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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

1 ルイーダ★ :2008/05/03(土) 01:08:47 ID:???0
【重要】以下の項目を読み、しっかり頭に入れておきましょう。
※このスレッドはsage進行です。
※下げ方:E-mail欄に半角英数で「sage」と入れて本文を書き込む。
※上げる際には時間帯等を考慮のこと。むやみに上げるのは荒れの原因となります。
※激しくSな鞭叩きは厳禁!
※煽り・荒らしはもの凄い勢いで放置!
※煽り・荒らしを放置できない人は同類!
※職人さんたちを直接的に急かすような書き込みはなるべく控えること。
※どうしてもageなければならないようなときには、時間帯などを考えてageること。
※sageの方法が分からない初心者の方は↓へ。
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1117795323.html#562


【職人の皆さんへ】
※当スレはあくまで赤石好きの作者・読者が楽しむ場です。
 「自分の下手な文章なんか……」と躊躇している方もどしどし投稿してください。
 ここでは技術よりも「書きたい!」という気持ちを尊重します。
※短編/長編/ジャンルは問いません。改編やRS内で本当に起こったネタ話なども可。
※マジなエロ・グロは自重のこと。そっち系は別スレをご利用ください。(過去ログ参照)


【読者の皆さんへ】
※激しくSな鞭叩きは厳禁です。
※煽りや荒らしは徹底放置のこと。反応した時点で同類と見なされます。
※職人さんたちを直接的に急かすような書き込みはなるべく控えること。


【過去のスレッド】
一冊目 【ノベール】REDSTONE小説うpスレッド【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1117795323.html

二冊目 【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 二冊目【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1127802779.html

三冊目 【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 三冊目【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1139745351.html

四冊目 【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 四冊目【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/19634/1170256068/

五冊目【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 五冊目【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/19634/1182873433/

六冊目【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 六冊目【SS】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/19634/1200393277/

【小説まとめサイト】
RED STONE 小説upスレッド まとめ
ttp://www27.atwiki.jp/rsnovel/

2 ルイーダ★ :2008/05/03(土) 01:09:44 ID:???0
【付録】
●BBSの基本仕様
 ※投稿すると以下の書式が反映されます。投稿前の推敲・書式整形にご利用ください。
 フォント:MS Pゴシック/スタイル:標準/サイズ:12
 投稿制限:1レス50行以内(空行含む) ※これを越える文は投稿できません。



●フランデル大陸史 ※三冊目139氏の投稿より(一部表現は改編)
 ※ほぼゲーム内設定に忠実なはずです。そのまま使うなり参考にするなりお好みでどうぞ。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
4423年…「赤き空の日」※RED STONE降臨。
4556年…追放天使がRED STONEの噂を広める。
      噂の真相を調査していたエリプト帝国が悪魔の襲撃により滅亡。
4658年…エリプト滅亡後、同帝国の生き残り(傭兵等)をブルン王室が雇い入れ、王室の直轄機関
      となる『レッドアイ』を設立。
4805年…『レッドアイ』会長失踪。ロムストグバイルの書記にて詳細判明。※資料1
      同年――ブルン国王アラドン失踪。
4807年…『レッドアイ』がRED STONEを発見。
      同年――バルヘリ・シュトラディヴァディの暴挙によりブルン王国が崩壊。
      ※『シュトラディヴァディ家の反乱』
4828年…共和国主義を唱えるバルヘリに対し、自らの地位を危惧した貴族らがバルヘリの母方で
      あるストラウムを持ち上げクーデターを企てるも失敗。貴族たちはビガプールに亡命し、
      トラウザーを王に立てナクリエマ王国を建国。混乱のまま戦争は終結。
      古都ブルンネンシュティグに残ったバルヘリはゴドム共和国を起こす。議会政治開始。
4850年…ナクリエマ王権を息子バルンロプトへ移しバルヘリ隠居、後年死亡。
4854年…バルンロプトは貴族の政治介入を疎んじ、貴族に対し『絶対的弾圧』を行う。
4856年…王の圧政に耐えかねた貴族たちはバルンロプトの息子を新王に即位させる企てを密か
      に推し進めるが、現王を恐れる一部の貴族による寝返りで計画は破綻。首謀者たちは
      反乱罪で処刑され、王の息子は王権を剥奪されたうえ幽閉される。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
4931年…現代――レッドアイ狂信者によるスマグ襲撃事件発生。狂信者はスマグ地下道を占拠。
      現ナクリエマ国王タートクラフト・カイザー・ストラウスがビックアイに傭兵を展開。謎の警
      戒態勢に入る。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
※資料1)レッドアイ会長の失踪直前に記された『補佐官スロムトグバイルの手記』より抜粋。



     「汝らの求めるREDSTONEは汝らが思うような至高の宝ではない。
     天空から複数略奪された盗品のひとつに過ぎないのだ。
     汝らが目的を果たしたとき、宝はなにがしかの富と名誉をもたらすやも知れぬ。
     だが忘るな……それは至高の宝にあらず。必ずや汝らを破滅へと導くだろう。
     ――あのブルン終末期の王と■■■■■■■」



     ブルン暦4805年12月8日 王室直轄機関『レッドアイ』会長 アイノ・ガスピル
     頭筆記 会長補佐官スロムトグバイル



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
※註釈――同資料は2006/03/18投稿時点で139氏がゲーム内から抽出したデータです。
 その後のアップデートによる新NPC、クエストによる設定追加分は含まれていません。

3 名無しさん :2008/05/03(土) 02:18:42 ID:WMGDEhYE0
高速で2ゲット!ひゃーはー!悔しいだろ!ふはははは
速度では負けたことは無い。>>3ざまぁwww我こそが世界最速の2ゲッターである!
3度の飯より2ゲットなんてね。今まで何度2をとっただろうか。神スレ、糞スレ、数え切れないであろう…
ゲットするだけではつまらない。入念かつ、緻密に、そして長文で、これが我が道。
ッ…!?しかしそろそろ書き込まないと速度的にまずい。さぁ、我のこの華麗な2ゲットを
とくと、見るがいい!ははははははは!!

4 名無しさん :2008/05/03(土) 04:13:59 ID:cU2daHmE0

 / //   /|   r'7\ ,.ヘ‐'"´iヾ、/\ニ''ー- 、.,   /    /
  /   / |  |::|ァ'⌒',ヽ:::ヽrヘ_,,.!-‐-'、二7-ァ'´|、__
`'ー-‐''"   ヽ、_'´  `| |:::::|'"       二.,_> ,.へ_
         /  //__// / / /      `ヽ7::/
 か っ も  |  / // メ,/_,,. /./ /|   i   Y   //
 ァ  て う.  |'´/ ∠. -‐'ァ'"´'`iヽ.// メ、,_ハ  ,  |〉
  |  約 ク  ヽ! O .|/。〈ハ、 rリ '´   ,ァ=;、`| ,ハ |、  /
  |  束 ソ   >  o  ゜,,´ ̄   .  ト i 〉.レ'i iヽ|ヽ、.,____
  |  し  ス  /   ハ | u   ,.--- 、  `' ゜o O/、.,___,,..-‐'"´
  |  た  レ  |  /  ハ,   /    〉 "从  ヽ!  /
  |  じ  は  |,.イ,.!-‐'-'、,ヘ. !、_   _,/ ,.イヘ. `  ヽ.
 ッ .ゃ .立   |/     ヽ!7>rァ''7´| / ',  〉`ヽ〉
 ! ! な  て   .',      `Y_,/、レ'ヘ/レ'  レ'
   い  .な    ヽ、_     !:::::ハiヽ.   //   /
   で   い   ./‐r'、.,_,.イ\/_」ヽ ',       /  /
   す      /    `/:::::::/ /,」:::iン、 /    /
          〈  ,,..-‐''"´ ̄ ̄77ー--、_\.,__  /
      ,.:'⌒ヽ ´         | |  , i |ノ   `ヾr-、

5 白猫 :2008/05/03(土) 11:59:41 ID:5qAuGV/w0
Puppet―歌姫と絡繰人形―


第一章〜第五章及び番外編もくじ 5冊目>>992
第六章〜第十八章もくじ 6冊目>>924


第十九章 愛しき君への言葉 迫り来るもう一つの敵





 「ネルくん、早く行こー?」
雲一つない快晴の下、ブリッジヘッドの一角に陽気な声が上がった。
既に太陽も暖かい五月。ルフィエとネルの姿はブリッジヘッドにあった。
フワリとしたワンピースを纏うルフィエに急かされ、未だに眠気の覚めない頭でネルは言う。
 「……まだ八時半ですよ? 市場は十時からです……」
 「早いに越したことないよ。いいから行こう?」
にっこりと微笑むルフィエを見、ネルは溜息を吐いて立ち上がった。

ラグナロク発動まで残り250日を切った。ルヴィラィの言葉通り、あれ以来襲撃はピタリと止まっている。
古都で起きた[ラグナロクの実験]、アトム起爆により古都は壊滅した。
古都の外れに建っていたヴァリオルド邸は難を逃れたものの、既に「ブルンネンシュティング」という町は消え去ってしまっている。
あの日――カタパルトを破壊しアンドレを退けサイカスを撃滅、ハーピーを殲滅し一時は勝利が見えていた。
だが結局[アトム起爆の阻止]は叶わず――自分たちはまたしても、敗北した。
今度こそ負けるわけにはいかなかったというのに。

そしてあの事件により、政府高官たちはほぼ全員死亡。ゴドムの政権は一気に崩れ落ちた。
フランテルの周囲の国に顔が利くネルが数週間走り回った結果、なんとか外交面では平常を保っている。が、そのままならばいつ内乱が起こってもおかしくない状態だった。
一部の――というより大半の議員が、ネリエル=ヴァリオルドを議事会へ招き入れることを主張した。
が、ネルははっきりと[議事会へ出るつもりはない]と拒否の意向を示し、外交面での均衡を図り議事会へ助言を行う、の二点で留まっていた。
それでも[ヴァリオルド家当主]の助言を求める者は多い。一部のシーフ達は[ネリエル=ヴァリオルドが国会議員になる日も遠くない]などと仄めかしているらしい。
だが現政府とネルの間には[呪術師・リトルウィッチ殲滅大号令]という大きな大きな歪がある。
少数派のリトルウィッチ擁護派であるネルはルフィエのこともあり、ネルは五月に入ったらすぐに休暇を取ってしまった。
家でゆっくりするつもりなのか、と聞いたルフィエの首根っこを掴み、
目覚めたアーティに事情を説明してから一礼し、
武器庫で唸っていたカリンに手入れをするよう促し、
鏡を拭いていたセバスから大きなキャリーバッグを受け取り、
泣いて足にしがみつくメアリーと唸るセシェアを振り切り、
どういうわけか、テレポーターを使いブリッジヘッドへと向かった。

6 白猫 :2008/05/03(土) 12:00:08 ID:5qAuGV/w0
理由を何度聞いてもネルは答えてくれなかった。
古都で"ああいうこと"もあったため、ルフィエはいま一つ強気に聞くことができなかった。
 (――今は、そう。今だけは)
椅子にかかっていたジーンズに足を通し、シャツを羽織る。
机の引き出しから革財布を取り出し、ルフィエの横に歩み寄る。
 「その革財布……700万円くらいしそうだね……」
 「そうですか? 最近このブランドの値打ちは下がってきていますよ? まぁ購入額は870万ほどでしたが」
 「世界一高い財布じゃないの……?」
ルフィエの言葉にクスリと笑い、その頭をクシャクシャと撫でる。
せっかくセットしたのに、と口を尖らせるルフィエに微笑みかけ、思う。
 (少しの時間だけ……今あるこの時間を、大切にしたい)
自分の手を握って歩き出したルフィエと並び、ネルはブリッジヘッドの市場へと向かった。







二か月前、古都ブルンネンシュティング。
余も更けた古都の各地で、激しい戦闘が行われていた。
古都東口前、街道付近。
 「ッヒュ!」
 【っぐ!?】
カリアスの手刀を咄嗟に避け、プリファーはバック転でカリアスとの距離を取る。
それを見やったカリアスが目を細める、
途端。
 【!?】
ビシ、とその足が瞬時に凍りつく。
給らずバランスを崩したプリファーを見、カリアスは天高く跳躍した。
数分前、ゆるりと前進を続けていた魔物たちの大群。
その中心を突如ぶち抜き、無数の"蒼いウィンディ"が出現したのだ。
そう、[陣風隊]――強大な力を持つウィンディの大軍が、魔物たちの中に出現したのだった。
それを見やり剣を取り出したベルモンド……その体を、上空から来襲したカリアスが、まさに神速の一撃で打ち倒した。
己が能力、[ダブル=アクセル]で瞬時に反応しカリアスの奇襲を避けたプリファーは、しかし内心混乱しきっていた。
それもそのはず。長い時間をかけ集めた魔物たちをようやく出撃させ、古都も間近……というところで、突如[陣風隊]とカリアスが現れたのだから。
しかもカリアスの戦闘力は、先日ブレンティルで戦った時よりも格段に強くなっている。
[ダブル=アクセル]ですら応戦が精一杯――そして俊足の自分を、しかも足というピンポイントを氷結させたその的確な魔術。
ただ装備が違う。それだけであるはずなのに、カリアスの強さは以前とは比べ物にならないレベルに達していた。
信じられなかった。これまで数百年間、ルヴィラィに逢う以前から放浪してきたプリファーですら、これほどの実力者に遭ったことがなかった。
遥か古代の民ですら、これほどの力を持っていただろうか? と疑ってしまうほどに。
認めるしかない。彼は――カリアス=ハイロームは、フランテル最速の冒険者。
今の自分では――精々"あの一撃"を与えることしかできまい。
 〈いずれ――全力の私で再び相見え様、カリアス=ハイローム!〉
不安定な脚で立ち上がり、プリファーは体中の魔力を瞬時に巻き上げる。
"今の自分"では、一撃しか使うことはできない。
だがあと300日。この時間があれば、実戦で使えるレベルにまで回復するはずである。
 【アクセル――第三段階。『 トリプル=アクセル 』】
その、一言。
この言葉がカリアスの耳に入ったとき。
既にプリファーは、カリアスの目の前に躍り出ていた。
 【我が音速の[アクセル]――お気に召したか?】
その言葉が紡がれたとき、
既にプリファーの渾身の一撃が、カリアスを吹き飛ばしていた。

 【っぐ――】
ビキビキと亀裂の入る自分の右腕を見やり、プリファーは顔をしかめる。
やはり実戦でこんな術は使えない。
一撃、この術を使っただけで、体が悲鳴を上げている。
 【いずれまた拳を交える時もあるだろう――それまでさらばだ、カリアス=ハイローム】

7 白猫 :2008/05/03(土) 12:00:33 ID:5qAuGV/w0


 (カリアスは、何とか傀儡を退けた)
大きな港をはしゃいで駆けるルフィエの後ろ姿を見、ネルは思う。
プリファーは吹っ飛ばされたカリアスに追撃せず、時計のようなもので瞬間移動してしまったらしい。
ベルモンドの姿もなく、カリアスは仕方なく残った魔物の殲滅に当たった。
恐らくは[ギルドホールの時計]と同じような能力だろう。ビガプールでも、それを目撃している。
と、
何かを見つけたのか、ルフィエが突如しゃがみ込む。
そのルフィエに駆け寄り、顔を覗き込む。
 「どうしました?」
 「へっ? な、なに!?」
慌てて手を背中に隠したルフィエに目を細め、手を差し出す。
 「手の中のもの、見せて?」
 「な、何も持ってないよ?」
ふうん、とルフィエの言葉に、ネルは面白くなさそうに言う。
そこで、ふと気付いた。
ルフィエが両の手を隠して背中に回しているなら――?
突然悪戯をしたくなったネルは、ゆっくりと手をルフィエの頬に添える。隠そうとしてるルフィエが悪い、と言い訳しながら。
 「ネルくん!?」
真っ赤になって離れようとしたルフィエの腰を抱き、逃がさない。
それでも手を使わないことにクスリと笑い、ネルは逆の手でルフィエの体を抱き締める。
 「ネル、く――「好きです、ルフィエ」
 「!? ――ん」
目を向いたルフィエの唇に、そっと優しくキスをする。
初めはもがいたルフィエも、やがて大人しく目を閉じて身を任せてくる。
そこになって、ネルはルフィエの手から"それ"をそっと抜き出し、ルフィエから離れた。
 「…小鳥?」
 「あ、う、え、……ネルくん、返してよぅ」
 「返しましょうか? 同じやり方で?」
真っ赤になって手を伸ばしてくるルフィエから逃げ、ネルは笑う。
 「取って食べたりしませんよ」
 「うー、そういう問題じゃないよ……」
なおも手を伸ばしてくるルフィエを見やり、ネルは小鳥に衝撃がいかないように気をつけつつ、その体を抱き止めた。

本当に、可愛い。
自分の一挙手一投足に反応してくるその姿が、あまりにも可愛くて。
自分の想いに、言葉ではなく行動で応えてくれることがあまりにも愛しくて。
彼女以外に、これほど強く想いをぶつけることなどできないだろう。
それほど彼女の存在は、自分の中で大きくなりすぎていた。
 「ルフィエ――あなたが、好きです」







 「…………チッ」
体中に傷の走った体で、ネルはグングニルを構え直す。
既に辺りのカタパルトは大半が全壊し、残っているものも使い物にならない程破壊されていた。
が、肝心の目の前の敵――アンドレが、全く倒れない。
槍でぶち抜こうとも、爆破しようとも、連続で爆発を叩きこんでも。
砂粒一つ一つの大きさが小さすぎ、構成がやわすぎるのだ。爆破しても、砂粒を破壊するどころか文字通り"吹き飛ばす"だけ。
どうやって破壊できるか――いや、答えは分かっていた。"破壊などできない"と。
幸い、アンドレの攻撃力は大したことがない。砂の位置さえ把握してれば対処は容易だった。
 【いい加減、諦めてグングニルを渡してくだされ】
 (相手は砂――考えろ。手はある。砂の弱点は何だ)
アンドレの言葉を完全に無視し、ネルは心中で考えを巡らせる。
 (火――はない。さっきから[爆風]を行い続けてる。
 水――っぽいですが、僕は水魔法が使えないですし――。
 風――もない。火と同じ理由で土も無いとすると……。
 光――闇――闇、闇?)
そこまで考え、ネルはふと気付いた。
"闇属性元素攻撃"。
呪いによる攻撃なら――通用するのではないか?
やるしかない――やれなければ、負ける。
グングニルを繰り、呪文を紡ぐ。
 「CAlok7I5Sm-ViLANctitcFariENT――」
闇魔術の呪文は、ただの呪文ではない。
術者の命を蝕む、危険なもの。
だが使わねば、ここで命の灯が消えることとなる。
 「ALokfsaFSDsddsSD-FSDjidSAefekFeo――」
ようやくネルの詠唱に気付いたアンドレは、しかし何もしない。
ただ身構え、水魔法にのみ警戒する。
 〈水魔法以外に、私を倒す魔法はありませんぞ――〉
だが、アンドレのその認識は甘かった。
もう一つあったのだ。
彼を倒す、方法が。
 「MediUSMediUS,UfshoeFsSAjARAmmeDiuS――『 メディアス 』」

8 白猫 :2008/05/03(土) 12:01:03 ID:5qAuGV/w0
瞬間、

   ビシ

その音に、アンドレは目を細め、

ようとした。

一瞬遅れて理解し、声を上げ、

ようとした。

"身体が、動かない"。

   〈しまった――[石化]!!〉

そう。ネルの使った術は[石化]。相手を硬直させ、動きを止める術。
これならばアンドレは攻撃を受けるしかない。いわば、砂が固まった岩になってしまったのだから。
 〈甘く見過ぎていましたな……長く戦いに参加していなかった私の甘さが、敗因となるとは〉
長々と考えるアンドレの眼前で、
ネルは、グングニルとアンドレに向けて投擲した。






 「……」
ルリマ・ウルトラノヴァを放ち、ルフィエは目を閉じて夜風に吹かれていた。
あの傀儡がどうなったかは分からない。というより、興味がなかった。
気にかかっていたのは、ネルのこと。
自分のウルトラノヴァで、怪我をしなかっただろうか。
あの謎の光線で、傷を負わなかっただろうか。
会ったら、どうするべきだろう?
泣く? 笑う? 抱き付く? 距離を置く?
分からない。
ネルのこととなると、頭がまるで回らない。
 (……これが――好き、なの?)

気づいたら、ルフィエは駆け出していた。
一秒でも早く、伝えたい。そう思ってしまった。
結果がどうなろうとも、とにかく伝えたかったのだ。
 (ネルくん――君は、私にどう答えてくれるの)






地面からグングニルを引き抜き、ネルは目を閉じて思う。
ルフィエのことを。
アリアンで不意打ちにキスをして以来、彼女は自分に対して距離を置いているように感じる。
会って、ちゃんと謝るべきだろうか。
だが、言えない。
彼女を想う気持ちがあまりに大きすぎて、頭がちゃんと働かない。
そう――好きなのだ、彼女が。
強く、強く想っていた。
もしかすると、最初に出逢った時から。
 (君に会ったら、ちゃんと伝える――ちゃんと、伝えるよ)

   「ネルくんっっっっっ!!!!!」

ネルの思考の合間、
突如空から、甲高い声が上がる。
その声に振り向いたネルは、ものすごい勢いで突っ込んでくるルフィエに目を見開く。
 「ちょ、ルフィエストッ――」

   ガシャ―――――――――――――ン!!!!!

ネルが止める甲斐なく、
鉄の骨組みに腰かけていたネルに、ルフィエが思い切り突っ込んだ。
 「〜〜〜〜〜……」
痛みに顔をしかめ、ルフィエに恨めしそうな顔をしながら立ち上がった。
と、
 (――!)
感じる。
遥か遠方から、巨大な魔力が近づいてくる。
この魔力は間違いなく――ルヴィラィ=レゼリアスのもの。
脇のグングニルを引き抜き、ルフィエの方を見る。
自分の意思が通じたのか、ルフィエもクリーム色のシルクローブを纏った姿――[神の母]を発動する。
淡い光に包まれ、フワリと栗色の髪が夜風に靡くのを見、
 (――綺麗だ)
そう、素直に思った。
今まで何十回と舞踏会やパーティに参加してきたネルは、着飾った美しさに興味は湧かなかった。
だがルフィエの美しさは違う――言うならば、"飾らない美しさ"。
ゆっくりと口を開き、言う。
 「……後ろを、任せます」
自分の想いを伝えるときは、今ではない。
その言葉の裏に込められた思いを感じてか感じずか、ルフィエは
 「うん」
とだけ答えた。

9 白猫 :2008/05/03(土) 12:01:24 ID:5qAuGV/w0


 「――先日ぶりね」
南口から飛び出した紅と黄金の光に、ルヴィラィは目を細める。
頭に被ったリトルサンシャインを放り捨て、夜風に紅の髪を晒す。
その前に、グングニルを持ったネルがゆっくりと舞い上がった。
 「ええ。そうですね」
その隣、ネルの背を護るように立つルフィエはルヴィラィを見、少しだけ表情を曇らせる。
間違いなく、自分の母の顔。
――"いや。"
姿形が似ていようとも。
仮に本当にそうだとしても。
自分の中の母は、揺るがない。
自分の中の母はあの日、亡くしたのだから。
 「……ルヴィラィ。私はあなたを――許さない」
父を亡くし、友を傷つけられ、いとしい人の目覚めない暗い悪夢を彷徨っていたリレッタ。
彼女を思って、腸が煮えくりかえりそうになる。
槍を両手で構え直し、ルフィエの言葉を継ぐ。
 「目的は何です。まさか300日間このように何度も何度も襲撃を繰り返すつもりですか」
 「フフ――まさか。襲撃は今日が最初で最後――だってこれ以上襲撃を繰り返しても無意味だもの」
その言葉に目を細めたネルは、首を傾げる。
 「どういう意味です」
 「言葉通りの意味よ――それより知りたいんじゃないかしら。エリクシルに何が起こったか――」
 「自分なら答えられる、とでも言いたいんですか?」
ネルの言葉にますます笑みを深めたルヴィラィは、小さく口を開く。
 「私が答えられるのはエリクシルについてじゃない――その、槍についてよ」
ルヴィラィの指した槍――グングニルを見やり、ネルは目を細める。
 「グングニル――それを造り出したのは遥か古代の民。その槍は古代のありとあらゆる秘術が組み込まれ、それを手にした者は世界を治めることも滅ぼすことも容易い……。
[開闢神話]の"名も無き最高神"がこの槍を繰り、億万の敵を薙ぎ払ったとされている――」
 「……僕が訊きたいのはそういうことじゃない。何故これが"エリクシルから出てきた"のですか」
 「完成したエリクシルは今も昔もそれ一つきり――私に聞かれても困るわ」
と、その言葉の合間、
ルヴィラィの両の手に、紅と黒の混ざった炎が燃え上がった。
攻撃か、と半歩下がった二人に微笑みかけ、ルヴィラィは呟いた。
 「起動なさい、アトム」





古都、学問の家前。
その屋根に巨体を陣取らせていたデュレンゼルは、

   《起動なさい》

その言葉に、突如ぬっと立ち上がり両の手を空へと翳す。
 【 ―――――――― 】
デュレンゼルの口から紡がれる、奇妙な呪文。
その言葉が紡がれる度に、何処からともなく黒い靄がその上空に集まってゆく。
それらの靄はデュレンゼルの手の間に集まり、その体積を見る間に膨らませ――やがて、数メートルもの大きさになる。
その光景を、眺める者はいない。
いたところで、どうしようもなかった。
 【アトム――起動】
その言葉と同時、
数メートルもの靄が突如凝縮し、

球状に――まるで風船が膨らむように、

   凄まじい速度で、浸食を開始した。





 「!?」
古都の西方で発生した物凄い量の魔力に、ネルは目を見開く。
慌ててその方向を見ると、球状に"夜の色ではない黒"が膨張している。とてつもないスピードで。
まさか、とルヴィラィに向き直る、が。
 「っいない!?」
ルフィエの言葉に、ネルは唇を引き絞る。

ルヴィラィの目的は、これだ。
奴は自分たちと戦いに来たわけではない。
ダラダラと時間をつぶさせ、この攻撃を行うためだったのだ。
 「ッルフィエ!! 退きますよ!!」
 「え――でも、あれは」
 「感じれば分るでしょう!? "あれ"は止められない!!」
 「……ッ」
ネルの言葉に、ルフィエは顔を伏せる。
市場の人々や、近所に住んでいた子供たち、
そして何より、ヴァリオルド邸で親しくしてくれたたくさんの人たち、子供たち、レイゼルを思い出し、
そこまで思ったところで、ネルに抱き締められた。
 
 「……ッ嫌……」
 「……堪えなければならないんです、ルフィエ」
泣きじゃくるルフィエを抱き抱えたまま、ネルはひたすら南へと飛んだ。

10 白猫 :2008/05/03(土) 12:01:47 ID:5qAuGV/w0


 (ラグナロク。あの黒い靄を、それでこそ世界単位で引き起こす計画)
小鳥に包帯を巻くルフィエを見ながら、ネルは外を見やる。
流石に、この港街は賑やかである。戦の混乱も四月中に大分落ち着いたらしい。
最も、古都は文字通り"壊滅"したため、混乱は政治、外交、交易の三つの面においてのみ起こったのだが。
難民の数がゼロ、という結果が長期にわたる混乱を回避した、というのはなんとも皮肉なことである。
アーティたちは今頃多忙の中に埋もれているだろう。なんともご愁傷様である。
 「ルフィエ、終わりましたか?」
 「ん? あ、あうん。終わったよ」
 「そうですか、では行きましょう」
口を開きかけたルフィエから顔を逸らし、ネルはゆっくりと歩き出した。








 (どうしよう、どうしよう、どうしよう)
市場につき、リンゴをかじるネルの横で、ルフィエは買い物袋を持ったまま慌てふためく。
"ネルが自分のことを好き"。
そうあれば、と願い、しかしそんなはずはない、と思っていたこと。
リトルウィッチと人間――決して相容れないもの。そう諦めていたこと。
 (それなのに――それでも、好きになってくれた)
ネルのたった一言。

   《あなたが、好きです》

その一言で、全てが伝わった。
 「――私も、好き」
隣のネルにすら聞こえないほど小さな声で、そう呟く。
リンゴの芯をゴミ箱に投げ捨て、ネルは言う。
 「馴染みのウィッチが近くに住んでいるんです。行きませんか?」
 「ウィッチ――ウィッチ!?」
そのネルの言葉に、ルフィエは持っていた買い物袋を取り落とした。
ウィッチ――通称、"魔女"。
自分たちリトルウィッチとは違う、正真正銘、魔術に精通し不老長寿の力を得た、魔術師。
だが数百年前に起こった"魔女狩り"と称される迫害によって、魔女の姿はこの世から消え去った、
――はずである。
[魔術を扱うのは男]というエゴが存在する時代である、女の魔術師はそれこそ、一部の――ほんの一握りの実力者だけ。
 「何度も何度もリトルウィッチとして捕まっているのですが、その度に逃げおおせているのです。
 [脱走者]なんていう通り名まであるくらいですから」

