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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

864 白猫 :2009/11/03(火) 00:10:02 ID:qlUN4Kp20

私の力は弱い。
レティアの力は雪ではあるが、正確には「温度」だ。ただ彼女の力が、温度を上げるよりも下げる方が上手かっただけ。
もっと彼女が温度を上げる方に才能を持っていれば、今頃私は丸焼きになっていたかもしれない。雪達磨にされた回数は覚えてはいないが。
私の雷がすべて無効化されるのは単純な理屈だ。空気には電気を通しにくくする「抵抗」がある。
それを無くし、空気もなにもない「真空」にしてしまえば電気はそこを流れていってしまうというわけだ。
レティアは周辺の空気の温度を極端に下げることで空気の圧力を下げ、擬似的な「真空」を作り出す。
もちろん、そんなもの真空には程遠い。だが、電気はより流れやすい方へと流れてしまうのだ。
例えできそこないでも、圧力が下がり抵抗が低くなった方へ、電気は自然と誘導されてしまう。
なら、どうすればいい? 簡単な話だ。
抵抗など一切合財無視した、超電圧の電撃を叩き込んでしまえばいい。
出来るはずだ。電気の力を操るのは、町で私が一番上手なのだから。
だが、私はまだ12歳の子供。高電圧の電撃を生み出すほどの魔力は持ち合わせていないし、そもそも自分は魔法に向いていないことを知っている。
なら、どうすればいい? ――今度も簡単な話だった。


雷と同じ理屈だ。
雷は、大ざっぱに言えば雲の中に生じた氷の塊がぶつかり合うことによって生まれる「静電気」。
静電気なんてものは、冷えた冬の日に鉄製のものに触るだけで生じる些細なものだ。なんら難しいことではない。
だが、何を摩擦させる? 単純な話だ。寒い冬の日に、外に大量にあるもの――雪の結晶だ。
ほんの少しでも電力が生まれれば、後はそれを基にさらに多量の電力を生み出す。それを幾度となく、幾度となく繰り返す。
私は、これを「チャージング」と名付けた。魔術師たちが、高等な魔法を使用するための準備魔法だという。私も随分大それた名を付けたものだ。
生み出した雷は、全て槍へと集中させる「付加魔法」とした。雷の槍、ライトニングジャベリン。格好良いじゃないか。
この術が完成した日、私は確信した。これで、連敗生活ともおさらばだ、と。


が、私の野望は結局、二度と果たされることはなかった。
レティアは私が術を完成させるしばらく前に、彼女は両親とともに故郷へと帰って行ってしまったのだ。
十一勝十七敗、四連敗のち勝ち逃げされる。
この不名誉な戦績を、私は死ぬまで忘れることがはないだろう。




それからあとのことは、断片的にしか覚えていない。

両親に連れられ、砂漠を越えるルートからゴドムへと入った。

古都ブルンネンシュティングでカナリアの庇護を受け、警備隊の試験を受けた。精神鑑定で落ちた。前代未聞だったらしい。

カナリアに無理を言って裏口入隊させてもらった。前代未聞だったらしい。

若干十五歳で警備隊の隊長となり、「ブルンの守護神」と呼ばれるようになった。前代未聞だったらしい。

両親が戦死した。大規模な攻撃作戦が裏目に出たと聞いた。父の遺言通り、私は涙一滴流すこともなかった。

クソ生意気な魔法使いが入隊してきたのでイジめ抜いたらいつの間にか副隊長になっていた。生意気な奴め。

戦時中だったこともあってか、カナリアが死んだ。妻と妹も一緒に死んだらしい。長男だけが無事だった。

数年後、その長男が入隊してきた。あっという間に部隊長になち「ブルンの影狼」と呼ばれるようになった。前代未聞の早さだったらしい。

影狼がたった一人のゴロツキから一晩で盗賊団のアジトを割り出して潰してしまった。私がいなければ前代未聞だった。

大戦が終結してからしばらくして妙な小娘が影狼の傍にくっ付くようになった。あいつもまんざらでも無さそうだった。

古都に来てから初めて外に出た。さして感動もなかったが魔法使いが生意気だったので殴った。

大戦の首謀者「ルヴィライ=レゼリアス」と遭遇した。大陸全土の戦の引き金と言ってもいい大罪人を目にしたが、さした感動も無かった。

私の雷の槍が、初めて負けた。まだまだ修行不足だということを痛感した。小娘がとんでもない化け物じみた力を持っていた。

「常雪の山」でとことん鍛え直した。魔法使いがひょこひょこついてきたのでケツを蹴りあげた後ついでに絞り上げた。

影狼がルヴィラィ=レゼリアスを倒した。私もリベンジを果たせてすっきりした。

妙なテイマーと愉快な仲間たちと知り合った。影狼はホントに知人多いわね。


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