したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ゲームの物語紹介スレ

1名無しさん:2008/03/04(火) 20:27:18
ゲームの物語の紹介はここで

2機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合VS.Z.A.F.T.ⅡPLUS PLUSモード:2008/03/04(火) 22:25:21
コズミックイラ(C.E.)71…オーブ首長国、オノゴロ島
そこには、家族と共に避難するシン・アスカの姿が。
しかしシンの家族はシンだけを残し、フリーダムの放った光芒によってなぎ払われる。
咆哮するシン。しかし、その当時14歳だったシンは、MSに対して圧倒的に無力だった。
そして、2年後のC.E.73、そこには…ザフトの軍人となったシン・アスカの姿があった…

「フリーダムは…俺が倒す」

3塊魂:2008/03/04(火) 22:44:19
アルコールに溺れて星空を暗闇に変えた大コスモの王様と、
親の尻拭いのために地球に飛ばされた王子。
王子は破壊しつくされた星空を戻すべく、
モノだらけの地球で塊を転がして大きくし、
それを暗闇の夜空に浮かべていきます。
はたして王子は、失われた星空の輝きを取り戻すことができるのでしょうか…?

4ピクミン2 前半:2008/03/05(水) 16:10:50
キャプテン・オリマーは、ホコタテ星では結構名の知れたベテラン宇宙飛行士だ。
愛機の宇宙船ドルフィン号で、小型貨物や宇宙資源を星から星へと運ぶ商売をしている。
とは言っても、彼もごく普通のサラリーマンであることには変わりない。
勤め先のホコタテ運送で身を粉にして働く毎日に疲れたオリマーは、
ある時、休暇旅行を思いついた。
ホコタテ運送の社長はオリマーに休暇を与え、
家族は父親の一人旅を笑顔で見送った。

ところが休暇旅行は思わぬ災難に見舞われた。
ドルフィン号が隕石に衝突し、見知らぬ星へ遭難してしまったのだ。
宇宙船の破損はすさまじく、パーツが星のあちこちに散らばってしまった。
おまけにこの星の大気には猛毒の酸素が含まれている。
生命維持装置を動かすバッテリーの寿命は30日しかない。
その短い期間に、散らばった宇宙船パーツを回収しなければらならかったのだ。

結論から言えば、オリマーは幸運だった。
この星で出会った小さな生命体ピクミンの助けで、
無事に宇宙船パーツを回収し、故郷のホコタテ星へと、
生還することができたのだ。

しかし…。

5ピクミン2 中間:2008/03/05(水) 16:17:57
オリマーの幸運は未知の星で使い果たしてしまったのかも知れない。
ホコタテ星に戻ったオリマーを待っていたのは、新たなトラブルだった。

オリマーのいない間に、ホコタテ運送には久しぶりに大きな仕事が舞い込んでいた。
ベテラン社員のオリマー抜きでこなせる仕事ではなかったが、
多額の運送料に目がくらんだ社長(本名:ル・チャチョー)は、
この大きな仕事を新人社員のルーイに任せたのだ。

結果は最悪だった。ルーイの不注意で、
高価な積み荷のゴールデンピクピクニンジンを宇宙ウサギに食い荒らされてしまったのだ。
このニンジンを弁償するために、ホコタテ運送は莫大な借金を背負ってしまった。

オリマーの愛機、ドルフィン号をはじめ、
社長は会社のあらゆる設備を売り払ったが、
それでも10100ポコという借金が残ってしまった。

6ピクミン2 後半:2008/03/05(水) 16:21:00
オリマーの目の前は真っ暗になったが、わずかに希望は残されていた。
オリマーが子供のお土産にとピクミンの星から持ち帰った物体が、
ドルフィン初号機の鑑定によると100ポコの値打ちがあるという。
ピクミンの星に戻って、同じようなお宝を持ち帰れば借金の返済も夢ではない。

社長はオリマーとルーイに社命を下した。
ドルフィン初号機に乗り込み、ピクミンの星へ向かえと。
借金を返済できるだけのお宝を持ち帰るために!

(ピクミン2 任天堂公式ガイドブックより)

7MGS3 前編:2008/03/05(水) 16:28:18
1964年8月24日パキスタン上空高度3万フィート。
米国旗を尾翼に描いた一機の特殊作戦機コンバットタロンが上空を飛んでいた。
朝日がコンバットタロンを包み込むと、そこから一人の男が空中へと身を投げ出した。
世界初のHALO降下(高高度降下低高度開傘)による潜入作戦、
「バーチャスミッション(貞淑なる作戦)」の開始である。
飛び降りたネイキッド・スネーク。特殊部隊FOXのメンバーである。
彼に与えられたミッションはソ連国内の山中、ツェリノヤルスクに単独潜入、
ソコロフ博士を奪還すること。
ソコロフはソ連で冷戦状態を終結させるほどの、恐るべき兵器を開発しているというのだ。
「特殊部隊の母」と呼ばれるザ・ボスとの再会と共に、スネークは潜入を開始する。

8MGS3 後半:2008/03/05(水) 16:32:18
ソコロフの救出は失敗に終わった。
負傷したスネークを待ち構えていたものは、軍部からの激しい尋問だった。
失意のスネークに新たな作戦が持ちかけられる。
それは亡命したザ・ボスの抹殺。
「FOXは死なない。まだ我々が生き残るチャンスはある」
FOX復活の最後のミッション「スネークイーター作戦」発動。
最新鋭偵察機を使いスネークはソ連上空から再度潜入作戦を仕掛ける。
スパイであるアダムと合流し、ソコロフが囚われている大要塞へと向かうのだ。
ネイキッド・スネークを待ち構えているのはザ・ボスとコブラ部隊。
世界の命運を握る、最大の潜入作戦が始まった。

9ロックマンX1 オリジナル版 ED:2008/03/07(金) 20:41:00
戦いは終わった。

明日になれば、再び平和な朝が訪れることだろう。
しかし、傷つき倒れ、夜の闇へと消えて行った者達が、
その朝を迎えることは決してない。

一人立ち尽くすエックスの姿は、爆発の光に照らされて
今にも消えてしまいそうに見えた。

何故戦わなくてはならないのか。誰もその事を教えてはくれない。
休む間もなくどこかでイレギュラー達が発生し、
再び彼は戦いの渦へと巻き込まれていくのだろう。

優しさを捨てきれぬイレギュラーハンター・エックス。
彼の戦いは、どこまで続くのだろうか。
彼の苦しみは、いつまで続くのだろうか。

彼の腕に冷たく光る、
エックスバスターの輝きと共に…。

10ロックマンX オリジナル版 ED後:2008/03/07(金) 21:06:13
お前が倒したものは、私自身ではない。
バラバラになった機械は、私の分身のようなもの。
私は再び、実体となって蘇る…

エックスよ、また会える日を楽しみにしているぞ。
ハハハハハハハハハ……

11ロックマンX2 ED:2008/03/07(金) 21:21:40
エックス…。
今回も私の負けのようだ。
…だが私は何度でも蘇り、新たなる力を得ることができる。
貴様の勝利など、ほんのひと時のものでしかないのだ!!

しかし ゼロは何故…。

ヤツは… 最後の…
ワイ……ナン……ズの…

ぐおおおおおおおおおおおおおお!






再びやってきたシグマの脅威を退け、親友ゼロを救い出したエックス
ハンターとしての仕事を全うし、ゼロと見つめる朝日の海が、
エックスの遠い記憶を呼び覚まそうとする。

エックスは考える
冷たいボディから溢れ出る、熱い力と 暖かな安らぎの訳を。

人間と機械、相容れぬ二つの生命が共存する平和な世界
それはかつて一人の科学者が望んで止まなかった理想郷…。

自らに託されたライト博士の想いを
やがて彼は知ることになるのだろうか…

エックスよ、新たなる戦いに向け
その小さな存在の中に秘められた大いなる力を
今はゆっくりと休めるがいい

この平穏の時が 仮初のものに終わらぬことを祈りながら…。

12ロックマンX3 ED:2008/03/07(金) 21:37:55
度重なるシグマの計画を悉く打ち破ってきたエックス
しかし、戦いの後に彼の心に残るのは虚しさだけだった。

何故人類とレプリロイド達が…
何故レプリロイド同士が戦わなければならないのか…

シグマに操られていたドップラーの研究所を見つめるエックス。

その、赤々と燃える炎を見つめながら
行き場のない悲しみと怒りによって
エックスの冷たい体は震えていた…


そして何時か思い出されるであろう自分の記憶が、
ゼロとの戦いを運命付けていることも
今は知らずに…。


そして彼らはこの先、何を見るのだろうか…。

13ロックマンX4 ゼロED:2008/03/07(金) 22:02:57
戦いは終わった。

しかし、蘇りつつあるゼロの記憶が
ゼロの心に迷いを生じさせる。

…イレギュラーを許せないハンターとしての自分。

…「アイツ」を倒す定めを負った、本当の自分。

全く異なる二つの運命。

そしてゼロの決断は、ついに二人のハンターを悲劇へと導く。

そう遠くない未来で…

14ロックマンX5 ゼロED:2008/03/07(金) 22:35:11
エックス「…ゼロ!?
     ゼロ、ゼローーーーーーー!
     ゼロッ!ゼロッ!まだ死んじゃダメだ!
     聞こえるかい、ゼロ…ゼローッ!」


シグマ「シ…シネェー………」(以前貼った骸骨みたいな形態です)

エックス「ん…!?
     し…しまっ…(光線が放たれる)
     ぐ…グハッ…!!」
ゼロ「…しぶとい…ヤツだぜ…!
   死ね…シグマ…!」(シグマを撃つ)

ゼロ「エックス…聞こえるか?
   …最後まで…あ、甘さが…出たな…。
   お…おま…は…生き…ろ…い、生き…」

(意識が途切れ、シグマと戦っている光景が映し出される)

ゼロ「…ハッ!?死ね、シグマ!
   …ん?おかしい…シグマウイルスを倒したはずなのに…
   なんでまた…シグマと戦っているんだ…?
   く、苦しい…
   そうか…エネルギーが切れかけて…
   記憶メモリーが暴走しているのか…。
   いよいよ…俺も最期。死ぬのか…
   (続いて、老人の博士の後ろ姿が映し出される)
   …誰だコイツ…。最後までわからない…。
   夢でよくうなされた…。
   (開発途中のゼロが映し出される)
   今度は…俺か…。
   そうか、夢の謎がわかった…。
   …何?お前は何を作っている…
   …ロボット破壊プロ… コレは…。
   そういうことだったのか…。
   (真っ赤に染まった、アイリスの顔が映し出される)
   …アイリス…。すまないことをした…。
   悪いなエックス。俺が消えないと…ダメみたいだ…
   コレで全てが終わる… じゃあな…エックス」

15おまけ ロックマンX5 覚醒ED:2008/03/07(金) 23:08:09
エックス「………」(上半身のパーツのみが転がっている)

???「…まだじゃ。もう休ませてあげたいのだが…。
    後少しだけ…頑張っておくれ、エックス」
    昔の「嫌なメモリー」は忘れてしまって…」

あれから一週間後。


ハンターA「エックス隊長。
      あの時のこと、本当に何も思い出せないんですか?」
エックス「…ああ。またそのことかい?
     うん。覚えてないね…」
ハンターB「…だって、ゼロ隊長とエックス隊長って言ったら
      誰もが認める特Aハンターで、
      二人で一緒にどれだけ事件を解決したか…。」
エックス「シグマのことは覚えているさ、忘れやしない!
     ただ、その「ゼロ」ってヤツのデータだけ残ってないんだ。
     誰だか解らないが、俺を修理してくれたとき、
     間違ってデータを消してしまったんだろ?」
ハンターB「そんな…
      そんなことで、ゼロ隊長のメモリーを…」
ハンターA「オイ、もうやめろって!
      エックス隊長が戻ってきただけでも
      奇跡なんだから…」

シグナス「正に奇跡だな
     戻ってきただけでなく傷一つなく帰ってきた。」
ダグラス「エックスとゼロの体はブラックボックスばかりで
     なかなか修理できないのに…。」
エイリア「奇跡じゃないわ。きっと…」
シグナス「相変わらず夢がないな、エイリア」
エイリア「夢…?興味ないわ
     レプリロイドがどうやって?」
ダグラス「しかし…何故ゼロのデータだけ削除されたんだ?
     エックスのヤツ。」
シグナス「解らん。自然に消えてしまったか…
     意図的に消されたか。」
エイリア「プロテクトがかかっていて、
     ゼロに関わるデータすら受け付けないわ…
     そんなプロテクト、私は見たことない。
     更にエックスの謎が増えて、しこりが残ったわ…」
ハンターA「エックス隊長、
      復興に時間がかかりますが
      今回の戦いで平和が訪れる…そんな気がします」
エックス「そうだな。そのためにもますます頑張らないとな」
ハンターB「隊長はこれから…どうしますか?仕事以外で」
エックス「え?そうだな…そんなこと考えたことなかったな…。
     うーん…。
     そうだ、「ヘヴン」を作ろうかな?」
ハンターAB「ヘヴン!?」
エックス「そう、「ヘヴン」と呼ばれるような…。
     人もレプリロイドも幸せに暮らせる楽園…。
     そんなヘヴンを目指してみたい。
     そう遠くない未来でいつか必ず…。」
ハンターB「ゼロ隊長がいれば…」
エックス「ん?またゼロかい?」
ハンターB「いえ、なんでもないですよ」
エックス「よし、ヘヴンだ…。いつか、必ず…。」

16ロックマンX6 エックスのみED:2008/03/07(金) 23:30:08
ゲイト研究所跡。
倒れているゲイトを発見したエックスとエイリア。

エックス「エイリア。助かるかどうか…解らないけど」
エイリア「エックス…。あなた、何故ゲイトを?」
エックス「同僚だろ?
     昔の話かもしれないけれど…。
     それにもう、これ以上レプリロイドを失いたくない…」
エイリア「そうよね… ゲイトはもう ダメかもしれないけど
     貴方のその気持ちは伝わると思うわ…。
     私からお礼を言うわ、
     有難う、エックス…」

(唐突にゼロが横から出てくる)

ゼロ「どうやら全て解決したようだな。
   強くなったな、エックス。
   もう一人で十分かもな…」

(ゼロ引っ込む)

エイリア「…そういえばエックス、貴方見たんでしょ?ゼロの夢。
     それもナイトメアの仕業だったのかしら…」
エックス「解らない。でも俺は信じてるんだ
     ゼロはきっとどこかで…。
     イレギュラーハンターだから、シグマになんか負けられない。
     だから生きてるさ!」
エイリア「エックス…。
     そうね、その通りよ」

(またゼロが割って入る)

ゼロ「フッ、そうだな シグマなんかに負けてたまるか
   暫く平和な日々が続くだろう。
   俺は今やるべきことを片付けるとするか…
   暫くイレギュラーハンターの仕事は任せたぞ、エックス
   これが片付いたらすぐ戻る。じゃあな…エックス」

(ゼロ引っ込む)

エックス「ゼロ!?」
エイリア「わ、私も今ゼロの気配を感じたわ…」
エックス「近くで呼ばれたような気がして…。
     サーチしてみたけど何の反応もないね…」
エイリア「確かに、何の反応もないわ
     大丈夫?少し休んだら…?」

エックス「ごめん、何ともないよ
     またシグマが復活したんだから油断はできないよ
     さぁ、みんなで力を合わせて地球を元の姿に戻そう…。」
エイリア「そうね…。今度こそみんなで
     本当の理想国家を目指しましょう…?」

17ロックマンX7 エックスEDアクセルEDうろ覚え:2008/03/08(土) 00:22:28
アクセル「それじゃエックス、
     ボクイレギュラーを退治してくるよ!
     絶対にエックスに認められるハンターになるからねー!」
エックス「ダメだ!お前のやり方は認められん!」
アクセル「そんなこと言わないでよ!
     見ててよ、僕の戦いぶり!じゃーねー!」
エックス「…。」
エイリア「エックス、今はあの子の好きなようにやらせてあげましょうよ?」
エックス「ダメだ。」
エイリア「エックス。
     あの子にはあの子なりのやり方があるのよ
     私たちはそれを見守っていかなきゃ」
エックス「ダメだ。
     俺のような思いを味わうハンターがこれからまた出るとなると…
     そんなのは俺は認められない!」
エイリア「エックス…。」

シグナス「…彼は次々に事件を解決していっているな
     少々問題があるが、彼がいなければ解決しなかったものばかりだ
     どうだエックス。それでもアクセルを認めることはできないか」
エックス「ダメだ!戦わずに平和を守る方法を探すべきだ!」
シグナス「…エックス。世界は復興し、これからますます
     お前の言うような方法で解決できる事件は減っていくだろう。
     そして何より…力でなければ解決できないものが沢山ある。
     それはお前も良く知っているはずだ。」
エックス「……でも…。」
シグナス「何より。イレギュラーはなくならない…違うか」

18ロックマンX8 ED:2008/03/08(土) 01:00:00
エックス「ルミネは…「覚醒」と言った。
     これは「進化だ」とも。
     もし…その言葉が本当だとするなら…
     俺達のしていることは…
     何なんだろう。」

ゼロ「…ルミネの言ったことが本当ならば、
   もうシグマは現れまい。
   …いい、潮時かも知れんな」



エックス「…」(目を閉じている)
ゼロ「…大方、ルミネの言ったことでも考えていたのだろう」
エックス「…」
ゼロ「皆がシグマのようになるのが…
   進化などであってたまるか。」
エックス「…。」(頷く)
ゼロ「それにな…エックス。」(背を向ける)


ゼロ「もし…
   本当に進化の時とやらが来て。
   俺達が滅ぶのが運命だったとしても…。」
エックス「…!」(目を大きく開く)
ゼロ「俺達は戦わなきゃいけねぇんだ。
   その…、進化ってヤツと…。」

アクセル「うっ…うぅ……」(額のクリスタルの中心が光輝く)




ルミネのイレギュラー化を受け、
事態を重く見た政府は
新世代型レプリロイドの初期ロットを破棄。

しかし、宇宙開発の更なる隆盛から
高性能なレプリロイドの開発の声は
尽きることなく…

数週間後、政府は
厳重にプロテクトを施した上で
新世代型コピーチップの生産を再開した。



 人間とロボット。
 相容れぬ二つの生命体が共存する平和な世界
 それは私が願って止まない、理想郷である
                     トーマス・ライト

19ロックマンゼクスOP 前半:2008/03/08(土) 12:51:35
どこまでも澄んだ青空に、威勢のいい声が響く。

「はいはいっ!
 依頼とあればどんなものでもどこにでも!
 こちら、運び屋ジルウェ・エクスプレスで御座います!」

運び屋ジルウェ・エクスプレスの社長にして現役の運び屋でもある
青年・ジルウェの声だ。

彼は今、ある人物の依頼で2つの荷物を運んでいる最中で、
これはその依頼主からの確認の電話だった。

「あなたは…
 今は、依頼主とお呼びした方がよろしいでしょうか。
 はい、指定されたポイントには直ちに向かいますので。」

依頼主は若い女性。
遺跡の調査隊から受け取った荷物を
彼らへと渡す地点へ向かうべく、
彼らは休憩地点からまた、バイクを走らせようとしていた。

「おーい、そろそろ行くぞ、エール」

彼の部下であり、彼に小さい頃に拾われた少女、エールは
崖の上から巨大な建物をじっと眺めていた。

セルパン・カンパニー。この国で最大の建造物を持つ、
この国を警備する大会社である。

「それでも10年前のあの時…
 カンパニーの警備隊は母さんを救えなかった。
 イレギュラー達にあっという間に囲まれて…。
 イレギュラー達は…アタシから何もかも奪っていったんだ」

ジルウェが彼女を発見したときである。
だがすでに時遅く、彼女以外はイレギュラーに皆殺しにされた後だった。

「ま、暗いことを話していてもどうしようもない
 黙ってればソコソコ行けるルックスのお前なのに
 客から人気のお前がそんな顔をしててどうするんだ」
「なっ…ソコソコって何よ!」

ムキになるエール。

「依頼主はすでに合流ポイントへ向かったそうだ。
 俺達もさっさと行くぞ?」

いつものエールに戻ったことに安心したジルウェは
再びバイクを走らせようと近づく。

「ねぇ。依頼主のガーディアンって…
 一体何者なの?
 運んでいる荷物も聞かされていないし」

ガーディアン。それはイレギュラーと戦うために集まった組織で、
世界各地に足を運びイレギュラー出没の原因を調べているそうだ。

説明を終えた途端、ジルウェのバイクに突然弾丸が撃ち込まれた。
イレギュラーだった。目的は彼らの荷物。

彼らにはどうすることもできない。
煙をあげるバイク。
ジルウェのバイクより先に、エールのバイクが耐えられなくなり
爆発を起こす。

「きゃあああああああ!」

そして近くにいたエールも吹き飛び、崖の下に落とされることとなった。

20ロックマンゼクスOP 後半:2008/03/08(土) 15:27:34
崖の下で目を覚ましたエール。
ジルウェからの通信によると、荷物がその辺りに落ちているという。

「…あれかな…」

ふと見ると、青く、輝く謎の装置が宙に浮かんでいた。
荷物を回収したらガーディアンとの合流地点に行くように言われた彼女は
荷物に近づく。
すると…

「誰だ!こんな所で何をしている!」

顔まで武装で覆っている男達に声をかけられた。
彼らは銃さえ構えている。

「みんな、銃を降ろして
 もしかして運び屋の方ですか…?」
「そうだけど…もしかしてあなた達がガーディアンなの?」

ガーディアンの中にいたのは一人の少女だった。
爆発音を聞いて遠くから様子を見に来たらしい。


と、突然辺りに轟音が鳴り響いた。
現れたのは、蛇の形をした巨大なイレギュラー「ギガ・アスピス」。
戸惑うガーディアンたち。
どうやら彼女の荷物を追ってやってきた、イレギュラー達のボスらしい。
銃を向け、一斉に発砲する彼ら。
だがそのボディには傷一つつきはしなかった。

ガーディアン隊員は「プレリーさん」と呼ばれたガーディアンの少女に
荷物…ライブメタルを持って逃げるように言うが、
ギガアスピスの攻撃でガーディアン達はすぐに一撃の下に倒されてしまった。

「アイツの狙いはあの荷物よ!
 あんな物を持って逃げたら追ってくるに決まってる!」

エールはプレリーに言う。
だがプレリーは聞かない。ライブメタルだけは離すわけにはいかないらしい。

「だって…あれは…
 あれはお姉ちゃんが私達に残した大切な物だから!」

ギガアスピスが攻撃を終え、エールとプレリーに這って忍び寄ってくる。
でも最早どうすることもできない。
どうすれば…

すると宙を浮いて、ライブメタルがエールの前へ移動し、
なんと彼女に語りかけてきた。

「大丈夫。
 僕が力を貸してあげる…」

そう、ライブメタルはその名の通り、生きた金属だったのだ。

するとライブメタルはエールに力を貸した。
ライブメタルは光となってエールを包み、
そしてエールは…変身した。

青いバスター、エックスバスターを持つ
ロックマン・モデルXに。

腕から放たれた光の弾丸はギガアスピスの頭を撃ち、
ギガアスピスは尻尾を巻いて逃げていった。

「このままじゃあの女の子を戦いに巻き込んでしまう。
 ここを離れるんだ
 君と僕が力を合わせれば…奴らと戦える!」

モデルXと名乗るそのライブメタルに言われ
そしてエールはギガ・アスピスを追うことした。

「あなたが…ライブメタルに選ばれたっていうの…?」

21ロックマンゼクス 4ミッション目まで:2008/03/08(土) 15:59:42
ギガアスピスを撃破し、ジルウェの捜索を始めたエール。

だが彼女の前に巨大な戦闘機が現れた。
モデルXの能力では戦いにくい相手だったが、瀕死に追いつめることができた。

あと一発でとどめ…
その時、長い金髪の男が謎の剣でそれを一刀両断した。

バイザーをつけた見覚えのある剣士。
恐らくはエールと同じくライブメタルによる変身。
まさか…

そのまさかだった。
変身を解除して現れたその姿は、なんとジルウェだった。

「…画しててすまなかったな。
 俺も実は…ガーディアンのメンバーなんだ」
「こいつが…モデルXに選ばれた人間か」

続いて現れたのはジルウェを変身させたライブメタル。
モデルZというらしい。

「実はお前がライブメタルの適性があることは知っていたんだ…
 それも隠しててすまなかった。
 とにかくこうしているのも何だ、
 まずはガーディアンベースを見に来てくれよ。
 ベースで待ってる」

そしてジルウェはモデルZと共に姿を消した。

その後エールは市街地で行われたガーディアンのテストに合格し、
ガーディアンの基地、ガーディアンベースへの転送許可をもらった。
そして辿り着いたガーディアンベース。青空の良く見えるその場所はなんと…

「凄い!まさかガーディアンベースが空を飛んでる飛空艇だなんて!」

そこにはプレリーもいた。
以前から偉そうにしていた彼女だが一体何者なのか、
ジルウェに尋ねてみた。
すると…

「私がガーディアンのリーダー・プレリーよ。よろしくね」

そう、彼女こそガーディアンのリーダー。つまり…

「今回の俺達の依頼主様、だ…。だから呼び捨てはやめろって」

ジルウェからも。にわかには信じられないことだったが、
ジルウェが言うならその通りなのだろう。
とりあえずはガーディアンベースを見て回ることにした。

色んな仲間たちのいるガーディアンベース。
人形用の席が設けられた司令室へ向かうと、プレリーが改めて挨拶をした。

プレリーが言うには、
ライブメタルは、失踪していた、研究者でもあった
「おねえちゃん」こと先代のガーディアン司令官の
研究所跡で見つかったものらしい。
先代司令官の行方を探す手がかりとするためにも、
ライブメタルは必要だったのだ。

そしてイレギュラーに関する情報。
ジルウェ捜索の過程で見つけた、
イレギュラー達のコンピュータ・チップから得られた情報によると
イレギュラー達は何者かが操っているらしい。
それこそが真の敵。一体何者だというのか…。

そうしていると、突然危険を知らせる警報が鳴り響く。
この国の中心となる都市部、エリアDが襲撃されているとのことだ。
そこは同時にセルパンカンパニー本社ビルのある区域。
警備隊は一体何をしているのだろう。だが今はそんなことを言っている場合ではない。
早く行かなければ。エールはジルウェの静止を聞かず、一人飛び出していった。

22ロックマンゼクス ジルウェ戦まで:2008/03/08(土) 16:53:54
エリアD・高速道路。
走っているエールに、すぐに追いついて声をかけたのは
モデルZに変身したジルウェだった。

「お前を今まで育ててきたのはな、
 決してお前がライブメタルの適合者だからじゃない。
 それを忘れるなよ?
 それじゃ俺は先に行ってるからついて来い、エール!」

その言葉に勇気づけられたエールは、ジルウェの後をついていく。

ハイウェイでのイレギュラーとの戦い。
2度ほどヘリとの戦いや、崩れ落ちる床などに苦戦しつつも
エールは遥か先にいるジルウェを目指し進んでいった。


そしてジルウェを見つけた。…力なく倒れたジルウェを。
その周りには敵と思われる緑のスーツを着た大柄の男と
二人の少年少女。

「来たかモデルXのロックマン。
 その力、試させてもらおうか」

そう言って大柄の男はジルウェを復活させた。
暴走させた上で。

「ジルウェ!一体どうしたの!」
「エール…オレヲ…ウテ……!」

暴走させられたモデルZ…ジルウェとの戦いになる。
戦わざるをえなかった。

剣技と銃技の激突。激しい攻防。決着はつかない。
だが、突然ジルウェの上に雷が落ち、ジルウェはまた倒れる。

「モデルX、青のロックマン
 モデルZ、赤のロックマン。その程度とは残念だ」
「誰!?」

先ほどの大柄の男がジルウェの後ろにいた。

「私の名はセルパン。
 全てを支配するモデルVのロックマンだ!」
「お前が…セルパンカンパニーの社長!?」
「そうだ、よく覚えておきたまえ」

なんとセルパンカンパニーの社長こそが黒幕だったのだ。
腕が震えるエール。

「それは怒り…?それとも恐れ…?」
セルパンの傍らにいる少女が口を開く。
「…プロメテ。」
セルパンに言われ、今度は少年が口を開く。
「青のロックマン。お前のそれは勇気じゃない…
 ただの無謀だ」
「うるさい!」
バスターを放つエール。だがプロメテという少年の鎌によって跳ね返され
負傷してしまう。

「君たちのような、ライブメタルのROCKシステムで変身できる者を
 我々はロックマンと呼んでいる。
 ライブメタルに選ばれた我らロックマンこそ新たな世界の王となる者。
 だがその程度の力ならば王になる資格はない。」
今度はエールに雷が落とされ、そして倒れた。
「パンドラ。パスコードのデータだけは吸い出しておけ」

パンドラという少女から放たれたビットに
エールとジルウェのライブメタルから何かが吸い出される。

「イレギュラーに彼らを始末させたらあとはいつもと同じだ。
 人々を襲うイレギュラー、それを追ってくる警備隊。
 いつもの風景にしか見えんさ。
 この国にはもう少し…平和な日常を演じてもらおう」

これが平和な国の実態。全てはセルパンの掌の中だったのだ。

「いずれは我がライブメタル…モデルVの生贄になってもらうがね
 プロジェクト・ヘヴンを次の段階へ移す。」
そう言ってセルパンとパンドラは姿を消した。

「早速二人脱落か。
 あの男の仕組んだゲームも大したことはなさそうだ」
そう残しプロメテが最後に消えていった。

23ロックマンゼクス モデルZX誕生:2008/03/08(土) 16:55:05
エールには力が残っていない。もう死ぬしかないのか…?

「諦めるな…お前にはまだ…守るべきものがある…。
聞こえるかモデルZ… オレのことはもういい…
頼む。エールに…力を貸してやってくれ…」

「…いいんだな」

「エール……死ぬなよ…」

そしてジルウェは…死んだ。

「エール…これは最後の賭けだ。」
モデルXが言う。
「二つのライブメタルの力を君に与えれば君は復活できるかもしれない。
 だけど…君の体が僕達の力に耐えられるかどうか…。」

イレギュラー達が群がってくる。銃口を向ける。

「戦う勇気はあるか
 この男の意思を継ぎ、戦い続ける覚悟はあるか…!」
答えは一つだった。

「アタシに…もっと力を…!
 全てを守る力を…!
 アタシが…全てを守るんだ!」

そして二つのライブメタルが力を合わせ、エールに力を与え…

ここに、モデルZXが誕生した。

「エール。君に僕達の力を…」
「俺達の力を託そう。あの男の、魂と共に!」

24ロックマンゼロ3 後半:2008/03/08(土) 18:14:28
明らかになった妖精戦争の事実。
ダークエルフのコピー、ベビーエルフを大量に作り、
イレギュラーを操り殺し合わせ4年で終結させたこと。
そしてレプリロイドの90パーセント、人間の60パーセントが死に至ったこと。
最強最悪の破壊神、オメガ。
彼らを作り出した…ドクターバイル。

そしてダークエルフの真の名前。マザーエルフ。

ベビーエルフの製造工場、
そしてネオアルカディアの地下へ続く巨大エレベーター。

バイルが何かを地下で行おうとしている。
八審官を倒したゼロ達は、とうとう最後の戦いへと向かおうとしていた。

そして、医務室から飛び立ったハルピュイアもまた。

そんな時に突然オペレーターが老人じみた口調で話し始めた。

「よく調べたなドクターシエル…。
 だが少し遅かったのではないかね?」

そう、バイルだ。
最早バイルの魔の手は、レジスタンスベースにまで
及んでいたのだ。
しかし、それはベビーエルフの力などではなかった。

「今度のオメガは正に完璧だ…
 もうベビーエルフなど使わなくとも…
 この世界…全てのレプリロイドを思うがままに操れるようになったのだ!
 クーックックック…さぁ始めるとするかオメガよ。
 今こそ思い知れ…
 ワシを追放した人間どもよ!
 恐怖しろ…
 ワシを追放したレプリロイドどもよ!
 刻み込むのだ、この世界に!支配者たるワシの名を!
 我が名はドクター・バイル…世界は我が手の中にある…
 この手を握り締めるだけで…全てを終わらすことができるのだ!」

そして、ゼロ達のいる司令室にレジスタンスの団員が銃を持って集まってくる。

「新たなる世界…
 新たなる秩序…
 閉じられた歴史が再び動き始める…
 世界に刻め…我が支配者の名は…
 バイル!バイル!バイル!バイル!バイル!バイル!バイル!バイル!バイル!」

ゼロの力ならすぐにでも斬り伏せることは可能だ。
だが、彼らは操られているだけのただのレジスタンス。
それにシエルのことまで守れるとは限らない。
絶体絶命…
と思われたその時。

「二人とも、動かないで!」

辺りに強力な光が発せられ、レジスタンス達はその場に倒れる。

「大丈夫…気を失っているだけだよ。
 ダークエルフの力を取り除いたんだ。
 今の僕の力じゃ…このベースの中のみんなを守るので精一杯だけど…」

そう、現れたのはエックスだった。

「遅いぞエックス。バイルは何処だ」

「ネオアルカディアの地下動力部…。
 アンダー・アルカディアだよ
 バイルはそこから、世界中にダークエルフの力を送っているんだ」
「どうやら…まともに動けるのは俺のエックスだけみたいだな
 エックス。アンダー・アルカディアの座標を教えろ」
決戦へ向かおうとするゼロ。
エックスは間を置いた後聞く。
「オメガと…戦うんだね」

「ああ。それが…なんだ」
「いや…君なら大丈夫だ。気をつけて…ゼロ」

意識を取り戻したオペレーターはバイルの居場所…
アンダー・アルカディアの座標を入力する。そして…

「転送!」

世界と、たった一人の戦いが始まった。

25まとめ:2008/03/08(土) 18:53:23
アンダーアルカディアにはオメガの姿はなかった。
すでにある場所にオメガは転送されていて、
ゼロは残されたベビーエルフ二匹、アルエットの名づけた
クリエとプリエと戦うことになった。二匹を倒した後、ベースへ戻ったゼロは
エックスからオメガのいる地の座標を聞く。

「この場所は…確か…。」

シエルが言うには、バイルのいる場所…バイルの研究所はある場所に近いらしい。

今度こそ最終決戦。ゼロはバイルの研究所へと乗り込んだ。

「ゼロぉおおおおおおおおおおおお!」

シエルの叫び声。嫌な予感がしてならないようだった。


まず待ち構えていたのは八審官。
彼らでは時間稼ぎにしかならない。彼らを倒しながら
ゼロはどんどん奥へと進んでいく。そして最奥部へ差し掛かった。

「どうだゼロ…。英雄ごっこは楽しいかね?んん…?」

巨大な脳から声がする。これはどうやらコンピュータのようだ。

「お前の下らん遊びには付き合いきれん。
 そろそろ終わりにさせてもらうぞ…!」
「下らんか…。そうだとも。レプリロイドには理解できまい。
 全てを支配するこの喜びは…人間にしかわからぬよ」

どう見ても機械じみたアーマーをつけたバイルの言葉に
ゼロは聞き返した。

「人間…だと?」
「そうとも!ワシはれっきとした人間だ。
 貴様らレプリロイドを生み出した創造主…人間様なのだよ!」
「……。」
「支配欲、とでも言おうか…。全てのものを意のままに動かす快感…
 これだけは人間様の頭脳がなければ味わうことができん…
 究極の快楽だよ…貴様らレプリロイドには理解できまい!」
「まともな人間にも理解できるとは思えんな…
 俺にはお前がただのイレギュラーにしか見えん。
 イレギュラーならば狩るまで…だ」

イレギュラーハンターとしての過去がある。
彼がその言葉を発するとバイルは待っていたとばかりに応える。

「クーックックック!
 いいぞ!!いい台詞だゼロ!さぞ気持ち良かろう!?」

そして巨大な光の柱とともに巨大なエネルギーをまとう
巨体を持つ金色の騎士…オメガが姿を現す。

「お前は楽しいヤツだったよ
 いつまでも遊んでいたいが…そろそろ消えてもらうとするか
 まだ楽しみも用意してある…最後まで楽しんでくれよ、ゼロ!」

圧倒的な闘気を発するオメガ。鞘が砕け散り、大剣が姿を現す。
戦闘開始の合図だ。

腕から発せられる巨大なビーム。目からの光の弾丸。
そしてそれに加えての大剣を用いての技。
それらを避けつつ斬りつつ、オメガの弱点、頭部に剣撃を見舞う。
激しさを極める戦闘。だがその戦闘は、
オメガの腕が力を失い千切れたことにより終わる。

「グォオオオオオオオオオ!ゼェェエエエロオオオオオオオオオ!」
「なかなかやるのう…ゼロ。だがオメガの本当の力はそんなものではないぞ
 さぁゆけい、オメガ!ダークエルフの力を解放しろ!!」

辺りが閃光に包まれる。何も見えない。そして光が収まったときには辺り一面が
巨大なエネルギーの対流に包まれていた。

破壊神が真の力を発揮したようだ。
現れたのは両肩に赤と青の顔と合わせ3つの顔を持ち
剣と砲身を構えた巨神。先ほどまでのオメガのゆうに10倍はあろうかというサイズだ。

粉々に砕け、エネルギーの流れに流木…いや、木屑のように浮く床を足場に
巨神と戦うゼロ。最早レプリロイド…いや、ロボットの域すら遥かに超える存在だ。
巨大な砲身から放たれる光柱といっていいレーザー、エネルギー球。
それらのスケールのあまりに違う攻撃をかいくぐり、ダークエルフを模した真ん中の頭部へ
ひたすら攻撃を与え続けるゼロ。何度も何度も。そしてとうとう…
巨神の腕が落ち、そして爆発を起こし…砕け、四散した。
遥か下方、奈落へと落ちていくような巨神の体。
そして轟音と光で再び何も見えなくなる。
ゼロの体も、床も何もかもが力を失い、落下していく…。

そして…辿り着いた場所は…。

26ロックマンゼロ3 オメガ最終形態:2008/03/08(土) 19:38:26
辿り着いた場所は…
ゼロが封印されていたあの研究所だった。
あの研究所こそが、バイルの研究所だったのだ。
自分が眠っていたときのこと。シエルに起こされたときのこと。
手元にあるバスターショットを手に取ったときのこと。
あの時の記憶が思い出される。

辺りは炎の海。転がるのは巨神オメガの残骸。
これで戦いは終わった…。今度こそ。



しかしそこにバイルの声がこだまする。

「クヒャーーーーーッハッハッハ!
 素晴らしいぞ、ゼロ!
 とても偽者とは思えんパワーだ!!」

バイルは狂ったことを言い出した。
ゼロをそんなに認めたくないのか…
そう思われたときだった。

何かの反応がする。それも巨大な。

…オメガの破片の中から、一本の、真っ直ぐな光柱が立ち上がる。
嫌な予感が全身を駆け巡る。

…この光景はどこかで見たことがある。
どこかで…

ここで…見たことがある……。

…まさか…。そんなはずは………。
嫌な予感が、絶望に変わる。

炎の海の中。オメガの残骸を宙へと吹き飛ばし、
現れた破壊神の本当の姿。
強大すぎる力の塊…

ワインのように濃い、血の赤と、漆黒な闇のような黒の色をしたボディ。
その姿は…紛れもなく、ゼロだった。

「お前が伝説のレプリロイド?
 おめでたいヤツよの…」

『俺が…その、ゼロなのか?』
『私たちにとっては、あなたはもうゼロなのよ』

『コイツはオメガ…存在自体が滅茶苦茶なヤツ…』

「ここで見つけたレプリロイドを
 レジスタンスの馬鹿どもが勝手にゼロと呼んだだけだ…」

ならば…ゼロと呼ばれていたものは一体…?

「お前も…確かにゼロではあるが単なるコピーだ!
 伝説の英雄でもなんでもない!
 ただのコピー…なのだよ!!!」

最強の戦士、ゼロを超える存在もまた…
100年経っても尚、血を求め続ける究極の戦士、ゼロだったのだ。
いや、オメガ…彼こそがゼロだったのだ。
イレギュラーならば斬るまでだ、という言葉に対しバイルが笑っていたのは
その意味だったのだ。
エックスがオメガとの戦いに不安を抱いていたのは
その意味だったのだ。

「クックック…
 自分がコピーとも知らず英雄を気取りおって…
 本当に笑わせるじゃないか
 オメガこそ正真正銘…本物のオリジナル・ゼロだ!
 お前はそのコピーに過ぎん!」
「オリジナルゼロが…何故…
 お前の言いなりになっている…」
「フン!ヤツは血に飢えた破壊神…
 ワシはその力を極限まで引き出せるよう改造してやっただけだ!」

そう。先ほどまでのボディはネオアルカディアへのカモフラージュに加え
オメガの圧倒的過ぎるパワーを押さえ込むための
バイルが用意した強力な拘束具だったのだ。

「さぁ…オメガ、
 いや、オリジナル・ゼロよ!!
 哀れなコピーが100年間見続けてきた夢を…
 そろそろ覚ましてやれ!!」

これこそが真のゼロ。ワイリーが求めた究極の破壊者。
武器も技もない当時さえあのシグマを圧倒した最強の戦士。
歴戦の記憶を体に刻み、技も武器も研ぎ澄まされ、
ダークエルフの強大な力を得て更なる強大な力を得た究極の敵が…
彼に襲い掛かる。

「我はメシアなり!! ハァーーーッハッハッハッハッハッハ!!!」

27まとめ:2008/03/08(土) 20:55:05
壮絶な戦いが始まった。
剣の威力、ボディの硬度、技の威力、体の素早さ…。
技にしても力にしてもゼロを遥かに超えていた。
拳を地面に突けば光の柱が立ち上がり、エネルギーが飛び散る。
バスターショットはゼロのものとは比にならないエネルギー、
そしてその後に剣撃を飛ばしてくる。
回転斬りでは衝撃が辺りを切り刻み、走りから斬り上げまでの動作には一切の無駄を生じない。
そして脅威の目にも止まらぬ7連斬。

同じ技でも全く次元が違う。
圧倒的な不利。こんなことはなかった…
かつてない最強の敵との戦いだった。
だが、そんな中ゼロを支えたのは、戦いに身を置くものとして、
仲間を持つものとしての最後の最後まで持ち続ける心…
「生きてやる」
その一心だった。
そして斬っても斬っても倒れぬオメガを相手に
ひたすらに、ひたすらに剣を浴びせ続けた。

そしてとうとう…オメガの体が爆発を起こした。

だが爆発が小さい。
オメガの動きを一時的に止めたにすぎなかった。
そんなオメガの体から浮遊し遊離する紫色の光…
ダークエルフだった。その光はオメガを照らし…
オメガの傷が塞がっていく。

「くっ…オメガを復活させる気か!」
ゼロは急いでオメガに剣を見舞おうとする。
しかし闇の波動がオメガから発せられ、ゼロは吹き飛ばされ、
膝をつく。
「大人しくしていろ…世界中の命はワシの手の中にあることを忘れるな!」
手出しができない。どうすれば…どうすれば…

そんな時、突然緑色の影が飛来し、突如としてオメガに連撃を繰り出し…
闇の波動で吹き飛ばされる。
「何をしている、ゼロ!早く立て!」

続いて赤色のレプリロイドが現れ、巨大な火炎弾をオメガに命中させる。
「オラオラァ!借りを返しに来たぜ、オメガぁああ!」

そして青い少女が現れ、オメガを槍で思い切り攻撃する。
「やられっぱなしって、性に合わないのよね!」

「お前達…」
駆けつけた三天王、ハルピュイア、ファーブニル、レヴィアタン。
彼らもまた、人間を苦しめるバイルも、
そして、ゼロが死ぬことも許しはしなかったのだ。

「バイルの言うことはただのハッタリだ…
 今の状態ではオメガは動けん!」

「くっ、ダークエルフよ、奴らを黙らせろ!」
バイルが吼える。だがダークエルフの動きが不安定になり
オメガへのエネルギーの供給をやめた。
「ゼ…ロ…。」
「どうした、ダークエルフ!」
オメガもまたそれを不審に思った。その時。

「ダークエルフの呪いが解けかかっている…
 100年前と同じだね、バイル」
姿を現したのはエックスだった。

「貴様!エックスかぁぁぁあ!」
「そうだよバイル。
 僕らは100年前も、こうしてオメガを倒し、
 貴方の野望から世界を守ったんだ。」
そう。今回のオメガは完璧だった。
エックスと当時のゼロ、二人で不完全なオメガにようやく勝ったのに、
完全なオメガがゼロ一人に敗れるわけがなかった。
だが…

「ゼロ。確かにオメガは君の体を使っているし
 君の体は確かにコピーだけど…その心は紛れもなく本物だよ…。
 さぁ、100年間の因縁を終わらせるんだ、ゼロ!!」

そう。四天王にエックス。彼と共に戦い、または彼と直に戦い、
その強さと、その心を理解した彼らにはどちらがゼロか…解っていたのだ。

「いいのか!!貴様のオリジナルボディだぞ!!
 惜しくはないのか!?一生そんな安物のボディでいいのか!!」
「君ならできるさ。
 本当に大切なのは心だとわかっているはずだから」

思えば100年…生まれてからの200年。
彼はずっと、記憶を失う前からもう一人の自分と戦っていた。
そして今。それに終止符が打たれようとしている。
「さぁ…ゼロ!!」

そしてゼロは立ち上がり、真っ直ぐに走り…
その刃で、自分の闇を断ち切った。

28ロックマンゼロ3 ED後半:2008/03/08(土) 21:20:31
もう少しの力も残っていない。
ゼロは全ての力を使い果たし、倒れていた。

「ゼロ…ゼロ………」

そしていつかのように、エックスは彼に語りかける。
しかしそれはその時のように広大な砂漠と砂嵐の中ではなかった。

「聞こえるかい…ゼロ」

それは暖かな光の中だった。

「僕はもう…この世にいることも難しくなってきたよ
 だから…
 ゼロ。君に、この世界を任せたい。」

友が最大の敵…
自分の闇を乗り越えたのを見届けた。
彼は安心して、全てを任せて、永き眠りにつくことができそうだ。

「まだバイルの魔の手は途絶えてはいない…
 でも…ゼロ。
 …君なら…できる。
 君なら…。」

そして彼の姿はおぼろ気になっていく…。

「ゼロ… ゼロ…」


その声はいつしか、エックスのものではなくなっていた。

「ゼロ…ゼロ…!」

目を開けると、そこにいたのはシエル。
彼はレジスタンスベースに帰ってきたのだ。

「誰が俺を運んでくれたんだ…」

ふと見上げると、空の上に暖かな光があった。

「ダークエルフ…いや…マザーエルフ…か」

「ゼ…ロ……。」

そしてマザーエルフは消えて行った。

「…追わなくていいのか」

「ええ。やっと開放されたんですもの。
 今はそっとしてあげましょう」


「おーい!ゼロさんが目を覚ましたぞー!」

嬉しそうにレジスタンスベースの中へ大声をあげて報告しに行く仲間。
…そう。彼にはもう、仲間がいたのだ。

「オメガのこと…エックスから聞いたわ。
 でも…私信じていたから。
 ゼロはゼロだって…。」

その言葉を聞いて、ようやく安心できた気がした。
確信が持てた気がした。
例え自分が伝説の英雄、ゼロでなくとも。
破壊神と呼ばれた力を持つ者でなくとも。

彼は立ちあがり、ゆっくりとした足取りで歩いていく。

「シエル…有難う。」

「えっ…!?」

ゼロの口からは永遠に出ないと思われていた言葉。
ゼロの正体よりよほど驚いたことだったのかも知れない。
そしてゼロはつぶやく。

「俺は…俺でしかない。
 俺は……
 …ゼロだ。」

29ロックマンDASH:2008/03/09(日) 14:37:44
はるか未来、大陸のほとんどが海に沈んだ地球…。
かつて文明を忘却のかなたに追いやるかのように、
人々は残された大地で独自の文化を形成し、生活を営んでいた。
そんな人々とは対照的に、かつての文明の遺産を掘り起こし、
それを生活の糧とする者たちが現れた。
人々は彼らを「ディグアウター」と呼ぶ。

ある日、ディグアウターであった「バレル・キャスケット」は、
遺跡で一人の赤ん坊を拾う。
彼は赤ん坊を「ロック・ヴォルナット」と名づけ、
産まれたばかりの孫娘、「ロール」と共に、育てることにした。

それから14年の年月が経つ…
大きくなったロックとロールは、
行方不明となったロールの両親の遺志を継ぎ、
ディクアウターとして旅をしていた。
両親の唯一の手がかり、「大いなる遺産」を探し求めて…。

30ナムコクロスカプコン namco X CAPCOM:2008/03/10(月) 15:26:18
10年前、東京渋谷。ある「組織」同士の戦いがあった。
一方の組織は、「ゆらぎ」と呼ばれる空間の歪み―――
異世界とこの世界を繋ぐ門を開こうとした。
もう一方の組織は、世界を混沌へと導くその「計画」を阻止しようとした。

完全封鎖された渋谷での戦いは熾烈を極め、やがて終結した。
片方の組織、政府直属の特務機関「森羅」側が、「ゆらぎ」の出現を防いだことによって。

特務機関「森羅」。
悪霊、鬼、天狗……古来より人の世に害をなす異界の存在と戦い続けていた組織。
その存在を知る者は少なく、彼らの戦いもまた人知れぬ闇のなかで連綿と続けられてきた。

10年前の「事件」から世界中で確認され始めた、異界との接点―――
「ゆらぎ」と呼ばれたそれは、ゆっくりと世界を蝕みつつあった。

そして西暦20XX年、東京渋谷。
「ゆらぎ」の発生により完全封鎖され、「閉鎖都市指定」を受けた街。

そしてそれぞれの異界から―
ある者は「ソウルエッジ」を求めて、
そしてまたある者は人格のある剣を持ち「神の眼」を探しながら、
さらにある者はディグアウトの途中で…、
またまたさらにある者は女神イシターの命を受け…

物語は再び、この街から始まろうとしていた。

それはちょうど「森羅」と「アメリカ戦略統合軍」による渋谷の調査が行われる日だった。

31サガフロンティア・クーン編 指輪その1:護りの指輪:2008/03/12(水) 22:50:39
リージョン界。
混沌と呼ばれる空間の中に沢山の世界、リージョンが存在しています。
その中の一つに、人間には噂程度にしか囁かれていないリージョン…
動物のような愛らしいモンスター、ラモックス達が住む
マーグメルと呼ばれる、枯れ果てたリージョンがあります。


その日、大きな地震がおきました。
一匹の、緑色の子供ラモックスが大きな揺れに、
なんと高台から転げ落ちてしまいました。
しかしその子はすぐに起き上がり、高台からマーグメルを見渡しました。

「僕はクーン。
 ここ、マーグメルで暮らしてる。
 マーグメルは昔、美しい世界だったとばーちゃんがいつも言ってた。
 でも、僕は生まれてからずっとこのマーグメルしか見たことがない。
 マーグメルは死にかけてるんだ…。
 全てのものには終わりがある。ばーちゃんが死ぬ前にそう言ってた。
 だから悲しむことはない…と。
 僕は小さかったからばーちゃんが何を言ってるのかわからなかった。
 それでも、ばーちゃんが死んだとき、僕は涙が止まらなかった。」

