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すぱろぐ大戦BBS・SS投下スレ

149ジュア=ムの一日:2008/02/14(木) 16:49:29 ID:5SKS9mnk
今日はバレンタインデーだ。本来は聖人が死んだ日で、それに乗じたお菓子会社がチョコを
女性達に売りつける日である。といっても、これは地球の、それも日本限定の行事で、最近
では男性に送る事自体が減りつつあるのだが。
だがそれでも現在進行形で恋をしているフューリーのお姫様には関係のないことである。
「では、いってきます!」
「いってらっしゃいですのシャナ。頑張って愛しの殿方にチョコをお渡しするですの」
「はい!」
サムズアップするアルフィミィに大きく首を縦に振って答えシャナは思い人の元へと急ぐ。
そして、
「んじゃ、俺は姫様をお守りしてくるからよ。まあ、なんだ。昨日は助かった」
「気にすんな。またシャナシャナともども何かあったら頼れ少年」
「シャナシャナとか変な名前で姫様を呼ぶんじゃねえ!」
「まあまあ怒るなって。ほれ、早くしねえと大事な姫さんが行っちゃうぞ?」
「くそっ! 赤髪野郎、次に姫様を変な呼び方したらぶっ飛ばすからな!」
「おっけおっけ。それじゃな、ジュ=アム」
「俺の名前は『ジュア=ム』だ! 名前間違えるんじゃねえ!!」
アクセルにからかわれながらジュア=ムも彼女を見守るためシャドウミラー基地より出撃する。


「ちっ、何やってんすか姫様……」
シャナ=ミア姫後方20メートル、ジュア=ムは一人呟く。電柱の後ろから姫をちらちら
見てるせいで周りの地球人がこっちを怪しそうに見ているが知ったことではない。
それよりも大事なのは今現在の姫の様子だ。
シャナ姫の前方にはあの、姫の心を奪った怒り余って憎悪百倍なアイツがいた。しかし奴は
いつもの女子三人に囲まれてヘラヘラしているではないか。ああ、憎悪1千倍。
姫がいったいどれだけ貴様のことを想っているのか分かった上での所業か、それは?
出ようにも出て行けずオロオロとしている姫の姿に奥歯をギリリと噛み締めジュア=ムは
怒りに震える。
いっそ飛び出してあの男をぶん殴った上で姫の前に突き出してやってもいいのだが昨日
姫が丹精込めてチョコを作っている姿を見ているのでそれはできない。
ここで耐えねば姫を守る人間として失格である、故に電柱を思い切り殴りつけるだけに
留めておく。
ちょっとは怒りが収まったので再びジュア=ムは姫の観察を始める。
「あん? あの女ったらし、何処に行くつもりだ?」
あの三人と別れを告げ、ジュア=ム曰く女ったらしのレッテルを張られた統夜が何処かへと
向かっていく。
「確か奴はバイトとかをやってんだったか」
渡すタイミングを見計らい損ねたシャナが統夜を追いかけていくのを、その更に後ろから
追いかけつつジュア=ムは思い出す。


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