11 白猫 :2008/05/03(土) 12:02:22 ID:5qAuGV/w0

ブリッジヘッドの片隅、小さな掘立小屋。
そこにズカズカと入っていくネルについて行きながら、ルフィエは目を白黒させる。
 「勝手に入っていいの……?」
自分たちの背後、ネルが瞬く間に解除してしまった無駄に多い施錠を見やりながらルフィエは問う。
が、ネルは特に悪びれた様子もなく
 「良いんですよ」
とだけ答えた。
そう断言されては、ルフィエも流石に何も言えない。
 「マイ! いないんですか!? マイ!!」
部屋を見回すや否や叫ぶネルに、ルフィエはキョトンとしてしまう。
辺りには黄ばんだいつのものか分からない羊皮紙、
最後に使ったのか分からないほどボロボロの羽ペン、
中の液体が変色してしまっているマグカップ、
もう何が書いているかも分からないがかろうじて五年前の年号が読み取れるカレンダー、
凄まじく汚れてしまっている無数の皿やフォーク、スプーン、
埃が雪のように積もってしまっているキッチン――と、
要するに、人が住んでいた形跡はあるが人が住めない状況になっていた。
 「埃っぽくてすみません。何度も何度も片付けるよう言っているのですが――その辺に座っていてください」
口と鼻にハンカチを抑えてそう言うネルに指された肘掛椅子を見る――が、やっぱりそこも、お世辞にも座れる状況ではなかった。
しばらくマイという人物の名前を叫んでいたネルは、しかし返事がないのを見ると、声を落してルフィエでも聞き取れるか、という小さな声で呟いた。

   「さて、どうしましょうかこの御土産……」

 「土産ッ!?」
そのネルの言葉に、ルフィエが「うわっ」と後ずさりしてしまうほどのスピードで、天井の板が抜け人が降ってきた。
栗色の長髪に、ボロボロの布切れのような白衣を着た、眼鏡をかけた少女。
その女性――マイに、ネルは小さく溜息を吐く。
 「相変わらず奇想天外な場所から出てきますね」
 「土産は何だ? チョコレートケーキか?」
 「今日は紹介する人がいたので来たんです。ルフィエ=ライアット。あなたと同じリトルウィッチです」
 「まさかヨーグルトじゃないだろうな? いくらお前の好物と言っても、私はもう飽きたぞ」
 「あなたは[唄]をルヴィラィよりも知っていると仄めかしていたでしょう。ルフィエにそれを教えて欲しいのです」
 「小娘の持っているのはアップルパイか? 残念だ、昨日だったら喜んでいたが今日の朝食った」
会話が見事にかみ合っていない。
どうしよう、と首を傾げるルフィエは、ふとマイの姿を見やる。
自分のことを羽虫のように眺めるその目。
上からものを言うお世辞にも礼儀正しいとは言えない態度。
そして――白衣の下から覗く、ボロボロで薄汚れた"囚人服"。
 「――あっ!!」
思い出した。
あのとき――古都で初めてネルと逢った時、留置所にいたリトルウィッチだ。
 (ネルくんの、友達だったんだ)
 「友達? コイツが?」
 「!」
マイの言葉にもう一つ思い出した。
彼女は[Mind Reading]――読心術が使えるリトルウィッチなのだ。
こうして考えていることも、マイには筒抜けなのである。
 「えーっと…お久しぶりです」
 「ん。逃げ切れたのか、おまえ」
その二人のやり取りに、ネルは目を白黒させる。
 「なんだ、知り合いだったんですか」
驚いた様子で二人を見るネルに、マイは頭をガリガリと掻く。
 「古都で一度。――というか聞いた。古都が壊滅したらしいな」
 「ええ。ルヴィラィにやられました……それより、今日はルフィエのことで来たんです。正確には"唄"で」
ネルの言葉にルフィエに向き直ったマイは、全身を舐め回すように見た後、唐突に訊く。
 「おまえ、[混声合唱]はできるのか」
 「――っえ?」
 「[二人唱(デュエット)]でも[三人唱(トリオ)]でもいい。流石に[合唱(コーラス)]は無理だろうが」
 「……?」
何を言っているか全く分からない。
その反応に目を見張ったマイは、ルフィエに詰め寄る。
 「お前、今まで[独唱(ソロ)]で歌ってきたのか!?」
 「え? えっ??」
何が何だか訳が分からず混乱したルフィエに、ネルは小さく呟いた。
 「……先に帰ってます」
もっとも、ルフィエを助ける言葉ではなかったが。
 「ネル公」
家から出ようとしたネルに、マイは小さな紙切れを投げる。
それを掴んだネルは、マイに一礼をした後家を出た。

12 白猫 :2008/05/03(土) 12:02:57 ID:5qAuGV/w0


 「……さて」
マイの家から出たネルは、体中の埃を落とし、呟く。
手の中の紙切れを手早く開き、即座に暗記した途端、握り潰し口の中に突っ込む。
いつの間にか太陽は傾きつつある。今から行かねば間に合わないだろう。
 「ブリッジヘッドに来たことですし――顔を出さないと拙いですね、頼みごともするわけですし」
その言葉を呟き終えた途端、ネルの身体が見る間に当たりの景色と同化してゆく。
数秒も経たないうちにネルの姿は、一般人からは完全に見えないほど薄くなってしまっていた。
と、
そのネルに目がけ、凄まじい速度で数本のダートが飛んだ。
それをフワリと避け、ネルは軽快なステップで突如

街の外へと駆け出した。






その後ろ姿を見やり、木の上で寝転んでいた男は脇の覆面男に言う。
 「逃がすなよ。必ずひっ捕らえろ」
 「アイサー」
男の言葉に、覆面男は木から飛び降り、駆け出す。
 「今更奴はブリッジヘッドに何の用だ――? クレリアに喧嘩でも売りに来たのか?」
そう呟いた男は、そこでようやく寝転んでいた体を起こし、立ち上がる。
先ほどネルが出てきた掘立小屋――あそこには、クレリアの育ての母がいたはず。
まさかクレリアとネリエルが繋がっているのか、と思い、男は木から飛び降り短剣を引き抜く。
 ([疑わしきは罰せよ]――クレリア、おまえの持論だったな)
そう心中で蔑んでから、男は掘立小屋へ走った。







 「――!」
 〈ルフィエ、気をつけて〉
マイの演説中にガタンと立ち上がったルフィエは、目を細めたマイに頷きかけ、胸の十字架――マペットを握る。
途端、その体が白い光に包まれ――[神の母]が発動される。
 「良く気づいたな。欠片も気配を感じなかった」
白衣を脱ぎ棄てたマイの笑みに微笑み返し、ルフィエは胸のパペットを見やる。
これを手に入れてから、何となくだがそういう気配を感じるようになっていたのだ。
ネルの[先制攻撃]ほどではないが、人の体温や呼吸等を察知し、"気配"などではない本能レベルで感じ取ってしまう。
最も、そこに"いる"ということが分かるだけで相手の情報は全く分からないのだが。
 「マイさんはここにいてください」
 「戦えないと思ってる? 舐めないで頂戴」
 「違います」
マイの言葉を遮り、ルフィエは首を振る。
目を細めたマイに笑いかけ、さらりと言った。
 「ウィッチが街中で戦って、どうなるか分かったものじゃないですから」
 「プッ」
そのルフィエの言葉に噴出したマイは、笑いをこらえながら言う。
 「いいぞ、好きにしてくれて」
マイの言葉を聞いてか聞かずか、
既にルフィエは、ドアを蹴破り小屋の外へと躍り出ていた。
が、小屋の外へと躍り出たルフィエの前に、数個の、奇妙な機械が転がる。
 (なに――?)
目を細めたルフィエの眼前、

それらの機械――小型の炸裂弾が、ルフィエを大爆発の中に呑み込んだ。

13 白猫 :2008/05/03(土) 12:03:21 ID:5qAuGV/w0


 (誰だ、奴は?)
てっきりマイが出てくると踏んで炸裂弾を放り投げた男は、小屋から出てきた奇妙な女に首を傾げる。
しかもパッと見の容姿が酷く美しいのを思い出し、男はいい女を失ったと勝手に悲しむ。
が。
 (む)
炸裂弾の爆発をモロに受けたはずの女の気配が、消えていない。
一体、どういうことなのか。
 「あなた、何者ですか」
 「!?」
甲高い声に振り向いた男の先、
煤で少し汚れてしまったドレスローブを纏ったルフィエが、男に手を突き付けていた。
 (こいつ――俺の察知速度を上回る速度で)
男はルフィエの姿を見、しかし反撃しない。
指一本分でも体を動かせば、問答無用の攻撃が炸裂することは目に見えていた。
 「お前、何者だ――どうやって俺の後ろに回った?」
 「質問しているのはこちらです」
その手に光が灯るのを見、男は驚愕の表情を押し殺して笑う。
 「フフ――シーフが己の情報を吐くのは死ぬときだけだ。残念だがな」
 「そう、ですか」
そのルフィエの言葉と同時、
ルフィエの手から放たれた閃光が、男の顔面を直撃した。

地面に突っ伏し気絶した男に歩み寄り、マイはその腹を蹴る。
 「参ったな。こいつ――クレリアの回し者か?」
 「クレリア……って誰ですか?」
[神の母]を展開したままの姿で、ルフィエは首を傾げる。
知らないのか、と目を細め、しかし「仕方ないか」と呟いた。
 「クレリアはブリッジヘッドのシーフギルド団長。このフランテル極東の地で、不穏分子だったシーフ達をまとめ上げた男さ。
 そしてカナリア=アラスター=ヴァリオルドⅢ世の子であり、ヴァリオルド家を追放された没落貴族でもある」
 「――没落貴族、ヴァリオルド家から追放、って――」
ルフィエの言葉に頷き、男を縄で縛りつけてから、マイは小さく言った。

 「そ。ネル公の兄貴。……元、ね」







クレリア=アラスター=ヴァリオルドは、ヴァリオルド家の長子としてこの世に生を受けた。
生れながらの戦の才能、一を聴き十を知る、まさに百年の一度の大天才と呼ばれた少年。
だがその心の内の邪な欲望に無謀な野心。次の当主に関するカナリアとの衝突の末、ヴァリオルドを追放された没落貴族。
勝手に家を飛び出し自由気ままに生きるアネットとは違い、クレリアは父を、母を――ヴァリオルドを憎んだ。
そして何より、自分の後に生を受けヴァリオルドを継いだ弟を、心の底から憎んだ。
直接会ったことはない。遠方から二、三度見たことがあるだけ。
アルバムで見た幼い父と瓜二つの姿。それがクレリアの憎悪をさらに掻き立てた。
連日連日酒に溺れ、向かってくる盗賊やゴロツキは殺すか、二度と太陽を見れない体にしてきた。
そしていつの間にか、クレリアはブリッジヘッドの影の長となっていた。
それでも、クレリアの心は満たされなかった。
父の生き写し――ネリエルを殺す。
それだけを考え、生きてきた。
そしてある日、唐突に弟が――ブリッジヘッドに、現れた。
これを好機と捉えず何と捉える?
自分を引き取り、育てたマイとも面識があるらしいが、そんなことは関係がない。
 「――ネリエル=アラスター=ヴァリオルドⅣ世」
薄暗い、小さな肘掛椅子一つが置かれた部屋の中。
膝の上に置かれた短剣を弄びつつ、男――クレリアが小さく呟いた。
 「お前を許しはしない――愚かな父の愛を受けた痴れ者め」
先ほど、斥候に向かわせた一人のシーフから連絡があった。
ネリエルは、ブリッジヘッドを飛び出しトワイライトの方へ向かったらしい。
しかし、それよりも。
もう一人の斥候――バイラが、一人の女にいとも簡単に倒されたという。
その女は、ブリッジヘッドに入ってから監視を続けていたネリエルの傍に常にいたという女と酷似していたという。
つまり、
 (ネリエルの女、か――面白い)
短剣を腰に差し、ゆっくりと立ち上がる。
自分の背後――ヴァリオルドの紋章を真っ逆様に、真っ二つに裂かれたその紋章を見やり、クレリアは不敵な笑みを浮かべた。
 「自分の女をムチャクチャにされたとき、おまえはどんな顔をするのか楽しみだ――」
そう呟き、クレリアは部屋の扉を乱暴に閉めた。

14 白猫 :2008/05/03(土) 12:03:41 ID:5qAuGV/w0

ブリッジヘッドの東口を出るとそこにあるのは、ただっ広い平原と巨大な川、そしてどこまでも続く海のみ。
ゴドムの南の果て、ルルリバー河口。
トワイライト滝やスバインへと向かうただ一つのこの場所には、当然多くの冒険者が行き来していた。

そのルルリバー河口の一角、


 「っぐ!?」
ガギン、という音と共に、覆面男の手から短刀が弾け飛ぶ。
男の手から短刀を弾いた少年――ネルは、つまらなさそうに男へと飛び掛かった。
ネルの姿を捉えた男はその右足が上がるのを見、咄嗟に体制を右へと倒す。
が、ネルは足を上げず膝を上げるだけに留まり、廻し蹴りで生じた体の回転を利用――左足の飛び廻し蹴りを男の頬へと繰り出した。
 (フェイント!?)
右の上段蹴りと見せかけ、体をクルリと一回転しての左飛び廻し蹴り。
堪らず地面に倒れ込んだ男は、目を細めるだけのネルに戦慄く。
まるでダンスを踊るかのように、ネルは空中を自在に舞い、攻撃を繰り出してくる。
その武術ならぬ舞術に、男はふと思う。
 (何故、本気の攻撃を叩き込んでこない?)
今の一撃。
通常なら自分は失神しても不思議ではない。あの一撃はそれほどまでに見事だった。
だが自分は、失神するどころか今こうして思案するだけの余裕すらある。
 (いったい、いったい、何を考えている)

 (この男に致命傷を与えず、僕の技能を見せつける)
男の思惑を察し、しかしネルは男に"ギリギリ失神しないが恐怖に慄くレベルの攻撃"を加え続ける。
そうすることで、男に焼きつけるのだ。
自分の絶対的な強さ。
そうすれば男の、クレリアへの忠誠心を揺るがすことができる。
そもそもシーフギルドは下剋上の世界である。"自分より強き者に媚び、その者を引きずり降ろそうとする"のがシーフ。
元よりクレリアは貴族の出。彼をよく思わない男は少なくないはず。
 (そう、戦いをタラタラと続け、男を精神面で嬲り続ける)
地面に突っ伏した男の体を蹴り上げ、空中で反回転――その脇腹を手加減した力で蹴り飛ばした。
叫び声すら上がらない男の反応。
それに僅かな手応えを感じ始めたネルは、そろそろか。と身体の構えを解く。
ゆっくりと立ち上がった男に見せつけるように、誇るように、腕を掲げる。

瞬間、

眩い光と共に、その手に巨大な槍が握られた。
真白の美しい槍――グングニルを払い、ネルは男へと微笑む。
 「頑張って避けて下さい。さもないと、死にますので」
 「――――」
男は返事をしない。
グングニルを呆気にとられた表情で眺めたまま、石像のように固まっている。
それを見たネルは、しかしこの一撃は手加減しない。
左足を思い切り踏み込み、全身のバネを駆使し、右腕に全神経を注ぐ。
そして、放った。

男の頬を掠り、
邪魔な木々を薙ぎ払い、
物凄い速度で海の彼方へと消え、

   大爆発を起こした。


 「――――な、に……」
何が起こったのか分からないまま放心する男は、ただ振り返り、背後の海上で上がった大爆発を見やっていた。
数秒後、海岸から数十メートルは離れているはずの自分に、大粒の、海水の雨が降り注ぐ。

15 白猫 :2008/05/03(土) 12:04:07 ID:5qAuGV/w0

感じた。
感じさせられた。
絶対的な力の差。
どう抗っても、敵う筈のない力。
彼は――ネリエルは、"本物"だ。
本物の強者……自分の命を助けたカナリアと同じ――或いはそれ以上の。

シーフ達の世界では、強き者には従わねばならない。
そして現在の強き者――それが、クレリア。
ならば従うしかない。例え自分の命の恩人を憎んでいる男だとしても。
それが、シーフの勤めなのだから。
その信条が――今、砕け散った。
ネルというたった一人の少年に。
槍という、たった一度の投擲に。
震える体を抑え、張り裂ける鼓動を留め、低い声で呟いた。
 「――来い、ネリエル=ヴァリオルド。主の元へ案内しよう」
 「ええ」
ネルの言葉に振り向いた男は、再び目を見開いた。

いつの間にか、ネルの手には先の槍が握られている。
海の彼方へと投擲したのにも関わらず。
 (いったい、何だというのだ……)






 「ッハァアアアァアアッ!!!」
 「っく――『 ノヴァ! 』」
先から絶えることのない盗賊たちの襲撃に、ルフィエは唇を引き絞る。
体の周りに数個のノヴァを生み出し、それを瞬時に襲い来る男たちへと放つ。
それらが全て違わず命中し――また地面に突っ伏す男の数が、増えた。
既にその数数十を超える。いったい、どこからこれほど沸いてくるのか。
 「さ、流石にめんどくさくなってきた……」
 「我慢なさいな。私だってネル公との関係バレちゃって大変なんだからさ」
ルフィエの背後でノヴァを放っていたマイは、ルフィエに向けてそう苦笑する。
 「しかし意外だな。チンピラがこんな正攻法で襲ってくるなんて」
 「意外なんですか?」
自分の射程内へ入ってきた男に光弾を放ち、ルフィエは首を傾げる。
彼女はマイのように悪友と親しいわけではない。チンピラの攻め方など知るわけがない。
それを知ってか知らずか、マイは淡々と話しだす。
 「確かにもう太陽も暮れてきたが、普通日の出てる間にこいつらは動かない。警備兵とのイザコザは極力避けるようにしてるからだ。
 仮に今が夜だとしても、何の考えなしに私たちを襲撃なんて――有り得ない」
すぐ近くまで迫っていた男に咄嗟に光弾を打ちつけ、マイは息を継ぐ。
 「クレリアのやつめ、私たちに魔力を浪費させるつもりか」
 「この程度じゃ浪費もへったくれもないですよ……」
このままのペースで盗賊たちに襲ってこられても、恐らくあと二時間はぶっ続けで戦える。
マペットとの契約以降、彼女の魔力は膨大に――例えるならば、御猪口からビールジョッキほどに変化していた。
セミボス級の魔物が複数けしかけられると流石に辛い。が、ここは片隅とはいえ街中である。
 「……また来ましたよ。二十人くらい」
 「私もいい加減飽きてきたな――吹っ飛ばすか……。
 小娘、少し見ていろ。唄がどういうものか教えてやる」
その言葉と共に、ルフィエはマイの眼鏡をかけさせられる。
何の変化もない視界に目を細め、しかしルフィエはマイの邪魔にならないよう、少々離れた位置で応戦を再開する。

   「『 ――――…… 』」

 「!?」
マイの紡ぐ歌声に、ルフィエは目を見開いた。
信じられなかった。
こんなことができるのか、と耳を疑いたくなった。
"マイの口から、二つの声が紡がれている"。
 「これが、[二人唱]――?」
呆然と立ち尽くしていたルフィエに目もくれず、マイはゆっくりと腕を開いた。

 「『 ――ウルトラノヴァ 』」

16 白猫 :2008/05/03(土) 12:04:43 ID:5qAuGV/w0

 「……なにやってんですかルフィエ」
 「あ」
 「なんだ、遅かったじゃないか」
まるでゴミのように積まれた男たちを見やり、ネルは溜息を吐く。
怪我してない? と駆け寄ってくるルフィエの頭を撫で、小さく頷いた。
頬を染めて微笑んだルフィエに笑いかけ、ネルは自分の背後に立つ男に向き直った。
 「さて――あなたたちの計画は、どうやら失敗したようですね」
 「………………………そのようだ」
男たちの山を呆気にとられたまま見やり、覆面男は小さく頷いた。
 「全く。[神の母]サンタ=マリアが暴力ですか」
 「なっ! 失礼だよネルくん! ほとんどマイさんが吹き飛ばしちゃったんだからっ!!」
 「何だと? 私が吹き飛ばしたのは最後の集団だけだろう。それまではほとんどお前が――」
ネルとルフィエ、マイの言い合いを聞きながら、男は小さく溜息を吐く。
一体彼らは凄いのか、凄くないのか。
 「ある意味は凄いんだけどな、こいつらは」
男の心中を察し、マイは苦笑しながら呟いた。




FIN...
---
中途半端に終わりました、白猫です。早々に初っ端見づらい小説をすみませんです。
今回は伸ばしに伸ばす予定でしたが、伸ばしすぎて[何の話かわかんねぇな]と思いなおし修正。
明日から旅行です。楽しみたいものですが渋滞が……orz
それよりも前スレ用に作った999文字小説どうしようかしらorz

コメ返し


>◇68hJrjtYさん
本当は臨場感を出して描きたかった古都壊滅編。
ですがなんか色々大人の事情があって無理やりこじつけました(コラ
RPGやアクションの設定でもよくありますが、やはり強い人であればあるほど、集団戦闘には向かないのでしょうか。
物語も終盤に差し掛かってます、後2〜3章でPuppet編はおそらく完結するでしょう。
それまでどうかお付き合いくださいませ。
---
楽しかったです、チャットイベ。
また機会があれば行いたいものですね。私ができるのは場所提供のみですが…


>黒頭巾さん
前回いいことがなかったカリアス。今回も見せ場が少ないという。ハッハ(コラ
カリアス強く設定してるはずなのにな……プリファーが強すぎるのかしら……。
ふと思ったら、カリアスやその他のメンツはもう最終章まで出ないんだよなぁ…適当にしすぎたッorz


では今回はこの辺で失礼します。
白猫の提供でお送りしました。

17 之神 :2008/05/03(土) 12:14:42 ID:AKbHe9aQ0
ちょっと見た瞬間吹いたので、コメ返し…

>>3 WMGDEhYE0
ドンマイです。高速2get頑張って…

>>白猫さん

早速うpするとは、流石ですw
ちょっと気になったのが、700万円…

RMT! とか浮かんでしまいました…
そして999文字小説、機会があればお願いします…('ー`

18 名無しさん :2008/05/03(土) 16:49:24 ID:hlgFgQ9g0
なんと、もう七冊目立っていたのかッ!

>>1さん
スレ立て、ありがとうございます!お早い仕事感謝。

>黒頭巾さん(前スレ990、993〜994)
いやいや、奇妙な視点っていうのは違和感とかそういうのではなくて…うーん、言葉ではなかなか言い表せないorz
でもホラーでもあり世にも奇妙なRSというか、最後の最後で恐ろしい事実が露見したというか(((( ´・ω・))
某曲…私には分かりませんでしたが(泣)、音楽にインスピレーションをもらった小説というのも面白いですね。
替え歌とか改変ソングは良く作る私ですが完全に小説ネタとして利用するのはなるほど、こんな風になるのですね。でもやっぱり後引く怖さです(怖)
「私が同じ理由で貴方を“削除”しても〜」の一文は夢に出てきそうorz
---
NGワード判明、お疲れ様です(´;ω;`)
NGワードというからには管理人が公開したら意味ないのかもしれませんが、小説スレにとっては大問題ですよね。
しかしRSのNGワード同様、なんでNGなのか分からない文字列だ(笑) 日本語の問題ではなさそうな気もしてきますね。

>之神さん(前スレ996〜1000)
まずはラストアタック(笑)、おめでとうございます!
ライトルート…惰眠というあたりまでは何となく(ほんとに何となく)分かったものの、96なんて数字は全然出てきませんでしたorz
思えば昔、電車のキップに書いてある数字を足したり引いたりする遊びも苦手だったなぁ(やるな&関係なし)。
徹よ、ウィンディーと会話できるのはシルヴィーだけだから安心してね(笑)
そしてエトナはリトル(姫)だとは予想ついてましたが、アルシェがアチャだったとは…!イラストだけでは分からなかったです。カコイイ。
廃人撃破なるか。そしてライトと徹たちの見つけた道とは。続きお待ちしています!

>白猫さん
新スレトップバッター、おめでとうございます(笑)
突然のネルとルフィエののほほん日和に驚きましたが、古都編がその後少しずつ語られていくという手法。
それぞれの傀儡とルヴィラィ本人の襲撃、そして「アトム」起動…二ヶ月という間がそこにあるとはいえ、色々起こりすぎましたね。
ラグナロク発動まで後250日を切ったところですが、兄がいたということに驚く暇もなく新たなアクションを起こすネル。
これもまたラグナロクへ対する布石ということでしょうか。それにしてもマイ&ルフィエのコンビは強ぇぇ…。
ネルのルフィエへの告白がとっても純粋で素敵でした。なんか、萌えとかそういう次元を超えてます(*´д`*)
続きの方お待ちしていますね。
---
GWお出かけでしょうか…私も実は結局間際になって旅行決定してしまい、今夜出奔しますorz
もうGW中盤らしいですがしかし、渋滞はイヤンですね。順番待ちとか大混雑ってのもイヤンですが…。
999文字小説、折角完成させているのなら気にせずUPして下さいな。本編あわせて楽しみにしています!

19 ◇68hJrjtY :2008/05/03(土) 16:50:16 ID:hlgFgQ9g0
はぁ…新スレになるといつも名前を忘れますorz
↑もコレも68hの提供でした。。

20 ESCADA a.k.a. DIWALI :2008/05/04(日) 10:56:00 ID:BnQc0o7w0
やったね7冊目ができたぜヤッホゥ!!前回からの続きですよ〜

Chapter2:Episode.06-Be My Firend.〜はじめての親友〜

・・・この世に生まれて17年,私はトップに輝くための英才教育を難なくこなしてきた天才少女のはず。
勉学や魔法学,占星術も比肩する者がいないほどの実力,そしてフランデル一の美貌を持つはずの私がっ・・・!!
何故っ,どうしてあんな富裕層でもない普通の女に劣らなければなりませんの!?認めませんわ,そんなの・・・

 ――――誰一人,私の前を行く者はこの世にいてはならないんですのよ!!!―――――

「引っ掛かりましたわね,おバカさんっ!!あなたなんか,私を侮辱した女なんかっ!!消えてしまえばいいのですわーっ!!!」
怒りのあまり目元に涙を浮かべながら,エレナは魔力を最大限に開放し,ウィザードのメテオシャワーにも勝る流星群を
ラティナに向けて浴びせた!!!足元に配置されたウサギに見とれている彼女に,容赦なく黄金の星々が襲い掛かった。
派手な爆発音と分厚い雲のような煙が辺りを包んでいた・・・煙が晴れると,目の前にはクレーターができている。
そしてそこには,頭から血を流して地面に伏しているラティナの姿が。ピクリと動きそうにもないほどダメージを負っていた。
「フフ・・・ホホホホホ,オーホホホホホ!!!やはりっ,あんな女が私に勝てるわけがありませんわ!!ざまァ見なさ・・・」
「もう,お嬢様がそんな汚い言葉遣いしちゃァ元も子もないわね・・・それで?あれがあなたの最大限の力なの?」
いつの間にかエレナの背後に立っていたのは・・・ラティナだった。少しばかり爽やかな微笑みを浮かべてはいるが
その瞳には未だ闘志の炎が燃え滾っている。全く予想だにしていなかった事態に,エレナは振り向くと同時に青ざめた。
「な…なっ,何でっ,あなたはあそこのクレーターで倒れていたは…ず?」焦りの表情しか残っていない彼女が
クレーターに目を向けると・・・そこで倒れていたはずのラティナの体が半透明になり,徐々に消えていくのが映った。
「お嬢様とはいえ,槍使いの回避技術に関しては勉強不足だったみたいね。今のはダミーステップ,わたしの故郷では
 『空蝉(うつせみ)』と呼んでいるわ・・・ま,変わり身みたいなものよ。さ〜て,決着を着けるわよっ!!!」

エレナには理解できなかった・・・今,自分がひどく憎んでいる女が,にこやかに微笑んでいるのだ。
自分は彼女に憎悪だとか怒りとか,そういう感情しかぶつけていないのに・・・なのに彼女は何かを楽しんでいる。
いや違う,あの微笑みはそういうものじゃない・・・ひとつの憶測がエレナの脳裏をよぎった。
「(あの笑みは・・・純粋に闘うことしか楽しんでいないことの顕れ!?)…フフ,私としたことが・・・はしたない。」
「…?どうしたの,早く構えなさいよぅ!」「いいえ…こんなケンカぐらいで高揚するなんて,私ってば。」

瞳を閉じて,何かを回想するように俯くエレナ・・・彼女は理解せざるを得なかった。
屋敷を出るその日まで,彼女はその立ち振る舞いから何までを自由にすることは許されなかった・・・
常に礼儀作法に則った動作をしなければならない窮屈さ,常にトップに君臨し続けることへの重圧・・・
それとは違い,自由に遊び自由に喋り,自分の生きたいように人生を謳歌する一般層の民。
気付けば彼女は,そういった何気ないことに憧れと嫉妬を抱いていたのかもしれない。

だけども,今こうして感情を剥き出しにできる相手が目の前にいる・・・彼女はそれがこの上なく嬉しかった。

「ラティナ・・・いいえ,あやねさん。さっきはあなたやその彼氏を侮辱してごめんなさいね。心から謝らせてもらいますわ。
 そしてありがとう・・・あなたは,私を鎖から解き放ってくれた。そんな気がしますの・・・。」
「どうしたのよ,急にしんみりしちゃって!?それにわたし,ただあなたと闘っているだけなのに・・・・ま,いっか♪
 エレナさん・・・だったかな?一度始めたケンカは決着が着くまでやめられないのはわかるわよね!?行くわよォっ!!!」
「お言葉に甘えて,こちらも行かせてもらいますわよ!!エレナ・クレモンティーネ・・・参りますわっ―――――!!!」

21 ESCADA a.k.a. DIWALI :2008/05/04(日) 11:01:15 ID:BnQc0o7w0
あとがき

管理人様,スレ立てありがとうございます。
そして執筆者やコメンテーターの皆様も引き続きよろしくお願い致します^^

いよいよ女同士のタイマン勝負も大詰め,そして戦いから生まれる友情フラグ。
トレスヴァントは追いつけるのか,そしてラティナ(あやね)の親父がついに動く!?
乞う御期待っ!!!