そしてクーンは土でできた階段をゆっくりと降り、
仲間たちの所に降りてゆきました。

「マーグメルが死ぬとき…僕はやっぱり泣くのかな…。」

ここマーグメルには沢山のラモックスが楽しく暮らしています。
戦いが大好きな桃色の姉妹、いつものんびり屋の黄色いラモックス。
青い仲間から長老に呼ばれていたことを聞くと、
クーンは長老のいる部屋へと入っていきました。

長老はもうおじいちゃん。しわくちゃな顔ともさもさとした尻尾で
クーンを出迎えます。

「時は尽きようとしているのだ。
 お前も知っている通り。マーグメルはもう長くは持たん。
 いや…本来ならばすでに崩壊しておるところだ。」

それなら、マーグメルを長生きさせている秘訣とは何なのでしょうか。
長老はクーンに、近くに寄るように言いました。

「この指輪を見よ。強い…魔力のこもった指輪だ。
 今は亡き種族の遺産であろう。この指輪に念を込め、
 マーグメルを支えてきたが…もう限界だ。」

長老の指から外されたのはきれいな指輪。
クーンはそれを手に取ります。

「あれ、内側に何か彫ってある…
 集める…私の弟、作るあなたの願い…」

古代文字でした。モンスターならば読めるようですが、
今は廃れている上にのんびりと暮らしてきたクーンには読めませんでした。

「”わが兄弟を集め願いをかなえよ”」

さすがは長老。その文字が簡単に読めるようです。

「この指輪に兄弟があるのならば、
 その力を集めてマーグメルを支えることが出来るかもしれん。
 この指輪をお前に託す。 兄弟を集めよ。」

そう、クーンを呼んだのは、
指輪を集める旅をさせるためだったのです。

「幸い、あるリージョンの近くに来ておる。ここから旅を始めよ。」

そう言うと、長老の足元に大きな穴が開きました。
表面が揺らいでいるその穴は、外の世界へと繋がっているようです。

そして指輪を指に通した瞬間。
クーンの姿は、緑色の髪をした人間の男の子に変わってしまいました。
でも耳と尻尾はそのままです。

さぁ、旅立ちの時が来ました。
しかしクーンは聞かずにはいられません。

「長老、どうして僕を選んだんですか?」

「夢を見たのだ…。あの夢はマーグメルが見せた夢だ。
 さあ…行け!」

「は〜い!」

ラモックスの中でも人一倍元気な子、クーンが今、
広大な外の世界へと旅立っていきました。

「クーンで大丈夫だろうか…心配だ」

32サガフロンティア・クーン編 指輪その2:商人の指輪 前半:2008/03/12(水) 23:19:24
「うわ〜!ここなんだろう?にぎやかだなー」

降り立った場所は夕方の、賑わいのある町。
スクラップと呼ばれる、治安の悪い工業地帯でした。
何も解らないクーンが、音楽に釣られて目に入った酒場に足を踏み入れると
目についたのはメカが演奏するお洒落な音楽と、
派手な装飾でした。

「人型の犬が見える…流石に飲みすぎたか」
捻り鉢巻をした酔っ払いのおじさん、ゲンさんと、
その付き添いらしいロボットのT260G。

「おれはリュートっていうんだ。♪♪スクラップの酒場で変わった奴に会った〜♪♪」
変な服と歌を披露するお兄さん、リュート。

色んな人達が集まっていましたが、
クーンは、チャイナドレスの似合うお姉さんにも声をかけてみました。
「指輪?指輪がどうかしたの?」
「指輪を探してるんだ、こ〜んなの。」

クーンは指輪をメイレンに見せました。
「偶然ね、私も指輪を探しているの。あなた、どこから来たの?」

クーンは経緯を説明しました。
そのお姉さんはメイレンという名前らしく、
指輪を研究しているらしいのです。そしてこのリージョンにある指輪が
クーンの持っている指輪に会いたがって、ひきつけたらしいのです。

「そう… 大変ね。わたし協力するわ。
 マーグメルを守りましょう。
 指輪のある場所は大体知ってるのよ。」

いきなり心強い仲間が出来ました。
「わおぅ!凄いや!それじゃすぐに集まるね!」
「どうやって集めるつもり?」
「ちょっと貸して下さい、ってお願いするんだよ!」

子供であるクーンは、人を疑うことを知りません。

「…クーン、そんな親切な人ばかりじゃないのよ。
 それに、さっきみたいに簡単に指輪を見せてはダメよ。
 悪い奴もいるんだから」
「はーい!ねえメイレン、悪い奴ってどんな奴?」
「参ったわね。じゃあ悪い奴に会いにいきましょう?
 運悪く、今度の持ち主はひどい奴なのよ」

「悪い奴かぁ…楽しみだなー♪」

リュート、T260、そして酒場を出るときに勝手についてきたゲンさんも加え、
5人は悪い奴へと会いに行きました。

33サガフロンティア・クーン編 指輪その2:商人の指輪 後半:2008/03/12(水) 23:43:52
「カバレロさん、考えは改めていただけましたか?
 いくら払えば指輪を譲っていただけますか?」

メイレンの言う悪いやつ、悪徳商人のカバレロの事務所。
そこには柄の悪そうな人やモンスターやメカが沢山いました。

「改めるのはそっちの方だよ、セニョリータ。
 俺は金なんかいらないって言ってるんだ。
 ただ、あんたと一緒に楽しい一時を過ごしたいだけさ。
 良心的な申し出だと思うがね。」

メイレンをいやらしい目で見てきます。
彼は指輪の交換条件としてメイレンに何をするつもりなのでしょう。

「…解ったわ。」

しかしメイレンは要求を呑んでしまいます。

「約束を守るような奴には見えないぜ?」
ゲンさんが言います。

「ここで押し問答をしてても仕方ないわ。
 それに、指輪はあなたにとって大切なんでしょ?クーン」
「うん!」

そしてメイレンは手下達と共に事務所の裏口から消えていってしまいました。
町の奥にある工場に向かうようです。

酒場に戻ったクーン達ですが、やっぱりメイレンのことが心配です。
メイレンを救出することにしました。

「おい、にいちゃん、工場の情報を集めてきな。お前は作戦を考えろ。」

ゲンさんがリュートと、T260Gに言います。

「メイレンの救出が最優先。主力班で正面に敵を誘導し、
 警護の薄くなった地点から救出班を潜入させます。」

T260Gはその優秀な頭脳で即座に作戦をはじき出しました。
そしてリュートも情報を得て帰ってきました。

「カバレロの工場は十字路を北に行ったところだ。
 正面は用心棒達が固めてるらしいが裏は警戒してない。」
「犬っ子とにいちゃんは裏へまわれ。正面の連中は引きつけておく。
 それじゃ、行くぞ!!」

メイレン救出作戦が始まりました。
T260Gとゲンさんは正面でカバレロの相手をします。
その隙にクーンとリュートは裏口から。
すると、いきなりカバレロとメイレンのいる部屋へとたどり着きました。

今正にカバレロにメイレンが手を出そうと…
しかし、その瞬間すぐにメイレンはカバレロを
ボコボコにしてしまっていました。
「メイレン、大丈夫?」
「別に助けはいらなかったみたいだね。」

「あはは、そんなことないわよ。
 指輪はカバレロが持ってるみたいね。」
「カバレロを追わなきゃ!」

そしてゲンさんとT260Gと合流し、
5人はカバレロファクトリーへ潜入します。

沢山の敵が待ち構えていましたが、クレーンを操作し、時には強行突破し、
5人はとうとう工場の最奥部へとたどり着きました。
「くそーーー、ここからが本番だ、行け!」

そして奥から出てきたのはなんと大きなロボット。
ヴァルカン改と呼ばれたそのロボットにクーン達は立ち向かいます。

指輪の力も用いながら、クーン達はヴァルカンを倒し、
カバレロを降参させることに成功しました。

「わかった。あんたの言うとおりにする。指輪は譲ろう。
 10000クレジットだ。」
「え、何?私の聞き間違い?0が2つ多いんじゃないの?」
「ひーー…女は怖い…」

そんなこんなで、指輪を手に入れることに成功しました。
「よかったね、クーン!」
「うん!」

そして彼らはリージョン間を航行するリージョン・シップへ乗り、
新たな地へと向かいました。

34サガフロンティア・クーン編 指輪その3:盗賊の指輪 前半:2008/03/13(木) 17:58:22
着いた場所はクーロン。
この世界を隅々まで行くためのリージョンシップの中継地点、
中心地とも言えるような場所でした。
しかしその場所は中心地とは程遠い雰囲気を持つ、
治安の悪い、ネオンの輝く夜も眠らぬ繁華街。

とりあえずこれからはこの場所を拠点とするようです。

「次はどこに行くの?メイレン」
クーンはたずねます。
すると、メイレンはぺらぺらと物凄いスピードで指輪の情報を話し始めました。

「そうね〜
 ムスペルニブルには指輪の君って呼ばれている妖魔がいるらしいの。
 それから、シュライクには指輪に関する伝説がたくさんあるでしょう
 マンハッタンで売りに出てる指輪もあったし、
 ヨークランドの富豪が指輪を持ってるって言うし、
 指輪の持ち主がリージョン間の混沌で行方不明になった噂もあるし、
 監獄ディスペアには刑期100万年の男がいて、そいつが指輪を持ってるらしいっていうし〜」

「あ〜!!!  そんなにいっぺんに言われたら分かんないよ!」

あまりにも情報が多すぎます。
とりあえず今回はその中の一つの情報から、
行き先となるリージョンシップへと乗り込みます。

長い船旅。
しかしその途中、なんとリージョンシップが大きな揺れを起こしてしまい…


気がつき、外へ出てみるとそこは…
紫、青、赤の柔らかい壁。床からはぐちょぐちょとした肉の感触。
…伝説といわれる、リージョン界を漂う巨大生物…
別名「生きたリージョン」タンザーの中でした。
リージョンシップがイカの形をしていたせいでしょうか。
クーン達はなんと飲み込まれてしまったのです。

他の乗客たちは慌てふためきます。
そんな所に、人間一人と、骸骨のモンスター一人が奥の穴から現れ、
クーン達に銃口を突きつけました。

「久しぶりのシップだな。」
「オラオラ、そこに荷物を並べろ!」
クーンはすかさず、彼らに立ち向かい、すぐに勝利します。

「く、くそー…」

すると奥の穴からもう一人…女性が姿を現しました。
「ほー、あんたら、強いね。
 この馬鹿が!
 …手荒なまねして悪かったね。どうにも気の短い連中でさ。許しとくれ。」
「うん!」
「…あんたいい子だね」

どうやら彼女達は大分前に彼女達は船ごと飲み込まれてしまったらしく、
今はここで暮らしているといいます。
「さあ、早く荷物をまとめて移動しないと。
 こいつが次に大口を開けたときに奥まで流されちまうよ。」

そんなときでした。

「この女について行ってはいかん!
 こいつはリージョン強盗団の首領ノーマッドだぞ!!」

奥の別の穴から、弁髪の格闘家らしき男が姿を見せました。
これに対しノーマッドは言い訳するつもりはなく、
この男についてくるか自分についてくるかは自由だ、と残して姿を消しました。

と、メイレンが黙っています。

「僕、クーン!変わった頭だね、病気?」
クーンは容赦ありません。
「病気じゃないさ。修行のためにこういう髪型にしてるんだ」

突然、メイレンが怒鳴りました。
「フェイオン!」
驚いた弁髪の男は振り返ります。
「メイレン!なぜここに…?」

「それはこっちのセリフよ! 何の便りもよこさないと思ったら、
 こんな所にいるなんて。京に精神修養の修行に行くなんて言って、
 ウソつき!」

メイレンは大声でまくしたてます。

「何を言ってるんだ。私だってタンザーに飲み込まれて仕方なく…」

そうです。クーン達だって飲み込まれたのは偶然。
フェイオンが飲まれたのもまた、仕方のないことのはず…ですが。

「言い訳なんか聞きたくないわ!あなたはいつもそう。修行のため、拳のため、技のためって、
 私はいつも待って、待って…」

そしてメイレンは奥へ走っていきました。
「メイレンを泣かせたな!?」

クーンが追いかけてすぐにメイレンは泣き止み、
一行はひとまずフェイオンのいる、飲み込まれた人達のいる場所へと向かいました。

35サガフロンティア・クーン編 指輪その3:盗賊の指輪 後半:2008/03/13(木) 19:19:50
「ねえ、指輪知らない?」
単刀直入にクーンはフェイオンに聞きました。

「指輪かー…あまり縁がないからなぁ」

「クーン、このハゲに指輪を見せてやって。」
「は、ハゲ!?」

クーンは指輪を見せ、事情を話しました。
クーロンで話した中には、行方不明になった指輪の持ち主の話がありました。
そして、タンザーに飲み込まれたという話も。

「ひょっとするとノーマッドが知っているかもしれないが…」

そうと決まれば出発です。フェイオンを加えた一行はノーマッドのアジトへ向かいます。

「よく来たね。来なくていい奴まで来てるけど。」
ノーマッドがアジトの奥から姿を見せました。

「今日は彼らの用件で来た。お前に尋ねたいことがある。」
「あら、偶然だね。こっちも聞きたいことがあるのさ。
 持ってるんだろう、指輪。お出しよ。」

なんとノーマッドもまた、クーンの指輪を狙っていたのでした。
恐らくはノーマッドがタンザー内の指輪を持っている。

ノーマッドはなんと、手下たちをフェイオンの所に向かわせていました。
そして、フェイオンの所にいる人達を人質に、指輪を要求してきたのです。

「おとなしく指輪を出しな。あいつらタンザーのエサになっちゃうよ。」
「ヤダ!ボク関係ないも〜ん。指輪はあ〜げない。
 こんなことするなんて、おばさん悪い人だね。」」

その一言でノーマッドは怒りました。
「お、おばさん!! キー、きざんじまいな!」

沢山の部下がクーンに襲い掛かります。
しかし、そんな彼らを物ともせず、クーン達は奥へと進み…
アジトのノーマッドの部屋へたどり着きました。

「もう来たのかい!役に立たない手下どもだよ。
 あんた達、時間稼ぎをおし!」
現れたモンスター、カモフックはノーマッド最強の用心棒です。
なかなかの手ごわい相手でしたが、指輪の力、フェイオンの力を借りて
倒すことができました。

そしてクーン達はその奥にいるノーマッドを追いかけます。
アジトから続くその道はタンザーの本体、つまり心臓に通じていました。
しかしここで予期せぬ出来事が。
なんと、ノーマッドはタンザーに飲まれかかっていたのです。

「ヒー、助けてー!!」
「あんな奴でも助けねばいかん!!」
「うん!」
そして今度はタンザー本体との戦いとなりました。
何せここはタンザーの体内。本体を守るべく周りの沢山の臓器が
クーン達を攻撃してきます。それでも頑張ってタンザーを攻撃し…
そしてノーマッドを助けることに成功しました。

そして指輪をもらいます。
「指輪をありがとう、ノーマッドさん!!」
「チッ、あたしを助けたこと後悔するよ!!」
助かったノーマッドは逃げていきました。
…と、ここで。

「あいつも少しはおとなしくなるだろう。」
「だといいわね、フフ」

「あ、メイレン笑った!」

慌ててそっぽを向くメイレンですが、どうやら二人も仲直りできそうです。


しかしここでなんと、攻撃されたタンザーが激しく苦しみ始めました。
これは危険…ですが同時に、脱出のチャンスでもありました。
戻ったフェイオンは中にいる人達を、リージョンシップへ向かうように呼びかけ始めます。
クーン達はリージョンシップ前で待機。

しかしなかなかフェイオンは現れません。
早くしないと脱出のチャンスを逃してしまいます。
…なかなか現れません。
「もう少し‥‥ もう、行きましょう。」
メイレンも諦め、リージョンシップへ足を向けたその時。
「あ、来た!」
残っていた子供たちを連れて、フェイオンがやってきました。

「フェイオン…」
「待たせたな。」
「ホントよ、どれだけ待ったと思ってるの。」

そして、みんなを乗せたリージョンシップは、無事タンザーの口から脱出することができました。

36サガフロンティア・クーン編 指輪その4:勇気の指輪:2008/03/13(木) 21:05:01
「クーン!いい知らせよ。ある指輪の持ち主が売ってくれるって。
 以前から交渉してたんだけど、なかなかうんって言ってくれなかった人よ。
 気が変わったみたいね。」

クーロンの町でメイレンが嬉しそうに声をかけてきました。
次の指輪の情報のようです。今回はすぐに手に入りそう。

行き先のリージョンの名前はバカラ。
それ自体が巨大な娯楽施設であり、
下から駐車場、ホテルフロア、カジノフロア、バーフロアに分かれています。

ホテルフロアの最上階の一室に彼はいました。

「この部屋ね…
 な、何をやってるの!」

部屋に入るなりメイレンは驚きました。
なんと、指輪の持ち主が首を吊ろうとしているのです。

「死なせてくれーーー!」
「だめだよー。」
クーンはどこまでもマイペースです。

「キャッ!」
メイレンが天井からの縄を解こうとして、手が滑ってしまいました。
「うおっ あがー!」
「大変!」

それからしばらくして、なんとか持ち主が死ぬのをとめることができました。
そして、彼の話を聞きます。
どうやら、カジノで遊びすぎて全財産をなくしてしまったというのです。
指輪を売ろうとしたのはそのせいだとか。

なのに何故死のうと…?

「…その指輪が…無いんです。」
「どういうこと!」

何者かに盗まれたようです。一体犯人はどこに……?

ふと、金庫の中からひょっこりとネズミが顔を出しました。
「ああ〜、指輪だ!」
「待ちなさい!」
「わしの指輪!」

指輪を持ったネズミとの追いかけっこが始まりました。

カジノフロアでスロットを渡り歩きます。

お客さんの足元にもぐりこみ、大騒動が起こりました。

巨大スロットに入り込み、大量のネズミのフィーバー。

そしてとうとう、バーフロアのシャンデリアにて、追い詰めることができました…
が。

シャンデリアはクーンを乗せた途端、突然下がり始め…
どんどんバカラのフロアを落ちて行き…

最下階、駐車場でシャンデリアは崩壊。
ネズミは地下洞窟へと逃げてしまいました。

どんどん洞窟の中を逃げていくネズミ。
ここには精霊も住むといいます。
そして…そこには…

一番奥でネズミは恐れ、震え上がっています。
それもそのはず。そのフロアにいたのは…
巨獣でした。

愛らしい顔をした、けれど凶暴な巨獣との戦い。
岩を投げつけてきたり、パワフルな彼もクーン達の前に敗れ去り…
そしてネズミは捕まったのでした。
「やっと捕まえたぞ!大丈夫、君には何もしないよ。」

37サガフロンティア・クーン編 指輪その5:隠者の指輪:2008/03/13(木) 21:31:48
今度は巨大刑務所リージョン・ディスペアにいる、
刑期100万年の男が持つ指輪にすることにしました。

ですがこれまで入り込む方法が見つかりませんでした。
しかし…

「ディスペアに定期的にパイプや電装関係の修理工が入るらしいわ。
 これを利用して入り込みましょう。」
「ボク、修理なんてできないよ?」
「振りだけでいいのよ。上手く入れたら、
 刑期100万年の男の所へ行きましょう。」

話していると突然、通りを紫色の、揃ったショートの髪をした女性が通りかかりました。

「ディスペアに詳しい女が、向こうの通りのレストランの前に立ってるわ。」

突然出てきた怪しい女性。この話を信用するべきでしょうか…。
ひとまずクーン達は女性の情報どおりにイタメシ屋の手前まで行ってみました。

いたのは金髪の、胸の大きく派手な服装をした若い女性。
「あなた、ディスペアに詳しいんですって?」
「ええ、まあね。」

「噂はね。ディスペアのどこかにいるらしいわ。でも、正体は誰も知らないわ。」
「そうね、大体の場所の見当はつくわ。」

そしてこの後、報酬のお金の話をメイレンと女性の間で交わし、
クーン達はその女性、アニーを仲間に加えディスペアに向かうことにしました。

「おや、今日は美人が来たね。」
「いやだもう。御世辞を言っても何もあげませんよ。」

大監獄・ディスペア。脱出した人間は数少ないと聞きます。

「いやいや。許可証確認と。はい、どうぞ。」
その時でした。

「待て。」
男性が一人、こちらに向かってきます。
…どうやら、この人こそがディスペアの所長らしいのです。

「いつもと違う作業員だな。」
「許可証は本物です。」

どうやらクーンたちを怪しんでいるようです。ただものではありません。

「そこの犬も作業するのか?」
「犬じゃないやい、クーンだよ!」

「鼻が利くんです。何かと便利なんですよ。」
クーンはすっかり犬扱いです。
「よかろう、作業は迅速、かつ、確実にな。」


所長の目もごまかし、なんとかディスペアの内部に入り込みました。
ここからはガイド役のアニーに任せ、クーン達は言われるままに進んでいきます。

内部には沢山のモンスター。どこから出てくるか解りません。
アニーによると物凄く強いモンスターも居たそうなのですが、
今回はそこには入らないそうです。

そしてとうとうたどり着いた一室。
刑期100万年の男の部屋…一体どんな人なのでしょうか。


「ご苦労だったね。やはり、ここの囚人に用があったのかね。」

…そこにいたのは、なんと所長でした。
「どうして、ばれたの…」

「君らが来たとき、これが光ってね。」
そして所長は指を見せます。
なんと…指輪でした。

「そう、私はここの所長でもあり、同時に囚人でもある。
 このディスペアすべてが私のための監獄と言ってもいいだろう。」

なんと刑期100万年の男とは、所長自身のことだったのです。

「いったい、何したの?」
「フッ。指輪が欲しいのではないのか?」
「ウン!」

そしてクーンは事情をめちゃくちゃに所長に説明します。

「そうか、まあよかろう。
 こんな所まで私に面会に来る者はそうはいない。
 持って行け。」

そして指輪は牢屋の床を転がり…、
クーンの元に届いたのでした。
所長が一体何をしたのか…それは誰も知りません。

38サガフロンティア・クーン編 指輪その6:戦士の指輪:2008/03/13(木) 22:05:07
次の指輪はシュライクの指輪伝説に関するものでした。
歴史と伝統のある、古い都市シュライク。歴史に名を残す王の中でも有名な王の一人、
済王が大事に持っていたという指輪が彼の墓に収められているというのです。

シュライクで彼らはシュライクの伝説に関する本をまず読みました。

その記述によると、済王の妻である女性は死した王に会うため、
三種の神器を祭壇に供え、扉は開かれたというのです。

そして子供たちから済王の古墳の入口を聞き、彼らは中へ入り込みます。

内部はモンスターがはびこる危険な場所。
まずは手前の方で見つかった神器、鏡を見つけ、向かいます。
しかしなんと床が開き…下階へと落ちてしまいました。
下はモンスターが一層多い階層でした…

上階へと戻り今度は仕方なく奥へと向かい、古墳最奥部にあった勾玉を見つけました。

しかしそこには神器を守る死した兵がいました。彼らと戦い、勾玉を手に入れました…

そして戻るとなんと、古墳の一室の床が光っています。それも一部だけ…

一体これは何を示すのだろう…そう思って光る床を踏むと、落とし穴になっており、
またも下階へ落とされてしまいました。

これは罠を避けるためのものだったのでしょうか…そう思ったときです。

なんとこの階の一番高い所にある祭壇に、神器の二つ目、剣が刺さっていたのです。

しかしどうやってもこれは取りにいけない。…そこでクーンは考えました。

落とし穴のどれかが、祭壇の所に落ちるものなのではないかと。

あたりでした。いくつかある落とし穴の箇所のうちの一つから、
剣のある祭壇へと落ちることができたのです。ここもまた兵が守っていました。

そして最後の神器、鏡を手に入れようとします…
しかしここはさっき落とし穴があって取れなかった場所…
しかし、今度は落ちません。剣が持つ力は落とし穴を封じるものだったようです。

そして今度もまた死した兵を倒し、
揃った神器を玄室の前の祭壇へと捧げ…
とうとう扉は開かれました。済王の部屋です。
「指輪はこの中だな!」
王の眠る墓の扉を開けると…
「シュライクを脅かす悪しき者達め、余の剣を受けよ!」

「出たな。」
ゲンさんが言います。
「何か勘違いしてるわ、あの骨。」
アニーも言います。

「骨ではない。我はシュライクの王、アメノシタシラスミコトなるぞ。」
そう、とうとう現れました…済王です。
名を馳せた古代の王…果たして勝てる相手なのでしょうか。…しかし。
「指輪だ!!」
全く危機感のないクーンは王に近づきます。
「そうか、指輪を奪いに来たのか、盗人どもめ。」

「あなた、死んじゃってるんだから、
 その指輪をしていても意味が無いでしょう。私たちに譲って。」
アニーは言います。

「指輪を集めてどうする?シュライクを支配する気か?許さんぞ!」
王は怒ります。

「違うよ。マーグメルが壊れちゃうんだ。ボクの故郷が消えちゃうんだ。」
「リージョンが無くなるというのか?馬鹿げた作り話を。」
王はクーンの話を信じようとしません。
「クーン、危ない!!」

しかしその時…済王とクーンの、二つの指輪が共に光りだしました。
そして…

指輪が見せたのは、マーグメルの風景でした。
今にも滅びそうな赤茶色の大地。萎れた木、水があった場所もマグマに変わり…
それでも懸命に、楽しく生きるラモックスたち。

「今のは、何?!」
「指輪が語り合った… お前の言葉は真実だな。
 よかろう、この指輪はお前に預けよう。」
「ホント! ありがとう!!」
「ただし、余も指輪の行く末を見届けたい。お前達と行くぞ。」
「ウン!」
そして、心強い仲間が増えました。

「死体と旅するのか…」
アニーがぼそっと言います。
「死体ではない!余はシュライクの」
「王様だ!!」

この二人、結構気が合うのかもしれませんね。

39サガフロンティア・クーン編 指輪その7:命の指輪:2008/03/13(木) 22:39:29
おいしいお酒を作ることでも知られる田舎町…ヨークランド。
実はそこはリュートの故郷でもあります。
そこの富豪が、今回の指輪の所持者らしいのです。
「アニキー!俺も連れてってくれよー!」
巨体の怪物、サンダーがリュートの帰りを待っていました。
「おー、解ったよサンダー。お前もついてこい!」

予期せぬタイミングで新しい仲間、サンダーを加えると
一行は富豪の邸宅に入ります。
「あなた方も娘を助けに来てくださったのですか?」
「うん!」

しかしどうやら富豪の娘は今病気の身だといいます。
「もう、どんな方でも構いません。今も一人来ているのですが…」
娘のいる部屋の方を見つめる富豪。そのドアから、
一人の男が猛スピードで飛び出し、
クーンの後方の入口から逃げていきました。

「俺の手には終えねえ!!」
「…とまぁこんな具合で。」
「何が起きるんだろう!?楽しみだなー♪」
そして富豪の娘さんの部屋へと入ります。
そこには苦しそうな娘さんの姿。まだクーンと同じくらいの歳でしょうか。
そのときです。

「この人間の命は私のもの…
 邪魔はさせぬぞ…!」
そう、この子の病気はただの病気ではありません。
恐るべき妖魔…病魔モールに取り付かれたことによる、吸血でした。

術を用い、不老不死の体を持ち、強い者ほど美しい姿を持つとされる種族…妖魔。
下級妖魔である、美しいか醜いか…というより人間とは程遠い外見をした
下級妖魔であるモールですが、恐ろしい戦闘能力を有しており、
とても敵いません。追い詰めましたが、すぐに逃げられてしまいました。
「いまのなんだろう?」
「取り付かれてるみたいね」

「指輪を入手後退却するのが最善です」
T260Gは冷酷な判断を下します。しかし…助けないわけにはいきません。
「待って!指輪の力が、この子を生き永らえさせているのかも知れない。」
メイレンが言います。
「マーグメルみたいに?」

「クーン…クーロンに行きましょう。病気に詳しい妖魔がいたはずだわ。」

クーロン、裏通り…治安の悪化が激しく、汚い無法地帯。
地下水路にはモンスターもはびこるその場所…。
薄暗い病院の中。患者と思われた骸骨が倒れ、ケタケタと笑った後呼び出された先に…彼はいました。

「君が患者か?」
黒く、前に垂らした髪と、蒼白な肌…そして白衣を着こなす、美形の医者。
妖魔医師ヌサカーン。モールとは違うその外見は…恐らく上級妖魔と思われます。
そしてクーンは事情を話します。
「…往診は行わないことにしている。例外はあるが。」
「相手は大富豪。報酬は望みのままよ」
「報酬か…興味深い患者だな。」
己の興味のみで動くのが上級妖魔という生き物…。ヌサカーンが加わりました。

そして再びヨークランド、富豪の家にて。
「よろしくお願いします。」
「まずモールをこの娘に取り付かせる。そうすれば簡単には逃げ出せない。
 そこで処置をする。取り付かせる前にダメージを与え過ぎれば、
 モールは逃げる。だが、ある程度のダメージを与えておかないと娘の生命力が持たないぞ。」

つまりはモールをある程度痛めつけた上で娘に取り付かせ、
その後で攻撃し、倒すというもの。
「この人間の命は私のもの…邪魔はさせぬぞ…」

そして「治療」という戦いが始まり、
モールは娘に取り付き…そしてその時を見計らい攻撃を加え、そしてモールは倒れました。

「やったー!!」
クーンの喜びの声。同じく富豪の娘が目を覚ましました。
「おとうさん!」

「ハイ、これ!」
「その指輪は!それを渡してはお前が…」
「もう大丈夫よ、おとうさん。それに、夢の中で
 この指輪が兄弟達に会いたいって言ったの。
 クーンが持ってるのよね、この指輪の兄弟を。」
「ウン!」

「良かった、良かった…!」
富豪は本当に嬉しそうです。そしてここにも一人…。

「ホントによかった…」
そういえば、アニーには養子に出した妹がいたとの話を
聞いたような気がしました。この子はもしかして…?

40サガフロンティア・クーン編 指輪その8:策士の指輪:2008/03/13(木) 23:13:30
リージョン界を統べる3つのリージョンからなる統治組織・トリニティ。
その中の一角、大都会マンハッタンにその指輪はあるそうです。

海に浮かぶ超高層ビル街に囲まれたお洒落なショッピングモール。
若い男女に人気のその中のアクセサリーショップにそれはあります。
以前はあまりに高くて手が出なかったその指輪が今なら買える。
クーンは指輪を買いに店へと足を運びますが…
「残念ながら、その指輪でしたらすでに
 オウミの領主様がお買い上げになりました…。」

オウミ。軍港ネルソンへ通じるシップを出す唯一のリージョンにして、
オウミ自体は綺麗な浜辺で有名な港のリージョンでもあります。

そこもまたお洒落で綺麗な町。
クーン達はそこに向かい、領主に話をつけてみることにしました。
「帰ってきてきておくれ…愛しているんだ…」
花びらの舞う水面にかかる橋の上で独りつぶやく、
綺麗な服に身を包んだ男性を気にせずに。

広い花畑に囲まれた大きな屋敷。
羅針盤をかたどったエントランスホールでクーン達は
領主に会いました。
「これはこれは、私に何か御用ですかな?」
もさもさとした赤い髪と髭、そしてメガネ。
屋敷の雰囲気に似合わぬ男が姿を現しました。
「マンハッタンで指輪を買われたそうですね。」
「それが何か。」
「その指輪を譲っていただけませんか。」
メイレンは言います。

ですが領主はそれを聞くと態度が変わりました。
「ほーほー。あなた方も指輪を集めておられるのですか。」
「うん!!」

そして領主は言いました。
「では、あなた方の集めた指輪を頂きましょうか。」
「なんですって!?」

「そう…これは罠。」
ホール中央の床が抜けます。
「そしてこれは、落とし穴。」
クーン達は遥か地下へと落とされてしまいました。
「ふふふふ、指輪は後で回収しよう。」

「いててて、なんかヤバそうな場所に落とされたわね…
 あれ。クーン、どこ?」
薄暗い屋敷の地下。明かりはなく、長いこと手入れされていないであろう
ボロボロになった床や装飾が目に付きます。
「ワオ!どきどきしちゃった…」
「もう、クーンったら。さあ、早くここから出ましょう」

そこはモンスターの巣といっていい状況でした。
色んな種類のモンスターが彼らを襲い、戦いに勝ちながら
彼らは上を目指します。

上への階段、恐らくもう地上も近いでしょう。
そこになんと巨大なイカが通せんぼをしています。
かなり強そうです…何か対抗する手立てがあれば…。

ふと、すぐそこにあった部屋から水の音が聞こえ、入ってみると
なんとそこには海に繋がる水路がありました。
綺麗だなー…と眺めていると…なんと。

「高貴なお方の匂いがします…」
黒い肌をした、美しい人魚が現れました。

名はメサルティムといい、ヌサカーンの気配を感じ現れたそうです。
「ご協力できることならば、何でもさせていただきます…」

メサルティムを加え、巨大イカ、デビルテンタクラーとの戦いへ入ります。
彼女の協力もあり、クーン達は難なくそれを倒すことができ、
とうとう屋敷の地上階へと戻ることができました。

領主は懲らしめねばなりません。部屋へ行ったクーン達は、
そこで領主の正体を見ます。

「お前、あのイカの化け物を倒したのか!! ヒー、許してくれ!!」

そして領主は本当の姿を現しました。
小さな、小悪魔のような…それでいて少し太った、卑しい下級妖魔でした。

「なんだ、妖魔だったんだ。」
「指輪は頂くわよ。どうせ、店の人をだまして手に入れたんでしょう?」
「く、くそー。
 おい、この女に気をつけるんだな。
 指輪を狙ってる奴に、ロクなのはいないぜ!」
「あんたと一緒にしないでくれる?」

そして領主を騙っていた妖魔は姿を消し、
彼らは策士の指輪を手に入れることに成功しました。

一体本物の領主はどこに…?

41サガフロンティア・クーン編 指輪その9:神秘の指輪:2008/03/14(金) 20:58:17
そして最後の指輪の持ち主の話をメイレンから聞きます。

最後の指輪はここ、
炎と氷が支配する、幻想的なリージョン…
ムスペルニブルにありました。

そのムスペルニブルに建つ、大きな大きな館。
妖魔の中でも上級中の上級。
3人の「妖魔の君」のうちの一人、
「指輪の君」ヴァジュイールが持つものでした。

小金色に煌く内装。1階の左右と2階の左右にあわせて大きな4つの扉…
その先にそれぞれ扉が2つづつ…計8つの扉があります。

そして2階の中央にある巨大な扉から奥へ突き進むと長い長い階段があり、
その先の、天井まである大きな扉を潜った先に…

燃え盛る炎を映す大きな窓を背に、
黒くウェーブのかかった長髪が特徴の、長身の…館の主が現れました。
巨大な魔物を基に作ったような椅子に深く腰掛けています。
彼こそが…ヴァジュイールです。

「おお、指輪の挑戦者か。久しぶり、久しぶりだな。」
重々しい空気の中、最後の指輪の持ち主は指をかざします。

「見よ。この指輪が欲しければ奪い取れ!
 しかし、それ相応の力の無い者の挑戦は許さん。」

やはり、条件があるようです。

「我が宮殿には8つの小部屋がある。
 それぞれの部屋は対応する指輪を持つ者に扉を開く。
 部屋の謎を解き、鍵を集めよ。
 8つの鍵が揃ったとき、挑戦の扉が再び開かれる。健闘を祈るぞ!」

そして扉は閉じられました。
先ほどのホールにあった4つの扉の先にある8つの試練。
それを乗り越えて初めてヴァジュイールへの挑戦権が得られるのです。
ヴァジュイールにその様子を鑑賞されながら、
クーンたちの挑戦が始まりました。

護りの間ではモンスターを封じる9つの墓から鍵の入ったものを探し出し…

商人の間ではヴァジュイールの趣味で開催されている恐怖のクイズ番組、スーパーハイ&ローを勝ち抜き…

盗賊の間ではモンスターの駆け回る迷路からすべての金袋を持ち出し…

勇気の間では一面の針山の上の、透明な床を踏み外すことなく渡りきり…

隠者の間では沢山の樽を移動し続けるネズミを、探し当て…

戦士の間では3種のモンスターと、クーンをあわせた4つのチームによるトーナメントを勝ち抜き…

生命の間では生命力をひたすらに削るマグマスライムの集団との長い長い戦いを耐え…

策士の間では歩き回るモンスターにトラップを用いて全員倒すことを…
それぞれ課せられました。

クーンたちはそれらを全て…仲間たちと共に勝ち抜き、
そして…

クーンは再び2階の扉の前に立ちました。
指輪の挑戦者として。

42サガフロンティア・クーン編 最後の指輪:2008/03/14(金) 21:37:38
「待ちに待った真の挑戦者よ、
 かかってこい!
 そして私を楽しませてくれ!」

そしてクーンの、最後の指輪をかけた戦いが始まりました。

「美しい連携を決めてみせよ!」

そう、ヴァジュイールとの戦いはただの戦いではありませんでした。
仲間達との連携攻撃。それを見せる…いや、魅せる戦いだったのです。

しかしここまでの旅で培われた仲間達との絆がここで発揮されました。
クーン、続いてメイレン、続いてフェイオン、続いて済王、続いてヌサカーン。
戦いに参加した5人だけではありません。
アニー、リュート、ゲンさん、T260G、サンダー、メサルティム。
沢山の仲間が彼らの戦いを見守っていました。
彼らは次々に連携を繰り出していきます。心を一つにして。
そして…

「見事であったな!!」

そして戦いに勝利しました。ヴァジュイールは彼らの力を…絆を認め、
最後の指輪…神秘の指輪を渡したのです。

かくして9つの指輪の兄弟は揃い…

「クーンが帰ってきた!」

クーンはいつの間にか戻ってきていました。
マーグメルに。

「ここがマーグメル…クーンの故郷なのね…。」
メイレンがつぶやきます。
「今まさに息絶えんとするリージョンだな。」
ヌサカーンが言います。
「早く長老殿に良い知らせを持っていくといい。」
フェイオンが言います。そして彼は良い知らせを持って、
長老の所へ向かいます…

ラモックスのみんながクーンに声をかけてくれます。
「凄く強くなったみたいね。」
「私たちじゃバトルの相手にならないわね…」
「どこ行ってたの?」
「また遊んでたんだろう?」
「凄い姿になったな!」

そして…旅を終えたクーンはまた、長老の部屋に入ります。

「ほら!」

クーンの周りには九つの光。
全ての指輪を手に入れたのです。

「おお、おお…!
 よくやった、クーン!さぁ、マーグメルを救っておくれ!」
「長老がお願いするんじゃないんですか?」
「お前こそが、ふさわしかろう」

そして…いつぞやのように、高台に立つクーン。
その姿は以前とはまるで違っていました。
しっぽと獣耳の生えた人間の姿…
いえそれだけではありません。、
旅を終え、苦難を乗り越え、仲間達との楽しい思い出を作った、
それは強い旅人の姿でした。

クーンは、幼くも力強い声で、言います。

「マーグメルよ、よみがえれ!!」


そして…マーグメルは蘇りました。
澄んだ青い空、緑豊かな大地に…美しい花に、潤いをたたえる水…。
…美しいリージョン、マーグメルが蘇ったのです。

「ばあちゃん…
 これがばあちゃんの知ってるマーグメルなんだね………」

…つづく。

43サガフロンティア・クーン編 最後の指輪:2008/03/14(金) 21:51:08
蘇ったマーグメル。
みんなはきっと喜ぶだろうな…そんなことを思いながら、
クーンは喜び勇んで、階段を駆け降ります。

すると…


「キャーーーーー!」

「どうしたんだ!?」
見るも恐ろしい光景が広がっていました。
ラモックスの姿が次々と消滅していくのです。
真っ黒い闇になって。

逃げても、逃げても。
ラモックスたちは抵抗すること逃れることもできず、
次々に消えていきます。
まるで、その存在さえ否定されたように。
この世にあってはならないもののように。

一体何が…

すると、メイレンが突然口を開きました。
「マーグメルが生まれたときには…
 あなた達はいなかったのね。」

…その口ぶりは、こうなることを知っていたかのようです。

「どういうこと、メイレン!!」
クーンは慌ててメイレンに詰め寄ります。

「願いどおりにマーグメルは蘇ったのよ、生まれたままに。
 そこにいなかったものは消える。」
「それじゃ意味ないよ!止まれ!!」
しかし止まりません。
どんどんみんなは消滅していきます。
何の罪もない仲間たちが。

どうすることもできないのでしょうか。

メイレンは淡々と言葉を続けます。
「何でも願いが叶うなんて、
 そんな都合のいいことあるわけないわ。
 この指輪は欲望を吸い寄せる道具に過ぎない…」

そして…指輪の研究家、メイレンは指先を掲げます。

「遥か古代に、何者かが
 欲望のエネルギーを集めるために集められた力は…
 ここに!」

その手には…
なんと黒い指輪がはめられていました。
第10の指輪が…。

「この指輪こそが真の指輪、
 この力があれば何でもできるわ!!」

変わり果ててしまったメイレン。
これが本性だったのでしょうか…

「メイレン!気でも触れたか!」
フェイオンは嘆きます。
「やはりな…。」
聡明なヌサカーンもまた、この事態を予期していたようです。

「じゃあ、止めて!
 マーグメル壊れちゃってもいいからみんなを戻して、メイレン!」
そう。例えマーグメルが元に戻っても、そこに住むみんながいなくちゃどうしようもない。
大事なのは場所ではなくそこに住むみんななのです。
クーンは今まで…マーグメルのためじゃない、
そのマーグメルに住むみんなのために戦ってきたはずだったのです!

「クーン、今まで協力してくれて有難う。
 指輪の研究も最終段階ね…皆さんのことは忘れないわ。」
欲望に満ちた笑みを絶やさないメイレン。
最早さっきまでの面影はありません。

そしてクーンは決意します。
「止めてみせる、
 メイレンと戦ってでも!」

「あはははははははははは!
 やってみれば?
 この指輪の力に勝てるかしら?」

そして、クーンは最後にして最強の敵…メイレンとの戦いに挑むのでした。

44サガフロンティア・クーン編 ED:2008/03/14(金) 21:59:15
バレ注意














メイレンを元の、優しいお姉さんに戻すため…。
全員が彼女を前に戦闘体制に入ります。
すると、メイレンの指輪が輝き…
眩い光に覆われてメイレンは巨大な…黒い、大きな装置のような…あまりに強大な欲望の化身、
マスターリングへと姿を変えました。
そして彼女を守護すべく現れたのは9体の魔物。
それらは全て、今まで集めてきた9つの指輪の化身でした。
全ての指輪…そして一番の仲間がクーン達に牙を剥きます。

重なり連携する攻撃、指輪の化身を倒される度に力を手に入れていくメイレン。
こちらが不利な戦いでした。
何より精神的な穴が大きい。クーンやフェイオンは特に…。
どうしてメイレンが…。どうしてこんな酷いことを。
大事な大事な仲間だったのに。大好きだったのに。
クーンの子供の心にはあまりに残酷すぎる目の前の事実。
しかし、だからこそ負けられません。指輪の魔力に溺れてしまった…メイレンのためにも。
全ての魔物が倒され、その力を取り込んだメイレンは
最強の術、レヴォリューション9を唱えてきます。
あまりに強い攻撃。しかしそれでも倒れるわけにはいきません。
クーン達は仲間達と一丸になり、彼女に技を浴びせ、戦い続け…ついに。

マスターリングは翼を動かし苦しみ始め、
出現したときのように光に覆われ、
少しづつ体を小さくし…世界が、マーグメルがどんどん輝きを失っていき…
そして、大きな音と共に指輪はメイレンの指から弾け飛び、
乾いた音を立ててカタカタと地面に転がり…止まりました。

その瞬間メイレンが倒れました。
それが…戦いの終わりでした。

「メイレン、大丈夫?」
クーンは優しく声をかけます。

「クーン、ごめんなさい。私、あなたをだましてたわ。」
起き上がるメイレン。

「メイレンが悪いんじゃないよ、黒い指輪が悪いんだよ。」
そう、メイレンを狂わせたのは人間の欲望でした。

続いてフェイオンがメイレンに謝ります。
「メイレン、済まない。私がいつもそばにいれば、
 あんな指輪に付け入られる隙も無かったはずだ…」

「肉体的には問題ない。黒い指輪の呪縛も解けた」
ヌサカーンが言います。それならば安心でしょう。

「だが…マーグメルはおしまいだ。」
長老が寂しそうにつぶやきます。

そこに、ラモックス達が声をかけます。
「長老、元気を出してください。どこででも生きていけますよ。」
「そうそう。私たち明るいのだけがとりえだもんね〜!!」
そう。みんな、元に戻っていたのです。

「いい仲間だな、クーン。」
「うん!」

「では…いくか。」
「長老!僕は行く所があるんだ。こんな不幸の指輪、
 誰も取れないところに捨てにいかなきゃ!」
クーンは提案しました。
「私も行くわ、クーン。」

そして、それぞれの場所に指輪を返しに、或いは捨てに行きました。

ムスペルニブルの、さらさらとした真っ白な雪の中に。
オウミの深くきれいな海の底に。
クーロンの裏通りにあるヌサカーンの病院に。
刑期100万年の男の…いや、ディスペアの所長としての立派な所長室に。
仲がいいけど喧嘩ばかりしてるノーマッドとカモフックの所に。
シュライクで再び眠りについた済王の所に。
サンダーのいる、ヨークランドの高台に。
滅びた剣豪のリージョン、ワカツに残った、ゲンさんの所に。
マンハッタンでデートしているフェイオンとメイレンへのプレゼントに。

そしてマーグメルに最後の指輪を投げると
ぐにゃぐにゃに曲がった、元気で大きな文字でお別れの挨拶を書きました。

『さよなら、マーグメル』

45チョロQ ワンダフォー!:2008/03/15(土) 13:36:04
ここはチョロQ達が住むとある町、レッドタウン。
とある一台のチョロQが家に戻ってきた。
いつものように家(ガレージ)にバックで入ると…

「グジャッ!」

……………………

主 人 公 は ト ロ フ ィ ー を 踏 み つ ぶ し て し ま っ た !
そこに現れる幼馴染…というよりはライバル。
急いでトロフィーの上に乗って隠す主人公。
「よう!うん?なんか顔色が悪いな。」
そりゃそうです。返還しなくてはいけないトロフィーをつぶしてしまったのですから。
「まもなくワールドグランプリの季節だな!お前んとこのご自慢のトロフィー、
次は俺様のところへ…あれ?どこに隠した?
まあいい、それを拝むことができるのもあと少しだからな!
しかし貧弱なパーツつけてんな…それじゃ町の予選にも落ちるぞ
おっと、燃料が切れているんじゃないのか?
すぐ前のQ'sファクトリーで給油してもらいな じゃあな!」

そして去っていくライバル…さて、主人公はこの失態をどうするのか…

46T260G編 任務その1 敵メカを破壊せよ 前半:2008/03/15(土) 19:12:06
「機関部被弾、機関部被弾、任務続行不可能。」
戦艦のブリッジにけたたましい警告音と、女性の声が艦内に響く。

「リージョンに再突入できるか!?」
『コントロールします。ただし、着陸は不可能です。』
「解った。再突入後、総員退避。お別れだな」

そう言ってスーツから機械の翼を生やす艦長。
『お元気で、艦長。』

総員退艦を確認‥‥有機体保護機能解除、
全エネルギーを推力に転換
条件変更により任務遂行不能 回転120

何も見えぬ暗闇。そこに乱れた画面が開き…何かが映る。
少しづつはっきりし、彼女の視界を覆ったのは…少年の顔だった。

そして画面は再びプツンと停止した。

ここはボロ。古代の戦争の跡であるこの地の土から
過去の遺産を発掘することを生業とする者が多いリージョン。
この日、技術者タコおじさんの家に一つのコアが発掘され、それに外装…ボディがつけられた。

「本当に生きてたの、そのコア?」
桃色の髪をした少女がタコおじさんに声をかける。
「やってみればわかる。ほれ、動かすぞ。」
タコおじさん…その名の通りタコのモンスターである彼は
沢山の足…というより沢山の腕を用いてコアを修理したのだ。

…だがコアは動かない。
「死んでるみたいね。良かった。
 生きてるコアって変な癖がついてて高く売れないんだもん。」

それに対し、声をあげるのはコアを発掘した少年。
「お姉ちゃん、こいつを売るつもりだったの!」
「あたりまえでしょう。コアだったら安くても1月分の生活費になるのよ。」

すると、ボディをまとったコアが起き上がった。
「やった!生きてるぞ!」
「ふふ、俺様の腕だからな。」
ロボットは辺りを見回す。

「ああびっくりした。まったく、癖悪そうね。」
「パーツ動作確認完了。
攻撃性能最悪防御性能最悪移動性能最悪攻撃性能最悪防御性能最悪移動性能最悪…」
最悪、の言葉を発し続けるロボット。
初めての言葉がそれ…タコおじさんは呆れてしまう。
「なんて奴だ、生き返らせてやったのに最悪最悪って、この恩知らずめ。」

「任務確認:不能 任務確認:不能 任務確認:不能 任務確認:不能」
今度は任務確認。
「戦闘用だったみたいね。」
「戦闘用!?すっげー!! すげーもん見つけちゃったぜ。」

「動作不良、修理を要します。」
台から起き上がったロボットは、
周りにいる3人…少年、少女、タコおじさんに情報収集を行う。

「ボクはタイム。お前を掘り出してやったんだぞ。感謝しろよ。」
「私はローズマリー、タイムのお姉さんよ。ローズでいいわ。」
「あの人はタコおじさん。機械や技術に詳しいのよ。あんたを組み立てたのもおじさんよ。」

挨拶を済ませた後、ロボットはローズに聞かれる。
「あんたは何て名前なの?あるんでしょう、名前ぐらい?」
「制式形式番号T260 認識ID7074−8782−1099」
「何て呼ぼうか?」
「T260でいいじゃん」
そこに、タコおじさんが割って入る。
「Gだ、Gをつけろ!俺が組み立てたんだ、俺の意見も聞け。」
「じゃあ、T260Gね」

そして彼女はT260Gと呼ばれることになり…
タイムの仕事、ガラクタ集めを任された。

「ネエちゃんに一人であちこち行くなって言われてるけど、
 もう一人じゃないし。これから探検だ、
 タイム探検隊だ!ボクが隊長だぞ。」
少年はT260Gに言う。いかにも子供らしい発想だ。

「はい、タイム隊長。」
そして彼女の所属と階級は、タイム探検隊・隊員となった。

ガラクタを掘り起こしているクレーターに到着する。ここがT260Gの掘り起こされた場所だ。

「お前のにんむって何なんだよ?」
「S級優先任務が存在、任務内容は情報欠落により不明。
 特殊状況のため任務確認がA級優先となります」
「ふ〜ん、何だかむずかしいんだな。」

