきた田舎者商人。頭に被ったほっかむりと、口元で光る目立つ白い前歯が自身のトレードマーク。
書物や演劇や娯楽への関心がそれなりに強く、ミーハー。遠く離れた場所でかみさんと子供が自分を待っていて、のんびりしてはいられないのだがついつい横道に逸れがち。
「――いや、それも仕方ない、俺は生きているのだ」

8 drau@ダンサ・カルナヴァル第1話 :2012/08/07(火) 14:12:15
巨鳥の背に乗って、空を滑る。昇りきった太陽の視線を浴びながら、手で額を拭う。じわりと体表に浮かぶ大粒の汗を、巨鳥は己の羽根の掻っ切るような動作とともに、背後の空中に振り落とす。巨鳥が鳴く。豆粒大ほどの人が行き交うリリオットの街が見えてきた。
メインストリートの大通り、時計塔、煌びやかな貴族街、リリオットの街の輝きを見下ろしながら、ダンサはまた額を拭った。そこに効果は無い、だが笑う。今日はいい天気だ。
手綱を捻り、旋回と共に下降する。鳥の胴に括り付けた積荷に一瞬負荷がかかり大きく震える。
背中に腹をくっつけて縮こまりながら、後ろをちらりと見やると、巨鳥の汗が描いた放物線に、虹が重なって見えた気がした。
  
商業地区近くの大広間に降り立つ。風の音とは違う、生命の発する賑やかな音がわっと立ち上がる。
顔なじみの男達が、積荷と自分を下ろすのを手伝ってくれる。
見渡せば、あいも変わらず人だかりが所々でできている。それはもはや珍しくもない光景だ。この街では特に。

ダンサは、顔なじみたちに挨拶と礼を済ませ、肩や首を回しながら商業地区を歩き出した。
頭にほっかむり、口元に白い歯。ダンサは今日もダンサだ。

9 平澤@ウエルディメンタ・デ・パパス第1話 :2012/08/07(火) 21:07:14
「恐怖!! 不可解な言語を話す黒髪!!!」

 黒髪というのはえてして珍妙な文化を持つものであるが、このほどリリオットは七番街で発見された黒髪ほど興味深いものはいないだろう。彼の黒髪はすでに青年といっていい体躯であるが、彼はまったく公用語を話すことが出来ず、抑揚のないうなり声を発することしか出来ないというのだ!! しかし彼の物腰は知性ある人間のそれであり、けして知恵遅れや狂人の類ではない。これはいったいどういうことだろうか?! 言語学専門のドナッチェ教授によると、彼は「話している」のだという。ただし、我々がまったく出会ったこともない言語で。
 おお、精霊よ! 人が大地に満ち、ヘレンの英知がすべての大陸に開かれたこの世界で、我々の知らない言語といもうのが存在しえるのだろうか?? ドナッチェ教授はまた、こうも語る。言語というのは人が世界を構築する上でもっとも大切なものである。我々はみな同じ言語で語り、同じような世界を見る。しかし、もし、そこにまったく異質な言語が入ってきたら? そして、それが万が一にでも話者を増やし始めたら? もしかしたら、世界は、我々のまったく知らない、異質なものになってしまうかもしれないのだ!!
 現在その黒髪の行方は知れない。これは公騎士団の失態といえよう!! 一説にはペルシャがその公邸で厳重に保護しているという話もあるが、しかし、我々はまた市民の義務として、その動向に目を光らしていかなければならないだろう。彼の黒髪が最後の一人とは限らないのである!!


 書き終えて一息つく。いまいちだ。どうにも恐怖が足らない。
「あの顔ではなあ」
 おのぼりさんのそれなのである。警邏の連中へのへのぶらさがりで偶然出会ったネタではあるのだが、ここの所ろくな事件も起きていないリリオットではいちいちネタの選り好みも出来ない。チェナドもまた、よく分からないコメントしかよこさない。彼を見つけたというペルシャのお嬢様にも話を聞きたいところだったが、目つきの剣呑な護衛が傍につきしたがっているので諦めた。お嬢様との恋話の方向でも一つでっち上げようかとも思ったが、まあそれはもう少し煽れたらにしよう。
 紅茶を入れて、一息つく。そろそろ容器の底が見えるが、先立つものに欠ける。今年の初物が出回るのはもう少し先だが、そのころまでに購入費を用意できるかどうか。今年の新茶は出来が良いと聞くだけに、何とかして纏まった金を手に入れたいとも思う。
「まあいい、さて、今日の葬儀屋は、と」
 独り言が多くなったな、と自嘲する。

 葬儀屋めぐりは彼の日課だ。人の死と事件や物語は切り離せない。もちろん、直接的にそういう死者に出会えることというのはそうはないが。そして彼の目的のもうひとつが独り者の死者。それは事件やゴシップとは関わりないが、独り者、それも男の独り者というのは何かしらを溜め込んでいるものだ。たいていは誰にも話さず。それらの死者の情報を嗅ぎ回り、遺品が大家らに処分されるときにつばを付けに行く。パパスの探しているのは古書だ。それも俗悪なオカルト本やホラ話の類。今、彼が特に探しているものは、ヘレン教の開祖、ヘレンにまつわるものだ。ヘレンは黒髪ではなかったかと、彼は疑っている。それを裏付けれるような資料があれば、いや、資料などという大層なものでなくともいい。古さがあり書物の形でかかれたもの、その形があれば人を納得させられる、そういうものを彼は追いかけている。
「今日はいないねー、それっぽいの」
「そうかい」
 銅貨を渡す。
「あー、そうだ。一人居た。女だけど」
「婆さんか?」
「婆さん婆さん。魔女だよ」
「魔女?」
 あれ? あんた知らないかい? と葬儀屋は笑う。3丁目の魔女っていやあちったあ有名だと思ってたぜ。
「あー、あの占いか。死んだのか」
 そういえば何度か取り上げたことがある。歓楽街の女衆の間ではけっこうな人気だったはずだ。もう一枚葬儀屋に銅貨を渡して、パパスは彼女の住んでいたというアパルトメントへ向かう。

10 taka@エミリック第0話 :2012/08/07(火) 21:59:35
名前:エミリック

セブンハウスの「ペルシャ」分家のフェルスターク家長男。
若い頃は素行不良で暴力沙汰だらけの問題児であった。
さらにエフェクティブ将軍の娘を護るためにリリオット家の人間に暴行。
普段の素行もあり、貴族の地位を剥奪された上に投獄される。
エフェクティブ将軍の助けにより脱獄し、その後数十年エフェクティブとして活動している。

