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すぱろぐ大戦BBS・SS投下スレ
121
:
Your Body
:2008/01/28(月) 13:36:36 ID:8d0pWAYw
伊豆基地近郊の商店街を先生は歩いていた。この界隈は夜になるとヒリュウやハガネに代表される飲み屋が暖簾を出し、酒を求める人でごった返す。
だが、昼間である今の時間帯は打って変わって静かなものだ。先生もこの時間から酒を飲むつもりは毛頭無かった。
それなのに先生がこの場所を歩いているのは、それら酒場とは別の場所を目指す為だった。
兵舎を離れてから凡そ10分後。奥まった場所にひっそりと佇むその店を見つけた先生は、少しだけ戸惑った様に店のドアに手を掛けた。
「本当は、来たくなかったが……儘よ」
弱気な心を気合で捻じ伏せ、煙草を咥えると、先生は素早く店の中に入った。
その店の名は喫茶TIME DIVER。先生の弟分(?)が経営する流行らない喫茶店だった。
――カランカラン♪
来客を告げるドアベルが鳴る。店員は直ぐには出て来なかった。
こじんまりとした小さな店だ。木製の家具がレトロでシックな雰囲気を醸し出す。何処か、ヒリュウの空気に通じるものがこの店にはあった。
壁掛け時計がカチコチ音を鳴らし、年代物の蓄音機が我が者顔でスペースを取っている。そして、壁際にあるガラス張りの大きなドレッサーには何故か特撮ヒーローモノのグッズが飾られていた。
――パタパタパタ……
漸く来客に気付いたのだろう。店の奥から店員が奏でるスリッパの足音が聞こえて来た。
出迎えてくれた店員は先生の知った顔だった。
「いらっしゃいませ〜〜」
メイドっぽい制服に身を包んだバイトのアイビス=ダグラスだった。
「よっ」
しゅた。片手を上げた先生を見てアイビスは顔を引き攣らせた。
「げっ」
「……客に対して良い度胸だな」
開口一番、汚物を見る様に呟くのは如何なものか?どうやら、この店は店員に対する教育が行き届いていないらしい。
「う、ごめんなさい。……よ、ようこそいらっしゃいました少佐」
「今更、取り繕ったって遅い」
営業スマイルを張り付かせたアイビス。だが、その顔はスマイルを作る事は無く、逆に引き攣ってしまった。
「そ、それにしても珍しいですね。少佐がうちに来るなんて。店長に用事ですか?」
「いや、目当てはクォヴレーじゃない。別のな」
実際、先生がこの店を訪れたのは初めての事だ。それが珍しかったアイビスはてっきり先生が彼の弟である店長に用があると踏んだのだろうが、それは間違いだった。
「喫煙席……なるべく端っこが良いが、頼めるか?」
「あ、はい。こちらへ」
アイビスに誘導され、狭い店内を移動する先生。アイビスの手付きは結構手馴れていた。
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