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33ヒロとセント:2017/02/11(土) 12:49:33
「固いこと言うなよ会長さん、絶対アキカンの方が恰好良いって…… お、野良戦斗素体ではないか。お前もアキカンにしてやろうか〜〜!! 仲間になったんだからサービスだこれは!」
「……ッ!」
「あ、彩羽根君がそっちに向かってしまったか。すまんセント君、ヒロ君、ここのことは良い! 逃げてくれ!」
「え? あ、はい。逃げようかセント君」
「……(了承)」
「天才はアキカン候補を逃がさんのだよ!!! わ〜っはっは、はははは!!」

 闖入者が去り、足音が遠ざかっていくと、会長は早矢梨に対し肩をすくめて見せた。

「このような立場の私でも、難しいな。万人を御するというのは。生徒会なら意欲を同じくして集まる者が多いからまだ楽だが、ハルマゲドンには不確定要素が多すぎる」
「でも会長は偉いですよ。それでも役割を放棄しようとしませんから。今日だって、会長がいなければ…… あっ、会長見て下さい、戦斗素体が動き出しましたよ、治ったんでしょうか、それとも」

 最初に動き出したのは、ベガの戦斗素体だった。彼女はくまの戦斗素体が持っていたはちみつを取り上げると、瓶の中に腕を突っ込んで舐め始めたのだ。

「え!?」

 次に動き出したのは、早矢梨の戦闘素体。彼女は首をグリン、と捩じり無理な角度を取ると、天井を指さして架空の星を観察し始めた。

「ええ!?」

 最後に動き出した戦斗素体、くまの姿を取る戦斗素体は、自分の腕を見つめ、胴体を見つめ、足を見つめると声を上げた。

「えええ!?」
「ええええ!?」

 早矢梨は絶句した。会長は面白げな表情をして目を細めた。くまの形をした戦斗素体は教室の後ろにあった予備のカーテンで体を包んだ。

「会長、これって……」
「ああ、入れ替わっているな」
「なんで少し楽しそうなんです?」
「気のせいだ。もしそのようなことがあるとしたら、一人だけ戦斗素体がアキカンになった挙句、大破したからではないかな」
「会長、彩羽根さんに戦斗素体を弄られて悔しかったんですね」
「立場上私以外の戦斗素体が改造されるのは止めたが、改造されなかった機体が正直憎かった」
「憎むなら彩羽根さんを憎んでくださいよ…… というか、冗談ですよね?」
「冗談だ。しかし、これが面白い光景なのも確かだ」

「はちみつこそきゅうきょくにしてしこうのしょくざい」
「あれはギャラクティック・ノヴァ、あれはM78星雲」
「ふ、服を着ないと…… いくらくまの姿でも裸は」

「はちみつおいしい」
「あれがアンタレス、あれがカウス・アウストラリス」
「ちょっ…… あなたたちはもっと動揺しなさいよ」

 ベガとくまは自分達のスタイルを崩さないため、カオスは広がるばかりである。最初は本物の早矢梨が頑張っていた。頑張ってクマになってしまった自分を励まし、もしかしたら動揺しすぎて少し変になったのかもしれないベガとくま、戦闘素体達を落ち着かせようと話しかけもした。くまと化した早矢梨はその内落ち着いたが、他の二人と二体、(一人と一匹と二体?)はよく分からないことを呟くばかりだった。

「せめてその首はやめてベガさん! 痛めそうで怖いの!!」
「あれは王様、あれは王子、あれはイトコ達……グキッ」
「いま変な音した! 怖い! もういや!!」

カーテンを羽織ったくま、中身は早矢梨が、本物の早矢梨の肩に手を置き、優しい声で言った。

「あなたもだんだん落ち着きを失ってるわよ」
「あなたはいつの間にか落ち着きすぎよ!!」
「まあいいわ、私がとりあえずこの場がこれ以上おかしくならないように見張ってるから、ロボ研でも何でも呼んできなさいな」


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