47T260G編 任務その1 敵メカを破壊せよ 後半:2008/03/15(土) 19:13:07
何かの、最優先任務があったらしい彼は、
タイム隊長につられ、今度は換気の悪く暗い、
鉄の焼けた匂いのするガラの悪い建物へと連れてこられた。

「ここはとーき場さ。がらが悪いから一人で来るなって言われてるんだ。
 でも、時々来てるんだぜ。あ、これネエちゃんにはないしょだぞ。」

ボロの闘機場。機械と機械が戦うところだ。
そこには闘機だけでない。酒とタバコを楽しみに来る者もいた。

「おお? 見かけない奴だな。」
男の名はゲン。捻り鉢巻を締めた中年の男だ。
理由は不明だが、喧嘩となると滅法強いといわれる。

「おおタイムか。 お前のか?」
「えへへ、そうだよ。組み立ててくれたのはタコおじさんだけど、
 コアを掘り出したのはボクだよ。」

自慢気に語るタイム。戦闘用だからね、とつけて。

「へえ〜、いい出来じゃねえか。
 じゃあ闘機に出すのか?」
日課でもあり、T260Gをゲンさんに見せるために来たのだが
タイムはここで思わぬことを聞かれ、驚く。

「えっ!」
「戦闘用なら強えんだろう? よし、俺が賭けてやる、一発やってこい!」

彼らは受付に行き、エントリーを済ませそして…彼らの試合が始まる。

1回戦、2回戦、3回戦と彼らはトントン拍子に勝利を続けた。
T260Gの強さはどうやら本物らしい。
思わぬ彼の強さに、相手に賭けていた客は舌打ちをし、
相手メカの持ち主は弱気になり、
強さを見抜いていたゲンはにやりと笑っていた。

だがそこで今日の試合はおしまい。
ゲンさんに喜びの報告をしようとしたとき…だった。
「ゲッ、ネエちゃん!」

ローズがゲンさんの隣に、腕を組んで立っていたのだ。
「まったく、こんな所で遊んでるんだから。
 だいたい、T260Gが壊れたらどうするの!
 もしコアが壊れたら、T260Gは二度と生き返らないのよ!」

叱られてしゅんとするタイム。
だが突如として、闘機場から銃声が響き渡る。

「おらおら、カバレロさんに楯突く奴は、
 おいらがバラバラにしちまうぞ。ケヒャヒャヒャ」

大声を発し、辺り構わずバルカンを撃ち出すロボット、ヴァルカン。
カバレロというのはここらを根城にしている悪徳商人で、
彼はそのカバレロの自慢のロボットらしい。

「いい加減にしなさいよ!カバレロが何だってのよ、
T260G、やっちゃいなさい!」

威勢よく怒鳴るローズ。T260Gを心配していた先ほどとは大違いだ。
そして闘機に出していたタイムが逆に弱気になる。
「おねえちゃん、それムチャだよ。
いくらT260Gでも、あんなヤツに勝てるわけないよ!」
ローズはT260Gに聞く。
「あんた、どうなの? 勝てる?」

「命令を復唱します。敵メカを撃破せよ。」
そう言ってすぐ、T260Gはヴァルカンの方へと走っていった。

48T260G編 任務その2 タイム隊長を救出せよ:2008/03/15(土) 21:43:11
ヴァルカンとの戦いはあっけなくT260Gの勝利に終わった。
帰ってからタコおじさんにメンテナンスを受けたT260Gは、翌日になって目を覚ました。
「よしっと、これで大丈夫だ。あんまり無茶するなよ!」

ふと見ると、タイムが家にいない。
「ローズ様。タイム隊長は?」
「タイム隊長?そんな風に呼ばせてるのか…タイムならあんたの部品になる物を探しに行ったわ」

T260Gは家を出て、闘機場へと向かった。
「やるな、おまえ。賭けといて正解だったぜ」
嬉しそうに言うゲン。だがどうやらここにはタイムはいないようだ。

そんな時、突然ローズが部屋に飛び込んできた。
「タイムが奴らに…連れて行かれちゃったわ!T260G、なんとかして!」

奴らとはカバレロのことだ。昨日ヴァルカンをやられた腹いせなのだろう。
「何とかするとは…どうするのですか」
「タイムを助けるのよ!」

「了解しました、ローズ様。」
そしてゲンも立ち上がった。

「俺も行こう。」
喧嘩の腕には自信があるという彼がいれば心強い。
彼らはタイムを探しに今度はクレーターへと向かった。

「………。」
タイムの帽子がそこに落ちていた。この先に来い…ということだろう。
クレーターにある大昔の装置のものと思われる昇降装置を用い、
モンスターの巣窟である洞窟へと降りる。そしてまた昇降装置から地上へ…

それを繰り返し、最深部でとうとうタイムを見つける。
「タイム!」「隊長!」
動かなくなったタイムを。

そしてその傍にはカバレロの部下、
骸骨モンスタースパルトイと、カバレロの用心棒、ダエモン。
「お前達、タイムに何をした!」
「い、いや、別に、そんな怒るなよ。」
突然慌て出すダエモン。
「…隊長の生命反応を確認。」
どうやらタイムは無事のようだ。
「そうか、生きてるか。お前達、良かったな。
 タイムに、もしもの事があったら、ただじゃおかんところだ。
 見逃してやるからどこへでも行け。」

「へ? そ、そうですか。」
そう言って、一瞬逃げようとする…が、すぐに向き直り、ツッコミを入れる。
「バカ言ってんじゃねえ!!てめえ立場がわかってんのか?ぶっ殺すぞ!!」
「…やってみるか?」
言うとゲンはそこら辺に落ちていた鉄パイプを手に取り…

そして戦いは圧勝だった。T260Gの強さもあったが、それ以上に
鉄パイプを手に、今まで使わなかった剣術を用いるゲンの強さは計り知れないものだったのだ。
「大丈夫かタイム!」
「ご無事でなによりです、タイム隊長。」

その翌日、T260Gは本題をタイムに話す。
「隊長、[A級優先任務:最終任務確認]の遂行を希望します。
 別のリージョンへの出発許可を願います。」
そう、T260Gには最優先任務が存在し
今は何よりその最優先任務を思い出すという優先任務が存在するのだ。
だが、子供心にはそれが通じるはずもなく。
「ダメだよ! 隊長を見捨てるのか?!」
「任務確認が優先します。」

「まあ、ここじゃ情報も部品も手に入らんしな。」
タコおじさんも言う。続けて、ローズはタイムを説得する
「タイム、T260Gは私たちやボロの人達のために十分戦ってくれたでしょ」
「そんなこと解ってるよ!」
「隊長の許可が無ければ出発できません。」

そしてタイムは泣きながら、家を飛び出していった。
「そんなに行きたきゃ、どこでも行けよ!」
だがその言葉は、文字の通りにしかT260Gには認識されなかった。
「ありがとうございます、タイム隊長。」

その日、彼女はリージョン・シップに積荷としてベルトコンベアで運ばれていった。
「クズ鉄と一緒に…」
「ひどいよ、ゲンさん!」

「あいつがああしろって言ったんだ。あれならタダで乗れる。しかも金までもらえる。ほれ。」
「T260G、私たちのために…」

そう。T260Gは自分をクズ鉄として売りに出すという形で無料でシップに乗ることにしたのだ。
「あいつはメカだから、思いやりとかそういうんじゃないだろうがな。
まあ、あいつなりに何か考えてるんだろうさ。
あいつのことは俺に任しとけ。カバレロとも話をつけてくる。」
そう、カバレロとカタをつけることもまた目的の一つだったのだ。
「ゲンさんでだいじょうぶかな〜」

「お酒飲んじゃダメ!」
「わかった、わかった。それじゃ、元気にしてろよ。」

そして…リージョンシップは旅立っていった。
二人の子供たちをボロに残して。
「かえってこいよ〜、ぜ〜〜〜ったい帰ってこいよ!!!」

49T260G編 任務その3 ファクトリーに侵入せよ:2008/03/15(土) 22:48:08
「おお、酒場だ!酒場だ!!」

目的地、スクラップに着くなり、ゲンは酒場に入る。
T260Gも一緒に入る。

ゲンはひたすらお酒を飲んでいるようなので
その間にT260Gは情報収集を行うことにした。

「メカが酒場で何してるんだ?」
青髪の男、リュートや
「記憶障害か… 君のコアは相当に古いタイプのようだね。
 詳しく調べてみないと何とも言えないな。
 ああ、私はこういう者だ。」
シュライクの中島製作所の社長などがいた。

奥にいた緑色の髪の少年と、チャイナドレスの女性にも話をしてみた。
「なに?」
「うわー、鉄のかたまりだ!!」
少年の名はクーン、女性の名はメイレンというらしい。

「カバレロってやっぱりひどい奴ね。
 私たちもカバレロに用があるのよ。一緒に行きましょう。
 十字路を上へ行った左側にカバレロの事務所があるわ。」

メイレンとクーンも何かの用事でカバレロに用があるらしく、
4人はカバレロの事務所へ向かった。

「あんたがカバレロか?」
「そこのメカ、もしかして、うちの連中がやられたってのはお前か?」

黒服でタバコをふかす男。コイツがカバレロだ。
「そうか、そうか。よ〜くわかった。
 かわいい子分どものお礼はたっぷりさせてもらおう。
 うちのファクトリーまで来い。ぺちゃんこにしてやる!」
と…怯えたような口調で言うと奥の扉から微妙に速い足取りで歩いていってしまった。

「カ、カバレロさん…」
「に、逃げた…?」

ゲンは女子供、即ちメイレンとクーンに言う。
「ってわけだ。ここから先は危険だ、あんた達は帰ったほうがいい。」

だが意外にも度胸があるこの女性はゲンに言う。
「心配してくれてありがとう。でも、危険は承知の上よ。
 それにしてもカバレロのあの慌てよう、笑えたわ。
 そのメカ、いったいなんなの?」
「まあ、秘密兵器みたいなもんさ。」
へー…と、面白そうにクーンはT260Gを見てきた。

そして4人はカバレロファクトリーへ。
工場の倉庫でこっそりついてきたリュートも加えた5人は
怯えたカバレロが待つ工場へ潜入した。

沢山のカバレロの部下達のテリトリー。
高台の上からの射撃もなんのその、5人はどんどんと突き進み
カバレロの元へたどり着く。

「くそー ここからが本番だ!行け!!」

そして現れたのは復活したヴァルカン、ヴァルカン・改。
だが彼ら5人の敵ではなく、あっさりと敗れる。

「わかりました。ボロには決して手出ししません。」
「わかりゃいいんだよ。」
頭を下げるカバレロに、ゲンは更に加えて要求をする。

「ところでだ、こいつがシップに乗りたがってるんだ。
 あんたの力で何とかしてくれよ、カバレロさん。」
「……ハイ。シップのパスを用意します。
 もうどこへでも行っちゃってください。」
ひたすら頭を下げ続けるカバレロ。

そして一件落着。5人は情報収集のためクーロンへと飛んだ。

50T260G編 任務その4 博士にコンタクトせよ:2008/03/15(土) 23:16:45
クーロンの情報端末で得られた情報は3つ。

マンハッタンにいる天才科学者・レオナルド博士のこと。
スクラップの酒場にいた中島社長の構える中島製作所のこと。
シンロウの奥地に古代のリージョンシップが遺跡として残っていること。

そして今回はそのうちの
レオナルド博士へのコンタクトを試みることにした。

マンハッタンのファーストフード店。
すらりとした体の美青年がそこにいた。

「レオナルド・バナロッティ・エデューソン
 という人物の情報を求めています。ご存知ですか?」
青年に彼女は話を持ち出した。

「うん、まあね。ところで君、見かけないタイプのメカだね。
 どこのメーカー?」
「タコ様に組み立てていただきました。」
「タコ様?個人の手作りメカなのか…よく出来てるな……
 君は、レオナルドの何が知りたいの?」
「レオナルド氏に、自分の解析を御願いしたいのです。」

そして彼女は、青年に事情を話した。
「そういうことなら、レオナルドも興味を持つと思うな。
 案内するよ、ついておいで。」

そしてセントラルゲート内の研究所へ案内する彼。
こういう口ぶりであることは、恐らくは彼は…

「さあ、ここだ。
 そう、ボクがレオナルドだよ。
 君の名前を聞いていなかったね。」
やはり彼こそがレオナルド博士、その人だったのだ。

「T260Gです。」
「じゃあ、さっそく調べてみよう。」

そう言って彼は、T260Gを装置に入れ
体の解析を開始した。

様々な色の光が彼女の体を透過する。

まず博士は結論から口にした。
「君のコアは、現在使われているタイプのコアではないね。」


「トリニティ・タイプとの共通点もあるんだけど、
 違っている所の方がずっと多いんだ。」
トリニティといえば、マンハッタン、タルタロス、ニルヴァーナで構成される
現リージョン界の統治機関。
その政府のロボットと少しだけタイプが近いのだという。
これは何を意味するのか。

「だから、これ以上はコアを分解しないと調べられないな。
 それにしても、君を組み立てたタコさんはすごい技術者だね。
 手が4、5本は無きゃ出来ない様な仕事がしてあるよ。」
そう、タコおじさんは名前の通りのタコだからだ。
彼の技術力もさることながら、
これは彼の体を最大限に活かしての仕事だったのだ。

「それに、君のパーツ一つ一つに注意書きがしてあって、
 ボクが調べることはほとんど無いような状態だったよ。」
本当にタコおじさんは丁寧にT260Gの復元を行ってくれたらしい。
そして最後にレオナルドは言った。

「調査ついでに少しパーツを追加しておいたよ。
 メモリーが足りないって殴り書きがしてあったんだ。」
パワーアップまでしてくれた。
これで彼の能力は飛躍的に上昇することだろう。

「ありがとうございます、レオナルド博士。」
「ボクも楽しかったよ。通行証を渡しておくから、いつでもおいで。」

人柄のいい博士であった。だが、こんな人に限って…不幸は訪れるものである

51T260G編 任務その5 最終任務を確認せよ:2008/03/15(土) 23:48:26
シュライクの中島製作所。
平和なこの町にあるこの製作所の真ん中に技術者達が集まっている。
皆、揃って難しい顔をしたり、青ざめたりしている。
「やあ。よく来たね。君のことを調べてあげると言ったんだが…
 困ったことになってね。」

社長の言うには、こうだ。
重要なデータを乗せたメカマウスを、
古の王、済王の眠る古墳に逃がしていたのだが
帰還命令を出しても戻って来ず、反応もないらしい。

「社長、彼に頼んだら?」
「おいおい、それはないだろう……
 いや、君に頼めないかな?マウスを探してきて欲しいんだ。」
「それがあれば、私の調査ができるのですね。
 わかりました。それでは出発します。」
製作所の開発した修理用メカ、特殊工作車を加え、
一行は古墳へと急ぐ。

モンスターのはびこる古墳の中でも下の階層、
王の玄室を開けるための鍵、三神器の一つ…剣のある階層で
メカマウスはのんびりくつろいでいた。
「目標物回収。これより帰還します」

「ありがとう、ありがとう…!」
そして製作所に戻った彼は、メカマウスに収められていたデータの中身を知ることとなる。
「うちでは人が乗り込んで、完全変形する戦闘メカを開発していたんだよ。
 コードネーム「ワルキューレ」だ。」

「それが、トリニティから横やりが入ってね。
 人が乗るタイプはダメになった。そこで、
 これが「ワルキューレ」の技術を応用して
 若い連中が試作した自律型の戦闘メカ「零式」だ。
 「れいしき」なんて名前、近ごろの若い連中のセンスは理解できん!」

ナカジマ零式。スリムな青いボディが特徴のメカだ。
「「零式」起動準備完了。」

そしてそれは起動された。するといきなり彼は縦横無尽に
製作所内を飛び回り始めた。
「こんな狭い所で起動するなんて、非常識ですね〜。」
「だれだ、 こいつの疑似人格のモデルは? ヒロシか!」
どうやら性格に癖のあるメカらしい。
「失われた任務ですか〜、ロ〜マンチックですね〜」

そしてナカジマ零式を加え、新たにボディを6タイプから選んだものに新調し、
彼は得られた3つめの情報、シンロウの古代シップへと向かった。

「周辺環境、推定経過時間を考慮すれば、
 保存状態は極めて良好。微弱ながらエネルギーを感知できます。」
この先に何かがある。
内部は薄暗く、道がわかりづらい。
そんな中でも彼女らはモンスターの巣食うシップの中を進んでいき、
最深部の情報端末の部屋にたどり着くことが出来た。

「ここなら何か情報がありそうだな。」

まずはT260で検索をかけてみた。

 形式番号:T260
 種別:システム・コア
 設計:KT 製造:MMW
 対RB3型用に設計された
 Tシリーズの最新型
 詳細諸元は極秘

RB3…。
今度はこの単語で検索をかけてみる。だが…データが破損しているという。
今度は一部破損しているながらも、日誌のページを読んでみることにした。

@諦┛らけQへドライブ中。臨戦態勢を解き、第2警戒へ移行
HQにて任務受領。目的地へ発hヶ!χ

そして戦闘プログラムをT260Gがダウンロードすると…
数千年生きた端末は電源を落とした。まるで最後の力を振り絞り、
T260Gに未来を託したかのように。

「電源が死んだな。何か分かったか。」
「T260タイプの情報とHQの存在情報を得ました。
 私の任務はRB3型の破壊であることが確認されました。」

「HQとかRB3型ってのは何だ?」
「HQは司令部だと推定できます。RB3型については情報がありません。」
「次の目的地は司令部か。」

とうとう明らかになった最後の…本来の敵。RB3.
この名前と、次の目的地、司令部HQの名を脳裏に刻み込み、
彼女らはシップを後にした。


そして…中島製作所に戻った彼女達は驚くべき事実を耳にする。
レオナルド博士が、謎の爆発事故によりこの世を去ったというのだ。

52T260G編 任務その6 中央情報室へ潜入せよ:2008/03/16(日) 18:32:40
セントラルゲート・レオナルド博士の研究所。
博士の身に一体何が起こったのか。
そして、彼は死ぬまでの間に何か情報を掴んでいたのだろうか。
それらを調べるべく、T260Gはパスを用いて
主なき研究所へ入り込んだ。

研究所を一回りしてみるT260G。
彼女がパネルに立ったところで、あり得ない声が聞こえてきた。
今はこの世にいないはずの者…そう、レオナルド博士の声だ。
「今そこにいるのは、T260G君だね。
 済まないが、そのスイッチを押してくれないか」

博士は亡霊…つまり、モンスターになったのだろうか。
彼女はボタンを押すと、以前から存在していた部屋の中心にある
円形の、少し盛り上がったフタらしき部分が開いた。
そして…
蒸気をあげるその中から現れたのは、
真ん丸い顔と丸みを帯びた小さな体…コケシのような形をしたロボットだった。
そのロボットから声が発せられる。レオナルド博士の声が。
「こういう事態に備えて、
 自分の人格マトリックスをこのメカに移しておいたんだ。
 君と同じになったね。」

そう、レオナルド博士の体は機械になっていたのだ。
全く姿は変わってしまったが、意外にも彼は落ち着いた様子だ。

しかし備えたとはどういうことだろう。
単に、有名人は命を常に危険にさらされるということや、
これほどの頭の切れる人物なら
万一のことも万全に対策してあったということならいいのだが。

「何と御呼びしましょうか?」
「ボクはレオナルドだよ。体はメカになってしまったけれど、
 他は変わらないからね。君の方はどうだい?
 何か新しい情報は手に入った?」

そしてT260Gは簡単に説明を行った。
「ボクも色々と調べてみたんだけど、
 トリニティの情報セキュリティに引っ掛かって先に進めないんだ。
 これ以上は、もっと中枢部に行かないと無理だね。
 タルタロスの内部に中央情報室が置かれている。そこへ行こう。」

タルタロス。トリニティの機密が収められているとされる、
トリニティの一角にあたるリージョンである。
無論、そんな所へは民間人が入り込むことはできない。
…そして、レオナルド博士でさえも。

「このコンテナに乗って潜り込もう」
狭いコンテナ内。それに乗り込み、彼女達はいよいよ
タルタロスへと潜入した。

中は常時厳戒態勢。
無数のメカが蠢き、幾重ものセキュリティが働き、侵入者の行く手を阻む。
途中、脅威の巨大マシン、モービルマニューバとも4度遭遇することとなった。
だが彼らはそんな厚き壁も乗り越え、
いよいよ中央情報室の巨大端末から情報を引き出す段階まで来た。

「ボクのパスワードではダメだね……
 これならっと…」

すると出たのは謎の数列。これは一体何を意味しているのか。
博士にもわからないようだった。

「ダメだ! 信じられないな〜。君の構造から情報をたどっていくと
 執政官クラスのパスワードがないとアクセス出来なくなるんだ。
 君ってすごい秘密の持ち主だね。この数字を解決する糸口があればな…」

T260Gの情報を手に入れるにはここでも無理だという。ならば…
次はRB3について検索を行ってみる。
だがそれも良い成果は得られず。

「「HQ」との関連性は?」
そう、彼らが向かうべき場所だ。
…そこで博士は気がついた。

「そうか! シップドライブの航行データだ!
 君の言う「HQ」かどうかはわからないけれど、
 このデータでドライブしてみれば、
 その先にきっと何かがあるに違いないよ。わくわくしてきたぞ。」

そう、謎の数列こそがHQへの道標。
これを辿っていけば…いよいよT260Gの秘密が明かされるかもしれないのだ。

そうと決まれば話は早い。彼らはタルタロスから速やかに退散し、
HQへのシップを手配するのだった。

53T260G編 任務その7 メインフレームに接触せよ:2008/03/16(日) 19:10:21
「レオナルドだけど、シップをチャーターしたいんだ。」
「レオナルド様?あなたが?」

面食らっていたシップ発着場職員。
しかし、本人証明が終わるとにわかには信じられない様子ではあったが
シップを手配してくれた。

「すごい基地だね。トリニティが最高機密にしているだけのことはあるね。」
そして着いた場所はタルタロスと違い、綺麗に整備された
巨大な施設。強力な兵器の数々が収められたこここそが、HQ…司令部である。

別れ道の片方が兵器庫へと繋がり、もう一つは次のフロアへと繋がる。
そんな構造のHQをひたすら進んでいくと…
開けた、下が見えないほど高い場所にある中央端末へとたどり着く。

「機能停止状態です。
 侵入したウイルスによるシステムの崩壊を防ぐために、
 システム自身が部分停止しウイルスを食い止めています。
 これから、システム内部へダイブしウイルスを除去し、
 機能を回復させます。皆さんはここに残ってください。」

バーチャル空間での、HQを侵したウイルスとの戦い。
だが、残っていろといわれては男ゲンは黙ってはいなかった。
「ここまで来て、お前だけを行かすわけにはいかないさ。
 ガキんちょどもとの約束もあるからな。
 どこへでも飛び込んでやろうじゃないか。」
「了解しました。作業を行います。」

そしてバーチャル空間へとシフトする。

そこは、虫に食われフレーム部分が露出したポリゴンの町。
人工物であることがはっきりとわかる。

至る所に虫が沸いている。近づくと虫は本性を表す…ウイルスだ。
四本の触手を生やした丸い物体として認識される。

ウイルスを倒すことによりどんどん町が復興していく。
城門の中に入ると、突然ウイルスたちが群がってきた。
どうやらメインフレームにウイルスが群がっているらしい。

それらを排除し、メインフレームにコンタクトをすると
途端に全てのウイルスがデリートされ…
町は元に戻った。

後は、メインフレームと真にコンタクトするための場所へ行くだけ。
そこは教会の中。複雑なパズルを解き、
彼女はとうとう…何もない無の空間でメインフレームと対峙した。
「システム中枢だ。遂に秘密が明かされる時が来たぞ。」

気がつくとレオナルドが人間に戻っている。
「レオナルドさん、なんで人間に戻ってるんだ?」
「ここでの姿はどうせ偽物だよ。どんな姿だってとれるのさ。」


彼女は、「ただいま」を告げる。
「システムに対して、認識を要請します。」
「適合要素として認識しました 攻撃目標から削除します」
「認識番号 ID7074−8782−1099」

そして「おかえり」の言葉。
「ID確認
 よく帰ってきました7074−8782−1099
 ウイルスを撃退してくれたことにも感謝します」

そして、一言で長らく悩み続けてきたことが解消されることとなる。
「破壊されているデータがあります。修復しましょう」

破損データの修復、即ち…記憶の回復だ。
「おい、思い出したか?」
「S級優先任務・RB3型破壊を遂行します。
 すべての機器の優勢使用権を要請します。」

残存機器の確認中…
機能停止中に多くの機器が何者かによって撤去されています
オメガタイプのボディ1体が残存しています
その他しべての機器の優先使用権を付与します
このHQの機能回復でRB3型も活動を再開します
速やかな任務達成を希望します

それが何を意味するのか…ゲンさんにはわからなかった。
そして彼女達は現実に戻り、T260Gは戻ってくるなり…
その言葉を発した。

「出撃します!!」

54T260G編 任務その8 RB3を破壊せよ:2008/03/16(日) 19:32:32
HQからの帰り道。
ゲンはT260Gを追いかけつつ、彼女と話をする。

「おい、待てよ! RB3型って何なんだ!」
「RBタイプはリージョン破壊兵器です。
 1、2型は通常の方法で破壊できましたが、3型は全く異なる製造をしており、
 その破壊のために私のタイプT260が作られました。」

RB、リージョンバスターシリーズ最強の3型。
それに対抗すべく生まれたのが彼女…古代の戦闘艦、T260だったのだ。
「リージョン破壊兵器!?」

「リージョン破壊砲による攻撃を受けると、
 リージョンは圧壊し混沌に飲み込まれ消滅します。
 3型は進路上のリージョンを無差別に破壊していきます。」
「なんてこったい…」
話は一気に、リージョン界の存亡を賭けたものとなっていた。

道の傍らに安置されていたT260最強のボディ…
オメガタイプが目に止まる。純白の流線型ボディ、頭の輪、翼。
まるで天使のようだった。
「オメガボディ、エネルギー注入中。エネルギー充填終了。」

そして…鋼鉄の天使となったT260は、飛行形態になってHQを飛ぶ。
「このHQの活動再開を探知して、侵攻してくるものと予想されます。」
「それじゃ、ここをぶっ壊しちまおうぜ!」

そう。HQさえなくなればRB3の破壊対象はなくなるのだ。
「私の任務はRB3型の破壊です。」
任務には従わなければならない者の、それが定めだったのだ。
「仕方ねえな。まったく、大事になっちまったぜ。」

「敵はどんなヤツなんだ?」
「形態は遭遇するまでわかりません。ただし、
 シップとしてのドライブ能力を持っているのは間違いありません。
 こちらも接近のためにシップが必要です。」
そう、相手は混沌の中を走るもの。
近づくためにはこちらもシップがなければ。

「接近してどうする?」
「RB3型の中枢に侵入して破壊します。」
「簡単に言うぜ。」
彼女達の最後の戦いが今始まる。

マンハッタンから発着される最新鋭リージョンシップ。
それをまたもチャーターし、彼女達はいよいよRB3へと近づいていく。


敵が…現れる。

「でかい…… 誰がこんなもの作ったんだ。」
相手は、あまりにも巨大すぎた。

「RB3型自身です。
 蓄積されたデータから最も効果的な形態を選択し、
 混沌から自らを創造するのです。」
自己を再生し、自己を変形させ、自己を防衛する、あまりに強大な自律兵器。

「それが、RB3型の機能です。」
「創造主というわけか。」
とてつもなく大きな船体を持ち、船体に比べて小さな、
持ち上げられた4機の砲門一つの直径で
すでにシップの5倍はある。
こんなものを向けられたらひとたまりもない。
エネルギーの高まる砲門の傍を通り…
「開口部より侵入します。」

彼女達は降り立った、RB3の戦艦内に。

中は強力なメカばかり。
開けた場所に出たと思えば、侵入者を阻む巨大なレーザーの雨。
スイッチを使いこれを止め、奥へ進むと今度は大量の迎撃メカ。
9回の戦闘の後に暗い闇から姿を現した巨大メカ、機械神バロール。

それら全てを破壊した所で彼女達は行き止まりに到達する。
端末室だ。
「ここをぶっ壊せば終わりか?」
「いいえ。これから、RB3型の内部へダイブして、破壊します。」
RB3のコアはどこにあるかなんて解らない。
恐らくは外部からの物理的破壊など不可能。
「ダイブして、内部から破壊します。それが私、T260型の機能です。」

だからバーチャル空間にまたシフトし…コアを直接彼女達が叩くのだ。
彼女達自身がウイルスとなって。

「それが、お前の本当の任務か。」
「はい。ゲン様は皆さんを連れて脱出して下さい。
 コアが機能を停止した場合の事態は予測不能です。」

ここまできてそんなことを言うT260Gにゲンは呆れる。
「お前な、いい加減にしろよ。HQの時もそうだったが、
 ここで帰れって言われて、ほいほい帰る奴はいないんだ。
 少しは学習しろ!」

そして最後にゲンは言った。
「さあ、さっさと終わらせて一杯やるぞ。」
「了解しました。」

55T260G編 任務その8 RB3を破壊せよ 後半:2008/03/16(日) 20:37:52
「これより自己再生コードの分解を開始します。
 ここは、最も強固に守られているコードです。準備はよろしいですか。」

バーチャル空間は洞窟、密林、砂漠の3層に分かれていた。
最奥部、砂漠の中心部に、一本だけ生えた樹…
それが…最後の敵だった。
捻り鉢巻の酔っ払いの中年、純真無垢なモンスター少年、
いびつな人格を持つロボット、元人間のロボット博士。
そしてRB3を倒す任務を担った古代兵器。

電気信号に変換された彼らが今、意志を持って戦いの場に戦闘態勢で構える。
辺りの風景が細切れになり突然砕け、真っ暗な闇に包まれ…
そして樹が光束に包まれ本当の姿を現すと共に辺りは明るくなる。

RB3の本体、ジェノサイドハート。
部屋の中心に位置するそれを
彼女達がそれを取り囲み、
それの周囲で起動するは無数のディスプレイ。
そして背景には無数の情報が光となり行き交う。
これがRB3の中心部、メインルームだ。
「警告、警告、セントラルシステム内にウイルスの侵入を感知。
 セキュリティレベル1 アイスシステム作動」
戦いの始まりを告げる警告だった。

『NO FUTURE』
開幕早々、システム音と共にジェノサイドハートは文字列を表示し、
無数のディスプレイに向かって恐るべき速度のレーザーを5本発射され、
カカカカカ、とディスプレイに反射音を響かせ、恐るべき精密さを以って
彼らの元に降り注ぎ、貫く。
これがジェノサイドハート最強の技、カーネイジだ。
その後すぐにディスプレイはどこかの風景を表示し、
そのどこかへと世界はヴァーチャルシフト、
ジェノサイドハートの攻撃パターンはそれへと変わっていく。
そのパターンが破られるとメインルームに戻り
セキュリティレベルを一段階引き上げ、
カーネイジを発射、そしてまたヴァーチャルシフト。

3回目のヴァーチャルシフトが破られたジェノサイドハートは、
これまでの3つの空間の能力を全て用いて、
メインルームにて最後の戦いを挑む。

そしてT260Gはこの時のために用意された最強の機能、
V−MAXを起動する。
全能力が大幅に上昇し…彼女はとっておきの、最強の技を
ジェノサイドハートにぶつける。

空中へ飛び上がり、光の雨を降らせるスターライトシャワー。
そして自らが光となって縦横無尽に飛び回り、敵に自らをぶつける
コズミックレイヴ。

その攻撃の瞬間、ジェノサイドハートはフリーズし…
「NO FUTURE」

バグを起こしカーネイジを発動するそのままの体勢で止まった。
自分の状況を悲観したか、或いは捨て台詞のようにも見えた。

ディスプレイは力を失いガシャリガシャリと落下し、
あたりはけたたましい警告音と電流に包まれ…
そしてジェノサイドハート、即ちRB3最期の瞬間が訪れる。
…大爆発だった。

56T260G編 最終任務:2008/03/16(日) 20:39:16
バレ注意














帰りのシップの中、彼女は眠っている。
「おい、どうした。 エネルギー切れか?」
「任務が終わったのさ。敵を消滅させて、彼の存在意義も消滅した。」
レオナルドが言う。
古代の存在はこの時代にいるべきではない。
もう彼らの時代なのだから。
RB3も…T260Gこと、T260も。
「楽しかったよ、T260G君。さようなら。」
レオナルドは帰っていった。

そしてさようなら、T260G…
だが、それを許さない男がいた。
「おい、眠ってる場合じゃないだろう。
 もう一つ任務が残ってるだろうが!しゃんとしろ!
 この、クズメカが!」

T260Gをゴツンと叩く。

その瞬間、暗闇だった画面にメモリーが一瞬フラッシュバックした。
少年の顔…。

「かえってこいよ〜、ぜ〜〜〜ったい帰ってこいよ!!!」
「これから探検だ、タイム探検隊だ!ボクが隊長だぞ。」

そう、タイムだ。


「ゲン様。」
「やっと御目覚めか?みんな帰っちまったぞ。」
T260Gは起きた。

「HQでのデータ修復時に任務処理優先ファイルがマスクされ、
 不正な動作を行っていました。」
「また、小難しいことを言う。で、どうするんだ?」

そう、本来の任務を思い出した彼女は、
この時代で彼女が帯びた任務を忘れかけていたのだ。

「ボロへ帰ります。」
「分かってりゃいい。それじゃあな。」

「ゲン様はボロへ帰らないのですか。」
「俺が帰るべき場所は別にある。ガキんちょどもによろしくな。
 おっと、帰るなら元の体に戻っといたほうがいいぞ」

そして、彼女は最後の任務を読み上げる。

「認識ID7074−8782−1099
 タイム探検隊所属
 直属指揮官タイム隊長
 総指揮官ローズマリー様」

「これより、原隊駐留地ボロへ帰還します。」

そして任務を果たした彼女は、
小さな上官達の、暖かな力いっぱいの歓迎を受けたのだった。

57戦え!アルカイザー 第一話 誕生、正義のヒーロー・アルカイザー!:2008/03/17(月) 00:22:26
平和な町、シュライク。
リージョン界の中でも平和なこの町には
事件といえば、10年前に少女が失踪した事件ほどのものであり、
今では至って平和な日々が流れていた。

その日、バイオニクスの権威、小此木博士は、
息子の小此木烈人と車で外出、そして夫人と妹の待つ自宅へと帰宅中であった。

「…Dr.クラインがブラッククロスの幹部と結託している証拠だ。
これを、IRPOへ持っていけば、Dr.クラインの悪事を阻止できる。」
「父さん、なぜそこまでDr.クラインの事にこだわるんだ?」

「彼と私は共に学んだ。だが、彼は研究のためには手段を選ばなくなっていった。
私はそれを止めることができなかった。学会から疎外されていく彼を救えなかった…
私はこれ以上彼に悪事を重ねて欲しくない。
あんな風になってしまっても、彼は私の友だ。」

Drクラインを止めんとする小此木博士の想いは確かなものだった。
だがその日、彼らに惨劇が待ち受けていようとは誰が予想したであろうか。

その時である
突如として、謎の鉄の塊が彼らの車に降ってきたのだ!

「うっ…… 父さん!
くそっ、ブラッククロスの奴等め…」

襲い掛かってきたブラッククロスの魔の手。
起き上がり、車から抜け出すことに成功した烈人は
すぐさま自宅へと急ぐと、なんと…自宅は炎の中だったのだ!

「ウォオオオオオオオオオオオ!!」

妹も、母も…父も。一瞬にして家族全てを失ってしまった烈人。
そんな烈人の前に立ちふさがったのは5人の男。
そのうち4人は悪の組織ブラッククロスの戦闘員。
そして中央の1人はそれらを束ねる男…
改造人間・シュウザーだった!

「キサマ、小此木博士の息子だな。
 死ね、母と妹の後を追わせてやる!」

シュウザーは烈人に容赦なく襲い掛かってきた。
爪でのクロー攻撃。
抵抗は試みるもまるで歯が立たず…
烈人は無惨にも倒れてしまったのだ。

その時、黒き戦士がシュウザーに一撃を輝ける一撃を放った!
「シャイニングキック!」

腹部を押さえ、シュウザーが苦しみだした。
「遅かったか…
 シュウザー、私が相手だっ!!」
燃え盛る炎を前に、黒き戦士はシュウザーと互角の勝負を繰り広げた。
クロービット、アル・ブラスター。激しい技の応酬が続き…そして
シュウザーは跳躍し、その場を去っていった。

気を失い、命も危うい烈人に向かい戦士は言葉をかける。
「しっかりしろ! いかん…このままでは助からない!」

そう言うと、なんと黒き戦士は烈人を変身させたのだ。金色と赤の戦士へと!
「おい、しっかりしろアルカイザー。」

起き上がった烈人。もう怪我はどこにも見当たらない。
「アンタ一体何なんだ、その格好は!
 俺にもこんなもの着せて、ふざけているのか!」

昂る烈人。
「いいか、君の命を救うにはこれしか方法がなかった。
 君をヒーローにするしか方法がなかったのだ。
 君にその資格があるかどうかを細かく調べている余裕がなかった。」

「だが、君は今日からヒーロー『アルカイザー』だ!
 ヒーローになってしまったからにはヒーローの掟に従わなければならない。
 ヒーローにふさわしくないと判断されれば、消去される。
 一般人に正体を知られた場合は、すべての記憶を消される。」

英雄への厳しき道。彼はこの場で、それらを辿ることを余儀なくされたのだ。

「ヒーローは強いのか? 俺を強くしてくれたのか?」
「ヒーローの力は正義のために使わなければならん。」

しかし烈人にはまだ、ヒーローとしての自覚が足りなかった…

「ブラッククロスの奴等をぶちのめす!」
「復讐はいかん!正義の戦い以外に力を使えば、君は消去されるぞ。」

だが、彼の悪を憎む気持ちは確かだった。
「どのみち死んでいたんだろう。ブラッククロスだけは許さねえ!」

こうしてここに、新たなるヒーローが生まれたのだ。
戦え、アルカイザー!

58戦え!アルカイザー 主題歌(歌詞は非公式):2008/03/17(月) 00:34:29
熱き想い 鋼の胸に宿した 白き光の翼
(ウォーオー オー オー オー)
世界の奥 深く蠢くブラッククロス
その野望打ち砕く 日まで
悲痛に塗れた 遠い記憶が
その拳を炎へと 『変える』!

進めっ!アルカイザー!! そうさお前は
愛に彷徨い 歩き続ける 旅人
(ウォーオー オー アルフェニックス!×2)


平和の日が 邪悪に霞みそうなら 魂を振り絞れ
(ウォーオー オー オー オー)
揺るぎのない心が 暗黒をかき消す
突き抜けろ 必殺アル・フェニックス
友に授かった 優しさという
名の力を勇気へと 『変えて』!

戦えっ!アルカイザー!! そうさお前は
孤独に強く 歩き続ける 旅人
(ウォーオー オー アルフェニックス!×2)

「例えこの身が朽ち果てようとも、決して諦めはしない!」
「この世に明日を信じる心がある限り!」
「失いはしない、希望のエナジー!」
「説明しよう!!
 小此木烈人は、サントアリオからやってきた戦士アルカールから授かった力で
 正義のヒーロー・アルカイザーへと変身するのだ!」
「うぉおおおおおおおおお!変身!アルカイザー!!」


友に授かった 優しさという
名の力を勇気へと 『変えて』!

戦えっ!アルカイザー!! そうさお前は
孤独に強く 歩き続ける旅人
進めっ!アルカイザー!! そうさお前は
愛に彷徨い 歩き続ける旅人
(ウォーオー オー アルフェニックス!×4)

59戦え!アルカイザー 第二話 地下駐車場の戦い!:2008/03/18(火) 22:15:41
「あと3つ上げろ、よし、ストップだ。
 お前も少しは使えるようになってきたな。どうした?」
「いや、ホークが俺を誉めるなんて何かあったのか?」
「ちゃんとやれば誉めてやる
 到着準備までに間がある、休憩にしよう。」

家族を失ったレッドは、父の親友ホークの勤める
豪華客船シップ・キグナス号乗員の見習いとして働き始めた。

レッドは同じく働く少女、ユリアにデートの約束を取り付けると
すぐに仕事に戻った。

今日の行き先は娯楽で知られるリージョン・バカラ。
ブラッククロスはここにはいるはずはないので今回は何も情報は得られない…
と思いきや。

「ブラッククロスの慰安旅行か?」
なんと青き戦闘員達が何食わぬ顔でスロットに励んでいるではないか。
「…無視するなよ。」
全然動じることのない彼ら。
青い戦闘服ということは…おそらく上司は彼。

「あ、シュウザーだ」
そういうと彼らは一目散にどこかへ走っていった。
本当にやつはここにいるらしい。

地下へ向かったらしい戦闘員達を追い、こちらも地下へエレベーターで急ぐ。
…そうだ、エレベーター!

「何なさるんです、お客様!!」
エレベーターガールを強引にどかし、エレベーター内で変身すると
レッド…いや、アルカイザーは、地下駐車場で彼らと出くわす。
「バカどもが!カジノに遊びに来たわけではないぞ!」

「ブラッククロスが修学旅行か?シュウザー、お前がここにいるとはな」
「誰だ、キサマは!」

アルカイザーとしての初の対面。
「正義の使者、アルカイザー! ブラッククロスの悪党ども覚悟しろ!」
ここで勝負をつけることができるか…?
と思われたが。

「キサマのようなイカレた奴に構っているほどヒマではない。
 始末しろ!」

シュウザーはアルカイザーを相手にもせず、
部下を放って去っていってしまった。

戦闘員達を次々に蹴散らし、
リーダーと思われる怪人との対決となった。

昆虫怪人・アームウォーカー。
虫ならではの強靭な体を持つ強敵だ。

だがアルカイザーの力はそれに屈するようなものではない。
愛剣レイブレードを手に怪人を追い詰めていく。
だがそんなときに。

「ブ、ブラッククロスさま… お力を…」
突然空間がゆがみ…あたりは目玉のような床をした、揺らめく空間になっていた。

「ここは、不思議空間トワイライトゾーン。
 怪人たちの能力はここでは3倍になるのだ!」

思わぬブラッククロスの力。
だがそれに屈することなく、アルカイザーは
必殺技のひとつ、ブライトナックルを打ち込み、アームウォーカーを撃破した!

次はシュウザーだ…そう意気込んだ彼に
呼び出し音が鳴り響く。キグナスへ戻れとのことだ。

「シュウザー、次は逃がさん!!」

60戦え!アルカイザー 第三話 狙われた子供達:2008/03/18(火) 22:24:26
次の行き先はレッドの故郷、シュライク。
今回は何か情報が得られるのだろうか。

「済王陵の入口を知りたくな〜い?」

公園の子供達から得られたのは別の情報だった。
特にほしくはないような情報だったが…
思わぬ人物が食いついてきた。

「それを知りたいのは俺達だ!」
「ブラッククロス!!」

現れたのは緑色の戦闘員。
変身するまでもなくさっさと片つけるが、
なんと女の子が浚われてしまった!
「キャー」


彼らが知りたがっていたのは済王の古墳の入り口。
ならば彼らがいるのはそこに違いない。

「泣いてばかりで、話にならん。なんとかせんか!」
「キー」「キー」「キー」「キー」
「何言ってるのか分かんないよーウェーン」
「ほれ、お菓子をあげるから」

緑色戦闘員達の上司の教育が行き届いているのだろうか。
割と穏便な手段で情報を得ようとする彼ら。

だが子供を連れ去っていいわけがない。
レッドは黙っていられず、見つからないように…
「小さな子供を寄ってたかっていじめやがって、許せん!!
 アルカイザー、変身!!」

変身すると崖から飛び降りて女の子を助ける。

「アルカイザー!!」
「覚えてくれたようだな。それじゃ、遠慮無くいくぜ!!」

鳥獣怪人・スフィンクス。
アームウォーカーとは違い上級の怪人だったが、
アルカイザーの必殺技・シャイニングキックの前に敗れ去る。

子供達は助け出した。
キグナスからの呼び出しがここでかかり、レッドはここでキグナスへ帰還した。

61戦え!アルカイザー 第四話 キャンベルの謎:2008/03/18(火) 22:39:08
「こんな所で何してるんだ、ユリア?」

貨物室にいたのはユリアだった。
「ああ、レッド、ちょうど良かった。
大変なものを見つけちゃったの!」

そう言って入っていくとあったのはブランドのものと思われるロゴのついた
大きなダンボール箱。

中を覗いてみると…

「これは武器だぞ。
 こっちもだ。まさか、これ全部か!
 どこかで戦争でも始めようってのか?」

そう、兵器が中に積んであったのだ。
一体何が…?誰が…?