GWは親もいるので人目を気にせずに書ける時間があまりないという・・・orz
それにランサーのイラストも描いている最中なのでして(ry
GW明けには充電しまくって,いっきに放電(?)しようと思います。

22 名無しさん :2008/05/04(日) 20:06:20 ID:8FGrmTmo0
待ち望んだ新鯖とうとうオープンですね
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23 姫々 :2008/05/07(水) 00:27:29 ID:VbnAj5DM0
7冊目おめでとうございます。
もうちょっと早く書いていたんですが学校の課題があまりに憂鬱だったので
ついついぼーっと48時間ほど過ごしてました。
今からやら無いと行けません憂鬱です。こんな事にならないために
課題はとっとと終わらせましょう。前スレ>967~969より続きます





「ほお、こんな所に通路が‥‥。」
 盗賊の一人が松明の下に生えている草を掻き分けるとそこには小さい穴が開いていた。
 そこを通って中に入ると人が40か50人は寝れるくらいのスペースがあった。
「さて、飲むかい姐さん?」
 親指で部屋の奥の酒樽を指す。
「あら、お酒ですか。」
 私くらいの高さの樽が6個並んでいた。あれは全部お酒が入っているのだろうか、だとしたら結構な量である。
「たまの機会だ、飲もうぜ。」
「不謹慎な気もしますが‥‥、まあたまにはいいでしょう。」
「いい返事だ、ほら。酌してやるよ。譲ちゃんにはシードルな。」
 今度は瓶が出される。中には琥珀色の液体が入っていた。
「いやいや‥‥、それもお酒でしょう‥‥他には無いのですか?」
「んー?ジュースはあるが酔えねーだろ。」
「酔わなくていいのです」
「つまんねーなぁ‥‥。」
 そう言ってさっきのお酒の入った瓶を片付けて別の瓶を持ってきた。お酒は少し飲んでみたかった気がする
から残念だ。
 それよりこの人たちにジュースは似合わない、きっとタスカのだろう。勝手に飲んでいいのだろうか?
「じゃ、乾杯。」
 木のコップがぶつかる音が響き、宴会が始まった。セラとタスカを忘れるためだろう、
皆何かしないと気になって仕方ないのだろう。私だって今日は出切れば気にしないでいたい。
「っておいあんた!それは水で割ったほうがいい、度数40越えてるんだぞ。」
「あ、そうなんですか?でも強いお酒は私の仕事場では中々飲めませんからね。中々に貴重な体験です。」
「はっはっは、強えーなぁ。」
 私も今晩だけはセラとタスカのことは忘れる努力をしよう。この空気の中ならきっとすぐに忘れられるだろう…。
・・・
・・・
・・・

24 姫々 :2008/05/07(水) 00:28:16 ID:VbnAj5DM0
 目の前に膝に顔を埋めている姉さんがいる。
 その周りを囲む召喚獣には今の所警戒されていないが、私自身の感情が昂るとまた眼の力が出てしまう。
 私の力は使ってはいけない力だ、私自身が一番よく分かっている。
「お願い、少しの間離れておいて‥‥」
 この仔達は私の事を知っている、知っているからこそ渋々ながらも離れてくれる。
「姉さん、久し振りだね‥‥。」
 召喚獣の皆は離れてくれたものの、なんと切り出していいか分からずそんな切り出し方をしていた。
 それでもいつもなら「久し振りだね」と笑顔で言ってくれる姉さんも、今は顔を膝に埋めて何も言ってくれない
「(嫌われちゃったな‥‥)」
 すぐに泣きたくなった、この人に嫌われたら私は村の何処にも居場所がなくなってしまう。
 いや、それだけではない、唯でさえ姉さんの能力は他の人たちを圧倒してしまっていて、神格化さえ
されつつあった。
 友達なんかできるはずが無い、その妹の私だってそうだった―この人の妹―それだけで特別視され、子供はおろか、
大人まで私に近寄る事を拒んだ‥‥。
 友達もいない、母さんは物心付いた時には既に私の前にはいない、唯一普通に接してくれたのが父さん、
クーン村長、それと追放天使のティエルドさん、そして姉さんだった。
「ねえ、お願い姉さん。こっちを向いて。」
 私が悪い、あんな姿見せたくなかった、そりゃあ嫌われて当然だった。
「ごめん‥‥」
 それ以外の言葉が見つからなかった。
「また来るね」
 その場にいられなくなり、私は姉さんに背を向けた。
 きっと、ここで別れたらもう話すことは二度とないだろう。
 けれど、それでもこの間に耐える事が出来なかった。
「待って――」
 振り返って数歩、そこで声を掛けられた。
 ただ声を聞けただけで嬉しかった、この一年間に起こった事の何にも変えられないだろう。
 ただ、その一言が嬉しかった。
「何?」
 ただ、不安も大きかった、嫌われていたら次に待つ言葉はもちろん拒絶なのだから。
 姉さんに「もう顔も見たくない」と言われる覚悟は出来ている、声は聞けた、私はそれ以上を望めない。
「もう話しかけないで‥‥」
「‥‥」
 ほら、分かってた。けれど一拍置いて、姉さんはこう言った。
「そう言われると思ってた‥‥。来て、タスカちゃん‥‥」
「あ‥‥う、うん‥‥」
 続く言葉があまりに以外だったので面食らってしまったけれど、何とか返事をして姉さんの元に戻る。
「どうしたぁあっと‥‥ね、姉さん!?」
 バッと言う音が聞こえそうな勢いで抱きつかれ、後ろ向けに倒れそうになるがなんとか持ちこたえた。
「生きてた‥‥生きててくれた‥‥」
 死んでると思われていたのだろう‥‥、それはそれで悲しい事だが冒険に出るということはそう言うことだ、
音信不通になった場合、たいていの場合はこの世にいないか相当険しい地に赴いているかの二択だ、そして大抵は
前者の場合が多い。
「死なないよ‥‥」

25 姫々 :2008/05/07(水) 00:29:37 ID:VbnAj5DM0
 きっと凄く心配させていたのだろう、1年も前に突然いなくなったんだから仕方ない。
「こんな仕事やってて、失望したよね‥‥ごめんね‥‥。」
「え‥‥、何で?」
 この姉さんは妹が山賊業をやっている事を何とも思っていないのだろうか、ありえるがそこから踏み込む
のは怖かった。
「けどあの口調は驚いた」
「子供だからね、せめて口調位は変えておかないと舐められちゃうから」
 抱き合ったまま話す、泣き顔は見ないで欲しいと言うだろうし、私も眼はあまり見せたくなかった。
「ん‥‥、姉さん痛い‥‥」
 抱きしめる力が強くなってきたのでそう伝える。姉さんもハッとした様子で力を抜いてくれた。
「ごめん‥‥」
「あ、いいよ。そんなに痛くなかったし」
「違う、私の事、嫌いになったよね。だから、ごめん‥‥」
「私が?何で姉さんを嫌うの?」
 まず第一にさっき以上に驚いた。その次に突飛な言動は変わっていないな‥‥と言う感想が出た。
「だって、あの時守ってあげれなかった。ごめんね‥‥」
 溜息が出る理由だった。さっき私が逃げてしまったのがいけないのだろうけれど、それで姉さんを嫌うはずがない。
よい意味でも悪い意味でも、最上級のお人よし――それが姉さんなのだから。
 私自身がそれを早く思い出しておけばきっとすれ違う事もなかったのだろう。
「そんな事気にしちゃダメだよ姉さん。私は姉さんが大好きだから、絶対に嫌いにならないから‥‥。」
「本当に?」
 訊ね返されても気持ちは変わらないのだが、それでもさっき逃げたのがそれだけ応えたのだろう。
「さっきはごめんね‥‥。それより姉さんは?私の事嫌いになっちゃう?」
「まさか、タスカちゃんは私の妹だから、嫌うはずないよ。」
 安心した。一番聞きたかった言葉だから。
 それに、私の居場所はまだあると確信できたから。
「いつか、私の力を自分の物に出来たら・・・、その時は家に帰っていいかな・・・?」
 訊ねると姉さんの首が縦に動いた。
「ありがと。っと、姉さん離れて。」
「え、あ‥‥ごめんね」
「いや、違うの。狼がここまでおりて来てる。姉さんも気づいてるでしょ?」
 今微かに遠吠えが聴こえた、すぐそこの山から恐らく下りてきたのだろう。狼が洞窟の中に入ってくることは
それほどり無いが、全く無いというわけでもない。もしもの事は起こってから対処していては遅い。
「え?」
「え?って気づいて無いの?」
「うん‥‥、魔物の気配は無いと思うんだけど‥‥」
 おかしいな、遠吠えは確かに聞こえた。
 まあ何にせよ夜明けまで見張りをしておけばいい。無粋な狼だとは思うけど向こうも食べ物が無いと生きて
行けないのは一緒なのだからこればかりは仕方ない。
「うーん‥‥私には聞こえたんだけどな。それより顔洗って皆の所に行けばいいよ、きっと歓迎してくれる」
「うん、わかった。見張り頑張ってね」
 目元を手で拭って言う。
「大丈夫、狼程度には負けないから。部屋の場所は入り口の近くの松明の下辺りを調べたらすぐ分かると思う。」
 それだけ伝えてその場を離れる、顔は笑ってたか泣いてたか分からない、けれど悲しい気持ちではなかった。
 通路を抜けポータルを抜けて、外に出ようとする。

「待てよ」

 と、出口のすぐ傍で呼び止められた。特に急ぎというわけではないので振り返る。
 私の目線の先、男が一人、立っていた。

26 姫々 :2008/05/07(水) 00:33:48 ID:VbnAj5DM0
さて、ここまでです。
「‥」が多すぎるって言われそうですね。
場面が場面なのでついつい多用してしまうのが癖のようです。
次回からはきっとそうなることも無いでしょう。
それより課題が憂鬱で憂鬱で(ry
さて、長々と続けていますが終わる気配が○ございません。
ていうか○ございませんネタってまだ通じるんですか?(´・ω・`)
さて、そんなわけでそろそろ切り上げて課題してきます。また来週の火曜位に
頑張って霧がいい所まで書ききるのでよろしくお願いします。

27 ◇68hJrjtY :2008/05/07(水) 15:32:10 ID:4u4UKSTE0
>ESCADA a.k.a. DIWALIさん
エレナvsラティナ。リトルウィッチは白猫さんの小説でもそうですが、敵に回すとやっぱり怖いですね。
ラビットラッシュってやっぱり"可愛くて踏みそうで動けない"なんだろうなァ…ちょっと見てみたいけど(笑)
「サイドステップ」が「空蝉」。今後も出てくるであろうランサ和名スキルも楽しみです。
意外なところで意気投合(?)してしまった二人、決着はいかに。続きお待ちしています。

>姫々さん
妹だから、姉だからこそ分かる心の動き。そして「特別な存在」であったが故の葛藤。
微細な感情の描写ですが、姫々さんはどことなく優しいタッチで描いているのが読んでいても安心感がありました。
セラとタスカの過去は悲しみが多かったけど、これからはきっと楽しい思い出に変えていける!みたいな(*´д`*)
と、二人と一緒にホッとしたのも束の間、なにやら怪しい影が…この人物はもしかしてもしかすると。
次回お待ちしています!そしてリアルの課題の方も頑張って下さい。

28 黒頭巾 :2008/05/10(土) 14:56:34 ID:fou9k2gM0
スレ立て感謝ですー(*´∀`)ノ<……わーい、パパ頑張って書き込んじゃうぞー(ぇー)


レス返し。

>之神さん
LAげっとおめでとう御座いますー。
愚か、に引っかかって慢ではなく癡を疑ってしまいました……うぅ、悔しい(´・ω・)
つ、次は負けないんだから!(何に)
そして、天気予報はやっぱりリトルですよね!
男アチャだったのは意外ですが、このコンビなら荒井さんも見事撃破なさるコトでしょうヽ(´д`)ノ
チキチキレース、続きが楽しみです(*´∀`)

>白猫さん
らぶぃ、らぶぃわぁぁぁ(*ノノ)(やっぱり第一声はコレか)
読みながら悶えてました……初々しいルフィエと余裕綽々なネルくんの対比が面白いです笑
しかし、ネルくんにお姉さんだけでなくてお兄さんがいたのは驚きました(ノ∀`)ペチン
次回、お兄さんとどんな“話し合い”になるのか楽しみにしております。
嗚呼、カリアスもう最終章まで出ませんか……ば、番外編でカリアス主人公を!(ちょ)
ゲームグラで実装してくれないかなぁ、白WIZ。

>68hさん
違和感でないならよかったです(ノ∀`)ペチン
ホラー系の作品として、某ラノベを参考にしながら書き上げてみたのですが……嗚呼、確かにその参考小説も夜にも奇妙な系かもしれないと納得しました笑
元々が物語り的な歌なので…興味が御座いましたら、次回チャットででもお会い出来ましたら参考URL投げさせて頂きます(*´艸`)<某曲
でも、某曲は其処までアレではなくて、観察者が被験者を監視しているって辺りだけで……どちらかと言うと小説の某リングの続編の某バースディ(でしたっけ)辺りのが世界観的には近いかも。
合わせ鏡で永遠に続く世界の様に自分達も作られた世界の住人だったら、なんてのはSFでよくあるテーマなのですが、実際に考えるとかなり恐いですよね(((((゚д゚;)))))
例のワードは昔大暴れした方なのかしら……総ては謎のままです(´・ω・)

>ESCADA a.k.a. DIWALIさん
高飛車お嬢様かと思われたエレナの過去が……!
何事も決められた雁字搦めの生活は、息が詰まりますよね。
漸く開放された彼女が、コレからどんな人生を歩むのか……幸せになればイイなぁ。
それに、この二人は戦いを通してイイ友人になれそうで。
喧嘩友達の様な、ライバルの様な…そんな戦友みたいな友人イィネッ!!(・∀・)

>姫々さん
今やっと過去ログのアリアン辺りまでいきましたー(ノ∀`*)
長い様なので、追いついたらまたしっかり感想を書けそうです。
過去ログ分ですが、感想。
おてんば姫可愛いよおてんば姫(*´д`)ハァハァ(ちょ)
ずっと譲(ゆずる)ちゃんって名前なのかと思ってましたが……過去ログ見るに、もしかして女の子を示す嬢ちゃんなのかな。
違ったらごめんなさいΣ(゚д゚;三;゚д゚)


ふぁみりあいーえっすシリーズが何故かウケがいいので、ついでにキャラクター紹介なんぞ。
質問された事項もあるので、質問なさって下さった方は(・∀・)ニヨニヨして頂ければ笑


【何となく】ふぁみりあいーえっくすシリーズ【目次】

・ばれんたいんでー
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1200393277.html#322

・ほわいとでー
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1200393277.html#619 〜 同スレ621

・きゃら紹介
次レス辺り←

29 黒頭巾 :2008/05/10(土) 14:57:52 ID:fou9k2gM0
・ふぁみりあいーえっくす
この物語の主人公兼語り部。
ごしゅじんさまラブすぎて、ちょっと早とちりなおバカさん。
ごしゅじんさまが付けたお名前はちゃんとありますが、敢えて公表しておりません……何とでもご自由にお呼び下さい。
アジトB2産、ファミリアEX(旧ボスファミ)

・ごしゅじんさま
ふぁみたんの飼い主のテイマーさん。
転生や再テイムは嫌いな健康テイマで、愛用武器はタゲ取り&回復に便利な攻速2竹笛。
ベルトにはふぁみたんの好物のフルヒが常にストック。
けるびーちゃんやすうぇるふぁーちゃんを呼び出せるので、ハイブリさんの様子。
所属Gでは副マスをしていて、いけめんさんやまっするさんとはコボ秘密からの付き合い。

・ばいんだーおじーちゃん
ごしゅじんさまのもう一匹のPなのに、名前すら出てこない可哀想な初期P。
寄る年波とレベル差に勝てず、ご本の中で養生していることが多い。
ふぁみたんとは仲良しな祖父と孫という関係。
地下墓地産、攻撃骸骨戦士EX(クエMOBバインダー)

・召喚獣ズ
二段階の魚とアイボ。
ソレ以上でもソレ以下でもない。

・のなめちゃん
巷に溢れるnonameのままのPを指す。
いけめんさん的には、支援しにくくて沢山いると涙目。
ふぁみたんはソレが流行のお名前だと思っている。

・いけめんさん
ごしゅじんさまの所属GのGMさん。
ふぁみたんと意思の疎通が取れている様に見えるが、実はふぁみたんの言語はわからない。
行動パターンからの推測に、ふぁみたんが頷いたり同意する形で意思の疎通を図る事は可能……洞察力と推理力はそれなりにある様子。
小説スレ住人には何故かイイ人で通っている。
しかし、その正体は……。

・まっするさん
ごしゅじんさまの所属Gの副マスBISさん。
名前だけは出てくるのに、出番はまだない。

・ないすばでぃーなおねーさんのげぼくさん
小説スレ住人に悩まれた、このシリーズの解りにくいお名前No.1(当社比)
ごしゅじんさまの所属Gの悪魔さんのP。
カラカラカタカタ音を立てて歩く姿が哀愁を誘う。
マイペースな物知りおじーちゃん。
タワー地下道産、防御骸骨戦士EX。


そう言えば、チャットイベント……次回はいつやりましょうか。
次回こそリクのいけめんさん話を……黒頭巾でした。

30 スメスメ :2008/05/12(月) 17:04:39 ID:PESNJGHwo
小説スレ5 >>750
小説スレ6>>6ー7 >>119ー121 >>380ー381 >>945ー949


これはまだオレが古都に来て日が浅い頃のお話。



「こりゃあ、マズったなぁ…」
右を見ても左を見ても蟹、かに、カニ、KANIだらけ。
これはいわゆる絶体絶命のピンチってヤツですかい?

この時、オレは古都周辺のダンジョンを冒険してみようと蟲の洞窟に来ていた。
まぁ、迷って辿り着いたとも言うけどね。

そこで腕試しがてらに蟹を相手に勝負をしていたんだけど、蟹一杯を相手に夢中になりすぎて周りを囲まれてることに気が付いていなかったんだ。
それで今の状況に至ると言う訳ですね、うん。

取りあえずカニ系は足が遅いっていうのを見たことあるし(※『初めてのフランデル陸〜冒険者の必須バイブル・上巻〜』参照)逃げ回れば何とかなるだろ。
なんて容量の少ない脳味噌であれやこれやと算段していたその時だった。

「うおぉ〜ぃ…」

と遠くから誰かが呼ぶ声がした。
もしかしてこれはこれは天の助け?
その声がした方向へ期待のまなざしと一緒にすぐさま顔を向けると、この薄暗い洞窟でもはっきり分かるような土煙が向かってくるではないか。
なんだかイヤ〜な予感があると思いつつ目を凝らす。

「たぁすけてくれぇぇぇ!」

声の主だろうか男が両手の諸手剣を肩に乗せて走ってくる。
…巨大芋虫やら羽虫の大群を引き連れて。

ちょっと!そんなお土産は願い下げだってば!
つーかこの展開はベタすぎるよっ!

「うわぁぁぁぁぁっっ!」
手を貸してくれる救世主が来たなんていう甘えた事を考えた罰と言わんばかりに、そのままモンスター達の列に巻き込まれ先頭を走らされる。


「何でオレまでえぇぇぇぇ!?」



その後何とか虫たちを撒いたオレは、すかさず近くに見つけた人が一人が潜り込むにはちょうど良い大きさの空洞がある岩に潜り込んだ。

ふぅ、ここでしばらく隠れてやり過ごすしかないか…
なんて事を考えてた時の事だった。

取り敢えずオレは周りの様子を確認しようとして岩穴から顔を出した。
すると少し遠くにさっきの男がまだ走り回っているのを見つけた。
アッチもどうやら何とか撒いたみたいだ。

今思うとホトボリ冷めるまでの隠れ場所を探していたのかもしれない。
ふとオレの居る岩の方に身体が向いたと思ったら、真っ直ぐこっちに向かってくる!?

ま、まさか…。

31 スメスメ :2008/05/12(月) 17:08:51 ID:HI613LTco

ちょ、せまい、こっちはせまいってばっ!
いくらオレが小さいからって入れるわけ無いだろっ。
そんな風にこっちが慌てふためいていても結局無駄で迷わずスライディングしながら潜り込んできた。
「はぶっ!」なんて情けない声を出しながら見事に顔面を蹴られなす術無く飛び込まれ、結局問答無用で入りきってしまった。
結構なんとかなるもんだな…。
はぁ…。仕方がない、どうも腑に落ちないけどオレが抜けるか…

って今度は抜けられない!?

押そうが引こうがうんともすんともいわねぇ!
むしろどんどん絡まっていくぞ!?
「いや〜、わりぃわりぃ。隠れる場所がここしかなかったからよぉ」
と岩に埋もれながら無声音でさっきの男に軽く謝罪される。
正直こっちはたまったものじゃない。
つーかなんなんだコイツは?

「とに、かく…離れろー!!」
そう言って無理やり押しだそうとするオレ。
正直ケツだけが穴から出ている状態だけは何とかしたい。
恥ずかしすぎるよっ。

「いててて、押すなってっ!こっちだってツカエてるんだからよぉ」
「誰のせいだ、誰の!?もとはと言えばアンタが突っ込んできたからだろっ!?」
「仕方ねぇだろ。こっちだって隠れる場所がここしかなかったんだからよぉ」
とまぁ、こんな感じで大声で口喧嘩なんてやっていたらモンスターも当然気付いてやって来るもの。
「ギャー!カニっ、カニが来たぞっ!」と男が叫ぶ。

まぁ、『お約束』ってヤツだよね…。

男の方はまだ顔が穴から出てる分まだ周りの様子が見えるが、如何せん身動きが取れないからどうしようもない。
ここで哀れに思って見逃してくれる相手ならどれだけ良いか…。
だけどそんなあわ〜い期待なんかお構いなしに蟹は俺達に向かってその堅く大きなハサミを振り下ろす。
嫌だ、こんな男とゴンズイ玉の様な状態で死ぬなんて絶対イヤだ。
もう一環の終わり…
と思ったがカニさんがおバカで良かったよ、ホントに。
ハサミが岩に向かって振り下ろされたんだ。
「よっしゃー、割れたぁぁぁ!」
と叫ぶがまだ完全に割れた感じではなく内側にも見える大きなヒビが入っただけ…。
だったんだけどなぁ。

「ふんがぁぁぁぁぁぁ!!」
男が気合いをいれて埋まった身体で内側からブッ壊しやがった。
なんつー馬鹿力よ?

ガレキを退かしながら周りを確認していくと…。
あぁ、やぁっぱり囲まれてるよ。
ったく、面倒臭い事この上無しだな。
さぁて、この状況をどうやってくぐり抜けようか…

32 スメスメ :2008/05/12(月) 17:11:39 ID:HI613LTco
「って、おいっ!」
「うおおぉぉぉりゃああぁぁ!」
いきなり男は叫び出すと担いでいた諸刃の剣を振り上げて走り出した。
ってあのバカ、無策で特効しやがった。
今の状況が見えてるのか?

だけど、そんな心配は男の戦いぶりを見ていたら吹っ飛んじまったぜ。
その剣圧は硬い甲羅に身を包んだカニをハサミの防御ごと真っ二つにし、その剣速は羽虫の大群を箒で埃を払うかのように吹き飛ばす。
巨大芋虫の体当たりを喰らってもケロッとしている筋肉の鎧に身を包んだ大きな体躯。
そしてその体躯から生み出される岩すら内側から壊してしまう馬鹿力。
どれもオレにはないものだ。
しかもアイツ、こんだけの敵を目の前にしても笑ってやがる。

…へっ、こんなの魅せられて燃えないなら武道家が廃るってもんだっ!
オレも男とは反対側の芋虫やカニの大群に突っ込んでいった。


……。


「あんた、けっこう強いんだな」
男が自分で真っ二つにしたモノで積み上がった山の上に、どかっと座り笑いながら話しかけてきた。

結局大群の男が3分の2以上を倒してしまった状態でそんな事を言われてもなぁ。
「それはこっちのセリフだよ。まさか初めに助けを求めてきたヤツがこんな強いとは思わないし。てかこれだけ強かったら別にオレの助けなんて必要ないんじゃなかった?」
「ハハッ。どうにも釣りすぎたみたいでさ、何であれ助かったよ」
と言いながら手を差し出してくる。
その手を取りしっかりと握って握手を交わしながら
「いや、オレもあの時は囲まれてたから助かったよ。って名前がまだだったな。オレの名前はアレヴァール=エヴァーソン、アルで良いよ」
「おぉ、オレはアイナー。よろしくな、アル」
「ところで…、何でこんな所にいたんだ?アンタの腕前ならもっと強いモンスターが居るところで狩りをしても大丈夫に見えるけど?」
「いやぁ、実は…」と頭を軽く掻きながらゴモってしまった。
ありゃ、マズったかな?
「…まぁ、言いたくないなら良いけどさ」
「いや、言いたくないってわけじゃなくてな。実は試験中だったんだよ…。ここの洞窟に住むモンスターから必要な物を奪ってくるって言うさぁ」
と苦笑い。
これは…やっちゃった?
「お前、王宮騎士団って知ってるか?あそこの一次試験がコレなんだ」
「あぁ、ウチの兄貴が働いてるところかな?」
「マジで!?すげぇ!」
ちょ、さすがに馬鹿力で肩を捕まれると痛いんですけどっ。
「…で、その騎士団の入隊試験だったわけか…。なんか悪いコトしちゃったね。でも大丈夫だって、オレ黙っておくからさっ」
「気持ちは嬉しいけど遠慮しておくよ。」と少し声音が下がり顔つきも気のせいかムスッとしてる気が…
あ…、今のはマズかったか。
「ご、ごめん。」
「良いって事よっ。強くなるチャンスはこれだけじゃないしな!」
と今度は一転して力強く笑いながらオレの肩をバンバン叩いた。
だから、馬鹿力なんだから加減してくれよっ。
そんな事は知る由もなく
「オレは強くなりたいんだよ。あの『Tierra』の様に…」
「また凄い目標だな…」
「どうせ目指すならとことんやらないとなっ。見てろよ、オレはどんどん強くなってみせるぜっ!!」



…これがアイツとの最初の出会いだった。
それからも度々古都で会い、その度にアイツは自分よりも強い狩り場で戦い続けて目に見えるスピードで強くなっていった。
正直アイツの強さは羨ましかった。
だけどそれだけじゃ満足できないのか「これじゃあダメだ」と、しょっちゅうボヤいていたのは覚えてる。
しかも強くなった自信がそうさせるのか傲慢になっていったのもセットで覚えている。

そして半年前。

「おい、アル」
「んー?どうした?」
「オレは今までなんて無駄なことをしてきたんだろうな…」
何をいきなり言い出すんだ?とそんな気持ちを込めて「は?」と聞き返すとアイツは、
「今まで敵を倒すことでしか強くなれないと思ってきた。だけどそんな事は間違いだったんだ」

33 スメスメ :2008/05/12(月) 17:16:33 ID:HI613LTco

…今思い返すとこの時から少しおかしかったのかもしれない。
その後も「秘術が」だとか「石」がどうのだと色々言っていたのは覚えてる。

もし、あの時オレがあいつを止めていれば今回のようなことは起こらなかったのか?
オレは死なずに済んだのかもしれないのか?
…こんな事誰に聞いても答えてくれるはずもないか。
「…み……」

こりゃ、あの世からの見送りかな?
白い髪の天使さまがオレのほっぺをペチペチ叩いてる気がするよ…
ホッペタが痛いぜ…。

「き……し…な…!」

ん?痛い?

「キミ、しっ……い」

????

「起きるんだっ!」




……あれ?生きてる?
「キミ、大丈夫かい?」
眩しい…。どうも朝なのだろうか陽の光が目にはいって目が眩むが、外に居る事は分かった。
ようやく目が慣れ、改めて声のした方を見ると目の前には見事なまでに白くサラサラで肩より下まである髪に透き通った蒼と金色の瞳が印象的な男がオレの顔をのぞき込んでいた。
「…ここは…?」
「君が墓地で倒れているのを見つけてね。取りあえず息はあったし安全な場所まで移動させたのさ。大丈夫かい?どこか痛むところはあるかい?」
いや、痛いに決まってるだろ。
こっちはざっくり斬られ…あれ?

ドコも痛くない。

え、何で?確かに斬られて血が沢山出てたと思ったのに…。
「…いえ、大丈夫です」
「んー、嘘は良くないな。手を出して」
言われて自分の右手を見ると確かに一体何処で切ったのか、まるで真剣でも握ったようにパックリと開いた傷が出来ていた。
男が手に持っている杖をかざして光ったと思ったら地面から紫色の光の紐がオレの手にまとわりつく。
「うわぁっ」いきなりの事に悲鳴をあげると
「驚かせてごめんね。でもじっとしてて。すぐ治るから」
そう言うと光の紐はオレの傷口へと入り…
「うそ…。」みるみると塞がり傷跡もないくらいに治っちまった。

気装術以外にこんな事ができる技ってあるもんなんだな。
「これでよし。あ、そうそう。付き添いの子も心配してたみたいだよ?」
付き添い?
ふと、顔を横に向けるとそこにはアイナーに半ば強制的に武器として使われていた少女、キリエが居た。彼女は袖を掴んだまま、こっちをジッと見つめてる。
良かった…無事だったんだ。
ほっと胸をなで下ろすとまた一つ疑問が…。
「なぁ、アイナーを見なかったかっ!?」
そう、本来あるべき傷をつけた男。
あいつはどうしたんだ?
まさかこの人が…。
「アイナー…?いや、僕があの場所に来たときにはモンスターの死骸が転がっているだけだったよ」
まさか、あの状態でどこかに行ったって言うんじゃないよな。
「それにしてもビックリしたよ。まさかあんな所に人が居るなんて思っても見なかったからね」
「…何であんたはあんな所へ?」
「僕はちょっと研究のためにね」と男が意味深に答えると自分の登山用の杖を地面に突いて立ち上がった。

「立てるかい?」そう言いながら手をオレへ差しだした。
その手を掴み立ち上がったけど血を流しすぎたんだろうなぁ、少しふらつく。
「さて、君も動けるようになったことだし。そろそろ行こうか?古都までだったら目的地は同じだし、送っていくよ」
ありがたい。正直な話今のオレは歩くだけが限界だから彼女を連れて行動するのは厳しいと所だ。
ここは好意に甘える事にしよう。
「助かります、ありがとう。オレの名前は…」お辞儀をして礼を言い、自己紹介をしようとしたら、
「アル君だっけ?そしてこっちの娘はキリエちゃん。」
何で知ってるんだ?そんな疑問が顔に出たのだろう。
「キリエちゃんが教えてくれたんだよ」
と少し苦笑いをしながら答えてくれた。
ふとキリエに目をやると彼女はただまっすぐ前を見据え、オレの手を繋ぎながらその小さい足でオレとお兄さんの歩く速さに合わせて何も言わずに歩いていた。

34 スメスメ :2008/05/12(月) 17:19:46 ID:HI613LTco

それにしても、アイナーの奴は何処に消えたんだろうか?
どうしてオレはあの怪我が何事もなかったように無事でいられるんだろうか?