フェルスターク家惨殺事件の際に現場で目撃され、殺人の容疑で指名手配されている。
500万ゼヌの賞金首がかかっている。

「まだ、オレは捕まるわけにはいかん。」

炎熱刀の「エメレテックス」を所持しているが、滅多のことでは抜刀しない。
左利き。

http://dl.dropbox.com/u/90111973/image/emirc.png

構成
HP64/知力6/技術5

気/35/0/10 防御無視
避/0/45/6
鞘/15/15/5
拳/5/0/1
刃/40/15/16 炎熱
峰/40/15/13 炎熱 封印

プラン
基本的に戦闘は避けて逃げます。
逃げれないようなら捕まるわけにはいかないので戦います。

1.相手が構えてなければ「鞘」で牽制する。
2.相手の残りウェイトが11以上かつ防御が10以上なら「気」を放つ。

3.カウントが100経っても逃げれないようなら、援軍呼ばれる前に以下の手段
3-1.相手の知力*10が相手の最大HP以下なら「峰」で動きを止めます
3-2.さもなければ「刃」で傷を与えます

4.相手が防御無視なら「拳」を叩き込む。

5.相手の攻撃が15以下なら「鞘」で防いで反撃する
6.相手の攻撃が16以上かつ残りウェイトが8以下なら「避」けます。

7.さもなければ
7-1.相手の知力*10が相手の最大HP以下なら「峰」で動きを止めます
7-2.さもなければ「刃」で傷を与えます

11 taka@エミリック第0話 修正 :2012/08/07(火) 23:12:57
スキルに不備があったため修正します。

気/35/0/10 防御無視
避/0/45/6
鞘/15/15/5
拳/5/0/1
刃/40/15/13 炎熱
峰/40/15/16 炎熱 封印

12 taka@エミリック第1話 修正 :2012/08/07(火) 23:47:10
一振りの刀を持ち、ボロボロの服を着た初老の男が、何かを探して裏路地を彷徨う。

「いたぞ!エミリックだ!」
後ろから叫ぶ声が聞こえる。振り向くと騎士の格好をした数人の男たちがこっちへ走ってくるのが見える。

「公騎士団か。しつこい連中だな。」
男は剣をグッと握ると、追っ手から逃げるために走り出す。
が、前方に同じような格好した男が数人待ち構えていた。


「エミリック!フェルスターク一家惨殺の容疑で逮捕する!大人しく投降せよ!抵抗すれば命の保障はない!」
騎士達は剣を抜き構える。
何度聞いたか分からない台詞。公務員っていうのは大変だな。
「悪いが、オレはまだ捕まるわけにはいかん。しなければならんことがある。」

エミリックと呼ばれた男は、走る足の速度を緩めずに前方の騎士達に向かって突進する。
騎士達は突進してくるエミリックに対して斬りかかった。

しかし、騎士達の剣はエミリックが持つ刀の鞘で難なく弾かれる。
それと同時に、鞘が首の後ろや肩、腹などに打ち込まれる。

エミリックは崩れ落ちる騎士達の間をすり抜け、裏路地の奥へと消えていく。


「封印宮の入り口・・・。一体何処にあるんだ・・・。」
エミリックはポツリと独り言を呟いた。

13 utsm3@飢者髑髏喜一第02話 :2012/08/08(水) 01:23:00
「つまる所、アンタは…」

豪華な装飾のなされたベッドの上で飢者髑髏喜一はぼんやりと呟くように口を開いた。リリオットに来てすぐごろつきといざこざになり敗北し、気が付いたらここに運ばれていたようだ。貴族の一門であるペルシャ家の『客人の間』という所らしい。赤を基調としたその空間は喜一の来た世界の一般的な部屋の3倍から5倍は広く、マンションの一室がすっぽりと入る。ベッドの他にも会議用の机や箪笥、簡単な調理場まであり、その気になれば客人達は生活することもできるであろう。

その広い広い『客人の間』に喜一を運んだ張本人が喜一の横に佇んでいる。ゆるくウェーブのかかった金髪は丁寧に織り上げた絹のようで見る者を魅了させる。細かな指先はまるで他の人間と基本的な作りが違うかのように華奢で美しい。緑色の瞳を見つめていると吸い込まれてしまいそうだ。
ペルシャ家令嬢”マーガレット”。齢16にして公騎士団を統括する娘だ。マーガレットはにこやかにほほえみ喜一の問いに答える。

「そう、キーチさん。あなたに『私の』公騎士団に入って欲しいのですわ。どうしても捕えて欲しい男がいるの。」

ペルシャ家令嬢からの直接のスカウト! もしこの話をリリオットの民が受ければ二つ返事で承諾したであろう。何しろ入るのは困難だが待遇の良さに出る事は不可能とまで呼ばれる組織だ。稼ぎには一生困らない。治世組織であるにも関わらず、命が奪われるほどの任務は殆どといっていいほどなく、近年頻発・激化している勢力間抗争などは対処するポーズを見せているだけといっても過言ではない。勤務時間は9時から5時まで。福利厚生年金完備、貴族サービスの一部も認められている。

貧困層にとって夢のようなその誘い価値を、しかし、喜一は拒絶した。彼がリリオットに来て日が浅いという事も関係しているが、一番の理由は彼の性質が状況の理解を拒んだのだ。勝利したごろつきではなく敗北した喜一がスカウトされたのは何故かとか、この街で起きている争いの背景とか、マーガレット直属の公騎士団という胡散臭さといった諸々の疑問を喜一は持っている、持ってはいるが、視野を広く保ち、嘘や騙りは防ぎ、熟考し真実を見出す事を喜一はできない。1か0か、好きか嫌いか、勝利か敗北か。全て一瞬で決めたくて仕方がない。面倒臭い計算や考察はできない。ありていに言えば、馬鹿なのだ。

「それよりか、アンタいい女だな。ヤらせろ。」

はたかれた。


https://dl.dropbox.com/u/53789508/rakugaki/2012_08/3helen/3helen_marguriette.jpg

14 drau@ダンサ・カルナヴァル第2話 :2012/08/08(水) 14:33:45
積み荷を売った金を魚屋の店主に預けて、ダンサは商業地区を巡る。敷き詰められた数々の露店を見やるほっかむり男の足は、軽やかに歩を進めて跳び廻る。舞うように、ミルクを落とした紅茶をかき混ぜるように。

物珍しい品を見て顔を綻ばせ、アツアツ出来立ての食に誘われ横からつまむ。《林檎の砂漠焼き》と書かれた紙。見事なまでの砂のような味しかしない。咳き込みながら、同時に頬っぺたが落ちそうになるのを感じた。

――我が目よ、この世の歓楽を見よ!我が口よ、この世の甘露を誘え!ヘレンよ!リリオットの賑わいを歌え!

ダンサは、どこかでみた文章を弄っては、己を代弁し、喜びを高めた。その後ろでタコ殴りにされた唸る黒髪の男が、貴族の令嬢に連れられていく。

――獣を探すか、刃を誘うペルシャの魔よ。その獣は果たして手に負えるものか?

