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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

185白猫:2008/06/07(土) 19:11:41 ID:rOHiPurc0

後日。

ラグナロク発動まで、残り240日。
最近では常に紅色の衣を被っているネルは、早くも再建の開始された本邸の骨組みを見ながら溜息を吐く。
本邸には貴重な武具、宝石が大量に保管されていた故に、被害総額は千億を超えるかもしれない。
が、"それよりも"。
 (マイの"あれ"は、本当に正しいんでしょうか……)
マイからの"情報"――とある人物の居場所。
残り八ヶ月、自分はこれから此処へと向かう。
しかし、どうして。
 「……スバインの廃墟、ですか。遠いですね」
が、確かに"彼"はああいう場所を好んで、勝手に住み着いて勝手に自分の土地にする。
そう言えば、以前はアベルのキャンプを占拠して冒険者たちが泣きを見ましたか。
そこまで思い出し、ネルは大きなバッグを肩に番えて言う。
 「では、留守を任せましたよカリン」
ネルの言葉に小さく頷いたカリンは、少しだけ目を細めてから、ネルへと呟きかけた。
 「……小娘もブリッジヘッドへ修行、お前はスバインか。私も鍛え直すとするか」
 「そうして下さい。八か月後に鈍った腕で戦ってもらっちゃ困ります」
ネルの言葉にフンとだけ返し、カリンは踵を返し、第二邸の方へ歩いて行ってしまう。
その口からほんの小さく、聞き取れないほど小さい言葉が紡がれるのを、ネルは聞き逃さなかった。
 「…行ってらっしゃい」

 「…………行ってきます」







 「ちっがーうッッ!!!!!」
 「ごめんなさいッッ!!!!」
怒鳴るマイに必死に謝りながら、ルフィエは薬品を棚へと戻す。
ブリッジヘッドの、マイの元へ訪れたルフィエは早速[唄]についてマイから教わり始めた。
最も、最初の方は殆どが薬品の整理や魔方陣の書き直しや部屋の掃除。唄のうの字も学ばない。
だが、ルフィエは分かっていた。
"マイは、決して無駄なことはさせない"。
事実、何故かは全く分からないが、毎日毎日少しずつ、仕事をするたびに自分の魔力の限界値が上がっているのを感じているのだ。
此処にいれば、もっと強くなれる。
自らの母の罪。
それは自分の罪のも等しい。
ネルが鬼道を進むというのなら、自分もその道を進もう。
それは誰に強制されたわけでもない、自分の選んだ道。
そう。
 (もう、逃げない)







 「カリアス……行くわよ」
 「へい……全力で来てや、アーティはん」
アリアンのさらに西、何処までも続く大砂漠の一角。
そこで武器を構え合うアーティとカリアスは、互いに魔力を充填しながら距離をジリジリと縮める。
ルフィエからの伝書鳩によれば、240日以内に今の"倍"強くなれ、とのことだった。
全く、今の実力を築き上げるだけでも数年かかったというのに、240日でそれを倍とは無茶を言う。
が。
 (そうでもしないと、)
 (そうでもせんと……)

   ((ルヴィラィは倒せない))
そして、一跳。
アーティの紫電とカリアスの氷柱が、砂漠の中で激突し、大爆発を起こした。


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