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羽娘がいるからちょっと来て見たら?

545二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/10/10(火) 23:15:16 ID:JYnZCcww
「ちょっと酔ったかな……」
「……手出さないでおくから。……ほら?」
「ん」
体を寄せたエルヤは、孝美に抱かれ。
「なんでこんなに寂しいのかなー……」
「嬉しいことよ。また会うのが楽しみになるんだから、それでいいじゃない」
「ん……っく……うえぇ……」
服を掴み、泣いてしまったエルヤをそっと撫でるのは孝美の手で。
「ふふ、ほんっと純情よねぇ……」
「うえええ……」
「きっと……」
続く言葉は、他の方々に任せましょうか。
「寝付けないなぁ……」
「……。だめだー……寝られない」
そういう日は、いつでもあるんですね。

「なんかね。細くなる月を見てるのは……ちょっと寂しい」
「戻ってくるじゃない」
「何かがへっていくみたいで……いい気持ちはしないんだ」
「降り注いでるでしょ?」
細くとも、月夜は二人を照らしておりました。
「身を削ってまで光らせたいの……? 月は……」
「私達が大事な友達だったら、そうするんじゃない?」
「面白いこと言うんだね」
目を細めただけ、それでも視界からは月が欠けることはなく。
「細くても、強くあるんだね」
「またまん丸を待ってあげればいいのよ」
「うん……。孝美がちょっと格好いいなんてね」
「何よー」
優しい光に照らされて、輝く二人がおりました。
笑顔だって、涙だって。そんな平等の光が二人の夜を彩って、最後の滞在日は終わってゆきます。


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