歯についた林檎の皮をペロリと舐めながら、林檎の砂漠焼きを買うと、縄でくくられた鳩の元へ戻る。巨鳩がダンサと眼を合わせて嘶いた。晴れ渡る空に甲高く、そう、高らかに。聴衆を誘う。

「ピャー!」

――いってくる、相棒。

ダンサも笑ってから、鳩の嘶きに応えてやる。林檎を投げやると、鳩は喜んで丸のみにした。

リリオットの街を巡ろう。付き合いの長い顔馴染みを一人誘って、彼は商業地区を離れた。しばらく街をさ迷っていると、壮年の男が訊ねてきた。
「君たち、すまないがこのアパルトメントのある住所はこちらであっているかね?」


「いんやぁ、おららも詳しくは知らねぇべっちゃらども。どらどら?みせちょくら」

どうやら道を訊ねているらしい男に、同行者と二人一緒に頭を捻り、どうにか奥の通りを指差した。多分、あちらで合っているとは思うが、無事に到着することを願い、ふとダンサは気付く。

――その面影、もしや!かのオカルト書の祖と一部で名高いあのお方では!この様な所でお目見え出来るとは!

サインを頼んだが、生憎書いてもらえるような色紙がない。男が咳きを一つして、手帳と羽ペンを取り出した。彼を煩わせるのは本懐ではない。貴重な手帳を使わせるわけにもいくまい。ダンサは歯を一度指差しかけて、首を振り、改めて自身の背中に書いてくれる様に頼んだ。ミーハーである。この服はもう洗えない。
「いやいや、なんぞすまんことすますたなぁ、ほれ、そろそろいくっぺよ!」

同行者は呆れた顔でダンサを見る。ダンサは何のそのと喜びいさんだ。

15 平澤@ウエルディメンタ・デ・パパス第2話 :2012/08/08(水) 23:13:05
ウエルディメンタ・デ・パパスの名前を呼ばれるのは久しぶりだ。

サインを求められ、パパスはそのような感慨に耽る。訛からしてどうやら田舎の者のようだ。流行り廃りの激しいリリオットで、ウエルディメンタの名前を覚えている者はそうはいないだろう。

「封印宮はなぜ封印されたのか?」
「なぜ占いは当るのか?」
「超約魔術」
「跳躍魔術」
「腸薬魔術」

あのころは羽振りがよかった。毎晩高い酒を飲み、もてなし嬢と戯れた。パーティーに招待され、街の名士と談笑などもした。そのころに覚えた贅沢は抜けきらず、茶葉の質やペンの羽根がジェロニモ鳩であるかどうかになどつい拘ってしまう。
今 パパスにサインを求めた男は超約魔術の名を出し、現代におけるオカルティズムの祖であると誉めそやした。確かにあれはウエル ディメンタ・デ・パパスの著作の中で一番に売れたものだ。しかし、あれはパパスオリジナルの著作ではない。あれには種本があった。
人気を受けてまったくの無から書いた魔術シリーズ第二段は振るわず、三段目は版元に原稿を突き返された。今では、著者の署名が載らない類の文章を書いて糊口をしのいでいる。だが……
「おっと、すまん」
ふいに声がして、パパスは慌てて飛びのいた。白髪の初老の男性が駆けていく。
「おい、そいつを捕まえろ!」
 数人の公騎士団服を着た男たちが叫びながら走ってくる。白髪の男はすでに向こうの角を曲がっている。
「クソ、なんてはしっこいやつだ!」
「おい、お前! なんであいつをむざむざ逃がした!?」
 一人がパパスに食ってかかる。とんだとばっちりである。

 やっとのことで公騎士団の難詰を逃れて、目的のアパルトメントへとたどり着く。幾人かの化粧の濃い女が、
白い花を持って入り口に並んでいる。ああ、そういうものが必要だったな、パパスは花屋を探し、一束の白鶏頭を買おうとする。
「あんたもあれか? あれの?」
「ええ、まあ、そんなところです」
 適当に受け答えをして、パパスが花屋を出ようとしたとき、パパスは嫌なものを見た。

〔少し大人になったあなたのための占い特集。今月は【陰毛占い】〕
☆古代、陰毛は神聖なものとして考えられていました。エルフはそれを身体にある鎮守の森として捉え、円と十字をその上部に描いて奉りました。また、ドワーフの男性は陰毛が抜けると、それを屋根の上に隠して家内の安全を願ったといいます。陰毛が現在のように剃られるようになったのは、ヘレン教が一般的になってからのことです。無毛の乙女ヘレンにあやかって、男女ともに陰毛を剃るのが当たり前のファッションとなってしまいました。ですが、最近陰毛が見直されています。性生活研究家のタニエドさんによりますと、陰毛のある女性はない女性に比べて実に50%以上もの……☆
「古い雑誌はさっさと捨てようぜ……」

「陰毛占いいいじゃない陰毛占い、じゃ、あと詳細はお願いねェ」
 そのように丸投げされた記憶がよみがえるのだ。

16 drau@ダンサ・カルナヴァル第3話 :2012/08/09(木) 14:39:33
かみさんと子供が、遠く離れた場所でダンサを待っている。速く会いに行ってやるべきなのだろう。だがダンサは寄り道を楽しむ。楽しめる。寄り道は、生の隠し味だ。もうしばらく、味わっていたい。

――俺は生きているのだ。

何事にも終わりはある。 華やかで賑やかな謝肉祭も、一度始まれば必ず終わらねばならないものだ。終わらない夢現の一時は悪夢であり、それは人の身には過ぎたるものなのだ。

――だが今はまだ違う。

ダンサは同行者と共に、空の下で夜闇の現れを出迎えた。

「あんら〜、早いっぺなぁ。お天道様、眠っちまっただよ。おいは宿に戻るでよ。おめさんもここらで帰るっぺよ。なんなら一緒にいくべか」

ダンサは同行者と別れ、歓楽渦巻く風俗街へと向かった。
店に入ると、ダンサを引き留めるように、かみさんの笑った顔が床に浮かんで現れた。足運びは軽やかに、唄を口ずさみ、かみさんの顔を踏みつけ通り抜けた。
人の幸せも、美しさも、いつか必ず終わる。




「あら、お兄さんったら身体が夜冷えしちゃってるわ。ふふっ、手、ひんやりして気持ちいいね♪」

ダンサの手を握って己の頬に当てる女が、くすぐったそうに笑う。

「――冷めた林檎は如何かな、お姫さん」

片手を女の腰に回し、もう片手で食べ掛けの林檎を差し出す。

「あっ、それ、砂漠焼きよね。甘みが染みてて、あたし、好きよ?ふふっ」

女はダンサの首筋を指でなぞる。

「――砂の様な味だけの林檎と、腐った林檎。どちらが欲しい」

「あら、どういう謎解き(リドル)かしら?」

「――こういう問いさ、妖精さん」

林檎を握り潰す。果汁が女の顔に散った。

「――砂上の楼閣を、俺は崩す。ペルシャの魔を払う力を貸して欲しい、“君達の”エフェクティヴに」
女は驚いた眼を細めて、ダンサの歯に付いた皮を舌で舐めとってやる。ダンサの首に両手を回し、小首を傾げた。

