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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】
373
:
黒頭巾
:2008/07/25(金) 17:47:42 ID:fou9k2gM0
白猫さんの最終章を読んで、狂気愛に妄想広がりまくりんぐで書き上げましたモノを投下していきます。
ネクロは若葉までしか育てた事が○ございません、なので…若干怪しい部分はお見逃し下さいませ。
**************************************************
……君は、金色の綺麗な鳥。
僕が君をどれだけ汚しても、その心は綺麗なままで。
ねぇ、綺麗な鳥は此処から逃げない様に、綺麗な鳥籠に閉じ込めてしまおうか。
でも、やがてはそれだけでは安心出来なくなって。
蓋が開いても飛び去ってしまわない様に……その羽を、折った。
嗚呼、やはり……輝く君には、瞳と同じ血の紅が、とてもよく似合う。
【トリカゴ】
――安心して、貴方を置いて何処にも行かないわ。
訪れる人も少ない地下墓地に響く声。
父親と恋人の仇だった悪魔の亡骸の前で、僕の目線に合わせて膝をつく君が囁いた言葉。
目標を達成してしまった君が、僕を裏切り、離れていってしまうのでは?
そう怯える僕の目の前で、宥める様に繰り返す君。
――私の帰る場所は、もう貴方の傍しかないの。
ただ、ただ、幼い子どもに言い聞かせる様に囁く君の言葉。
そんな君の言葉への僕の返事は、地下墓地の空気の様に冷たい響きで。
「君まで僕に嘘をつくの?」
その一言だけで、僕は君の言葉も気持ちも一蹴する。
だって、僕は不安で不安で仕方がなかったんだ。
最初の言葉と共に笑った君の笑顔はとても儚く、今にも消えてしまいそうだったのだから。
仇討ちを果たす為に永遠の命をあげると偽り、君が離れていかない様に君の命の燭をそっと消して、君を偽りの永遠に囚われしアンデットにしたのは……他でもない、僕自身だというのに。
――如何したら、信じてくれるのかしら?
哀しそうに苦笑した君。
嗚呼、本当は君にそんな顔をさせたい訳じゃない。
それなのに実際は、君の心を傷つけて、また傷つけて。
その傷を時には舐めて、時には爪を立てる。
願わくば……僕の存在を、君が忘れてしまわない様に。
辛く甘い痛みを伴う消えない傷を……身体に、心に、刻み込む。
不器用な僕は、それ以外の方法なんて知らなかったし、出来なかった。
君は“優しい”から、そんな僕を振り払えない。
甘やかすだけが、本当の優しさではないのに。
僕達の関係は、お互いの傷を嘗め合い、刳り合う関係。
それでも……君と離れたら、他の誰が僕を理解ってくれると言うのだろう?
だから、僕は君を離さない、離せない。
「……おいで」
言葉と共に手を差し延べると、安心した様に微笑んで手を延ばす君。
その手を引き、君を優しく抱きしめる。
「綺麗な君に、僕の永遠の愛を贈ろう……」
でも、その言動とは裏腹に、僕の口から続けて紡がれたのは……“君の心を牢獄に閉じ込める呪文”だった。
「《マリオネット》」
絶望に見開かれた君の瞳から、意思の光が消える。
その頬を伝った一筋の滴は……涙である筈などない。
だって、そうだろう?
アンデットが泣くなんて、僕は聞いた事がない。
そう雑念を振り払おうとする僕の前に傅いた君が、今までと違った無機質な声音で言葉を紡ぐ。
――ご命令を、マスター。
綺麗な綺麗な君は、ずっとずっと僕の傍にいて、僕だけを見続ければいい。
君の頬を撫でながらそう命令した僕は、これで君と永遠に共にいれる安堵感を得た。
それでも……大切な何かが掌から零れ落ちてしまった様な喪失感を、拭い去る事が出来なかったけれど。
そう、これは……とあるネクロマンサーの従える魔物が、朽ち果て骸骨になる前の……昔々の、物語。
トリカゴ.....fin.
**************************************************
うっかりダーク分だけが暴走した黒頭巾による、♂ネクロ×ランサ短編(待って)
マリオネット、本当は時間制限スキルだけど気にしない^p^
あの頭の上のピコピコ棒とちっちゃい骸骨が動くのが可愛くて可愛くて堪らんとです(じゅるり)
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