「さて、ここでお別れかな」
気が付くと古都の西大門に着いていたみたいだ。お兄さんはそのまま前に出て振り返り、
「もう、体の方は大丈夫だね?」
「はい、ありがとうございました」と改めて深く頭を下げて礼を言うと
「そんなに大したことはしてないよ。それじゃあ僕はこれで失礼するよ」
そう言って古都の広い街並みの中に溶け込んでいった。

さて、問題はオレの手を握っているこの小さな手の持ち主。
この娘の今後をどうするか…?普通は古都の孤児院とかに事情を話せば身の振り方を考えてくれるかもしれないけどコレまでの事情が事情だ。
いっその事アイツに相談するか?

などと容量の少ない頭をフル回転させて考えあぐねていたら…

「おなかすいた…」
呟いた声の主はキリエだった。

…な〜んか色々考えてるのがどうでもよくなったなっ!
「腹減ったのか?」改めて聞くとキリエはただ頷く。
「よっしゃ、今から飯を食いに行くかっ!良い場所知ってるぜ」
そう言ってオレとキリエは再び歩き出した。
ーそうだよ、小難しく考えたって仕方がない。
今は取り敢えず前を見よう。

昇っていく陽の方向へ向かってただ真っ直ぐに…。

まずはスレ立ておつかれさまです。

はぁい、チャットイベント参加者のスメスメです。
イベント内で♀だと疑問が出て相方に自分の文体や話し方は女の子ッポイかと聞いたら即答で肯定されたスメスメ♂です。

と、言う訳(どう言う訳?)で早速コメント返しです。

68hさん
何というシンクロw
つーかこのネタは投稿ギリギリになって突っ込んだネタなんですけどねぇ。
天上界から何かしらのお告げが来たんでしょうか?

そして僕は出来るだけ本来あるスキルで書きたいんですよね〜。
更に言うなら可能な限り舞台背景もゲームに近付けたいところだったんですがはっきり言って僕の妄想力や構成能力じゃあ無理そうなんで今のような感じになってます。
舞台背景はまたチョコチョコ書いていくつもりなのでその時はよろしくお願いします。

白猫さん
先頭バッターおめです。
クラブ中や食事中に思いつくんですか。
う、羨ましい…。
どうも僕は妄想にふけると手が止まってしまうので『何かをしながら』って言うのが出来ないんですよね。だから妄想するときは一切の行動をしません(また痛い事いってるよ、おい)
あ、因みに僕は妄想するとき、話が膨らみすぎるので話の整形・削除が基本ですね。

之神さん
トリおめですっ!

マンネリは怖いですよねぇ…。
と言うかやはり話にある程度の傾向がでるのはあると思います。
自分の好きな話の展開にしたいですしね♪
でも何より他の作家さんとネタが被るのが一番怖いですね。
なのでビクビクしながら話をまとめるようにしています。
実際に今ある作家さんとある程度似通った歴史背景になっているので必死になって話の辻褄を合わせながら構成中なんです(ノω;)

黒頭巾さん
はい、そこぉ!それは禁句だぞぉ!
秘奥義ですか…。
何か響きがカッコいいが今のままだと内容が『ナンパ術』…
こ、これはマズすぎるっ!
そしてこの元曲はAr…
気のせいだったらすみません><

ではまた次回作でお会いしませう♪

35 ◇68hJrjtY :2008/05/13(火) 05:13:28 ID:eBxhk3.k0
>黒頭巾さん
おぉ、リングやらバースディやら懐かしい。流行(?)だった当時に買い漁ったものの、数回しか読み返してなかったりorz
SFは当時どうもあまり好みのジャンルではなかったというのがあってなかなか読む機会がなかったのですよね。
でもでも、最近はSFも大好きになりましたし今は無節操に何でもかんでも読み漁っています(笑)
歌の方も気になるところですが、なかなかチャットの方に参加できず申し訳ない。スレにはなるべく出現しようとしてはいますが( ´・ω・)
ふぁみたん話のキャラ紹介もありがとうございます!リク話(私のリクじゃないですが(笑))も楽しみにしています。
---
チャットイベント…もう不定期に実施しちゃっていいんじゃないでしょうか(笑)
気が向いた時に行ったら誰か居るみたいな。まあ皆さんもそこまで時間取れる日ばかりではないとは思いますが…。
もし企画してイベント化するなら個人的には前回参加できなかった人たちに是非来てもらいたいとかはあります。


>スメスメさん
アルとアイナーの馴れ初め話。
登場していきなりあの姿あの狂気っぷりでしたからね、信念に燃えていた頃のアイナー君の姿がとても眩しい。
「自分よりも強い狩り場で戦い続けて目に見えるスピードで強くなっていった」っていうのは私も体験あります(ノ∀`)
低レベル秘密で友達になった人にどんどんレベルが引き離されていくあの悲しさは言葉では言い表せないというか(苦笑)
アイナーがあの姿になってしまったその原因かまたは遠因と思われる「秘術」と「石」というのは。キリエの方も気になります。
続きお待ちしています!

36 黒頭巾 :2008/05/13(火) 17:54:31 ID:fou9k2gM0
>スメスメさん
Σ禁句ですか、すいません!
そして、奥義なのにナンパ術とは…凄そうなナンパ術ですな。
どんなだろうwktk!
元曲、ソレで合ってます…お好きな方には怒られそうですがガクガク(((((゚д゚;)))))ブルブル

昔の出会いキタ―(・∀・)―ッ!!
うぅ、蟲って装備揃ってない1stや2nd時代には適正ではキツかった想い出。
蟲秘密で出会ったコと今でも付き合いがあったりして勝手に共感してしまいました。
無事に生き残ったコトはよかったですが、あの後一体何があったのか…謎は深まるばかり!
モニタの前で正座しながら続きお待ちしております(ノ∀`*)ペチン


>68hさん
かの作品は私も当時一度読んだだけです(ノ∀`)ペチン
流行っていたから、ではなく…趣味の合った友人が面白いよ、と言ったからでしたが(´ー`)
乱読は昔からの得意技でした…食べ物の趣味とは違い、わりと何でも美味しく頂けマス。

チャットイベントは不定期でも勿論イイと思うのですが、ソレだと中々お時間取れない方や前回参加出来なかった参加希望者さんにはキツイかなぁと。
突発的にやりながらも、公式にこの日ってのも決めて集まれれば…お時間ない方の一つの目安にならないかなぁと思った次第です。
言うだけじゃアレなので、時間出来たら張ってみます(*´∀`)ウフフ
私は新鯖に篭ってるだけなので、夜ならGvとかと重ならなければわりと時間を取ろうと思えば取れるのですよね(ノ∀`)アチャー



…では、いけめんさん話を。


【何となく】ふぁみりあいーえっくすシリーズ【目次】

・ばれんたいんでー
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1200393277.html#322

・ほわいとでー
http://jbbs.livedoor.jp/game/19634/storage/1200393277.html#619 〜 同スレ621

・きゃら紹介
>>29

37 黒頭巾 :2008/05/13(火) 17:55:50 ID:fou9k2gM0
僕はふぁみりあいーえっくす。
僕のごしゅじんさまがどんなに素敵な人かってのは……文字数の関係上、過去ろぐ参照で!
今日はそんなごしゅじんさまと一緒に、ぎるどほーるに来てる。
所属ぎるどは、ぎるどほーるれべるいち。
ほーるのすぺっく、庭なし木造一戸建て。
窓がないからじめじめするけど、広さは十分。
木造なのに酔っ払ったいけめんさんが悪戯にめておをどーんって落としても大丈夫なんだよ!
そんな頑丈なぎるどほーるでも……かびさんにかもされたら困るから、ごしゅじんさまは風雨切ってるけど。
今日は頑張って集めた水の元素をぎるど石像に換えっこする日。
ぎるど石像ってね、ぎるどほーるの後ろの方にある、古代の神様のおっきな石像のこと。
欠片や結晶体を集めると、ものくろな唯の石像に綺麗な色がついてご利益があるんだって。
水の石像の一番の目玉は攻速あっぷ!
Gめんの貴重な壁剣士って種類のはんらさんが「コレでフレ一個上がるぞぉぉぉ」とかはしゃいでたけど、ふれって何だろう……お友達のことかな?
「ちょっと早く来すぎたかなぁ……マスターしかいないね」
ごしゅじんさまの言葉通り、ぎるどほーるにいたのはほーるの主の一人だけ。
その一人は、机に突っ伏して泡をぶくぶく噴いてるいけめんさん。
ごしゅじんさま曰く、明け方まで狩りをしてたらしいいけめんさんは酷くお疲れのご様子。
硬い木の机の上、両手を枕にして幸せそうにすーすーと寝てた。
「マスター、皆集まるまでに起きるかなぁ」
いけめんさんの向かいに座ったごしゅじんさまが、頬杖をついて苦笑する。
無理みたいだよ、ごしゅじんさま。
だって、てれぽーたー前には見慣れたお友達の姿。

「……やっほー!皆揃うの久しぶりじゃない?」
入口で手をぶんぶん振ってるのは、今日も元気なおじょうさま。
豪華などれすも何のその……ぱたぱた駆けてくる姿は優雅と言うよりお転婆姫。
僕ともよく遊んでくれるんだよ!
おじょうさまの後ろから歩いてくるのは、げぼくさんを従えたないすばでぃーなおねぇさま。
やぁ、げぼくさん…お久しぶり!
右手をあげて挨拶した僕に応える様に、げぼくさんはかたかた揺れた。
おねぇさまはね…怒らせたら恐いのは内緒内緒!
そんなおねぇさまのないすなばでぃーから目を逸らしながら歩いて来るのは、はんらさん。
しまーを回すのが大好きな壁剣士さん……今じゃ絶滅危惧種ってゆって特別保護区が作られるとか作られないとかって話もあるらしい。
今も無意味に僕に盾を飛ばしてるのはきっと職業病。
僕に合わせてみにまむさいずになった盾がくるくる回る姿に、実は可愛いもの好きなごきぶりさんが嬉々とした目を向けた。
お名前の由来は、かさかさごそごそと罠を仕掛ける姿がごきぶりみたいだからなんだって。
僕はごきぶりって見たことないけど、ごしゅじんさまは黒い悪魔だって言ってたから……きっと目の前にいるごきぶりさんも強いんだろうなぁ!
しまーに負けじと、まっするさんが僕に光のご加護と硬い鎧をかけてくれた。
一見減った様に見えるえっちぴーばーを見て反射的に治療をかけたごしゅじんさまと一瞬になって、ふるひーりんぐで回復競争だ。
いつもならここでいけめんさんからもあすひや支援が飛んでくるんだけど、生憎すやすや夢の中。
そんな幸せそうないけめんさんの髪の毛をみつあみにしだしたのは、おどりこさん。
くるくる槍を回して戦場を駆ける姿はまるで踊ってるみたいに綺麗なんだよ!
これで、ぎるどめんばー勢揃い。
揃ったからには話題になるのはやっぱり……。

38 黒頭巾 :2008/05/13(火) 17:57:36 ID:fou9k2gM0
「……で、コレ如何する?」
これ、と呼ばれたのはやっぱり只今幸せ真っ只中のいけめんさんで。
普段は凄くいい人のいけめんさん、一度寝ると中々起きないのが玉に瑕。
ごきぶりさんが、困ったなぁと頬を掻いて提案する。
「……姐さん、いつものアレやっちゃって下さい」
「わかったわ……久々にマスターの美形な顔が苦痛に歪むのを見れるのね……うふふ」
ないすばでぃーなおねぇさまが、恍惚の笑みを浮かべて腰を振ると……そこには、もこもこしたお洋服のお人形さんみたいなねくらさんの姿!
ねくらさんは頭の青い炎で机を焼かない様に注意しながら隣の椅子に攀じ登ると、いけめんさんの耳元に大きなお手々を当ててぼそぼそ囁き始めた。
「nonameが一匹、nonameが二匹、nonameが三匹……」
途端に、幸せそうだったいけめんさんが苦悶の表情を浮かべる。
「姐御の悪夢、流石だな……」
あまりの即効性に、はんらさんが真っ青な顔で呟いた。
周りの皆も頷くしか出来ない。
「nonameが六匹、nonameが七匹、nonameが……」
「や、やめてくれ……」
ずっとねくらさんのたーん。
可哀想ないけめんさんはがたがた震えだした。
「nonameが十匹……」
やめて、ねくらさん……いけめんさんのらいふはもう0よ!
「せめて召喚獣とバラして……ごふっ」
……いけめんさんは力尽きた。

その後、まっするさんのりざで生き返ったいけめんさんは、ばつが悪そうに謝ってた。
皆は少し弄った後で床に円座で座って、集めた元素の出し合いっこ。
「私は98個!」
「おっしゃ、俺104個だから勝った!」
「ふ、甘い……僕は123個も集まったぞ」
「支援BISには2個が限界でした……申し訳ない」
「仕方ないよ、気にしないで……それより、頑張って2個も出してくれたのが凄いよ!」
「そうそう、ありがとう!」
和気藹々と交換して、次々に出来る200個のせっと。
「これ、一箇所ずつならもっと早く作れたんじゃ……」
はんらさん、それは言わないお約束!
「皆が思ったより頑張ったから、嬉しい誤算……だね」
そうそう、そういうこと!
元素の山が3つになったところで、皆の目線はまだ何も出してないいけめんさんへと。
いけめんさんは俯いたまま、懐に手を入れた。
「ふはははは、聞いて驚くがいい愚民共……私は386個だ!」
……いけめんさんが壊れた。
やっぱりまだ悪夢のだめーじから復活してないのかな。
「ええぇぇぇ」
「嘘だろぉぉぉ!?」
「まだ寝ぼけてるんじゃないの?」
「まぁ、冗談は口調だけなんですがね」
皆信じてなかった様だけど、いけめんさんが机の上に出したのは確かに2せっと弱。
いけめんさんは珍しくはっちゃけてみた口調に突っ込んで貰えなかったことにしょぼりしながら、驚き顔のめんばーに説明する。
「明け方のソロ狩り中に、ぽろっとカザヤン出ちゃったから。
 ソレを売ったお金を元手に……300個程さくっと買ってしまいました」
この人、さらりと凄いこと言った!
「運無振りなのにリアルラックだけはいいよな、お前……」
若干運振りのごきぶりさんがお部屋の隅でいじけだしたのも……仕方ないと思う。

39 黒頭巾 :2008/05/13(火) 17:59:55 ID:fou9k2gM0
結局、皆で持ち寄った元素は全部で5せっと+あるふぁになった。
転送員さんに古都に送って貰って、皆で向かった先は古都南東の製鉄所。
ぎるどめんばーだけじゃなくて、僕にも白い大きな羽をくれるいけめんさんの優しさが大好きだ。
本人は「癖みたいなものだけどね」って笑うけど。
いけめんさんがでっぷりびーる腹のおじさんに元素を渡して、石像と交換してもらった。
その瞬間、遠く離れてる筈のぎるどほーるの石像がれべるあっぷするんだから凄いよね。
このおじさんも魔法使いさんなのかなぁ。
そんなことを考えてる間に、五回終わったみたい。
「ファミちゃん、帰るよー」
ぎるどほーるの不思議な時計を振るごしゅじんさまの言葉に、僕は慌てて駆け寄った。

次の瞬間、僕はぎるどほーるにいた。
ごしゅじんさまの後ろを追いかけて、ぎるど石像に近寄ると。
「……緑、ですね」
「ああ……緑、だな」
思わず固まった皆の目線を独り占めしてる変なとんがった石像は……思う存分、緑一色だった。
「石像ってカラフルなんじゃなかったでしたっけ……」
「だよな……あーあ、勿体ねー。麻雀なら役なのに!」
「ソコなの!?」
皆ちょっとがっかりしたみたいだけど、すぐに和気藹々とねたにして。
完成した石像の前で皆で並んで記念撮影!
かめらも見えないけど、お空の上から撮れるんだって。
魔法って便利だなぁ。
かめらを操作してたらしいいけめんさんが、振り向いてこう言った。
「SSは後でGブログにあげとくよ」
……お写真貰えるぶろぐさんって誰だろう?

その後、こつこつと完成していった他の石像は……からふるで綺麗だったのを、ちゃんと追記しとくね。



…いけめんさん話ってより、Gメンさん話になったのは仕様です。
いけめんさんのキャラ壊れてて、ごめんなさい…書いてた時眠かったんです(ノ∀`)(そんな)

40 名無しさん :2008/05/13(火) 21:33:01 ID:UHEVc6Cs0
上げようね^^;

41 ◇68hJrjtY :2008/05/13(火) 21:49:36 ID:eBxhk3.k0
>黒頭巾さん
いけめんさんの別人格(?)、そしてギルメンのみんなのワイワイ話。楽しかったです。
最初は短編と仰っていたこのお話もなんだかだんだん長編化の兆しが!
しかし、こうしてキャラが増えてくると色々勝手な妄想が始まってしまいます(ノ∀`*)
ふぁみたんの呼び名がまたなんとも言えず分かりやすい…ごきぶりさんって言ったら本人怒るのかなぁ(笑)
いけめんさんのいろんな素顔が見えてもやっぱりいけめんさんはやさしくてカッコいいのさっ!とふぁみたん調に。
次回作お待ちしています。
---
お時間あるのですか、ではもう黒頭巾さんがチャット幹事ということで!(待
やっぱり企画にした方が良いでしょうね…ただ前スレ以来まったく顔を見せてくれないFATさんが個人的に心配。ブログにコメしまくっちゃったしなぁ(;´Д`A

42 ◇68hJrjtY :2008/05/13(火) 21:53:36 ID:eBxhk3.k0
●○●○●○●○●○●○●○ というわけでチャットイベント企画第二弾 ●○●○●○●○●○●○●○●

またまた企画させてもらいます!

とりあえず第二回チャットイベは第一回で参加できなかった人の参加を優先にしたいと思いますので
希望日をもう少し長い期間で尋ねてみようかと思います(ある程度出揃えばもちろんOKなのですが)。
というわけで希望日などなど、ありましたら小説UPの傍らにちょこっと書いてもらえたら嬉しいです〜。
もちろんROM専さんの参加もお待ちしています。前回は3名のROM専さんがいらしたので嬉しい限りでした!

ちなみに前回は4/26(土)の夜19時からの開始でした。終了時間は例によって不明となっています(笑)

チャットルームURLはやたらにまるごとを貼り付けるのもアレなので、前スレの881を参照して下さい。
また前スレの955には白猫さんによるチャットの心得もあります。まだ読んでない人などは併せてお読み下さい。

43 白猫 :2008/05/14(水) 22:56:04 ID:HQcswubo0
Puppet―歌姫と絡繰人形―


第一章〜第五章及び番外編もくじ 5冊目>>992
第六章〜第十八章もくじ 6冊目>>924
第十九章 -愛しき君への言葉 迫り来るもう一つの敵- >>5-16



第二十章 激戦の、一歩手前








太陽の日も届かない、地下深くの大迷宮。
 「ッ退けえ!!」
襲い来る狼の胸を爆砕し、ネルは前方にグングニルを放つ。
ガギャン、と見事壁に突き刺さったグングニルは、一瞬後に[爆風]を発動――前方の壁一面を吹き飛ばした。
標的を失ったグングニルが地面に落ちる前に掴んだネルは、目の前に空いた巨大な穴からさらに前進する。
 「ブリッジヘッドにこんな地下があるとは、驚きます」
壁の向こうにいたシーフ達を瞬時に薙ぎ払い、辺りを見回して溜息を吐く。
その後をゆるりと前進していた覆面男は、その無茶苦茶な破壊力に息を呑む。
此処、団長クレリアが発見し、数年前からアジトとして機能している地下道――ブリッジヘッド地下迷宮。
長さは数キロにも渡るこの地下迷宮の最深部に、クレリアがいるはずである。
だが、最深部へ行くには無数の魔物達の攻撃をかいくぐり、進まなければならない。
普段はこの大迷宮を通る必要はない。だが"数千人のシーフ達の探知をかいくぐってクレリアの元へ行く"には、この方法しかないのだ。
作戦の内容はこうだ。

   《戦闘換算レベル450を超える魔物達の群れを抜け、クレリアの元へと行く。
    集団戦闘、個人戦闘、広い場所、閉鎖空間、どちらでも圧倒的な破壊力を誇るネルが先頭を走り、まっすぐ進む》

これだけ。
その[まっすぐ]に嫌な予感を覚えた男は、自分の予感が的中してしまったことを呪う。
ネルは文字通り、壁や階段を無視し[まっすぐ]進んでる。グングニルの破壊力に任せ、全てを破壊しながら進み続けていた。
ルフィエとマイはネルと一定の間隔を保ちながら進んでいる。彼女たちもある程度気配を察知できるので、やられる前に逃げることは可能だろう。
……だが、ネルは本当にムチャクチャな戦い方をしている。
敵は全てモリネルタワーのそれを超える凶暴な魔物達ばかり。並の冒険者なら魔物と遭遇した地点で殺されてしまっているだろう。
だが、ネルはグングニル一本で数十の魔物達を薙ぎ倒してゆく。迷宮に入ってから、まだ一撃ももらっていない。
加えてその体力。
迷宮に入り込んで早一時間。その間彼はずっと、先のペースで驀進を続けている。
彼なら[ドラゴン]も一人で倒せるのではないか、と男は思わず呟いた。
 「覆面、後どれくらいまっすぐ進めば良いのですか」
 「……後、30メートルといったところか」
いつの間にか自分の呼び名は覆面になったらしい。確かに特徴らしい特徴といえばこの覆面とツンツンした髪の毛ぐらいだが……
 (もう少しネーミングセンスというものを――む)
と、その前方。
 「……扉?」
今まで扉だろうと壁だろうと爆砕して進み続けていたネルが、そこでふと立ち止まった。
全長5mほどの、巨大な巨大な扉。
錆びた鉄のような色をしているあたり、かなり古い時代のものに見えるが――
 「地下迷宮にこんなものが……? 無駄に大きいですね」
 「どうしたのネルくん――うわ、でか」
 「ふむ、かなり古い扉だな」
ようやく追い付いてきたルフィエとマイが、ネルの両脇で立ち止まる。
二人とも目立った外傷はない。まぁ、ネルが前方であれほど爆音を鳴らしながら進んでいたのだから、当たり前と言えば当たり前。
その二人を少しだけ見やり、男は扉に触れる。
……冷たい。だが、特に罠の気配もない。
 「罠の気配はないです。行きましょう」

44 白猫 :2008/05/14(水) 22:56:26 ID:HQcswubo0


 (――よし、来い)
その扉の向こう側、巨大な砲台を構えていた男が薄ら笑いを浮かべる。
自分の位置は扉と2mほどしか離れていない。この、近距離からの砲撃。
幽霊鎧すらも一撃で打倒す威力の砲台である。これほど至近距離で放たれれば、まず間違いなく致命傷を負う。
 (扉を開けた瞬間が、お前らの死ぬときだ――)

   ――ゴッ!!!

ネルは鋭い左まわし蹴りで、その扉を蹴破る。
とてつもない重量のはずの扉が、ネルの蹴りによりバガンと淵ごと外れ、倒れる。
 「へっ!?」
突如傾いてくる扉に、砲台を構えた男が目を見開く。
慌てて逃げようとするが、安全ベルトによって砲台と繋がれており、動かない。
 「――――――!!!」

物凄い音量と土煙と共に、厚さ20センチほどの扉は見事向こう側に倒れた。
見れば、ネルの蹴った部分が凹んでいる。なんというムチャクチャなキック力だろう。
と、
 「……どうやら向こう側に、伏兵がいたようです」
真っ先に扉を飛び越えたネルは、扉と床のわずかな隙間を覗き、言う。
ぇ、と立ち止まったルフィエとは対照的に、やっぱりかとマイは苦笑する。
 「通常の罠ではなく伏兵を仕掛けていたということか。しかし扉の下敷きとは可哀想に」
ええ、と冷や汗をかくルフィエの横を通り過ぎ、男は溜息を吐く。
 「随分と長い回廊だ――主の元へ繋がっていそうだな」
 「こんな場所に一人だけ配置していた……ということは、かなりの実力者だったわけですか?」
 「そんな奴が扉に押し潰されるか? 普通」
 「…………」
なんとも後味の悪い勝ち方に、ルフィエは小さく溜息を吐いた。

45 白猫 :2008/05/14(水) 22:56:47 ID:HQcswubo0



 「…………」
ヴァリオルド邸、第二武器庫。
ほぼ毎日此処に入り浸っているカリンは、目の前の剣にグクリと唾を飲み込む。

   [哀咽剣]

間違いない。
遥か古代に打たれ、現代まで誰一人として扱うことのできなかった呪われた剣。
血と嘆きにより汚れた刀身は、まるでカリンの心を映すように、黒く煌いていた。
 (これだけ大量に剣があるんだ、一本くらい無くなっても――)
そう思いかけたカリンは、しかしブルブルと顔を振ってその思いを断ち切る。
が。
 「…………」
少しだけ。
少しだけなら、大丈夫。
そう心中で思い、カリンは哀咽剣に手を伸ばす。
 「カリンお姉ちゃん?」
 「!」
剣まであと数センチ、というところで、後ろからメアリーの顔をかけられる。
その方向を見やり、物凄い形相でメアリーを睨む。
が、メアリーは首をかしげ、カリンの横へ歩く。
 「きれいな剣だね、カリンお姉ちゃん」
 「……きれい?」
メアリーの言葉に、カリンは剣へと視線を戻す。
哀咽剣は真っ黒に穢れているように見える。目を細めて凝視しても、お世辞にも[きれい]とは言えなかった。
 「カリンお姉ちゃんとおんなじ、黒くてつやつやしてる」
 「……!」
その言葉に、カリンは目を見開いた。

   "カリンと同じ"。

 「…………フン」
鼻で笑い、カリンは上げていた手をゆっくりと降ろす。
なんだか気分が削がれてしまったカリンは、踵を返して倉庫から出て行ってしまう。
それを見たメアリーは、慌ててカリンの後を追う。
 「カリンお姉ちゃん、待ってよー」
 「うるさい、付いて来るなチビ」






アリアン、傭兵ギルド。
 「だ―――――――――――ッッッ!!!!!!!」
ガシャーン、と机をひっくり返し、蒼髪のランサー……アーティが椅子から立ち上がった。
机の上に乗っていた無数の書類、羽ペン、インク、ついでにコーヒーカップが辺りに散らばり、やかましい音を立てる。
イライラした様子で部屋の端に立てかけてあった槍を掴み、窓の額縁に手をかける。
 「アーティはん、何処行くねん?」
 「…………」
その後ろ姿を呼び止めたカリアスは、部屋中に散らばっていた書類だか紙屑だかを見やり溜息を吐く。
手に持っていた書類の山を棚に置き、アーティへ詰め寄る。
 「一人だけ逃げようなんて虫のええこと考えてへんやんなー?」
 「……書類多い。無理。死ぬ。書類死する」
 「書類死て何やねん書類死て。まだ半分も終わってへんねんから、頼むから暴れんといて下さい」
 「……フッ、甘いわっ!!」
カリアスの言葉に、アーティは手に持ったランスを旋回させる。
途端に巻き起こる旋風に、カリアスは「げ」と一歩下がった。

   「『 シャベリンテンペストォッ!! 』」



 「ててっ……」
地面に突っ伏し、立ち上がったカリアスは痛む体で辺りを見回す。
先に持ってきた書類諸共、部屋中は紙屑で無茶苦茶な状態になっている。室内で嵐なんて起こればそうなっても不思議ではない。
そしてやっぱり、アーティの姿はどこかに消えてしまっていた。
 「……これで何回目の脱走やねん」
お転婆にも程があるアーティの行動に、カリアスはゆっくりと溜息を吐いた。
ちなみに、アーティはまだ怪我人である。

46 白猫 :2008/05/14(水) 22:57:11 ID:HQcswubo0



ブリッジヘッド地下迷宮に突入してから、早二時間。
 「だーかーらー! 絶対右のボタンですって!!」
 「いーや違うな! 絶対左のボタンだこれは!!」
ようやくクレリアの部屋の前まで到着した四人は、最後の最後で奇妙な仕掛けに足止めを食っていた。
目の前にはクレリアの部屋へと続く扉。
表面が焦げているのは、最初にネルが[爆風]で破壊しようとした跡。
いや、グングニルどころか、マイの[唄]で上乗せされたルフィエの[スーパーノヴァ]や覆面男の持っていた手榴弾数発、ネルの超人的な破壊力の攻撃を持ってすら、この扉は破れなかった。
戻る道はない。扉に攻撃を加えた途端、背後の扉にロックがかかってしまった。
背後の扉も前方の扉と同じことを行ったが、結果は散々である。

