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羽娘がいるからちょっと来て見たら?
639
:
二郎剤
◆h4drqLskp.
:2007/03/05(月) 01:10:22 ID:TFlfCwF6
早速、といった様子で街並みを楽しむ娘達が居る。周囲からすれば観光客にも思え、一瞥すれば活躍を見せた存在であったことを思い出し、瞳に焼き付ける行為があった。
「あー……あれ可愛いなぁ……」
遊び相手を見つけた子犬、そんな様子で街並みのウインドウに張り付くのはユニーとドミナ、そしてセリエで。
「いいないいなー……大人っぽく見えるかなー」
「あ、そうすればいいんだ……ふむふむ」
三者三様の楽しみ方に、保護者役となってしまった二人が笑う。
「服だけじゃ駄目なんですけどね」
ドリスが苦笑し、隣を見れば。
「スノトラさん?」
「……はっ? な、何でしょうか」
我に返ったスノトラは、夢から覚めたかのように視線を戻す。
「お洒落、好きですか?」
「え、ええ。大好きですよ」
二人のやりとりに、三匹の子犬が振り返り。
「その格好、可愛いですねー」
「ふわっとしてる感じ……」
「可愛いお姉さんなコーディネイトですね」
「え? あ。そ、そうですか?」
白い顔を薄紅に染め、防寒具で着ぶくれた体が揺れる。口元にやったミトンは意識しての事だ。
「わ、私って暑がりで寒がりで……困っちゃいます」
「あははー。この国ってお洒落でいいですよね!」
セリエが笑い、スノトラも同じく笑みで返す。
「街並みの記憶は私がしておくから、楽しんでいいからね? ドミー」
「うんー! ありがとう、姉さん! でもー……」
満面の笑みから視線をずらし、ユニーを見れば言葉はつながり。
「私も軍曹も頑張りますし、少佐も楽しんでくださいね?」
「うふふ。お言葉に甘えます」
はしゃぐ様を、ガラス越しに鼻血女が見ていたことは、別の話。
「うーん……いいわね、スノトラさんも……」
「いい加減やめなさいって」
「もう慣れましたよ、あたしゃ……」
鼻血のティアと、それをたしなめるショーティに、ため息混じりの声はベリルの物だ。落ち着いたカフェで、三人はそれぞれに異なる物を吐き出している。
ティアは鼻血を、ショーティは煙草の煙、ベリルはコーヒーの香りを。
一つが途切れた。
「煙草……」
「いい加減やめなさいってば」
立場が逆転した。
「まったく……良いコンビだこって」
冷静に判断するベリルは、先ほど立ち寄った骨董品屋で見つけた年代物のオルゴールを分解し、修復にいそしんでいた。軽く向けた彼女の視線が、奥に存在するカウンターへ向かうショーティを見つめており。
「煙草、これだけ?」
「ああ。あんまり煙草は扱ってないのよ」
どんな相手にも媚びない、そんな等身大の対応をする女将に機を悪くもせず、紙幣を一枚渡し。
「はい」
「何これ?」
アルミの包装を施された煙草が、彼女の前に置かれる。先ほど見せたパッケージの上より、強固に密着したアルミがそれを開封することを拒んでいるかのように巻かれていた。
「貴女ね、さっきから吸い過ぎよ? 体のためにも今日はやめなさい」
「……しっかりした店だわ」
「ここじゃ、どこでもそうよ」
「心の栄養がぁー……」
思わずカウンターにへたりこんだショーティを、二人分の視線が珍しい、と無言の語りを見せる。
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