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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

268白猫:2008/07/05(土) 22:25:34 ID:W4Rh7kXM0
イグドラシルは一階一階が異様に広い。ムームライトが飛んで戦うことに、何の不便も無いようにだろうか。
が。
 「 『 ノヴァ 』 」
ルフィエの前方で生み出された光弾が、無造作に一発ムームライトへと放たれる。
その光弾の瞬きを見やり、ムームライトは即座に術へと意識を向ける。
ムームライトの能力の一つ。[術の支配]。
相手の攻撃魔法であろうが防御魔法であろうが、ムームライトの前は全てが無意味となる。
 【さぁて――お返しだ】
そう言うが早いか、ムームライトはノヴァの軌道を操り、ルフィエへと放つ――

寸前。
 「 遅い、ですよ 」
既にルフィエは、ムームライトの背後へと飛翔し、追い付き、その手をムームライトの背に翳していた。
 「 『 スーパーノヴァ 』 」
 【ッ】
それを見やったムームライトは、しかし笑みを浮かべる。
自分の背後を取ったのは何人目だろうか。プリファーほどではないが、自分も速さをウリとする傀儡。背後を取ら

れたことなど滅多になかった。
 【いいねぇ、ッだりゃァ!!】
ルフィエが術を放つ寸前に、その背後へと回り込み蹴りを放つ。瞬間的に移動速度を高める[陣風]――多くは使え

ないが、四の五の言ってられる場合ではない。
信じがたいことだが、彼女の速さは――プリファーにも匹敵する。自分では恐らく止めることもできない。
パペットから力を受け取ったといっても、所詮ヒトの成り損ない――此処までが限界なのだろうか。
そう、一瞬の間だけ、弱気になった。
 「 ……雑念と戦う前に、目の前の敵と戦いなさい 」
その、一瞬。
その一瞬でルフィエは、ムームライトの左の翼に光り輝く鞭を絡ませていた。
 「 ッヒュ! 」
その鞭を軽く払い、ムームライトの身体を壁へと叩きつける。途端に上がる鈍い音に、ルフィエはさらに光弾を数

個、生み出す。
それらをムームライトへと放ち、両の手を開いた。
 「 ――おやすみ 」
ムームライトが起き上がる寸前、それらの光弾は全て彼女に直撃し、凄まじい爆発を巻き起こした。
その爆発の中、紫色の瞬きが一瞬それらを押し退け、しかし白の怒涛に押し込まれ、消えた。


 【一体脱落……残ル傀儡ハ、九体】
 「……ムームライト、か。やっぱり弱い者から殺されてゆく。この世の哀れな法則ね」
灯されている十本の蠟燭、そのうち一つが消えたのを見、パペットとルヴィラィはそう言葉を交わす。
彼らが突入してきてから、まだ数十分しか経過していないはず。
それなのにもう、一体の傀儡が倒された。あまりに呆気無く。
やはりあの二人――ルフィエ=ライアットとネリエル=ヴァリオルドは、以前に比べて格段に強くなっているよう

だ。
 「あの子たちは、今何所?」
 【地下ニ、イル。ダケド、ルフィエ=ライアットガココニ来ル方ガ、傀儡タチヲ呼ビ戻スヨリモ速イ】
 「そう」
パペットの言葉にあまり関心を持たず、ルヴィラィはすっと立ち上がり、言う。
 「さて――私も、参戦ね」


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