そして、扉横にある2つのボタン。

そこにはかわいらしい文字で「どっちかを押すと扉が開いて、どっちかを押すと死にます☆」と書かれている。
それを見るや否や右のボタンを押そうとしたネルを引きとめ、今しょーもない口論が起こっていた。
 「僕はこういう二択は得意なんです! いいから黙って右のボタンを押させなさいっ!!」
 「信用ならんなお前は! そもそも出口が閉まったのはお前が攻撃を加えたせいだろう!!」
 「それはそれです! そもそもこの中だと僕が一番運がいい!!」
 「スターライトを使えば私の方が上だッ!! そこを退けえッ!!」
ネルがボタンを押そうとすればその手をはたき、
マイがボタンを押そうとすればその手を蹴り上げ、
ボタンをけり押そうとすればその足に光弾を投げつけ、
その隙にボタンを押そうとすればその眼前にグングニルが突き刺さる。
なんだか徐々に危険な空気になっている。

部屋の端っこで体育座りをしていたルフィエは、溜息を吐いて空中に絵を描く。
右側に「右」、左側に「左」と書き、中央に区切りの縦線をシャッと走らせる。
 「ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な、て、ん、の、か、み、さ、ま、の、い、う、と、お、り」
右左右左と交互に指すルフィエは、首を傾げながら言い続ける。
 「か、き、の、た、ね、ちゅっちゅくちゅーのちゅ、ちゅ、ちゅ」
ピタリ、と止まった指は、左を指した。
 「決まりー! 左を押そう!」

   「「ルフィエうっさい!!」」

ネルはともかく、左を押すと言っていたマイにまで怒鳴られルフィエはむすっとする。
再び体育座りで地面に座り込み、今度は地面に光の線を描いていく。
 「右に倒れたら右。左に倒れたら左ね……」
スターワンドを地面に立て、えい!と手を離す。
パタリ、と倒れたワンドが指す方は、右。
 「決まりー! やっぱり右押そう!!」

   「「どっちだよ!!!」」

覆面男は寝てる。

 「………………………………………………………」
異様に長い沈黙の中、クレリアはイライラしながら目の前の扉を睨む。
その扉の向こうにはネル達がいるはず――というか、いる。
先からやかましい声が聞こえてくる。このときほど、扉に防音設備を整えなかったことを後悔した。
実のところ、ボタンはどちらを押しても即、天井が落ちるという仕組みになっている。
要するにボタンさえ押してくれれば、彼らはお陀仏なわけだが――

 「だーかーらー! こういうのは僕に任せればいいんですよっ!!」
 「ええい! うっさい、四の五の言わずに私に押させろっっ!!」
 「ねージャンケンで決めようよ〜」
 「「うっさい!!」」

 「……いつ終わるんだこいつらのコレは」

47 白猫 :2008/05/14(水) 22:57:39 ID:HQcswubo0



十分後。

 「……もうこうなったら、ボタンを押さずに扉をぶち抜くしかないようですね」
 (何故そうなる!?)
(ノヴァが体に数発炸裂した跡のある)ネルの殺気立った声に、クレリアは目を見開く。
慌てて扉から離れようとするが、しかし思い出す。
この扉はミスリル合金製。さらに防護魔法を数十加えることで、無双の防御力を誇る。
いくら攻撃力が高い武器を使おうとも、この扉は破れない。
 「ルフィエ、女神を」
 「うん」
ネルに頷きかけ、(とばっちりで火傷した)ルフィエはスターワンドを鋭く払う。
途端にネルを包み込む、金色の光。
それを目を細めて見やり、(全身ズタボロな)マイは端のほうで寝ていた(やっぱりというか無傷の)覆面男を蹴起こした。
 「……どちらを押すか決めたのか?」
 「いいや。扉をぶち抜くことにした」
 「…………」
絶句する覆面男を引きずりながら、部屋の奥へと下がった。

白く煌くグングニルを肩に番え、ネルは両足の間隔をさらに開く。
腰を低く落とし、右手に込められるだけの力を込めた。
 「ッスゥ――――」
肺いっぱいに息を吸い込み、小さく吐く。
右手の甲に埋め込まれたエリクシル、その輝きを見やり、ネルは少しだけ微笑んだ。
 (おまえの力が必要だ、エリクシル)
その紅に煌く宝石の中、
無限とも思える膨大な魔力の渦。その中から、一握りの魔力を取り出し、燃やす。
この扉をぶち抜くには、単なる[槍の力]だけでは足りない。
唯一無二の[破壊神の槍]たる、その力を極限にまで引き出す。
それが、必要不可欠なのだ。
 「……エリクシル、[第三段階]」

ネルの呟きと同時、

ネルの体を紅色の炎が覆い尽くし、その全身を紅色に彩る。
その光景を目を細めて見やったルフィエは、胸の十字架を握り締め、心中で呟く。
 (どうして、なの)
徐々に形作られていく全身鎧や[深紅衣]、巨大な仮面にルフィエは顔を俯かせる。

   怖い。

そう思ってしまった。ネルのことを見て。
それほどの魔力が、部屋全体を渦巻き、包み込んでいた。
以前見た[第三段階]とは違う――なにかが。
と、
 「――!!」
ネルの髪の色が、染め上げられてゆく。
見惚れてしまうほど美しい、紅色へと。
いつの日か見た――[第四段階]のときと同じだ。
 〈ルフィエ、[断罪者]にはならぬよう〉
 (分かってる)
むかつく胃を抑え、ルフィエは深呼吸をする。
最初は早く、徐々にゆっくりと。
ようやく落ち着いた後、ルフィエはネルの姿を見やる。
ネルの左側に立っているルフィエは、その仮面のせいで顔を見ることができない。
だが、彼がどんな顔をしているか――それは、簡単に分かった。
 「ルフィエ、信じてて」
その言葉で、分かった。
 「僕が、護るから――君を」
 「……うん」


 「――アアアァアアアアアアッッッッ!!!!!」
体中に溜めた力を、一気に解放する。
右手に番えた槍に全神経を注ぎ、右足をさらに深く、左足をさらに強く踏み込んだ。
 「――『 破(トライ)、槍(デント)ッ!! 』」
そして、グングニルが放たれた。
ルフィエの力たる金、ネルの力たる紅、グングニルの力たる白の混ざりあった、魔力と共に。

凄まじい勢いで、ほぼ零距離から放たれた槍は、

とてつもない音と共に、前方の扉をぶち抜いた。

48 白猫 :2008/05/14(水) 22:58:03 ID:HQcswubo0




 「……ひゃー。私たちがあれだけやっても壊れなかった扉を、ああも易々と壊すか」
言葉と裏腹に、マイはやけに嬉しそうである。
そのマイと対象に、覆面男はぐったりとした顔で目の前、扉の縁ごと消滅し、ポッカリと空いた穴を見やる。
 「ネルくん、やったね」
 〈見事です。この短期間で[破槍]まで覚えてしまいましたか。やはり貴方はワルキュ――〉
 「ほら、いいからさっさと先に進みますよ」
向こうの部屋、すぐ傍の床に突き刺さっていたグングニルを引き抜き、ネルは辺りを見回す。
シーフギルドの団長が使う部屋――にしては、特に何も置かれていない。
唯一目に入るのは、部屋の奥に置かれた肘掛椅子、そしてその後ろに飾られた、ヴァリオルドのタペストリー。
ご丁寧にも逆さまに飾り、真っ二つに裂かれている。最も、ヴァリオルドを憎む者は少なくない。こんなもの、今まで捨てるほど見てきたが。
それよりも、今はクレリアがどこにいるか――
 ([先制攻撃]で探知できる範囲内にいない――!?)
扉を破る前までは、奇妙な気配を感じていた。
この上なく忌々しく、そしてどこか懐かしい気配――クレリアの気配。
[先制攻撃]の範囲から瞬時に離脱することなど有り得るはずがない。
 「――覆面! 奴はポータルスフィアを所持しているのですか!?」
ポータルスフィア。
瞬時に大陸間を移動できるほどの魔力を込めた宝玉。
さらに持主の運字体を上昇させることもできるが、この宝玉一つで家が5つは立つため好き好んで買おうとする者は少ない。
だが、自分がグングニルから意識を離した一瞬――[先制攻撃]が解除された一瞬――の間に、クレリアの気配が消えた。
 「それはない。第一、この地下迷宮でそんな物は使えん」
 「……僕以上の速度で移動はない、スフィアが使用不可能、となると――」
そう呟き、ネルは己の足元を見やった。

そこに刻まれている、血で描かれたような赤の線。
その線は部屋の床いっぱいに続き、まるで何かを描いたかのような――
 「――マイ! "これ"、解読できますか!?」
 「ん」
ネルの言葉に、マイは部屋の中へゆっくりと入る。
目を細めてその線を眺め、
 「ああ、分かった」
 「早っ」
即答した。
ルフィエの呟きに苦笑し、マイはネルを通り過ぎて部屋の中央に立つ。
 「これはエナジーフィールド――平たく言えば魔方陣だな」
 「マホージン――て何ですか?」
首をかしげてルフィエの方を見やるが、ルフィエも首を横に振る。
まぁ無理もない。と肩を落としたマイは、部屋の奥の肘掛椅子に腰かけた。
 「魔方陣は簡単に言えば――魔力の"場"みたいなものだ」
 「場――範囲のようなものですか?」
ネルの冒険者、武術家としては至極真っ当な答えに、マイはしかし目を閉じる。
 「似て非なるものだ。"それが影響を及ぼすことのできる場"が範囲ならば、魔方陣の"場"は「魔力そのものが影響を及ぼすことができる場」だ」
 「…………?」
どうにもマイの言い回しは難しい。ネルはその半分も理解できない。
かろうじて理解できたらしいルフィエも、こめかみに指を置いてうーんと唸っている。
覆面男は鼾をかき始めてる。どこででも寝れるのかこの人は。
 「魔方陣はその場の魔力を自動的に起動する力を持っている。まぁ、例えばの話――」

49 白猫 :2008/05/14(水) 22:58:27 ID:HQcswubo0

@わかりやすい(?)マイ先生の魔方陣講座@

マ:仮に、私とネル公が戦ったとする。神器の使用は不可とするぞ。

ネ:100パー僕の圧勝ですね。

マ:やかましい。……でだ。私とネルが15mの距離を空けて立っていたとする。私の射程は10m、ネル公の射程を5mと仮定するぞ。

 :このとき、双方の攻撃は相手には届かない。攻撃範囲の中に相手がいないからだ。これは理解できるな?

ネ:ええ、まぁ……。

ル:だいたいは、ね……。

マ:だが私が一歩も動かなくても、ネル公に攻撃を当てる方法がある。それが[魔方陣]だ。

 :魔方陣はいわば"即席の神器"だ。魔方陣を描き、そこに魔力を込めるだけで、魔方陣は自動的に発動する。

ネ:具体的にどうなるんですか?

マ:魔方陣は、その形と描かれるルーン文字によって効果は異なる。地雷のように中に入った者を攻撃することも、逆に回復することも可能。

 :さらに、術者の魔力を増強させることも減衰させることも思いのまま――分かったか?

ル:術者を強くできちゃうんだ――どれくらいの効果があるの?

マ:効果は式が高度なものであればあるほど増す。私の魔方陣はそうだな、精々70%といったところか?

ネ:術の威力も射程も七割増……おっそろしいですね、魔方陣。

マ:ま、実際の戦闘で魔方陣なんぞ使えんがな。書く時間ないし。

 :だがやろうと思えば衣服に魔方陣を描いておくことくらいわけない。実際、私も背中に魔方陣のタトゥーを入れてるからな。



   :要するに私の圧勝だ、ハッハッハッハ!!!

ネ:………………。

ル:(絶対これが言いたかっただけだ……)

@わかりやすい(?)マイ先生の魔方陣講座でした!@

50 白猫 :2008/05/14(水) 22:58:53 ID:HQcswubo0


 「で、魔方陣のことは分かりましたから……問題は、これが何の魔方陣かってことです」
 「ああ、これ。私がず――――――――っと前に……修業時代お遊びで書いた魔方陣だ。瞬移の」
ネルの言葉に、思い出したようにマイが頷く。
うんうん、と何度も首を縦に振るマイを見、ネルはそうですか――と頷きかけて、

止まった。

 「……………………瞬、移?」
 「……瞬間、移動?」
 「テレポートのことか?」
三者三様の反応に、マイは頭をガリガリと掻いて笑う。
 「あー、そ。テレポート。これなら魔力さえあれば、フランテル中どっこにでも飛べるだろうな。ハッハッハ。若い頃の私の才能が憎いなー!」
が、
ドズン、とネルの足が、一歩部屋の奥へと踏み出される。
コンクリートで固められているはずの床にネルの足が埋まり、マイはビクッとする。
全身からまさに憤怒のオーラを撒き散らすネルは、ゆっくりとマイに微笑みかける。
 「要、する、に。あなたが書いたこの魔方陣がいつの間にかクレリアの手に渡って、いつの間にかシーフギルド内で使われるようになって、いつの間にかクレリアはこれで逃げ出したってことですかねぇ? マイ?」
 「あー……いや、えーっと……」

   「往生せいや―――――――ッッッッ!!!!!」
   「勘弁しろ―――――――ッッッ!!?」







十五分後。

 「なんで最初から後を追えるって言わなかったんですか」
グングニルを煤だらけの床から引き抜き、ネルは溜息を吐く。
その目の前、小声で「若干チビッた……」と震えるマイは、慌てて立ちあがって涙目で怒鳴る。
 「言う前に襲いかかってきただろうがッッ!!!」
 「そうでしたっけね? いいから早くやってください」
抜け抜けと言うネルを睨み、マイはブーツで床を二度、カンカンと叩く。
途端、抉れたり盛り上がったりしていた床が平らに均され、赤色の文様――魔方陣が再生する。
 「"逆転魔法"で行き先を特定する」
 「逆転魔法くらいなら、私が――」
 「いい」
ルフィエの言葉を遮り、マイは魔方陣を撫で、笑う。
 「あなたには、大仕事があるだろう?」
 「…………?」
微笑んだマイに首を傾げ、しかしルフィエは黙ったままその姿を見やる。
しばらく魔方陣に手を当て黙っていたマイは、やがて立ち上がり、言った。
 「古都ブルンネンシュティングへ繋がっていたようだな」
 「…………!」
その言葉に目を見開いたネルは、しかし頷く。
クレリアは十中八九ヴァリオルド邸だ。一体、何を考えている。
 「この魔方陣、今すぐ起動できますか」
 「できる。――が、生憎と私の魔力では"ふたり"が限界だ」
 「ふた、り――」
 「そう。ネル公と小娘の二人」
心配そうに俯くルフィエに微笑み、その背中をぐいと押す。
 「ほら、さっさと行ってこい」
微笑むマイを首を傾げて見やりルフィエは、しかしとりあえずその指示に従う。
ネルとルフィエ、二人が魔方陣の中に入ったのを見、マイはゆっくりとしゃがみ込み、両手を魔法陣に当てた。
そして、一瞬。

音もなく、その場からネルとルフィエの姿が掻き消えた。



FIN...

51 白猫 :2008/05/14(水) 22:59:15 ID:HQcswubo0
おまけの番外編


 ガチでバトル、しようぜ!



古都襲撃事件後の、オアシス都市アリアン。
多忙を極めた四月も終わりに差し掛かり、ようやくネルはアリアンの傭兵ギルドをルフィエ、カリアス、アーティ、カリン、アネットと共に出た。
 「傷を癒す暇なくこれはキッツいわー……」
肩を回しながら、うんざりとしたようにアーティは言う。
それもそうだ。ベッドから起きた途端に仕事が用意され、養生などろくにしていない。
傷そのものは塞がってしまっているが、それでも傷に障るものは障る。
その点なんにもやっていないアネットとカリンは、抜け抜けと感想を漏らす。
 「アリアン傭兵ギルドも大したことないわねぇ」
 「どいつもこいつも、弛んでいる……」
その二人の感想に、同じく何もやっていないルフィエがクスリと笑う。
 「私たちも今月は修行どころじゃなかったから、弛みまくりじゃないかな」
そのルフィエの言葉に、しかしネルは目を細める。
 「……僕は鍛錬は欠かしてませんが?」
 「え」
 「オレもや。瞑想は日課やからな」
 「え?」
 「修行サボってたの、ルフィエだけじゃない?」
 「えっ!?」
あわわと手を振るルフィエに笑い、しかしネルは言う。

言ってはいけない言葉を。

   「でも、ルフィエの実力はこの中でも抜きん出ていますからね」



しばらくの、沈黙。
最初に口を開いたのは、カリンだった。
 「……聞き捨てならんな。最強は私に決まっている」
その言葉に目を細めたのは、カリアスだった。
 「はぁ? 何言うとんねん、最強はオレかアーティはんやろ」
その声に剣を握ったのは、アネットだった。
 「それは違うわね……ちいちゃな坊やが、私に勝てると思ってるのかしら?」
最後に油を注いだのは、ルフィエだった。
 「いちばん強いの、ネルくんだと思うけど……」

その後、数分の議論の末に「実際にやり合おうじゃねえか」みたいな物騒な提案がされたのは言うまでもない。

52 白猫 :2008/05/14(水) 23:00:36 ID:HQcswubo0

①ネリエルvs②ルフィエvs③カリアスvs④アーティvs⑤カリンvs⑥アネット。

厳正な(くじbうわなにをするやめ(ry)審査の結果、以下の対戦表となった。

第一回戦 カリアス vs アネット

第二回戦 ルフィエ vs ネリエル

第三回戦 アーティ vs カリン

準決勝 一回戦勝者 vs 二回戦勝者

決勝戦 準決勝勝者 vs 三回戦勝者

 「……アーティはんと黒騎士、せこないか?」
 「運も実力のうちよ」
 「そういうことだ」


・ルール・
どちらかが気絶するか、負けを認めるか、反則を犯すかするまで続けられる。
反則
  相手(男)の急所(大事なところ)を攻撃する。
  アイテムを使用する。
  その他審判が反則と判断するような行為を行う。


第一回戦

古都の守護神、フランテル最速の冒険者
[白の魔術師]カリアス=ハイローム

vs

ヴァリオルド家長女、[月影団]首領
[紅豹]アネット=ライラ



試合開始。






 「んじゃま――!?」
速攻でヘイストを発動しようとしたカリアスの眼前、

既にアネットは、軽快なステップでカリアスに向けて剣を突き出していた。
 「ッ!?」
術の詠唱を中断し、カリアスはその突きを咄嗟に避ける。
バックステップで距離を取り、再び詠唱しようと息を吸う。
が。
アネットはその合間にもさらに前進、長剣とは思えない速度でその剣を払う。
それを杖で受け止め、カリアスはようやくその場に踏み止まった。
ギリギリと杖越しに感じる、アネットの凄まじい腕力。
この細い腕から、一体どうすればここまで強い力を出せるのだろう。
 「フフ――直接手合わせするのは初めてかしら。だけど、そんな小賢しい杖じゃ私は倒せない」
小賢しい杖、というアネットの言葉に、カリアスの目付きが変わった。
この杖は普段の[通常戦闘用の杖]ではない。正真正銘、[対人外用の杖]である。
つまり、カリアスの最も愛用する杖。
アーティやカリアスのように、一流の冒険者は自らの武器には少なからず愛着がある。
それを侮辱されるということは、自らを侮辱されたに等しい。
 「――小賢しいか、見せたるやんけ……『 フレイム・ストーム 』」
と、カリアスとアネットの間。
僅かに空いていた隙間で、炎の球が凝縮される。
 「!」
それを目ではなく肌で感じたアネットは、咄嗟に足に黒い靄を纏わせ、跳んだ。
一度の跳躍で、しかも前屈という体勢から一瞬で数メートルの高さまで。
一瞬遅れて、カリアスの胸の辺りから凄まじい勢いで炎の塊が吐き出された。
反応が遅れていたら、恐らく火傷では済まない威力。
その炎を見やり、アネットは小さく首を傾げる。
 (……モーションが無い?)

53 白猫 :2008/05/14(水) 23:00:59 ID:HQcswubo0
自分は剣で、確実にカリアスを仕留める為に杖を封じていた――はずである。
だがカリアスはそれにも関わらず、フレイムストーム"ともう一つの術"を発動した。
通常なら有り得ない速度。一度目の呪文は詠唱すら聞こえなかった。
 「……凄いわね、カリアス=ハイローム。モーションがない上、ヘイストは詠唱もなし?」
空中から、いつの間にかエンチャントと水の壁を纏ったカリアスへと笑いかける。
相対するカリアスは、小さく呪文を呟き[リビテイト]を発動する。やはり、モーションは無い。
これでは相手にブロックさせようとも杖を破壊しようとも、やすやすと術を発動される。
 (んっとに厄介)
戦いは激化すればするほど、"相手の術をどう防ぐか"ではなく"相手の術をどう発動させないか"というところに重きが置かれる。
一撃決まれば致命傷という威力を持つ術がほとんどなのだ。発動させないことで、相手を倒すしかない。
だが、カリアスは違う。
カリアスの攻撃は、"どこからが攻撃でどこからが技なのか"分からない。
しかも通常の攻撃も半端ではなく速いと聞く。まともに戦い続けても、体力を消耗するだけ。
ダラダラと長く続けるのも趣味ではない。
 「ッスゥ――」
上空で息を吸い、肺いっぱいに空気を送る。
準備術は必要ない。空には巨大な満月が輝いている。
両手で剣を掴み、地面のカリアスに怒鳴りかける。
 「本ッ気の一撃でケリをつけてあげる……防御も回避も不可能なこの術、受けてみなさい」
 「…………」
アネットの言葉にではなく、構えにカリアスは杖を握り直す。
彼女の構え。あれは間違いなく奥義[月光斬]の構えだ。
アーティにあの術の特性はよく聞かされている。彼女自身も、あの術で深手を負ったことがあるという。
その一撃が今、自分へ向けられる。
逃げようとは思わない。逃げられない術であるかどうかは関係がない。
ここで逃げれば、自分は試合に勝とうとも、勝った気分にはなれない。
 「……相手の奥義を跳ね返してこそ、完全勝利やな」
そう言い、カリアスは両手で杖を握る。
己の魔力を全て集め、あの術へぶつけるのだ。

 「『 ――月光斬ッ!! 』」
 「『 ウォーター、キャノン――!! 』」

金色の煌きを見、カリアスは誤算をした。
一つ。ウォーターキャノンを出すタイミングが、僅かに速過ぎた。
これでは失速し、威力が乗りきらない。
二つ。[月光斬]の攻撃範囲が、思ったより広い。
ウォーターキャノンを槍のように放ってしまい、これでは相殺できな――




 「ってことで、勝者アネット=ライラ〜」
 「うっせうっせ!!」
 「ま、当然ね」
特大の[月光斬]を喰らい、半アフロ状態になったカリアスを見、ビッショビショになったアネットが得意げに笑う。
やはりカリアスのウォーターキャノンは、[月光斬]を相殺できなかった。
だが槍のように中央に集めた水の怒涛が、アネットを飲み込み服を濡らしてしまったわけだが。
だが、とりあえず水と閃光では威力がそれこそ桁で違った。
見事に[月光斬]でカリアスを下し、アネット=ライラが準決勝へと進む。


つづけ。

54 白猫 :2008/05/14(水) 23:01:20 ID:HQcswubo0
おまけのさらにおまけ




999字小説


それは種。
それは一人の女の子が埋めた種。
戦で滅びてしまった古都の跡地に埋められた種。
世界は海で繋がり、魔法も廃れ、科学の先行した時代の種。
それを、少女は古都の、小さな塔の近くに埋めた。
この辺りに、草木は一本も生えていない。
度重なる戦で腐敗した土に、生命は宿ることはできなかった。
それでも少女は、種を埋めた。
いつか大きな花が咲く――そう願い、そう信じ、少女は埋めた。

少女は毎日水をやった。
水は吸収されず、黒く薄汚れた水溜りとなって残ってしまった。
それでも少女は、毎日水をやった。
人が腐敗した土に触れ続ければどうなってしまうか分からなかったというのに。
それでも少女はずっとずっと、水をやり続けた。


やがて時が経ち、少女は女になっていた。
若い男と野を巡り山を越え、旅をする最中。
女はふと、十年前のあの跡地を思い出した。花は咲いているだろうか?
いや、咲いているはずがない。あの地は腐敗し、草木一本生えることはなくなってしまっていたのだから。
だが興味は湧いた。もしもあの種が芽を出し――花を咲かせていたら。
きっと再び、あの地に活気が戻るだろう。
そう思い立った女は、男を説き伏せ、あの跡地へと向かった。

だがやはり、そこには花どころか、芽すら出ていなかった。
やはりそんなものなのか…と女は諦め、そこを後にした。


やがて時が経ち、女は老婆になっていた。
あの時の男と結ばれ、子宝に恵まれ、決して裕福ではなかったが、幸せな家庭を築いた。
そしてあの時の男が死に、一人身となった老婆は、唐突に種のことを思い出した。
 (そうだ――あの時の種を見に行こう)
そう思い立った老婆は、すぐ跡地へと向かった。
だが、花は咲いていなかった。
あのときの跡地のままの姿だけが、残されていた。
草木一本生えない。ということは、やはり正しいのだろうか。
そう諦めかけた老婆は、しかし考えた。今からでも遅くはない、もう一度、水をやってみよう。
老婆は跡地の近くに小屋を建て、毎日種に水をやった。


やがて老婆はこの世を去った。
それから数百年後、跡地の腐敗した土もいつしか太陽に焼かれ雨風に打たれ、その毒素も抜け切った。

そんなある日、一人の旅人がこの跡地へとやってきた。
その旅人が、真っ先に見たもの。


それは、古都の跡地でただ一つ咲く、小さな小さな美しい花だった。

55 白猫 :2008/05/14(水) 23:01:43 ID:HQcswubo0

---
どうも、ご無沙汰しております、白猫です。
今回は嵐一歩手前仕様となっております。20章で完結という目標は無理でしたので、25章完結を狙おうと思います(コラ
今回は半分くらいユルーいお話で構成されています。白猫のおふざけです。

>之神さん
おほめの言葉ありがとうございます、ANDラストバッターお疲れ様でございます。
…��
すみません、いつもの癖でやっちまいましたorz
今度からゴールドを心がけますorz

>名無し(68h)さん
ありがとうございます。本命は999番だったのですが、まぁ結果オーライというやつです笑
前回の手法は「過去」視点で書くので臨場感に欠けるのですが、諸々の事情であの手法へ。
次から次へとポロポロ謎が出てきますが、最終章になんとかまとめようと思います。
最終章でもまとめられないものは次回まで引っ張ろうと思います(ぇ
これからどんどん物語が暗くなっていくかと思いますが、どうか最後まで眺めてやってください。
---
GW、人がいっぱいであんまり楽しめませんでした…orz
テスト期間にもうすぐ突入してしまうため、またIN時間が……。

第二回チャットイベ。
私の予定は「午後八時以降」のみです。平日だろうと休祝日だろうとINはできますが、部活の関係上8時以前は厳しいです。
参加ができれば、楽しみにしています〜!



