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第2回東方最萌トーナメント 九本目

193はね〜〜:2005/01/30(日) 14:16:48 ID:q7CkkI8g
(3/3)
 その時。たまたま湖の端に目が行くと……ほんの僅かだが、うっすらと凍っていた。
「…………あ」
 寄っていって、指先で軽くつつくチルノ。
 パキン、という音と共にあっさり砕けてそこは何でもない只の湖面に戻る。


 ただ、ほんの僅かの時間、僅かの場所だったが……そこは確かにチルノが凍らせた所だった。
「…………」
 しばらくの間湖面をじっと見ていたチルノだったが、袖でごしごしと涙を拭う。
「ふ、ふん! あとほんのちょっとだけ私の力が足りなかっただけじゃない!! 見てなさいよ湖、絶対にあんたは私が凍らせてやるから!!」
 べーっと舌を出して再戦を誓うチルノ。
 例え今はほんの僅かでも繰り返せば、段々と大きくできるに違いない。そんな強い思いがあった。
 負けず嫌いとも言う。
 そうして、ゴロンと寝転がる。いっぱいいっぱいで、休まないと飛ぶ事も出来そうに無かったから。
「すー……すー……」

 夢の中で、チルノは自分が凍らせた湖の前で胸を張る……そんな光景をきっと見ていただろう。
 それからというもの、蛙の凍らせに飽きたチルノは、湖に何度も挑戦状を叩きつけるようになった。

 それは今も続いている。

【湖上の氷精〜一人ぼっちの夏】     完




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