「――どうしたものかしら」

窓辺から覗く夜の暗影。
色褪せた視界。笑う女。 ダンサは、相手の手を取って踊りだしたい衝動にかられた。こんな時、かみさんと子供が恋しくなる。分かち合いたくて、恋しくなる。

17 utsm3@飢者髑髏喜一第03話 :2012/08/09(木) 23:18:51

剣の世界マーガレットに度々生ずる現象「死の欠片」は幻である。
高速で6点のダメージを2回。それで相手を倒せなければ己が消滅し相手には傷すら残らない。わずかHPに15点振るだけで死の欠片は露と消えてしまうのだ。
剣の世界が生まれて間もない頃、幾度もの死の欠片が生まれ、相手に届かずに消えていった。決して斬れぬ幻の刃。ゆえに、マーガレットの世界の住人達はHP15を費やさない。死の欠片が幻であるのだから、HPはそれほど必要ないというのが一般的な見解だ。

だからこそ、ごく稀に「まさか」は起こる。

戦女神ヘレンの住まうリリオットの貴族令嬢マーガレットは一瞬何が起こったのか理解できなかった。公騎士団という私兵を配備し絶対の安全が確保されたこの屋敷において、己の身は絶対に安全である。絶対だからこそ、「まさか」の事態は起こり得るはずがなかった。もし「まさか」が失敗したら? もし「まさか」を読まれていたら? その使い手はマーガレットの用いる武力に囲まれ、為すすべも無く死んでしまうだろう。後先考えない分の悪すぎる賭けだ、狂ってるとしか思えない。

マーガレットは正論を自分にしみこませつつ、それとは真逆の現実をゆっくりと認識する。死の欠片は0ターンで決着するため戦闘ログやカウントといった概念は存在しない。ただ勝敗の結果のみが残り、一体どうやって「それ」をやったのかといった過程は省かれる。
結論を述べると、ベッドにいたはずのガシャドクロ・キーチはマーガレットの横をすり抜けて逃げ出し、一陣の風を生みだした。その風のせいか、マーガレットは妙にスースーする感覚を覚えた…というか、あれ、無い、えっ、まさか、私の…

「わたくしのぱんつが…!」

マーガレットの唯一の隙に飢髑髏喜一は容赦なく襲いかかった。



ウェルディメンテ・パパスは思索を巡らせていた。
これから魔女のアパルトメントへ入るのは良い。魔女がいようがいなかろうがネタを作る事はできるだろう。しかし、昨今の流行を見るに魔女はネタとして今一古いとも思っていた。何かもう一押し、民の興味をひくものを足せたら…! パパスは脳髄の奥から溢れ出る言葉の波に身を委ねた。独り言を忌み嫌ってはいるものの、トランス状態にいれば不思議と枝葉のようにアイディアが出た。あとは、いつもの通りそれらの枝と魔女という枝を組み合わせればよい。

「黒髪の男」「理解不能」「白髪の男」「謎の呟き」「田舎の男」「いかん、男しかいないじゃないか。」

「違う…もっとオカルトな…」戦乙女ヘレン」「f予算」「封印宮」「封印宮…」「そうか封印宮!」

一つ決まればあとは芋づる式だ。出鱈目であろうが何だろうが要素を全て関連付けていけばいい。長年その所在すら解らない伝説だけが一人歩きした封印宮! もしその所在が、徹底して隠されていた故だとすれば?
隠されたものは見つけるための鍵が必要だ。封印宮というほど厳重なのだから…その鍵は例えばセブンハウスやヘレン教団といった勢力が保持しているに違いない。セブンハウス、そうだ、彼らが鍵を七つに分け一つずつ保有しているのだ。権力の象徴たる七つの破片…すなわち、暗弦七片! その一つを魔女が所持していたが、暗殺されたのだ。『虚妄石』『地図』『ランプ』『イヤリング』『指輪』『柱時計』『衣装掛け』! おお素晴らしい! 次々にアイディアが湧いてくるぞ!



パパスは歓喜に震えていたため、背後からかけてくる人物に、その人物を追う公騎士団達に気付かなかった。
「キィ〜! 私のぱんつをお返しなさい!」
「ケケッ! 気付かねぇ奴が悪いってな。…おっと\やべえ/!」

飢髑髏喜一はそこでバランスを崩し、手に持ったものを落としてしまった。
公騎士団が追ってくる。彼は跳躍し、騎士団がそれを追う。
後に残されたのはパパスと一枚の布切れだ。

拾い上げ、まじまじと見つめて

「……ペルシャ家の『衣装掛け』じゃないか。」パパスは呟いた。

18 taka@エミリック第2話 修正 :2012/08/10(金) 00:33:20
古臭い本、胡散臭い本、怪しい本。様々な本が並べられている店内で、髭を蓄えた男が紅茶を啜る。
その後ろをエミリックは忍び寄り、鞘に入った刀を突きつける。
「こんな夜中に客とはな。何用だ?」
「ウエルディメンタ・デ・パパスだな?オカルト関連について博識と聞く。封印宮について知りたい。」
「む?あんたはこないだ騎士団に追いかけられていた・・・。そうだ、裏切りの没落貴族、エミリック・フェルスタークか。」
「フェルスタークの名は剥奪されているがな。」
「そうかい。それで、封印宮について知りたいんだったな?」
パパスは紅茶を再び啜ると話し始めた。

「封印宮、リリオット七不思議に数えられる古くから伝わる謎の遺跡。場所や封印されたもの、その理由、全てが謎だ。
 金銀財宝や龍が眠っていたり、レディオコートの地下深くやダウトフォレストの奥にあるなど、様々なことが伝わっている。」
「その程度ならオレも知っている。あんたの見解を聞きたい。」

パパスはニヤリと笑い、自説である暗弦七片による鍵について語った。

「七つの鍵、暗弦七片か・・・。」
「まぁ、これは私の自説だがね。」
「いや、案外当たっているかも知れん。」

エミリックは一つの指輪を取り出す。その指輪には歯車のような模様が書かれている。
「それは、ジフロマーシャの『歯車の指輪』か?」
「オレの弟、ミゼルが死ぬ際に渡してきたものだ。封印宮の手がかりだそうだ。」
「『f予算』の監査官、ミゼル・フェルスタークか。フェルスターク家一家惨殺はあんたの仕業と聞いたが?」
「オレが駆けつけたときには既に惨状だったよ。生き残っていたのはミゼルだけだ。
 拷問により既に死にかけで、封印宮の情報と指輪をオレに渡してコト切れたよ。」
「・・・『f予算』は封印宮にあるのか?」
「恐らくは。だが、オレが封印宮を目指すのは『f予算』のためじゃない。」
「では、なんのために?」
「・・・ミゼルの娘。オレの姪が封印されている。」

