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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

300憔悴:2008/07/07(月) 08:54:45 ID:Wv5HCA4E0
リンケンから出、総帥に任命されてからはこの組織が共有している館の数個ある内の1つに住んでいた。
特に、この総帥室があるB棟は一番格が上だった。
何故かリーネもここに住んでいた。
「貴方はなぜB棟に住んでるんですの?入ったばかりなら高くてもD棟でしょう?」
聞いた話によると、ロンサムがリーネをたいそう気に入り、その上誰とも接点を持ちたがらないチェルに軽々と話しかけているため、組織のお偉いさんが此処に住まわしたらしい。
(私は話してないのですが…というかロンサムはロリコンだったのですわね…)
そして、B棟中央ホールに来ると、もうロンサムを始めB棟の捜査委員が集まっていた。
「遅いですよ、総帥…今日は8時から話がある、と言っておいたでしょう」
「最近誰か様のせいで寝るのが遅くなって…申し訳ありませんわ」
ぎくり、とリーネが反応し、ロンサムの後ろに隠れる。
「だって、だって、みんな9時消灯だから、怖くて、チェル姉の部屋で遊びたくなるんだもん!」
「じゃあ今度から僕の部屋で遊びます?」
「…それで、話というのは?」
ああ、と思い出したように手を叩くと、
「私の知り合いにボニーという者がいまして。そいつがリーネちゃんから聞いた、職と髪の色が違う者かな、と思いまして」
異種職。
極稀に、2つの職の技術が使用出来る者。
そして、大半は姿の職と髪の色が異なる。
例に、薄緑色の髪をしたテイマー、桃色の髪をしたプリンセス。
「その、ボニーさんの職はなんですの?」
「シーフでして、髪の色は金なのですよ」
シーフにて金髪。
きっと、他の技術も使えるに違いない。
「そして、そのボニーの住んでいるところがバリアートなのですが…」
バリアート。
西方を山に囲まれた、静かな村。
東には誰も奥まで言ったことのない洞窟がある。
中には竜の子孫がいるだとか…
「それで、どうしましたの?」
「その、東にある洞窟から、今までは外へ出てこなかった竜の子孫が、少しずつバリアート方面に出てきているのです」
この報告には吃驚を隠せなかった。
街などにはロマからダメルまで、ウィザードによるモンスターの入れないように、ポーターが置かれているのだ。
そのため、街にモンスターが現れた例は今まで一度も無い。
「それは…洞窟に何か異変か、もしくはポーターが壊れてしまったのかしら」
「分からないです。この間、1度バリアートに竜が入ってきたそうです。そのボニーを中心に退治されたらしいですが…バリアートと洞窟の間にある沼には、もう竜が倒してもきりが無いほど居るらしいのです」
「それの退治依頼なのですの?」
「いえ、沼の色もおかしいですし、きっと何か洞窟にあったに違いないので、組織から数人、調査に来てほしいということです。ボニーに会いたいのなら総帥も一緒にいきましょう」
洞窟からあふれ出す沼の変色。
竜が洞窟から外へ出る異変。
それは…きっと、鬼による何かだと、チェルは確信めいていた。


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