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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

311復讐の女神:2008/07/08(火) 02:31:53 ID:Raw2JgF20
「はは、しょうがないさ。契約期間が過ぎたら自由に移籍できるんだし、そのときに声かけてくれよ」
 話は終わったと、立ち上がるラディル。
 ラディルは所属ギルドの副ギルドマスターをしており、なかなかの人望を集めている。そのため、普段はそれなりに忙しい人なのだった。
「まあいいや。とにかく、また情報が集まったら渡すよ。じゃあな」
 店を出て行くラディルを見送り、ジェシとテルは向き合った。
「まさか、あなたもラディルに情報を集めさせているとは思わなかったわ」
 テルが何かを探しているそぶりを、何度か目撃していた。確かにお金を集めているようすもあるが、それが一番の目的とは思えなかった。
「うん? あぁ、うん。そんなつもりじゃなかったんだけどねー。前に街で会ったときに少し話したら、調べておいてやるよって…」
 落ち着かなさそうに手をもじもじさせて、恥ずかしそうにうつむいているのが卑怯だと思った。
 テルもまた、ラディルに恋しているのだろう。
「さて、もらうものももらったし、依頼主のところへ行きましょうか」
 ジェシが立ち上がるのに続いてテルも立ち上がる。
 もともと今日は、依頼を受けに行くために出たのだった。
 掲示板で依頼を選んだときに偶然ラディルと会わなければ、今日情報をもらうことはなかっただろう。
「護衛や荷物運びの依頼多かったよね。いつもあんななの?」
「そんなことないわよ。むしろ、普段は少ないくらいなんだけど」
 キャラバンを襲う盗賊や山賊のたぐいは、それほど多くはない。上級モンスターを倒したほうが、お金になるからだ。
 そもそも、キャラバンを営む人間の多くが、元冒険者だったりするため、簡単な魔物程度なら自分で追い払うことができる。
 そのため、護衛の仕事は楽なものという認識があり、人気は高い。
「賞金首効果かしらね」
 賞金首が出たということは、それだけ物騒であるということにほかならない。
 それだけで、説明は十分であろう。
「んでもさー、ジェシ。この依頼って…ちゃんと見た?」
 ジェシにはしては珍しく、依頼内容を詳しく見ていない。
 護衛の依頼を避けて探したため、良い条件のものが少なかったのだ。依頼は無限にあるわけではないので、よさそうなものを見つけて、
さっさととっただけであった。
 だから、テルの「いいのかなー」というつぶやきも、ジェシはあまり気にしていなかった。


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