19 平澤@ウエルディメンタ・デ・パパス第3話 :2012/08/10(金) 02:54:30
 パパスは、一枚の布を戸棚から取り出す。エルミックは顔をしかめる。
「なんだそりゃ。そういう趣味かね?」
「まあ、そう取られても仕方ないな」
 パパスは苦笑する。
「まあよく見てくれ」
「これは……このレースはペルシャの連ね銭の紋様か」
「そうだ。これを持ってたらしき男を、ペルシャの公騎士が追ってたからな。まず本物だろう」
「しかし、これが鍵の一つだというのではないだろうな?」
「鍵、とはなんだろうな」
 
 薄桃色のそれは透き通るほどの繊細さで、縁取りのレースの意匠が穴あきのコインであることからペルシャのそれと分かる。臀部を包む布の部分はほとんど紋様が無く清楚なイメージを醸し出しているが
「なんだこりゃあ……」
 拾ったとき、パパスは思わず口に出してしまった。前側を隠す部分の意匠は全体の上品な雰囲気とは非常に異質で、力強く刺繍されたラインが数本入り、なんというか、覆面拳闘士のマスクのような大時代感が漂っているのだ。「劇」という形に並んだそのラインは、パパスには何か未知の文字のように思えた。

「ペルシャ家では、卿も知ってるだろうが女性の下着はけして外注のものを使わない。下着は女衆が自ら縫い洗濯し、家の男達、婿や父親にすらけして見せることがない」
「ああ」
「その模様は代々母から娘へと伝えられる。ペルシャの頭首は母系だったな。彼女らが守り通した秘密が今ここにあるということさ」
「この模様が?」
「おそらくは」

 パパスは、エミリック・フェルスタークから指輪を借り受け、拡大鏡を通して見る。指輪の内側にも小さい歯車がいくつも描かれ、その並びは「場」という形になっている。
「言葉……まあ、駄目もとだな」
 パパスは立ち上がって言う。
「エミリック殿、あんた、エフェクティブにつながりがあると公騎士団から発表が出てたが、本当かね?」
「ああ」
「残りの鍵については、何点かは心当たりがある。私はそちらを当たろう。あんたには、一人の男を確保してもらいたい。17.8の黒髪で紺の服に白のズボン、赤い靴を履き背中にでかい剣を背負っていた。まあ、それはもう手放してるかもしれないが」
「その特徴では無理だぞ」
「待て。一つ、大きな特徴がある。彼は、私達の知らない言葉を喋れる」

 エミリックが帰り、パパスは飲みさしの紅茶を片付ける。ずいぶんと話が大仰になったものだ。しかしエミリック・フェルスタークとは……。まあ、どっちにしろ、話のネタには困るまい。びっくりして頭から抜け落ちていたが、一段落着いたら独占インタビューとしゃれ込もうか。パパスにはエフェクティブの要人を売るほどの勇気はなかったし、同じ500万ゼヌを得るならやはりもう一度世間をあっといわせたかった。
 パパスは、先日の魔女宅の訪問を思い出す。魔女のアパルトメントではろくに収穫が無かった。彼女には親類縁者は居なかったが近所の者と交流が深く、めぼしいものは言伝によりあらかた引き取り手が決まっていた。パパスは許可を得て彼女の雑記帖を見る。そこには彼女を取り上げた記事などが切り抜かれて大事に保管されていた。その中にはパパスの書いたものもあった。
「このたびは、まことに突然のことで……」
 死因は葬儀屋から聞いていた。卒中だという。大家とこの近所の顔役であるらしき女性が弔問に訪れる客の応対をしており、パパスは彼らと二言三言挨拶を交わす。
「うらやましいものですよ。私が死んでも、こんなに人が訪れてくれるかどうか」
「そうですね、彼女はなんというか、そう、暖かいオーラを持った……」
 帰り道で、なんともいえぬ寒々しい気分になったことを、パパスは覚えている。

20 drau@ダンサ・カルナヴァル第4話 :2012/08/10(金) 09:40:02
夜と朝の隙間。リリオット名所の一つ、展望台のある時計塔へ向かう。道すがら、女は話かけてくる。

「ペルシャの魔。お兄さん、マーガレットに煮え湯でも飲まされたのかしら」

「――いや、飲まされるのはこれからだ」

――飲み干すのもこれからだ。

「飲み干すのも…とか思ってる?お兄さん、さっきからどこかで聴いたことある台詞を使うと思っていたのだけど。超約魔術の改変よね、それ。あのオカルトの」

黙るダンサに、ほくそ笑む女。

「そう、図星なのね」
「リリス」
「何かしら」
「――君も魔女だ」
「将軍の孫を魔女呼ばわりとは酷いわね」
「なのに――売春宿に売られたのか?」

リリスは首を振る。はだけた胸元。

「いいえ、好きでやってるのよ、私の場合。なんなら昨夜の分をする?今からでも付き合ってくれるかしら、時計塔も見えてきたことだし、ふふ」

ダンサの首に唇を当て、しなだれかかるリリス。

「――立たないんだ、俺は」
「あら、腸薬魔術からもネタをとってるのね」

塔に入ると、ダンサの子供の頭だけが床に落ちていた。馴れた足付きでそれを蹴り飛ばす。階段を登る。螺旋が天へと続いている。生とは階段だ。登り、段差につまづいて転げ落ちる。不協和音の踊り場だ。すすり泣く子供の頭を蹴り落とす。

「ねぇ、お兄さん、見えるかしら、あの床が入口なのだけど」

螺旋階段の隅。指し示された床に、地下へ向かう為の隠し扉があった。

「ここにあるわ、“私達のエフェクティヴ”が拐って隠したランプが」
「――何故、争う?」
「いえ、別にお爺ちゃんと争ってるつもりはないわ、ただ」

リリス率いるエフェクティヴの新派は、ニューエフェクトと自らを称し、度々本流と睨み合っている。


「目的が違う――私達は甘酸っぱい林檎が好きなのよ、壊して、咀嚼したい程にね」
「――ほら、魔女だ。綺麗な顔で人を貪る豹だ」
「殺意を向けないで。もう、女殺し。貴方の標的は、ペルシャなんでしょう?私は味方よ。大事なランプも見せてあげる。ねぇ、だから、ねぇ……私を舐めてみない?」
「立たない」
「嘘。いつかは後ろから、歯を付き立てたい癖に」
「――いつかじゃない」
「あら?」