「怪しいな。ユリア、このことは誰にも言うなよ。」
「うん。ホークにも?」
「じゃあ、おっさんには話をしといてくれ。俺は荷主を調べてみる。」


その荷主は、大都会マンハッタンに居を構える大会社
キャンベル貿易会社のものだった。

「社長に会いたい。」
「おはようございます。どちら様でしょうか?」
「えーと、レッドだ。キグナス号の。」

「申し訳ございませんが、本日の面会者リストに御名前がございません。」
「話があるんだよ、キグナスの積み荷のことで!」

だが言っても聞いてももらえず、レッドは警備員に取り押さえられてしまう。
「来い。」
「放せよ!」

そこに、一人のスーツ姿の男が通りかかった。
「社長に会いたい
 IRPOの者だ。2、3聞きたいことがあってね。
 な〜に、時間は取らせないよ。」

同じく社長に用のある、警察の者らしい。
「おい、来いよ。俺の助手なんだ、放してやってくれ。」

警察官が気を利かせてくれて、レッドもなんとか社長へ面会することができた。

「何の御用かしら、ぼっちゃん?」
会うなりいきなり食ってかかるレッド。
だが警察官に殴られ、その場は黙っていることにした。

警察官が話し始める。
「ミス・キャンベル、あなたの取引相手の事でうかがいたいことがあります。
 クーロンのシーファー商会、どういう会社ですか?」
「なぜ当社に?先方に直接問い合わせてはいかがです?」
「それが、クーロンのその会社、存在しないんですよ。
 連絡もつかない。」

どうやら怪しい会社との取引があったらしい。
…積荷はそれだろう。

「まあ、不思議ですわね。」
「とぼけるなよ!!」

またも殴られるレッド。
「黙ってろと言ったはずだ。2度言わすな。
 …そんな怪しい会社とも取引を?」

「注文があり代金が振り込まれれば、
 どんな方でも私どものお客様です。
 伝票があります。お見せしましょう。」
「それには及びませんよ。また寄らせてもらいます」

今回は尻尾をつかむことはできなかった…しかし、怪しいのは確かなようだった。

「これじゃ、何にもわかんないぜ。いいのかよ、おっさん!」
「おっさん!? まだ若いつもりだがな〜
 まあ、これでどう出るかだな、キャンベル社長が。」

警察官はビルを見上げながらつぶやいた。
彼の名前はヒューズというらしい。

62戦え!アルカイザー 第四話 キャンベルの謎:2008/03/18(火) 23:04:21
キャンベル社長に詰め寄ったその日、
あるシップがキグナスに向かってきていた。
「未確認シップ急接近、衝突コースに入ります。」
「コンマ1回避、エマージェンシーパルスで警告!一体どこのヘタクソだ。」
「回避パターンに追随してきます!進路を押さえています。」
「パイレーツシップか! 緊急事態発令、全乗客・乗員を速やかに固定位置に。」

キグナスのブリッジに衝撃が走った。
前方から来た謎のリージョンシップが、キグナスに向かってきたのだ。
そう…パイレーツシップ、強盗団だ。

そして機関部のホークとレッド。
「出力が落ちた。やつら、乗り込んでくるぞ。」
「来た!」
ホークの頭上に男が降ってきた。
「おっと、そこまでだ。」
「ホーク!」
「俺はいい、こいつらをやっつけちまえ!」

攻撃を躊躇うレッド。…だがそんなレッドの背後にもう一人の男が忍び寄り…
レッドは意識を失った。

気がつくと二人とも縛られている。
「すまん、レッド。」
「仕方ないさ。しかし、こいつらの狙いはなんだ?」
「しゃべるんじゃねえ!…ふげっ!」

突然、パイレーツを殴り飛ばして現れたのは…警察官、ヒューズだった。
「積み荷さ。あの武器が狙いだろう。」
「パイレーツが武器密輸の情報をつかんで襲ってきたのか。」

「ああ。だが、その情報を流したのは、あの女さ。
 たいした悪だぜ。」
キャンベルが…やはりやつは黒だった。

「この奥からレストランの裏へはい上がれる。」
ホークにアドバイスをもらい、キグナス内のレストランへとあがり込み
キグナス奪回へ向けて彼らは奔走することとなった。
だが2人では心細い。協力者を必要がある。彼らは敵を倒しつつ客室を回る。
「やつらはブリッジを占拠している。乗客もどこかに捕まっているだろう
急がないと倉庫の荷物も処分してしまうだろう。」

「ユリア、無事だったか!」
「ああ、おっさんは大丈夫だ。他の人たちは?」
まずはユリアを発見。
「異常ありません。」
「異常大有りだろう!ちょっとついて来い!」
医療ロボBJ&K。
「ほー、お前が乗ってるとはな、ルーファス。」
「腕利きパトロールが何をしている?さっさとシップを取り戻せ。」
ヒューズの旧知の仲らしい男、ルーファス。
「協力してくれ。俺はヒューズ。こいつはレッドっていうんだ。あんたは?」
「…やめた。貴様の名前が気にくわん。」
クールな術士ブルーなどがいた。

そしてある客室にて…彼は思わぬ人物と再会を果たす。
「アセルス姉ちゃん?」
「誰?」
アセルス姉ちゃんと呼ばれた少女は目を丸くする。
「やっぱそうだ。俺だよ。
 烈人、おこのぎ れっと!」
そう。シュライクで10年前に行方不明になった少女、
彼女がアセルスだった。9歳のころまでレッドがよく遊んでもらっていた。
「ああ〜、小此木先生とこの烈人君か!
 大きくなったな〜。全然分かんなかった。
 でも、目の辺りなんか変わってない感じ。」
「良く遊んでもらったもんな〜。
 姉ちゃん、全然変わってないよな〜、髪の色は緑じゃなかったけど……」
再会を喜び、会話する彼ら。だが…すぐにレッドは気づいた。

「ちょっと待て、変だぞ。どう見ても高校生ぐらいだ!
 もう10年以上前の話だ。キサマ、一体何者だ!」

そう。アセルスは失踪当時高校二年生の17歳、
対してレッドは9歳、小学生。
今のレッドは19歳、大学生相当。アセルスより年上になっていたのだ。
アセルスの隣にいたおしとやかそうな女性が口を開く。
「待って。この方は本当にアセルス様です。
 複雑な事情があって、
 十数年も年を取らずに眠り続けていたのです。」
「そんな眠り姫みたいな話を信じろって言うのかい?」
「今は、そんな話をしている場合じゃないだろう?」
 俺はパトロールのヒューズ。ここでじっとしているように。」
何はともあれ、アセルスが生きていたことだけでもうれしい。
レッドは部屋を出ようとする。すると…
「どこへ行くの!」
「キグナスを取り戻すんだ。」
「私たちも行くわ。烈人君を放っておけない。
 私も戦える…。」
「わかったよ。一緒に行こう。
 …誰にだって人に言えない秘密があるもんだよな…」

そして新たに二人の仲間を加え、6人はブリッジを目指す。

63戦え!アルカイザー 第五話 キグナス襲撃 後半:2008/03/18(火) 23:21:21
(訂正:前回は5話の前半です)

「おい!こんな所から行ったら、狙い撃ちだぜ。他に通路はないのかよ?」
「この下にも非常用の通路がある。でも、ドライブ中はここしか使えない。」

ブリッジに繋がる通路は二つ。
飛行中でも使える上の通路は敵の弾丸の雨。
下の通路は短時間だけなら外に出ることもできるという。
そちらの通路を突っ走り、レッド達はブリッジを目指す。

「ブツの積み込みはまだ終わらないのかい!」
「もう少しです、お頭。」

出たところはリーダーのノーマッドの立つ指令台の下。
一気に左右の階段から回り込み、ノーマッドの前に現れる。
「パトロールだ!全員動くな!」
「こいつらどこから沸いて出たんだい!やっちまいな!!」

登場したのはノーマッドの右腕、カモフック。
姿に似合わない射撃力が特徴のモンスターだ。

だが5人の攻撃の前にあっけなく敗れた。
「やられたカモ…下っぱカモーン」
続いて現れたのはカモフックの部下、ソルジャービル。
数で攻めるつもりだろうがそれに屈する彼らではない。
すぐに彼らも全滅させる。

「ボスが逃げた、追うぞ!!」
ノーマッドが一人、客室の方に逃げていった。
彼女を追ってレッド達は急ぐ…が。

「逃げられちまったな。積み荷も奪われて証拠は消滅だ。
あとはあのパイレーツを取っ捉まえて吐かせるしかない。」

その時。
「ヒューズ!あれはなんだ!!」

黒い、エイのような巨大なシップが姿を現し…
強力な電撃をノーマッドのシップに見舞い、跡形もなく消し去ってしまったのだ。

「ブラックレイ……実在するのか……
 ブラッククロスの戦闘シップ………」

ブラッククロスの旗艦ブラックレイ。
恐らくはこれもキャンベルの仕掛けたもの…
「キャンベルとブラッククロス……」

64戦え!アルカイザー 第六話 巡礼者を追え!:2008/03/18(火) 23:34:40
クーロンでブラッククロスの情報を求め、歩いていたレッドは
街で若い男女に絡まれる。

「おい、あの頭、見ろよ!」
「鳥の巣か?」
「サボテンだろ!」

ゲラゲラ笑う若者たち。
中にはおかしな口調である者も…ろれつが回っていないようだ。
酒の類のものよりもっとおかしな…。
恐らくは麻薬。
クーロンは恐ろしい町のようだ。

「サボテン君戻って来たよ。」
「おひゃ、らいふえげ」

すると突然、妙な男が男たちを殴り飛ばしていった。
「ウゴ、ググッげ」

その男を倒した後彼らに事情を聞くと、
どうやら男が暴れだしたのは麻薬を買ったから。
売っていた男は…傘を被った、巡礼者らしき風貌の男だった。

裏通り、下水道を通り、彼を追うレッド。

「キグナスの中ならこっちのもんだぜ!」
最後に着いたのはクーロンのシップ発着場奥。
キグナスに通じる通路だった。
だが……
キグナスの次の行き先は京。巡礼者などキグナス内に溢れていたのだ。
仕方なく、追跡は京まで諦めることにした。

65戦え!アルカイザー 第七話 鋼鉄のサムライ:2008/03/18(火) 23:42:37
ゆったりとした時間が流れるリージョン、京の書院。
そこにいたのは、黒き鎧に身を包んだ鋼鉄のサムライだった。

「巡礼達がどこへ行くか知らないか?」
「彼らは自らの心の不安を求めてこの地にやってくる。
 彼らの目的地は心の中にあるのだ」
「メカのくせに哲学的なことを言うんだな。」

BJ&Kのようなメカとはまったく違う。
人間のようだった。

「古人は言った。石には石の心があると。
 ならば、メカにもメカの心があって然るべきだ。
 だが、メカであるこの私には、自分の心が見えてこない。
 心を求めれば求めるほど、己の中には心が無いことを確信することになる。
 これは虚しい。」

彼の言っていることがよく解らないレッド。
「なんか眠くなってきたぞ。それじゃ、急ぐんで。」

書院の入り口に足を向けるレッド。だが。
「待ちたまえ、若者よ。
 君はブラッククロスのことが聞きたいのだろう。」

突然出てきたブラッククロスの単語。
「何か知ってるのか!…なぜわかった?」
「自分の心は見えずとも、
 他人の心は読みやすいものだ。」

そしてサムライは情報を彼に告げる。
「ブラッククロスには4人の幹部がいる。
 四天王などと呼ばれ、己を見失った愚か者ぞろいだ。」

「四天王……もっと詳しく教えてくれ!
 クソー、こんなときに…」

いずれ戦うであろう強敵・ブラッククロス四天王。
その名を脳裏に刻み、サムライと別れを告げ
レッドはキグナスへと帰った。

66戦え!アルカイザー 第八話 Drクラインの影:2008/03/19(水) 00:13:24
今回キグナスが行く先はシンロウ。古代の遺跡が残る、
密林のリージョンだ。

このリージョンにはブラッククロスの黄色の戦闘員がよく現れるとされる。
レッドはひとまずシンロウ王宮で開かれる、仮面舞闘会へと出場することにした。

「仮面をつけていない人は出られませんよ」
受付でいきなりストップを食らったレッドは
アルカイザーとして出場することにした。

だが…アルカイザーの名を出すわけにもいかない。
かといって本名で出てしまうなど以ての外だ。
「レ……レ、レ、…」
「レレレですね。では、どうぞ。」

変なリングネームがついても気にすることなく、
レッド、いやアルカイザー…いや、レレレは
仮面舞闘会へと出場する。

まず最初に現れたのはマスクをつけたたぬきか猫か解らぬロッキーのマスキャット。
輝ける二連の拳打、スパークリングロールで倒す。

続いて現れたのはクリミナルナイツ。
バイザーをつけ、ビームソードを構える剣士だ。
だがレイブレードから放たれる技、カイザーウイングの前に彼はあっけなく敗北した。

3回戦の相手は女性妖魔の剣士、タイタニア。
拳から放たれる光弾、アル・ブラスターの前に沈む。

決勝戦。最後に現れたのは巨人族のモンスター、仮面の巨人。
これまでの敵の比ではない…
強力な体術を用いてくる強敵。
おまけにブライトナックルやシャイニングキックもまるで当たらない。
巨人族のモンスターであるはずなのに。
ならば、と遠距離からのアル・ブラスターやカイザーウイングをレレレは放ち
仮面の巨人を追い詰めていく。

だが長い戦いの後、仮面の巨人は突然逃げてしまう。
「ふっ、だいたい見切らせてもらった」

こうして優勝したレレレだが、
彼を讃える主催者、シンロウ王と王妃の傍から立ち上がった
ある人物を見て走り出す。

「あれは…Drクライン!?」

レレレはアルカイザーの顔へと戻り、王宮内を駆け回る。
王宮の隠し通路を見つけ出した彼に襲い掛かるは黄戦闘員。
彼らをなぎ倒し、奥へ奥へと進んだアルカイザーは
行き止まりらしき場所で怪人に出くわす。

「Dr.クラインはどこへ行った!」
「Dr.クラインは、もうここにはいない。
 Dr.を追っているとは、貴様、パトロールか?」
「そんなものは関係ない、邪魔するな!」
「そうか、では殺しても問題ないな。死ね。」

鉄球怪人・ゴブリンと戦闘員達が襲い掛かってきた。
しかし彼らも仮面の巨人に比べると全く敵ではない。
必殺技・スパークリングロールでゴブリンを打ち砕いた。

そしてまたキグナスからの呼び出しが。
…これではブラッククロスを追えるはずもない。

キグナスに戻った彼は、ホークに言った。
「ホーク、俺、キグナスを降りる。」
「やはり、行くのか。」
「世話になったよ。」

「そうだな、二度と会えないわけでもない。頑張れよ。」
そしてレッドはキグナスを降り…
独り、ブラッククロスとの戦いに向かった。

67戦え!アルカイザー 第九話 歩き続ける旅人 前半:2008/03/19(水) 00:39:04
「あ!その頭、間違いないわ。」

ふと、派手な格好をした巨乳の若い女性がレッドに声をかけてきた。
「あんたでしょう、ブラッククロスのことをいろいろと調べていたのは。
いい情報持ってんのよ、買わない?」
「内容と値段次第だな。」
そして彼女の口から発せられた言葉は…
「シュウザーの情報よ。」
「聞かせてくれ!」

「あたし、おなか空いてるんだ。この店、おいしいんだよ。」
「わかったよ。」
二人は食事をしながら話をすることとなった。

「それで、どういう情報だ?」
「ちょっと待って、デザートを選ばなきゃ。」
マイペースなその女性にイライラしつつも話を進める。

「なんでブラッククロスの情報が欲しいの?」

「家族の仇だ。父さん、母さん、妹、みんな奴等に……」
「そう。ヒドイ話ね……そういうのって、我慢できないな。
 でも、これはビジネスだからね。
 シュウザーの基地の場所を知っているの。そこまで案内できるわ。」

その女性、アニーと報酬の話を終えると、
中から店主が現れた。…その姿は。

「いらっしゃいませ。」
「ねえルーファス、ちょっと聞いてよ。」
なんと彼は以前キグナスで協力した、
ヒューズの知り合いでもある男性ルーファスだった。
彼もまた、アニーの知り合いらしい。彼に事情を説明する。
「それがどうかしたのか?」
「やっぱりそういう反応ね。相談したあたしがバカだったわ」

横から、紫色のショートヘアの女性・ライザが姿を現す。
「この機会にブラッククロスを叩いておくのも選択肢の一つだと思うわ。」
「甘いなライザ。敵の戦力分析も出来ていないんだぞ。」
「今回はそれでいいのよ。主役は彼。私たちは脇役でいいんじゃない?」
「偵察ということか。よし、メンバーを決めよう。」

アニーの他にあと一人。ルーファスかライザが
ついて行くことになった。
「私はライザ。よろしくね、レッド君。」

そしてライザとアニーを加えた3人は
裏通りから下水道へと向かう。

シュウザーのアジトへの道は長かったがもうすぐそこらしい。
「こっちよ。」

「ここを渡るのよ。楽勝でしょう?
 さあ、渡って!」
水面の上に小石が積んで足場となっている場所。

「(渡れるかな‥‥?)」

少しづつそろりそろりと歩いていき…
すぐそこというところでバランスを崩しそうになり、
とっさに対岸にいるアニーのところにジャンプする。

「もう、どこ触ってんのよ!行くわよ?」
と、バランスが崩れ、アニーの胸をタッチしてしまった。

「うーん…でかい。」
感触に頭が煩悩で渦巻きながら…
レッドはシュウザーの本拠地へとたどり着いた。

68戦え!アルカイザー 第九話 歩き続ける旅人 後半:2008/03/19(水) 01:10:05
「なんでついてくるんだ?もう、金はないぜ。」
「ここからはボランティアよ。」
シュウザーの根城としていた廃墟へと入り込む。
途中、巨大な怪人・サイクロプスとの戦いを繰り広げたりしつつ、
青戦闘員達を蹴散らしていくレッド達。

そして着いたのはアジトの最上階。
とうとう復讐を遂げる時がやってきたのだ。
「シュウザー!!」
「誰かと思えば、小此木の小僧か!
 このシュウザー城を突破してきたことは誉めてやろう。
だが、ここが貴様の墓場だ!」

そしてかつて父を、母を、妹を殺した復讐すべき相手
改造人間・シュウザーとの対決が始まる。今度はもう、アルカールはいない。

爪によるクロー攻撃、回転攻撃、ジェットで飛び上がってのグランダースパイク。
いずれも強力な攻撃で、レッドの力ではキツい相手。
おまけに腕を射出し宙を自在に舞わせ、本体と別に攻撃を繰り出す
シュウザー得意の技、クロービットが彼らを追い詰める。
時折、攻撃をしておいて「やめろ!」という謎の声を発しながら。

だがレッドももう、変身なしでも闘えるだけの力を持っていた。
BJ&Kやアニーという仲間もいる。
レッドは仲間たちと共に攻撃を続けていき…
「なかなかやるなっ、だが…」
レッド達に突如として銃弾が降り注ぐ。
そして同時にシュウザーは高く飛び上がり…
ヘリに乗って逃げようとしている。
「待て!シュウザー!!」
レッドはヘリから降りた梯子に掴まり、シュウザーを追う。

「まったく、しつこい奴らだったぜ。」
遠く離れた、乾いた滑走路らしき場所で
部下と共にシュウザーは安心しきっていた。そこに。

「逃げられると思っているのか!」
「だ、誰だ!」
そう、レッド…いや、アルカイザーだ。

やっと…やっと追い詰めたシュウザー。
彼に、アルカイザーはこのときを待っていたとばかりに台詞を浴びせる。

「ブラッククロス四天王シュウザー、
 キサマは様々なテロ活動でブラッククロスの力を誇示し、恐怖をばらまいてきた。
 そのために多くの罪も無い人々が巻き添えになって命を落とした。」
そして最後の一言。
「その所業、許すわけにはいかん!覚悟しろ!!」

「は!この世に罪が無い人間などいるものか。
 能書きはいい、かかってこいアルカイザー。
 キサマを血祭りに上げ、四天王のトップに立ってやる!」
シュウザーとの再戦が始まる。またも爪攻撃に始まりクロービット、
そして火炎放射、毒ガスなどがアルカイザーを襲うが
こんなものはレッドの家族が負ったものに比べたら大した痛みなどではない。
ブライトナックル、シャイニングキック、スパークリングロールなど
さまざまな必殺技を彼に浴びせる。

追い詰めても尚強敵。アルカイザーは激闘を繰り広げ…
そしてシュウザーが苦しみだした。
トドメを刺してやる!そう意気込んだとき。

シュウザーの口から思わぬ言葉が発せられた。
「オレ様の頭には、小此木の脳が埋め込んであるんだ!
やれるか、アルカイザー!オレ様をやれるか!!」

やめろ、という声の主は…小此木博士、烈人の父だったのだ。
シュウザーを殺すことは…父を本当に殺すことになる。
烈人は躊躇う。そこにシュウザーは容赦なく攻撃を加えてくる。

…その後…彼は迷いを振り切った。
それが父の望んでいることならば。
そして何より、今の自分は烈人ではなく、
悪を許さぬ正義のヒーロー…アルカイザーなのだから。

レッドは高く飛び上がり、シュウザーに向かって最後の一撃を見舞う。
必殺 ディフレクト・ランス。
光の槍となったアルカイザーのキックはシュウザーの体を貫き…
そしてシュウザーは大爆発を起こし…消滅した。

復讐のときは終わった。
金色の仮面でその表情を隠しながら
暗く、音のひとつもない静かな滑走路を彼はただ独り…歩いていった。

69戦え!アルカイザー 第十話 三日月の秘剣:2008/03/19(水) 01:50:15
復讐を終えた時に会得した技…ファイナルクルセイド。
自らの生命力を使い仲間達の傷を癒すその技が意味するものは…。

だが解っていることは、
レッドは戦わなければならない。ブラッククロスと。

以前追跡した巡礼者の行く先は…京。
アニーとライザ、シュライクでルーファスを仲間に加え、共に
京を探索していると、小さなロボットに遭遇した。
「メタルブラックの基地を探索中です。」
メタルブラックとは一体…?
どうやら、京に潜伏する四天王の一人らしく、
ヒューズと同じくIRPO隊員である彼は捜査をしているのだという。
「それじゃ、ついて来てくれ!」

着いた先は書院。以前、機械のサムライがいた場所だ。
すると小さなメカ、ラビットが反応した。
「この裏に空間があります。」
彼が指した先は掛け軸。その裏に隠し通路があったのだ。

その先はなんと麻薬の製造工場。こんなところにあったのか…
驚きを隠せない彼らは奥へ進むと
そこにいたのはシュライクで子供を誘拐した緑戦闘員達。
シュウザーの部下が青戦闘員なら彼らはメタルブラックの部下らしい。

一番奥の麻薬製造釜に爆弾を仕掛けるとレッド達は工場を脱出した。
彼らが脱出したときにちょうど爆発し…書院は火に包まれた。

外に出たところで何者かがレッド達の前にすばやい動きで現れた。
「我が基地を破壊するとは、見事な腕前。
 一手御手合わせ願おう。」

そう。書院で四天王の情報をくれた鋼鉄のサムライ。
彼こそがメタルブラックだったのだ。

雷を落としたり、激しい拳打の連続技・ライガーランページを使ってきたり
持っている刀で突きを放ってきたり体当たりをしたり…
とても素早い動きで向かってくる彼は、
人心を狂わせる薬を作る工場の主とは思えぬほどに
真っ直ぐな心で技を繰り出してくる。

そして背中からジェット噴射をしてサムライが繰り出すは彼の得意とする
必殺剣・ムーンスクレイバー。
超高速の動きをもって、三日月形の軌道で複数人を一気に斬り伏せる
見事な技だった。

一気にレッド以外の仲間が倒れる。
レッドも膝をつく。どうしたら…そう、こちらもあの技があった。
レッドはアルカイザーへ変身し、
ファイナルクルセイドを発動、仲間たちの傷を癒した。
自らの生命力を削って。

自らの身を犠牲にしてでも仲間を、そして人々を守るヒーローであれ。
それがこの技に込められた意味だった。

仲間達と共にメタルブラックに攻撃をし続け、
最後にアルカイザーは必殺中の必殺技を繰り出す。

金と赤…アルカイザーのアーマーと同じ色の炎を身に纏い、
敵へと身ごとぶつかっていく…
これが最強の技、アル・フェニックスだった。
そしてメタルブラックは大爆発を起こし、敗れていった。

強敵ではあったが、武士の心を持ち、
アルカイザー以上の力を持つかもしれない…好敵手と呼べる相手だった。

70戦え!アルカイザー 第十一話 見切りの巨人:2008/03/19(水) 02:36:32
「あのー、遺跡探検の方ですか?」
「いや、違うけど。」

シンロウに着くなりレッドに声をかけてきたのは、
流れるような髪を持つ女性、ドールだった。

「そうですか。実は、弟が遺跡探検から帰ってこないんです。」
「それで、遺跡に行く人を探していたんですね。
 わかりました。ボクが行きましょう。」

こうしてドールと共にレッドはシンロウ遺跡へと向かった。
そこはガイアトード、ヴァルキリー、巨大スライムなどの強敵と
睡眠ガスを放出し、その隙に戦闘員が襲ってくるトラップなどが仕掛けられた
危険な場所だった。

民間人にしてはやけに強い女性ドールと共に先へ進んでいくと
思わぬ人物に遭遇する。
仮面武闘会決勝の相手だった、仮面の巨人と名乗っていた巨人だ。
「ここまで来るとは相当な強者だな。
 強力な改造戦士になりそうだ。ふふふ」
「キサマ何者だ!」

そして巨人は正体を現す。
「ブラッククロスの四天王ベルヴァ様よ!」
「この遺跡は、やはりブラッククロスのワナだったのか!!」

「そうよ、小僧。
 遺跡探検に来る連中を捕らえて改造戦士にするのだ。
 中には、使い物にならん貧弱な連中もいるが、
 そういう奴等にも戦闘員として、
 われわれブラッククロスに役立ってもらっている。フハハハ」

すると今度はドールが正体を現した。
「笑っていられるのもここまでよ。
 リージョン指名手配20348号ブラッククロス幹部ベルヴァ、
 逮捕します。」
そして手帳を突きつける。

「あんたパトロールだったのか!」
「そうよ、レッド君。あなたのことはヒューズから聞いてるわ。
 その頭、すぐわかったわ。」
彼女もヒューズやラビットと同じIRPO隊員だったのだ。

「あのおっさんめ…」
「おっと、ベルヴァ、ブラッククロスのことをゆっくり聞かせてもらうぞ!」
「ほざけ、小僧め!来い!!」

仮面の巨人ことベルヴァとの再戦が始まる。
以前と同じく技をかわしてくるベルヴァ。
そして今度は本気でかかってきているらしく、技も力も以前とは比べ物にならない。

技をかわされては本気を出せない…
しかも変身もできない。遺跡内での敵に力を消耗している。
彼らは力が今一歩及ばず、ベルヴァに敗北してしまう。

「ここは‥‥どこだ?どこへ連れていく!」
…その先はベルヴァの言っていた通り、改造室だった。
だがそこには仲間はいなく、戦闘員しかいない。好都合だ。

改造台の上でレッドは変身してみせた。
「キー(おお、強そうなのが出来たぞ)」
「キー(まだ俺何もしてないよ)」

鈍い彼らを倒すとアルカイザーはベルヴァの基地内を動き
仲間を探して回る…。
すると、地下でドール達を見つけた。
「アルカイザー!ありがとう。
 ねえ、レッドっていう子、知らない?」

レッドは大丈夫だとドールに言ってみせた後、
彼女を含めた仲間達全員を助け出し、地下にあるらしい基地の
階段を昇り抜け出す。
するとそこは…シンロウ王宮だった。ここがベルヴァの本拠地だったのだ。

そうなるとベルヴァのいそうな場所となると…


そう、闘技場だ。そこでベルヴァはアルカイザーを待ち構えていた。
「アルカイザーよ、ブラッククロスの四天王をなめるな!
貴様の技は仮面武闘会で見切った。俺には通用せんぞ!」

そして仲間達を避難させ、アルカイザーとベルヴァの
あのときの勝負の続きが…勝負が始まった。
グランドヒット、雷炎パワーボム、怒りの鉄拳、ゴッドハンド。
やはりベルヴァは力技が中心。
だが攻撃が効かぬのも相変わらず。
アルカイザーがブライトナックルを繰り出すとベルヴァの体は揺らめき、
必殺の蹴りで返してきた。
これこそが彼の必殺技 ベルヴァ・カウンターだ。
アル・ブラスターなどで追い詰めるも効果はない。
そう、ベルヴァは人間の能力をモンスターに付加した、改造モンスターだったのだ。
アルカイザーはカイザーウイングなら通用したことを思い出し、
その強化版たる必殺・カイザースマッシュを叩き込む。

そしてベルヴァは敗れた…だがベルヴァもただでは死なんと
シンロウ王宮を爆破したのだった。

71戦え!アルカイザー 第十二話 都市に巣食う妖女:2008/03/19(水) 02:56:17
シュライクの生命科学研究所でIRPOモンスター捜査員コットン、
ルミナスでIRPO妖魔隊員サイレンスを加えたレッドは、
マンハッタンのファーストフード店で彼を誘った。
「お、来たな。待ってたぜ。キャンベルの化けの皮を剥がしに行こうぜ。」

そしてキャンベル貿易会社へ。
「社長に会いたい。」

すると、受付に社長の声が響いた。
「キャンベルです。御通ししなさい。
 ようこそ。小此木博士のおぼっちゃま。」
そして受付に言われるままにエレベーターに乗る。

マンハッタンの夜景が写るエレベーター内。
「あいつ、やはりブラッククロスの一員か。
 父さんのことも俺のことも知っている。必ず、正体を暴いてやる!!」
するとヒューズが叫んだ。
「レッド、上だ!!」

上から降ってきたのは桃色の戦闘員達。
青はシュウザー、緑はメタルブラック。黄はベルヴァ。
そうなると桃色はキャンベルか。

彼らを撃退するが、どうやらエレベーターが止まってしまったらしい。
そこからは自力で登ることになった。
「エレベーターが故障です。申し訳ございません。」
「ブラッククロスの仕業だ!君は早く逃げろ。」
「そうは参りません。お客様の御世話をするのが私の仕事ですから。」
「キャー」

今度は怪人にが戦闘員を連れて襲ってきた。
彼らを倒し、ビルを登る。
警備員もどうやらブラッククロスらしく武装して襲い掛かってくる。
ビルの非常階段では大量の怪人が彼らを待ち伏せしていた。

そうこうしながらとうとう最上階、社長室の前まで来た。
…と、先ほどのエレベーターガールがいる。
「よくここまでご無事で。ぜひ受け取って頂きたい物があるのです。」
素直に頂くとこれは電撃砲。思わぬ武器が手に入った。
彼女は単に仕事熱心だっただけだったようだ。

「キャンベルはどこだ!」
「住居不法侵入だぞ、キサマ。排除する。」

キャンベルはそこにはいなく、居たのは黒服の男。小型のマシン3台を引き連れている。
どうやらキャンベルのSPらしい。

彼を倒すと突然の停電に。
この隙に変身し、彼らは非常口から外へ出ると…

高層ビルの合間にキャンベルはいた。
その決戦の地はなんと蜘蛛の巣。

するとキャンベルは眩い光に包まれ…正体を現した。
彼女はブラッククロス四天王・改造妖魔アラクーネだったのだ。

アラクーネは体に機械を搭載しており、
対ミサイル用の妨害システムECMやビット攻撃を用いて戦ってくる。
妖魔の機械嫌いも克服されているようだ。
ブレードネット、ミニオンストライクなどの強力な攻撃を用いてくる。
失われたとされた邪術まで。

そして彼女の必殺・ライトニングウェブがアルカイザー達に襲い掛かる。
だが…もう四天王3人を倒したアルカイザーはそれに耐え、
必殺・フラッシュスクリューを放つ。

そしてキャンベル社長、アラクーネは力を失い、大爆発を起こし消滅した。


四天王がこれで全滅した。
アルカイザーも全ての技を会得した。あとは最終決戦…
そんな時、キグナスからの呼び出しが入る。ホークは一体何を…?

72戦え!アルカイザー 第十三話 突入!ブラッククロス本部:2008/03/19(水) 21:23:58
「何かあったのか、ホーク?」

久しぶりに機関室へ戻ったレッドはホークに問う。
「ブラッククロスの戦闘員のユニフォームを手に入れた。何かの役に立つだろう。」
見せたのは赤い戦闘員服。見たことがないものだった…。
ホークはもしかして…

「いったいどうやって… まあいいか。
 これで奴等の巨大シップ、ブラックレイに乗り込んで、
 そのままブラッククロスの本拠地へ突入してやる!ありがとよ、ホーク。」
「レッド!」

「分かってるよホーク。お互い、言えないことが多すぎるよな。」
そう告げて、レッドはブラックレイへと乗り込んだ。

ブラックレイの中にはレッドのものと同じ赤い戦闘員ばかり。
赤が所属のない下級、
青がシュウザー直下、緑がメタルブラック直下、黄がベルヴァ直下、桃がアラクーネ直下
そうなると恐らくは赤は上級戦闘員だろうか。

ブラックレイの中を歩き回り、二階の中心にあるブリッジを覗いてみる。
すると…そこにいたのは。

「(あれはメタルブラック?!俺が京で倒したはずだ…)」

そう。四天王最強の実力を有したあの鋼鉄のサムライ、メタルブラックだ。
すぐにドアを閉める…すると突然、ブラックレイの船内通信が響いた。

「今のは進入者だ、捕らえよ!」

メタルブラックの声。だが少し口調が変わっているような気がする。
とにかくブラッククロス本部までの間に逃げなければならない。
船内の戦闘員達が一斉にレッド達を追う。

なんとかまもなく到着のアナウンスが出るに至った…
が、そこまでだった。
メタルブラックはレッドの前に立ちはだかる。
「逃がさん!」

メタルブラック・改。以前と違う重量のあるボディで、
手には銃、体にはミサイル、重火器を満載した他の四天王を上回る強敵。
そして変わらずなのは秘剣ムーンスクレイバー。
更に磨きのかかったその技で彼らは追い詰められる。
メタルブラックは決して、改造の力だけに頼ってはいなかった。

しかし四天王を全員倒し、それからも技を磨き続けたレッド達は負けはしなかった。
メタルブラック改に数々の技を繰り出し、
そしてまたもメタルブラックを倒すことに成功する。

しかし…
「お前達を、ブラッククロス基地へ入れるわけにはいかん。
 ブラックレイ、自爆スイッチオン!」

死ぬならばせめて道連れに…。
ブラックレイはブラッククロス本拠地上空で爆発を起こしたのだった。

だが彼らは誰一人として死んではいなかった。
仲間達とはぐれた隙に変身をしたレッドは、アルカイザーとして仲間達の前に姿を見せる。
「アルカイザー!」
アニーが言う。
「やあ、私もブラックレイに密航していたんだよ。
 では、ブラッククロスを叩き潰しに行こう。」
「レッドが来てない。」
ヒューズが言う。
「彼なら大丈夫。ケガをしていたので、私が安全な所に連れていった。」

そして「レッド」は戦いの舞台から姿を消し、
アルカイザーの最後の戦いが今、幕を開けた。

そこはこれまでとは比べ物にならない警備だった。
大量の怪人や戦闘員が配備された巨大施設。

もう大分奥まで来た…そう思った時。アルカイザーはある部屋に足を踏み入れる。

そこにいたのはなんと…
「(!!母さん、藍子!!無事だったのか!!)」

そう、烈人の母と妹。彼らは生きていたのだ。
「イヤ、来ないで!!」
怖がる妹。思わずアルカイザーは口を滑らせかける。
「あい……
 安心して、私はアルカイザー。怪しい者じゃない。
 ブラッククロスの首領を倒してくるからここで待っていて。
 (…良かった、本当に良かった。)」

妹と母の姿を見れた。天国の父も喜んでくれているだろう。

「あの、これを。」
「この鍵は?」
「Dr.クラインが持っているようにと。」

その鍵は、首領のいる間への鍵だった。
「Dr.クラインが…… ありがとう。」

折角生きていた母と妹だ。また平和な日々に戻してあげなければ。
…アルカイザーは最後の戦いへの、背中の最後の一押しをもらった。

73戦え!アルカイザー 第十四話 首領の間の激闘:2008/03/19(水) 21:33:21
そしてアルカイザーは決戦の場所へとたどり着く。
長く細い橋を渡った先の開けた間…首領の間だ。
「来たな、アルカイザー。
 ブラッククロスに対するこれまでの数多くの不遜な行為、許すわけにはいかん!
 ブラッククロスの首領である私が自ら鉄槌を下してくれるわ!!」

首領はマントを翻し、襲い掛かってくる。
全身が凶器のようなその体から繰り出される技は強力なもの。
だがアルカイザーにとっては大した攻撃ではなく…
首領は必殺・アルフェニックスによって敗れたのだった。


「(やったよ、父さん。ついにブラッククロスを倒した!)」
勝利に浸るアルカイザー。
これで戦いは幕を閉じた…そう思われた時だ。

「お見事、流石はアルカイザー。
 我が改造物たちをことごとくなぎ倒しただけのことはある。」
「Dr.クライン! 首領は倒した、ブラッククロスはもうおしまいだぞ!」

余裕を崩さぬDrクラインに事実を突きつけるアルカイザー。
しかし…

「はははははは、首領?さっきのあれか? 
 確かに、この間まで、あれは首領だった。
 だが今は、私がブラッククロスを指揮している。」

なんと…首領は先ほど倒した者ではなかったのだ。
「前首領にも改造を施してみたが、
 元が悪くては改造も効果が無いと証明しただけだったな。」

だがDrクライン自体に大した戦闘力はないはず。
「Dr.クライン、お前の悪事もこれまでだ。おとなしく裁きを受けろ!」
「それは彼らと戦ってからにしてもらおう。出でよ、四天王!!」

そして彼らの前に現れたのはなんと、復活した四天王達だった。
いや、正確には先ほど倒されたメタルブラックを除いた3人。
これで四天王は全員、パワーアップを受けたことになる。

彼ら3人が入れ替わりながらアルカイザー達に技を繰り出してくる。
シュウザーのクロービット、
ベルヴァのベルヴァカウンター、
アラクーネのライトニングウェブ。

四天王のうちの3人。かつてない劣勢かと思われたが
アルカイザー一人で片付く相手であり、すぐに彼らは倒された。

今度こそ戦いの終わりか…そう思われた時。
「ふむ、あ奴等のボディでは、二度の改造には耐えられなかったか……」
「悪あがきはよせ!」

74戦え!アルカイザー 最終話 さらば、アルカイザー 1/3:2008/03/19(水) 21:39:30
今度こそ四天王は全員倒された。
そう思われた…だが。

「しかし、これは違うぞ。我が最高傑作、メタルブラックだ!」

アルカイザーの目の前に…黒いアルカイザーが現れる。
これがメタルブラックの姿だという。
「お前との戦いの分析の結果、お前の能力をコピーするのが最強であるという結論に達した。」

いや…アルカイザーにはわかっていた。
例え、厚いバイザーに覆われていようと。
その下の顔が別のものになっていても。
改の時と同じく、また口調が変わっていたとしても。

アルカイザーを真っ直ぐに見つめるその目が物語っている。
『アイツだ』と。
それは、初めて見た時と同じ鋼鉄のサムライ…
メタルブラックでしかない。

「二度の戦いの記録がメタルブラックを
 最強のバージョン3として甦らせたのだ!」

変身に対し改造。
烈人がアルカイザーとなったように。
彼はバージョン3にして、
鋼鉄の勇者メタルアルカイザーとなったのだ!

そしてアルカイザーに向かって、落ち着いた口調でメタルアルカイザーは言う。
「アルカイザー、決着をつけよう。」

そしてアルカイザーは無言でそれに応え、彼の正面に立つ。
「傷ついたお前を倒しても最強の証明にはならん。
 Dr.クライン、アルカイザーを回復させて下さい。」
「相手の弱みに付け込めないのが、メタルブラックの最大の弱点だ。
 だが、その心を失っては最強にはなれん。」

Drクラインによりアルカイザーは回復され…そしてアルカイザー同士の戦いが始まった。
だがここでアルカイザーが言う。
「みんな、ここは俺一人に任せてくれないか。」

一同は沈黙する。
「わかった。でも、負けたら罰金よ」
まずアニー。
「がんばってね」
ドール。
「大丈夫でしょうか…」
ラビット。
「お前なら出来るはずだ。」
ヒューズ。
そして一人づつ去っていき…

「アルカイザー、その心意気や良し。
 いざ尋常に……」
「「勝負!」」

75戦え!アルカイザー 最終話 さらば、アルカイザー 2/3:2008/03/19(水) 21:40:25
二人の戦いが始まる。
あらゆるアルカイザーの技をコピーしたメタルアルカイザーだが、
決してその力などには甘んじてなどはいなかった。
その技を効果的に組み合わせ、彼に次々と技を浴びせる。
レイブレードを模したブレード、シャイニングキックを模したキック、
アル・ブラスターを模したサンダーボール、フラッシュスクリューを模した竜巻攻撃、
カイザースマッシュを模した突進、ディフレクトランスを模したグランダースパイク。
一方のアルカイザーもアル・ブラスター、ディフレクトランス、スパークリングロールと
次々に技を繰り出していく。
「いい気迫だ…だがっ!」
メタルアルカイザーが秘剣・ムーンスクレイバーを放つ。
どれだけパワーアップしてもこの技だけは捨てはしない。そしてあまりにも強力。
流石に痛い…しかし負けてはいられない。
「ぐっ…まだだ…突き抜けろ!必殺…アル・フェニックス!」
彼に使ってきた最強の技、アルフェニックスをぶつける。
赤と金の炎に染まるメタルアルカイザーの体。
だがメタルアルカイザーも決して負けはしない。
タイガーランページなどの技を放ち…そして。
メタルアルカイザー最強の技がアルカイザーを襲う。
ダークフェニックス。アルフェニックスをコピーし、更なる破壊力を手に入れたその技は
アルカイザーの体を青黒い闇に染める。

そして…アルカイザーは力を失い、変身が解けてしまった。
「どうしたアルカイザー、もう諦めるのか」
メタルアルカイザーが言葉をかける。戦う力も体力も失われていく。
だが。
「お前の力はその程度なのか!」
その言葉は敵を貶すものなどではない。
奮い立たせるものだ。
そしてレッドは…再び、アルカイザーへと変身した!

そして…最強の技がここに体現された。
アルカイザーを不死鳥の形をした炎が包み…その体は空高く舞い上がり…
とてつもない速さを以ってメタルアルカイザーに己をぶつける。
これがアルカイザー最強の技『真・アルフェニックス』だった。

熱き炎に体を焼かれ、剣を握り締め耐えるメタルアルカイザー。
「なんという重い一撃だ…」
「今が好機!俺の全ての力をレイブレードに託す!」

もう一度真・アルフェニックスを放つ。
それから体全体を竜巻にしてメタルアルカイザーを包み…その勢いで再び宙へ舞い上がり…
アルカイザーの全エネルギーを帯びた最強の剣が振り下ろされる。
メタルアルカイザーの体もアルカイザーの体も、その周囲全てさえも力に包まれる。そして…

バキン!
…レイブレードが粉々に砕けた。そして…
メタルアルカイザーの体がエネルギーに包まれ…体全体が大きな熱の柱に覆われ…
爆発音のようなものとともに熱の柱は収束し…
そこにはもう体はなく、
メタルアルカイザーの体は全て、戦いの炎により燃え尽き…蒸発した。

アルカイザーの体に、紅く輝く灰が降り注ぎ、アルカイザーの体を癒す。
「…メタルアルカイザー
 お前は強かったよ
 しかし 間違った強さだった」

76戦え!アルカイザー 最終話 さらば、アルカイザー 3/3:2008/03/19(水) 21:41:36
辺りを静寂が包み込む。
「信じられん……
 お前の力の秘密はなんだ!
 私は、私は、ウォーーーーー!」
突然、Drクラインが吹き飛ばされ、辺りに轟音が鳴り響く。

「I am the real Master of BlackCross.
 I contorol everything
 I rule everyreagion
 You shall die!」

仲間達が駆けつけたその時。
突然岩盤が崩れ落ち、暗闇の奥から巨大な単眼のメカ…
真の首領が姿を現す。

ゆらゆらと辺りが揺らめき、空間が歪み…以前とは比べ物にならない
トライワイトゾーンへと姿を変える。
だが…力を得たアルカイザーには…もう負ける気はしなかった。
真・アルフェニックスと仲間達の技が、
次々と真の首領へと繰り出され…
真の首領は敗れる。

巨大な体が、頭からどんどん塵になって消滅していった。


日差しの強い夏の日。
小此木一家は、その日墓参りに来ていた。…父である小此木博士の。
そこにホークが現れる。

「母さん、俺がずいぶん世話になったホークだ。
 父さんの友達だったんだ。知ってるだろう?」
「ホークさん? 初めまして、小此木の家内でございます。主人とは古い御知り合いですか?」
「ええ、まあ。」

ホークは烈人の母と話を始める。

「俺、ホークと話があるから先に行ってて。」
話がひと段落したところで烈人は切り出した。

「ホーク、俺は……」
「レッド、向こうを向いて目をつぶれ。」
「なんだよ」
「いいから。」

烈人が目を開けると…そこにいたのは。
「アルカイザーよ、君からヒーローの力をはく奪する。」
「なぜだ、アルカール!」
「サントアリオのヒーロー委員会の決定だ。さらばだ、レッド。」

こうしてアルカイザーは…いなくなった。

「ホークさんは?」
「帰ったよ。」
「何かあったの、お兄ちゃん?」
「別に。それより、おいしいもの食べに行こう。」
「わたし、アイスが食べたい。」
「もう、二人とも。まだ子供ね。」

77サガフロンティア ブルー編その1 課せられた使命:2008/03/20(木) 20:35:31
ここは魔法王国の名を冠するリージョン、マジックキングダム。
魔術と呼ばれる、このリージョンに住む人間のみが資質を有するとされる術を
魔法科学の研究により発明したリージョンでもある。

より優れた術士を生み出すべく教育する機関がある。そう、学校だ。
だが、マジックキングダムの学院は普通の学校とは違う。
外に出ることも許されず、ただひたすらに術を磨く人生を送らせる場所。
この日はその年の修了式…最も優れた術士が選ばれる日だった。

「修士終了式 開会!
 修了者の氏名発表を主任教授から行います」

「教授会による厳正な成績審査の結果
「全会一致により今期の修士修了者を修士ブルーに決定致しました」

「修士ブルー、前へ!」

金髪の術士、ブルーが部屋の中心へと歩む。
女神の描かれた高い高い天井。
広い吹き抜けの部屋の、何階分も上で彼を見下ろすのは
学院の教師達。

「ブルーよ、汝をマジックキングダムの術士に列する
 術士としての義務を果たし、キングダムへの忠誠を全うせよ
 慣例に従い、キングダムを離れ リージョン界への外遊を許可する
 修了者の第一の務めはリージョン界を巡り、術の資質を身に付け
 より高度な術を鍛錬することである。」

もっともらしい言葉。そしてこの言葉が付け加えられる。
「そのためにはあらゆる手段を用いてよい」

「異例の事だが、出発前に校長からのお言葉がある」
どうやらブルーは特に優れた術士らしい。

「ブルー、貴方は選ばれし者です。双子ゆえに魔力が強い」

そう。もう一つ存在するマジックキングダム裏の学院に…
彼が一度も顔を見たことのない、双子の弟がいるのだ。

「しかし、双子のままでは術士として完成することはありません
 貴方はその運命に従わなくてはなりません
 今日、別な場所で貴方の双子の片割れのルージュも
 同じように終了の日を迎えています」
そして本題に入る。

「キングダムには不完全な術士よりも完璧な一人の術士を求めています。
 それは貴方だと信じてますよ、ブルー」

彼らはキングダムにとって、恐らくは道具でしかないのだろう。
「行きなさい。資質を身につけ…そして」



「ルージュを殺せ!」

78サガフロンティア ブルー編その2 より多くの術を:2008/03/20(木) 20:59:42
「ここドゥヴァンでは秘術と印術の資質について情報が得られるだろう
 急げ、ブルーよ!
 ルージュの得た術を…お前が習得することはできないぞ!」

占いが盛んなリージョン、ドゥヴァン。
秘術と印術両方についての情報を集めた。
「秘術とは、アルカナ…タロットの力を用いる術です。
 印術を持つものはこの術を習得することができません。
 この4枚のカードがアルカナ・タローに変化したとき…
 あなたは秘術の資質を身に着けることができているでしょう」
「印術とは、ルーンの力を用いる術です。
 秘術を持つものはこの術を習得することができません。
 この4つの小石がルーンの石に変化したとき…
 あなたは印術の資質を身に着けることができているでしょう」

秘印の選択。
ブルーは秘術を選択した。

まずは人手がいる。スクラップというリージョンで
仲間を集めることにした。

「私はT260です。自分に関する情報を収集中です。」
「想像以上に使えない機械だな。」
機械T260。

「私は術を学ぶ者です。あなたは術について何かご存知ですか?」
「酒場の会話じゃ無いわね。でも、そういう話は好きよ。
 わたし、陽術が少し使えるの。」
「それは素晴らしい。(この女、役に立ちそうだ)」
チャイナドレスの術士、メイレン。
「ボク、クーン!名前は?」
「(この動物、役に立つだろうか…)」
モンスターのクーンが仲間になった。

そして4つのアルカナタローの一つ、剣の在り処はワカツ。
滅んだそのリージョンへ行くにはそのリージョンの出身者がいなければならなかった。
「…あなたがゲンか?」
「ああ? 俺に用か、にいちゃん。まあ、飲めよ。」
「ワカツ城への案内を頼む。
 あなたがワカツの出身だということは知っているんだ。
 剣のカードがほしい。同行を願いたい」

そして剣のカードを求めて、亡霊のうろつくワカツへ。
城の最上階にて物の怪の影の写る間で剣の音を見切り、
剣のカードを手に入れる。

次は盾のカード。IRPOにあるとされるカードだ。
「あんたが盾のカードがほしいって人?
 それじゃあ差し上げますよ、とは悪いがいかないんだ。
 俺と一緒にムスペルニブルの山に登って、山頂の花を取ってきてもらう。
 そしたら盾のカードをやるよ」
山頂では朱雀と出くわし、苦戦しつつも彼は盾のカードを入手。
ヒューズも仲間に加わった。

「杯のカードのことを調べている」
「おやおや。ここじゃカードのことを調べる人には
 一杯飲ませる決まりなんだ。トリニティのお偉いさんにしか出さない
 一級品だよ、さぁ飲んでおくれ。
 カードのことなら隣の蔵が詳しいよ」
「杯のカードのことを調べている」
「おやおや。ここではカードのことを調べる人には」
酒の名産地ヨークランド。杯のカードを手に入れるための試練は
沼を歩かせることだった。ただし、酒を大量に飲ませ酔わせた後に。
ふらつく足元。手ごわいモンスターが襲ってくる。
困難を極めたがこれも突破し、杯のカードを手に入れた。

「ノームを追っているの、私も連れていって。」
「(頭の悪そうな女だが…)ついてこい。」

「金のカードがほしい?だったら金をもってこい!たくさんだ!」
エミリアを加えた彼は娯楽リージョン・バカラの地下洞窟に潜むノームを訪ねた。
大量の金と、金のカードを交換するという。
ここまでの旅で得た金を渡し、彼は金のカードを得…
そして彼は秘術の資質を手に入れた。

続いては陰と陽、二つの術を扱うリージョン、ルミナス。
「陽術は、光や熱の力を扱う術です。陰術を持つ者は資質を得ることができません。」

ここの試練は光を使ったもの。迷宮の中にある鏡の反射を用い
出口へと光を導くというものだった。
これも頭の切れるブルーには簡単なもの。
彼はいとも簡単に陽術を得る。

だが次の術はそれまでとは比べ物にならぬほど過酷なものだった…

79サガフロンティア ブルー編その3 世界に一人だけの使い手:2008/03/20(木) 21:19:46
「術のことを聞きたい」
ドゥヴァンの神社の境内にいた、妙に大人びた
小学生ほどの少女にブルーは尋ねる。

「術にも色々あるが、時術、空術という強力な術がある。知っておるか?」
その二つは、恐らく最強の術と言っていいだろう。
だが…それらの資質を持つものはこの世に一人しか存在できないらしい。

「時を操る、これほど強力な術はあるまい?
 だが、本当にそんな術があるのか?
 わらわも、その様な術は見たことはない。
 妖魔の噂では、この広いリージョン界にただ一人、時術を操る妖魔がおるらしい。
 「時の君」などと呼ばれているが、正体は分からん。
 他の妖魔の君ならば、正体を知っておろう。
 ムスペルニブルの「指輪の君」
 ファシナトゥールの「魅惑の君」などがな。」

続いて空術。
「空間を自由に操作する術、これもなかなかに強力だ。
 この術は、ある特殊な場所に行かなければ手に入らないのだ。」
「どこへいけば……」

「麒麟というものが、その術を使って特別な空間を作り出し、
 そこに住んでおる。そこは少し変わった所だ。
 まあ、行ってみれば分かる。」


彼が着いた所は…おかしな空間。もとい、お菓子のような空間だった。
アイスクリームやメロンパン、ワッフル、チョコレートで構成された床に
キャンディが漂っている空。
空間を操る術というのはそこまで自在に操れる力らしい。

そして、そこには子供たちがたくさん。
…恐らくは麒麟が育てているのだろう。

ヨーグルトに開けられた入り口から、麒麟のいる、
先ほどとは違った、水面のような床に雪のような
白い柱が立つ間へと導かれた。

「あなたの御用は空術ですね?
 少々試させて頂きますよ。よろしいですか?」
「よろしい、来なさい。」

そしてブルーはお菓子の迷宮へと飛ばされる。
不思議な空間だった。多分ブルーのような者でなければ
大人でも楽しんでしまうような場所だろう。

体が小さくなる薬、重力の反転する扉、ぐるぐると回る空。
相当複雑なものであったが、ティーカップの中に入った彼は再び麒麟の元に導かれた。
「御見事です、御約束どおり、御話を伺いましょう」


ブルーは冷たくその言葉を口にした。
「その必要はない、お前を倒して、
 資質を含めた空術のすべてを私が譲り受けるからな」

「そうですか、あなたの狙いは資質ですか。確かに空術の資質を持てるのはただ一人。
 わたしを倒さない限りあなたは資質を得られない。
 しかし、
 私もあなたに譲る気はありませんよ!」

世界で唯一匹の空術の使い手、麒麟との戦いが始まる。
ライトシフトで辺りを光に照らしての、光による回復、
突然現れた数本の槍が一人を貫くヴェイパーブラスト。

流石にこれは危険。ブルーは上級魔術、
術に反応し相手を魔力の檻に閉じ込めるサイキックプリズンで術を妨害しつつ
麒麟に攻撃を加える。
麒麟の最強術・リバースグラビティも封じられ…

そして麒麟は死んだ。


外に出てみると…子供達がどんどん消えて行った。
声も出すこともできずに。
空術の使い手、麒麟が死んだ為に
彼らはその空間とともに消滅する運命にあるのだ。

「そこまでして資質を得たいの?」
メイレンが聞く。

「これでいい、これでいいんだ。
 これで…ルージュとの対決ができる。」

80サガフロンティア ブルー編その4 宿命の対決:2008/03/20(木) 21:39:26
月が大きく映る、切り立った二つの岩柱。

最強の術士二人はここで初めてお互いに対面し…
ここで殺し合うこととなる。
表の学院で学び、秘術、陽術、空術を得たブルー。
裏の学院で学び、印術、陰術、時術を得たルージュ。
相容れぬ術を手にした双子の戦いが今ここに始まった。

そこは特殊な空間。時間とともに変化し、
一つの術のみを受け入れ、それ以外の力は減退する。

まず最初は魔術空間。
最強の魔術、ヴァーミリオン・サンズをルージュに繰り出す。
ルージュは気を失った。
これでブルーの勝利…
そう思われたが、なんと彼は炎に包まれ、爆発と共に傷を回復し立ち上がった。
謎の術、リヴァイヴァ…ルージュの術なのか…?

そして空間は変わり陽術。フラッシュファイアでルージュを追い詰めようとするが
ルージュの発動したサイキックプリズンにかかりブルーは倒れる。
だがブルーも同じくなんとリヴァイヴァが発動、即座に立ち上がったのだ。

…これはどちらの術でもない。
双子同士の戦いであるこの「場」にかけられた術。
倒れることは許されず、お互いが生命力の最後の一滴まで賭して戦い、
最後に「死」を迎えるまで戦わせ続けるための仕掛けだったのだ。

彼らは存分に術をぶつけ合う。
陰術・パワースナッチでブルーの体力を自らのものにするルージュ。
秘術・剣でルージュを串刺しにするブルー。
印術・活力のルーンで自己回復力を得るルージュ。

お互いに譲らぬ勝負…双方何度か倒れ続けた。

だがスパートをかけたブルーは優勢。
これで最後だ、と空術リバースグラビティを放とうとするブルー。
だがそこにルージュが必殺の術…
時術・オーヴァドライブが炸裂する。
これは時間を止め、効果が続く限り一方的に攻撃し続けることができる術だ。
だが使用後に全ての魔力を無くす。

得てきた術全てを使い、攻撃を続けるルージュ。
ブルーは何度も倒れたが、彼の生命力はあと少しというところで尽きず…
術は解けた。

これで最後だ。今度こそブルーはリバースグラビティを
虫の息のルージュへと放つ…!

