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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】
350
:
スメスメ
:2008/07/15(火) 00:24:51 ID:ddy6MTJU0
「……眩しい」
朝日が部屋に差し込み私の顔に当たり、窓からの少し冷気を帯びた風が顔を撫でていく。
ここは古都ブルンネンシュティグのとある社員寮。
ここで自分は寝食を仲間と共にしています。
寝食を共にと申しましても各部屋には調理場がありますので大概の住人は自炊したりしています。
「それにしても懐かしい夢でしたね」
「んー、何が?」
「いえ、久しぶりに子供の頃の夢を視たものですから、少し感慨深くなっていたのですよ」
…ん?
ここは私の部屋。
ですから自分以外の人間が居る事などあり得ない訳でして…。
ふと自室のテーブルに目を向けると、側にある椅子にややもたれながら座りガツガツと忙しなくテーブルの上にある皿の食事をかき込んでいる二人組が…。
一人は白いポニーテールにカッターシャツを着ている少年、もう一人は金髪の綺麗なミニドレスを着ている少女だ。
「……何をしているんですか、アル?」
そう問いかけると少年の方が、事も無げに答える。
「朝飯食ってる」
そう、悪びれもなく答え腕をピッと上げ軽く挨拶すると彼はまた口の中にモノをいれモグモグと動かしだした。
「いや、あのですね。私はどうして私の部屋に勝手に入り込んで食事をしているのかと聞いているのですが?」
「腹が減ったから」
……もういいです。
大体彼はいつもこうだ。
突然ふらりと勝手に部屋へ入ってきて「泊めて」だとか「何か食べさせて」だとか勝手気ままなことを言い出す。
それもまだ許可を求めてくるだけマシで、酷いときは今回のように許可無く居座ってしまう。
しかも必ずと言っていいほど問題事を抱えてくるのですからこっちとしては迷惑千万ですよ。
「分かりました、では朝食を取ったら出ていって下さいね。私は仕事なんですから」
「そんなツレない事言うなよぉ、『お兄ちゃ〜ん』♪」と言う猫なで声が耳に障る。
「都合の良いときだけ弟面しないで下さい」
……申し遅れました。
私の名は、クニヒト=エヴァーソンと申します。
非常に、不本意ではありますが、この愚弟の兄です。
「いや、今日はマジで相談に来たんだよっ」
「ほぅ、勝手に人の部屋にあがり朝食をとっている事が『相談』ですか?」
「こ、これは……。あの子がお腹空いたって言うからさ、今のオレで連れていける所なんてここ位だったんだよ」
少し詰まって出た言葉からはいつもの様なフザケ口調では無く何処か力がなかった。
どうも少し様子がおかしいようですね。
まぁ、変なのは今に始まったことではないですけど。
「朝食の件は今に始まった事ではないにしても、そちらのお嬢さんについても、勿論教えていただけますよね?」とアルの対面の椅子に座り口一杯に食べ物を頬張っている少女の方を見た。
アルは少し黙り、そして珍しく神妙な面もちで先日起こった出来事を話し始めた。
どうやら核心を突いたみたいだ。
フローテック氏の依頼を受け、地下墓地へバインダーの討伐に向かった事。
バインダーの祭壇で襲われそうになっていた少女、キリエを助けた事。
バインダー討伐中に彼の友人であるアイナーと出会い、襲われた事。
キリエが剣に変身できる特殊な力がある事。
何とか助けようとあの『技』まで使ってアイナーを止めようとした事。
結果としてアイナーに太刀打ちできず、殺されると思ったが通りすがりの旅人に助けられた事。
「……大体は理解しましたが一つだけ腑に落ちませんね」
話を聞きながら淹れた紅茶を自分のカップに注ぎ、食い散らかされたテーブルに浅めに腰を下ろしアルを見る。
すると何で?と言わんばかりな顔で首を傾げた。
「その旅人ですよ。恐らくアナタの負っていた傷を治したのは魔術以外には考えられない。よく考えてみて下さい、今のご時世に、魔法を使える人なんて、そうそう居ません。仮に使えたとしても、『自分は魔術師だぞ』と正体を明かす人間は居るはずがない」
「あ……」
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