同行者――顔馴染の修道女が後ろから現れて、光弾を翔ばす。
「今だべ」

魔の直射を背後から浴びたリリスの身体がよろめき、段差を踊り堕ちる。
「あぁんれ〜、魔女が死んでるっぺや〜。ぴゃー!」笑え笑え。

21 utsm3@飢者髑髏喜一第04話 :2012/08/11(土) 00:06:32
飢者髑髏喜一が前の世界で在籍していた緋森高校1年7組は社会の掃溜めだ。
戦闘に勝つ事が全てである剣の世界では、素養のあるものは剣の扱い方を学ぶ事が許される。
しかし戦闘に優れてはいるが言語や精神に障害のある者には差別が待っている。
死の欠片をもってしか他人と意志疎通をはかれない喜一は7組送りにされ、まっとうな教育や更生処理もされず劣悪な生活を送っていた。

他生徒との他愛のないお喋り。先生や偉い者への敬意を持った接し方。生き延びるための権謀術数。
普通の人間が無意識に行っているそれら全てが煩わしいと思った。好きか嫌いかコンタクト。コミュニケーションはそれだけでよく、あとは流れに身を委ねればいい。段階を省略して結論を述べる彼の生き様は、冷静さと長考をよしとする社会とは慣れ合えなかった。彼は常に孤独であった。

そんな彼の言葉を真正面から聞き入れる者がいたらどうなるだろうか。
1年4組アマミネ キザラ。きっかけはただぶつかっただけだったが、その一瞬で十分だった。喜一は知らずの内に恋に落ちた。

学園にいる限り彼女を追った。三夜一夜にかけて愛を語った。
…といっても、喜一は相手の気を引くための作戦や賢い立ち回りなどできぬから、セックスさせろと連呼しただけであるが…。初めて彼は己の心を伝えたいと思ったのだ。

無損失疎通路。
魔女は触れるだけで相手を己の世界にひきずりこむ。そのカラクリはテレパシーによる暗示である。
喜一が偶然魔女に会った時に知った事であるが、テレパシーは距離の自乗に比例するらしい。つまり、距離をゼロに、相手に直接触れれば己の心を全て伝える事ができると。

もし喜一がそのパスを使えるならば! 今まで伝えたくても伝えられなかった言葉を、愛を、世界を見せたい。喜一は魔女を探し続けた。



夜の時計台が見下ろす風景の真下にある廃屋。この場所に喜一はいた。住人を失った家は喜一によって奪った少しの食糧と、剣や日用品置き場に変わっていた。リリオット中を暴れ回って集めたものの中には地図や指輪や柱時計、よくわからない石まである。魔女だけがいない。

それらしい女を捕まえては問いかけたり、死の欠片を飛ばしてみたりしたがどうにも手ごたえがない。魔女は掴み所がない。魔女は死にはしない。魔女だ。魔女を探さなければ!

喜一がそう思っていると、天井から何かが落下する音がした。天井の藁…雨風を凌ぐために間に合わせで敷いたものであるが…をつきやぶって、女が落ちてきた。

22 平澤@ウエルディメンタ・デ・パパス第4話 :2012/08/11(土) 09:29:32
 女の目は開いていた。口も開いていた。鼻の穴も開いていた。腕も開き、指も開き、爪まで開いていた。女の開いている各所から黒い霧のようなものが出て、喜一はむせた。霧は渦を巻き、女を立ち上がらせた。爪が閉じ、指が閉じ、腕が閉じ、鼻が閉じ、口が閉じ、目が閉じ、霧は女の体を束縛する繊維となり、そして、女は再び目と口を開いた。
「あんた、魔女か?」
 喜一の問いに女は答えず、喜一の集めたガラクタを見た。
「聞けよ」
 死の欠片が女の後頭部を直撃する。女は意に介さず見続けている。
 ドノンガが女の首を刈る。血の代わりに噴き出したものは先ほどの黒い霧で、ぼたりと落ちた女の頭はそれによりもとの場所に引き戻される。女は喜一に向き直った。

パパスが心当たりがあると回った箇所はすべて最近襲撃されており、目撃談によればどうやら例の黒髪の仕業のようである。彼も封印宮の秘密を追っているのか、とパパスは考える。ますますパパスの仮説の蓋然性が増してきてパパスは身震いを覚えるが、しかし黒髪の足取りがつかめないことには話にならない。そう思っているパパスのところにエミリックから連絡が入る。例の黒髪が最近住処にしているらしいところを特定した。どうする? とりあえず普通に会いに行ってみようか、とパパスは提案する。黒髪の目的が何かは知れないが、エミリックの目的は姪でパパスの目的はお話だ。黒髪の目的が財宝だとか言った俗なものならバッティングすることもないし手を組むことも出来るだろう。パパスとエミリックが時計塔のそばまで来たとき、人影か彼の家に落下するのを二人は目撃した。二人は彼の家にむけて走った。とたん、彼の家が爆発した。

23 drau@ダンサ・カルナヴァル第5話 :2012/08/11(土) 14:12:31
終わらぬもの、変わらぬものがあるか?ダンサは、無い、と経験していた。
暖かな父は偶然の事故で死に、優しく強気な母は時の中で老い衰え、背は曲がり、呆けて虚空を眺めるばかり。ダンサは毎日、会話をしない母が垂れ流す糞尿を拭ってやり、食事を与えてきた。幼き頃、両親に、学びたいと語ったジェロニモ鳩の操縦技術を駆使して、生活費を稼いだ。その姿を見せたかった、喜びに手を取って踊りたかった“かつての両親”は永遠に存在しない。母は小さな段差に躓き、頭を打ち死んだ。ダンサは清々した。愛していたはずだったかつてのダンサは清々した。

あの日、踊りに誘ったのはどちらであったか。自分か、かみさんか。リリオットの謝肉祭の会場で二人は出逢い、手を取り、踊った。運命という言葉を二人は信じた。ダンサはいつかその病気も終わるとわかっていた。熱病だ。貴族の娘を、漁村に連れ出した。この小娘も、いつかダンサや自身が信じた運命にも飽きるだろう。一時の気の迷いと気付くだろう。俺を捨てるだろう。俺を嫌う。俺を憎む。退屈と断じ、偽りと説くだろう。ダンサには世界が見えていた。それでも、彼女が欲しかった。彼女と踊りたかった。失うものの為に、そうだと理解しても全てを捧げたかった。時を重ねて二人は踊り、分かち合い、子を為した。かみさんはダンサを尻に敷き、時に頬を引っ掻き、時に優しく撫でた。時に彼を蹴りつけ、時に彼の苦難を身を呈して背に受けた。

終わらぬものはない。妻子を連れてリリオットの小さな謝肉祭へ出向き、魔女に殺された。妻子はダンサの村の土の下、もしくは空の上へと運ばれた。ダンサだけ途中で戻らされた。
眼を覚ますと、リルと名乗る修道女がダンサはマーガレットに選ばれたと騙した。魔女を殺し廻り、鍵を集める為、屍となり、リルに騙され、だがまだ生きている。

