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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

885 ドワーフ :2010/06/21(月) 21:15:45 ID:HW/cTXWU0
「悪、魔…」
「そう、名前はアスティマ。そして今はそんな姿になってるけど彼に代わって自己紹介させてもらうわ。フォルセスが彼の元の名よ」
「どうして…、どうして俺なんだ。お前たちと遭うのも運命だったというのか」
 キリウスは腰が砕けたのか、尻を地につけたまま後ずさりした。
「運命から外された私たちにそんなものは関係ないわ。ただ、あなたの欲望の声が大きかったから選んだの」
「欲望の、声?」
「凄かったわよ。自分で気づかなかった?金が欲しい、地位が欲しい、権力が欲しい、ルメーユが欲しい…」
 悪魔はキリウスに詰め寄ると、腰を落として彼の顔を覗き込んだ。
「どうしようもなく貧乏で、甲斐性もなく、不潔で汚らわしいネズミのようだったあなた。毎日のように窓際に立つルメーユを眺めてたわ。不相応なの

に、絶対に手の届かない高嶺の花なのに、どこまでも無駄で虚しいだけのに激しく彼女を求めてた」
 悪魔はしゃがむとキリウスの手を取ってぎゅっと両手で握った。
「とても素敵だったわ。あなたならきっと出来ると思ったの。そう、予想以上よ!あなたはその欲望で神の運命を大きく塗り替えた!」
 キリウスは震えていた。わなわなと震える唇で何とか言葉を吐いた。
「何の、ために?」
 悪魔はにんまりと笑った。口の端を大きくつり上がらせて、言った。
「別に何も」
 キリウスは呆けたような顔で悪魔を見ていた。その反応が面白いのか悪魔はくくっと笑った。
「馬鹿な、目的がないわけがないだろう」
「うーん、そうねぇ。強いて言うなら神を冒涜できればそれだけで良かったのよ。私たち悪魔は神の力に影響を及ぼせない。だけどあなた達人間の力を

借りれば話は別ってことね。何せ、人間は神が創ったんだから。自分で作った粘土人形に指を噛み切られる気持ちってどんなのかしらね。ふふふ」
「そんなことの為に…ジネットを…」
 全てを知って絶望したのか、キリウスは力なくうな垂れた。
「もう!だから娘さんを殺したのは私たちじゃないってば。あなたさえ余計な欲をかかなければ、娘さんは死なずに済んだんだから!あ、それじゃ生ま

れてもこないわね。あはは」
「何が可笑しい!」
 座り込んだまま、握りこぶしをぎゅっと握り、キリウスは俯いたまま吠えた。
「さっきから笑っているが、人が苦しんでいる姿がそんなに面白いのか!」
「ええ、面白いわ。とっても。本当は自分のせいなんだって気づいてるのに、人のせいにしたがってる所とか本当に滑稽ね」
「何だと」
 顔をあげたキリウスの前にあの悪魔は居なかった。奴はいつの間にか彼の背後に回っていて、彼を背中から抱いて耳元でささやく様に言った。
「最近奥さんと愛し合ってないんでしょ。そんなに彼女の顔を見るのがつらいの?何でつらいのかしら。自分のせいじゃないのに、おかしいんじゃなく

って?」
 ぞくぞくとする感覚にキリウスは身を強張らせた。息がくすぐったいのではない。背後から抱かれた身体に、無数のミミズが這い回っているかのよう

なおぞましさのを感じていた。今振り向いても、奴は女の姿をしているのか。
「薄々感じてたんじゃないの?娘さんを殺したのは自分かもしれないって。その通りよ。娘さんを殺したのはあなたよ。彼女という存在を生んだのはあ

なた。死なせたのもあなた。あなたは何も知らなかった、でも知らなかったからと許されることじゃないわ。今までにこう思ったことは無い?『こんな

にも苦しむくらいなら、いっそ生まれてこなければよかった』って、娘さんも死に際にそう思ったはずよ。あんなにぐちゃぐちゃになっちゃったんです

もの、さぞかし苦しかったでしょうね」
「このっ…」
 そう言いながら、キリウスは僅かな身じろぎも出来なかった。
「もっと早く自分の今の立場がおかしいことに気づいていれば、私に会いに来てさえいれば、娘さんを死なせずに済んだのに。そして奥さんも」
「まさか妻も…」
「修正に例外はないわ。当然影響を受けるでしょうね。救う方法はただ一つ。別の欲望の持ち主に彼を譲ること。そうすれば、新しい宿主の欲望の力で

今の運命はしばらくは維持される」
「なら、こんなベルトは今すぐお前にくれてやる」
「あらあら、それは駄目よ。彼は自分の意思で次の主を選ぶの、幸いもう気に入った人は居るみたいね。だけど、その前にあなたにやって貰わなくちゃ

いけない事があるの」
「何だ」


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