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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

161黒頭巾:2008/06/03(火) 21:16:47 ID:fou9k2gM0
◇―― リレー企画 ――――――――――――――――――Red stone novel[3/6P]

「……さて、此処まで来ればいいでしょう」

振り返ったネルが、プリナスに向き直る。
その理由は簡単――彼女からは普通ではない“何か”を感じるのだ。
普段なら見逃してしまいそうな程に微かなモノだが、彼女は先程のあの騒動で“自分達ですら感知
出来なかった速度”で動いていたのだ。
確かに集中してみれば、彼女に対して違和感を感じる事が出来た。
胸元の[エリクシル]が、自分の本能が、警鐘を告げる――例えるなら、隠しても漏れてくる彼女の
圧倒的なまでの“存在感”。
先の大戦の敵の大将も凄くはあったが、目の前の彼女はそれともまた“違う”。
色々な修羅場を潜り抜けたネルであったが、こんな人間は他には“知らない”。

「……あなたは、“何者”ですか」

警戒も顕に、ネルは問う。
どうせ、隠しても目の前の相手には通用しないだろう。

「人間、よ」

苦笑して答えるプリナスに、眉を一つ上げて再び問い掛ける。

「“普通の人間”ではないでしょう」
「それを言うなら、あなた達も“そう”じゃない?」

返された言葉に、ネルは如何答えればいいのか一瞬迷った。
見るに、目の前のプリナスは問答を楽しんでいる風でもある。
このままネルが望む答えをくれるつもりはないのだろう。
ネル達もまた、出会ったばかりの彼女に一から説明するつもりもない。
つまりは、平行線。
ネルは溜息をつき、あからさまな警戒を解いた。

「……全くですね。僕としたことが、愚問でした」

それでも、頭の何処かで常に小さく警戒をする事だけは怠らない。
元警備兵としての、冒険者としての、そして――先の大戦を潜り抜けた戦士としての癖のような
ものなのだから、仕方がない。

「見れば見る程、綺麗な人だね……こんな綺麗な人、いるんだ」

……ただでさえ、共に旅をする大切な相方がこんなに暢気なのだから。
その相方――ルフィエのの言葉に、ネルの口から自然と溜息と呟きが毀れた。

「神格化したルフィエの美しさも、負けないとは思うんですがね……」

ポーっとプリナスを眺めるルフィエには、そんな呟きは聞こえなかったようだが。
そんな三人の背後、遠く呼び子が鳴る。
また何か問題でも起きたのだろうか。
昔と比べて復興が進んだ古都は、人が増えた分だけまた、騒動も絶えないらしい。


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