だがそれは叶わなかった。
ルージュはオーヴァドライブの効果時間の最後に、
術を封じる術、サイキックプリズンを使っていたのだ。
魔力の檻に閉じ込められ、ダメージを負うブルー。

そこにルージュが術を用いる。エナジーチェーン。
これはブルー・ルージュ共に最初に使っていた初級術。
彼らはそれを魔力なしで放てるようになっていたのだ。

魔力の鎖に貫かれ…そしてブルーは……死んだ。

「貴様が…私より優れているのでも…言うの・・・か………!!」

81名無しさん:2008/03/20(木) 22:02:44
かつての三大魔界貴族の一人、冥王ジェダが復活。
彼は完全なる魂の救済を望み、その礎である「価値のある魂」の持ち主を、
魂の檻、「魔次元」へと呼ぶ。
果たして、その野望の行きつく先は何処なのか…。

「すべての命よ…私と同化せよ!」

82サガフロンティア ブルー編その5 そして彼は…:2008/03/20(木) 22:08:24
戦いは終わった。
勝者・ルージュはその場にしばらく呆然として立っていた。
「俺は…誰だ?」

勝利の余韻ではなく、呆然としていた。その理由…。
「ルージュの術が私を貫いた時…私はルージュの中に入り込んだ…」

「今、僕はルージュであって…ブルーだ。
 …そして今分かった。僕たちは元から一人だったんだ!」
自分の体が一つとなって初めて解った事実。

「何故キングダムは教えてくれなかったのか…?
 それを知らなければならない。
 帰ろう、ルージュ。…マジックキングダムへ」
陰陽、秘印、時空。全ての相反する術を有し、そして
それにより究極の術、命術さえも手に入れた究極の術士がここに誕生した。

「一体、何があったんだ!」
二人が生まれ育った地、マジックキングダム。
たどり着いた場所は、破壊され尽くされた後だった。
凶悪なモンスターを退け、ルージュは町の地下へと進む。

学院のあったところだ。
「一体何があったんだ!」
「化け物どもが地下からあふれ出てきた…
 封印が破られたのだ…」
それを最後に男は息絶えた。更に地下。
モンスター達がいる部屋で謎の腕輪…三女神の腕輪を手に入れると
彼は巨大な巨大な…マジックキングダムのシンボル、
三女神像の体に立つ。
「偽りの女神め…」
腕輪が光りだし、女神の額にルージュは吸い寄せられた。
そして…ワープする。
その場所は白と黒の二つに分かれた…大量の胎児の入れられた
カプセルのような丸い装置が並ぶ部屋。
そこにはマジックキングダムの教師がいた。
そしてルージュは全てを察した。
「俺は、俺たちはここで二人に分けられたのか…魔術的処置で…人為的に…
 なぜ、こんなことを! キングダムは悪魔の巣窟か!」

「君は最後に旅立った術士だね。ということはブルー、それともルージュか?」
「そうだ、いや、違う。俺はブルーであり、ルージュであり、どちらでもない。
 何故こんなことをした。俺たちを操り、殺し合わせ、何をさせる気だ。」

教師に食って掛かるルージュ。
「あなたも見たでしょう、この破壊を。封印が破られ、地獄の化け物どもがあふれだしたのよ。」
「地獄の者どもからキングダムを護りひいてはすべてのリージョンを護るのが我々の役目だ。
 そのためには強い魔力を持った術士が必要なのだ。」
教師達は真実を次々に語りだす。かつて指輪の力で作られた封印された場所、「地獄」
封印を守るための強力な術士の養成機関、それがキングダムの学院だったのだ

「そのために、俺達を犠牲にしたのか! まだ何も知らなかった俺を!!」
「私たちの使命はもっと大きいのよ。
 自らを犠牲にしてより多くのものを護るのよ。」
「そんな論法は通じない。
 あなた達が押し付けた犠牲だ。自分では何も決めていない。
 こんな施設は破壊する!」
ルージュが叫んだその瞬間…
モンスターが部屋に入り込んできた。
「ここまで侵入されたか!!」
モンスターを蹴散らしたルージュは冷静になり、教師に聞く。
「どうすれば、この子達を護れる。」
「封印を復活させるのよ。そのためには地獄へ行って敵の力を弱めなければ…
 キングダムに栄光あ…」
その言葉を最後に息絶えた。
自分がしなければならないことが解った。
彼は再び走り出す。学院の地下へ。
倒れている一人の男に話しかける。
「ここから地獄へ行けるのか?」
「では、ブルーか、ルージュか……ならば期待も持てる。」

…そして…彼は地獄へと旅立った。
「お前たちは…本当の……」

そこは光にあふれた美しい場所だった。
光のアーチが出来、翼の生えた天使達が行き交い、蓮の花が咲く。
まさに天国のような場所…しかし、天使たちは凶悪なモンスター。
この中から溢れたモンスターがキングダムを襲撃している。…地獄だ。

ルージュは地獄の力を弱めるべく奥へ進み…封印の間にたどり着く。
そこで巨大な黒き卵から何者かが生まれた…地獄の君主だ。
これを倒すことによって封印は完成する。
七支刀、イルストーム。恐るべき破壊力を持つ攻撃が繰り出される。
だがルージュは屈することなく…術を君主にぶつけ続ける。
そして最後にルージュは時術の奥義オーヴァドライブを使う。

時間の止まった、時計の鐘の音が鳴り続ける巨大な時計。
そこでリバースグラビティを重ねてぶつけ続ける。
最後の術を君主にかけたそのとき…………。

83名無しさん:2008/03/20(木) 22:08:59
A.D20XX年、地中から突然大量に現れた謎のブロックのため、
地上は大パニックになってしまいました。

調査の結果、ブロックの発生ポイントが地底1000mにあることが判明しました。
普通、そんなところに行ける人はいません。

これはもう、穴掘りのプロ、「ドリラー」に頼むしかないという結論になりました。
そこで白羽の矢が立ったのが、ルーキーでありながら、
「ドリラーの最高のタイトル、「ミスタードリラー」に最も近い男」
という呼び声の高い少年で、とある島を救った伝説の英雄「ホリ・タイゾウ」の次男、
「ホリ・ススム」でした。

皆が困っている姿を見捨ててはおけないと、
依頼を引き受けたススム君は、ブロックの謎を解明するべく、
地底1000mを目指したのでした…。

84ヴァンパイアハンター レイレイ編:2008/03/23(日) 07:57:44
中国で仙術を教えてきた少(シャオ)家一族の双子の姉妹、
姉のリンリン(鈴鈴)とレイレイ(泪泪)。
ある日、二人が16歳を迎える前日に墓から蘇ってきた亡霊たちを倒すため、
彼女の母がそれらの亡霊と闘い、撃退した。
しかし、母は術の反動で闇の中へと彷徨うことになってしまう。
その母の魂を救うため、姉妹は「異形転身の術」を自らの体に施し、キョンシーとなった。
この術を使うと、使用者の魂が永遠に救われることのないことを知りながらも。
そして、闇の住人達との戦いに赴く。それが母を助けられる唯一の方法と信じて。

そしてついに、姉妹は最後の戦いで力尽きてしまう。
そこに現れた謎の女性―。母の魂そのものだった。
母は姉妹の命を現世に転生させた。新しいリンリン、レイレイとして。
こうして姉妹は平和で平穏な日々を暮らすことになる…。

85ヴァンパイアセイヴァーEXエディション レイレイ編:2008/03/23(日) 08:14:04
中国で仙術を教えてきた少(シャオ)家一族の双子の姉妹、
姉のリンリン(鈴鈴)と妹のレイレイ(泪泪)。
ある日、二人が16歳を迎える前日に墓から蘇ってきた亡霊たちを倒すため、
彼女の母がそれらの亡霊と闘い、撃退した。
しかし、母は術の反動で闇の中へと彷徨うことになってしまう。
その母の魂を救うため、姉妹は「異形転身の術」を自らの体に施し、
レイレイはキョンシー、リンリンはレイレイの暴走を抑えるため札となった。
この術を使うと、使用者の魂が永遠に救われることのないことを知りながらも。
そして、闇の住人達との戦いに赴く。それが母を助けられる唯一の方法と信じて。
そのうちに「漆黒の救世主」こと冥王ジェダ・ドーマが復活。
ジェダが価値ある魂を集めていたその矢先に、シャオ姉妹もその標的となる。





襲いかかってくる脅威をすべて振り払い、ジェダさえも倒したレイレイ姉妹。
しかし、ジェダを倒したことによって世界は無になってしまう。
「ここはどこ!?私たちはもう帰れないの!?」
その時、謎の女性が現れる。
「あなたたちの進む先はこの先にあります…」
二人はその進む先へと吸い込まれていく。
その時だった。謎の女性の正体がわかったのだ。
「あ、あなたはおかあさ―」
前世の記憶を一瞬だけ取り戻したレイレイとリンリン。
しかし、二人が目を覚ました時、前世の記憶はすでになかった。
母が二人を現世へと転身させたのだ。
家へと続く夜道を駆けるリンリンとレイレイ。
「街の道端で寝ちゃうなんて…」
「ヒッチハイクしていたからねー」
「変な夢を見ていたような気がするよ…」
「私もー」
「あ!見て!パパとママ!」
「本当だー!」
二人は荷物を投げ出し、待っていた親たちのもとへ駆けて行く。
その時、流れ星が遠くに現れた。
そして二人は平和な、平穏な暮らしを、前世の記憶と引き換えに取り戻した。
前世の母もこれを望み、転生した姉妹を見て安心している事であろう…。

86ポケットファイター レイレイ編:2008/03/24(月) 21:46:15
ダークストーカーズを追いかけるレイレイとリンリン。
ですが、彼らに会う前に旅費がそこをついてしまい、
今はアルバイト探しをしています。
「ろくな仕事がないアル…。人間界もシケたもんだなぁ…ん?
『三食昼寝付き実動二時間』!これだ!
このザンギエフとかいう広告主に会いに行こう!」

「お前が三食昼寝付きか?」
「?? ああ、アルバイトの話か」
「ほんとの本当に三食昼寝付きか?」
「もちろんだ。だがその前に、試験をさせてもらおうか…フフフ」


「さあ勝ったアルよ。早く三食昼寝付きに案内するネ」
「うむ、その腕なら申し分ない よし、ついて来い」

ザンギエフの紹介でレイレイが働き始めて一か月が過ぎました…。
「いつもより多く回しております〜 でもギャラはおんなじアルよ」
ロシアからやってきたサーカス団の花形スターとなった二人。
ダークストーカーズのことなどすっかり忘れてしまいました。
「一回死んでる私が言うのもなんだけどさあ、人生楽しくいかないとねぇ」

The END

87ヴァンパイアセイヴァーEXエディション レイレイ編改訂版:2008/03/26(水) 08:27:45
中国で仙術を教えてきた少(シャオ)家一族の双子の姉妹、
姉のリンリン(鈴鈴)と妹のレイレイ(泪泪)。
ある日、二人が16歳を迎える前日に墓から蘇ってきた亡霊たちを倒すため、
彼女の母がそれらの亡霊と闘い、撃退した。
しかし、母は術の反動で闇の中へと彷徨うことになってしまう。
その母の魂を救うため、姉妹は「異形転身の術」を自らの体に施し、
レイレイはキョンシー、リンリンはレイレイの暴走を抑えるため札となった。
この術を使うと、使用者の魂が永遠に救われることのないことを知りながらも。
二人は闇の住人達との戦いに赴いた。それが母を助けられる唯一の方法と信じて。
そしてついに二人は、母に出会えた。
しかしそれはほんのわずかなことだった。
母は二人を忌わしい記憶から解放するため、現世へと転生させたのだ。
二人は前世の記憶を失った代わりに、新しい母と父と生活を得た。

その頃魔界では「漆黒の救世主」こと冥王ジェダ・ドーマが復活。
ジェダが価値ある魂を集めていたその矢先に、シャオ姉妹もその標的となる。
そしてレイレイは鉤爪をもったキョンシーレイレイとして、
リンリンはレイレイの暴走を抑えるためのお札のリンリンとして、
二人は魔界に再び降り立った。この魂の奪い合い戦争から逃れるために。





襲いかかってくる脅威をすべて振り払い、ジェダさえも倒したレイレイ姉妹。
しかし、ジェダを倒したことによって世界は無になってしまう。
「ここはどこ!?私たちはもう帰れないの!?」
その時、謎の女性が現れる。
「あなたたちの進む先はこの先にあります…」
二人はその進む先へと吸い込まれていく。
その時だった。謎の女性の正体がわかったのだ。
「あ、あなたはおかあさ―」
前世の記憶を一瞬だけ取り戻したレイレイとリンリン。
しかし、二人が目を覚ました時、前世の記憶はすでになかった。
母が二人を現世へと転身させたのだ。
家へと続く夜道を駆けるリンリンとレイレイ。
「街の道端で寝ちゃうなんて…」
「ヒッチハイクしていたからねー」
「変な夢を見ていたような気がするよ…」
「私もー」
「あ!見て!パパとママ!」
「本当だー!」
二人は荷物を投げ出し、待っていた親たちのもとへ駆けて行く。
その時、流れ星が遠くに現れた。
そして二人は平和な、平穏な暮らしを、前世の記憶と引き換えに取り戻した。
前世の母もこれを望み、転生した姉妹を見て安心している事であろう…。

88ロックマンエクゼ・ファントムオブネットワーク その1:2008/03/28(金) 07:28:13
ナビらの事を道具としか思っていない―
あらゆるナビや電脳の情報のバックアップを蓄積したサーバーから怨みを持って生まれたナビ―キャッシュは全ての人間に復習するため、密かに影を延ばした
ファイアマン―
アイスマン―
ウッドマン―
キャッシュはナビのキャッシュデータを用いて偽物のナビ―キャッシュナビを作り出していった
ことごとく熱斗とロックマンが被害を阻止していったが―キャッシュは目をつけた
 
「ナビと人間がなぜここまで出来るのだ―」

89ロックマンエクゼ・ファントムオブネットワーク その2:2008/03/28(金) 07:47:07
―手掛かりを掴んだキャッシュはジャミングマンを差し向けた、妨害電波で交信さえ断てばただのナビだと
―だが血からの繋がりを持つ二人にはかなわなかった―
 
ついにキャッシュは世界全国にキャッシュナビを差し向けた、人間を滅ぼすために本格的に動き出した―
キャッシュに対抗するため、科学省は壮大なる作戦を打ち立てた、その名は―「モバイル・オペレーション」―
 
その作戦とは全てのオペレーター、及びナビを囮にし―光熱斗、およびロックマンをキャッシュがいると予想される場所へ攻め込ませるという―壮大な作戦だった
 
キャッシュの手先を退け、友の手助けもあり、ロックマンはついにキャッシュとの戦いに臨む―
キャッシュはキャッシュにためられたデータを自らに取り込み、ジャミングマンの妨害電波を数倍にしたものを放ち、二人の交信を断った―
 
呼びかける熱斗、その声は深き絆に結ばれたロックマン―光彩斗に届いた。
そして、二人はラスト・バトルオペレーションに挑み―
 
キャッシュを倒した二人―それと同時にキャッシュナビは姿を消した―作戦は成功した
今まで助けてくれた修一君は引っ越しで熱斗と別れる事に―絆は繋がっている、ずっと友達だ―と

90ヴァンパイアセイヴァーEXエディション ドノヴァン編:2008/03/28(金) 09:06:27
謎の少女、アニタと共にダークストーカーズを狩るために、
旅を続けていたドノヴァン。
しかし、この二人もまた魂の奪い合いという名の戦争に巻き込まれていく。
「これも運命なのか」
しかし百戦錬磨のドノヴァンは何事もなく闇の住人達を倒していく。
バレッタを、フェリシアを、レイレイを、モリガンを、
とにかく狩って行った。
そして勝った。この戦争に。

眠るアニタ、そのアニタの上に魔剣を置きアニタの心を探る。
そしてドノヴァンは一言言った。
「お前も…お前も私と同じく運命に生きる者なのか…」

91ヴァンパイアセイヴァーEXエディション バレッタ編:2008/03/28(金) 09:39:05
ここは人間界、いわゆる普通の世界だ。
ここにとある一人の少女がいた。
いかにも童話「赤ずきんちゃん」を彷彿とさせるような少女だ。
そして当然のように近寄ってくる一体の吸血鬼…。

倒れていたのは吸血鬼のほうだった。
「お嬢様、これでございます」
「何〜?これだけ〜?」
そう、彼女は知る人ぞ知るハンター、バレッタだった。
そんなバレッタも魔界で魂の奪い合い戦争が起こっていると聞いて、
犬や執事を連れて魔界へ行くことへ決めた。
「これはひともーけできそうねっ!」


次々に魔界のダークストーカーズを狩っていくバレッタ。
いつしかそれはバレッタのなかの一種の心のやすらぎとなっていた。
そして魂の奪い合いを始めたジェダ・ドーマを難なく倒すと、
我こそが魔界最強と名乗るダークストーカーが現れた。
ゾンビのザベル=ザロックだ。
「ジェダはあっさり死んじまったってことは俺が魔界最強ってことだろ!?
 ヒャーハハハハァッ!!!」
しかし、そのザベルでさえバレッタに狩られてしまう。
そして魔界に平穏が訪れた…わけはなかった。

魔界のとある家で…。
「今日の魔界ニュースです また殺人事件がありました。
被害者の体は無残にも切り刻まれていました。
目撃者の話によると、犯人は赤い頭巾をかぶった人間の少女で…」

「ママー、怖いよー」
「大丈夫よ、ここにまでは来ないわ」
「うん、そうだ だから安心しろ」
その時、家の前にとある少女が―。

92StarOcean First Departure:2008/04/02(水) 14:17:26
豊かな自然と多様な種族が共存している未開惑星、ローク。
そのロークの大陸の一つであるムーアの南端に、
辺境の小さな町グラトスがあった。
グラトスの田舎町を駆けてくる少女ミリー。
彼女が目指しているのは、町の自警団が集まる詰め所だ。

自警団と言っても、事故や事件と無縁の平和な町では仕事もなく、
詰め所では自警団人のラティとドーンが退屈な時間を過ごしていた。
そんな2人を見かねたミリーは2人を誘って町の見回りへと連れ出すのだった。


そして、物語は始まった―――

93StarOcean2 Second Evolution:2008/04/02(水) 14:21:17
未開惑星を調査中、事故によって見知らぬ惑星へ転送されてしまった少年クロード。

世界中に広がる異変、謎の隕石ソーサリーグローブ
…伝説の勇者の出現を待ち望む少女レナ

2人はなぜ、出会ったのか―――?

94ぷちえゔぁ:2008/04/02(水) 14:25:59
全 人 類 ま っ た り 計 画

碇ゲンドウ校長率いる第三新東京市立ねるふ学園を舞台に、
息子である気弱な生徒シンジを始め、
天才帰国子女アスカや綾波三姉妹など、
エヴァンゲリオンのキャラクター達による、
てんやわんやの楽しい学園生活が始まる。

95ACE COMBAT ZERO The Belkanwar:2008/04/05(土) 10:51:15
ベルカ公国 ―かつての雄武国家。

1980年代、行き過ぎた国土拡張政策は広告を経済危機へと陥れる。

連邦政府による国土縮小計画を持ってしても、
未曽有の経済恐慌が収集することはなく、
混乱に乗じて政党国家復古を掲げる極右政党が政権を獲得する。

1995年3月25日元ベルカ自治領ウスティオ共和国に眠る、
膨大な天然資源発見の報を機にベルカ公国は周辺国への侵攻作戦を開始する。

「ベルカ戦争」の開幕である。

準備不足の各国は、伝統のベルカ空軍の前に敗走。
隣接するウスティオ共和国は、数日でほぼ全土を占領下におかれる。
ウスティオ臨時政府は、残された第6航空師団を外国人傭兵航空部隊として緊急再編。
オーシア連邦、サピン王国との連合作戦に一縷の望みをかける。
この戦乱下、とある一人の男がウスティオ傭兵部隊へ入隊。
そこで、「片羽の妖精」の名を持つ腕利きパイロットたちと出会う。
彼のTAC(戦術航空師団)ネーム、「ピクシー」。
入隊間もない、1995年4月2日1249時(12時49分)、
ウスティオ最後の砦、ヴァレー空軍基地にスクランブル(緊急警報)が響く。
基地管制塔はベルカ爆撃機変態の接近を確認。
要撃任務を託された二つの翼が戦線に舞い上がった。

96ACE COMBAT ZERO The Belkanwar ネタバレ注意:2008/04/05(土) 11:15:07
ここからは後編です
ネタバレ注意



























ピクシーとサイファーの活躍により徐々に領土を奪還され、
ついには本国侵攻まで許してしまったベルカ公国。
南ベルカの各都市では厭戦ムードが漂い始め、
住民たちは「非武装地域」を名乗り、ベルカ軍も北に敗走するしかなくなっていた。
そんな時、ベルカはある決断を下した。
それは国内での「七つの核」の始動だった。
ベルカ国内で立ち上がる七つのキノコ雲。死者は200万人にも及んだそうだ。
そしてウスティオとの決別を決意するピクシー。
何もかもが連合軍にとってはマイナスであった。
しかしこれ以降も戦線は連合軍に有利な形で動いていた。
サイファーと、サイファーの新しき相棒PJによって。
ベルカ戦争が終わりに近づいてくると新ベルカ暫定政権が連合軍の監視下で発足。
そして、とうとうベルカ国内のルーメンにて、ベルカの降伏調印式が行われた。
しかし降伏したベルカに突きつけられたのは、オーシア有利の一方的な条件。
これを許すまいとして、ベルカの極右政党がクーデターを起こした。
しかしそれは序章に過ぎなかった。
なんとその極右政党によって多国籍テロリスト軍団、
「国境なき世界」が誕生したのだ。
これを壊滅させるため、サイファーとPJは再び空へ舞い上がった。

97ACE COMBAT ZERO The Belkanwar ネタバレ注意:2008/04/06(日) 08:53:53
ここからは続後半です
ネタバレ注意















「世界をリセットする そしてその世界を一つにする。」
「国境無き世界」はアヴァロンダムを使って、
核搭載V2ミサイルを発射することを決めた。
連合軍側はこれを阻止するためサイファーとPJ、
そして選りすぐりのエースたちを戦場に送った。
川の水面ギリギリを高速で飛んでいくサイファー機。
そしてそれを護衛するPJやほかのエース達。
しかし、対空砲火は酷く撃墜されていく仲間たち。
中には壁に激突する者や、ベイルアウト(脱出)が間に合わなかった者もいた。
「第一架橋通過!第二架橋通過!第三架橋通過!第四架橋通過!…アヴァロンダムだ!」
アヴァロンダムに侵入したのはサイファーの一機のみ。
サイファーは狭いダム内に入り、コントロールルーム、モジュールを破壊。
V2の発射を阻止したのだ。歓喜にわきあがる連合軍とPJ。
「俺、基地に彼女がいるんすよ 帰ったら告白しようかなって思ってて…花束もかtt」
突然、サイファーとPJの後ろから出てきた光線が、PJ機を貫く。
空中で散っていくPJの機体。その時、無線が―――。
「戦う理由は見つかったかい?相棒」
そこにいたのは最新鋭戦闘機ADFX-02、コードネーム「モルガン」だった。
サイファーはすぐにわかった。モルガンに乗っているのはピクシーだと。
サイファーはピクシーと戦った。
ピクシーの多彩な攻撃―
レーザービーム、広域制圧兵器「MPBM」など、
多彩な攻撃に苦戦することなくピクシーを追いつめていく。
だが、ピクシーを追いつめたその時、途端にミサイルが効かなくなる。
よく目を凝らしてみるとピクシーの手前で直角に曲がり、
違う方向へと飛んで行っていたのだ。
そして本部から入る無線―
「いいかサイファー!ヤツは特殊な装置を用いてミサイルの軌道を変えてるらしい!
ヤツにミサイルを当てるには前から堂々と狙うしかないぞ!」
そして正面から挑むサイファーとなかなかミサイルを撃たないことにいら立ちを感じているピクシー。
「撃てよ!臆病者!」
その瞬間、サイファー機からミサイルが放たれ、ピクシー機を見事撃墜した。
それと同時に数分前に打ち上げられたV2が、アヴァロンダム付近で爆発した。
それがこの戦争の真の終止符だったのかも知れない。

98ACE COMBAT ZERO The Belkanwar ネタバレ注意:2008/04/06(日) 09:20:28
またもやネタバレです
ですので見るときは注意を…













OBCドキュメンタリーで追えた彼の存在はここまでである。
ベルカ機を多く撃墜し、かつ一回も撃墜されることなく、
円卓を生き抜いたことから、いつしか「円卓の鬼神」と称されたサイファー。
そしてその相棒で通称「片羽の妖精」と言われたピクシーこと、ラリー・フォルク。
口癖は「よう、相棒 まだ生きてるか?」
ピクシーはサイファーに撃墜された後も、生きていた。
爆心地近辺に住む、心やさしい人々によって。
だが彼は今、とある国境付近の戦場にいる。
「国境の本当の意味を確かめたいんだ。」
この話は、大体が彼の話によって証言されたものである。
だがそれだけじゃない。いまだに生き残っているサイファーと戦ったエース達。
彼ら一人一人の話は違ったが、ただ一つ、共通していることがあった。
彼の話をすると、皆少し嬉しそうな顔をしていたのである。
それは何故かわからないが、恐らく「鬼神」というライバルに、
親近感や戦うという友情を築いていたのであろう。

そうそう、この戦いには後の有名人も多くいる。
「凶鳥ヒュッケバイン」ことウォルフガング・グフナーや、
「ハートブレイク・ワン」ことジャック・バートレット、
さらにはアシュレイ・ベルニッツやミヒャエル・ハイメロートまで。
後の環太平洋戦争の主要人物たちである。

そしてサイファーのその後であるのだが………。
ベルカ戦争が終わってから鬼神ことサイファーは行方をくらましたらしい。
その行方は未だに誰もわかっていないという。
彼が皆の前に、そして大空に戻ってくるのはいつになるのだろうか…

99俺の屍を越えてゆけ:2008/04/06(日) 19:42:09
時代は平安時代にまで遡る。
とある二人の夫婦が平安の世を乱す鬼、朱点童子に挑もうとしていた。
その二人の名は、源太とお輪。
二人はいよいよ朱点童子のいる堂へ乗り込んだ。
しかしそこにいたのは一人の少女だった。
駆け寄り心配する源太。しかしそれは罠であった。
なんと正体は少女に化けた朱点童子だったのだ。
その場に倒れ、息を引き取る源太。
しかし朱点は源太を殺してもまだ飽き足らず、
お輪の産まれたばかりの赤子さえも殺そうとしていた。
お輪は朱点に懇願し、赤子との最後の対面を許される。
そしてそれを見た朱点は、何を思ったのか子供を生かせることを決めた。
わずか二年の間しか生きることができない「短命の呪い」と、
人間同士で交配し、子孫を残すことのできない「種絶の呪い」をかけて。

この一部始終を展開から見ていた神様たちは、
二人の子を保護し、そして神様たちは二人を助けるため、
神と交神してもいいという特別令を出し、
さらにはお手伝いのイツ花を派遣して、
朱点童子の討伐に向かわせるのだった。
しかし、神が討伐に向かわせたのは別に理由があった。
その理由とは…?

100アウターヘブン蜂起:2008/04/12(土) 07:38:26
南アフリカの奥地、1980年代後半に、英雄かつ狂人とうたわれた、
一人の傭兵によって武装要塞国「アウターヘブン」が生まれた。
そこで戦争史を塗り替える殺戮兵器が開発されているという情報を得た「西側」は、
ビッグボスが総司令官を務める特殊部隊FOXHOUNDの新入隊員ソリッド・スネーク単独で送り込む。
先に潜入し、囚われの身になっていたFOXHOUND隊員である、
グレイ・フォックスを救出したスネークは、その兵器の恐るべき正体を知る。
核搭載二足歩行兵器メタルギア―あらゆる地から核攻撃を可能にする重兵器である。
レジスタンス達の力を借り、開発途中のメタルギア破壊に成功したスネークの前に立ち塞がったのは、
FOXHOUND司令官でありながら影でアウターヘブンを統率していたビッグボスであった。
スネークを情報撹乱のために送り込んだにもかかわらず、
逆に野望を打ち砕かれたビッグボスは悲痛な叫びをあげる。
「お前はやりすぎた、やりすぎたのだ!」
地下100階でぶつかる、思想も政治も関与しない男と男の闘い。
やがてビッグボスを倒したスネークは、燃え上がるアウターヘブンを後にした。

101名無しさん:2008/05/22(木) 15:34:42
経済大国アメリカ

世界の経済はここから生まれ、そして世界中へと散り、そして戻る…。
金が生まれる限り、様々なものが売り買いされていく…。
そしてギャンブル、ドラッグ、売春、暗殺、テロ…。
犯罪も例外ではない。

だが異邦人のなかではそれはすべて昇華して、彼らはこうつぶやくのだ。
「アメリカン・ドリーム」と…。

「…よぉ、兄弟
実はお前の腕を見込んでたのみてぇことがある。
明朝、でかいヤマが動くんだが、それを取り仕切ってもらいてぇんだ。
もちろん悪いようにはしねぇつもりだ。
それにまさか俺達ファミリーに借りがあることも忘れちゃいまい…。
…ああ、連絡先はいつものところだ。なぁ兄弟…、二人でいい夢見ようや」

街が闇から紅に染まる時、
もう一つの「アメリカン・ドリーム」が始まる…。

102サガフロンティア リュート編 旅立ち編:2008/05/23(金) 12:30:04
ここはのどかなリージョン、ヨークランド
深森にたたずむ一軒家で、ひとりの青年が旅立とうとしている
青年は残していく母親を気遣うが、気丈な母親はとんでもないといわんばかり
「早くしなさい」
「やっぱり心配だな、母ちゃん一人を残していくのは」
「なに一人前のことを言ってるの。
あんたに心配されるほど歳とっちゃいないよ ちゃんと働くんだよ」
「うん」

さてこうして旅立った一人の若者
母親は女手ひとつで彼を育ててきた

それなのに
こんな年になっても何もせずにフラフラ

すねっかじりのくせに
母親に迷惑をかけてきた

それでもなぜか
近所のワルガキどもにはなつかれていた

「アニキ、本当にいっちまうのかい?」
「サンダー、情けない声出すなよ 母ちゃんを頼むぜ
じゃあな、行ってくるぜ〜」

リュートは一念発起
母親の元を離れ自活することになったのだが…

103サガフロンティア リュート編 出会い編:2008/05/23(金) 12:50:56
リュートは他のリージョンへ行くために、
シップに乗ろうとするが、すぐに役人に止められてしまった


「このシップの乗船は許可しない」
「許可しないと言われてもこれに乗らなきゃどこへも行けんのよ」
「トリニティの貸し切りだ」
「はじっこのほうでいいんだ。一人ぐらい乗れるだろう?」

役人を説得使用するリュート、しかし…

「ごちゃごちゃ言ってると逮捕するぞ!」
「逮捕?俺が何したって言うんだい?」

するとすぐ隣の建物から一人の男が…

「どうした?トラブルか?」
「司令! いえ、何でもありません ほら、早く帰れ!」
「シップに乗りたいのか?場所はある。乗りたまえ」
「親分のほうがものわかりがいいな」

こうして男に乗せてもらったリュートは、
お礼を言うべく船内でその男に会いに行くのだった。

「乗せてもらえて助かりましたよ」
「私もヨークランドの出身だからね」
「ところでこのシップはどこへ行くんですか?」
「マンハッタンだよ」

ロブスターのような形をした赤いシップは、
トリニティの本拠地があるマンハッタンへと向かっていた。
そしてしばらくして彼らはマンハッタンについた。
リュートは名も知らない男と別れショッピングモールへ行くことにした。
リュートはショッピングモールの中にあるファーストフード店の中へ入った。
奥にいる金髪の男に話しかけると…。
「モンド司令と何を話した?」
「いきなりなんだ?警察みたいだぞ」
「察しがいいな 俺はIRPOのヒューズだ
ヨークランドからモンドといっしょにシップに乗っただろう」
どうやら乗せてくれたあの男の名前はモンドというらしい。
「そうだぜ。
あそこで乗せてもらえないと、見送ってくれた連中に格好がつかないしな。
話がわかる人で助かったよ」
リュートの言葉にヒューズは首をかしげる。
「話がわかる人?
モンドという男は切れるが冷たいと評判でな。
話がわかる人なんて感想は初耳だ。」
「俺はそう感じたってことさ。パトロールに世話になったらよろしくな!」
そう言ってリュートはマンハッタンを離れ、
クーロンを経由してオウミへ行くことにした。

104サガフロンティア リュート編 ビクトリアへの招待:2008/05/23(金) 12:59:07
オウミへ来たリュートは美味しい匂いにつられてか、
小さな橋を渡ったところにあるレストランの中に入って行った。
すると一人の女性が食事を取っている。
リュートはその女性に話しかけてみることにした。
「あたしはここの料理が好きでね、
オウミに来たときにはいつも寄ってるのさ。
ネルソンの味付けより、あっさりしていてたくさん食べられるんだよ。」
「へえ、ネルソンの人かい、初めて見たよ。普通の人間じゃないか
トリニティの宣伝じゃ、リージョン海賊だって話だったけど」
「あんなのは、トリニティの連中の宣伝さ
一度、うちの船に来てみなよ。びっくりするよ」
どうやら彼女は船を持っているらしい。
と、そこへ一人の女性がやってくる。
「艦長、御時間です。」
「それじゃあね。ごちそうさま。いつもおいしいね。」
「またどうぞ。」
するとその女性は迎えとともにどこかへと去っていった。
リュートは追いかけるようにネルソン行きのシップに乗った。
それがさっきの女性の船とも知らずに…。

105サガフロ リュート 明かされる真実と新しい戦い:2008/05/23(金) 13:16:37
ビクトリアに乗ったリュートは舵を取っている船員に話しかける。
「ネエちゃん何してるの?」
「ネエちゃんではない!
私はこの艦の一等パイロット、れっきとした士官だぞ。」
「これは失礼しました でありますです〜」
リュートは船長の部屋に向かうとそこにいたのは先ほどの女性だった。
リュートが彼女に話しかけると…。
「この艦は独立戦闘任務艦ビクトリア
艦隊行動が基本のネルソンでは異色の艦だ。
現在、本艦はトリニティのある人物の行動を監視している。
第2情報部司令、モンドだ。君もよく知ってるだろう?」
「モンドさんかい?
ちょっとシップに乗せてもらっただけさ。
知り合いって訳じゃない。」
「そういう意味ではない。
君の父上の遺志を裏切ってトリニティへ奔った男のことだ。」
「それ、何の話だよ?
俺の父ちゃんがモンドさんと知り合いだったって言うのかい?」
「本当に何も知らないのかい?
私はてっきり、父上の志を継ぐために私に接触してきたのだと思っていたよ。」
どうやらこの女性はリュートの父のことを知っているらしい。
リュートはその女性に父のことを問いただす。
「父ちゃんの志って?
いったい、俺の父ちゃんは何をやっていたんだ?」
リュートの父は一体何をしていたのだろうか―?

106サガフロ リュート 明かされる真実と新しい戦い その2:2008/05/23(金) 13:20:01
そして、明かされる真実―。
「反トリニティの活動家だったんだよ
そして、その活動の最中に新婚の奥さんを残して亡くなった」
「おいおい、待ってくれよ。
いくら能天気な俺でも今の話は・・・・
母ちゃんはなんにも話してくれなかったしな。
だいたい、赤の他人の………
まだ、名前も聞いてねえや………
艦長さんがなんでそんなことを知ってるんだい?」
「ネルソンは小さなリージョンだ。
強大なトリニティに対抗していくためには、より多くのリージョンの
より多くの人々の協力が必要だ。
そのために情報収集をしているんだよ。」
「いきなり、そんな話をされても、
イマイチぴんと来ないな。」
「そうだろうね。話を戻そうか。
本艦の任務は説明した通り、モンドの監視だ。
その監視中に彼が秘密裏に基地を建設しているのを発見した。
本艦はいつでもそこに突入できる態勢を整えている。」
「それじゃ戦争だぜ。
ネルソンはトリニティと戦争する気なのかい?」
「戦争にはならない。
モンドはその基地の存在をトリニティにも秘密にしている。
彼個人の文字通りの秘密基地だ。」
「一体何のために?」
「彼は大きな野望を抱いているようだ
例えばトリニティ全体を一人で支配するような。」
「そんな、子供向けムービーの
悪役みたいなことを本気で考える奴がいるかよ。
話がマジだかシャレだか分かんなくなってきたぜ。」
「突入はいつでも可能だ。
君も参加する気になったら来てくれ。」
「俺はそういう
荒っぽいことは苦手だよ」

そう答えたリュートだったが、
いきなり明かされた真実の前にどうすればよいかわからなくなっていた。
そして彼が出した答えは―。

107サガフロ リュート 新しい戦い:2008/05/23(金) 13:36:28
リュートは艦長のもとへ行った。
「モンド基地に突入する気になったかい?」
「やるぜ!」
そう、彼はモンドの基地へ突入することを決意したのだ。
「よし、出発だ!!」

「全速前進、目標ワカツ!」
「全速前進、目標ワカツ。」
艦長の命令を復唱してその通りに操縦する一等パイロット。
「モンドの基地はワカツにあるのかい?」
「そうだよ。」
と、その時―
「トリニティ艦を探知。ホエールタイプです。」
現れたのはクジラのような大きな戦艦だった。
「モンドの旗艦の御出ましだ。幸先いいね。
「あんなでかいの相手に歯が立つのかい。
「まあ見ていなさい。ネルソン魂っていうものを教えてあげるよ。」
すると艦長は信じられない命令を出した。
「最大戦速、敵艦との衝突コースを維持せよ。」
「最大戦速、敵艦との衝突コースを維持します。」
「体当たりする気か!」
「両舵砲戦用意!」
「両舵砲戦用意よ〜し!!」
攻撃の準備をして待つ船員たち。
「進路そのまま。」
「撃ってこないぞ。」
「ホエールの死角に入ったのさ。」
どうやらモンドの旗艦の死角の位置を知っていたらしい。
情報収集をきちんとしているというのは伊達ではなかった。
それだけではない、船員たちの技量も高かったため、
艦長の指示を聞き、それをきっちりとこなすことができたのだ。
「面舵一杯!」
「面舵一杯。」
「左舵打ち方用意!直進、戻せ。」
「舵直進、戻します。」
「左舵打ち方始め!」
艦長の命令と共に始まったのは凄まじい勢いの艦砲射撃だった。
そして少したったところで攻撃をやめた。
「かなり痛め付けたようだね。 総員、艦内戦闘用意。」
「今度は何をするんだ?」
「砲戦の後、敵艦に乗り込む。 これがネルソン流の戦い方だ。」
「敵艦から小型艇が離脱。ワカツへ向かいます。」
「モンドが逃げたかな?」
「戦闘止め。 小型艇の追跡に移る。」
すぐにその小型艇を追跡を始めた彼らはとうとうモンドの基地についた。

108サガフロ リュート 野望の果てに:2008/05/23(金) 14:03:43
モンドの基地に入った彼らはすぐさまエレベーターを使い、
下へと向かって行った。
しかしエレベーターは途中で止まってしまう。
どうやら動かすためにはキーボックスというものが必要らしい。
彼らはキーボックスを隣のフロアで探し、そして見つけた。
それを使いさらに下へと進んでいったのだ。
そして最下層に到着、そこで彼らを待っていたのは巨大な機械だった。
そして機動を開始し、彼らに襲いかかった。
中から人の声が聞こえてくる。そう、モンドだ。

「リージョン界を統べるのは力だ!
それがまだ解らんか。
愚か者たちよ、今から力の意義をお前達の体に
直接、叩き込んでやる!!」

そして、モンドとの戦いが始まった―。

109サルゲッチュ OP:2008/06/03(火) 22:26:39
ある動物園の、見世物小屋の中。

世にも珍しいホワイトモンキーの子供が一匹いました。
その子猿は、目の前に置かれた謎の白い半円形のものに興味を示している様子。

これは一体なんだろう…?
どうやら頭に被るもののようです。
子猿が恐る恐るそれを被ってみると…。


一方、日本のとあるのどかな町の丘の上。
並んで走る二人の子供がいました。

「なあカケル、ハカセのタイムマシンは完成したのかな」
「もう少しだって言ってた!」

小学生の男の子、カケルとヒロキはその日、
知り合いのハカセの研究所へと期待を胸に急いでいました。
「だったら今日、乗れるかもしれないな!」
「そしたら僕が先に乗るっ!」
「あっ、ズルいぞカケル!」

追いかけっこを始めた二人。
そして研究所のドアを開けると…なんとそこには…。

「カケル君、それにヒロキ君も!」
「カケル〜!」
そこにいたのはおびただしい数のサル達。
彼らは変なヘルメットを被っていました。
そして縛られたハカセとその孫、ナツミの姿。


「い、いかん、二人とも逃げるんだ!」

サル達を率いていた白いサルの指示で部下らしきサルが走り始めると、
ハカセはカケル達に逃げるように叫びました。
しかし…

その瞬間、サルはコントロールパネルにあったスイッチを押してしまったのです。
そしてこれが、この物語の始まりでした。

『WARNING!!!』

けたたましい警告音と共に研究室の中心にある装置にエネルギーが集まりだしました。
そして部屋中にあるもの全て…
物もサルも、カケル達さえもが空中へと浮き始め、
リーダーらしき白いサルの笑いと共に…
全てが真っ白に包まれていきました。



それが収まったときには、部屋にいたカケルやサル達は皆姿を消し…
縛られたハカセとナツミだけが残されていました。

「そ、そうか!わかったぞ!
 …あそこがこーなって、あーなってつまりここがこうなる。
 するとあそこはこーなるから…」

「やったぞ、ナツミ!タイムマシンの完成だ!」
「もう、それどころじゃないでしょおー!」

どうやらカケルやヒロキ、サル達は、時空の彼方へと飛ばされてしまったようです。

そしてカケルの元に、ハカセからの通信が入り込みます。
「聞こえるかい、カケル君。えらいことになったぞ。
 さっきの事故で君は今タイムスリップしておる。
 もうすぐ恐竜のいた、「中生代」へと到着するぞ。
 …まずいことに、さっきのサル達もあちこちいろんな時代に
 タイムスリップしておるようなんじゃ。」

そしてハカセは説明を終え、本題に入ります。

「このままサル達を放っておけば、
 地球の歴史はメチャメチャになってしまうじゃろう。
 そこでカケル君、君に頼みがある。
 幸いにして君は、ワシの開発したガチャメカを2つ持っておるはずじゃ。
 それを使って、逃げたサル達を出来るだけ多く、捕まえてきて欲しいんじゃ。」

青い武器のガチャメカ、メカボー。
サルを捕まえることができる転送網、ゲットアミ。

この二つを使っての、カケルの…おかしなヘルメットを被ったサル達との
時空を超えた追いかけっこが今、始まります。

「大変な任務じゃが、君ならできる!よろしく頼むぞ!」


そして通信が終わり、時空間に現れた一人の緑色の髪の少女。
ハカセが作ったプログラムであるその少女はぺこりとお辞儀し、
任務の説明を始めます。

『ピポサルを3匹捕まえよう!』

110サルゲッチュ 序盤:2008/06/03(火) 23:12:48
「カケル君。これから君が向かう時代は新生代と言って、
 恐竜が絶滅した後の時代じゃ。
 人間はまだおらんはずなんじゃが…
 何故か文明の痕跡を確認したぞ。これがサルの仕業じゃないとすれば、
 世紀の大発見じゃ!」


ロケットのある丘。豪雨降りしきる沼。そして恐竜との対決。

中生代でサル捕獲の基礎を覚えたカケルは
次なる時代へと移動しようとしていました。

そのとき…
研究所とカケルに、どこかからか映像が割り込みます。

「やあ研究所のみんな、ご機嫌如何かな?
 俺の名はスペクター。
 新しい地球の支配者、新時代のサル達のリーダーさ!」

画面の中心にいたのは宙に浮いた不思議な椅子に乗った…
あの時の白いサルでした。
人間の言葉を話す不思議なサル…
ヘルメットも他のサルとは違うもののようです。

「スペクター。
 君は遊園地で芸をしとった、子ザルじゃな?」

そう。手品が得意なホワイトモンキーの子供…
それがスペクターだったのです。

「さぁね。もう忘れたな。
 ただ言えるのは、今の俺は抜群の知能と、絶大な「力」を
 手に入れたってことさ。
 それもハカセ、アンタの発明したヘルメットのおかげでね!」

やはり秘密はあの白いヘルメットにあったようです。
それに対しハカセは言います。

「いいかい、スペクター。 よく聞くんじゃよ。
 確かに君が手に入れた「ピークポイント・ヘルメット」
 つまりピポヘルは被ると潜在能力を引き出し、
 しかもそれを格段に向上させることができる。
 だが、アレはまだ未完成でな…今使うのは大変危険なんじゃよ。
 悪いことは言わん、今すぐピポヘルを返すんじゃ!」

可能性と共に危険性を秘めたヘルメット、ピポヘル。
タイムマシンのことも考えると何が起こるかは計り知れません。

「未完成? あれは素晴らしい発明品さ…。
 それにもう遅いよ。俺達はすでに、新しいピポヘルを自分達で作っているのさ。
 俺のなんか、性能をパワーアップさせた特注品だよ。」

「とにかく、俺はこれからあらゆる時代に
 仲間や俺の作ったモンスターを送り込み
 人間が支配してきた地球の歴史を全部書き換える。」

途方もなく巨大なスペクターの野望。
ナツミはスペクターに対し言います。

「何勝手なこと言ってんのよ!
 アンタなんかカケルがすぐに捕まえちゃうんだから!」

「そうそう、カケル。
 お前にはとてもいい遊び相手を用意したよ。」

スペクターが向いた方。彼の傍らにいたのはなんと…ヒロキでした。

「ヒロキ君!」
ナツミは信じられない様子です。

「カケル、お前とはいつか決着をつけようと思っていたんだ。
 いいか、お前を倒すのはこの俺だ。白黒はっきりさせてやる!」

「ヒロキ君、どうしちゃったのよ!」
「無駄じゃナツミ。恐らくスペクターに操られておるんじゃ…」

「そのとおりさハカセ。
 ここにいるのはもう昔のヒロキじゃないよ。
 それじゃ、研究所のみんな。
 君たちの活躍、せいぜい楽しませてもらうよ。」

現れた敵、スペクター。
次なる時代で待ち受けるは機械を用いるサル達。
次々に送り込まれる新たなるモンスター達…
そして立ちはだかるヒロキ。

しかしカケルの戦いはまだ、始まったばかりなのでした。

111サルゲッチュ 中盤:2008/06/04(水) 20:47:43
新生代では木のモンスターと戦い
原始時代では巨大生物ガブリンの体内へと入り込み
氷河期では巨大マンモスとの戦いを繰り広げ
そしてヒロキとの二度の戦いを制したカケルは
どんどん現代へと近づいていきました。

「カケル君!ついにスペクターの居場所がわかったぞ!
 スペクターはどうやら「人間が文明を築き上げた時代」にいるようじゃ。
 いよいよ最後の戦い…頑張ってスペクターを捕まえ、
 そして無事に現代へと帰ってきて欲しい。」

近代。
スペクターの待ち構える時代へと降り立ったカケルに、
襲い掛かるはスペクターを守る兵として訓練されたサル達でした。

日本寺院、中国の巨大建築物の2箇所でサルを捕まえたカケルは
いよいよスペクターの待ち構える中世ヨーロッパの城へと足を踏み入れました。

そこは強力なモンスターに囲まれ、
城全体が巨大で幾多もの罠を張り巡らせた複雑な仕掛けの城。
カケルは苦戦しながらもそれらを乗り越え、
そしてとうとうスペクターのいる部屋へとたどり着きました。

「驚いたな。もうここまで来たんだ。」
「スペクター…ヒロキ!」

大きな乗り物と、スペクターとヒロキの姿。

「ヒロキ。作戦は順調に進んでる?」
「はい。町の全てをほぼ制圧しました。」

そう、スペクターが安全な時代に居ながらにして
サル達はとうとう現代世界まで侵略していたのでした。

「よし、じゃあ現代に戻るぞ。」
「はい。」

そしてスペクターはヒロキと共に背後にある大きな乗り物へと乗り込もうとします。

「待て、逃がさないぞ!」
「生憎だが、カケル。今はお前の相手をしている場合じゃないんだ。
 だが決着は必ずつけてやる。それまで待ってろ。」

そして続けてスペクターが言います。
「ソイツと遊んで、勝てたらね…」

轟音と共に乗り物が動きだし…
そしてスペクターを乗せたそれは時空の彼方へと飛び去りました。



逃げたスペクター。
そのとき…辺り全体が突然揺れ出し、
部屋の中心一点にどこからか雷が撃ち込まれました。

そして現れたのは…
巨大な鎧の戦士「スペクライザー」。スペクターが用意した巨大兵器です。

電撃を身に纏ったその体には体当たりもメカボーも通用しません。
そしてじりじりとカケルに詰め寄り、
全てのエネルギーを手にした斧に込めて…
辺りを揺るがす強烈な一撃を放ちます。

しかしその瞬間に電撃も地面に放射され…
スペクライザーに隙ができたのです。
すぐさま電撃のバリアは張り直されたものの、
その隙を逃さず攻撃することを繰り返し続けたカケルは
強敵、スペクライザーを破壊することに成功しました。

そしてカケルは時空間を通り
スペクターを追って、とうとう現代へ。

…そこでは、恐ろしい光景が広がっていました。

兵器を持ち、町を荒らしまわるサル。
逃げ惑う人、家に隠れ窓を閉め切る人。

完全にそこはサルの時代でした。


すぐさまハカセの研究所へと向かうカケル。
しかし…
研究所は最早破壊し尽くされた後でした。
煙を上げ、ショートした機器。穴の開いた厚い鋼鉄のドア。

…そして、もう…そこには最早人影は見当たりませんでした。


「カケルさん、ハカセからメッセージを預かっています。」
高い声が辺りに響く。 いつもカケルのオペレーションを担当している
プログラムのチャルの声だ。

「…再生して。」

112サルゲッチュ 終盤1:2008/06/04(水) 21:38:19
「カケル君。
 今町の様子は見てきたと思うが
 君の居ない間にスペクター達は町を襲いおった。」

