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すぱろぐ大戦BBS・SS投下スレ
117
:
差無来!!
:2008/01/28(月) 13:18:56 ID:8d0pWAYw
おまけ
――イングラム私室
「……と、まあそう言う事があった」
自分の炊事当番をこなしつつ、鍋を煮立たせるイングラムはアラドとセレーナに事の仔細を語っていた。
「あのゼンガー少佐が……ネート博士も少し気の毒かも」
「でも、これからきっとマシになってくっスよ。そうなんスよね?」
「そう思わなければ始まらんだろうな。……むう、甘過ぎるか?」
あの二人がどうなるのかはお天道様だって判らない事だ。だが、自分が走り回った事に価値があるのならば、せめて丸く収まる事を期待したい。先生はお玉で煮汁を掬い、味を確かめた。
「で、少佐は今日は何を作って?」
「ああ。肉じゃがだが」
今日は素朴にお袋ならぬ親父の味を追求するイングラム。ただでさえ冷蔵庫にはセレーナが持ち寄った食材が消費される時を待っている。その処分も兼ねてだった。
「げっ!?少佐!その言葉は禁句……」
だが、その肉じゃがと言う言葉に目を丸くしたアラドは叫んだ。肉じゃがに並々ならぬ執着を見せる人物が居る事を知っているからだ。
――バンッ!
そうして、その人物は現れた。自動ドアの開閉を無視して無理矢理扉を開いて、イングラムの部屋に突撃してきた人物とは……
「肉じゃがと聞いて飛んで来たわ」
先生の妹だった。愛しの兄貴が作る大好物はヴィレッタにとっては是非とも食べたい一品だったのだ。
「お邪魔します、少佐」
そしてオマケがもう一人。ヴィレッタに遅れて入ってきたのはアヤだった。
「うわ、変なのが召喚された」
「うう……俺の取り分無くなっちまうよ」
呼んでもいないのに現れる事を推参と言うが、ヴィレッタとアヤの行動はそれにばっちり当て嵌まった。
アラドは頭数が増えてしまった事に悲しくなった。自分に割り当てられる肉じゃがが減ってしまう事は彼にとっては死活問題なのだ。
「お前等……そんなに暇なのか?」
否、間違いなく暇なのだろう。態々、自分の兄貴(元彼)の下に訪れ、飯を集っているのだからそう考えざるを得ない。
「それはそうと聞いたわ、イングラム。ゼンガー少佐と一悶着あったんですって?」
「何でも、無理矢理お酒飲ませて潰したとか。ショーン副長が言ってました」
ゼンガーとソフィアとの一件は二人の耳にも入っていた。まあ、彼女達もヒリュウを頻繁に利用するのだから知っていて当然と言えば当然だった。
「何か、歪んで伝わってる?」
「もう一度、説明した方が良いんじゃないスかね」
だが、聞く限りではどうもその情報は正しい形で伝わっていない様だった。
「面倒臭いな……」
確かに面倒臭い。だが、ゼンガーとソフィアの名誉の為には説明を省くわけにはいかない。先生は鍋を掻き混ぜつつ、もう一度掻い摘んでその話をしてやった。
「……以上だ」
「へえ」
「そんな事が」
「何も言わなくて良いぞ。感想は聞きたくない」
肉じゃがの盛り付けを終え、皿を並べた所で先生の話は終わった。情報の歪みが修正された二人は興味深そうに呟く。だが、先生はこれ以上その話を蒸し返して欲しくなかった。
「頂きますっス!」
「あ、こら!遠慮なさいアラド!」
待ってましたとばかりに自分の皿にアラドは齧り付く。堪らずヴィレッタは叫んだ。多めに肉じゃがを食べたい彼女は大食いのアラドにそれを大量を食べられる事を恐れたのだ。
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