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投稿するまでもないSSスレ 7/7
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適当に思いついたSSダバァ
「結局、思いつかなかったわね」
カップを口元まで運び、蓮子は嘆息する。
「やっぱり、駄目かしら? “世界の裏側”から月に行く方法」
ケーキが運ばれて来るまでの間に、どうやってか“ツアー”なしに月へ行く方法を考えていた。
境界の裂け目からいける世界から月に行くと発言したのは、ただ今珈琲で喉を潤している宇佐見蓮子と同席しているマエリベリー ハーン――普段はメリーと呼ばれている――彼女である。
「はあー。良い方法だと思ったんだけどな」
「発想は悪くないとは思うけどね。でも、行けたとして月へ行ける方法があるのか。 もしくは、行けるとしても月へ行く手段を持つ人、もしくは、人たちが了承してくれるかどうかよね」
「行って見なきゃ分からないってことね」
そんなこんなでカットされた二人分のケーキが運ばれてくる。
しっとり柔らかいスポンジケーキを絶妙な甘さのホイップクリームで包み、甘酸っぱく赤い苺が白地の上で主張する。
そんなごくありふれた普通のケーキ。
「そうよ。私は、まだ見たこともないしね」
「やっと主役のお出ましね。珈琲だけじゃ頭も回らないわ」
そう言い、運ばれてきたケーキに手を付ける。
「ケーキも種類があって悩むけど、普通のも十分に美味しいね」
「ほんと、美味しいわね」
「そういえばさ。聞かなくてももう分かるけど、メリーはケーキの苺を最初に食べる派? それとも、後に食べる派?」
既にメリーのケーキからは苺が消えている。
「あら、私はその時の気分で食べてるわ?」
「じゃあ今は、最初に食べる気分だったのね」
フォークからカップへ持ち替え、喉奥へ珈琲を流し込む。
「何度も言うようだけど、普通に美味しかったわね」
蓮子が最後、苺を頬張るのを見てメリーが言った。
「ちょ、ちょっと……まじまじと見つめないでよ。恥ずかしいじゃない」
蓮子の顔が赤くなる。
「まるで苺みたいね♪」
「もう……」
にこにこしているメリーとは対照的に蓮子は心底恥ずかしいのか、珈琲の残りを飲み干す。
「やっぱり、地道にバイトするしかないのかしら」
「じゃあ、何か良さそうなバイトでも探してみる?」
「…………」
「…………」
二人そろって沈黙する。
その静寂を打ち破ってくれやがったのは、ウェイトレスである。
「珈琲の御代わりは如何ですか?」
「あ、いいです」
「彼女に同じく」
そう言うと、ウェイトレスは戻っていく。
「まあ、居座るのも迷惑かかるし、場所を変えましょうか?」
「じゃあ、今日はメリーの家で」
「私の家?」
「この間は私の家だったでしょ? それに、メリーの家に行くの久しぶりだし」
「うーん……、まあいいわ。それじゃ、ケーキでも買って帰りましょう?」
「ま、またケーキ?」
「だって、美味しかったじゃない」
カフェ兼ケーキ屋。
いや元々は、ケーキ屋だったのだが、兼業でカフェを始めたので、ケーキ屋兼カフェの方が正しいが。
「このトライフル美味しそうね!」
ショーケースの中の色鮮やかな様々な果物が載ったケーキを指す。
「帰って食べるんだよね? チーズケーキにしない?」
そう言い、中々ショーケースから離れない彼女たちが決めたのは。
また、普通のケーキだった……。
短いですよね?
最初は、メリーの家で蓮子の「うー、さみ」ネタを使いたかっただけだったんですけどね……。
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