ノイズ混じりの画面に映し出されたのはハカセの姿。
後ろには研究所のドアをこじ開けようとする何者かから
必死にドアを守るナツミの姿がありました。

「これを見てくれたまえ。」

提示された画像はどうやらテレビ局のようです。

「これはサル達が町の中心に作った
 スペクター達基地の映像じゃ。
 やつらはこの町でサルの限りを尽くしておる。
 残された希望は最早君だけだ…」

ナツミがドアに寄りかかり、必死にドアを守っています。
しかし…もう手遅れでしょう。

「君の勇気と そのガチャメカがあれば
 スペクターをきっと止められる…!
 君にはそれが出来る!
 後は頼んだぞ…!」

そしてその瞬間…ドアが打ち破られ、
映像はそこで終了していました。


「カケルさん、ハカセとナツミさんがいないので
 代わりに私が説明させて頂きます。」

新しいメカをカケルに渡した後、今度は説明が始まりました。

「スペクター基地について説明しますね。
 基地は、町のほぼ中央にあった工場とビルを改造して作ったようです。
 工場では、世界征服のための道具が大量に作られ…
 ビルではスペクターの計画が着々と進行しています。
 警備もこれまでにない強力な兵器で厳重に行われています。」

「そこでまず、この基地の活動を止めるために
 エネルギー貯蔵庫に向かってください。
 エネルギー貯蔵庫は近くの公園に隠してあるようです。
 その後、基地に向かってください。
 カケルさん、くれぐれも気をつけてくださいね?」

そしてカケルはたった一人、町へと繰り出しました。

公園にたどり着いたカケルを待ちうけていたのは
ハンマーメカ、「メガトン・サルティック」。
攻撃や距離に反応し手にした巨大なハンマーを振り回すメカ…
耐久力も今までのメカの上を行くものでした。

まずはこれを破壊し、公園の地下水道からエネルギー貯蔵庫へ。
張り巡らされたものだけでなく地形そのものがトラップと化すこの場所は
カケルには手ごわい場所となりました。

ここでサルを捕まえ、貯蔵庫の動きを止めると
今度はピポヘルを始めとする道具や兵器を作り出している工場へ。

そこには高く高くそびえるバリケードと機械の兵隊。
カケルはハカセが用意していた戦車に乗り込み、これを砲弾で打ち破り…
工場の前を守る巨大砲台との銃撃戦を超え、工場内部へと進みました。

そこには巨大な戦闘ロボットに乗ったサルやマシンガンを乱射するサル達、
そして侵入者を阻むための装置、人間が触れれば即死するような
高熱の溶岩の海がありました。

それらに屈することなくカケルはここでもサル達を捕まえ…

いよいよ町の中心…
スペクターの待ち構えるスカイTVタワーへと潜入するときがやってきました。

誰もいないロビーから飛び出してきたサルの兵達。
地下に張り巡らされた電撃のトラップ。
スタジオ内での、工場と同じく戦車に乗っての巨大な砲台との戦い。

カケルはサル達と戦いながらエレベーターに乗り、
70F、屋上へと一気に駆け上がりました。

113サルゲッチュ 終盤2:2008/06/04(水) 21:39:16
鳴り響くプロペラの音。吹きすさぶ風の冷たさ。

夜の高層ビルの屋上にいたのは、
以前の巨大な乗り物…スペクターとヒロキ…
そして、ハカセとナツミでした。

「カケルっ!」
「ハカセ、ナツミ!今助けるからね!」

「しつこい奴だな…もうこんな所まで来たんだ。
 でもハカセ達はまだ返すわけにはいかないよ。
 ちょっと…手伝ってもらわないとね。」
「ワシは協力など絶対せんぞ!」
「そうよそうよ!ちょっとヒロキ君、いい加減離してよ!!」
「…お、大人しくしていてください…ナツミさん。」

何故か動揺するヒロキ。

「ヒロキ、ハカセ達を連れて行け。」
「はっ!」
「もうやめてってば!ヒロキ君、正気に戻りなさいよ!!」
「やめろ、ヒロキ!」

「お前は僕がこの『バトルクルーザー』で直接相手してやる…。」


部下と共にあの乗り物…バトルクルーザーに乗り込んだスペクターとの
戦いが始まりました。

大空を翔る巨大戦艦、バトルクルーザー。
空からはミサイルの雨を降らせ、
地上ではレーザーや小型UFOでの攻撃、地を走る爆炎での攻撃を用いる強敵です。
弱点は存在しても、そこに寄せ付けぬように
プロペラを回して突風を起こし、近づけぬようになっています。

しかしカケルにはダッシュフープというメカがありました。
高速回転により得られる加速力でそれを突風を撥ね退け、
カケルはバトルクルーザーに体ごと突進し…
もしくは遠距離攻撃の可能な武器、パチンガーで狙いを定め
その弱点めがけ撃ち出し…。

見事バトルクルーザーを倒すことに成功しました。

空中で小さな爆発を起こし炎に包まれたバトルクルーザーは
勢いを失い、屋上へと落下し…大爆発を起こしました。

乗組員のサルの姿が見えません…
空の上にいたスペクターを除いては。

「やってくれるね。見直したよ、カケル。
 まさかここまでとはな…」
「お前なんかに負けるもんか!ハカセとナツミ、ヒロキも返せ!」
「そうだな…考えてやってもいいよ。今、面白いことを思いついたからね。」

空に浮かぶスペクターの周りに青い光の輪が現れます。
ワープするためのもののようです。

「また後で連絡するよ。楽しみに待ってて欲しいな。
 じゃあね!」

そして、スペクターは光の中へ消えて行きました。

「あ、待て!スペクター!逃げるのか、
 待てーーーーーーーーーーーー!」

カケルの声は、暗く広い空にただただ響くだけでした。

114サルゲッチュ 最終決戦1:2008/06/04(水) 22:42:39
「やあカケル。待っててくれたかな?
 さっき面白いことを思いついたって言ったよね。
 僕とゲームをしないかい?」
カケル宛てに直接メッセージが送られてきました。

「僕が遊園地を脱走して来たことはもう知ってるよね?
 その遊園地のどこかに、ナツミとハカセを隠しておいたんだ。
 君にそれを探し出して欲しいのさ。」

スペクターが選んだ決戦の地。そこは彼が生まれた地である遊園地でした。

「勿論君が満足できるよう趣向を凝らしたよ。
 楽しんでもらえると嬉しいな。とにかく遊園地で待ってるよ…じゃあね。」

決戦の地は遊園地。人のいない、真夜中の遊園地。
そこには、人気は全く感じられず…
しかし、賑やかな証明や音楽、電飾に包まれていました。

広場の中心のカケルを囲むアトラクションへのゲート。
その中にはカケルを悪意が待ち構えているのでした。

まず最初にカケルが向かったのはサーカス。
動物が入れられるはずの檻の中に入れられていたのは…人間。ハカセでした。

「おお、カケル君!無事か!」
「うん。ハカセも大丈夫?」
お互いの無事を確認するとカケルはハカセに
巨大な巨大な、檻の中への入り口を聞きます。

「この上に入れるような場所があるみたいなんじゃ。そこから入っとくれ。」

檻を取り囲む外周の、心細い足場。下は見えない、真っ暗な穴です。
メカの襲撃もある中、それを少しづつ登っていったカケルは…

「ようこそ、わがサーカスへ!」
檻の天井でスペクターの作ったメカ、文字通りの「ダンチョー」と出くわします。

爆弾メカの扱いに長ける彼は意外にモロく、すぐに気を失いました…
しかしその衝撃で檻の天井は壊れ、カケルはダンチョーもろとも
檻の下へまっさかさまに落ちてしまいました。

落ちた先で狂ったように暴れるダンチョー。
これを止めないことにはハカセを助けることはできません。

高速回転などでカケルを執拗に追い詰める彼をメカボーで破壊したカケルは
ハカセの救出に成功しました。

「おお、すまないな、カケル君…。君は本当に強くなったな…」
「ハカセのメカのおかげだよ。」
「いやいや。力だけが本当の強さではないぞ。
 そんなものは、人の強さの、ほんの一部に過ぎん。
 君は、本当の意味で、強くなったんじゃよ。」
「そうかなぁ…よくわかんないや。」

その言葉をとりあえず覚えておきながら、
ハカセを見送ったカケルは次にジェットコースターへと向かいました。

そこはただのジェットコースターではありません。
乗ったものを激突させるべく何重もの壁が線路に取り付けられ、
最終的にはコースターを破壊、搭乗者を投げ出すという悪魔のジェットコースターでした。

まずはこれを乗り越えたカケルは、コースターの到着地点、お化け屋敷に踏み込みます。

入り口から見える屋敷の中心部の籠に、誰かが入っています。…ナツミでした。

「ナツミー、大丈夫ー?」
「もう、ノンキなこと言ってないで早く助けなさいよ!」
「ごめん、ここからじゃ行けないみたいだから
 どこか道を探すよ!」

ナツミのいる部屋への道を探すカケルに、スペクターの仕掛けた罠が襲いかかります。
まず廊下では部屋を覆う巨大な包丁が振り下ろされ、
無造作に置かれたツボからは霊魂の形をしたモンスターが飛び出します。

奥にあったスイッチを押し、ナツミのいる籠のある部屋へと入り込むと
突然下へ落とされました。

下の部屋にはズラリと棺おけが並び…そこから飛び出してきたのは
見覚えのあるサル達でした。

名前を見てすぐにカケルはわかりました。
彼らは近代においてカケルたちが捕まえたサル達の子供。復讐者だったのです。

並んだ棺おけを行き来し、霍乱し
そのたびにモンスターを呼び出しカケルを襲わせる。
長い戦いになりましたが、その3匹を捕まえることにも成功しました。

「きゃあああああああああああああ!!
 いったーーー!ちょっともっとゆっくり降ろしなさいよ!」
「僕のせいじゃないよ、勝手に籠が落ちたんだって!」

何にせよナツミも助け出したカケルは広場へと戻ります。
すると、空にスペクターの声が響き渡りました。
「今度はゴーカート場に行ってみなよ。
 君のお友達が待ってるからさ…アハハハハ!」

115サルゲッチュ 最終決戦2:2008/06/04(水) 23:10:15
ゴーカート場。

観客もサルも誰も居ないその場所でカケルを待っていたのは
ヒロキでした。

チャルに渡されたメカヨンクを巨大にしたような…
子供の憧れを形にしたもの。
夜空に飛ぶレーシングマシンの上からカケルを見下ろしていました。
これこそが、スペクターが用意した、ヒロキ最強のガチャメカだったのです。

「ヒロキ…とうとうここまできたぞ。」
「やるな、カケル。いつも俺とタメ張ってるだけあるぜ。
 でも、もうこれまでだ。今日こそ決着をつけてやる。」

「勝負だ!」


コースに詰まれたたくさんのタイヤの壁。
部屋の中でヒロキはカケルを倒すつもりのようです。

たくさんの爆弾をばら撒き、メカヨンクを大量に撃ち出すマシン。
これをメカボーでカケルが破壊すると
信号は赤から緑に変わり…

マシンのエンジンが轟音を発します。
信号が変わる。つまり、その下がマシンの向かう先。
それは…カケルの体そのものでした。

カケルへ向かって超高速で発進するマシン。
しかしカケルはトビトンボを使いそれを紙一重で避け、
エネルギーを使い切ったエンジンに向かい攻撃を浴びせます。

それを何度か繰り返した後…

とうとうヒロキのマシンは爆発を起こし、
ヒロキは空高く投げ出されました。

勢いよく地面へと叩きつけられるヒロキの体。

「ヒロキっ!」
「…あれ?ここは……
 カケル!?俺変なんだ…今まで何してたか…
 ぼんやりしか思い出せなくて。」
「ヒロキ!?ひょっとして、元に戻ったの?
 スペクターのこと…覚えてないの?」
「スペクター…?なんだか思い出せないや…
 うっ!体中が痛い…イテテテテ!」
「やったぁ!元に戻ったんだね!」

やっとヒロキが、カケルの友達が戻ってきました…。
カケルは喜びのあまり、全身怪我だらけのヒロキを振り回します。

「ああ、ヒロキ。目が覚めちゃったんだ。」

そこに響くのはスペクターの声。

「まぁいいや。君はもう用が済んだからね。
 それはそうとカケル。お前の力、たっぷり見せてもらったよ。
 ホント、想像以上だよ。
 ヒロキも目を覚ましちゃったし、丁度いいや。
 代わりに俺の仲間にならない?」

「なるわけないだろ!誰がお前なんかと!」

「まぁまぁ。とにかく、直接会って話がしたいな。
 お前も俺を探しているんだろ?
 俺は今、この遊園地の城を改造した『スペクター城』にいるんだ。
 入り口は開けておく。君を城に招待するよ。
 じゃ、待っているよ。」


負傷したヒロキを研究所に送ったカケルは
スペクター城の門の中へと入り込みました。

…するとなんと。

突然地震が起きたかと思うと、城の周りの地面が裂け、
城が空高く飛び上がったではありませんか。


空から地上を見下ろす空中要塞。
それがスペクター城だったのです。

とてもトビトンボでは届かない高さ。
城のあった場所にできた穴の中心にあったゲートに入ると、
カケルはスペクター城の上へとワープしました。

落ちたら絶対に命はない高さ。
サル達の気配を感じなく、開かない入り口前から地下動力室へ移動すると…
カケルの侵入を感知したサルが、警報のスイッチを鳴らしました。

けたたましい警報音。最終決戦の始まりです。

116サルゲッチュ 最終決戦3:2008/06/05(木) 20:11:00
迎撃すべくUFOに乗り現れたサル二匹を捕まえたカケルは
スペクター城の中へと潜入します。

スペクターの巨大な肖像画が出迎えるエントランスホールから始まる
スペクター城内部は複雑なギミックが沢山。
巧妙に隠されたサル達を見つけ捕まえながら先へと進みます。

電撃のバリアを抜けた先…
そこは城の上部へと繋がる螺旋通路。
そこで炎を噴射し現れたのが「ブースト・サルティック」。
メガトンサルティックと同じシリーズの異なるタイプのメカでした。

カケルの元に現れ、遠距離からの両腕からのショット攻撃をし続ける。
ただでさえ困難な道が更に危険なものになります。
これに対しカケルは届く位置ではメカボーによる打撃、
遠距離ではパチンガーによる精密射撃でこれを粉砕します。

しかし一体破壊しても上に登るとまた一体が現れる…。
5体目のブーストサルティックを倒したところで
螺旋通路の最上部に達し、そこから外へと出ます。

…目の前に広がっていたのは宇宙…そして丸い地球の形。
どうやらスペクター城は宇宙へと移動していたようです。

外周通路から更に上へと登るしかないようですが、
前にもましてそこは足場の不安定な場所。
敵の攻撃が緩むこともありません。うっかり落ちてしまったら…。


ともあれトビトンボによる飛行も手伝い、なんとかカケルは
スペクター城の外周通路、最上部へと登ります。

その先には扉。これがスペクターの部屋へ通じるものなのでしょうか…?
一目散に扉へと急ぐカケルの前にロボットが落下してきます。

「ハイパー・サルティック」。
これぞサルティックシリーズ最強の一体のようでした。

遠くではショットガンとバルカンの乱射、
近くに踏み込むと腕からの火炎放射。

遠近共に攻撃手段を持つこの敵にカケルは苦戦しますが、
サルティックシリーズは全て反応が遅い。人間の動きには敵う事なく、
この強敵もまた敗れ去り、爆炎に包まれました。


扉の中の小さな部屋あったのは…なんとスイッチだけ。
しかしこのスイッチは…?

押すと突然部屋の床が動き出し…
エレベーターとなって自動的に急降下を始めました。
これは罠…?


カケルはなんと、1Fまで戻されてしまいました。

仕方ない、とエントランスホールに戻り再度登ろうと…
そのとき。カケルは気づきました。入り口の変化に。

…なんと、スペクターの肖像画が上へとスライドしているではありませんか。
そう、肖像画はスペクターの間へと通じるエレベーターを塞ぐ扉だったのです。

いよいよ最終決戦が始まる…
カケルは意を決し、そのエレベーターに乗り込みました。

117サルゲッチュ 最終決戦4:2008/06/05(木) 21:22:07
スペクター城、真の最上階。
長い長いリフトのコースの先にあったのは、
巨大な機械。これは一体何なのでしょうか。

更にそこから1フロア分エレベーターで登った先で…
とうとうカケルはスペクターと対峙しました。

目を合わせる二人。睨むカケル。うすら笑うスペクター。

先に言葉を発したのはスペクターでした。
「あーあ。城の中をかなり荒らし回ってくれたようだね。
 俺はお前と話がしたいからこの城に入れてあげたのに。
 …どう?気に入ってくれたかな。
 この城は最強の要塞なんだ。世界征服だって簡単さ。
 ここは眺めもいいし…ホント最高だろ?」

友達を洗脳され、誘拐され、町をめちゃくちゃにされたカケル。
ここで彼の気持ちが一気にスペクターに放たれます。
「何言ってんだよ!みんな困ってるんだぞ!もうやめるんだ!」
スペクターも声を荒げます。
「お前こそ俺の妨害をやめて俺の仲間になれよ。
 …ヒロキみたいにさ。」

「嫌だ!お前なんかに操られるもんか!」
「それはどうかな?」

スペクターが背を向けて話を続けます。
「俺は…超能力が使えるんだ。
 俺がその気になれば、お前がいくら嫌がろうと
 お前を操ることなんて簡単なんだ…」

そう。種のある超能力、手品を芸にしていた白いサルに備わった力。
それは…本物の超能力でした。

「こんな風にな!」
「うわああああああああああああああああああ!」

青い強力な思念波がカケルに降り注ぎます。
人の脳を揺るがす強力な波動。
恐らく不意を突かれヒロキもこのように洗脳されていったのでしょう。

「苦しいか…?さぁ、諦めて俺の仲間になれ!」
「嫌…だ…。」
「何?」

カケルはここで負けるわけにはいきません。
力一杯に抵抗し、そしてとうとう…

「嫌だぁあああああああ!」

思念波がスペクターごと吹き飛ばされました。

床に叩きつけられるスペクター。
ここで王者のプライドを傷つけられたスペクターの化けの皮が剥がれました。
「くそぉおお!!
 なんでお前、俺の力が通用しないんだ!」

吼えるスペクターの言葉にカケルはこの一言をぶつけます。
「力だけが…」
「何…?」
「力だけが…本当の強さじゃないんだ!」

ハカセからもらったこの言葉。ただの受け売りにすぎなくても
それはスペクターの逆鱗に触れるには十分なものでした。

「ぬぅううううううううううううううううう!
 失望したぞカケルぅう!!
 もうお前に用はない!」

スペクターは最早、力と知能に溺れたただの子ザルに戻っていました。

「これでも食らえぇえええ!」

118サルゲッチュ 最終決戦5:2008/06/05(木) 21:51:02
巨大な顔の形をしたメカに乗り込んだスペクター。
操縦席から乱暴な操作でカケルに照準を合わせては
次々にミサイルやレーザーを放ち、カケルが近づくと衝撃波を発生させ弾き飛ばす。

しかしそれでも怒りに任せたそんな操作では隙だらけであり、
カケルに何度もコックピットを攻撃され
スペクターのメカはすぐに警告を発しました。

しかしスペクターはまだ諦めません。
顔の形のメカを中心としたそのフロアに突然大きな揺れを発生し…

床は崩れ、カケルもろとも下階に転落。
顔型のメカは下の階にあったメカと合体…真の姿を現します。

そう。下の階にあったメカは顔型メカの胴体。
これこそがスペクターの最終兵器「ゴリアックアーマー」だったのです。

名前のとおりゴリラをモチーフにした巨大なメカは
ドラミングの如く両腕で胸を叩き咆哮をあげると戦闘態勢に入ります。
まずは腕を上に掲げて掌から空中にエネルギー弾を発射。
それは破壊の雨となり床へと降り注ぎます。

カケルがそれをかわすと今度は腕が赤く輝き
レーザーをカケルに向かい乱射。
引きつけながらこれを回避、腕をメカボーで叩き攻撃。
破壊はできなかったものの腕から派手に爆発を起こし、
痛がるゴリアックアーマー。

そしてゴリラのパワーを活かした攻撃、
両腕を床に叩きつけての衝撃波攻撃。
これもカケルにかわされるとまたドラミングを始め、
今度はカケルを追っていたビットからの誘導レーザー。

そんな攻防が続き、腕2本を破壊されたゴリアックアーマーは
とうとう顔と胴体が一体化したことでの攻撃に移ります。

胴体から供給されたエネルギーを口から巨大なバズーカとして発射する攻撃。
床も粉々に粉砕されるこの攻撃を食らえばひとたまりもありません。

1度攻撃を受け怒りが頂点に達したスペクターは、力任せに今度は二度…
巨大な破壊の砲撃を繰り出します。

戦うための足場すらなくなったカケル。
しかし彼はその瞬間、
ゴリアックアーマーの付け根にあたる
バリアの中へ飛び込み…高熱による火傷に耐えながら
とうとう最後の一撃をゴリアックアーマーに叩きこみました。

その瞬間、要塞全体が揺れ、何度も何度も大きな爆発を起こし…
ゴリアックアーマーは粉々に砕け散りました。

勝利したカケル。しかしスペクターの姿がない…。まさか。

「よくもやったなカケル!!
 お前のせいで…俺の計画は台無しだ!」
スペクターは椅子に乗り、怪我一つ負うことなく空に浮かんでいました。

「スペクター、悪あがきはよせ!遊園地に帰るんだ!」
「ふざけるな!誰があんなところに帰るもんか!
 いいか…俺は必ず戻ってくる!
 そして今度こそ世界を征服してやるぅううう!
 それまで首を洗って待ってろ!!いいな!」
「待て、スペクター!」

半分涙声になりながら、スペクターはまた、姿を消しました。

何はともあれこれで戦いは終わり…夜が明けると共に、
カケルは研究所で待っていたみんなの元へ帰りました。
「おーい!みんなーーー!」
「カケル!」
「カケル!」
「カケル君!」



それから数日後。
白い子ザルがいないことでお休みになった手品小屋の前。

「スペクターは…やがて、悪さをしにまた戻ってくるじゃろう。」
「…ハカセ、僕スペクターを探しに行くよ。」
「うむ。しかし、まだ捕まらずに残っているサル達を放っておくわけにはいかん。
 君はまず、またタイムマシンで色んな時代へ行き、
 サル達を捕らえるのじゃ。ワシがその間にスペクターの居場所を突き止めておこう。」
「うん…わかった。」

119ファイナルゲッチュ:2008/06/06(金) 18:07:19
全てのサルを捕まえたカケルの元に
ハカセからの通信が入ります。
…スペクターの居場所を掴んだとのこと。
カケルはその場所へと転送してもらいます。


「とうとう…来たな、カケル。
 お前って、本当にしつこい奴だな…」

異次元空間の中にある小さな場所。
機械やディスプレイに囲まれた、スペクターの秘密の場所のようでした。
「当たり前さ!まだ世界征服とか考えてるんだろ!いい加減にしろよ!」

「フン…。
 それよりカケル。お前に聞きたいことがある。」
「な、何だよ急に。」

今までになかった、スペクターからカケルへの疑問。

「お前、結構強いのに何でその力を他に使おうとしないんだ?」
今まではサルだった。そして急に力を得て、知能を得て
それが嬉しくてたまらないスペクターにはわからない感覚なのかもしれません。

「僕は…今のままで楽しいもん。
 それに、お前みたいなことしたらみんな困るだろ?」
「チッ…。ガキだな、お前。」
「お前が聞いたんじゃないか!」

「…まぁいい。もう一つ、聞きたいことがある。」
「もう!何だよさっきから!」
「ギャーギャーうるさい奴だな…」


スペクターが急に、さびしそうな風に呟きだしました。
「…飼育係のおじさんは…どうしてる?」

「飼育係のおじさん…って…遊園地の?」
「…ああ。」

仲間もいなくなり、たった一人になったスペクター。
その時になってやっと、何かに気づいたのかも知れません。
しかし…

「…ひょっとしてスペクター。
 遊園地に帰りたいんじゃないの?
 おじさんだって、謝ったら許してくれると思うよ?」

「馬鹿言え!言っただろ!誰があんな所!
 俺は強力な力を手に入れたんだぞ!
 この力を使えば、何でも自分の思った通りになるんだぜ…?」

知能と力がもたらしたプライドそんなことは許さない。
そんな風にも見えます。

「…そんな力、意味ないよ。
 お前はピポヘルに操られているんだ。」

「そんなもの捨てろよ、スペクター!
 そして遊園地に帰ろう!」
「ウルサイ!この力の凄さは今、お前を倒して証明してやる!」

スペクターが本気で怒り始めました。
カケルはここで、最後の約束をします。
「…もし、僕が勝ったら、ヘルメットを捨てるか?」
「…俺が、負けるわけないだろ…?」

「よーし、約束だぞ、スペクター!
 行っくぞーーーー!」

こうして人と、人の間で生まれ育ったサル。
相容れぬそれぞれの未来を担う子供同士の
最後の「追いかけっこ」が始まりました。

120実況パワフルプロ野球10:2008/06/07(土) 20:45:24
今から数十年以上昔…
プロ野球12球団に新しく4球団増え、
セ・パ8球団ずつの16球団にルールが改正された。

2000年2月。
子供のころから夢だった、
まったりキャットハンズにドラフトハズレ1位で入団し、
プロ野球選手としての人生がスタートした。
2軍からのスタートだったオレはがむしゃらにがんばった。
それから3年経ったある日…

「おい、パワプロ ちょっといいか?」
「あ、(二軍)カントクなんですか?」
「3年以内に結果を出すことができなかったら…クビだ わかったな」
「えっ、キミも言われたでやんすか!?」
そこに現れたのはメガネをかけた野球選手―
「あ、確か君は…同期入団の矢部くん」
「どうしよう…オイラ達…クビでやんす。」
「いや、こうなったらやるしかないよ!
 何が何でも1軍に上がって結果を出すんだっ!」
「そうでやんすね!オイラも本気でやるでやんすっ!!」

121実況パワフルプロ野球10 キャンプ前編:2008/06/07(土) 20:55:24
ギョ・ギョ(イベントは短いのがお好き?)

 もちろん
ニアいえいえ、全部見ます

ギョー(イベントをショートカットに設定しませんでした)

長い緑の髪をみつあみにした女性選手が歩いている
「今日、結構寒いね」
「あ、キミは確か…」
と、そこに矢部君がササッと現れる
「説明するでやんす。」
「や、矢部くん!」
「こちらが早川あおい選手でやんす。
 今季、ロッテとのトレードで我がキャットハンズに加入することに
 なったでやんす。」
「ちょっと、矢部くん?」
「ちなみにオイラやパワプロくんと同期でやんす。
 唯一の女性選手とあって人気はかなりのものでやんす。
 ちっ!………でやんす。
 ちなみにスリーサイズはオイラが握ってる情報によると
 上から順に」
矢部くんの思いもよらぬ大暴露に―
「コラッ!!何話してるの、矢部くん!!」
「つ、ついイキオイで口が滑ってしまったでやんす!」
「もう…油断も隙もないんだから。」
顔を赤らめて矢部を睨む早川―
「でもなんで矢部くんはあおいちゃんのことそんなに知ってるの?」
「昔いろいろあったでやんすよ…フッ。」
無駄に男前に決める矢部、それを見た早川は―
「意味不明ね…」
「ま、まあまあ もう練習には慣れた?」

122実況パワフルプロ野球10 キャンプ後編:2008/06/07(土) 21:06:29
主人公のキャンプでの練習の問いに対しあおいは―
「うーん、ロッテの時と比べて柔軟の割合が多いわね。
 キャンプ初日って言うのもあるのかな?」
すると主人公が知ったかぶったような顔で―
「ウチは景西コンディショニングコーチの科学的トレーニング理論に
 基づいて練習メニューを組んでるんだ。
 ケガも少なくて評判もいいんだよ。」
「景西コーチ?」
「ちょっと待って。さっきあのへんに…コーチ〜!」
と、そこにやってきたのはルックスがよく(?)、
かつメガネの下の笑顔が印象的な(?)、さわやかな(?)人だった。
「なんだい。パワプロクン?」
「紹介するね。こちらがキャットハンズのコンディショニングコーチ、
 景西 明(かげにし あきら)コーチだよ。」
恥ずかしそうに、でも笑顔であいさつするあおい。
「は、はじめまして」
「あ、キミが…はじめまして、あおいさん。
 ボクが景西です。ヨロシク。」
「は、はい。よろしくお願いします。」
「キミが来ると聞いて女性専用のメニューもしっかりと考えておいたので、
 安心して練習に取り組んで下さいね。」
「あ、ありがとうございます。」
「それでは。」
にこっとした笑顔で走り去っていく景西コーチ。
対するあおいはほけー、としたままつったている状態になっていた。
そこに矢部くんが―
「ムッ!?あおいちゃん、何ボーッとしてるやんすか?」
「え、な、なんでもないわよ。
 それにしてもさわやかな人ねー。」
「ま、まあいいでやんす。次に(一軍)カントクでやんすね。
 お、ウワサをすればでやんす。」
そこにやってきた一軍監督とは…?

123実況パワフルプロ野球10 キャンプ後編その2:2008/06/07(土) 21:17:38
そこにやってきた一軍監督は―
「呼んだか、矢部?」
「世渡 好夫(せわたり よしお)カントクでやんす。」
すると世渡はいきなりあおいの顔を見るなり鼻を伸ばして―
「チミがあおいクンかね。ウッシッシ。」
「よ、よろしくお願いします。」
「よろしくな、いろいろと…」
と、どこからか聞こえてくる他のチームメイトの声―
「カントクー!」
「お、呼んでるな。じゃあな。」
そして走って去っていくカントク、三人の間には変な空気が流れていた。
「…?なんだか目つきがいやらしかったわね」
「あのカントクには気をつけたほうがいいよ。
 かなりの女好きのスケベ親父だから。」
その言葉を聞いて別の意味で顔を赤らめるあおい。
「そ、そーなの!?」
「あおいちゃんのトレードもあのカントクが企てたとのウワサでやんす。
 あくまでもウワサでやんすが。」
そしてその矢部の言葉を信じるのか信じないのか少し微妙な眼をして
「ふーん、気をつけよっと。」
「現役時代はいい選手だったらしいけど。…ほんとかなあ。」
と、そこに(失礼だが)オーナーとは思えないオーナーがやってくる。
「がんばっとるかね?」
「あ、オーナー。」
矢部くんがすぐさまオーナーの紹介をする。
「キャットハンズのオーナー企業であるまったりタクシーのオーナーでやんす。」
「ほっほっ。いつもまったり安全運転!」
「出たでやんす!得意のフレーズ!!」
「業績も好調だし、我がキャットハンズも安泰だね。」
「一通りの紹介も済んだことだし練習を続けるでやんす!」
一同「オー!!」

124ロックマンゼクス 中盤イベント1:2008/06/14(土) 20:06:46
セルパンが持っていた忌まわしきライブメタル、モデルV。
だがそれはモデルVの一部にすぎないもので、
彼の本当の目的は「モデルV本体」を探し当て、その力を自らのものとするためだった。

モデルVの本体は現在、初代司令官が施したとされる封印の中にあるという。
その封印を解くためには、6つのパスコードが必要となる。
その6つのパスコードを持つのが
初代司令官によって作られたとされるX、Z、そして他4体のライブメタル。
まずはその4体の捜索のミッションにあたることになった。

サイバーエルフが大量に存在した謎の発電所エリアE
「お姉ちゃん」ことガーディアン初代指揮官のメッセージの残されたエリアF
イレギュラーによる大規模な火事現場エリアG
エールが親を亡くした事件の現場、エリアH

それぞれの事件においてエールはセルパンにより改造された存在、
ライブメタルに適合するよう改造された
擬似ロックマン「フォルスロイド」との戦いを経て…

かつてモデルXに仕えていたとされる、
4つのライブメタルとの対面を果たす。


「オレはモデルH。お前は果たして力を貸すべき存在なのか?」
「ふぅ、やっとあいつから開放されたわ、ありがとうね。私はモデルL」
「よう、助けてくれてありがとよ!オレの名はモデルF!」
「拙者はモデルP。モデルX様が行くというのならば拙者も共にゆきましょうぞ」

こうして6つのライブメタルが揃ったわけであるが、
彼ら4つのライブメタルは二つに分けられフォルスロイドに挿入されおり
もう半分のライブメタルこそ彼らが記憶していた封印を解くパスコードを持っているのだという。
そして半身のままではライブメタルは力を発揮することもできない…

4つのライブメタル回収のためのミッションはまだ、半分残されていた。

そしてミッションの中でエールはセルパンの過去も知った。
初代指揮官の元で戦っていた元ガーディアンメンバー。
発掘したモデルVに魅入られた男。
彼の目的とは…

4つ目のミッションを終え、トランスサーバーにミッションレポートを提出したエールは
そこで慌しいプレリーの声を聞く。

「ガーディアンベースがセルパンカンパニーに襲撃を受けているの、
 エール、至急ガーディアンベースへ戻ってきて!」

こうしてはいられない。
ガーディアンベースへと移動したエールは直ちに甲板に登る。

空高いガーディアンベースに近づくはセルパンカンパニーの飛行艇。
敵はすぐにやってきた。

飛行艇から巨大なコンテナがガーディアンベースへと飛んできて、
その中からどんどんとセルパンカンパニーの警備兵、ガレオンが湧き出てくる。
エールはすぐにコンテナごとそれを破壊するが
すぐにまた他の飛行艇からコンテナがガーディアンベースの甲板へとのしかかる。

しかしエール一人での抵抗も長くは持たず、
エールは目の前でガレオンらのベース内への侵入を許してしまった。

そしてそれと同時にプレリーの声がする。
「敵の部隊がベース内に向かったわ!
 ベースの最下層、動力部へ向かってる!」

エールは急いで中へと入りこみ、内部の敵を片つけながら
ガーディアンベース船底、動力室へと急いだ。

「ちくしょう…動力炉から離れろ!」

花の形をしたエネルギー体により支えられているガーディアンベース。
その動力部でプレリーの前に立ち、敵に銃を向ける男が一人。
しかし、攻撃の通用しない相手であるらしかった。

その敵とは…あの時セルパンと一緒にいた少年と少女。
プロメテ、パンドラと呼ばれた者達だった。

ガーディアン自慢の銃もパンドラのバリアの前に全て弾かれる。
「ジャマ…。」

パンドラが攻撃へ移ろうとした…そのとき。
ようやくたどり着いたエールが彼らの前に立ちふさがった。

「プレリー、大丈夫?」
「エール!」

125ロックマンゼクス 中盤イベント2:2008/06/14(土) 20:16:39
そして3人のロックマンがここに揃った。
パンドラはエールに向かって話を始める。

「来た…あの時の…少女。モデルZと…モデルXの…融合体。」
続いてプロメテが口を開く。
「さしずめ…モデルZXと言ったところか。
 ガーディアンを潰すつもりでここに来たんだが…このまま終わらせるのは惜しいな」

そしてここで、あの時出した単語がもう一度エールの耳に入る。
「『あの男』の仕組んだゲームに参加する資格があるか…もう一度試してやろう!」
「あの男の…ゲーム?」

「プロメテ…ずるい…」
「何、楽しみはとっといてやる。
 コイツがここで、アッサリやられなければの話だがな」

そして光の柱となって消えたパンドラ。
「エール…!」
「プレリー、下がってて。コイツはアタシがやっつける!」

残ったプロメテは即座に鎌を構え、エールとの戦いが始まる。

「こっちだ!」
瞬間的に消えたプロメテは空の上から現れ、斬撃を繰り出し、
斬り上げへと繋げ、また消えていく。

彼らはワープの能力に特化しているのか、
出現しては消えを繰り返すのがプロメテの戦い方の特徴だった。

「焼き尽くせ!」
動力室の中央に現れて炎を四方に撒き散らす攻撃。
炎はまた炎を発し、エールを追い詰めていく。

「楽しもうじゃないかぁあああ!」
壁も床も這い伝う光のトゲでの攻撃。不可思議な戦闘方法をとる男だった。

しかしそんな攻撃に最初こそ惑わされたエールだが、
フォルスロイド達との戦いの経験がここで生き、
攻撃を見極め的確に一撃を繰り出し、死神プロメテに膝を突かせることに成功する。

手加減していたとは言え敗れたプロメテが最初に発した言葉は…
「認めよう…お前は俺達の仲間だ!
 このゲームに参加する資格がある!」

またも「ゲーム」についてのことだった。「あの男」の。

「アタシが…お前達の仲間?
 一体何を言っているの!」
「確か…エールとか言ったな
 気に入ったぞ…!今日の所は見逃してやる」

そして空へと浮かび消えようとするプロメテ。
「ま、待て!」
「エール!もっと強くなれ!そして俺達を追って来い!
 モデルVが待っているぞ…?ハーッハッハッハッハ!」

エールはプロメテ達の仲間。あの男のゲーム。モデルVが待っている。
プロメテの言葉はエールに更なる謎を投げかけていた。

戦いが終わり、後ろの扉から再びプレリーが入ってきた。
「エール!」
「アタシは…アタシは…一体?」

「プレリー様、敵の飛行艇が離れていきます!」
「…敵は撤退しました。被害の状況を確認して下さい。
「エール…司令室へ戻りましょう」

司令室へ戻った二人。
エールは今自分がおかれている状況がよくわからなかった。
「プレリー、知っていることを全部教えて!
 アタシは何者なの?何でジルウェは私を守ったの!」

「落ち着いて、エール!私達も詳しいことは知らないわ
 あなたを守るように命令したのは…初代司令官なの。

 命令は…イレギュラー襲撃の生存者を保護すること。
 最初は、何でそんな命令を送ってきたのかわからなかったけど…
 モデルZで、ジルウェさんが変身できたとき、やっとわかったの。」

「ライブメタルで変身できるのは、イレギュラー襲撃の生存者だけ…
 そう、あなたや…ジルウェさんのようにね。
 わかっていることは…本当にそれだけなの」

イレギュラー襲撃事件の生存者…それが何かの鍵であるらしかった。

「普通のヒトとロックマンを分ける条件は一体何なのか。
 恐らく…全てを知っているのはセルパン達だけ。」

その言葉でエールの顔つきが変わった。

「…全ての答えはこの戦いの先に、ってことね
 解ったわ。ミッションを再開しよう!
 アタシが一体何者なのか…絶対に掴んでみせる!」

126ロックマンゼクス 後半1:2008/06/14(土) 21:14:34
4つのライブメタルが完全な記憶と力を取り戻すため…
エール自身が自分が何者か知るため。

再び彼女はミッションへと向かった。


大量の人間をサイバーエルフにする計画が行われていた謎の施設エリアI
奪われたデータディスクのあった巨大な海底トンネルの下エリアJ
マグマの吹き出る危険地帯で発掘部隊を防衛したエリアK
エリアHの奥に存在していた謎の巨大研究施設エリアL

2つのデータを手に入れ、セルパンの計画の手がかりを知ったエールは
4つのライブメタルの真の力を手に入れ、プレリーにそれを報告しに戻った。

データディスクの解析作業が終わると、プレリーはその中身を再生し始めた。

「お疲れ様、データディスクの解析が終わったわ。
 やっぱり…お姉ちゃんが残したデータだったの」
「ライブメタルに関するレポートだったよね
 確かメッセージがどうだとか…」

「ライブメタルの力を受け継いだ者への…
 あなたへのメッセージよ。今、再生するわ」


「ライブメタルレポート 分類No555913 〜力を受け継ぎし者へ〜
 私が作ったライブメタルを手にするであろう、選ばれし者に
 このメッセージを送ります
 私はイレギュラーを生み出す恐るべきライブメタル、モデルVに対抗すべく
 英雄達のデータをこめたライブメタル…モデルXやモデルZ達を作りました。

 けれど…ライブメタルは未知の部分が多く、
 モデルX達はモデルVの研究データを基にして作らざるを得なかったのです。

 つまり、モデルX達の真の力を引き出せる者は…モデルVの真の力をも
 使いこなすことができるということ。
 あなたは、世界を救うこともできれば、支配することもできるのです。

 どうか、その力で人々をよき世界へと導いてください…」

ここでメッセージは終わっていた。
「ライブメタルを使える者は英雄にも…支配者にもなれる。
 だから、プロメテ達はあなたを仲間と言ったのね」

考えようによっては恐ろしい真実。
しかしエールがここで自らの力を恐れることは何もなかった。
「…アタシのこの力は…みんなに託された、大切な物を守る力なんだ。
 アタシは絶対…プロメテ達のようにはならない!」

その言葉を聞いてエールに力を与えたモデルXが安心した様子で話す。
「…エール、その言葉を聞いて安心したよ。
 どうやらみんなのパスコードの修復が終わったようだ。
 これで、モデルV本体が眠る遺跡の奥に入ることができる。」

「急ごう!
 モデルV本体の発掘は相当進んでいるはずよ」
「ええ!ミッションをトランスサーバーに追加しておくわ!」


そしてエールはエリアAの奥、禁断の地エリアMへと足を踏み入れた。
「覚悟はいいか、扉を開けるぞ…!」

6体のライブメタルが次々にパスコード…封印を解く言葉を発していく。
そしてついに扉は開かれた。


異様な雰囲気に包まれたエリアM。
巨大な怪鳥の形をしたイレギュラーの出迎えのあるその場所は
生物のようにうごめく機械がひしめく…
数百年前のそのときから変わらぬまさに異界だった。

数々のトラップを潜り抜け、
最奥部へとたどり着くとそこには…


禍々しい形をした巨大な装置。これが恐らくモデルVだろう。
そしてその前に現れたのはセルパン。
世界を救うか世界を滅ぼすかの選択で、滅ぼすことを選択した者だった。

「とうとうここまでたどり着いたか…
 まさか、あの時の少女がここまでやるとは思いもしなかった
 だが…一足遅かったな。見たまえ、世界を支配する力…
 本当のモデルVの姿を!」
「!?」

「感じるかね、このプレッシャーを!
 君の持つライブメタルですら、このモデルVの前では霞んで見えるだろう!
 この力が今!全て!ついに我が物となる!」


「パンドラ…。この子は大切なお客様だ…もてなしてやってくれ」

127ロックマンゼクス 後半1:2008/06/14(土) 21:41:48
姿を現したのは少女、パンドラ。プロメテの姿はここにはなかった。

「…解った」
「いよいよプロジェクトヘヴンは最終段階に入る
 そこでしっかりと見ていたまえ…新たな時代の幕開けをな!」
「モデルZXの…ロックマン 邪魔は…させない」

杖をくるくると回転させたと思うと消え、戦闘が始まった。
彼女の戦い方もプロメテのそれと似ていた。
しかし彼のように自らの体で戦うのではない。

魔女の異名の通り、魔法のように雷や氷を自在に操っての攻撃だった。
消えては出現し落雷させ、氷の弾を撃ち、ふらふらと空を舞う。
だが今のエールは負けるわけがなかった。負けるわけにはいかなかった。

エールはパンドラの動きについて行き、攻撃を繰り出し続けた。

…ふと、二人が戦ってる間に彼らの後ろにあったモデルVが動き始めた。
しかしモデルV自体が動くのではなく
これはどうやらどこかへ移動させている様子…。

「くっ…モデルVが!」
「運命は…動き出した。滅びの運命は…誰にも止められない。
 あなたにも…セルパンにも。そう…誰にも」

そう言ってパンドラは消えた。セルパンにすら…?これはどういうことなのだろう。

そしてプレリーの通信が入る。
「ごめん、モデルVの発掘を阻止できなかった!そっちで追跡できる?」
「解った、反応を追ってみるわ…」

だがそう簡単に事は進まなかった。
「! これは…!イレギュラーの大群が出現したわ!
 イレギュラー反応が多すぎて、モデルVの動きを追うことができない!」
「セルパンのやつ、なんとしても逃げ切るつもりね!」

「…トランスサーバーにイレギュラー撃退のミッションを追加しておいたわ
 準備ができたらミッションを開始して!」
町を覆うイレギュラー。動き出したモデルV。姿を消したプロメテとパンドラ。
事態は刻一刻と悪化していた。

市街地エリアO。そこはもう火の海と化していた。
空は真っ黒な煙で覆われ、火の粉が舞う。
そして町を徘徊するおびただしい数のイレギュラー。

彼らを倒しながら彼らを指揮するリーダーとなる存在を探しに奔走するエールは
とうとう最奥部でそのリーダーに出くわす。

焼けた町、瓦礫の上に立っていた二人。プロメテとパンドラだった。

「やっぱりお前達か…プロメテ、パンドラ!」
「さぁ…クライマックスだ、エール!
 我らロックマン…力を持った者同士が殺し合う滅びの運命!
 そう…俺達は呪われた運命に魅入られた同じ仲間なんだよ!」
「アタシは…お前達の仲間なんかじゃない!」
「ううん。あなたは…私達と同じ。
 ライブメタルの真の力を引き出せる…特別なロックマン」

「セルパンはよくやってくれたよ!
 モデルVを掘り当てただけでも十分役に立った。
 だが、奴如きにモデルVは扱いきれん…
 取り込まれるのがオチだ!」

セルパンの部下だと思いきやなんと彼らが単にセルパンを利用していただけだったのだ。

「あなた達…初めからセルパンを利用していたのね!」
「…もう遅いわ。モデルVは…もうじき覚醒する」
「もう少し俺達に付き合ってもらうぞ…ロックマン…モデルZX!」

そして二人の姿が消え、彼ら二人との戦いが始まる。
二人揃った彼らの戦い方はコンビネーションを駆使した攻撃だった。

プロメテが炎を巻き上げ、パンドラは氷の像を作り出しエールにぶつける。

「さようなら…」
「もらったァ!」

極めつけはパンドラのビットによる誘導とプロメテの鎌による奇襲の二段攻撃。
滅びあう運命だと自ら言ってのけた彼らにしては恐ろしいコンビネーションで襲い掛かる。

激しい戦闘は続き、エールはかなりの苦戦を強いられた。
現時点で彼らがどの程度の力を出しているかは不明だが
とにもかくにも、戦闘はエールの優勢に終わった。

「お前達の目的は何!?何でアタシに付きまとうの!」
「…私達ロックマンは…戦い合う運命」
「フッ…フフフッ…全てを知りたければ…戦い続けろ…!
 お前も…セルパンも…そして俺達も…
 『あの男』の仕組んだゲームからは、逃れられないのさぁ!!」

こう残し、ロックマン達を戦いの場へといざない続ける者達は去って行った。

「イレギュラー達の勢いが弱まったわ…敵のリーダーを倒したのね!」
「まだ終わりじゃないよ…モデルVの場所は特定できないの?」

ガーディアンベースに戻ったエールに、いよいよ決戦の場が伝えられる。
モデルVがある場所…それは、セルパンカンパニー本社だった。

128ロックマンゼクス 最終決戦1:2008/06/14(土) 22:32:05
いよいよセルパンカンパニーへと突入する時が来た。

そこでエールの前に立ちふさがったのは、まず8体のフォルスロイド達。
しかし今のエールにとって敵ではなく、すぐに8人とも倒され
エールはエレベーターに乗り、最上階へとたどり着いた。

そこにあったのはおびただしい数のカプセル…それにはサイバーエルフが入れられていた。
モデルVの部屋には部屋を覆い尽くさんばかりの更なる数が。

そしてもちろんそこにいたのは…セルパンだ。
「何故…モデルVの覚醒にこれだけのサイバーエルフを必要とするか
 君にわかるかね?」

「それはモデルVが人々の恐怖と絶望を取り込み、
 自らの力とするからだ!」
「!?」
「さぁ…モデルV、この国の恐怖と絶望を食らい尽くせ!」

そう言ってセルパンがモデルVの欠片を掲げた瞬間、
一斉に部屋を覆い尽くすカプセルが割れ、サイバーエルフが
モデルVの中へと吸い込まれていった。

「弱き者は我らと一つになることで苦しみから解放される。
 選ばれし者、ロックマンによる人々の救済、それが
 プロジェクト・ヘヴンだ!」
「ロックマンによる人々の救済だって…?
 この国の人々を犠牲にして、それでも救いだと言うの?」

そしてセルパンの口から語られるロックマンが力を持つ訳。

「我らは多くの犠牲者から選ばれた新世界の王…その候補者なのだよ
 モデルVは滅びをもたらすものではない…進化を促すものだ!
 私は進化についていけない人々に生きる意味を与えてやろうと言っている!」

「お前はただ…過去の自分に、イレギュラーの恐怖に怯えているだけだ!
 だからヒトの上に立とうとする。そんなものが進化だと…お前の理想だっていうの!」
「理想だと!?戯言だ!
 私はこの国の人々の魂を食らうことでモデルVの力を得た!
 君もあの赤のロックマンからモデルZを受け継いだからこそ今ここにいるのだろう!?」

「犠牲なくして、ヒトに進化はない!それを証明するのが…
 我ら、ロックマンだ!」

セルパンが高らかに宣言すると共に手の中のモデルVが大きな輝きを放ち…
セルパンはそれを掌握し前へと突き出し…ロックオンした。

「最後に…君の恐怖と絶望を…最高の感情をモデルVに捧げよう!」


モデルVのロックマン、セルパン。ジルウェが敗れた相手。
それにとうとうエールが挑戦する時が来た。


「ぐはっ…!」

セルパンはエールの使う他のライブメタル同様、一時的な強化能力を持ち
そしてワープ能力さえも備えていた強力な力を持っていた。
だが戦いはやはりエールの勝利に終わった。

129ロックマンゼクス 最終決戦2:2008/06/14(土) 22:32:45
「クク…ククク…
 プロメテ達の…言っていたとおりだ…君が最後の鍵だったのだよ!」
膝をついたセルパンは意味不明なことを呟き始めた。

「君は今…とても強い感情に突き動かされている。
 この私をも超えるほどの…強い感情にだ!」

モデルVが強烈な光を発する。
その瞬間、何故かエールの変身は解除され…
そしてエールの体からどす黒い何かが放出され…モデルVの核へと吸い込まれて行った。
「変身が…解けた…今のは一体…!?」
そして辺り全体が大きな揺れに包まれる。

「君をここまで突き動かしてきた…ある感情だよ
 それは…勇気でも…正義でもない
 君の大切なものを奪った私への…そう、憎しみの心だよ!」
「え…!?」

そしてモデルVから真っ赤な触手が伸び、セルパンの体の各所に繋がれる。
「クックックック…フッハッハッハ…アーッハッハッハッハ!」

そして彼の体を持ち上げ、大きな光に包まれたモデルVの中へと導く。

「今ここに、新たな時代が始まる…!
 新たな支配者…ロックマンの時代がぁ!!」

丸い光の中からヒトの上半身らしきシルエットが飛び出る。
そしてそれは見る見るうちに巨大化し…

強烈な光を発し、収まった時にそれは姿を現した。
モデルV本体にロックオンしたセルパンだった。

「アタシが…モデルV覚醒の鍵だったっていうの…?
 それじゃあ…今までの戦いは…何のために…」
力なくただそこに立ち尽くすエール。

そのとき、彼女に声がかかる。モデルXと、モデルZだ。
「…あきらめないで」
「お前の戦いは、まだ終わってはいない」

続いて現れたのは4体のライブメタル。
「我らは、お前の復讐のために力を貸したのではない」
「ムカついた奴をぶん殴って終わりだなんて、ガキの喧嘩じゃねえんだ」
「熱くなっちゃダメ。力任せに泳いでも、水を濁すだけよ」
「例え闇の中にあろうと、目指すべき光を見失ってはならない…」

「君の力は…憎しみの力なんかじゃない。本当の勇気は…まだ君の中にある!」
「自分を…信じろ!」

エールはその言葉に励まされ、再び力を得た。
6体のライブメタルがエールの中に吸い込まれて行き…
彼女を大きな光が包み…そして。

「そうだ。アタシはあの時誓ったんだ。
 アタシが…全てを守るって」
視界を覆い尽くす巨大なセルパン。だがその前にまっすぐに立つ、
一人の小さな、しかしそれと並び立つ、一人の戦士が…そこにあった。

「ならば決めようじゃないか…新たなる支配者…ロックマンの王を!」
「アタシはそんなものにはならない!
 セルパン、お前が全てを破壊するロックマンなら…
 アタシは全てを守るロックマンになる!」

130ロックマンゼクス ED:2008/06/14(土) 22:57:59
現れた本当のモデルVの顔。憎しみの塊と言える鬼のような顔の
その額にあるクリスタル、モデルVの核。
そこにとうとうエールのセイバーが振り下ろされ…決着がついた。
「ぐはぁああっはあぁあ!」


「…終わりよ、セルパン!
 アタシはお前のようにはならない!」

動きの停止したセルパン。だが彼は突然笑い出した。
「フハ…ハッハッハッハ!
 私のようにはならない…か?まだわからないのか…?」

「我らロックマンは…モデルVを奪い合い…殺し合うために作られた…
 ゲームの駒だ…。
 最後に生き残った者が世界の支配者となる…
 あの男が仕組んだゲームの、駒なのだよ!」

あの男…。プロメテも言っていた単語だ。
「あの…男…!?」

「そうだ…!君にもあの男の血が流れている…!
 モデルVを作った…あの男の血がな…!」
「な…なんですって…!?」

「ダメだ…もう部屋が持たない…脱出しなければ!」

「滅びの運命は…変わらない、戦いは…終わらない
 人々に心がある限り…憎しみは生まれ続ける…。
 感情を生み出す心がある…限り、
 心を持つ君達こそ…真の…イレギュラー…なの…だから…!」


6つのライブメタルの力で脱出したエール。
だが…明らかにされた真実に戸惑いを隠せなかった。

「アタシには…モデルVを作った男の血が流れている…。
 アタシは…アタシの力は…世界を支配するためのものだっていうの…?」

「おいおい、あの時の言葉を忘れたのか?」
するとどこからか、暖かな赤い光が降りてきた。…ジルウェだった。

「俺の魂を受け継いで…戦い続けると言ってくれた、
 あの言葉はウソだったのか?」
「ジルウェ!…でも、アタシに流れる血は…」
「ならお前は、知りもしない男に決められた運命に従うのか?
 運命は、誰かに与えられるものなんかじゃない。
 文字通り、自分が目指す未来へと、命を運ぶことだ。」

「お前の運命は、お前だけが決められる。」
「アタシの運命は…アタシだけが決められる…」
「そうだ お前が何者だろうと関係ない、
 お前の力はお前だけの未来を掴むための力なんだ」

「セルパンが言ってた。アタシの力は…たくさんの犠牲の上にあるものなんだって。
 けど、受け継いだのは力だけじゃない。
 ライブメタルを作った、初代司令官、アタシを守ってくれたジルウェ、
 それにガーディアンのみんな…
 この世界を守って欲しいっていう願いも…みんなはアタシに託してくれたんだ!」
「なら…お前が世界を運べ。
 お前の信じる未来まで、この世界を…送り届けろ。
 それが…お前に託す最後の…運び屋の仕事だ。」
ほっとした表情で微笑んで、ジルウェは消えて行った。
そしてモデルX、Zが言う。
「エール、僕は君の勇気を信じている。
 君の作る未来を、僕は信じるよ」
「未来を作れ、未来を切り開け。
 それが…この世界に住むお前達全ての…戦いだ。」

「エールーーーー!」
降り立った場所は高速道路。
そこに、プレリーやみんなが出迎えてくれた。

「…運命に立ち向かい未来を切り開くことが…アタシたちの戦いか
 アタシには…みんなに託されたものがある。託された力がある。
 アタシは戦うよ、みんなの大切なもののために…!」


モデルVを作ったあの男。セルパンを倒しても戦いが終わらない理由。
エールにあの男の血が流れている訳。殺し合う運命のゲーム。
やがて「あの男」が動き出し、彼らはそれに巻き込まれていくこととなる…。

131大戦略1941 〜逆転の太平洋〜:2008/06/17(火) 20:12:46
1939年
ヨーロッパで勃発した第二次世界大戦…
遠く離れた地で、激しい戦闘が繰り広げられていた頃、
日本はアジア諸国に対して派兵を繰り返し、
その勢力を拡大していた。

これを危惧したアメリカ合衆国は、
対抗策として日本との通商条約を破棄、
経済制裁を発動するに至った。

資源輸入の道を絶たれ、国力を維持するための資源を
南太平洋に求めざるを得なくなった日本…。
アメリカは、太平洋艦隊を西海岸から
ハワイの真珠湾に移動させ、日本の動きを牽制する…。

1941年、日本はある決断を下した。

米国との開戦…
多大な悲劇を生み出す結末となった太平洋戦争の勃発である。
その結末は歴史の必然であったのか?
「if」
もしも、その歴史の流れが変わっていたら…?

