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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

825803:2009/07/30(木) 16:00:43 ID:jbYrN6dg0
「俺の名前はシャーモンテル。まぁ見張りみたいなものだ。さて、本題に入ろう。
実は、北西に倉庫があるんだ、我々のな。槍とか、食料とか、まぁ色々だ。
でな、その倉庫に、洞窟狼が食料に釣られて住み着いてしまってな。そしたらなんと我々コボルト一族に
病気が蔓延してしまったのだよ。きっとあの狼が原因だ。君たちに余裕があるなら、そいつを倒して欲しい。」

そう提案され、僕らは一瞬考えた。魔物の頼みを聞いても良いのだろうか。
だが、此方を攻撃する様子は全くない。聞いてみる価値はあるだろう。僕らは承諾した。
その後僕らは、少し前にあった分岐点を右に進み、倉庫に到達する。
途中アヤが目つぶしの罠にかかってしまったが、少ししたら見えるようになったようだ。

倉庫にたどり着くと、鍵がかかっていた。鍵など持っていないので破壊する。
そうして中にはいると確かに狼がいた。舌を伸ばし、緑色の体液がたれ、まるでゾンビのような……
これ以上描写するのはきつい。勘弁して欲しい。
さて、敵はというと、動きも速いし、攻撃力も高そうだ。あのよだれは地面を溶かしているしな。
狼は此方に気づくと威嚇してきた。こちらも身構える。一瞬の沈黙。そしてすぐに

「おりゃー!!」

とアヤが叫び突っ込んでいった。あのときの二の舞だけは起こすなよ。今日はポーションがないからな。
アヤが槍を突き出す。深々と突き刺さる。だが狼はひるまない。何という強靱な肉体。
狼はアヤが槍を引き抜くと同時にアヤに飛びかかる。だが、やらせはしない。
僕は脚に力を込めると、そのまま狼にジャンプしながら斬りかかる。
ザンッと気持ちのいい音がなる。手応えありだ。これなら奴も………
と思ったのだが、全く違った。あれだけのダメージを受けても奴はひるまない。

「し、しまった!!」

あのときはアヤ、今回は僕かい?この攻撃は避けられないな。もう間に合わない。
だが、生存本能で僕は逃げようとしてしまう。案の定身体が付いていかず
体のバランスが崩れ、倒れる。間違いなく終わりだ。そう思った………が
視界の外から飛んでくる炎の弾。それは狼にぶつかると燃え上がり、狼を火だるまにする。

「グウォオオオォオオ!!」

これは効いたのだろう。狼は転げ回る。

「全く、油断しすぎだぜ。やっぱりレベルが高いだけなのか?」

その言葉に、振り向くとジュンが立っている。ジュンの杖の先端は炎がともっている。
今の炎の弾はジュンが放った物だったのか。命拾いした。僕は素直に感謝の言葉を述べる。

「ごめん。危なかった。お前がいなきゃやられてたよ。ありがとう。」

ジュンは狐につままれたような顔をしたがすぐに

「俺がいないと何も出来ないんだな。全く、あきれるぜ」

と悪口を言ってきた。だが顔は穏やかに笑っている。僕も笑う。
何だ、案外いいやつなんじゃないか。お前なら背中を任してもいいかも知れない。
と、そのとき、狼は雄叫びを上げる

「ガオオオオオオオオ!!!」

雄叫びと共に酸の混じったよだれが飛び散る。

「きゃあああ!あつ、あつい!!痛いよ!!」

アヤの悲鳴だ。ちきしょう。身体が焼けるように熱くて動けない。
目がやられないよう、腕でかばいながら周囲を見渡す。と

「ジュン、何してるのよ、私をかばうなんて。格好つけてんじゃないわよ!!」

ジュンがリアーナに覆い被さっていた。ジュンはあの短い間にリアーナをかばったのか………
情けない。僕はアヤをかばうことなんて出来なかった……………。
そのとき、アヤの雄叫びが聞こえる。

「うりゃあーーー!」

酸を浴びて、それでも立ち向かうのか。冒険者の鏡だな。
狼はあっけにとられたのか微動だにしない。
そのままアヤは突き出す………突きなんてものじゃないな、これは。
脚に力を入れ、腰を捻り、弾力を加え、その勢いを利用して槍を敵に突き刺す。
なんていったっけ?ラピ…………ラピ何とかってやつだ。
その疑問は攻撃を繰り出した本人が解決してくれた。

「食らえ!ラピッドスティンガー!!!!」

技の名前を叫ぶなんてどんな必殺技だよ。だが威力はバカに出来ない。

槍は狼をいとも簡単に突き抜ける。血を吐き出す狼。アヤにかからなくて良かった。酸が混じってるもんな。

「ギャアアアアアアウウウオオオ!!!!」

狼は最後の断末魔を叫ぶとそのまま動かなくなった。


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