マーガレットの敵と名乗るリル・ヴァーギールは、ペルシャ家の令嬢リリィの娘だったが、リリィは禁を漏らし死を言い渡され、リルは双子の弟と離され赤子のまま山へ放りだされた。リリィは自らの死を演じ、娘を教会に預けて去ったという。リリオットの創立者は百合の花精、リリィと称された。奇しくも同じ名の街の占い師が、顔を変えた母だとはリルは――。

爆心地から現れたリリスは、パパスに抱き着いた。
「パパねっ!匂いで解るわ!ねぇ、パパァ…、どうして私を探して抱いてくれなかったの?」
リリィの知識が例の種本。リリスは、リル自身だ。

24 taka@エミリック第3話 :2012/08/12(日) 00:17:40
封印宮への手がかりとなる少年が住むという家が爆発する。
その前に落ちてきた人影の仕業か。
事件が絶えないこのリリオットでも爆発が起これば公騎士団が直ぐに駆けつけるだろう。
逃げるべきか。

いや、封印宮の鍵である暗弦七片を所持しているという話だ。
このまま逃げれば公騎士団に回収される。
暗弦七片が爆発で破壊されているかもしれないが、昔から伝わる品々がそう簡単に壊れないだろう。
そう信じてエミリックは爆発した家へ向かう。
パパスは少し思考を巡らせたあと、なんらかの打算がついたのかエミリックの後に続いた。


爆発して崩れた家の中には二つの影が立っていた。
あの爆発で生き残っているのか?

黒髪の男。あれがパパスが言っていた男か。
もう一人は…リリス!?将軍の娘が何故こんなところに?

リリスは家の破片を避けながら爆心地から出てくるとパパスに抱き着く。

「パパねっ!匂いで解るわ!ねぇ、パパァ…、どうして私を探して抱いてくれなかったの?」
困惑するパパス。パパスがリリスのパパ?なんの冗談だ?

詳しく話を聞きたいが、それより暗弦七片だ。
黒髪の男が呆けている今のうちに回収だ。

絶望のイヤリング、教師の虚妄石、叡智の地図、白塗りの柱時計はすぐに見つかったが
希望のランプだけが見つからない。

そういえば、数年前に盗難にあったとか聞いたする。
クソ、まさに希望がないってか。わらえねぇ。

とりあえず、現在あるものだけを抱えて逃げる。

が、突然の殺気に足が止まる。黒紙の男だ。

理解不能の言語をしゃべる。他国の言葉か?
言葉は理解できなくても、意図することはわかる。
暗弦七片を返せというのだろう。
なにかわけありのご様子。

だが、オレも引くわけにはいかない。

鞘に入ったまま刀を構える。

男はじっとこっちを見たまま動かない。にも関わらず死の気配が近づく。
咄嗟に避ける。避けれた?わからぬ。死が掠めた感覚。

間合いを詰めて鞘で叩き込む。目はじっとこっちを向いている。
男は一撃で倒れこんだ。気を失っているが、殺意はいまだ続いている感じがする。

エミリックはぞっとするモノを感じながらその場を後にする。

「パパス殿!オレはいったんずらかる!また連絡をくれ!」
そうパパスに向けて叫ぶと、狭い路地を大荷物を抱えて走って行った。

25 drau@ダンサ・カルナヴァル第6話 :2012/08/12(日) 13:38:38
「リリスッッ!そんな奴に抱きつくんじゃない!そんな男を愛するな!」

歯軋りと、頭をかきむしる音。突然のリルの豹変。苛立ち。自らの出生、両親への憎しみに囚われた娘の張り裂ける形相。父性にすがる自分の中の弱さに対し、気狂った魔女の本性を見せたリルが放つ光弾。聖魔の波動は躊躇無く、ダンサの身体を幾重にも引き千切った。いつか見た光景、甦る際に欠落した記憶。千切れる妻子の姿。

――マーガレット、ずっと、俺は踊らされていたのか?蓮の花の上で、運命に笑われていたのか?

落下する四肢。螺旋の段差を転落し続けながら屍は天へ問うた。

――お前達は俺に戻って来て、ではなく、来ないでと言っていたのか?

足元に這う妻子の幻影をダンサは今は愛していられない、そっちには行けないと無視して踏みにじってきた。

――俺は死して尚生きているつもりで、自ら死に急いでいたのか?

幻影が笑う。

――俺にまだ、踊れというのか?この舞台上で?

幻影が泣く。

――なんで、俺の手をとってくれないんだ。

幻影が消える。

――なんで、俺と踊ってくれないんだ。

「おら…おらは…まだ…踊れる、だで…」
自慢の出っ歯も欠け、芋虫の様になりながらもダンサは這う。ランプを手に空へ消えた、魔女を殺す為に。……ふと、天から声。

「私と踊ってくださりませんか、生ける屍さん」

見上げれば、マーガレットが手を差し伸べていた。


リリスはエフェクティブ将軍の娘の若かりし頃に似せて造られ送り込まれた魔女リルの使い魔である。本体と同一精神であるリリスは、リルが自ら受け入れない本性すらも映す。 リリスはパパスの首筋を甘噛みし、すがりついた。

・かつてより、謝肉祭の際に設置されてきた劇場のスペース。街の北部にある広場。そこに封印宮は埋まっていた。エルリックが真実に到達した時、魔女リルは掲げたランプで暗闇を照らしながら待ち構えていた。七つの鍵が揃い、封印宮が開かれる。這い寄るダンサを引きずって現れた黒髪とマーガレットが、パパスが、リリスが、舞台上の全てが封印宮へ飲み込まれた。
・ダンサは踊る。転がりながら。
段差の上で、奈落の底で、誰かの手の平の上で。それでも、踊るしかない。踊り続けるしかない。

――笑え!泣け!怒れ!狂え!


巨鳩は満天の空を独り羽ばたく。屍を乗せてどこまでも。

「また、嫁さ、探すべ」
終わらぬものなどない、故に踊るのだ。

26 drau :2012/08/12(日) 13:46:00
訂正。
エルリック→エミリック

27 喜一@最終話 :2012/08/12(日) 20:43:16
封印宮に役者達がなだれ込んだ。ある者は姪のために、ある者は革命のために。そして、ある者は自分自身のために。それぞれの願いをかなえる宝が封印宮にあるが、叶えられるのは一人だけだ。

封印宮に役者達がなだれ込んだ。
自分だけが勝利者になるために、競うように最奥へとかけていく!

