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第2回東方最萌トーナメント 50本目
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霖之助は静かに彼女の言葉を聞く。
「……怖かったんです。友達がどんどん死んでいって、
次は誰の番なんだろう。もしかしたら私かもしれない。
そう思うと怖くて、私は……一人で逃げたんです」
次第に泣き声が強くなっていく。
握った写真に、透明な雫が跳ねた。
「私には、こんな風に笑ってもらう資格なんてない…!」
かすれた声で、叫ぶように鈴仙が叫ぶのと同時。
霖之助は、鈴仙の肩に回した手で、彼女を思い切り抱き寄せた。
突然の行動に驚く鈴仙。
霖之助は何も言わず、彼女の髪を優しく撫でる。
鈴仙はその意図を察し、霖之助の胸に顔をうずめて泣いた。
霖之助は、鈴仙の手から写真を取り上げ、それを見つめる。
しばしの沈黙のあと、霖之助が口を開いた。
「この写真に写るということは…。
これは君にとっても、そして君の友達にとっても、大切な想い出なんだろう。
それを見て泣くというのは、君の友達に対して失礼だと思うな」
「でも…!」
鈴仙の言葉を遮って、霖之助は言葉を続ける。
「過去は過去だ。君が自分を責めたからといって、君の友達に対する償いにはならない」
「じゃあ、開き直れって言うんですか?そんなの卑怯です……」
言い返す鈴仙に、霖之助は笑って言った。
「なに、君の友達は恨んでも羨んでもいないよ。親友というのはそういうものだ。
もし立場が逆だったとしたら、君は自分の友達を憎んだりするかい?」
鈴仙は、霖之助の胸に顔を押し付けたまま、押し黙る。
「君には、今大切な人がいるはずだ。
その人達に対してまっすぐ生きることが、今の君がすべきことだよ」
鈴仙の心に、永遠亭の皆の姿が浮かぶ。
月からの逃亡者である自分を、温かく受け入れてくれた姫がいる。
厄介者にも関わらず、可愛がってくれた師匠がいる。
そして、てゐをはじめとする幻想郷の兎達。
自分を大切に思ってくれる人が、こんなにもたくさんいる。
霖之助は鈴仙の顎に手を添えて顔をあげさせ、その目をまっすぐ見つめた。
鈴仙も、涙に濡れた目で見つめ返す。
「過去にとらわれていてはいけないよ。
昔の友達のためにも、いま君を大切にしてくれる人のためにも、ね」
霖之助の言葉に、鈴仙は見つめ合ったまま、小さく頷いた。
「はい……」
「…納得、できたかい?」
瞳に溜まった涙を拭う。
「……はい」
まだ涙の跡が残る顔で、鈴仙は笑って答えを返した。
その時、いきなり背後から声がかかった。
「あーあー、昼間からお盛んなことだな」
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