レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
第2回東方最萌トーナメント 50本目
-
突然の声に驚き、鈴仙の耳が跳ね上がった。
慌てて振り向くと、店の入口に黒い人影が立っていた。
それは、唇に手をあて、底知れなく意地悪い笑みを浮かべた霧雨魔理沙――。
「はわわ、ち、ちがうの、これは」
顔を真っ赤にして否定する鈴仙。
「やあ、いらっしゃい、魔理沙」
一方の霖之助は、なんでもないように平然としている。
「さすが幻想郷一の色男だぜ。とうとう宇宙兎にまで守備範囲を広げたか」
「だ、だから、違うんです、私は師匠のお使いで、その」
「師匠の命令で香霖とラブラブしてるのか?凄い命令だな」
「わー、全然違うー」
完全に動転して、ぶんぶん腕を振り回して否定の言葉を繰り返す鈴仙。
そんな彼女に、霖之助は笑って小さな包みを差し出した。
「はい、注文の品だよ。今後ともごひいきに」
鈴仙は差し出された包みを、ぽかんと見つめる。
そして次の瞬間、それをひったくるように受け取ると、文字通り脱兎の勢いで駆け出した。
戸口に寄りかかって立つ魔理沙の前を、顔を伏せたまま駆け抜ける。
それをにやにやと笑って見送る魔理沙。
と、突然鈴仙が急停止し、くるりと振り向いた。
「あ、あの、店主さん…」
もじもじしながら、必死に何かを言おうとする。
霖之助と魔理沙の訝しげな視線が集まる中、突然物凄い勢いでおじぎをして、
「ほんとにありがとうございましたっ!」
と、一息に叫んだ。
そして、月まで届きそうな勢いで飛び去っていった。
残された魔理沙は、霖之助に笑顔で問い詰める。
「で、ほんとのとこ、どこまでいったんだ?」
「それは勘違い。僕はただ、彼女の相談に乗ってあげただけだよ」
「なんだ、つまらん」
魔理沙はあっさりと霖之助の弁明を受け入れると、
今度は霖之助が手にした写真立てに興味を示した。
「ん?なんだそれ。綺麗だな」
霖之助の手から写真立てを取り上げる。
「おっ、香霖と私のツーショットじゃないか。こんなものいつの間に撮ったんだ?」
霖之助は魔理沙に奪われた写真を覗き込みながら答える。
「企業秘密だよ。しかしこの頃の魔理沙には可愛げがあるなぁ」
「ほんと懐かしいぜ。まったく、香霖は昔と全然変わらないな」
二人で揃って笑い声をあげる。
こうして香霖堂の平和な一日は暮れていった。
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板