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300風見鶏:2015/12/14(月) 19:43:40
《次の日》

そんなマリアだが、かなりのドジっ子らしく、転んだ拍子についに看守に泥をつけてしまい、今まさに鞭で打たれようとしていた。
そのマリアを助ける為に、一緒に連れてこられて奴隷になった王子のヘンリーが助けに入った。
ワガママでひねくれ者だったが、この奴隷生活の中でその性根は少々叩き直され、なまじプライドが高いばかりに下っ端奴隷に上手く煽てられて調子に乗ってしまう事もしばしばである。
ちなみに一緒に連れてこられたもう1人の王子、デールはというと……。

「……!?」

一歩出遅れ、タイミングを伺っているのか、相変わらず自分で考えるのが苦手だ。

「(そして私も……。ここは動かないとなぁ……。全く『女神』も楽じゃない……)」
「あ、アルスさん!?」

アルスが動いて、ようやっとデールも動いた。


::::


奴隷の反乱など本来なら簡単に抑えられるレベルが看守につくべきだろうに……。
いや、アルスがなまじ強いからであろう……。
ヘンリーとデールも一緒とはいえ、殆どアルス1人で間に合ってしまった。
そしてその騒ぎで兵士がやって来るのはもうお約束である。

「(とりあえず連れてかれる前に、マリアは回復させておかないと……)」

アルスはベホイミを唱えた。

「……」

後ろで看守が兵士に好き勝手、自分の都合ばかり主張している。
これもお約束だ……。
だがどうやらマリアは手当てを受けさせて貰えるらしい……。

「(やっぱり本当に綺麗な人はとくだなぁ……)」
「それと……」

突然アルスは腕を掴まれた。

「!?」
「この女は私が直々に罰を与える!!男二人は牢に放り込んでおけ!!」

その兵士はよく見たら昨日の……、マリアの兄であるヨシュアだった。


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