>黒頭巾さん
クレリアの設定を考えている時に「兄貴とか面白くね?」と思いついただけなのです(オイ
クレリア編をまだ引き延ばす私。さあお言いなさい、「おばかさん」t(ry

ということで、最終章まで出ないカリアスを。勝たせるつもりだったんだけど、気付いたから負けてました。てh(殴
私はRSを始めた時、ウィザードは絶対に眼鏡キャラだと思っていました。キャラ選択の画面を見てがっかりしたのは言う間瀬もありませんorz
---
若干壊れかけのいけめんさn……いけめんっちが楽しくて楽しくて……(コラ
私も一度BISでファミにブレスを回したことがあるのですが、
あれ名前がついてても難しいものなんですよね……どこまでかけたっけ、あれ?ということが多々……orz
次回は何だろう……ギルドネタ続きでGv編? 時事ネタならそろそろ梅雨……ともあれ、続きを楽しみにしていますね。




さて最近、次回作を真剣に考えています。
一応ネタは3つ上がっており、その内2つは短編仕様なので全部やろうとは考えていますが……。
①フランテルの東、架空の海[スバイン海]を舞台とする海賊のお話
②声の出ない少女と記憶を失った少年の、ビルスを舞台とする小さなお話
③[ルヴィラィの内乱]後の古都を舞台とする、二人の魔術師の冒険記

この1,2,3は一応番号順に執筆を開始しています。
二番についてはもう話の筋は完成していますので、このまま突っ切ろうと思っております。


では今回はこの辺で失礼します。
白猫の提供でお送りしました。

56 ◇68hJrjtY :2008/05/15(木) 00:04:51 ID:q4tF/sLE0
>白猫さん
いつもなら書き手さんの小説が2、3個ほどUPされてからレスするようにしている私ですが(スレ消費抑止)…
前回仰っていた999文字小説までUPされてる(*´д`*) てなわけでレスしちゃいます(笑)

Puppet20章。今回は(前回もちょこっと)コメディ仕様といいますか、なるほど嵐の前の静けさを醸し出していますね。
今までの展開が展開だけにほのぼのシーンの連発にはこっちも頬が緩みっぱなしでした。覆面さん、何気に気に入りました(笑)
悪く言えば無駄足で終わってしまいそうになりつつも、ブリジ編はマイやクレリアといった新キャラでありつつネルたちにも深い繋がりがあるキャラが総出ですね。
そして一方その頃では無いですが不気味な剣を見つけたカリンと脱走したアーティ…彼女たちもまた騒動に関与してきそうな雰囲気。
またもヴァリオルド邸が戦闘の舞台になってしまうのでしょうか。続きお待ちしています。

そしてガチバトル編(笑)
チャットイベで話した天下○武道会風味な、白猫さん十八番の戦闘シーンが堪能できるイイ番外編ですね(´¬`*)
反則の①に吹きつつもさっそくカリアスvsアネット。こんな風にお互いの実力が逼迫している戦いはホント、面白いです。
最後の決め手も「速すぎた」ウォーターキャノンのせいでカリアスの敗北という意外な展開。
しかし、普段の生活ぶりからではなく戦闘によってキャラの性格が垣間見えてくるというのもある意味不思議な気分です。
次のマッチはルフィエvsネルですか…全力全開で戦ったら果たしてどちらが!楽しみにしています。

そしてそして999文字小説。
RS舞台というよりも普通の短編小説として読んでも良い、どこか悲しくてホロリと来るけど素敵な話ですね。
ひとりの女の子が成長して老婆になるという流れがたったこれだけの中で語られるのも儚いというか。
女の子と一緒に成長はできなかったけれど、彼女が死んだ後にしっかり芽を出して花を咲かせた種。
きっとそのうち大きな花畑になるだろうなあと想像しながら読ませていただきました!
999文字という制限内での小説、ありがとうございました。この七冊目ラストでも是非!(笑)

57 ESCADA a.k.a. DIWALI :2008/05/15(木) 10:14:22 ID:BnQc0o7w0
最新スレなのでキャラ紹介も入れておかないと;;;
これから登場予定のキャラもちょびっと出してみたり・・・・・


+ミリアン・ウォン…性別:女 年齢:14 職業:ビーストテイマー
エルベルグ山脈北東部に暮らす,とあるロマの村の出身。好奇心旺盛で人懐っこく,甘えん坊でちょっと泣き虫。
まだまだ精神は幼いが純粋で心優しい女の子である。その反面,生まれた村の習慣により(*後述)武術を会得。
スタイルは東洋が発祥とされている「八極拳」なる拳法をベースとした打撃主体の格闘術を得意としている。
もちろんビーストテイマーとしての腕も高く,春風のような優しい笛の音色はペットたちを勇気付けてくれる。
ペットとしてファミリアexとエルフ戦士zinを飼っていて,彼女と彼らの仲の良さはとてもイイ。
仲間からは「ミリア」と呼ばれている。一人称は「ミリア」,口癖は「うにゅ〜」「やぅ〜」

+ラティナ・シノノメ(本名:東雲あやね)…性別:女 年齢:18 職業:ランサー
はるか東に存在する異国である,とある島国の出身。明るく優しい性格だが,多少頑固で融通の利かないところも。
正義感は人一倍強く,犯罪を見るとすぐに追跡してすぐに解決。古都治安維持局から授与された勲章や賞状は数知れず・・・
それが成せるのも彼女の驚異的なフットワークの軽さと機動力のおかげで,かつて在籍していたギルドでの戦闘において
ダメージを負わずに単独で勝利してしまうほど。仲間のトレスヴァントとは紆余曲折もあったが晴れて恋人同士に。
彼の前では大胆にデレデレするくらいにトレスヴァントが大好き。一人称は「わたし」

+トレスヴァント・ヘンリケス…性別:男 年齢:19 職業:戦士
港湾都市ブリッジヘッドのスラム街出身。気さくで一直線な性格,鋼のマッチョボディを有する。
腕力は1tの鉄塊を片手で持ち上げれるほどに強力,そのおかげで重量のある大剣もナイフのように軽々と振り回せる。
全身のしなやかな筋肉のおかげで運動能力は超人レベルなのだが・・・いかんせん,勉強だけは苦手らしい。
少年時代の学校の成績は体育以外オール1という悲惨さ,なのに魔法の扱いは人並みという不思議。
ラティナ(あやね)とは相思相愛のバカップル。彼女に何かあろうものなら鬼のような形相で飛んでくる・・・
一人称は「俺」。

+エディ・ヘンリケス…性別:男 年齢:19 職業:シーフ
トレスヴァントとは双子の兄弟。おちゃらけた軽い性格のお調子者で,何かとジョークをとばしてくる。
だが戦闘となれば冷徹な性格に豹変。爆薬に地雷,有刺鉄線といったえげつない罠を駆使して血祭りにあげる。
しかし相手に死を与えるのだけは忌避するらしく,致命傷を与える程度で済ませている。他にも武術を使えるのだが
流派は珍しいことに,旧世界の格闘技「カポエイラ」を使う。あまりにトリッキーな足技が多いため,過去のギルドウォーでも
彼にダメージを与えられずに蹴り飛ばされた者も多い。小柄だがイケメンなので隠れ女性ファンが非常に多い。
一人称は「オレっち」

+バーソロミュー・サヴェスティーロ…性別:男 年齢:21 職業:ウィザード
魔法都市スマグの出身。同都市において5本指に数えられる名家,「サヴェスティーロ・ファミリー」の元御曹司。
一家はかつては普通の財閥だったのだが,バーソロミューの父が麻薬に手を染めたことで裏ではマフィアの顔も持つように。
彼の母親は悪に染まり行く夫に愛想を尽かして離婚,バーソロミューは父親に虐待を受けて育つこととなる・・・
20才を迎えた日に,彼は叔父やその年に知り合ったエディと手を組み父親を暗殺することに成功,ファミリーを
解散させた。性格は温厚で丁寧口調だが,怒らせると非常に恐い。闇の元素も扱える程に魔法を使うのが上手い。
あとエロに関しては小学生レベル。一瞬見ただけでも顔を赤くして憤慨する。一人称は「僕」。

+フィナーア・ウォン…性別:女 年齢:22 職業:ビーストテイマー スリーサイズ:B96:W59:H88
ミリアの姉,おそらく本スレ唯一のセクシー担当。性格はかなり陽気でハイテンション,そしてエッチ大好きで露出狂。
基本的に下着はハイレグでTバックのものじゃないと身に着けない。「お尻にキュッって食い込むのがたまらないの♪」とのこと。
古都を裸で走り回ったり大通りで人目を気にせず逆レイプを敢行したりと,治安維持局のブラックリストに載ることばかりしてきた。
過去に100回以上も牢屋に入れられた経験があるが,驚異の身体能力とエロ技で何度も脱獄に成功している記録保持者でもある。
一方,レスリングを基軸とした格闘スタイルで数々の武騰大会を制覇,さらには数え切れない程のマフィアなども叩き潰してきた。
ペットは上級者向けとも言われるリプリートマーキzinや原始人zin。一人称は「アタシ」,口癖は「いやぁ〜ん☆」

58 ESCADA a.k.a. DIWALI :2008/05/15(木) 11:08:56 ID:BnQc0o7w0
+ミカエル・ウォン…性別:男 年齢:19 職業:サマナー
ミリアの兄でフィナーアの弟,次男。性格はエディの軽さにトレスヴァントの気さくさを混ぜて2で割ったような好青年。
身長は180cm以上という大柄な体格で,トレスヴァントほどではないが筋肉質。銀色のミディアムヘアに程よく焼けた小麦色の肌。
両腕には炎を象ったトライバル調の刺青が彫られており,彼の生い立ちと関係している。どういうわけだか天使が使うような
移動能力などが扱えるがその理由はいずれ描写ということで。他にも炎の扱いに関しては大陸一を誇る,炎に愛された申し子。
精鋭の炎熱系の術者のみが集う実力派ギルド「SOL86(ソル・エイティーシックス)」の総長で『熾炎のミカエル』の異名を持つ。
ケルビーを相棒に世界各地を旅してきた冒険野郎でもあり,東の島国に行ったこともある。一人称は「オレ」。

+ニーナ・ガブリエル…性別:女 年齢:17 職業:サマナー/天使
ミリアやフィナーア,ミカエルと同じロマの村の出身。10年前にガディウス砂漠の地下遺跡にてレイスの猛攻に遭い重体に。
意識を失っている間,7年近くザッカルに保護(ただし彼女の能力を悪用するために)されていたが,残る3年を海の神殿の深層水の中で
過ごしてきた。彼女の家系は地上に追放された四大天使の一人,ガブリエルのものである。一族の女性は彼女の力を代々受け継いで
子孫を残してきた。ニーナも例に漏れずガブリエルの天使としての能力を受け継いでおり,水を使った魔法は一級品であり美しい。
水の神獣であるマーマンやスウェルファーと交流が深く,彼らもまたガブリエルの残した一族の子孫たちを支えてきた。
性格は明るいがドジっ娘。ここぞという時に失敗することがあるのがネック。一人称は「わたし」。

+ミゲル・ヘンリケス…性別:男 年齢:21 職業:シーフ
トレスヴァント,エディら双子の兄。10年前に砂漠の地下遺跡にて恋人のニーナを失い(しかし彼女は生きていた)自暴自棄に。
後に出会ったザッカルに「俺の下で働く代わりに彼女を蘇生させてやろう」と条件を出され承諾,最初は成果を挙げていたが
時が経つに連れて彼女の命と殺してきた者の命の重さの間で葛藤を繰り返し,性格も不安定になってきていた。
エルフの村の襲撃においてエディと死闘を繰り広げるが,そこに現れたニーナによって10年前の彼に戻っていった。
ザッカルの下で働いていた頃は傲岸不遜な性格だったが,ニーナが戻ってきたことで弟思いの優しい性格になった。
一人称は「俺」,ナイフを駆使した暗殺術を得意としている。成功率は非常に高い,生来の殺し屋。

+ジャック・"ルシフェル"・ロウ…性別:男 年齢:42(実際は数千年も生きたと思われる) 職業:ビショップ/セラフィム
天上界での天使たちの分裂によって地上に追放された,神に次ぐ実力を持つ大天使。不老不死である。
地上で出会った悪魔の女性,マリアと恋に落ちて結婚,子供も作る。人間時はビショップとして活動しており
アウグスタの教会では司祭も勤めている。10年前にニーナの回復が遅れたことを自責していたが,しがらみを断って天使として
能力を久しく開放した。大陸が公認している魔法以外にも,すでに廃れたとされる古代魔法も扱えるほどの魔力を有する。
性格は親父らしくエロくてパッパラパ〜だが,いざという時は威厳あふれる言動を見せるいい親父。一人称は「俺」。

+マリア・"アシュタロト"・ロウ…性別:女 年齢:32(実際は数千年以上) 職業:ファッションモデル/悪魔
天界と魔界の軋轢を嫌い,地上へと出てきた悪魔の一人。悪魔らしからぬ心優しさを持つ,グラマラスな女性。
普段は成人女性のファッション誌で巻頭を飾るほどの人気モデル,女優として活躍している。冒険の際は悪魔の姿で
魔界の生物や妖艶な歌唱力を駆使して敵を惑わす戦法を取る。夫のルシフェルの浮気性には手を焼いてはいるものの
実際はお互いを真面目に愛し合っている良き夫婦。でもやっぱり夫が他の女性に鼻を伸ばせばワームでお仕置き。
鞭でビシバシ責めまくる。ちょっとSなところもあるが,いじめは嫌う性質。一人称は「私」

+エレナ・クレモンティーネ…性別:女 年齢:18 職業:リトルウィッチ
ビガプールの大富豪,クレモンティーネ家の出身。幼い頃より英才教育を受けて育ってきたため,自身はこの世のトップと思い込んでいる。
だがラティナに出会ったことでその考えも変わりつつある。高飛車で自己中心的,典型的なお嬢様口調で話す生粋のお嬢様。
現在トラン森周辺でエレナとバトル中,決着は近い・・・一人称は「わたくし」。

59 ESCADA a.k.a. DIWALI :2008/05/15(木) 11:58:53 ID:BnQc0o7w0
<!>Here comes new characters<!>

+?????…性別:女 年齢:23 職業:ランサー/???
デフヒルズに住む少数狩猟部族「ラフュア族」出身の娘。6年前のザッカルによるデフヒルズ大量虐殺事件によって
ラフュアの部族はほぼ全滅,彼女だけが生き残る。狩りの腕前は非常に高く,人間離れしたバネから生まれるスピードは驚異的。
風に乗るような高速移動でホースキラーを片手に敵を瞬殺する様から「銀の鷹(シルバーホーク)」の異名を持つ。
フレンドリーで家族思いの優しい性格だが,家族や友達を侮辱するものには決して容赦しない程,家族愛が非常に強い女性。
褐色の肌に銀髪のポニーテールをなびかせ,部族の衣装(さらしと褌の様なもの)そして両腕に翼を象った刺青があるのが特徴。
ラティナがかつて所属していた,女性のみが構成する狩猟ギルド「アマゾネス」の酋長(こう呼ばれるのが好きらしい)でもある。
一人称は「わたし」,ギルドを離脱したラティナを妹のように今でも愛している。イメージはネイティブ・アメリカンみたいな感じ。

+?????…性別:男 年齢:44 職業:デザイナー/ウィザード/???
スマグ出身,人気高級ブランド「Espirito(エスピリト)」のデザイナーであり,とある天使の生まれ変わり。
生まれつき盲目なのだが,石や鉱物を通じて思念を伝える能力を持っており,それらを「大地の子供」と呼び,愛する。
彼が作るブランドの主なフォーマットは眼鏡やサングラス。光の元素と地の元素の扱いにおいて右に出るものがいなく
色覚異常や失明した者の視力を回復させるために,ハノブの鉄鉱山から金属を取り寄せ,独自の技術で加工している。
地の元素を注入し作られたフレームはダイヤモンド以上の硬度を誇る頑丈な設計で,信頼する顧客も多い。
バーソロミューの叔父であり,彼の兄でバーソロミューの父の暗殺を計画,成功させた。サヴェスティーロの名を捨てて
今は別のファミリーネームを名乗っている。一人称は「私」,とても穏やかな人だ。

っと,本編はまた随時アップしたいです;;

>スメスメさん
序盤の突っ込みまくりなテンションがイイ(・∀・)!
それに剣士さんのおバカだけども熱い性格がなかなか,GJですb
話の流れもスムーズで読み易い・・参考にしたいです;;

>黒頭巾さん
なんかこう,「フル○ウス」みたいなホームドラマのような笑いが描けるのが羨ましいですw
悪夢喰らって吐血して瀕死になるイケメンさんがツボだったり・・・・さらに面白いネタが出そうで期待です^^
ふぁみりあいーえっくすの語りも何だかほのぼの〜な感じで癒されます。

>白猫さん
あらゆる描写が神レベル・・・((((;゚Д゚))))
戦闘もスリルがあって心理描写ものめり込みやすくて,もうスゴいとしか;;;;
自分はぶつ切りなストーリー描写しかできないので勉強になります。

60 ESCADA a.k.a. DIWALI :2008/05/15(木) 12:11:06 ID:BnQc0o7w0
パラリラ+*゚ヽ(゚∀゚)ノ゚*+パラリラ
企画提案〜!!「作者間ギルド・ウォー コラボレーション」とかいかがでしょうか?
各作者様の作品に登場するギルド同士でバトってみたらどうなるんだろうと考えてしまって・・・
チャットとかで色々話し合ってやってみたいと思いますがこれいかに,失礼しました〜;;;

61 名無しさん :2008/05/16(金) 15:36:05 ID:4vFDtYh.0
はじめまして。
前スレを読んでどうしてもコメしたかったので・・・

>黒頭巾さん(前スレ990、993〜994)
も、もしかして某曲というのはSHですか!!

62 ESCADA a.k.a. DIWALI :2008/05/17(土) 10:59:26 ID:OhTl4zsk0
Episode07:TRIBAL FUNK〜女酋長の乱入〜

トラン森入り口付近のフォーリンロード、そこで繰り広げられている女同士の決闘は白熱している。
「はいやァアァァァァァっ!!!!」青龍偃月刀を豪快に振り回し、怒号と共にラティナの突きが放たれる、しかしエレナも負けじと
回避して、小さな隕石を同時に射出する!!!「(いくら強力な突きでも、小隕石で相殺すれば隙ができるはずっ)いっけぇ―――っ!!!」
隕石がぶつかり爆発が起きた。だがラティナの猛攻はそれしきでは収まらない、槍を縦に構え旋回させながら突撃に移った・・・!!
「手加減しないわよっ、『龍走撃(りゅうそうげき)』っ!!!」地面を強く踏み込んで加速し、ワーリングアサルトを放った!!
だが彼女の突撃がヒットするその刹那、エレナの体が突如消えた・・・そのままラティナが直線状に通過するが、その数メートル後ろに
瞬間移動したのだろうか、エレナの姿があった。「間一髪でしたわ・・・これでも魔術師が使う基礎魔法も覚えていますのよ、お気に召して?」
「ええ、すっごくイイわ・・・強ければ強いほど、わたしは余計に熱くなっちゃうんだからっ!!」力強く微笑むと、再びラティナが踏み込んだ!!
「それはわたくしも同じことでしてよ!!倒せるものなら倒してご覧なさいっ!!ウルトラノヴァっ!!!」エレナがステッキをクルクルと振り回し
3度目の彗星郡を呼び寄せた。朝を迎え終わった青い空から金色に輝く星々が降り注いでくる!!!しかしラティナの顔に勝気な微笑みは残ったまま。
そして彗星は地表に激突し、大音量の爆発音を轟かせながら大地にクレーターを作る・・・だが、そこにラティナが倒れこんだ姿はまったく見られない!
「(また俊足で回避しましたわね・・・一体どこに!?)・・・ハッ!!」背後の気配に気付いて振り向くと、ラティナが既に構えていた・・・!!!
「また同じ突撃ばかりですの!?そんなもの、ムーンウォークで避ければ・・・」「じゃぁ、こんなのはどう?『360°包囲された状態での同時攻撃』は」

「ま・・・まさかっ!!!」数秒後に襲い来る彼女の攻撃が何なのかを理解したエレナに冷や汗が流れる・・・

「東雲流槍舞術、空蝉の極意奥義っ!!!『鴉揚羽(からすあげは)』っ!!!」

エレナの周囲に展開されたラティナの分身8人の突きが、目標に回避する間を与えることなく貫いた・・・

63 ESCADA a.k.a. DIWALI :2008/05/17(土) 11:18:23 ID:OhTl4zsk0
「きゃぁああぁぁああぁぁぁぁあぁぁっ!!!?!」
攻撃の全段がヒットしたエレナの断末魔が響き渡る・・・彼女はゆっくりと地面に膝を付き
傾くように前のめりに倒れた。やや露出度の高いコスチュームは破れ、腕や太ももに大小それぞれの切り傷が。
かろうじて意識は保っているが、起き上がるのだけは困難なようだ。そこへラティナが歩み寄って、静かに座り込んだ。
「…大丈夫?」「うぅっ…ふふふ、負けましたわ…悔しいっ、悔しいけどっ…後悔はしていませんわ。」
何かから開放されたように微笑むも、涙を流しながら小声でエレナが口を開く・・・ラティナは無言で頷いていた。
「それで…エレナちゃん、どうしてわたしのお父さんが…わたしを連れ戻そうとクエストバーに依頼したの?」
「そうですわね…バーのマスターによれば、彼が依頼したのもあなたとその奇妙な槍を取り戻すためだそうですわ。
 ラティ…いいえ、あやねさん。あなたもしかして家出してきたんじゃなくて?」心配そうな表情でエレナが尋ねる。

「うん…わたしの故郷はこの大陸の遥か東にある島国、この大陸の知識人は『ジパーヌ』って呼んでる島なの。
 そこはとても狭いから、わたし子供の頃からここに来てみたいって思ってたの。だけどお父さんが強く反対してるし
 娘離れもできない人だから、ちょっと反発心もあって・・・ほぇ?どうしたのエレナちゃん?」
上を見上げて口をパクパクと開いているエレナに彼女は尋ねるが・・・何者かの影が二人を覆っていることに気付くと
即座に振り向いて青龍偃月刀を手に構えを取った!!!だが、見覚えのある影の主にラティナ、いや・・・あやねは
動揺と旋律を覚えた・・・影の主は身長2メートル程もあろう巨漢、長く伸びきった黒い髭を携え、異国の衣装に身を包んでいる。

「探したぞあやね・・・さぁ、パパと一緒に帰ろう、なっ?」

野太い声が彼女に向かって投げかけられる・・・・

64 ESCADA a.k.a. DIWALI :2008/05/17(土) 11:52:51 ID:OhTl4zsk0
「お、お父さんっ!!?!何でこんなところに・・・それにお母さんはどうしてるのよ!?置いてけぼりじゃないでしょうねっ!?」
父親を前にするも強気な態度で、ラティナは父親と思わしき大男に尋ねるが・・・娘の態度に男も声を荒げて対応する。
「くぉら!!パパに向かってその口の聞き方は何だ!!?それに家宝の青龍偃月刀を勝手に持ち出しおってからに!!!
 もう許さんぞぉ〜・・・・嫌でもお前を連れて帰ってやる!!!ほらあやね、早く来なさい!!!」
「やだぁ〜っ!!!わたしもう18歳なのよ!?いつまでも子供扱いしないでよね、このバカ親父っ!!!」
さらに語気を強めてラティナは反発するが、最後の『バカ親父』という発言に大男の堪忍袋の尾が切れた・・・!!!
顔を赤くし、額に青筋を浮かべ・・・さらには空間転移魔法で取り出した槍を手に、ギリギリと歯軋りをしている。
あまりにも恐ろしすぎる形相に、座り込んでいたエレナはラティナの背に隠れて震えていた・・・

「な、おまっ・・・・きぃさぁまぁ〜!!!!!パパに向かってバカ親父だとぉ〜!!!!??!?!?
 頭来たっ!!もうアッタマ来たぞこのバカ娘ぇ!!そのバカ親父の愛の鉄拳でお仕置きじゃ、歯ァ食いしばれよぉ!!?!」
これまた青筋ビッシリな拳骨をぷるぷると震わせて、勢いよく愛娘に振り下ろす大男。ラティナも思わず怯むが
その拳は彼と彼女の間に割って入った者によって止められていた・・・・!!!「むっ!?誰だお前は!!」

その人物は銀色のポニーテールに結わいた美しい長髪に、キャラメル色の褐色肌、バランスのとれたしなやかなボディに
さらしとふんどしのような扇情的で露出度の高い格好。腕には翼の刺青、そしてスラリと細長い手足、手にはホースキラー。
どこかの部族のような出で立ちの女性が男を一睨みしながらラティナたちを振り返り口を開いた・・・
「まったく、あたしの大事なラティナちゃんに何てことするんだィ…ラティナちゃん、それにそこのキャピ子ちゃん、だいじょぶ?」
「(なっ,この人まで・・・)わ、わたくしはエレナっ!!エレナ・クレモンティーネですわっ!!!////////」「あ、メンゴメンゴw」
「ほぇ・・・もも、もしかして、ティエラ…ティエラ・ラファエルさんですか!?」ラティナが驚き混じりの声で尋ねる・・・

「おいっす!!久しぶりだねぇラティナちゃん・・・いや、本名あやねちゃん?まァいいや、無事で何より…お姉さん嬉しいよ。
 ・・・で、そこのデカ親父ィ。愛娘に暴力で説教とは大した根性してるじゃないか、えぇ!?それでも親かコノヤロー!!!」
「貴様ァ・・・黙ってればイケシャァシャァとっ!!!名を名乗れィ!!?!」

「あん?あたしはティエラ、どこぞの砂漠の部族の生まれだよ。そして、おにゃのこいっぱい狩猟ギルド『アマゾネス』の酋長だ、よろしこ!!」
真面目なんだかフザケてるのかわからない、妙に明るい彼女を相手に男は槍を構える・・・ティエラも無言で頷き、ホースキラーを構えた!!!
「ははっ・・・オッサン、あんたわかりやすいわ!!あたしもこういうやり方大好きさ、いくわよっ!!」「東雲流槍舞術師範、東雲燈道…参るっ!!」
突如乱入した部族の女、ティエラとラティナもといあやねの父、燈道のバトルが勃発してしまった・・・・

一方、トラン森の中・・・・
「うぉぉおぉぉおぉぉおぉ、南ってどっちだ!!?!あっちか、あっちだな!?うぉぉおぉぉぉおぉぉ!!!!!」
勢いのまま森の中を延々と走り回っていた・・・・・大丈夫なのだろうか。

to be continued...

65 ESCADA a.k.a. DIWALI :2008/05/17(土) 11:57:00 ID:OhTl4zsk0
あ、最後のところは「トレスヴァントは」と付け加えてもらえれば;;;
どうも間違いがちでオレ涙目(´;ω;`)

66 ◇68hJrjtY :2008/05/17(土) 13:04:56 ID:LN1SstPI0
>ESCADA a.k.a. DIWALIさん
やっとラティナ(これからは「あやね」と呼ぶべきだろうか(笑))とエレナの戦いが終わったと思ったら、今度はラティナ父vsティエラ戦…。
しかしこの父もかなりの爆発した性格で…いやいや、娘を思う父の気持ちとしておきましょう(笑)
ワールなどのランサ和名スキルもなかなか凝っていますね。このラティナ父も同じく和・槍使いなのでしょうか…ワクワク。
そしてトレスヴァント迷子ですか(ノ∀`) 21Rさんのアデルや之神さんナザ君もそうですが、剣士戦士って迷子がセットなんだろうか(笑)
ティエラの目的なども気になりながら次回作楽しみにさせていただきます。
---
キャラ紹介ありがとうございました!なにやら今後登場する謎キャラの紹介まで…。
ちゃんと設定作ってるのは流石ですね。個人的にミューたんが虐待されてたとかミカエルがかなり強い人だったとかに驚いてます。
エディは小柄なんですねェ(*´д`*) ミゲルがスロー系でエディが罠+武道と両極端なのも理解できるトコですね。
そして「ギルド・ウォー・コラボ」。参加はできませんが(笑)、是非とも企画して書き手さんたちにやってもらいたいですね。
楽しみにさせてもらいます!

67 感想スメスメ :2008/05/17(土) 13:34:12 ID:ddy6MTJU0

はぁい、小説スレ界でのレギュラーの座を何とか射止めたい感想スメスメです。
PCからこんにちわです。

…いきなり調子こいた事抜かしてすみません!
キングベアーに裸一貫で殴られてきます…。

つー事でコメントいってみましょうか。
黒頭巾さん
ふぁみりあいーえっくす……家に持って帰って良いですか?(マテ

そして『いけめんさん』、壊れちゃった…

だ が そ れ が い い。

つーか悪夢!こんなもの喰らってしまったら僕はべそ掻きまくり呼吸困難になりながら寝てますよ!(でも寝てるw
文章でこんな風にふぁみりあ君を人?となりを表現できるのは羨ましいっす。

白猫さん
ちょ、ネル君特攻野郎!?

だ が そ れ が い い。

扉の反対側で侵入者を砲台とセットで待ち続けるシーフ…。
あのオチをオイシイと思ってしまったのは僕だけでしょうか?
何より全体を通してのノリ。僕にとっては目指したいテンションですので憧れます。
そして番外編次回予定(で良いんだよね?僕の勝手な妄想?)の
ネルvsルフィエ。
ガチでブツカったら相当量の範囲が消し飛ぶと思うんだけど…
これも僕の『気の所為』だよね…ウフフ。

ESCADA a.k.a DIWALIさん
ダメですよ〜w
ちゃんとフィナーアさんの所に『あるく18禁』と追k(うわなにをs…

ラティナsオヤジきたー!!
DIWALIさんの作品はテンポよくてなおかつキャラが若々しく活発に動いていくので心躍らせてもらい。
いつも画面を目の前に半笑いで読ませて貰ってます♪
是非今度のイベントでそのノリのコツを聞かせて貰いますよっ!
企画についても具体的なモノを話し合ってみたいですね。



さてさて、チャットイベントの件ですが。
僕は月・木・土曜意外の夜でしたら何とかなるかと思います。
因みに日曜の20時位でしたら大歓迎ですよ!

