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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

898 ドワーフ :2010/09/28(火) 23:45:36 ID:HW/cTXWU0
 そこは郊外の霊園、しかしそこに居るのはフェレネンドとアルジネフという二人の男だった。
 フェレネンドは霊園の寂しげな景色と雰囲気をどこか楽しんでいるようだった。そして、やって来たアルジネフを微笑を浮かべて迎えた。
「きたか。アルジネフ」
「何の、御用でしょうか」
 フェレネンドとは親子ほど歳の離れた青年。笑みを浮かべるフェレネンドとは対照的に、アルジネフは決意を固めたかのような、まるで決
闘の合図を待つ騎士のような、どこともなく悲壮とも感じ取れる硬い表情をしていた。
「そう緊張するな。ここなら誰も来ないから、ゆっくりと話でもしようじゃないか」
「そうですか…」
 そう言ったっきり、二人は黙ってしまった。アルジネフはフェレネンドが再び口を開くのを待ち、フェレネンドはというと間を計るように
ゆっくりと、アルジネフの周囲をうろついていた。緊張しているのは、ひょっとするとフェレネンドの方なのかもしれない。
 小さくため息をついて、フェレネンドはようやく口を開いた。
「アルジネフ。お前の正体は割れた」
「そうですか」
 まるで最初から分かっていたかのように、アルジネフは即答した。それを分かった上で、覚悟してこの場に来たのだろう。
「お前の家族を殺したあのとき、お前の死体がないということを知ったあのときから、一度たりとも心の休まることはなかった。まだ年端も
行かぬ小僧だったとはいえ、あの執念深い男の息子だ。きっと復讐しにくるに違いないと思っていた」
「…………」
「そして思った通り、お前はこうして私の前に来た。娘に近づいて、私に接近する機会をずっと伺っていたわけだ。二十年間も復讐のために
費やすとはな、もっと別な人生を送ろうとは思わなかったのか」
「……別の人生。今とは別の人生、という意味か?それならあの日、お前に壊されたよ」
 アルジネフは怒気をはらんだ声で言った。口調は変わり、刺すような目つきをしていた。
「やはり、あの男に似ているな。割り切ったり妥協したりすることを嫌う頑固者だ」
 穏やかな日差しが当たりを照らしている。木漏れ日が揺れるレースのカーテンのように射す様は、霊園とはいえ幻想的だった。
 そんな雰囲気とは対照的に、陰険な眼差しでフェレネンドを睨み付けるアルジネフに、フェレネンドはやれやれといった風に肩をすくめた

「やれやれ、ゆっくりと話したいと言ったのにな。何か勘違いされているようでは、そうもいかないな」
「勘違いだと?」
「ああ、私はお前を殺す気などない。逆にお前に復讐を遂げさせてやろうと思っているのだ」
 アルジネフの眉がぴくりと動いた。動揺を隠そうと、油断を見せまいと、彼はさらに態度を硬化させた。
「ふざけるな」
「ふざけてなどいない。実を言うと、娘が生まれてから心変わりしてね…。いくら邪魔な商売敵だったとはいえ、何も殺すことはなかったん
じゃあないかと。いや、それは避けられなかったにしても子供たちの命まで奪うことはなかったとね」
 フェレネンドはアルジネフの目をじっと見据えた。フェレネンドは実に安らぎに満ちた、穏やかな表情をしていた。


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