[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
羽娘がいるからちょっと来て見たら?
633
:
二郎剤
◆h4drqLskp.
:2007/03/04(日) 17:25:20 ID:tJCfqFFo
*音開始
「だけど、今しか! 今やらなきゃ……! 折角差し出された手があるのに、掴まないなんて嫌です!」
言葉とメール送信は同時だった。溢れた血潮が理性のダムを破壊し、立場を洗い流す。ただ一つのため、そして。
「ラプンツェルさんの無事一つで……誰かが幸せになると思っています!」
叫び。
『全く強情だ。優しい気持ちが溢れた、頑固な娘だよ。erytheis』
誰かのかすれた声が響く。
アンジェラの翼は飛行をやめ、体は起きあがる。アスファルトに触れ始める革靴が乾いた咆哮を長々と上げ、先行するラプンツェルは小さくなっていった。慌てず、騒がず。仁王立ちになった彼女はクラウチングスタートの姿勢へと。
「我が距離を掠め取れ、ハルピュイアイ!」
主の名を受け翼が広がる。
それは足から。
それは鋼の。
ハルピュイアイ――掠める女は主の距離を奪うために己を広げる。
「古人曰く――賽は投げられた!」
右足の踏み込みから左足が蹴り上がり、頭は前へと空を掻く。
蹴り上げた左足に追従すべく、右足に追従する鋼の翼が炎を吐いた。空を踏み台にした右足をきっかけに左足を踏み出せば、そちらの鋼も炎の色を持ち。
アンジェラが空を舞う。
ラプンツェルより、風イカダより。
誰よりも早い、頭に昇った血流が紡ぐ、熱い思考に従った速度で、彼女は往く。
視界は狭まり、風は目を襲う。
――装備が足りないから!
己へ苛立った。いつかこんな時が来ると思っていたのに用意がない。訓練も不十分だったと思い。
「でも――役立たずで終わりたくない!」
主の声が、足の推力に繋がった。先攻した人影が急速に近づき、目の前を一杯にするまでの接近となる。
「ラプンツェルさん!」
背後から名前の主を抱き留め、腰をしっかりと掴む。
「え……アンジェラ……さんっ……?」
「今は何も聞かないで下さい。風イカダを!」
視線を上げるラプンツェルの瞳には、己を見ず、目標を貫く強い視線が映り。
「はいっ! 運動はお任せしました!」
「頼まれなくても……」
体を遠慮がちに地へと近づける。銃弾を避けるべく、そしてより地に近いラプンツェルを護りながら。
「貴女の望む場所まで、超特急ですっ!」
加速は止まらず、遠ざかっていた風イカダの拡大も順調に。
「回避指示、お願いします! 戦闘経験がありません!」
「了解っ!」
抱えられた姿勢のまま、ラプンツェルの右手は銃の狙いを定め、視線すら送らぬ左手は制服のポケットをまさぐり爆薬を探る。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板