68 名無しさん :2008/05/17(土) 23:41:09 ID:4Ec7nyjU0
ageますね^w^

69 姫々 :2008/05/18(日) 01:32:12 ID:VbnAj5DM0
あ、こんばんは。火曜日にうpしようとしたけど読み直すと納得いかなかったので
今日手直ししてました。
◇68hJrjtY>ガッカリする前に言っておくと多分想像とはまったく違う人です^p^
黒頭巾さん>「譲ちゃんは」普通に「嬢ちゃん」の誤字です、まったく気づきませんでした。
そこはかとなく最悪です

ではとりあえず>>23-26から続きます


「お前か?入り口の坊主の装備盗んだってのは。」
 厄介なのに会った・・・。傭兵だろう。武器は大した物を使っているというわけではなさそうだが見た目は
筋骨隆々、使う得物は両手剣。正に絵に書いたような戦士がそこにいた。
 そう言えばスマグに行った時、何故か傭兵団が駐留していた。そこから暇している人物を雇うくらいは簡単だろう。
「ああ、そうさ。それで何か用かい?」
 姉さんには見せたくないが今は幸いな事に姉さんは今ここにいない。
 ならば私は下手に出る必要などはない。
「所詮貴族の道楽だろう?あんなもんはあんなガキが持つべきじゃねえだろ。あたし達が欲しがってる人に
 売ってやろうって言うのさ。これも社会貢献の一貫と思わないかい?」
「けっ‥‥、偽者掴まされたガキがよく言うぜ」
 傭兵が吐き捨てるように言うが模造品というくらい実際に使ってみれば目利きじゃなくても誰でも分かる。
 が、模造品だとしても良くできている、もし模造品として店に売ったとしても数十万ゴールドは堅い。
 それよりも目の前の男との戦闘は避けられないだろう。
 完全に舐められているが、妙な騎士道精神を振りかざしてくる相手よりは様々な意味でずっと戦いやすい。
「はっ、ガキだから何だい?少なくともあたしはお前よりは強いと思うよ?」
「あ?試してみるかガキ」 
 見ただけで強いか弱いか分かるほどの技量は持っていないが、相手が私の手に負えないほど強いなら逃げればいい。
 けれど、この程度の口上に乗ってくるような人間が強いかと聞かれると大抵はそんな事はない。
 とは言え、単純な戦闘能力で言うと強い方だろう、普通傭兵は単独ではあまり行動せずに大抵はギルドの仲間か
同じクエストを請けた同業者と共に仕事をこなす。
 それが一人でいるという事は私を一人で倒す自信はあるのだろう。その自身を後押ししているのは経験か筋力か。
どちらにしても単純な強さでは私より上と見積もって損はしない。
「いいよ。来いよデカブツ」
 舌打ちとともに、目の前の傭兵が自分の得物に手をかける。
 私の得物は刃渡り60cmほどのシャムシール、あれと打ち合うのは正直な所無理だろう、大人の男の力に子供の女が
敵うはずが無いと言う事くらいは理解しているつもりだ。
「お前は抜かないのか?」
 大剣を構えた傭兵が私に尋ねてくる。片手で扱える長剣を使う私に対し、相手は刃渡り1mを越えるであろう
両手剣、まず重量が全然違う。危なくなれば自分の得物はいつでも鞘から抜ける自信がある。
「あらあら、心配してくれているのですか?けれど手加減くらいは必要でしょう?」
 さっきのウィザードの口調を真似して、最後に満面の笑みを送ってみる。
 それと同時、敵の剣戟が振ってきた。
「(短気だなぁ‥‥)」

70 姫々 :2008/05/18(日) 01:35:01 ID:VbnAj5DM0
 横に一歩、その切り返しをバックステップで避ける。
 最小限の動きで避けれたと思う、当たる気がしない。目の前の相手ですらそれは感じ取っただろう。
「弱いね。何で一人でいるの?馬鹿じゃないの?」
 この口調で追いはぎ業を始めてそれなりに経つが随分口が悪くなってしまった気がする。
 家事、特に料理と整理整頓はうまくなっている気がするが剣術やら挑発やらがうまくなっても素直には喜べない。
「はぁ・・・」
 そんな事を考えていると不意に溜息が出てしまった、目の前の傭兵は自分に向けられたものと、
勘違いしたのだろう、洞窟内全体に響き渡るような雄叫びを発しながら切りかかってくる。
 冷静さを失った相手の剣など当たる気がしない。それよりもこれだけ大声が響いているのに誰も来てくれないのは
何故だろう。
 ――いや理由は分かっている、どうせ宴会の真っ只中なのだろう。
 この状況には慣れているつもりだし、それにきっと半分くらいは私を気遣ってくれている気持ちがあるのは分かる。
 だとしてもこれほどの大声を聞き逃すようでは流石に呆れてしまう。
「っと、来いよ。馬鹿でも前に突っ込んでくる位の頭は持ってるんだろ?」
 さて、無駄に挑発しているわけでは無い。先に言った通り、いくら相手が隙だらけといっても腕の長さやら筋力
やらを考えるとこのまま懐に飛び込むのはリスクが大きい。
 では後ろに回ってしまって首筋にでも剣を突きつけてしまえばいいのだが、これも先に言ったように
この洞窟はギリギリ二人がすれ違える位の道幅しかない、そんな道のど真ん中で剣を振り回されると流石に
後ろに回ることは難しい。
 が、実の所さっき姉さんと話していた所は道幅が3倍程度に膨らんでいる。そこなら後ろに回ることは容易だろう。
 もし後ろに回っても抵抗してくるようなら相手の右肩にでも剣を突きたててしまえばいい。
 当分右腕は使えないだろうが無茶しなければまず死にはしない。
「遅いね、本当に傭兵?実はその辺の農夫じゃないの?」
 農夫でもこんな挑発には乗らないだろうが、という言葉は飲み込んだ。
 何故なら背後に人の気配を感じたから。さらに松明に照らされた背後の壁に人影が映ったから。
 後退を弛めてできるだけ左右に避けるように動きを変える。
 背後の曲がり角を曲がるとすぐに目的の地点がある、耳はいいほうと自負している、聞こえた声は二つ。
 一つはまだそこにいたと思われる姉さんのもの。あと一つは場違いなほどに幼い声、きっと姉さんを連れてきた
プリンセスの声だろう。
「‥‥‥」
 舌打ちしたくなる気持ちを押さえ、私の得物を鞘から引き抜く。
 このまま後ろに下がれば間違いなく二人を巻き込んでしまう。
 とは言えプリンセスは大丈夫だろう、何せ逃げるのと隠れるのは私の知る限りどんな人種よりうまい連中だ、
彼女達の変身能力に限界は無く、どんな事があっても最善の姿に変身できる。
 それに殺されても死なないとか言う噂すら聞いたことがある。多少無茶しても何事も無かったかのように
逃げおおせるだろう。
 が、問題は姉さんの方だ、つい数分前まで泣いていた人が召喚獣を操れるだろうか。
 私の出した結論はノー。なら逃げればいいというかもしれないが私の知る限りお世辞にも足が速いとはいえない。
 今はまだ巻き込めない、もう少し時間が欲しい。
 私は真正面に対峙する敵に向かって飛び込んだ。剣を持っているだけでもそれだけで牽制にはなる、今まで後退
に徹していた分前進すればそれだけで相手の歩調が多少緩む。
間合いからさらに内側に入ってしまえば剣の速度も必然的に落ちる、全力で振られた剣でなければ何とか受け流す
ことは出来た。

71 姫々 :2008/05/18(日) 01:37:10 ID:VbnAj5DM0
 洞窟内で剣がぶつかる音が響く。
右手の剣はあくまで攻撃を避けるための補助、まともにぶつけられなくても数センチ相手の剣の軌道を
ずらせばそれだけ後退の歩幅は小さくて済む。
 しかしそれでも数分持つかと言う所だ、それ以上となると姉さんを巻き込まざるを得なくなる。できることなら
あのプリンセスに姉さんを連れて行ってほしい所である。
 ――が、これだけ剣がぶつかる音が響いていたり雄叫びを上げる男がいたりしたら不審に思うなと思うのが
無理な話だった。
「タスカ‥‥‥?」
 後ろから声、来てしまった。再び舌打ちしそうになるがぐっと堪え、私は思いっきり叫んだ。
「っ――離れてろっ!!」
 その後、背後を確認する、幸い姉さんはいない。いや、別に姉さんにこの口調を聞かれなくてよかった。と安堵した
わけではない。
 プリンセスだけならすぐ逃げられる、そう思って安堵したのだ。
「っ‥‥くぅ‥‥」
 が、逃げない、唖然とした様子でこちらを見ている。退路が塞がれた私は下がらず、避けきるしかない。
剣で受けることは考えてはいけない。あの大剣を受けてしまうとまず私の身が持たない。
 が、そうは言ってもここから横に凪がれたら流石に受けるか後ろに跳ぶしかない。
両手剣の直撃を受けて無事なほど剣も私も丈夫ではない。とっさにプリンセスを突き飛ばしてそのスペースに
飛び込んだ。
 そしてすぐに立ち上がってプリンセスの前に出た後に剣を構えなおす。
 きっと私の後ろのプリンセスもこいつの標的として捉えられてしまっているだろう、
 そしてその標的となっている少女は腰が抜けているのか逃げるどころか立ち上がる素振りすら見えない。
 戦闘慣れしていないのか?いや、そんな馬鹿な。そう思ったが腰元に携えてあるスリングは子供の遊び用程度の
代物、補助専門のプリンセスなのかもしれない。
「タスカ‥‥?」
 後ろから声を掛けられる。
「逃げて。」
 曲がった剣を構え、前の敵と対峙する。さっきよりは冷静に振舞えたとは思うが目の前の男もかなり冷静さを
取り戻してしまっている。挑発しなおすのは難しいだろう。
「脚に力が‥‥」
 それと同時に再び始まる敵の猛攻。
「じゃあ何でもいいから変身して!」
 相手が攻撃してくるとそれを捌きながら喋る事になるため、ついつい口調が強くなる。攻撃の鋭さがさっきまでの
比ではない、流れを完全に持って行かれてしまっている。
 私はプリンセスがいるおかげで五歩と後ろに下がれない、とは言え向こうはこちらに迫ってくる、
剣で攻撃を受け流しつつ私が前に出て牽制するしかないのだがリーチと力は向こうが完全に上、それに受け流すには
あまりに向かない私の得物、それに対し相手は無理をしなくても敵が勝手に突っ込んで来てくれるという状況。
 圧倒的不利、牽制するたびにバックステップして間合いを開けるとそのたびに相手は間合いを詰めてくる。
 私自身にも体力の限界がある、しかし下がってはいけない、相手の懐に入り続けないと大剣に叩き潰される。
「‥‥っあ」
 一瞬の気の緩み、ほぼ密着するくらいの近さまで近づいているのだ、相手の攻撃手段は剣だけではない。
相手の剣を避けた時、振り向きざまに相手の手刀が手首に入った。
「‥‥」
 もはや見捨てるしかないか、少なくともこのまま私が前に出て戦う意味がない。攻撃手段を失ってはすぐに
相手はそこに付け込んで来るだろう、後ろのプリンセスに気を配りながら相手の攻撃を避けるなんて芸当も
出来るとは思っていない。
 それに幸いな事に少女はプリンセス、兎にでも変身できれば何とでも逃げられる。
 その時、後ろからその少女の声が聞こえた。

72 姫々 :2008/05/18(日) 01:38:58 ID:VbnAj5DM0
「タスカっ!!使って!」
 その声の方を目だけで確認すると、後ろから長剣が飛んできていた。
「って、危ないな」
 剣を受け取る、濃い桃色に光る剣。魔力が通っているのだろうが属性がいまいち分からない。
「けどいい剣だね、ありがと。」
「でしょう?」
 どこか得意げなその声が聞こえた場所は後ろではなく前、つまりこの武器はあのプリンセスの変身した
姿なのだろう。
「ああ‥‥」
 そのときの私はどんな顔をしていただろう‥‥。きっと苦虫を噛み潰したような顔をしていたに違いない。
「タスカっ!!」
「!?‥‥くぅっ!!」
 完全に隙を突かれた、集中を切らした私が悪いのだが真正面から攻撃を受けてしまう。
「タスカ、大丈夫!?」
「いや、平気‥‥」
 攻撃が直撃すると同時に剣を盾にして後ろに跳んだ。着地で後ろに転んだが特に怪我はしていない。
 一瞬でも動作が遅れたらきっと私の腕がへし折れていただろう。それにしてもこの剣は刃こぼれすらしない、
補助専門プリンセスというのも馬鹿には出来ないなと思った。
「いや、うん‥‥。別にいいよ。あんた名前は?」
「ルゥって呼んで」
「ん、分かった。で、姉さんは?」
「皆の所に行ってるはず」
 今度は敵の攻撃を見ながら確実に避ける。姉さんが離れてくれていたらこちらも全力を出せる。
それに後ろに私の障害物になるものはない、避けやすさもさっきの比ではない。
「って、痛い!タスカ痛い!!」
「ああ、ごめんごめん。」
 折れたり刃こぼれしないのをいい事に相当無理して相手の大剣に攻撃を叩き込んでいたらしい。
 形成はさらに逆転し、最初の状況に戻った、もはや流れが変わる事はないだろう。
「痛くない?」
「うん、大丈夫。」
 そして目の前の傭兵はと言うと、叫びながら剣を振り回している。最初はその声の大きさに驚いたが慣れてくると
ただ煩いだけだ。
「うるさい、鬱陶しい。」
「ああ?」
 焦燥している相手を言葉で突き飛ばす、すると相手は飛びかかってくる。それをまた往なす。
 それの繰り返しで後ろに下がっていく。
「タスカ‥‥?」
「あ、口悪いのはごめんね、後でちゃんと話そうね」
 怖がらせたかと思ったが違うと返事が返ってくる。じゃあ何?と返すとこう言った
「入り口の方で気配が‥‥。感じ取ったのは私の精霊だけど‥‥。」
 仲間だろうか?入り口からここまでせいぜい二,三百メートル位しかない。というより、だ。
「会話できるなら仲間呼べたんじゃないの?」
「あー‥‥リリィはねえ‥‥。相当楽しかったみたいよ?今日の宴会‥‥」
 それは分かっていた、それに宴会といえばお酒がつき物だろう。
「酔いつぶれたって事ね‥‥。」
 流石に冒険の途中で酔いつぶれるほど飲むのはどうかと思うが。と思っているとプリンセスはこう言った
「いやそうじゃなくて、買出しとかで私がここに来る前にスマグの方に行っちゃっててね‥‥」
「‥‥」
 あの人は何をしているのだろうか‥‥、というより本当にウィザードなのかすら疑問に思えてきた、実の所
どこぞの貴族のメイドか何かでは無いのだろうか‥‥そんな事を考えてしまった。
 しかし、そうなると使えている相手は目の前の剣になっているルゥという事になってしまう、こう言っては何だが
貴族にしては少々カリスマが足りないような気がするのは気のせいでは無いと思う。
 いや、今はそれよりだ。
「ルゥの精霊ってあの子だよね?」
 さっき私の記憶を辿るのに使っていたあの小さいのだろう。
「うん、その子がこっち来てるってさ。」
 戦闘には向いていない気がしたのだが実際の所はどうなのだろうか。
『まったく、私を呼んでも時間を止めるか戻すか位しか出来ないわよ?』
「うん、それでいい。もしもの時は助けてね?」
『了解、終わるまで見といてあげるわよ』
 確かに精霊だった、妖精やら悪魔では無いのは見れば分かる。けれど引っかかる、あれは何の精霊だ‥‥とか、
そう言うことではない、何故か一年前にもあの精霊に会った気がする。あの妖精とは雰囲気が全然違うけれど。
「タスカ、前っ!!」
「あっと、危ないなあ‥‥」
 また雄叫びを上げながら大剣を振り下ろしてくる。
 さっきから怒鳴ってばかり、たしかに怒鳴られるのに慣れていない人間を相手にするなら効果的かもしれないが
私は現盗賊だ、冒険者に追い立てられるのは日常茶飯事、もう慣れた。

73 姫々 :2008/05/18(日) 01:41:13 ID:VbnAj5DM0

 そして機は熟した、もう目的の地点に足を踏み入れている。
「お前は狼にもなれない、ただの犬。犬は犬らしく地面を舐めてろ。」
 もはやまともに聴いているかすら分からないが挑発を続ける。剣の持ち方を見るかぎり、相手は右利き、
そして剣は重く、いくら筋力があり振り下ろした際の勢いがあってもその重さで片手では扱えないと見える。
 けれどここまで怒らせてしまって後ろから剣を突きつけた程度で止まるかという疑問がある。
「(まあいっか。)」
 一瞬浮かんだ疑問はその一言でかき消しチャンスをうかがう。思いっきり振り上げて叩きつけるように振り下ろす、
こいつの癖のような縦切り、一番隙の大きいその攻撃。
「(来た)」
 振り上げると同時に左斜め前、大剣の間合いの内側に飛び込む。右側に飛ぶと切りかえしが来るが、左側は
相手の攻撃の死角となる、熟練している戦士はこの死角が無いに等しい狭いのだが、この傭兵の場合その死角を
消していない、つまり攻撃までに二、三秒の遅れが生じる。
「たぁっ!」
 しゃがんで思いっきり脚を払う。
「ぐぁ‥‥」
 情けない声を上げて背中から男が倒れる。何が起こったかわからないと言う感じで倒れている傭兵の右腕を
思いっきり踏みつけた。
 体重はせいぜい20数キロ位だから骨は折れないだろう、けれどブーツに鉄の補強具が付いているから踏まれたら
それなりに痛いはずだ。現に相手の手からは剣が零れ落ちている。
 そして相手の手から剣が離れた所で相手の剣を奪って思いっきり投げとばした。
 数メートルしか飛ばなかったがこれで十分だろう。その時左手で足を掴まれたが眉間に剣を突きつけたらすぐに
離した。
「ほら、出ていきな。剣は置いていけ。あとお前の雇い主は‥‥訊いても無駄か。」
 物凄い形相でこちらを睨んでいる。右肘と右肩を踏みつけて立っている情況だがそれほど自分がそれほど重いと
思ってはいない。
 その気になれば軽がると起き上がられてしまうだろう。それをしないのは眉間に剣を突きつけているからか、
ただ単に負けを認めたからか。
 ‥‥いや、後者はないだろうな、なにせ必死に剣に手を伸ばそうとしているのだから。
「言ったら返してやる。」
 顎で剣を指したあとに眉間に突きつけている剣を数センチ近づける。
 それでも微動だにせずこちらを睨みつけてくる。安っぽいプライドを守り続けるのも傭兵の性分なのか。
 命にかけてまで守らなければならないプライドなど私には考えられない。
「そうか、じゃあさよなら。」
 そう言って剣をさらに近づける。額に剣先は当たっているのだがそれでも表情を変えない。
「はあ‥‥」
 数十秒の時間が過ぎ、私のほうが折れた。今日何度目の溜息だろう、何で今日に限ってこんなに溜息が
多いのだろうか。
「ああ、お前のせいか。」
「あ?っがっ!!?」
 無性に腹が立ったので顎を思いっきり蹴り飛ばしておいた、数分間は昏倒しているだろうからその間に離れよう、
「タスカ、今物凄く理不尽な理由で蹴ってなかった?」
「ん?気のせいよ。そういえばそこに倒れてる奴の仲間が来てたんじゃ無かったっけ?」
 入り口まで来ていたらしいが姿が見えない。相当ゆっくり歩いていてもそろそろ見えていいはずなのだが。
「あ、そう言えば。スピカ、そっちはどうなの?」
『んー?ああ、大丈夫っぽいわよ。洞窟から出て行ったわ』
 忘れ物にでも気づいたのだろうか?確かにダンジョンに入ってから気づくと言うのはよくある話ではあるが。
「まあ心配しても仕方ないんじゃない?」
「うん、そうだね。」
 一抹の不安はあるがルゥの言うとおり、気にしたところでどうにかなる問題でもない。

74 姫々 :2008/05/18(日) 01:42:30 ID:VbnAj5DM0
 それよりも疲れた、このまま単身寝ずの番は流石に辛い。とりあえず誰か一人か二人位ついてきてもらいたい。
「そろそろ元に戻るよ。」
 手に持っている武器に変身しているルゥに話しかけられた。
「うん――」
 分かった、という前に剣がピンク色の煙を吹きながら大爆発した。
「‥‥遠くに投げた方がよかったかな。」
「え、何?」
 キョトンとした顔をしているが私を何を言いたいか、分かっているのだろう、これでもどうみても山賊か盗賊という
格好しかしていない皆に代わって単身街まで行って商人の真似事をしていたりもするのだ、表情を読むくらいの事は
出来ないとすぐに足元を見られてしまう。
 あの顔はきっとそんな事しようものなら覚悟しておきなさいよ、という顔だ。
「一回帰るよ、ルゥもついて来て。」
「え、あ‥‥うん‥‥。帰るって、あの隠し部屋?」
「それ以外に家なんて無いわよ。」
 ルゥの目が泳いでいる気がするのはきっと気のせいでは無いだろう。
 何がいいたいかは分かっている。この1年で何度も経験した事だから。
「宴会してたって言ったわよね‥‥?」
「訊いてるよ。」
 ここで確信を持った。
「覚悟、しておいたほうがいいわよ?」
「分かってる」 
 部屋の中は凄惨たる状態なのだろう、宴会では大抵私一人が素面同然の状態でいるため、どれだけ騒いでも
多少遠慮している節が見受けられる。
 それが私と言うストッパーが無くなればどうなるのだろうか?
 いやそれより姉さんをその中に入れたのか?きっとルゥ自身すぐ追いつくと思っていたのだろうし一応はそれで
助かったのだが押しに非常に弱いだけに非常に心配だ。が、何故かお酒には多少強かった気がするから最悪の事体
にはなっていないだろう。と、そう信じたい。
「さて、帰ろうか‥‥。」
 溜息混じりに再び帰ろうかと言って、ルゥの前に出た。

75 姫々 :2008/05/18(日) 01:50:10 ID:VbnAj5DM0
 さて、やっと中盤と言った感じです。スウェブタワーに向かうといって
早10ヶ月、未だにスウェブタワーにたどり着きません、次回もきっと
たどり着くことはないでしょう。ていうかたどり着きません^p^

 チャットイベントはそうですねー、31日は飲み会だそうなのできっと
無理でしょう。それ以外なら大丈夫かなーとは思うんですが実際はどうなるか
分からんのです(´・ω・`)

 という訳なのでまた次回も頑張って書いていきます。

76 ◇68hJrjtY :2008/05/18(日) 02:32:00 ID:LN1SstPI0
>姫々さん
…がっかりなんかしてないんだからねっ!
いや本当に(笑) 確かに予想とは違う人物でしたが、タスカの戦いぶりが見れたことの方が嬉しいです。
やっぱり少女ながらも姉とは違って過酷な環境で生きてきたことが良く分かりますね。ルゥとの会話然り。
スピカを見て思うタスカの記憶…あの精霊ノヴァとスピカの関係も気になるところですね。
しかし、ここでカスタークエを出すとは思いませんでした。すっかり忘れてました、このクエ(笑) ボコボコにされた記憶しかありませんがorz
続きの方楽しみにしています。


━─━─━─━─━─━─━ チャットイベント第二弾 vol.2 ━─━─━─━─━─━─━
希望者さん数名の日時について了解いたしました!
その日が近づかないと予定が立たない人もいらっしゃると思いますが
早めに開催するならば5/25日前後に、期間をもう少し取るなら6月に食い込むようになるかな?
まあ、チャットルーム自体はいつでも誰でも入れるのでイベント化する方は
例え遅まっても希望者全員参加できる日を調整した方が良さそうな気もします。
いずれにせよ、6月半ば以前には開催したいとは思っております〜。

77 ESCADA a.k.a. DIWALI :2008/05/20(火) 11:10:54 ID:OhTl4zsk0
>>62からの続きですよ〜

Episode08:Talk with Sword 〜一刀必殺vs居合抜き〜

木々が鬱蒼と茂るトラン森の中・・・トレスヴァントは迷子になっていた。が、そんなの事も気にせず雄叫びを上げて走り続ける。
「うぉぉぉおぉぉぉおぉぉおぉぉぉぉぉおぉぉおぉおおぉぉ!!!!ラティナァああぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!!」
「もし、そこの剣士はん・・・今、ラティナいう名前を呼びはりましたの?」艶やかで大人びた、柔和な声が彼を引き止めた。
トレスヴァントが振り向くと、大木の幹に寄りかかる一人の女性の姿がそこにあった・・・美しく長い黒髪、雪のような白い肌。
金色の刺繍が施された黒い着物をはだけさせ、胸の谷間や太ももを露わにした、フランデル出身の者とは違う出で立ち・・・
口を縛った細長い棒状の袋を携えながら、女性は振り向きざまにニコリと微笑むがトレスヴァントは怪訝そうな表情のままだ。
「(何だこの人、顔がラティナと似ているなぁ…誰だろう?)あ、そうっすけど…実はラティナが行方不明になってるんで探してるんです。」
「はァ…そうどすか。あの子にもちゃんとお友達ができてはったんどすなァ…生みの親としてとてもとても、嬉しいどすえ〜。」
「生みの親・・・?え、アンタひょっとして・・・ラティナの母親なのか!?」トレスヴァントが驚きながら尋ねる。
「せやなかったら"生みの親"とか言うわけあらしまへんて、ところで…ラティナ、いえ、あやねちゃんとどういう関係でいてはるの?」
「えっ、あやね・・・?一体どういうことだよ、ラティナってのは本名じゃな」「質問しとるのは私どすえ!?ちゃんと答えよし!!」
質問を質問で返されたのが嫌なのか、ラティナ(あやね)の母を自称する女性は少し不機嫌そうに彼の言葉を遮った。
「すんません・・・オレは、その・・・ラティナ、いや、あやねの・・・恋人です!!大好きな女性(ひと)なんですっ!!」
「あらあらまァまァ、あやねちゃんもやりおるわァ〜・・・で、あんさん名前は何て言いはりますの?教えてもらえへんやろか?」
「・・・トレスヴァント、トレスヴァント・ヘンリケスです。お母さん、あなたの名は?」だが彼の質問に彼女は・・・・
「お、お母さんなんて・・・ややわァ〜、まだそないな覚悟できてへんのにィ////////」「いや、だから名前を・・・」
「あらあら、すんまへんなぁ〜・・・私の名前は"東雲 雪乃(しののめ ゆきの)"、これでも38どすえ?」「・・・マジかよ」
どう見ても20代半ばにしか見えない外見と実年齢とのギャップに思わずトレスヴァントの呆ける声が出る・・・
「あ、それどころじゃねぇや!すいませんお母さん・・・オレ、早くラティナを見つけてあげないと。じゃぁまた・・・」
「ちょっとお待ちおす、あなた・・・見たところ剣士、しかもかなりの強者とお見受けしはりますが、どないどすか?」
女性の柔和な笑顔はそのままだが、ラティナと同じ戦いを楽しみにするような勝気な微笑が浮かんでいる・・・。
「・・・雪乃さん、あなたこそ今手に持ってるその袋、何かはわかりませんが得物が入っているんじゃないですか?」
「・・・うふふ、ようわかりましたなァ。これでも私も剣士の端くれ、この大陸にはない技の使い手どすえ・・・?」
お互い目線を交錯させながら、笑みは浮かべてはいるものの・・・あからさまな闘志を燃やしながら、二人は向き合う。
まずはトレスヴァントが構えた・・・!!背負っていたビッグセイジを握り、切先を女性に向けた・・・。
対する女性も、袋の口を縛っていた紐をほどき・・・黒く艶光りする細長い棒状の得物を取り出す・・・!!
「トレスヴァント・ヘンリケス・・・騎士道に則りお相手致す!!!」「東雲流抜刀術師範、東雲 雪乃・・・参りますえ!!」

若葉がひらりと落ち行くトラン森で、二人の剣士の闘いが始まろうとしていた。

78 ESCADA a.k.a. DIWALI :2008/05/20(火) 12:00:35 ID:OhTl4zsk0
それと、話題になってる第2回チャットイベについて。
オレは親のいないところでまったり茶会したいので、
金曜日以外の平日PM19:00からなら参加可能かもです。

79 名無しさん :2008/05/20(火) 12:37:39 ID:aY5Buyq.0
私のいつもと変わらない一日が始まる。

朝、起床。新聞を見る。
特にめぼしい記事はない。
軽く食事をとり、午前の研究。

昼、いつもの通り昼食は抜く。そのまま研究に没頭する。

気がつくと深夜。夜食をとる。
軽く風呂に入り目途の立つところまで研究。

いつもこんな感じだ。
食事は作ってくれる人がいるから研究以外本当に何もしていない。
よくこのままではまずい、と言われる。
…何がまずいのかが分からない。
まああまり迷惑はかけたくないとは思っているが。

そんな生活を3年続けてきた。
そして4940年
ついに私の世界が変わり始める。

「…はいはい。変なこと言ってないでご飯食べなさい。」

…その言葉で現実に引き戻された気がする。
「アル、なんてことをするんだ。これから私の活躍を辿って行くところだったというのに。」
当然抗議する。これはかなりの重罪だ。
「別にいいけどご飯冷めるよ?それでもいいならどうぞ。ちなみに作り直す気はありません。」
「ぬぅ…」
痛いところを突いてきた。反論できん。この魔性の女め。
「…何か言った?」
そして相変わらず鋭かった。
「いえ、何も」
「ならよし。早く食べちゃいなさい。」
まあ口でも力でも勝てないからな。大人しくしていよう。

冒険者達が大勢押し寄せる砂漠の都市、流通の首都アリアン。
ここに私の家がある。
と言っても普通の場所ではなく、地下遺跡の中だが。
中に巣くっていたネズミやら蜘蛛はアルが全部処理した。
最近貯金を崩してここを私有地にした。
そしてこいつ以外誰も来ないここは私の絶好の研究場所だ。
もうだれに何を言われてもここが安住の土地と信じて疑わない。
「また聞き捨てならない独り言を…こんなところ早く出なさい。」

また現実に引き戻された。今私のこととかを説明しないといけない気がするのだ。
だから無視して続けよう。
次は…私とアルについてか。
今私の向かい側に座っている悪魔…ではなく女性はアルフィーナ。愛称?はアル。苗字は忘れた。
覚える価値のないものは覚えない主義なのだ。
私の古くからの知り合いで毎日なぜか食事を作りに来る。
まあそれ自体はありがたいことなのだが、いかんせん性格に問題がある。
昔から、最近再会してからもずっと腹黒い。
そしていつも私の言動に突っかかってくる。そして昔から喧嘩で勝ったことがない。

つまり私の天敵である。
「なかなか楽しい説明ねぇ?」

…何か聞こえたがあえて無視するのが正解だと思う。
次は…私か。

私の名前は…忘れた。
覚える価値のないものは忘れる主義なのだ。
職業は研究者。一応ウィザードの資質があると言われた。
今は研究をしている。

80 名無しさん :2008/05/20(火) 12:39:09 ID:aY5Buyq.0
ふぅ…自己紹介なんて久しぶりだ。
誰が見ても完璧な自己紹介だ。
多分これを聞いただけで万人が感動しそう…
「ごちそうさま。」
…え?
ちょっとまて。この女、いつの間に食べ終わった?
「ではお皿を回収しま〜す。」
「ちょっとまってくれ、まだ食べて…」
「あら?約束でしょう?私が食べ終わるまでに食べきるって。」
ぬぬぬ…
ちょっと前に昔「食べるのが凄い遅かったな」、と話の種にして笑ったのをまだ根に持っているのか…
「変な妄想して食べるのをおろそかにするのが悪い。それじゃあね。」
私の皿を取り上げて去っていく彼女。
この悪魔め!
ちなみに私の家に水道はない。いくら万能な私でも遺跡をそこまで改造できない。

