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音楽指定で即興するけどお題ある?

287保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:46:16 ID:T8QZhQM6
FMJはおっさんの脇腹を貫通し、さらにいくつかの肉を殺ぎ取っていった。
脆い。筋肉も細胞も、脆い。
恐らく他の臓器…小腸大腸はもちろん、あるいは肝臓も。
中国北方工業工司製。鉛を軟鉄で被甲し、鍍金したFMJ.
貫通力が高く、しかし今だばだばと血が噴出しているのは肝動脈を傷つけることができたからだろうか。
長くは持たないだろう。
しかし、おっさんはまだ動けていた。こちらを振り向こうとしたその状態から、自身の身に起こった事態を一瞬で整理し、背後の暗殺者(そんな高級なものじゃないけど)から生還するべく、取った行動は。

きちんっ

びぃぃぃいいいいいいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!

おっさんが抜いたのは、小中学生も持っている程度の品物ではあったが、実に侮れない音域を備えた防犯ブザーだった。助けを呼ぶには効果的だ。ちなみに携帯に付いたミッフィーのストラップがそれだった。似合わねぇなぁ。

そしてそれは、チキンな長崎の恐怖心を大きく揺さぶるものだった。

――だぁん

抵抗…は、したものの、後はくず折れるだけと言うほど出血を被ったおっさんに向け、さらに残りの一発を撃ち込む。
膝をついたおっさんの脳が吹き飛ぶのが見えた。

――死んだ。

撃った。殺した。死んだ。吹き飛んだ。殺した。殺した。殺した。殺した。
怒涛のように押し寄せる思考を無理やり押さえつけ、とにかく逃げると言う最大目標を実行。
言われたとおりに、その場に銃を放棄して。

長崎は裸足のまま、雨の中を。
犯行から、警報音から、現場から、自分を追い立てるあらゆるものから、逃げ出して、走った。


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