132シャイニングフォース・イクサ:2008/06/29(日) 13:51:37
人と獣人、そして魔族の住む世界。
大陸は、人間たちの治める「ノスワルド帝国」と
魔族の領土「フィアランド」のふたつに大きく分かたれていた。
こぜりあいを起こしながらも長く共存してきた両勢力だったが、
強大な武力を持つふたりの王が各国を治めるようになってから
その対立は一気に深まっていた。
大陸の各地で戦乱が起こり、戦争が日常の風景となっていく。
そんな歪んだ世界になじめないアウトローたちが辺境に集まり、
世の中を変えようと静かに動き出していた。

ここは大陸のはずれ、人々に忘れられた土地、イルゴニア渓谷。
廃墟の点在する森で、持ち主に無双の力を与えるという
「聖剣シャイニングフォース」を探し続ける四人の姿があった。
無鉄砲な少年トウマ、騎士ガドフォール、エルフ族のメーベル、
そして彼らと距離を置いて行動する少し謎めいた少女、シリル。
ある日、朝食を終えたトウマたちは、いつもどおり聖剣の探索を始めた。
昨日までと変わりのない午前の優しい光と、のどかな渓谷のせせらぎ。
この日の出来事をきっかけに、大陸全土をゆるがす戦いと冒険の日々が
始まるとは、誰一人、予想すらしていなかった…。

133Ar ronelico 世界の終わりで詩い続ける少女たち:2008/06/29(日) 14:00:17
この世界「ソル・シエール」には、1本の塔と
1つの小さな浮遊大陸しかなかった―。

蒼空を貫く巨大な塔「アルトネリコ」。
この独特な世界を舞台に、主人公ライナーと詩魔法「ヒュムノス」を奏でる
能力を持つ種族「レーヴァテイル」の絆が織りなす感動のストーリーが
展開する。レーヴァテイルの「詩魔法」による攻撃を取りいれた斬新なバトル
システム、欲しいアイテムを自分で創り出す「グラスメルク」、
調合にも必要なアイテム「グラスノ結晶」により、
レーヴァテイルの詩魔法を強化する「インストール」や、
武器を自在にカスタマイズするパワードが出来る。
(総合カタログより)

134名無しさん:2008/06/29(日) 14:01:27
>>133
タイトルですが間違えましたorz
正しくは「Ar tonelico」ですorz

135まとめ:2008/06/30(月) 20:09:51
「どうだ?開きそうか」
「もう少しだ。これはまた…ガッチリとプロテクトかけてるな」

扉の前に立つ男たちの声。
そしてその少し後に、ピッという電子音が響いた。

「よし、開いた!開けるぞ…」
賞金稼ぎの集団ハンターキャンプの一員である男達は今、
古くからあるとされる研究所へと発掘のため来た所だった。

「なんだ、ここもハズレか?中々うまくいかないもんだ。
 一発お宝見つけて、ハンターキャンプの仲間に自慢してやろうと思ったのにな」

ドアの中へ入った男達の目に飛び込んできたのは
ガランと開いた広い部屋にある4つのカプセル。そしてその中心に…

「これは…!レプリロイドの少年!? なんだってこんな所に…」
4つのカプセルが置かれた部屋のその中央に設置され、
天井に直結した大きな、5つめのカプセルの中に謎の少年。
彼らには意味がわからなかった。

「おい、無闇に触るなって!!
 セキュリティに引っかかったら、メカニロイドどもが沸いてくるぞ!」
しかし彼の言葉はすでに遅かった。
けたたましいアラーム音が響くと共に
手をバスターパーツにした機械兵、ガレオン達が部屋へと押しかけ、
瞬く間に彼らを取り囲んだ。

そしてすぐに部屋中に沢山の銃声が鳴り響いた。
二人いたハンターの一人は悲鳴を上げ腹を打ちぬかれ吹き飛ばされ、カプセルへと激突。
それはカプセルのガラスを破損させ、カプセルを誤作動させる結果へと導いた。

そしてもう一回の悲鳴がこだましたとき、銃声は鳴り止んだ。
静寂の後、カプセルの開く機械音がし…
中の少年はマフラーのように首から繋がったコードのプラグを抜かれ、
外へと投げ出される。

衝撃で目が覚めた少年が見たのは…いくつかの死体だった。
「これは…!一体何があったんだ?!
 ここは…誰だ?僕は…誰だ? ダメだ…何も思い出せない…」

頭を抱える少年。だが、悩む時間すら彼には与えられていなかった。
少年の背後に、突如として白いレプリロイドの少女が出現する。
彼女は宙に浮いていた…ただものではない。
「き…キミは?」

ゆっくりとした、感情のこもらない言葉で少女は話し始める。
「私は…パンドラ。
 グレイ…あなたを処分する。」
「グレイ…?それが僕の名前なのか?処分って…どういうことだよ!」
「あなたは…私と同じ…ロックマンの一人。
 でも…目覚めが早すぎた。
 まだ…マインドコントロール…済んでない」

「ロックマン…?マインドコントロール…?
 一体僕に何をしたんだ!」
それに答えることなく、パンドラは雷をグレイに向かい放つ。
グレイは腰を抜かしながらも寸前で回避する。

「わぁあ!」
「失敗作は…処分する…」
グレイを追い詰めるパンドラ。
腰を抜かしたグレイはおびえながらも、近くの死体が持つ銃を見つける。
「この人の武器…まだ使える!」

それを手に持つと、恐怖を叫びながら一心不乱に銃をパンドラへ放つ。
「うわああああああああああああああああああああ!」

パンドラは冷静にその銃弾をバリアで弾く。
だが、なんとかその隙にグレイは逃げることに成功したようだ。
「はぁ…はぁ…!僕が失敗作だって…?なんだよ…何なんだよ!」

メカニロイドの蠢く広大な研究所の中を、銃一つを使い切り抜けるグレイ。
追いつけれたくない。死にたくない。

何も覚えていないその心に宿った恐怖のままに、どんどんと研究所の中を突き進んでいった。

そして研究所の出口にたどり着いた…
と思いきやそれはまだ早かった。
大きな滝にかけられた橋。それは…研究所の二つの棟を繋ぐものでしかなかった。

そしてグレイの行く手を阻む者が更に現れた。
宙に浮いた顔と両手…それは研究所に配備された巨大メカニロイドだった。

グレイを潰すべく動き始めるメカニロイド。
しかしグレイはその手へと乗り、メカニロイドの目を直接銃撃し、
その動きを停止させることに成功した。しかし…

「うぁああああああああああああああ!」
力を失ったメカニロイドは橋の上に落下。そして橋もまた崩れ…
グレイは遥か、滝の下へと落ちていったのである。

136ロックマンZXA 第二話 ライブメタル:2008/06/30(月) 21:08:34
「あれ…?ここは?」

目が覚めるとグレイは、何処だか解らない建物の中のベッドにいた。
ふと、ドアのロックが開かれ、自動的に開く。
その音にグレイは反射的に、ドアに向かい銃を構える。

「わぁああ!?おいおい、落ち着けよ!」
「僕を殺しに来たのか!」
「武器を下ろせって!君を殺す気なんかない!
キャンプの外で倒れていたのを助けてやったってのに、随分な挨拶だな!」

彼の話によると彼はハンターの一員で、ここはそのキャンプ。彼がグレイを保護してくれたらしい。
彼に複雑な事情がありそうだと察すると、とりあえずはここにいるといいと言って、
トランスサーバーのある4号棟へ来るようにと言い、外へ出て行った。

そして彼はトランスサーバーでハンターライセンスを取得した。
これにより彼はハンターの一員として登録されたことになり、
ハンターの施設への自由な立ち入りができるようになるのだという。

そして…何も覚えていない彼に生きていくために色々経験を積む必要があるとし、
彼はグレイにミッションの一つを手伝わせてみることにした。

そしてハンター達への挨拶を済ました彼はミッション先へと向かうことにした。
彼らの親切には感謝しているが…グレイには少し自信がなかった。

ミッションの内容はコンテナの輸送。
この世界を仕切る連合政府「レギオンズ」から彼らへ託された重要任務。
レギオンズが探している不可思議な物体「ライブメタル」が違法ハンターによって発見され、
違法ハンターらからハンターが押収したライブメタルを守り、レギオンズ本部へと届けるというものだ。
よって、ミッション先としてまず向かうのは、
レギオンズへ行くための足…貨物列車の待つ駅だ。

「レギオンズは数百年前の戦争の後に、各国の代表が集まって作った連合政府のことさ。
 人間とレプリロイドの為の法律を作った…要するにこの世界で一番偉い組織だ
 レギオンズのデータベースなら君のことも解るかと思って、誘ってみたんだ」
そしてミッション内容がここでグレイへと話されることとなる。
そこで出た「ライブメタル」の単語を、グレイは知っているようだった。
「コイツ…オイラのことを知っているのか?」
コンテナの中から、何かの声がした。
「…なんだ、何の声だ?」
「お前、オイラの声が聞こえるのか?」

そのとき。予期せぬ事態が発生する。
ライブメタルに、イレギュラー達が群がってきたのだ。
ハンターはそれを打ち落とすと先頭車両へ向かって行った。
「君はここで待ってろ!」

続いて現れたのは…パンドラだった。
そしてもう一人、鎌を持ったレプリロイドも。
「お前は…!」
「見つけた…ロックマンの…失敗作」

「何だパンドラ。こんなガキ一人処分できてないのか」
「ごめん…プロメテ。」
「まぁいい…さっさと処分して、ライブメタルを取り返すか」

「うっ…うるさい!何も知らないまま、殺されてたまるか!」
するとプロメテは突然、鎌を振り下ろし、衝撃波を放ってきた。
グレイは避けようとしたものの腕を負傷。
そしてなんと、後部にあるライブメタルに衝撃波が直撃、破損してしまった。

「クズが…大人しくここで死んでいろ!」
「いやだ…僕は…僕は…!」

「おい!そこのグレイっての!死にたくなかったらオイラの言うとおりにしろ!」
背後から声がする。さっきと同じ声だった。

「オイラの声が聞こえるなら、変身できるはずだ!お前に力を貸してやる!」
「だ…誰だ!」
そして声は、名を明かす。
「オイラはライブメタル・モデルA!意識を集中して、叫べ!ロックオンって!」

腕をかばい立ち上がり、叫ぶ。
「ロック…オーーーーン!」
プロメテの目が変わった。

その瞬間、背後のコンテナのライブメタルは光となってグレイへと注がれ…
光に包まれ…グレイは変身した。ロックマン・モデルAへと。
「力が沸いてくる…なんでだろう。僕はこの力を知っている…これが…ロックマンの力!」

「フハーーッハッハッハ!まさかお前がモデルAを使い変身するとは!
 いいぞ、認めよう!お前はこのゲームに参加する資格がある!」
「プロメテ…あの子は…」
「ふん、かまうものか!さて…グレイとか言ったな。モデルAはお前にくれてやる…
 これからお前の前に、何人ものロックマンが現れるだろう!ソイツらと戦い、勝ってみせろ!」

「最後まで生き残ったとき、お前は自分の正体を…世界の全てを知るだろう!
 さぁ、楽しもうじゃないか!『あの男』が仕組んだ…運命のゲームを!」

137ロックマンZXA 第二話 ライブメタル:2008/06/30(月) 21:49:54
プロメテとパンドラは姿を消した。
ふと、先頭車両の方から爆発音が聞こえた。

そう、あのハンターが向かった先だ。
「しまった!みんなを助けないと!」
「ちょっと待てよ!ここから逃げるんじゃないのかよ!」
「嫌なら変身を解け!僕だけでも行く!」

「わかったわかった!着いていくよ!
 またさっきの奴らに捕まって、どっかの遺跡に入れられるのはゴメンだぜ!
 力を貸してやるから、オイラを置いていかないでくれよ!」
「…よし、行くぞ!」

そしてロックマン・モデルAとなったグレイの初陣が始まる。

先頭車両までには多数のイレギュラーが群がっていて
最短ルートで近づくには危険な箇所も存在した。
しかし身についた大きな力の前には敵などではなく…
すぐにグレイには超えられるものだった。


先頭車両上に到着したグレイの足元から、雄叫びが聞こえ始めた。

「アオアオアオアオーーーーー!」

声と同時に赤き矢が天井を突き破り姿を現す。
赤き矢…それは強力なエネルギーを纏い上昇した、体躯のレプリロイドの姿だった。
ディアバーンと名乗るそれは、フォルスロイドと呼ばれる存在らしい。

「モデルA…!お前、掟、破った!
 ロックマン、選ばれし者!その少年、失敗作!力貸す、よくない!」
「掟も何も、オイラはお前らのことなんか知らないっての!」
どうやら、モデルAも記憶を失っていたようだ。
ディアバーンが知っている何かの記憶を。

「プロメテとパンドラ…お前、逃がした。
 でも、俺、逃がさない!
 俺、掟、従う!お前、蹴り砕く!」

戦いが始まる。
ディアバーンは炎と格闘の使い手。
出現した時のように勢いよく飛び上がったと思えば、
その空中から一気に地上へと狙いを定め蹴りを繰り出す。
そして地上では炎の矢を放ち、近距離では赤きブーメランを発射する。

まさに戦士タイプといったそのディアバーンだが、
猪突猛進のように何も考えず戦っているわけではなかった。
彼は一定の距離を置き、常に相手の出方に合わせ戦う戦いのプロだった。

初めてのまともな戦いとなるグレイには手ごわい相手だったが、
上空への飛び上がりをかわした際に弱点を発見する。
それは彼の誇りであるたてがみと立派なツノ。
背後からの攻撃や高い位置により彼は弱いのだ。

攻撃を見切り、かわし、チャンスを狙い定め、的確に射撃を加える。
そうして戦いを続け、そしてついに…
ディアバーンの体に、風穴が開いた。

胴体左半分をえぐり取るように弾丸は貫通し…
左腕が吹き飛び、床へと落ち、四散した。
「お前…裏切るか…!俺たちの…未来…!俺たちの…世界を…!」
そしてディアバーンは消滅した。

後に残された光はグレイへと真っ直ぐに吸い込まれていく。

「い…今のは?」
「へっへーん!いいこと教えてやろうか?」

すると、グレイの姿が光に包まれ…ディアバーンになった。
「これがオイラの力!コピーした相手に変身できるトランスオンだ!」

姿だけではない。どうやらこの能力によって技までの自らのものにすることができるらしい。

「お互い、記憶もない上に変な奴に追われる身だ。仲良くやろうぜ!」


列車も壊れてしまい、先へは進めそうにない。面倒臭がるモデルAを説得し怪我人を救助した後、
グレイはハンターキャンプへと戻った。


「いやぁ、助かったよグレイ。
 ライブメタルは君が持ってた方が安全だろう。
 ミッションレポート、出しといてくれないか?」

138ロックマンZXA 第4話 三賢人:2008/06/30(月) 21:50:27
トランスサーバーでミッションレポートを提出する。
これをすることでどうやら1つのミッションが完了するようだった。

「今、ミッションレポートを出したのは…君だね?
 レギオンズの専用回線をトランスサーバーに繋げる。
 そのまま、アクセスしていてくれ」

壮年の男の声が画面の向こうから聞こえてくる。
しばらくして現れたのは、3人の男の顔。

がっしりとした赤髪赤髭の男。
仮面のような顔をした、三つ目の老人。
アホ毛と糸目が特徴の、温厚そうな紳士の3人だった。

「君がライブメタルに選ばれた者…ロックマンか」
「お前達は…?」

「ハハッ、お前達ときたか!
 記憶がないと聞いていたが…本当らしいな!」
「やめないか、ミハイル。仕方ないだろう…。」
「我らはレギオンズの最高権威者…三賢人と呼ばれている者だ」

この3人こそが世界を取りまとめる機関、レギオンズの最高指導者達。
世界の頂点に立つ3人の賢者であるという。

まず名乗ったのはがっしりとした厳しそうな顔の赤髭の男。
「私は三賢人の一人、マスター・トーマス」
次に仮面のような顔をした三つ目の老人。
「ワシの名は、マスター・ミハイルだ…よろしく、ロックマン。」
最後にアホ毛の温厚そうな男。
「すまない、ミハイルはああいう性格でね…
 私は、マスター・アルバートだ。はじめまして、グレイ君」

「何で僕のことを!? 僕のことを知っているのか!」

「落ち着きたまえ。君のことは、ハンター達のレポートで知っている程度だ。
 今、レギオンズのデータベースで調べている。直に君が何者か解るだろう。」

「だが…待つだけなのも辛かろう?そこで、だ…
 君に一つミッションをお願いしたい。
 君の持つライブメタルを直接、レギオンズの本部へ持ってきてもらいたいのだ」

「レギオンズ本部へ向かう列車は、壊れてしまったそうだね…。
 そのカードキーで、新たなエリアへ行けるようになるはずだ。
 実は、キャンプからそう遠くないエリアに、違法ハンターの飛行艇が墜落している。
 その飛行艇からなら、列車の修理に必要なパーツを確保できるだろう。」

「ライブメタルには、われわれも知らない技術が使用されている…
 君をロックマンへ変身させている技術ROCKシステムや…」
「数百年の時で失われた、歴史の真実の姿とかな。」
「やめろミハイル!
 …とにかく、私達はライブメタルを調べる義務がある。
 その技術やデータを…悪用されないようにね。グレイ君。頼めるかい?」

「レギオンズまで行けば…僕が何者か、わかるんだな?」
「そういうことだ。まずは飛行艇の墜落現場を目指してくれ。」

こうして、レギオンズまで向かう旅が始まった。

139ロックマンZXA 第5話 極寒の海:2008/06/30(月) 22:27:23
ハンターキャンプから墜落現場までの道のりは二通り。
そのうちの1つのルートは、氷に閉ざされた地帯だった。

「聞こえるかね?ワシじゃ、ミハイルじゃ。またエライ所に足を踏み入れたのう…」

イレギュラーがはびこるその場所は、本当に「エライ所」だった。
足を踏み外せば極寒の海へとまっさかさま。
海の中にも大量のイレギュラーが生息し、
水中では蛸の形をした巨大メカニロイドにも遭遇した。
氷を割って進む場面ではディアバーンの能力を活用して進むことも必要になった。

そんな険しい道の奥で待ち構えていたもの。それは…
二人。青髪の小柄の少年と、赤髪の長身の少女だった。

「何だ、プロメテが面白い奴を見つけたというから見に来たが…
 テティス。お前と同じくらいのガキじゃないか」
背の高い少女が言う。
「ヒドイやアトラス。君だってそう変わらないじゃないか」
テティスと呼ばれた青髪の少年が返す。

「何だ、お前たちは…?」

すると少女は足元…凍りついた水面に拳を突きつけ叫ぶ。
「ロックオン…!」
火の粉を発し、炎を纏った。
少年は手に持っていた氷を宙へと放り投げて言う。
「ロック・オン」
水に包まれた。

そして二人とも変身した。二人ともロックマンなのだ…。
「プロメテから聞かなかったかい?君の前に何人ものロックマンが現れるって
 僕はテティス。氷のロックマン…モデルLの適合者さ」
「アタシはアトラス…炎のロックマン。モデルFの適合者だ!
 戦いに生き残った者が世界の王となる運命のゲーム…知らないとは言わせない」

「世界の王だって?なんか話が大きくなってないか?」
モデルAが素っ頓狂な声を上げる。
「何だっていいさ…コイツらに勝てば、僕は自分の正体を知ることができるんだ!」

「ゴメンね…今はまだ君と戦う気はないんだ。
 僕らにも、やらなきゃいけないことがあるからね」
「まぐれでロックマンになったような奴に用はないってことだ
 お前はここで、氷付けになってるのがお似合いさ!」

ロックマンに変身したアトラスが再び拳を地にたたきつける。
すると地響きが起こり、氷は割れ、グレイは海中へと落ちてしまった。

「シャーッシャッシャッシャ!
 時間すらも凍りつく氷点下の世界へようこそ!」
続いて現れたのはフォルスロイド。
「失敗作の貴様がロックマンを名乗るなどおこがましい!
 貴様のライブメタル…このクロノフォスが貰い受ける!」

氷の使い手、クロノフォス。
海中では想像もつかない速度での動きを見せるフォルスロイドだった。

氷の矢を発射し、自らの突進と合わせる2種の波状攻撃。
一旦下がったかと思うと子型追尾メカニロイドを発生させ、グレイを追撃する。
驚くべき速度でのスクリュー移動の後に氷の矢を全身から発しての氷のカーニバル。
そしてそれはそれだけではない。
それらは彼の特殊能力、時間操作により逆行し、逆の進路をたどりグレイにぶつかってくる。
また、タイムボムといわれる自らの時間そのものを速める恐ろしい攻撃。

水中はまさに彼の独壇場といったところだった。
だが彼の動きは非常に直線的。そして前に進むと戻ることもない。
速度にさえ気をつければ、彼のトリッキーな動きも見切るのは容易だった。

氷の矢を発しようと体を曲げたそのタイミングそのままにグレイはバスターで
クロノフォスの胴体を貫いた。
「貴様も…あの男の掌で…生かされているに過ぎん…
 せいぜい…限られた時の中であがくがいい…シャーッシャッシャッシャ…!」
発射するそのままの体勢で胸に穴を開け苦しみ、消滅した。

そして新たにクロノフォスの能力を得、彼は墜落現場へのゲートへとたどり着いた。

140ロックマンZXA 第6話 薔薇の誘惑 前半:2008/06/30(月) 23:18:11
墜落現場へのゲートにたどり着いたはいいものの、
そこは三重の扉によって塞がれていた。エレメントトラップと呼ばれるもので、
属性を持つ攻撃を部屋の奥にある水晶球に触れさせなければ開かないというもの。

まずは炎。ディアバーンの炎の矢ですぐに開いた。
次は水。クロノフォスの放つ氷の矢ですぐに開いた。
だが三つ目…雷。天井上の部屋にあり、トラップの先にあるそこにはどうしても届かず…
そして雷属性の攻撃など持ち合わせていないため、どうしても通ることはならなかった。

何か方法があるのかもしれない…
そう思いグレイはハンターキャンプと墜落現場を結ぶ、もう一つのルートへと足を踏み入れた。
彼はそのとき知らなかったが、実はこっちの方が遥かに短い距離で済む。
一つイレギュラーのいるタワーを横切るだけで済むのだから。
しかし。
「アラート!アラート!セキュリティシステムに異常発生!
 警戒レベル3を発動!外部へのルートを封鎖する!」
警告音と共に扉が封鎖される。
どうやらグレイは運が悪かったらしく、タワーの中に閉じ込められてしまったというのだ。

「おい、なんかまずくないか!?」
そして来た扉すら開かない。
どうやらタワー最上部のコンピュータを修復するしかないらしい。
緑に侵食され、古代のレプリロイドが吸収されタワーの一部と化している恐怖の塔。
そこをよじ登るのは容易なことではなかった。

イレギュラーがうようよと存在し、タワーのあちこちからトラップが出現する。
巨大なクモのメカニロイドに天井から襲われながらも、
彼はなんとか最上階へと到達した。

「ここまでたどり着くとは、違法ハンターながら見所のある男だ。
 ふっふっふ…気に入ったぞ♪
 我が茨の腕に抱かれ、我らのためにその魂散らせるがいい!」

恐らく墜落現場から逃げてきた者であろう怯えた違法ハンターを
壁へ追い詰める大きな緑色の物体が…。フォルスロイドらしい。

奇妙な回転をしながら近づくフォルスロイド。
「やめろ!」

その声に反応しフォルスロイドが振り向く。
彼はグレイに興味を示したようだ。
「ほう…甘い罠に誘われ迷い込んだミツバチがここにも…か
 中々素敵な少年じゃないか…♪ 気に入ったぞ!」
「うわぁああああああああ!」
恐怖から違法ハンターが逃げ出す。

「セキュリティを狂わせたのはお前か!ここで何をしている!」
「種を育てているのだよ 新たな世界、新たな王の礎となる種をね
 このタワーに迷い込んだ者の恐怖を食らうことで、その種は成長するのだ…」
恐怖を取り込む新世界の種…よくわからないことを言うフォルスロイド。
「見 て ご ら ん ♪
 私の名はローズパーク。君も我が胸で泣きたまえ。恐怖と苦痛の声をあげてな!」

男色の気があると思われる奇妙なフォルスロイド…ローズパークとの戦いが始まった。

戦い方も至って奇妙。ツタからツタへと渡り、雷を発射する。
そして時折地面へと落下し回転しながらグレイを追い詰める。
よけやすい攻撃であり、グレイには楽勝な相手…と思われたが
「召されよ…さらばだ!」

ローズパークの股間の角に電撃が集中し…巨大な雷撃が放たれる。
直撃を受け、グレイは一気に窮地に追い込まれる。
しかしなんとかグレイは逃げきり…ローズパークの体のど真ん中を打ち抜いた。
「君の力が…ここまで激しいものだったとは…!
 ち…散ってしまう!我が美しき花びらが!うぉおおおおおおおお!」

141ロックマンZXA 第6話 薔薇の誘惑 後半:2008/06/30(月) 23:18:41
先へと進むグレイ。
そこには不気味な巨大な物体と怯える男の姿。
そしてそこで、ローズパークの言う言葉の意味がわかることとなる。
「ひぃ、お前も俺たちの飛行艇を襲ったやつの仲間か!!
ちくしょう、やめろ、くるなーーー!
ぐあぁ、あああああああああああああああああ!」

突然男は苦しみだし、そこからドス黒い何かが放出され…背後の不気味な物に吸い込まれていった。
そして…男は息絶えた。

「な…なんだ…何が起きたんだ?」
そしてそのタイミングで何者かが現れた。
二人の男。一人は片目を髪で隠し、一人はマスクをしている。

「完全なる敗北…その男は恐怖に耐え切れず、モデルVのいけにえとなった」
「モデルV…?このでかいのが、ライブメタルだってのか!」
「データ照合…該当データアリ ロックマンモデルA 発見」
「お前たちは一体…?」
すると。

髪で片目を覆った気取った男が言う。
「ロック・オンっ!」
手にした長い棒が風を纏った。
そしてマスクの男も。
「ロックオン…」
体全てが影と消え、新たな体が現れた。

「大いなる失望…お前のような奴がモデルAの適合者とはな
 我が名はヘリオス…風のロックマン・モデルH」
「コードネーム シャルナク 闇ノ ロックマン・モデルP」

「モデルHにモデルP…こいつらがプロメテの言っていたロックマンか!」
「作戦時間超過…モデルVヲ回収スル」

どうやら彼らの目的はモデルVと呼ばれるそれの回収だったようだ。
「ま、待て!逃げる気か!」
「愚かなる間違い…我らは逃げるのではない お前を見逃してやると言っているんだ」
「現在ノ 優先目的ハ ライブメタル・モデルVノ育成ト回収
 ロックマン・モデルAトノ戦闘ハ 作戦行動ニ 含マレナイ」

そして彼らはモデルVと共に姿を消した…。
「やっと通じたようだよ。無事かい?
 セキュリティの修復を確認した、これで先のエリアに進めるはずだ」

142ロックマンZXA 第7話 墜落現場:2008/07/01(火) 22:23:42
「た、助けてくれぇええええ!
 アイツ、俺らの仲間皆殺しにする気だぁ!!」

墜落現場…油田地区。
エレメントスイッチを解除して踏み込んだグレイにしがみつき訴え始めたのは、
違法ハンターの生き残りの一人だった。

イレギュラーか、フォルスロイドか…
人命を見捨てるわけにはいかない。
飛行艇を破壊されてしまっては列車の修理はできない。
本心から目的が一致したモデルAとグレイは飛行艇へと急行する。

炎を吐く巨大な蛇のメカニロイドを退けたグレイは飛行艇の中へと入っていくと
通路の真ん中に力なくへたり込んでいる違法ハンターの生き残りを発見する。

どうやらハンターの生き残りが墜落のショックで電力が足りず、
部屋に閉じ込められているという。

まずは電力の確保から。幸い電力室の扉は開いていたため、
中へと入り、6機の装置にローズパークのトランスにより
電力を供給することで、ひとまず船内の動力は確保した。

そして残るは飛行艇内のイレギュラーの殲滅と違法ハンターの救助。
急いで各部屋を回り、イレギュラーを退治し人々を助け出す。
素直に感謝する者だけでなく飛行艇を襲った者と勘違いし怯え逃げ出す者もいたが
ひとまずは見当たる範囲は全員救出することに成功した。

残された場所はあと一つ。後部に存在する広大な貨物室。
そこに入り込んだ瞬間…なんと大きな爆発音が聞こえた。


「違法ハンターどもめ。こんな所に逃げ道を残してたか」
ふと前を見るとそこにいたのは…アトラス。
人々を皆殺しにしようとしていたのはイレギュラーではない。フォルスロイドでもない。
そう…人。ロックマンだったのだ。
「お前たちはモデルVの生贄となってもらう…ひとり残らずな!」

床を破壊し、下階へと降りていくアトラス。女性とは思えぬ…それはパワーの塊だった。
違法ハンターでも関係ない。
人の命を助けるために…、グレイは何も考えず彼女を追い、下へと落ちていった。
「待て!」

声に反応し、振り返るアトラス。
「生きていたか…ロックマン・モデルA
まさか違法ハンターを助けに来たとでも言うのか?お前の仲間でもないのに」

「僕のように…何も知らないまま傷つく人が増えていくのは見過ごせない!」
心のままに言葉を発するグレイ。それに対しアトラスは呆れたように言う。
「何も知らないんじゃない。お前たちが知ろうとしていないだけだ
 世界の歴史は戦いの歴史…人々は戦いの中にあってここまで進化してこれた。」

その言葉には…重みが感じられた。
「今世界は、これから決まるロックマンの王によって新たに進化しようとしている
 何も知らずに死ぬ者は進化についてこれなかった…それだけのことだ」
「だからってモデルVの餌にしちまうのか!随分勝手な進化だな!」
「それが間違っているというのなら、アタシに勝ってみせろ!」

そして、アトラスはまた拳を地面へと突き出す。戦いの始まりを告げる合図を。
「ロックオン!」

143ロックマンZXA 第8話 蘇る記憶 前半:2008/07/01(火) 22:46:27
モデルFへとロックオンしたアトラス。
モデルAへとロックオンしたグレイ。
運命のゲームの戦いの一つがここで始まった。

先手を打ったのはアトラス。
ルーフの上にいるグレイの真下へとすばやくダッシュし、
真上へと火炎弾を打ち上げる。

これに対しすばやく回避し床へと飛び降り、周り込みアトラスへ一撃を加え、
また素早く上へと移動していく。
だがアトラスはひるむこともなく壁を蹴り上段へ登る。

自ら近づいてきたアトラスに向かいチャージショットを放つグレイだが
それは拳を地面に突き出し出現させた炎の波により阻まれ、その波はグレイへと伝わってくる。

急いで下段へと降りたグレイにアトラスはまた火炎弾を撃つ…
しかしそれは単なる軌道ではない。異様な角度で曲がった弾道だ。
避けても今度は別の弾道。それを避けてもまた…。
時にはフェイントをかけるように2度、3度と曲がる場合さえ。

自由自在な弾道操作。
それこそがモデルFの特殊能力…バスターエディットだった。

しかし…グレイには見えていた。
彼女の闘志の如く真っ赤な、アトラスの弾道が…。

弾を避け、正面に立ち一撃を加える。
すると今度はアトラスはチャージショット…大きな火炎を放つ。
これもくぐり今度はホーミングショットで一撃。
そうして戦いを続けたがグレイの優勢。

勝負は決したかと思いきやアトラスがまたチャージを始めた。
地面を走る炎の波も、宙を浮く火炎の弾も見切った。怖くはない…

しかし甘かった…これこそがアトラス最強の技だった。
アトラスのバスターに直径1mほどの巨大な熱…エネルギーの弾…いや、「球」ができている。

「吹っ飛べ!」
そしてそれをグレイに向かって放つ。しかし直線的なその軌道では怖くはない。
即座に上段へと逃げる…しかしその「球」はまさに爆弾だった。
壁へと放たれたその瞬間、弾け飛び、沢山の弾となってグレイを襲う。
これは流石に回避しきれず、その恐るべき熱量を浴びてしまう。
恐るべき攻撃…しかしアトラスはまたその攻撃を使用しようとしている。

いちかばちか…グレイはその球へと照準を合わせ…
ホーミングショットを放った。

グレイの読みは成功。そのショットは球の発射を封じ…アトラスに隙ができた。
そこへもう片方の腕からチャージショットを放ち…
戦いは幕を閉じた。

「失敗作とはいえ…あの男が残したものには変わりはないということか…!
 …いいだろう。ここは退いてやる。
 お前に戦う意思があるなら、いつか自分の正体を知るときが来るだろう…
 きっとお前は後悔する。何も知らずに死んだ方がよかったとな!」

そしてアトラスの能力をグレイが手に入れた、その瞬間…
「ぐあぁああああああああああ!
 なんだ…どうしたんだ、モデルA…!?」

144ロックマンZXA 第八話 蘇る記憶 後半:2008/07/01(火) 23:03:22
コードAW15からCE70までを開放…
レポートデータ 展開

「…おめでとう
 私が作ったこのモデルAは戦いの中で開放されていくプロテクトを施してある。
 一つ目のプロテクトを解いた君には、真実を知る資格と力を継ぐ権利がある。」

何者かからグレイへ宛てたメッセージのようだった。
運命のゲームに勝利することは…真実を知ること。まさにその通りの仕組みが
モデルAには出来上がっていたのだ。

「私はロストテクノロジーの研究を経て、ついに新たな進化の扉を開く鍵を作り上げた。」

モデルAの展開したデータによりグレイの脳裏に、ある風景が映し出される。
それは…沢山のモデルVだった。

「…ライブメタル・モデルV これを手にした者は何者をも支配する力を手に入れるだろう。
 だが、人々が私の研究を理解するには、まだまだ時間が必要だ
 そして、モデルVを覚醒させるための生贄も…。
 私はモデルVを世界のあちこちに隠し覚醒の時を待つことにした
 私の研究を理解し、力を受け継ぐ者が現れる、そのときを…。」

メッセージはそこで終了していた。
「うう…今のは一体…?」
「モデルVと…オイラを作った奴のデータか…」

「モデルA、大丈夫か?
 この奥に逃げ込んだ人たちがいるはずだ。早く助けよう!」
失われた記憶より…グレイにはまず、目先の人命が大事なようだった。

「ひぃ!また誰かきやがった…!?
 こいつはセラミカルチタンでできたシールドだ!
 テメーの攻撃なんかにゃビクともしねーぞ!諦めて帰りやがれ!」

中へ入り込んだグレイに言うのは違法ハンターのリーダーらしき男。

「オイラ達のことをイチイチ説明すんのも面倒くせーな…
 おい、さっきのアトラスに変身しよーぜ」
「…わかった」

そしてグレイはアトラスへと変身し…
セラミカルチタンの壁へと力一杯の拳を繰り出す。

すると、いとも簡単にその壁は破られ…
中からは怯えたハンターのリーダーの姿があった。
「ひぃいいいいいいい!い、命だけはお助けをぉおお!」

…逆を言えば、アトラスの力一つでその壁は破られていたということ。
グレイが来なければ…どうなっていたかは、想像に難くない。


「いやー、助かったぜグレイの兄貴ー!
 俺らはこれから、心を入れ替えて全うなハンターとしてがんばるつもりだぜ!
 もうそろそろ列車の修理も終わってる頃だろう!」


かくして、誤解の解けた違法ハンター達の協力を経て
グレイ達はいよいよ、当初の目的地へと足を踏み入れることとなった。

世界の頂点、連合政府レギオンズ。そこでは一体…何が待ちうけているのだろうか。

145ロックマンZXA 第九話 レギオンズ強襲 前半:2008/07/01(火) 23:37:48
列車から降りた所はもはや都会の雰囲気。豪華なシャンデリア、品揃えの豊富な店、
エスカレーターエレベーターも配備された駅…ここはレギオンズの玄関口だった。

だがそう都会の雰囲気に浸っている暇もなかった…
イレギュラー達が絶えず、グレイ達を襲っていたのだから。

駅を出たグレイにはまず、歓迎するかのように爆発音が聞こえてきた。
「どこかでドンパチやってるな…
 イレギュラーに先を越されたか…?
 三賢人のおっさんにも通信が繋がらない…コイツはまずそうだぜ」
「レギオンズの本部はこの先だな…急ごう!」

破壊された広場を通り抜け、レギオンズ本部に突き進む。

巨大な建物には沢山の階段。そしてそれはイレギュラーと戦う場所としては最悪の地形となっていた。
バイクに乗り階段を駆け降りるガレオン。階段を登ったグレイを狙う銃口。

いくつもの建造物から成るレギオンズ本部。
イレギュラーの巣窟となった階段を上へ上へと駆け上がり、
今いる建物の最上階へとたどり着いた所で、
何者かが姿を現した…。マスクの男、シャルナクだ。

「目標捕捉…情報分析開始
 計画ニ従イ コレヨリ 戦闘行動ヲ開始スル 回答ノ入力ヲ」
「うへぇ…一番不気味なのが出てきたよ」
「ソノ入力ハ認メラレナイ 他ノ回答ヲ」
「僕は、自分の正体を知るためにここまで来たんだ!邪魔はさせない!」

そして、戦意を確認したシャルナクが戦闘態勢へと移る。
「回答ノ入力ヲ確認…戦闘ヲ開始スル…!
 ロックオン…。」
シャルナクが影に包まれ、戦闘が始まる。

まず手始めにシャルナクはチャージを開始する。
グレイはすぐにチャージショットを浴びせるが、その後にシャルナクは
巨大な二つの手裏剣を出現させ横と縦、2方向に投げる。
ゆっくりとしたそれは微妙に斜めになった軌道を描き飛んでいき…
壁に冷たい音を響かせ跳ね返り、部屋中を暴れまわる。
そしてシャルナクは消え…

動きをよく見てそれをかわしたグレイの前に現れ今度はクナイを一直線に投げる。
二度に分けて放たれたそれを避け、グレイは背後から撃つ。

シャルナクがまた消えたので手裏剣に備え高い位置にある足場へと移動するグレイ。
姿を現したシャルナクは今度は4方向にクナイを投げる。
そして同じく高台へと器用に爪を引っ掛け登り、また投げる。
非常に読みづらい動きをしている奇妙なことこの上ない存在といえた。

奇妙な動きに惑わされることなく、確実にチャージショットを当てるグレイ。
どうやら2発続けて当てることでシャルナクの動きを止めることができるらしい。

戦いに慣れ、今度は楽に勝利を得られるかと思われた時にそれは来た。
「捕捉…!」

突如として部屋の4方向にシャルナクが現れ、いっせいにグレイに向かい
クナイの集中攻撃を始めたのだ。

影を最大限に活用した攻撃。おそらく本体はその中の一人。
サイトを展開、2つの影にホーミングを当てるが失敗、
もう2つに当てようとするもそのときはすでに遅く、シャルナクは消えていた。
後もう少しで勝利を掴めるのにこれではらちがあかない…

そこでグレイは考えた。絞ることなど何もない。
部屋全体に照準を合わせ攻撃すればいいのだと。
またシャルナクが分身を始めた。
そしてクナイがグレイに飛んだその瞬間…
グレイは奥義、ギガクラッシュを放った。辺り一面に銃弾をばら撒くその技。
止めぬ限りは回避は不可能に等しいその銃弾の雨を食らったシャルナクは床へと落ち…
戦闘行動の終了を告げた。

146ロックマンZXA 第九話 レギオンズ強襲 後半:2008/07/01(火) 23:51:29
「ダメージ…危険域…!現状デノ 戦闘続行ハ危険…!
 …撤退…スル…!」

シャルナクにも勝利したグレイ。
その能力を手に入れると同時にまた、あの頭の痛みが彼を襲った。
「うあぁああああああああああ!」


コードCE71からFC60までを開放
レポートデータ 展開

「二つ目のプロテクトを解いた君は今、
 運命の分かれ道に立っている。
 このデータを読み進めるならばもう後戻りはできない。
 君もこの計画の一部となるのだ。」

二人目のロックマンを倒したグレイが今いるのは運命の分かれ道。
どうやらここから、内容は核心へと迫っていくらしい。

…そしてまた同じように大量のモデルVが映し出される。
「ライブメタルには適合者に力を与え、新たな生命体へと作り変える機能がある。
 ロックマンへの変身機能…いや、もはやこれは変身ではない
 進化と呼べるほどのものだ。
 モデルVを作った私は次に 進化にふさわしい適合者を選び出すことにした。
 世界中の人々から進化するにふさわしい者を見つけ出すのは不可能に近い…」

またもレポートの読み込みは進められる。
そして…この先を読んだ者は計画の一部とするしかない理由。
それは恐らくこの一言があるからであろう。

「だが…私にはできる。何故なら私は世界の全てを知る者…
 レギオンズの三賢人の一人なのだから…。」

全ての黒幕。モデルAにメッセージを込めた者。
それは今まで彼を導いてきた、レギオンズの三賢人の一人だというのだ。

「モデルVを作ったのは…レギオンズの誰か…?」
「それってつまり、裏でソイツとプロメテ達が繋がってるってことだよな…
 こうなると三賢人の奴らも信用できないぜ
 それでも行くのか…?」

「行こう、モデルA!
 僕らのことを知ってるのは三賢人だけなんだ!」

グレイは最早迷わない。
彼は、運命の分かれ道を暗い方へと進み始めた…その先に光があると信じて。

147ロックマンZXA 第10話 提案:2008/07/03(木) 18:52:07
「ええい…忌々しいイレギュラーどもめ!」
「奴らが組織的に行動するとは…信じ難い話だな」

レギオンズ本部最上階、三賢人の間。
顔を見合わせ、突如として発生したイレギュラーの襲撃に頭を悩ませていた…

「イレギュラーを組織する者がいるのかも知れませんね」
「だが、その者の狙いは何だ!全ての国家を敵にしようというのか!」
…そう、一人を除いて。

一人の男が背を向け…
「理由、ですか。」

窓から眼下の風景を見渡し呟く。
「例えば、この世界に愛想が尽きた、とか」
「何だと?」

その瞬間、その男…マスターアルバートの手から宙に浮く金属…ライブメタルのようなものが…
一つ。
「新たな支配者…究極のロックマンへと進化するため…」
二つ。
「そして、一人の科学者として、進化の行き着く先を見たいがため…ですかね。」
三つ、四つ。
それらはアルバートを囲むように回り始める。
「それは一体…!? まさか貴様…!」

「これは…提案ですよ。数百年かけて導き出した…この世界への…、提案です。」

「我ら三賢人は、三人の協議を以って公平な答え導き出すためのシステム。
 否定をするのなら、あなたがた二人で止めてみてはどうです?…そう、三賢人として。」

そこに一人の少年が張り詰めた空気のその部屋へと入ってくる。…グレイだ。

「お、おい!アレ…ライブメタルじゃないか!?」
「解かれたプロテクトは二つ。どこまでバレてしまったかな?
 早めに君を処分したかったのだけど…裏目に出てしまったようだね。」

微笑みを絶やすことなく余裕を持った表情で彼に言葉をかけるアルバート。
グレイの怒りがここで頂点に達する。
「お前を殺そうとしていたのは…お前だったのか!」
「そう、怖い顔するなよ…レギオンズへようこそ。…失敗作君。」

彼は走り出す。
「マスター・アルバートおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
照準が次々にアルバートの体に浮かび上がる。
そして銃弾を彼の体に力任せに一斉に放つ。
とてつもない速度での連射…しかし、
その弾は彼を守護するライブメタル…4つのモデルVの作り出す透明な壁により阻まれ、
笑うアルバートの顔にはかすり傷一つ負わせることもできない。

そうして…アルバートは宙に浮き始める。
「また、会えるさ…。」

勢いよくガラスが割れ、外気が部屋の中に吹き抜ける。
アルバートの体はそこと吸い込まれ…そして…
「君は私の、影なのだから。」
消えていった。

窓から見渡しても最早どこにもいない。
そしてその言葉の答えも、今見渡せるどこにも…ありはしなかった。

「…なるほど、君の話はわかった。
 我らは機械の体を持ち、数百年の時を生きる事を許されている。
 アルバートは三賢人となる数百年前に、すでにモデルVを作り上げていたのだな」

そして、トーマスからの話は続く。
「それから…グレイ君。データベースで君のことを調べさせてもらったよ」
「それじゃあ…僕のことが解ったの!?」
「君のデータはなかった…君はこの世界には存在しない者ということになる。」
「そんな…」
「君が何者かは解らない…だがアルバートは、君のことを自分の影だと言った。
 恐らく、君が現れたがために計画を早めなければならなかったのだろう。
 その理由は…解らんがね」

そして追い討ちをかけるようにミハイルが言う。
「悪い知らせだ…世界の各地にイレギュラーが現れている。
 アルバートめ、モデルVの生贄を集めるために狩りを始めおったのだ…」

自分のことも何も知らないグレイ。
そのグレイが立ち向かうは世界の全てを知るアルバート。
グレイは、自信を失っていた。
「お前のことなら、オイラが知ってるぜ
 ガキのくせに強がりで意地っ張りで、何の得にもならねえのに、
 どんなやつでも助けようとする、大馬鹿のお人よしだ!」
「…!」
「見えないとこで苦しんでる奴らはほっとくってのか!?大した正義感だな!」
「そうだ…まだ僕にはやれることがある…!行こう、モデルA!
 勝てないかもしれない…それでも、アルバート達と戦えるのは僕達だけなんだ!」

人々を助けなければならない。
人々が襲われているのはモデルVのある所。
そしてモデルVの先には…アルバートが待っている。

グレイは新たなる戦いへと飛び込んだ。

148ロックマンZXA 第11話 死のライブ:2008/07/03(木) 20:17:41
始めに向かった場所はガラクタだらけの山地。
砂が露出し、ぐちゃぐちゃとしていてスクラップと相まって非常に気持ちが悪い。