朝から多少憂鬱だが、とりあえず新聞でも見るか。
めぼしい記事は…

「トラン森にて新種のモンスター発見!」「ブルン議会の裏に飛ぶ金の嵐」
「デフヒルズ古代遺跡に新たな道が発見」「アリアン大食い大会のお知らせ」

どれも興味を引かれん…

必要なことを済ませて研究に入ろうかと言う時にアルがやってきた。
「午前中買い物に付き合ってくれない?」
会うなりわけのわからないことを言ってきた。
「私はこれから研究だ。そんな暇はない。」
当然拒否する。これだけは譲れん。
鉄の意志で跳ね返す。
「来てくれたら食べ損ねた朝ご飯奢るよ?」
早くも鉄が溶けだした。
なかなかいい条件…というか朝食食べ損ねたのはお前のせいな気がするが…
まあ黙っているが。
「たまには昼間に外に出ようよ。」
…これが目的か?別に私がどこにいようとアルには関係ないだろうに。
「まあ腹が減っては研究はできんと過去の偉人はいっているしな。」
まあたまにはいいか。

「ちょっとここで待ってて。あそこの露店見てくるから。」
「あ、ああ、行って…来い。で、すぐに…帰ろう。」
私の返事を聞くとアルは走り出した。

連れ出されて荷物持ちさせられて…もう限界だ。
その場に座り込む。上を見上げるといい天気だった。
やはり昼間は外に出るものではないな。喧騒が鬱陶しい。
早く静かな所に行きたい…
アルの方を見ると露天主と話し合っている。
また値引きか。頼むからもう9割引きにさせるのはやめろよ?相手が悲惨すぎる。

まだ時間がかかりそうなのでその辺を見るて回ることにした。
ドラゴンの牙、由緒ありそうな騎士剣、楽器…
聖水がなくなりそうだったので少し買い足し、元の場所に戻ろうとしたとき…

「おっと」
「きゃっ!」
小柄な人とぶつかった。

81 名無しさん :2008/05/20(火) 12:42:01 ID:aY5Buyq.0
「失礼…大丈夫かな?」
おそらく私の方からぶつかったのだろう。先に謝罪を入れておく。
フード付きのマントを深くかぶって顔は見えない。
「ごごご、ごめんなさい。急いでいたもので。」
相手も謝ってくるがどうやら急いでいるようだ。
「いや、急いでいるようだし私は何ともないから大丈夫だよ。」
「すみませんでした。それでは…」
そう言って走り去って行った。

ふぅむ。女性かな?声の高さから。あと金髪だったな。
まあ面倒にならんでよかった。
そう考えていたら声をかけられた。
「おい、あんた。この辺にマントをした小柄な女が来なかったか?」
そう言ったのは先ほどの彼女が走ってきた方角からこれまた走ってきた派手な鎧を着た男だった。

ジャストタイミング!今会ったよ…と言ってもいいが、
あいにく赤の他人、特に野郎には厳しいのだ。私は。
「ああ先ほど見ましたよ。私をショルダータックルでふっ飛ばしたあとあちらの方に走って行きましたよ。」
私の中のあまのじゃくが彼女が走り去った方角と違う方角を指差す。
「そうか、失礼した。」
男はそれだけ言って去って行った。
まあ頑張ってくれや。1日探しても見つからんと思うが。
そして追われている彼女。頑張って逃げて面倒をこっちに持ってこないでくれよ?
そう願いつつもどろうとしたら向こうからアルが走ってきた。
「ねぇ、今派手な鎧を着た男がこの辺に来なかった?」

今日はよく人に尋ねられる日だな。
まあアルには嘘は言えん。
「安心しろ。私が罠にはめておいた。」
「はぁ?何言ってんの?」
事情を説明してみた。
「あっちに行ったのね…」
何やら考え込むアル。そして、
「ごめん、先に帰ってて。」
そうして男が言った方向に走り出した。

しばし呆然としてたがある重要なことに気づいた。
「あの野郎!」
そうしてアルに追いつくために全力で走りだした。

しばらく走り、路地に入ったあたりでアルの背中が見えた…が雰囲気がいつもと違うな。
遠巻きに盗み聞きをしようと近づく。
話しているのは先ほどの男か。
!!
男の手にはナイフが、腕の中には先ほどの彼女が。
嘘教えたのに捕まるなよ…
話し声が聞こえる位置まで来た。
「まだそんなことをしてたの?」
「お前に何も言われる筋合いはない。」
ううむ…どうも殺伐としているな…
ここは空気を読んで出直すか。
そう思い回れ右をした直後、
「誰だ!」
男の声が響いた。
全員の視線が俺に注目する。
「あっ」「貴様…」「ちょっと、どうして来たの!?」
三者三様の反応だ。誰の分から返答しようか。
「また会いましたね、失礼、先ほどのは嘘でした、まだ私に飯をおごっていないからだ。」
とりあえず反応の早かった順に返してみた。

「これで2対1よ。今回はあきらめなさい。」
よくわからないがアルがいつもの数倍の迫力で脅しにかかっている。
男は苦虫をかみつぶしたような顔をして
「っち」
腕で拘束していた彼女をこちらに突き飛ばしてそのまま走り去って行った。
「この子をお願い」
そう言うとアルは追いかけて行った。

「説明ぐらいして行け!!」
今のおれの心境を叫んでから気絶した彼女をとりあえず我が家に運んだ。

82 名無しさん :2008/05/20(火) 12:43:10 ID:aY5Buyq.0
「さて、説明してもらおうか。」
帰ってきたアルをとりあえず問い詰める。
「いきなりね…
さっきの男は人さらい。顔を知っていたからもしかしたら、と思ったから追った。
そうしたら案の定だった。」
淡々と説明するアル。
「彼女は?」
「あら、女の子だったの?知らない人よ。たまたま助けただけ。」
「で、彼女を助けてどうするつもりだった?」
「?もちろん…」
「助けたから御礼を貰うと?」
…ゴッ!
殴られた。痛いぞ
「…冗談だ。今私のベッドで寝ている。できれば引き取ってほしい。」
「…え?連れて帰ってきたの?」
「ほかにどうしろと?」
「あ、ああ、そうね。わかったわ。私の家にとりあえず連れていくわ。」
一瞬動揺していた気もしたがアルは彼女を担いで行った。獲物を担いだ猟師のように。
と、部屋を出る直前にこちらに振り返った。
「まさか…とは思うけど変なことはしてないでしょうね?」
やってないから。あと迫力が凄いからやめてくれ。

次の日、いつもの時間に起こされた。
「おはよう。起きた?お客さんも来てるからしゃきっとしなさい。」
アルはそう言ってリビングのほうに歩いていった。
…客?
「お、おはようございます。」
リビングに二人の人影があった。
一人はアル、そしてもう一人は昨日の彼女だった。
アルは心なしか不機嫌に、彼女の方は緊張気味だった。
「おはよう、目覚めたんだね。」
「はい…あの、昨日は助けていただいてありがとうございます。」
何を言うかと思えば…
「それを言うためだけに来たのか?気にしなくていいのに。」
とりあえず大人の対応をしてみる。私は紳士だからな。
アルが続いた
「ひとつお願いがあるんだけど」
「なんだ?」
私は今機嫌がいい。何でも聞いちゃうぞ。
「この子…あなたの家にしばらく泊めてあげて。」

…は?

時は4940年
私の世界が変わりはじめた。

83 名無しさん :2008/05/20(火) 12:46:26 ID:aY5Buyq.0
初めまして

勇気を振り絞って投稿してみました。
無駄に長いのは推敲できていないからです。
中程度の長さで完結できたらいいなぁとか思っていますのでどうかよろしくお願いします

文章書くのって難しいですね…
他の方が偉大に見えます。

84 ◇68hJrjtY :2008/05/20(火) 13:36:58 ID:LN1SstPI0
>ESCADA a.k.a. DIWALIさん
ラティナ父も豪快な性格なら、京美人的なラティナ母もまた爽快な(?)性格ですね。
なんかこう、無言の中から剣を交える雰囲気になるのって凄く爽やかというか、自然と憧れてしまいます。
そういえばティエラと燈道さんもなんか自然に戦闘になっちゃったし(笑) 家訓っていうかそういう血筋なのか…。
ラティナが知ったらどう反応するかが実に楽しみなトレスヴァントvs雪乃。騎士vs武士という構図でもありますね、続き楽しみにしています!
---
イベント日時了解しました。分かります、親の居ないところで茶会したい気持ち(笑)

>名無しさん(>>79-83
もう書き手さんは全員コテハン強制で!…ってのは冗談で。
初投稿、ありがとうございます!全然遠慮なんかしないでガンガン好きなようにUPして下さい(笑)
いやーしかし、この主人公君の性格が実にイイ。天然インテリというか。名前忘れたってある意味凄いよ(;・∀・)
冷静そうな性格の主人公君が移り変わる出来事に対して動揺したり焦ってたり困ってたりと読んでる方としては実に楽しいです。
深く詳しく描写せずある程度で文章を区切るという淡々とした書き方もまた良い味を出してますね。
アルと主人公君のほんのりラブを想像させる関係も気になりますが、さて、フードの彼女の実情とアルとの関係とは。
続き楽しみにしています!

85 感想スメスメ :2008/05/21(水) 00:35:48 ID:ddy6MTJU0
どうも、感想スメスメです。
どうにも自分の文章が進まないのでまた感想から…。

姫々さん
まづは一言…。

『その戦闘描写を書く能力を僕に下さい!』

…失礼、取り乱したようですね。
僕はあまり事細かに書くと言う事が出来ていないようなのでとても羨ましいです。
そしてタスカの口の悪さ、ここまで来るとむしろ気持ちいいですな(何

武器姫ですよ、皆さん武器姫ですよー!
…また取り乱してしまいました。
武器姫と言うのはなかなかどうして魅力的なのでしょうか?
他の作家さんでもチラホラ登場することがあるのでなんとも不思議な話です。
かく言う自分も登場しているわけですしね。
チャットイベントでお会いできることを楽しみにしていますよ〜。

ESDADA a.k.a DIWALIさん

今度はラティナ(あやね)のオカーチャンきたぁぁ!
みなさーん、おかちゃんですよ〜!
…またまた取り乱した様で。
京都美人なおかーちゃんで、しかも見た目も中身も若々しいおかーちゃんときたらもう鼻血もんですなっ(マテ

今まさに切り結ぼうとするママンとトレスヴァントの二人。
果たして勝負は一瞬で決まるのか…?
次回を楽しみにさせて貰います♪

名無し(>>79-83)さん
取りあえず初投稿おめでとうございます。
自分も新参のの部類なのでデカい事を言えませんがとにかく楽しんでお互いの作品を投稿していきましょう!

つーか。
あ、あんた自分の名前を忘れたって…
ある意味豪快な人ですな…。

何ででしょう?
『アル』と言う名前の響きにとても懐かしい感じを受けるのですが…
そしてこの主人公とアルの関係も気になるところですが、やはりフードの子が加わる事で出来る三角関k(ry
…すんません、妄想が止まらなくて。
何よりあっさりした文章なのに情景が浮かんでくる書き方…
これも羨ましいですよ、嫉妬して良いですか?
最後に68hさんの言う通り、何かしらのコテハンがあると何かと楽ですよ(こっちが)?

86 みやび :2008/05/21(水) 09:29:36 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]0/9

 お久しぶりの方もそうでない方もこんにちは。
 半死人のみやびと申します。

 GGアプデの影響でRSにINできなくなり、ひとまず引退しまし
たが、OSの入れ替えでなんとかログインは可能になりました。
 もっともOS再インスコの際にバックアップが取れなったこともあ
り、一切のデータ(特に創作関係のファイル)が昇天したため、創作
意欲は地の底まで萎えました……(泣)
 よって今後も投稿の復活は予定していませんが、せっかくログイン
できたのでメインクエからデータを取り出して来ました。
 資料として投稿しておきますので、「オリジナル設定再現派」の方
はご活用くださいませ。(使えるかどうか微妙ですけど;)

 尚、資料性の観点から、本文はメインクエ“CHAPTER1”で
入手できる「アイノの報告書」に記載されているテキストを、誤字・
脱字・句読点、および「もはや日本語ですらないトチ狂った文章」に
いたるまで、忠実に書き写してあります。文章が言葉としての意味を
成していない点はあらかじめご了承ください。

 ただし書式上の理由から、以下の部分についてのみ修正しています。

①半角英字「RED STONE」を全角の「レッド・ストーン」に変更。
②半角数字を全角漢数字に変更。
③改行位置と段落の変更および挿入。

 ――という訳でしばし(9レスほど)レス消費をば。

87 みやび :2008/05/21(水) 09:30:48 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]1/9

●序 論…レッド・ストーンの生成に関するレッドアイの報告書要約

●第一章…レッド・ストーンの存在可否

●第二章…追放された天使たち

●第三章…レッド・ストーンが地に落ちた理由

●第四章…レッド・ストーンの盗難それから

●結論

88 みやび :2008/05/21(水) 09:31:21 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]2/9

 ――序 論――
 レッド・ストーンの生成に関するレッドアイの報告書要約

 レッド・ストーン。不死の霊薬、または富貴栄華を持ってくれる富
と権力の源泉。
 空から落ちたというこの赤色の石を実際に見た人はあんまりいない。
 この石は人々がよく称する紅玉、ルビーではない。
 我々レッドアイは長い間、ブルンネンシュティグ国王の勅命を受け
て、いわば「神の目」とも呼ばれるこの石の行方を追って来て、また、
その結果を見た。
 ここに書かれている内容は、レッドアイの三七つの支部で収集した
資料を土台として、再構成したもので、レッドアイ研究の一番核心的
な部分のみを選りすぐっておいた物だと言える。
 この文を読む人々がレッド・ストーンに関する疑惑を明らかにでき
ることと同時に、正しい判断の根拠にできることを願う。

            ブルン暦四八〇五年十二月八日
            レッドアイ三九代会長 アイノ・ガスピル

89 みやび :2008/05/21(水) 09:32:01 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]3/9
 ――第一章――
 レッド・ストーンの存在可否

 先にレッド・ストーンの存在可否が、一番大きい関心事になるだろ
う。
 今までレッド・ストーンは、見た人が極めて少ないミステリーに包
まれた物体だった。公信力のある機関や人物がこの品物の存在を認め
なかったから、その存在可否に関する論争はいつも消極的になるしか
なかった。
 ここで、レッドアイでは、これに関する確かな証拠と証言を提示し
て、レッド・ストーンの存在可否を明らかにしようとする。

 追放天使という言葉を聞いて見た事があるはずだ。
 我らが住んでいる地上界の上には、天上界があり、天上界で暮す住
民たちが天使だ。
 この天使の中で、重罪を犯した者等は空の権勢によって、羽が折れ
たまま地上に追放される事がたびたびある。追放されて地上界に落ち
た天使たちを普通追放天使と呼ぶが、これらは二度と高く飛ぶことが
できないように羽が折れたまま追い出されるの一般的だ。

 約四〇〇年前、ゴドム共和国にあった「赤き空の日」以後、このよ
うな追放天使を見つけたという報告が多数あった。しかし、その時堕
ちた追放天使たちは、あの時まであった多くの人々とは違う面があっ
た。
 まず大部分の追放天使たちが、以前の天使としての権能を取り上げ
られて、その象徴として、羽が丸ごと折れたまま追放されたり、少な
くとも片方の羽が完全に消える位の刑罰を受けた。
 しかし、「赤き空の日」以後現われた多くの追放天使たちは、彼ら
の羽、特に右羽半分だけがか破れたままで、天使としての力も、ある
程度は発揮できたようだ。
 また、以前の追放天使たちが平凡な住民か惨めな下層民として住ま
なければならなかったのとは対照的に、これら大部分はビショップと
して活発な活動をしていた。

90 みやび :2008/05/21(水) 09:32:37 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]4/9

 ――第二章――
 追放された天使たち

 たとえ四〇〇年という長い時間をビショップとして住みながら、天
使だった時の記憶や力をまったく喪失した者等も多かったが、一部は
四〇〇年前の事件を覚えている者もいて、自分らがどうして追放され
たのかを分かっている人々もいた。
 ここで、私たちレッドアイでは、追放天使たちを直接捜してさまざ
まを探問し、多くの情報を得ることができた。
大部分の情報はレッド・ストーンに関するものだった。

 まず、この事実からレッドアイは次のような何種類かの事実を類推
し出した。

 「赤き空の日」以後に追放された多くの追放天使たちは、その日の
事件と関連があり、これらは地上界である任務を任されて追放された
のだ。
 また、地上界で活動をするために、これらはビショップの姿を主に
使って、レッド・ストーンに関する各種のうわさを作る震源地の役目
をしたと見られる。
 これは天上界と地下界、または、少なくとも天上界がこのレッド・
ストーンと関係があるはずだという推測を生むようにした。天上界で
どんな理由のためレッド・ストーンを地上界に流布させて、その後、
行方がはっきりしなくなったそのレッド・ストーンを捜すために人間
たちの力を貸す事に決めた後、追放天使たちを通じてレッド・ストー
ンに関するそのようなうわさを広めたのが一番適当な推理のようにみ
えた。

 一つ異常な点は、なぜ既に地上界に投げつけられたレッド・ストー
ンの回収のために、天上界でそんなにも努力するのかという点だった。
 それに、数多くの天使たちがどうして追放天使になって、天上界で
追放されて、その姿を隠したままビショップの姿として地上界で生き
ていくのかに対するのも疑問だった。

91 みやび :2008/05/21(水) 09:33:12 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]5/9

 ――第三章――
 レッド・ストーンが地に落ちた理由

 追放天使の一つ、「ルインルス・ナルミナス・イエ・アリエンカム」、
地上界名「ゲール」は、その「赤き空の日」当時の状況に対して詳ら
かに覚えていて、レッドアイの調査員たちは、ガディウス砂漠にある
「荒廃都市ダメル」でビショップの活動をしているこの追放天使と面
談を通じて詳細な顛末を聞くことができた。

 レッド・ストーンと言うのは、天上界にいる六種の神獣の一つのフェ
ニックスの卵のことを称する。
 天上界には火、水、風、大地、光、闇、六種の世の中の基本元素を
支配する神獣たちが、多く居住していて、これら神獣たちは、お互い
に調和を成して地上界と天上界に不均衡が起きないように六種の元素
を治めている。

 今から四〇〇年前、そして地上界で称する「赤き空の日」と言う事
件が起こる十三日前、天上界に赤色の悪魔たちが大挙して侵入する事
態が起きた。
 この悪魔たちは天上界の神獣の中で、火の神獣の卵レッド・ストー
ンを盗むために潜入し、これらは自分らの卵を守っていた火の神獣、
フェニックスと守護天使多数を殺害して、組織的で専門的な方法を用
いてレッド・ストーンを盗んで逃走した。
 この途中で自分らの卵を守っていた火の神獣、フェニックスの多数
が消滅し、守護天使長を含めた守護天使の半分以上が死んだ。
 この悪魔たちは、レッド・ストーンを持って地下界ではない、地上
界に隠れて、それはレッド・ストーンの回収をもっと難しくした。
 各種の暗闘と憎しみの目がある地下界よりは安全で、レッド・ストー
ンに関心がなかった地上界こそが犯罪をやらかした悪魔たちが隠れる
には、ふさわしく良い場所だったということだ。

92 みやび :2008/05/21(水) 09:33:51 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]6/9

 ――第四章――
 レッド・ストーンの盗難それから

 レッド・ストーンの盗難は天上界をひっくりかえした。
 まず、先に事件の責任を問うことと、事件にどう結末をつけるのか
がカギだった。
 事件の責任の所在については、厳しかった警備網をくぐって、どう
悪魔たちが侵入したのかが審判の対象になった。
 その頃、責任者であったレッド・ストーンの守護天使長は、既に死
亡した状態で、その配下にあった守護天使たちも既に半分以上が死亡
した状態だった。そして、副指揮官クラスと上級天使にあたる天使三
人がこの事に責任を負って、地上界に完全追放され、生き残った大部
分のレッド・ストーン守護天使たちも一緒に追放された。
 ただ、これらレッド・ストーン守護天使たちは、完全追放を免れ、
その代わりに片方の羽の半分を剥奪されたまま地上界でビショップで
奉仕活動をしながら、レッド・ストーンを探索する任務を引き受ける
ようになった。

 あまりにも多い数の天使たちだった為、皆を放逐する事は天上界に
も大きい被害になったはずであり、何よりも地上に降りてレッド・ス
トーン探索の適任者たちを選ぶことができなかった状況で、このよう
な選択は賢明な決定だったと見られるはずだ。
 責任の所在と事件の結末はうまく収めたが、結局のところレッド・
ストーンを探すことができず、四〇〇年余りの時間がさらに流れた。
 その間、地上に降りた天使たちは、ビショップとして活動して、レッ
ド・ストーンに対する噂を流したり、情報をあかすなど、人間たちの
協力を求めながら積極的な探索活動をしてきたが、レッド・ストーン
と悪魔たちを探すことは易しいことではなかった。

93 みやび :2008/05/21(水) 09:34:25 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]7/9

 ――結 論――

 悪魔たちがどうしてレッド・ストーンを盗んだのかは、いまだ明ら
かになっていない。
 地上界に降った一部の追放天使たちは、活動初期にレッド・ストー
ンを盗む事件に加わった小さな悪魔何人かを生け捕ることには成功し
たが、詳しい審問はまともにしなかったと知られている。
 怒りに満ちた追放天使たちが悪魔たちを捕まえるや即座に審判した
為であるが、その審判さえも、生き残った悪魔たちでは信頼するに足
らず、信憑性のある情報を持っていなかった下級悪魔たちであった為、
その真偽は迷宮に落ちたまま時間だけが過ぎてしまった。
 ただ、審問に成功した小さな悪魔たちと天上界、追放天使たちの間
で、自分なりに推理した結論がある。
 それは、レッド・ストーンが発する火のオーラを利用して悪魔達が
さらに強い力を得ることが狙いだという噂のことだが、自分の考えか
らも利に適っているようであり、大半の追放天使たちと人間たちはこ
の推定を信じている。

 レッド・ストーンがどのような力を持っている物か、我々としては
想像もつかないが、神々が暮す天上界と悪魔たちが住む地下界で扱う
に値する物なら、人間が手をつけてはいけない物かも知れない。
 これに対する厳重な警告としてみたレッドアイは、レッド・ストー
ンの探索を全面中断することを要請して、以後、レッドアイの活動も
制限的に行うと明らかにする。

 とりあえず、我々レッドアイはレッド・ストーンの手がかりに非常
に近づいていて、それに対する正体についても、殆ど明かしたことで、
近い内にまた他の報告書を公開することを約束しながら短い文を終え
る。

94 みやび :2008/05/21(水) 09:35:04 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]8/9

 ――メ モ――

 こんな古文書にメモをするということが、少々おこがましくはある
が、キミの記憶力がよくないため、どうしようもない。

 この本に関心が多い者たちの中で、購入希望を知らせてきた者たち
は、古都ブルンネンシュティグのロングシュ、港街ブリッジヘッドの
ケブティス、オアシス都市アリアンにいる隊員募集担当グレイツ!
 以上だ。

 この三人の内、誰か一人を選択することはキミの自由だ。あ!今度
もっと良い条件を出す人がいることもあるから持っていても構わない
がね。


         編者注)アイノの報告書より抜粋――ここまで。

95 みやび :2008/05/21(水) 09:35:50 ID:XfF12bcA0
―メインクエ“CHAPTER1”より〜アイノの報告書――[P]9/9

 ――編者あとがき――

 あらためてゲーム内のテキストを書き写してみて、ここまでキチガ
イじみた(言葉として成立していない)文章だったのかと、今更なが
ら愕然としました(笑)
 しかしこれ、いったいどうやって日本語にしたんでしょうね?
 自動翻訳ソフトに本家のテキストをコピペして、ただ「変換」ボタ
ンを押しただけとか?(汗)

 しかしある意味、物書きとしては「解釈のし甲斐がある」と言えな
くもない気がしないこともないようなあるような……(汗)

 ポスト・スクリプト――
 前回のチャットについては、開催される旨、小耳に挟んではいたの
ですが……参加できなくて残念!
 今度は参加できるといいなあ……♪
 ちなみにここしばらくは暇してる(とは言え基本的にスケジュール
未定の不定期ですが)と思います。
 6月に入っちゃうとまた予定はわかりません。今月中なら時間問わ
ずオーケイ……なはず(汗)
 ではでは。また死人に戻ります。

96 ◇68hJrjtY :2008/05/21(水) 16:33:50 ID:LN1SstPI0
>みやびさん
みやびさんキタ━o┃*´・ω・┠o━!
サイトの方ではお世話になっております。PC不調の話を聞いていながらもっさりとしたまま助力できなかったりorz
メインクエを題材にして小説を書いておられる方も居ますし、この資料はテンプレに入れたいくらい重要ですね。
メインクエっていえばチャプター1すらクリアしてないや…(´▽`*)アハハ
---
チャットの話は私の方の不手際影響が強かったのもありますし気にしないで下さい!
うーむ、6月に入ると微妙ということですか…了解しました。やっぱり今月中に開催が良さそうですね。
実を言えばFATさんだけ(以前常駐していた書き手さん含めたらもっとたくさん居ますが)連絡取れてないので気になっていたのです…が
また企画すればいいことですしね。とりあえず、ちょこっと調節して決めてしまいますね。

97 ◇68hJrjtY :2008/05/21(水) 16:44:25 ID:LN1SstPI0

      l> 第二回チャットイベントの告知 <l

 チャットイベントの告知をさせていただきます。コピペウェーイ
 21Rさん提案、白猫さん場所提供によりチャットイベントを開催します。
 参加資格などは特にありませんが、このスレの住人様を優先します。
 それについては書き手さん、読み手さん、ROM専さんは問いません。


   日時:5月 28日 水曜日 20:00(午後8時)より   (終了時間未定)
   場所:前スレ>>881  他のスレ、掲示板などへのURL転載は遠慮ください。
   心得:前スレ>>955  参加希望者様はご一読ください。特にチャットでのHNについては重要。



一応今まで希望が出た皆さんの「無理な日時」を避けてみましたが…
たぶん来週までには調整可能なのでどうしても他の日にしてくれという希望がありましたら遠慮なくどうぞ。
もちろん希望を出してない人でも参加OKです。お気軽に〜♪

98 ななしじろう :2008/05/21(水) 18:51:55 ID:8DVZ7PwM0
病気のコボルトがあらわれた!

けんし
H:20
C:20

→たたかう
 にげる

→こうげき  まほう
 ぼうぎょ  どうぐ

けんしのこうげき!
コボルトに11のダメージ

コボルトのこうげき!
けんしに3のダメージ!
けんしは病におかされた!

H:17
C:20

→たたかう
 にげる

 こうげき  まほう
 ぼうぎょ →どうぐ

→キャンディーSP  3
 帰還の巻物 2
 
けんしはキャンディーSPをたべた!
病気が治った!

コボルトのこうげき!
クリティカルヒット!
けんしに5のダメージ!
けんしは病におかされた!

H:12
C:20

→たたかう
 にげる

 こうげき  まほう
 ぼうぎょ →どうぐ

 →キャンディーSP 2
  帰還の巻物 2

けんしはキャンディーSPをたべた!
病気が治った!

コボルトのこうげき!
ダブルクリティカルヒット!
けんしに10のダメージ!
けんしは病におかされた!

H:7
C:20

→たたかう
 にげる

→こうげき  まほう
 ぼうぎょ  どうぐ

けんしのこうげき!
コボルトに3のダメージ!
病がけんしを苦しめる…
1のダメージ!

コボルトのこうげき!
けんしに3のダメージ!

H:3
C:20

 たたかう
→にげる

けんしはにげだした…
しかし にげきれなかった!
病がけんしを苦しめる…
1のダメージ!

99 ななしじろう :2008/05/21(水) 18:54:50 ID:8DVZ7PwM0
コボルトのこうげき!
けんしはこうげきをかわした!

H:2
C:20

→たたかう
 にげる

→こうげき  まほう
 ぼうぎょ  どうぐ

けんしのこうげき!
コボルトに2のダメージ!
病がけんしを苦しめる…
1のダメージ!

コボルトはニヤニヤしている

病気のコボルトがあらわれた!

けんし
H:20
C:20

→たたかう
 にげる

→こうげき  まほう
 ぼうぎょ  どうぐ

けんしのこうげき!
コボルトに11のダメージ

コボルトのこうげき!
けんしに3のダメージ!
けんしは病におかされた!

H:17
C:20

→たたかう
 にげる

 こうげき  まほう
 ぼうぎょ →どうぐ

→キャンディーSP  3
 帰還の巻物 2
 
けんしはキャンディーSPをたべた!
病気が治った!

コボルトのこうげき!
クリティカルヒット!
けんしに5のダメージ!
けんしは病におかされた!

100 ななしじろう :2008/05/21(水) 18:55:12 ID:8DVZ7PwM0
H:12
C:20

→たたかう
 にげる

 こうげき  まほう
 ぼうぎょ →どうぐ

 →キャンディーSP 2
  帰還の巻物 2

けんしはキャンディーSPをたべた!
病気が治った!

コボルトのこうげき!
ダブルクリティカルヒット!
けんしに10のダメージ!
けんしは病におかされた!

H:7
C:20

→たたかう
 にげる

→こうげき  まほう
 ぼうぎょ  どうぐ

けんしのこうげき!
コボルトに3のダメージ!
病がけんしを苦しめる…
1のダメージ!

コボルトのこうげき!
けんしに3のダメージ!

H:3
C:20

 たたかう
→にげる

けんしはにげだした…
しかし にげきれなかった!
病がけんしを苦しめる…
1のダメージ!

コボルトのこうげき!
けんしはこうげきをかわした!

H:2
C:20

 たたかう
→にげる

けんしはにげだした…
しかし にげきれなかった!
病がけんしを苦しめる…
1のダメージ!

けんしは力尽きた…

ななしじろうです こんばんは。かいぎょうが おおくて すいません。
でもチャットは やりたいと思います。 ぶんしょうも
きもちわるくてすいません。でも8時からごはんなので 遅れるかもしれません。
今日は僕の好きなカレーなので たのしみです。では またあいましょう


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