『あ?俺何やってんだろ』

否、関係のないものが一人いた。魔女から無損失疎通路を奪うために居合わせただけの男、飢者髑髏喜一だ。喜一は走る。何故走っているかは解らない。ただなんとなく走る集団についているだけだ。その集団をみやる。いかにも運動はしたことないといった風味の男。握る手にはペンタコができている。
踊りのうまそうな男。泣いているのだろうか、顔をくしゃくしゃにしながら何事か呟いている。貴族の女。精神が安定していないのか様子がおかしい。

『魔女よ、本当にこの奥なのか?』

誰かが貴族の娘に問いかける。その瞬間、喜一だけがだれよりも早く動けた。構成を変動させる。ウェイトが増えるかわりにオプション封印が付与される。相手の能力を奪い、自分のものとするその剣の名は…

『強盗剣っ!』

赤黒い刃が貴族の娘を襲った。娘は防げない。いや、ここにいる誰にも不可能だ。なにせ封印宮攻略に心血を注いでいるのだ、無損失疎通路を奪うためだけに全力を注ぐものがいると予測できない。予測していないことにポイントは振れない。喜一の死の欠片は、防げない!

一閃。

リリィの人格が切り離される。二つの精神をゼロ距離で繋ぎ止めていた無損失疎通路が奪われたのだ。感情と情報が溢れメルトダウンを起こす。魔女は静かに崩れ落ちた。

続いて喜一は二人の男に殴り掛かる。試し切りだ。小説家達は咄嗟に防御姿勢をとる。ダメージゼロ。【封印宮に行くための戦い】には無意味すぎる行動故だが喜一にとっては意味がある。

がつん。拳とガードがぶつかる。無損失疎通路を通じて喜一の意識が、世界が小説家達に流れ込んでくる…

『ラブ&セックス!』
『ラブ&セックス!』
男達はがたと立ち上がり叫んだ。
その様を見て満足げに喜一はその場を立ち去った。
喜一は敗北し、封印宮争奪レースから脱落した。
喜一の行方は誰にも解らない。



28 taka@エミリック第4話 :2012/08/12(日) 23:48:52
封印宮の最奥にその子はいた。

銅貨、銀貨、金貨が山のように積まれ、さまざまな宝石が輝いている。
見た目では分からぬが、恐らく強力な魔力が込められた道具達もそこら中に転がっている。
セブンハウスが長年隠し続けたモノの多くがここに眠っていた。

そして、それらと一緒に鉄の鳥かごのような檻の中に座り込んでいる少女。

不治の病に侵され、不死の秘術をかけられた少女。
秘術のため、数十年もの間封印宮に封印された子。

ミゼル・フェルスタークの第三子『ウィジャ』。
エミリックの姪であり、フェルスターク家の最後の生き残り。

彼女を解放することがミゼルからの最後の頼み。
彼女を解放することがエミリックの最後の願い。

エミリックはウィジャに近づく。

「誰?お父さん?」
ウィジャは怯えながらエミリックを見る。

「お父さんじゃない!?誰?嫌!近寄らないで!!」

言葉による拒絶。エミリックの足が止まる。
いや、体自体が動かない。魔法?それとも呪いか。

「オレの名前はエミリック。お前の叔父だ。」

「そんな人知らない!帰って!」
「ミゼル、お前の親父は死んだ。オレはお前を解放しに来た。」

「お父さんが死んだ?嘘!嘘嘘嘘!そんなの信じない!」

ウィジャの発する言葉と一緒に、エミリックの体は切り刻まれていく。

「嘘じゃない!」
突然の大声でビクっとするウィジャ。
体を封じていた力が弱まる。

「ミゼルからお前に渡すように言われたものだ。受け取れ。」
エミリックは歯車の指輪をウィジャに投げ渡す。

「これは・・・お父さんの指輪・・・。」

「ミゼルは、今まで閉じ込めれた分、好きに生きろと言っていた。
 ここに残るのも、外に出るのも自由だ。」

「・・・・」
ウィジャは指輪を見ながら考え込む。

「お前はオレの最後の肉親だ。オレは家を捨てて好き勝手生きてきた。
 その分、残り人生お前に捧げよう。好きに使ってくれ。」
エミリックはウィジャに対して騎士のごとく跪く。

「お父さんを殺したのは誰なの・・・?」

「大国の人間だろう。『f予算』を狙ったか、または口封じか。」

「私、お父さんの仇を取りたい。復讐したい。」
「御意」


その後、リリオットでエミリックとウィジャの姿を見たものはいない。

オカルト書の募集家、パパスのみが彼らの行方を知っていると言われているが定かではない。
その件についてパパスに尋ねると
「まだ、言うわけにはいかないね。」
と紅茶を濁すだけであった。



29 taka@エミリック おまけ :2012/08/12(日) 23:55:20
5分で書いたウィジャ。

https://dl.dropbox.com/u/90111973/image/Ouija.png

30 ウエルディメンタ・デ・パパス最終輪 :2012/08/13(月) 00:01:38
「ラブ&セックス!!!」
「ラブ&セックス!!!」
 パパスの意識に生と性の歓喜が流れ込んでくる。この男は、この黒髪の男の鮮烈な直情は、なんという力強さに満ちているのか! パパスは思わず黒髪に対して駆け寄ろうとした。彼の言霊をもっとたくさん体の中に引き込みたかった。しかし
「イエス! ウィードゥラブイズナウ!」
「オウイエー! ラブオアノッシング!!」
 パパスは肩をつかまれ、そうとっさに応じる。パパスの肩をつかんだのはダンサ。ダンサ・カルナヴァル、無損失疎通路を通して彼のダンスがパパスの体に踊りこんでくる。踊ろう! 空を翔るステップを。歌おう! 踏みつけられた地蟲の歌を。
「私で、いいのか?」
「おらで、いいのか?」
 二人の敗北者はつかの間見つめあい、そして同時に笑い出す。求めるものは、そこには無い。互いのラブと精液で互いの過去を埋めるには、少し年をとりすぎた。

 だが、まだ死ぬには少し早いな。

 パパスは自分で書いたはずの腸薬魔術の内容をそらんじることができない。跳躍魔術もだ。だが、超約魔術の内容はそらんじることができる。あの夜々、愛撫の合間に三夜と一夜を通して語られた数々の怪異。魔女と呼ばれる存在たちとその不思議で繊細な手わざの体系。精神と心、そして記憶を繋ぎ、あらゆるものを見渡せ理解させるための力。倒れている魔女に、何をすればいいのかをパパスは知っている。パパスの羽ペンが、通路の方程式を紡ぐ。
「パパ」
「パパ」
 二つの口が同期する。ひとつの手は彼の頬を張り、ひとつの手は彼の頬に赤子のように触れる。リリィの魂はあのころの美しい顔と、皺の増えた取材の時の顔と、二つの顔でパパスを見つけながらゆっくりと渦を巻き天井をさらにさらに上へ登っていく。
 
 街の占い女の墓の前に、一冊の本が置かれている。
 その本の表紙は赤く、その本の厚さはそう厚くない。
 その本はそこそこ売れた。

31 デジカメ 人気 :2013/08/07(水) 21:43:07
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