「そこはスクラップ置き場じゃ。
 捨てられた機械が山のように積み重なっておる。
 もっとも、ついこの間までは雪に埋もれていたんじゃがな」


その場所がどうして雪の全くないどろどろとした砂地になったか。
それはモデルVによってスクラップがイレギュラーと化し動き始めることで
熱が発生したからなのだという。

捨てられた機械が蠢く奇妙なエリア。
そこではスクラップそのままに動き出しているさながら機械のゾンビといったようなイレギュラーを始めとし、
奇怪なイレギュラーが数多く存在していた。

足を絡め取るようなスクラップの動き。
天井から降り注ぐ鉄屑。
レバーによる手動操作でトゲのついた破砕機を引き上げ、くぐるなど
どうにも面倒な場所だった。

その機械の墓場の奥にそれはいた。モデルVの力を使い
イレギュラーを動かしている張本人…フォルスロイドだ。

天井からの骸骨型のスポットライトが集中したその部屋の中心に…。

「イレギュラーどもをかきわけて!
 俺様のステージを特等席でかぶりつきか!?
 なかなかロックな事しやがるじゃねえか、ロックマンモデルA!」

そう。このフォルスロイドは音楽を…
ロックをこよなく愛する、熱きフォルスロイドだった。

「俺様は、コンドロック!
 モデルVに目覚めのキスをする王子様役、ってとこだ。」
「モデルV!?この奥にあるのか!」
「おっとぉ!? ここから先はVIP席だ!
 先へは行かせねぇぜ?」

そして、ステージを盛り上げる最高の一言として彼は叫ぶ。
「さぁ、ライブを始めるかぁ!
 ギターは俺様! ボーカルは俺だ!
 期待してるぜ…断末魔の!ロックなシャウトをよぉ!!」

そしてノリのいいフォルスロイド、コンドロックはその姿を消し、
ステージ上部へと移動した。
「ついてこいよぉ!?」

ギターをかき鳴らし破壊音波を発生させるコンドロックは
客席へのパフォーマンスを忘れはしない。
平行な滑空から音波を直接スクラップ…死した客へと注ぎ込み、奮い立たせるのだ。
そしてボーカルたるグレイに群がるスクラップ達。
彼らを静めたグレイに今度は音波を浴びせる。
大音量のスピーカーで鳴らされたそれはグレイの動きを制限し、
直接鳴らしているコンドロックのそれは銃弾をも弾き、
グレイの体にも直接作用する。
そしてギターをうならせての攻撃。
更にはステージ全体を大きく揺るがす最大の攻撃も。
「クライマックスぅ!!」
大音量と共に骸骨の照明が狂気に共鳴し動き始め、
観客たるスクラップ達は魂を揺さぶられ激しく蠢き…
最後には床へ落下し、
スピーカーに吸い寄せられた大量のジャンクが一斉に放たれる。
グレイには攻撃の暇がないほどの激しいライブとなっていた。

だが演奏中のコンドロックにも空中にいるコンドロックにも隙は存在する。
客を鎮め、照明を破壊した上で再びクライマックスを迎えたその直後の一瞬を突き…
コンドロックの背骨に向かい銃弾を見舞った。

背筋をえぐり取られ、そのままの体制で動きを止めるコンドロック。
「なんだよ…こんなの…ありえねえ!全然ロックじゃねえ…!!」

スクラップと言う客席の中へギタリストを飛び込ませてやったグレイは、
いよいよその先、モデルVの在り処へとたどり着く。

そこには…ライブを聴いていた者がまだいた。
「聞こえる…。
 捨てられた機械達の…メカニロイド達の悲しみ…憎しみ…怒りの声
 全てが…モデルVの…糧になる。」
「パンドラ…!」

そう。目覚めたグレイを殺そうとした少女…パンドラだ。
「あなたには…聞こえないの?世界の…この星の悲鳴が」
「聞こえるさ…聞き逃すはずがないさ!
 悲鳴の中心には…必ずお前たちがいるはずだからな!」
「この悲鳴は…あなたと…アルバートのためのもの。
 全ての運命は動き始めている…あなたの目覚めと共に」

グレイとアルバートのための悲鳴…
またもや言葉の意味を理解できない様子のグレイとモデルAに向かい
パンドラは最後にこう残し、モデルVと共に消えた。

「いつか…全てを知る時が来る
 そしてあなたはきっと…全てに絶望する。」

149ロックマンZXA 第12話 灼熱の摩天楼:2008/07/03(木) 22:16:32
「うわっ…凄い暑さだ!一体何が起きてるんだ!?」

次に向かった先はエネルギー炉のコントロールセンターだという巨大なタワー。
とはいっても壁も床も天井も破壊され、柱は傾き、
シャンデリアからは炎が滴り落ちている。
どうやらイレギュラーにより熱暴走を起こしているというのだ。
最上階にあるとされるエネルギー炉をなんとしてでも止めるべく、
グレイ達はタワーを上へと登っていく。

階段のないそのタワーにはエレベーターしかない。
トラップの仕掛けられたタワーを登り、
時には防犯システムと思しき装置と戦いを繰り広げながら、上部へと進んでいった。

最上階…謎のカプセルの割れた跡などが残る、天井のない空の見える部屋に
モデルVがあった…そしてそこにはアイツもいた。

「久しぶりだな、運命のゲームにまだ生き残れているようじゃないか」

プロメテだ。
「どうだ?少しは自分のことがわかったか」
「黙れ!力づくでも聞きだしてやる!」
憎き相手プロメテは冷静に返す。

「ハッ、吼えるなよクズが。
 俺はこのモデルVを回収しに来ただけだ…
 焦らなくても、お前はいずれこの俺が切り刻んでやる…
 楽しみに待っていろ!」

そしてプロメテは姿を消し、代わりに現れた者…それは。

「あら…プロメテの坊やはもう行ってしまったの?せっかちな子ね」
身の丈の2倍の直径はあろうかという巨大なコンテナに直結したフォルスロイドだった。

「あと少しで、エネルギー炉が爆発して、
 この国にキレイな炎の花が咲きますのに♪
 甘くて…とろけるような恐怖と言う名の蜜が取れる花が…ウフフフフッ♪」
「この熱暴走はお前の仕業か!」

「その通りよ、坊や…いえ、ロックマンモデルA。
わたくしはカイゼミーネ。あなたにも味見させてあげますわ…
絶望と言う、ちょっぴりほろ苦い…とっておきの蜜をね♪」

貴婦人のような口調で話す、蜂型フォルスロイド…カイゼミーネとの戦いが始まった。

蜂の巣の形をした巨大なコンテナの力を自在に活用して戦う、
珍しいタイプのフォルスロイドだった。
蜂型の追尾爆弾やミサイルを飛ばしての攻撃に加え…

「お熱いのはお好き?♪」
強力な熱を帯びた光を照射する攻撃などの激しい攻撃。
それでいて自らは攻撃の手の到底届かぬ高い位置にいることでの安全な戦闘方法。

ならばコンテナを破壊するしかない。
コンテナに銃撃を与え、破壊するグレイ。
思惑通り、コンテナの爆発はカイゼミーネ自身に大きなダメージを与える。
そして同時にカイゼミーネは次のコンテナを用意するまでの間、
非常に脆くなる。

この間になんとかして銃撃を与え続けることができれば勝てる…
「見てらっしゃい…」
しかし間に合わず、次のコンテナを用意されてしまった。
しかも更なるカイゼミーネ最強の技を使わせてしまうことになる。

「とっておきですの♪おーっほっほっほっほ!」
コンテナにエネルギーを集中させて、遥か上空へと舞い上がり
強力な熱線を照射する攻撃。
これにより直撃した地点は突如として大爆発を起こし巨大な火花が炎の花を散らす…
後に現れることになるフォルスロイド達の攻撃とあわせても指折りに恐ろしい攻撃と言えた。

しかしその攻撃も長くは続かず、またもコンテナを破壊されたカイゼミーネが
低空でグレイに狙いを定めようとした瞬間…

グレイは反射的に飛び上がり…カイゼミーネの腹部を貫いた。
「あ… ああ… なんてこと…!
 私のもてなしを…拒むのですか…!」

だがエネルギー炉の問題が解決した訳ではない。
奥の部屋にてタワーのメインコンピュータを発見する。

「そこにあるのはエネルギー炉を制御しているコンピュータだな?
 いかんな…冷却機能が追いつかず、熱暴走が止まらないようだ。
 コアモジュールを抜き出して無理やりにでも止めるしかない。」

巨大なモジュールを抜き出す方法…グレイにはわからなかった。
だが、モデルAがそこで提案した。
「おい、さっきのカイゼミーネに変身だ!」

そう。カイゼミーネはコンテナに直結し持ち上げる力を持っていた。
それほどの力を以ってすれば…。

彼の読みは成功。コアモジュールの引き上げに成功、
コントロールタワーの暴走は停止させられたのだった。

150ロックマンZXA 第13話 ハイウェイの下にあるもの:2008/07/03(木) 23:21:28
次はコントロールタワー近くと思われる市街地。
「その先のハイウェイでイレギュラーに追われる人々がパニックになっておる。
 車で逃げ出した連中が渋滞を起こし、逃げるに逃げられん状態じゃ
 イレギュラーを撃退して、なんとか彼らが避難する時間を稼いでくれ。」

夜の市街地は大量のイレギュラーであふれかえっていた。
その中でも交通の要所とされるのがハイウェイ。

乗用車への被害を抑えつつ巨大なイレギュラーを撃退する。
それを二回繰り返したところで突然…道路が途切れていた。
その先端にいたのは…青髪の少年。

そう、テティスだ。
「嬉しいねえ…僕の名前、覚えてくれたんだ。
 ロックオン!」

すぐに変身し、ハイウェイを落下していくテティス。
「おいでよ。君に見せたいものがあるんだ」
その下は…海の中だった。

「モデルV!? ハイウェイを襲ったのもコイツの生贄のためか!」
「正解、だけど見せたいのはもっと下。
 この汚い海の底さ…昔、戦争があった頃の海は、生き物が居られるような場所じゃなかった。
 戦争が終わって一度は綺麗になった海も…
 人々が増えたらまたこの始末さ」

「解るかい?結局人々はこの世界を汚さないと生きていけないんだ!」
「だからって…何も知らない人の命を奪うのか!
 人同士で殺しあうのか!」

「人同士? 僕らは普通の人じゃない…ロックマンに進化したんだ
 そして、僕は君を倒して更に進化する…ロックマンの王になって、
 自分勝手な人々からこの世界を救うんだ!」

テティスはそう言って泳いで姿を消した。

どこから来るか解らない…そう思って構えているグレイに
「こっちだよ!遅いなぁ!」
テティスは恐るべきスピードで近づき、ハルバードを振り回してV字型に去っていく。
去り際にチャージショットを当てることには成功したが、
こちらもうまく避けることができず傷を負ってしまう。

水の中では思うように身動きができない…
その上下を見ると何もない…そこは海中の中に立つ一本の柱でしかなかったからだ。
左右にほんの少しの柱はあるがそれでも戦いの場としては心許ないものだった。

「食らえ!」
今度は急に泳いできて巨大な水の刃を飛ばしてくる。
これもうまく避けることは今のグレイには難しかった。


チャージをしながらゆっくり現れたテティス。
すかさずチャージショットをぶつけ、もう一発…と思った瞬間。
「出て来い!」
銃弾は現れた二頭の氷の竜に阻まれてしまう。
上と下に回りこみ、グレイを噛み殺さんとする氷の竜。
だがグレイは紙一重でそれを避けテティスを撃つ…
が、すでに届かない位置に居る。

そして次に現れたときは更にゆっくりだった。何を…?
すると、テティスはおもむろに一つの装置を海中に取り付ける。
そこからはなんと大きな、トゲの生えた氷が噴射されていく。

マリンスノーと呼ばれるモデルLの十八番と言える技だった。
装置は海面からその氷を降らせると同時に渦を作り出し、
柱から落とし海底へとグレイをいざなおうとする。
「楽しいだろうー?」

必死に逃げるグレイ。だがもう無理か…
そう思ったグレイはある手段を使った。クロノフォスへのトランスオンである。

そして海中を自在に逃げた後、
ハルバードで斬り刻むべく猛スピードで泳いできたテティスへ
グレイはクロノフォスもう一つの能力を使う。
タイムボム。自分の時間を著しく加速させる能力だ。

これによりテティスの猛スピードの動きも遅いものとなり…

「遅いな…」
前も言ったその台詞を言い終わる前にグレイは、テティスへと連続してチャージショットを叩き込み…
勝負は決した。

「くっ…残念だよ。
 君なら僕の言うことをわかってもらえると思ったのに…
 僕は諦めないよ。モデルVを覚醒させてこの世界を変えてみせる!」

151ロックマンZXA 第13話 ハイウェイの下にあるもの つけたし:2008/07/03(木) 23:28:02
「うわぁああああああああああ!」

そしてロックマンをまたも倒したロックマンに
アルバートからのメッセージが展開される。

「ライブメタル・モデルVに相応しい適合者を探し出すため、
私はまず、二人の兄妹レプリロイドを作り上げた。」

「彼らにはモデルVの力の一部を与えると同時に、
 一つの命令を与えた。
 それは…最強のロックマンを決めること。
 私が選び出した適合者たちにライブメタルを与え、
 最後の一人となるまで戦い合わせる…という命令である。
 この戦いに生き残った者がモデルVの力を手にし、
 究極の進化を遂げる。そう、新たなる世界の王…ロックマンの王となるのだ。」

「また一つプロテクトが開かれたな…
 でも、オイラのことは一体いつ出てくるんだ?
 それに…兄妹のレプリロイドってのは一体何のことなんだ?」


未だにグレイたちには解らないことが山ほどある。
そして…どんどんと増えていく。
それがいつか解る日が来るのであろうか。

152ロックマンZXA 第14話 浮遊する遺跡:2008/07/04(金) 00:12:57
次の場所は森林地帯。

だがしかし、洞窟の中から外に出ると突如として地鳴りが起こり始めた。
そして…

「うわぁあああ!
 …な、何が起きたんだ…?」
森が、周りの大地が沈んでいく…いや、違う。
グレイのいる一帯が突然空高く舞い上がったのだ。

「大丈夫か!今、そのエリア全体に重力の異常が起きている。
 それと同時に強大なエネルギー反応も発見した。
 おそらく、それが重力異常の原因だろう…調べてくれ。」


この場所のイレギュラーはどれも、こうなることを知っていたかのように
地についているか空を漂うものばかり。
激しい風に煽られ、巨大な竜巻が発生するその場所を、
空を飛ぶ足場に乗ったり木に乗ったり…不安定極まりないその場所を恐る恐る進んでいく。

いくつもの浮遊地帯を乗り越えた先に…
遺跡と思しき、比較的大きな浮遊島が存在した。
そこには…やはりモデルV。
そしてロックマンが待ち構えていた。それは…ヘリオスだった。

「逃れえぬ運命…やはり来たか、ロックマンモデルA
 だが…このモデルVは私が回収する。」
「ヘリオス!モデルVを集めてどうする気だ!」
「愚かなる問い…モデルVの価値もわからずロックマンを名乗るか。
 理解できぬからと恐れ、恐れるから排除する…。
 お前のような愚か者がいるから、この世界から争いが耐えぬのだ」

「ヘッ!天才様の考えることはわかんねえな!
 オイラには、邪魔するやつは死ねって言ってるようにしか聞こえないぜ!」

「そう。私が目指す世界に愚か者の居場所はない…
 ゆくぞ、ロックマン・モデルA!愚者に…死を! ロックオン!」
風に包まれてヘリオスは姿を変える。
そして…持っていた棒を二つに分け、ダブルブレードへと変化させた。

「切り裂け!」
戦闘が始まると同時にチャージを始めたヘリオスは
剣から縦に巨大な竜巻を二つ発生させ、グレイへとぶつける。

上下の竜巻の合間ぎりぎりを縫ってそれを回避しチャージショットを叩き込む。
その後ヘリオスは跳んだ。
「はぁ!」
地上に落下すると同時に重力に任せ剣を振るう。
後退しそれを避けてまたチャージショットを叩き込む。

「ふん!へあ!たぁあ!」
地上で両手の剣を一回づつ振るう。
3発目のタイミングでグレイはチャージショットを叩き込むが
その瞬間の、二つを交差させての衝撃波によって阻まれる。

そしてまたヘリオスがジャンプする。
以前で見切った攻撃だからと後退したグレイをヘリオスの刃が切る。
「はぁ!」
エアダッシュと呼ばれる空中での一定距離の平行飛行から繰り出す刃だったのだ。

エアダッシュでの攻撃がくるか、地上への攻撃を繰り出すか。
それを見極めて攻撃しなければならない。

もう一度跳ぶ。次は上か…下か。
上と見切ったグレイはダッシュで下を駆け抜け、背後からショットを撃つ。

追い詰められたヘリオスは上方向へのエアダッシュを発動。
空の上へと舞い上がる。

「かわせるか?」
そして降りてきたのは三つの出っ張りのついた丸いコア…グレイを挟む形で配置された。
それはヘリオスの支援ビット。

三方向に電撃を放射し、ぐるぐると回転する。
これにより相手を惑わせ疲労させ、電撃で嬲り殺すという算段だ。

だが電撃ではショットは止められない。
かわしながらもチャージショットをヘリオスへと叩き込もうとする…
が、動きにわずかなズレが生じ、電撃の餌食となってしまう。
グレイの体力も限界…ならば、とグレイはヘリオスへの攻撃を思いつく。

ヘリオスが空へと舞い上がった瞬間に…
ディアバーンへとトランスし、そしてシャルナクの、上方への攻撃に適したクナイを放つ。

見事にそれは全てヘリオスへの体へとヒット。
ヘリオスはとうとう、地へと落ちた。

153ロックマンZXA 第14話 浮遊する遺跡 つけたし:2008/07/04(金) 00:15:07
「恥ずべき…誤算!この私が…失敗作などに遅れをとるとは…!
 何も知らぬ貴様がロックマンであるなど私は認めない…!
 愚者に死を!この世界は私が変えてみせる…!」

悔しさに顔を歪ませながら、ヘリオスは去っていった。
「うああああああああ!」
そして、ヘリオスの能力を得るとともにまたもプロテクトの展開。

「ライブメタルの力は誰もが手にしていいものではない
 選ばれし者、世界を変えうる者こそが手にすべき力である。
 そこで私は、ライブメタルを作ったとき、あるプロテクトを施した
 選ばれし者のみがライブメタルの力を引き出せるというプロテクト…
 即ち、適合者を決定したのだ。
 全てのレプリロイド達は寿命を決定するとき、レギオンズのチェックを受ける。
 このチェック時、私が設定にかかわったレプリロイド達には
 私のDNAデータを組み込んだ。それこそがプロテクトの鍵であり…
 適合者の証なのである。
 そう…このデータを見ている君もまた、私のDNAを
 私の血を受け継ぐ者なのだ。」

「僕が…アルバートの血を受け継ぐ者…」
「気にすんな…ってのも、無理な話だけどよ…
 アルバートの野郎が勝手につけた…ラベルみたいなもんだ。
 あんまり深く考えるなよ」
「う…うん」

新たなる事実が明らかになった。
即ち…ロックマンは全てアルバートの血を受け継いでいる。

モデルVが回収されたことにより重力異常が収まるその場からは撤退することとなったが、
その際にトーマスからある報告があった。

「実は先ほど、ハンターキャンプの採石場から、
 モデルVの反応が確認されたそうだ。
 イレギュラーはハンター達が食い止めているが、
 道が険しく、奥へは進めないで居るらしい…」

第五のモデルVの在り処…それは、ハンターキャンプだった。

154ロックマンゼクス あれから4年:2008/07/04(金) 21:45:24
「…私達ロックマンは…戦い合う運命」
「フッ…フフフッ…全てを知りたければ…戦い続けろ…!
 お前も…セルパンも…そして俺達も…
 『あの男』の仕組んだゲームからは、逃れられないのさぁ!!」

「ならば決めようじゃないか…新たなる支配者…ロックマンの王を!」
「アタシはそんなものにはならない!
 セルパン、お前が全てを破壊するロックマンなら…
 アタシは全てを守るロックマンになる!」



あの時から…4年の月日が経過した。
エールはその日からずっと、モデルVと戦い続けていた。
人々を救う、全てを守るロックマンとして。
一つだけではなかったモデルVを全て破壊するその日まで…。


そしてその日…
彼女はモデルVの反応を感知し、採石場に来ていた。
それはハンターキャンプという、賞金稼ぎ達の拠点の地下。
入るなり現れた蜘蛛型のメカニロイド、スパイダリルを切り刻んだ彼女は、
その奥へと進み…
とうとうモデルVが見えるその場所までこぎつけた。

だがそのときである。背後から…何者かの気配がした。


「…誰だ!」
声がする。高い声ではあってもそれは女のものではない。
男…それも少年だ。

「こんなところに少年?
 一体どうやってこんな所まで…」
エールは振り返る。
変わった姿をした彼は…ただものではないのは一目瞭然だった。

モデルXがエールと彼の間に現れ、警告する。
「エール…気をつけて。彼からライブメタルの気配がする。」
そしてエールの後ろに周り、じっと相手を見つめるモデルZ。
「…感じたことのない気配…何者だ」

そして、少年の中から別の少年の声がした。
「ライブメタルを二つも!コイツもロックマンか!」
「モデルVから離れろ!」

『我々ロックマンはあの男が用意した…モデルVを奪い合うゲームの駒なのだよ』
セルパンのかつての言葉だ。
やはりその少年はロックマンの一人…
そして…ロックマンがモデルVを狙っているということはその意味は。

「モデルVはどうするつもり?」
「これは僕らが回収する。お前らなんかには渡さない!」

彼もまた、モデルVの力を得て世界を支配しようとする者だ…
エールはそう感じた。
「やっぱりか… じゃあ、仕方ないわね。」

手にモデルX、モデルZを持ち…
「モデルX!モデルZ! ダブルロックオン!」

そしてモデルZXへとロックオンしたエールは敵を見据えた。
両手に銃を構えた…モデルVを狙うそのロックマンを。

「悪いけど…アタシもモデルVを渡す気はないの。
 君がロックマンなら…尚更ね!」

155ロックマンZXA 第15話 5人目 前半:2008/07/04(金) 22:03:58
アトラス、シャルナク、テティス、ヘリオス…
今まで戦ってきたロックマンよりも格上の存在が目の前に現れた。

グレイがローズパークのいた塔で戦った相手、スパイダリルをものの見事に破壊したその女性。
エールとライブメタルに呼ばれたそのロックマンは、
聞きなれない能力、「ダブルロックオン」を用いて変身をした。

真っ赤なアーマーに身を包んだそのロックマンは戦闘が始まるなり近づき、
弾丸をグレイに向かい発射してくる。
それを回避すると今度はグレイの体を飛び越え、壁を蹴り、登り始める。

グレイは彼女を撃つべく反対側へ移動する。
敵は壁を滑り降りながら銃弾を発射し…
「あたって!」
そして強力なチャージショットを放ってくる。
弾と弾の合間を抜け、なんとかチャージショットを当てる。

すると今度は敵は跳び、連続して回転斬りを行ってくる。
グレイは一度は避けたものの二度目までは避けられず、それを食らってしまう。
「エイッフッヤァ!」
そして続けて三段の斬撃へと移行。敵は明らかに戦いに慣れているようだ。

すばやく移動するそのロックマンにはホーミングが一番確実。
照準を定め、ホーミングレーザーを放ち、続けてチャージショットを当てる。
敵にその瞬間隙ができた。

そして敵はもう一度壁を蹴りのぼり始める。
それを追うように反対側からチャージしつつ壁を登る。

だがそれも敵の計算の内。壁から今度は飛び降り、それと同時に
必殺の斬撃をグレイに向かい打ち込んできたのだ。
深手を負うグレイ。
だが敵の手の内はまだ存在した。
ジャンプからセイバーを下へ…地面へと垂直に突き立て落下し、
地面との衝撃でできたエネルギーの塊を飛ばしてくる「エナジーフィシャー」。

ただの下突きとはかけ離れたその技を避け、
グレイは敵が壁を登ったそのタイミングでギガクラッシュを敵に向かい放つ。
無数の銃弾を敵に浴びせる。

敵が怯んだ…その時を見計らい、チャージショットを放つ。
それは敵の体にクリーンヒットし…決着をつけた。

彼はモデルZXのデータをコピーし、またもモデルAのデータを展開する。
そしてそれは…相手にも作用した。

「きゃああ!な…何これ…!?」
「共鳴している…奴のライブメタルのせいか!」

156ロックマンZXA 第15話 5人目 後半:2008/07/04(金) 22:24:25
「これが最後のプロテクトとなる。
 計画の全てを知った君は、究極のライブメタルを手にする権利がある。
 各地で眠るモデルV達は、人々の恐怖を食らいつつ覚醒の日を待っている。
 
 そして、全てのモデルVが一つとなったとき…
 究極のライブメタルが誕生する。その名はウロボロス…
 ウロボロスを手にした者こそが、人と機械を越える進化の果てにいる者
 私が追い求める究極のロックマンとなるのだ。

 我が名はマスター・アルバート
 世の理を定める三賢人の一人にして…新たな世界、新たな命を創造せんとする者。
 いつの日か、私の研究が進化の地平を切り開かんことを願う」

ついに明らかになったアルバートの計画の全て…
そして、モデルAは全てを思い出した。
「そうか…やっとわかった…なんでオイラが作られたのか
 なんでグレイがオイラで変身できるのか!」

そして、意外にも今戦ったロックマンも、
グレイに話しかけてきた。
「…アタシにも説明してくれない?
 今、君と共鳴したときにいろんなデータが見えたわ」

そして、驚くべきことを口にする。
「マスター・アルバート…その男がモデルVを作ったのね?
 君たちは一体何者なの?」

アルバートのことも知らないらしいそのロックマンが何故モデルVを…?
そして突然、背後に存在したモデルVが落下する。
採石場の恐らく下層であろう。

「しまった…モデルVが!」
「戦いの衝撃に耐えられなかったか」
敵のライブメタルが言う。

「教えてくれ…モデルA!僕は一体誰なんだ!」
「ごめんよ…今は、まだ言えない」
「モデルA!」

「やめなさい!
 ライブメタルが可哀想よ。今はそれどころじゃないでしょ?
 こうしてる間も、モデルVはイレギュラーを増やしているわ。
 また近づくのが大変になる」

「…ごめん、モデルA。先へ進もう」
負傷した敵を置き、グレイは一人先へと進む。

「アタシにトドメは刺さないの?」
「…僕は、そんなことのために戦っているんじゃない」

157ロックマンZXA 第16話 新たな仲間:2008/07/04(金) 22:49:07
採石場での戦いはその後も続いた。
巨大な採掘メカに追われたり、爆弾を足場として下層へ向かったりもした。


モデルVの落下した場所は、採掘場の最下層。
そしてそこにはもう一体のスパイダリルがいた。

そして何と…それはモデルVと融合し、進化を遂げたのだ。
これはモデルVとのある意味直接対決と言っていい。

「おい、どうするよ!こいつを回収しろってのか!」
「仕方ない…こうなったらもう破壊するしかない!」

しかし強くなってもスパイダリルはスパイダリル。
強力なボディを更に強力なものへと改造はしたものの、
基本的には何も変わってはいなかった。

しかし…いくらなんでもタフ過ぎた。
これが雑魚なりに、モデルVに与えられた力なのだろう。
「くそっ…!まだ動けるのか! これがモデルVの力…!」

戦いは長きに渡りそう…そう思われたとき。
「コイツぅ!!」

上空からスパイダリル目がけて一筋の赤い光が飛んできた。
いや…それは先ほど戦ったロックマンだった。

手に持ったセイバーでスパイダリルを一刀両断。
敵はただのガラクタへと変わっていった。

「な…なんで僕を助けた!?僕を殺しに来たんじゃなかったのか!」
予想外の行動。そしてそれに今度は予想外の言葉が付け加わる。
「アタシもそんなことのために戦ってるんじゃないの」

「初めからアタシの目的はモデルVの破壊。
 ロックマン同士が戦い合う運命のゲームを止める為にね。
 君。名前は?」

どうやら敵ではないようだ。
「僕はグレイ。コイツはモデルAだ。
 お前達こそ何者なんだ!」

ロックオンを解く。
エールというらしいそのロックマンは、
自分が青いライブメタル、モデルXのロックマンであること、
赤いライブメタル、モデルZをある人から受け継いだことを話した。

「とにかく、キャンプまで戻ろっか。話は途中で聞かせてよ」


「マスターアルバートにプロメテ…パンドラ。
 それと4人のロックマンか…アタシ達の研究所から盗まれたモデルH達が
 こんなことになってたなんてね」

モデルH、F、L、P。
4つのライブメタルは、かつてエールと共にモデルVと戦った仲間なのだという。

「恐らくモデルH達は、その4人の適合者たちに
 意識を封じられているんだろう…。」
「俺たちは、奪われたモデルH達を追ってここまで来た。」

そしてエールの戦う理由を聞く。
「アタシも、あなた達と同じ。
 何も解らない頃に、イレギュラーやモデルVとの戦いで、
 大切な人を沢山失ったの」
「復讐か?」
「ううん。アタシのように苦しむ人を増やしたくないだけ。
 だから決めたの。運命のゲームを終わらせるために、モデルVを全て破壊しようって。
 みんなを守るためのロックマンになろうって決めたんだ。
 君は自分の正体を知るために戦っているんだよね?
 
「でも忘れないで、君の運命は君だけが決められる。
 正体が何者でも関係ない…君の力は、君だけの未来を掴む力なんだよ。
 …って、これもアタシの大切な人からの受け売りなんだけどね。
 そうだ、これをあげるわ」

新たに手に入れたのは緑色のキー。
フォルスロイドが待つとされる、
今まで開かなかった、ハンターキャンプの扉を開くための鍵だった。
「アタシは仲間たちの所に戻るわ。モデルH達を追わなきゃ
 お互い、同じ敵を追っているならまたどこかで会うかもね」
そう言って、もう一人の戦士エールは去って行った。


「グレイ…オイラ…。」
「モデルA,さっきはごめん。
 僕が何者かとか、そんなのは関係ないことだったんだ。
 僕はこの力で、僕を助けてくれた人たちのために戦いたい。
 モデルA、僕のことは話したくなったときに話してくれれば、それでいいよ」

「トーマスだ。ミッション完了、ご苦労だった。
 モデルVを回収できなかったのは残念だが、1つを失ったことで
 アルバートの計画にも狂いが生じるはずだ。
 何とかこのチャンスに奴を追い詰めたいのだが、
 残念ながら手がかりがない…頼む、グレイ君。君だけが頼りなのだ。」

緑色のキーが導くその先にアルバートがきっといる。
アルバートへは、着実に近づいているようだった。

158ロックマンZXA 第17話 汚水の奥に:2008/07/04(金) 23:31:39
ハンターキャンプ内の、厚い壁をぶち破った先は汚水の溜り場。
そこにあった扉には以前から入れずにいた。
その扉の色は緑。エールから手に入れた緑色のキーの出番だ。


「うわっ…凄いにおいだ…
 ただの下水じゃないぞ、この奥から流れてきてるのか…」
「オイラには匂いってわからないな ライブメタルでよかったぜ!」
「…ズルいなぁ。
 でも、この匂いはやっぱり変だ。奥を調べてみよう」

たどり着いた所は下水道。
イレギュラー達が町の奥深くを根城にしていたのだ。

そこから先へ進むと扉があった。何かの施設のようにも見える。

…そこからは一気に雰囲気が変化する。
青い壁、床。整備されたその場所は工場だった。

「さっきの匂いは、ここから流れていた工業排水だったんだ。」
「しっかり整備されてるし、遺跡って感じじゃないな
 行くか。この施設の正体を暴いてやろうぜ」

そう言って踏み出した矢先、真っ青な床があったので踏んでみる…
するとたちまちグレイの足はその床へと埋まってしまった。

よく見ると泡を吹き出している。
それは床ではない…考えられないほどに粘度の高い汚水だったのだ。

上から開いたシャッターからはメカニロイドの首がごろごろと転げ落ちてくる。
汚水に漬かった瞬間、それは汚水を体にまとったイレギュラーへと変化する。
一体ここは何の施設だというのか…
巨大な塊の目立つ、施設の奥深くにて、その答えは明らかとなる。
「大型のメカニロイド…?奥にも沢山あるぞ!」

すると、グレイの前にあった巨大な塊が蠢き、ぐるりと反対側を見せる。
顔。 そう、それはフォルスロイドだった。エールの言葉は本当だったのだ。

「驚いたか?彼らはこの施設で生まれた兵士だ
 いつの日かロックマンの王に仕える兵士達なのだ!
 儂の名はバイフロスト。眠れる兵士たちの番人だ。
 新たな世界が生まれるとき、彼らは目覚め、古き者たちを滅ぼすという役目がある。
 ロックマンモデルA…彼らに代わり、この儂が貴様を滅ぼしてくれよう!
 骨一本、ネジ一つ残さずこの儂が噛み砕いてくれる!」

バイフロストが大きな大きな口を開け
その鋭い氷の牙で噛み砕こうとしてくる。

だが緩慢なその動きにグレイが遅れを取るわけはない。
即座にグレイは後ろへと下がり、変身する…ロックマンモデルZX、エールの姿に。

バイフロストの口が閉じられたその瞬間めがけ
グレイはセイバーを振り下ろす。

噛みつき攻撃、その巨体を用いての踏み潰し、
歯車で相手を切り殺すスピンホイール、
氷の息で発生させた氷を自ら踏み潰しての破片攻撃、
口を開けたまま氷の牙をミサイルとして飛ばす攻撃。
だが…彼はその動き全てが緩慢で大味なもの。

それらは全て今のグレイには大した脅威ではなく、軽々と避けられ、
スピンホイールをエナジーフィシャーで破壊され、グレイに撃たれ切り刻まれ、
エネルギーが尽きた所でモデルAに戻ってのチャージショットにより
バイフロストの巨体はわき腹を中心に大きく削られ、彼はその命を終えた。

「ぐ…おお…滅びるのはこの儂の方だというのか…!
 貴様は…我らに代わり世界を作ろうと言うのか…!
 やはり…貴様は…アルバート様の…ぐあああああああ!」


無傷でバイフロストを倒した先でグレイはトランスサーバーを見つける。
ミッションレポートを提出しようと上に乗るが…反応がない。

「現在待機モード中…起動には起動キーが必要です」
どうすれば…?
そう思い、更に奥へと進んだ先に…あった。
もう一つのトランスサーバーは正常に作動し、彼はミッションレポートを提出し終えた。

159ロックマンZXA 第18話 あの研究所:2008/07/04(金) 23:58:35
ハンターキャンプにはもう一つ、緑色の扉がある。
漫画好きの少女、シャロンの背中の扉だ。

その先には二つの扉があったが今回はそのうちの右側の扉をくぐることにした。
そこには画面と移動用のみのトランスサーバー。
画面には何かの転送座標が映し出されている。まずはその転送先へと移動してみた。


「ここは…?」

一部が壊れた、滝にかかった橋の上。
「ここは僕が眠っていた建物だ…」
「へぇ…お前こんな所に閉じ込められていたのか」

何も知らずに生きることだけを考えて逃げていたあの時があり…
力を得て、仲間を得て、アルバートを追うべく来た今がある。
今のグレイならば、ここにある物の意味もわかるかもしれない。

「なるほど、君がここでロックマンとしての調整を受けていたのならば、
 アルバートの計画に関する手がかりがあるかも知れん。
 調べてみてくれないか」

中心に会ったグレイのカプセルと共に4つのカプセルがあった。
それはヘリオス達のものだったのかもしれない。
ならばこちらは…?あの時の橋の先のもう一つの棟へとグレイは入っていく。
「よし、行ってみようぜ!」

ガスが漏れ出しているのは相変わらず。
中にガレオンがいるのも。

そしてその先にカプセルの部屋があったのも。
…今度は誰のものであろうか。

「これ…僕が入っていたカプセルと同じだ」
「おい、パネルに何かメッセージが出てるぜ!」

「DAN−001「プロメテ」 再調整までの活動限界時間246924秒
 DAN−002「パンドラ」 再調整までの活動限界時間246939秒」

「プロメテ達のカプセルだ!あの二人もここで作られたのか…」
「なぁ。もしかして、オイラのデータにあった兄妹のレプリロイドって…
 アルバートが最初に作った二人のロックマンって、プロメテ達のことじゃないか?」

トーマスの声がする。
「それで間違いないだろう…このカプセルは恐らく、彼らを繋ぎ止める鎖だ。
 アルバートの計画に逆らえないようにするための…な。
 パネルのカウントはプロメテ達の寿命だろう。かなり短く設定されている
 定期的にカプセルでの調整を受けなければ死んでしまう…そういう仕掛けだ。」

「酷い」 そうとしか言えない…それは悪魔の仕掛けだった。
少しづつ謎が明らかになって行っている…この先には一体何があるのだろう。

防壁を解除するためのバッテリーを挿入しつつ進むと…
仕掛けが満載のヘンテコな部屋に小さなフォルスロイドがいた。
「このやろー!」


「何よ何よ!この先は閉鎖チューなのよ!
 誰も通すなって、アルバート様からの命令を遂行チューなのよっ!」

フォルスロイドはモデルVと繋がっている以上、
いずれアルバートに従う身であろう。
だがクロノフォスはアルバートをあの男と言っていた。
あくまで今は決定していない「王」に従う者。

だが、バイフロストや彼女はそうではなかった。アルバートの忠実なしもべだった。
「この先にまだ何かあるんだな!?通してもらう!」
「何よ何よ!せっかくのこのテスラット様のチュー告を無視するわけ!?
 アンタなんか処刑よ!電気ショックの系なのよっ!
 アルバート様の命令は、絶対なのよっ!」

電気ネズミ型フォルスロイド、テスラットが小さな体でグレイに戦いを挑む。

丸まってぐるぐる部屋を駆け巡るテスラット。
時に小さな電撃を手から発し、時に電撃を体から遠距離にまで放射する。
「くるのよっ!」
ネズミ型メカニロイドにグレイを追跡させたり、
部屋の歯車を自ら回し、場所を水中に変えたりもする。
だがもうグレイの敵ではない。
撃たれ斬られ飛ばされ、最後にはチャージショットにより
左半身全体を消し飛ばされた。

「何よ…何なのよっ!
 アンタのその力…ズルいじゃないのよ!
 その力は…アルバート様の…くっ…うう…!」

テスラットの部屋のすぐ先に一つのカプセルの置かれた部屋が。

「DAN−000「オリジナル」
 最終調整完了 ファイナルフェイズ 発動」
プロメテ、パンドラ以前に生まれた何者かいる…。
スロットから何かのディスクを抜き取り、その調査は終了した。

160ロックマンZXA 第19話 奴の死を以って 前半:2008/07/05(土) 00:21:11
シャロンの扉の先にある左の扉に入ると
そこは森だった。
「ワシじゃ、ミハイルじゃ。お前さんについて以前調べてみたことじゃが、
 どうもデータベースを外部からハッキングしてデータを消した者がいるようじゃ。
 その反応の元を辿ってみたんじゃが、今お前さんがいるエリアのネットワークで
 反応が消えておるんじゃ。その辺りで大きなコンピュータ施設は見えんかね」

グレイの正体を掴む手がかりはこのエリアにあるであろうコンピュータ。
踏み出した彼は妙な入り口を見つけた。
そして、変な奴らがそこに落ちてきた。…フォルスロイドだ。

「待たれよ!ここから先は何人たりとも通ることは許さぬ!」
「…うぬ。」
双子だろうか。お喋りな一人と寡黙な一人の二人組だった。
「フォルスロイド…!アルバートの仲間だな!」
「さよう!我が名はアーゴイルっ!そして!」
「……うぬ。」
名前も言いたくないとは…寡黙過ぎはしないだろうか、グレイは少しそう思い始めていた。
「……我が半身、ウーゴイル!
 我らはアルバート様の命によりこの地を守りし者なり!
 貴様らに我らの守り、崩せると思うてか!」
「…うぬっ!」
「さぁ、参られよ!ロックマン・モデルA!
 冥土への旅路、我らが案内して進ぜよう!」
「………死ねい!」

ようやくまともなことを話したウーゴイルと共に、
アーゴイルは戦闘態勢へと移行する。

言葉数とは裏腹に彼らの動きはまさに同調していた。
左右から同じタイミングでグレイに近づき、交差し駆け抜ける。
上と下、二つの駆け抜け方があるにもかかわらず寸分狂わぬ動きでグレイを翻弄する。
そして時にはタイミングのみをずらした同じ動きによるローテーション。

交互に移り変わりアーゴイルが弾を蹴り、落とす。
時にはアーゴイルが蹴った弾をウーゴイルが蹴り返し、エネルギーを増幅させて
強力なエネルギー弾と変えてグレイを襲う。

「決める!」
「えい」「うぬっ!」「てい!」「うぬっ」「せい!」「うぬっ!」「食らえ!」
見事なリズムで爆弾を蹴り、膨大なエネルギーを空中で爆発させる。

今までになかったこの戦法には、フォルスロイドを楽にしとめられるようになってきたグレイも
流石に苦労させられた。

だがこの戦法はどちらか一人がいなければ通用しない。
グレイはモデルHへと変身し、彼らの動きを見極めている最中、
あることに気づく。

アーゴイルとウーゴイルで弱点部位が異なる。
ウーゴイルは仕留めづらい脚。対してアーゴイルは腕。
どちらが仕留めやすいか。どちらが爆弾のボールを蹴り始めるか。
そう考えるとどちらが仕留めやすいかは一目瞭然。

ギガクラッシュで両方を攻撃した後、アーゴイルを倒し
そして走るしかできないウーゴイルの脚をチャージショットでもぎ取り、戦闘は終了した。


「おのれっ…我らの…連携が…破られるとは…!」
「ぬう…」
「だが…所詮出来損ないの貴様ではこの戦いは生き残れん…ぐっ…ぐぐ…」
「ぐあああああ!」
こうして、双子の子供フォルスロイドは同時に消滅して行った。
「間違いない…コンピュータはこの先だ、行こう!」

161ロックマンZXA 第19話 奴の死を以って 後半:2008/07/05(土) 00:38:25
テティスのトランスで滝を登った先にいた、
緑の樹脂を固めたようなクリスタルを動力とする
巨大メカニロイドとの戦いを経て、とうとうグレイはその森の最深部へとたどり着く。

と、突然爆発音が聞こえてきた。
この先にはグレイの正体の記されたコンピュータ…
いやな予感は…正に的中した。


そこにはコンピュータ…壊れたコンピュータが。
そしてそれを実行した者、プロメテとパンドラ。

「お前達がやったのか!」
「そのとおりさ。計画は最終段階に入った…
 もうハッキングの必要はないが、お前に自分のことを知られるわけにも
 いかないんでな。」

「5人ものロックマンに勝ったお前に、今更リタイヤは許されないのさ。」
「あなたを生かしておいたのは全て…私たちの計画のため
 もうすぐ…全てが終わる。
 滅びの運命が…終わる。全てが…滅ぶ。」

その言葉にプロメテは嬉しそうに笑う。
「クックック…!
 そうだ…アルバートが始めた…下らんゲームがついに終わるんだ…!
 奴自身の死を以ってな!」
「アルバートの死…?一体どういうことだ!
 何でお前たちが!」
「全てが終わったら話してやるさ…お前の死に際にでもな!
 ハーッハッハッハッハッハッハ!」
「…また、会いましょう」
今にも狂いそうな叫び声を残し、プロメテはパンドラと共に去って行った。

困惑するグレイ。
「なんじゃ、なんじゃ…?
 奴らは、アルバートの手先じゃなかったのか?
 コンピュータの方はどうなんじゃ…?何も残ってはおらんのか…?」
「これは…」

結局、データディスクのみを手に入れたに過ぎなかった。
ミハイルが落ち込むグレイに珍しい言葉をかける。
「…そんなに気を落とすな。
 データなどなくとも…お前さんは紛れもなくこの世界の住人じゃ…。」

そしてその奥のトランスサーバーにデータファイルを送信して少しが経過し、
トーマスから連絡があった。

アルバートの研究所とこことで手に入れた二つのデータにより、
何かの起動キーが復元されたというのだ。
トランスサーバーのものだという。

起動キー…トランスサーバー…
グレイにはすぐに心当たりが見つかった。

そう、バイフロストのいた工場。
そこのトランスサーバーの先にきっとアルバートがいる。
最終決戦の時が今、訪れようとしていた。

162ロックマンZXA 第20話 アルバートのアジトへ 前半:2008/07/05(土) 10:49:47
「行こうぜ!アルバートのアジトに殴り込みだ!」

バイフロストのいた研究所からのワープで導かれた先は…
古い一室。ここにアルバートが潜んでいる…ここで決着が着く。
モデルVの反応が確かに、ここにはある。
グレイは部屋の扉をくぐった。

深い水溜りと奥に続く通路。通路は進んでもすぐに行き止まり。
どうやら正しいルートは、水の中らしい。

水は海水。そこは水路へと繋がっていて、イレギュラーを倒して先に進むと
開けた場所に出た…海の中だ。

遥か上には水面が見え、見渡せる場所には炎を吹き上げる火山が沢山。
どうやらここは海底火山のようだ。

イレギュラーが大量に沸く海底火山を進んで行くと
一つの火山に大きな火口が開いているのが見えた。
下を見ると真っ暗。マグマの熱さなどは感じない…。

火口を落下していく…一番奥は人工物となっていて、先へ進むと
水面が。ここから先は完全に建造物の内部のようだ。

二手に分かれた通路はまた合流し、その下層の扉をくぐった所に…
それはあった。いつか見たような、大量のモデルVが。
そして…
「フッフッフ…驚いたかい、グレイ君。
 私が、この計画にどれほどの時間をかけたと思っているんだ」

マスター・アルバート。グレイ達…いや、今や世界の敵。
「君がモデルVを一つ二つ壊した所で、私の計画は揺るがない。」

余裕を崩さぬアルバート。だが…
「それはどうかな?」
二人組が現れる。プロメテにパンドラだ。

163ロックマンZXA 第20話 アルバートのアジトへ 後半:2008/07/05(土) 11:04:25
「プロメテ…パンドラ…?」

「回収されたモデルVをこんな所に溜め込んでやがったか…
 まさか、お前がここを見つけ出してくれるとはなぁ…」
「例を言うわ…ロックマンモデルA」

そしてプロメテは数百年分の憎しみをアルバートへとぶつける。
「こうして会うのは…何百年ぶりだろうなぁ!!マスター・アルバートぉ!
 モニターで見るより、随分間抜け面じゃあないか!」

アルバートには状況が飲み込めていなかった。
「お前達…どういうつもりだ?」
「こう…いう…つもりさぁ…!!」

その巨大な鎌をアルバートに突き刺し、目いっぱいの力でその肉体を斬る。
大量の血を噴出し、アルバートはその場に倒れた。


「フフ…フハハッ…!ハーッハッハッハッハッハッハ!」
狂気に満ちた笑い声を上げるプロメテ。
「自分が作った最初のロックマンに倒される…か!
 屑に相応しいフィナーレだ!」

そして状況が飲み込めていないのはグレイ達も。
「何だ…?何がどうなっているんだ?」

モデルAのその声でやっと二人は彼の方を向く。
「お前らは…利用されてたんだよ。
 俺たちにな……」
笑いが止まらないプロメテは笑いを堪えながらグレイに話し始める。
だが次にそれはまた憎しみに満ちた表情に変わる。
「俺とパンドラは…目覚めたときからロックマンとして戦い合うことを運命付けられていた…
 この男の…究極のロックマンを作ると言う、下らん計画のためにな」
「だから…私たちは決意した。アルバートへの…復讐を」
「復讐だって…?」

この二人がロックマンでありながら、殺しあわなかった理由。
この二人もまた、グレイやエールと同じく…戦いたくはなかったのだ。
それは…もう一つの答えだった。
「俺たちは何人ものロックマンを見つけ出してはこの戦いに巻き込んで行った。
 計画が進めば、アルバートは必ず姿を現すはずだからな…。
 そしてお前はアルバートを追い詰め…俺たちは復讐を遂げることができたってわけさ」

「まさか…こんな形で戦いが終わるなんて」
モデルAは目の前の光景に唖然としていた。
だが…プロメテは言う。
「フッフッフ…何を言っている…?まだ終わっちゃいない…!」

「まだ…残っているじゃあないか…
 屑に作られた…!
 屑の塊…!
 俺達ロックマンがぁ!」

「私とプロメテは…元の体には戻れない この運命は…変えられない
 だから…滅びの運命を終わらせる。私達で…終わらせる」

「アルバートが作ったもの全てを滅ぼす!
 それが俺達の復讐だ!
 さぁ…楽しもうじゃないか!最後の宴を!!」

164ロックマンZXA 第21話 ウロボロス:2008/07/05(土) 11:24:29
姿を消した二人。
まずはパンドラが現れ、杖を回転させ…周りに雷の槍が4本形成されていく。
パンドラを守る2本。
グレイを攻撃する2本は高速で回転し、グレイに向かい飛んでくる。
そしてその後立場を交代してもう2本が。
グレイは槍の間を縫うようにホーミングショットを当てていく。
「焼き尽くせ!」
次にプロメテが現れ、炎の柱を左右に作り出す。
グルグルと回転して広がっていくその柱はとてつもないスピードでグレイにぶつかろうとする。
グレイはエールへと変身し、プロメテをセイバーで叩く。

そして次は二人合わせての攻撃。
パンドラが空中をゆらゆらと浮遊し、攻撃をひきつけると同時に動きを狭める。
「こっちだぁ!」
そこにプロメテが現れ、鎌でグレイを斬ろうとする。
鎌を弾丸で止め、二人を飛び越えたグレイは背後から二人をまとめて斬る。
そして…また二人は消えていく。

「ひゃははははは!」
今度はプロメテが現れ、髪を地面へと刺しこみ、
地面からエネルギーの針を出現させる。
波のように出現、消滅を繰り返し進んでいくその針を避け、プロメテを斬る…
が、動きは止まらず、パンドラが続けて現れ、氷と雷のビットを回転させる。


そして二人は奥の手を使う。
パンドラが現れ、ビットでグレイを集中攻撃し…プロメテが上空から襲い掛かる。
この攻撃を避けられないと判断したグレイはギガクラッシュで二人を同時に攻撃。

「もうやめろ!こんな戦いに意味なんてないだろ!」
戦いたくないがために復讐を決意し、何百年も戦い、
そして傷つく二人がグレイには悲しくて仕方がなかった。

「そうさ…この戦いに…この世界に意味などない!
 お前も見てきたはずだ…!」
「…イレギュラーが…人々を襲い
 その憎しみを…モデルVが吸収する
 アルバートは…レギオンズを隠れ蓑に…適合者を選び出す
 ロックマンを…生み出して…殺し合わせて…
 アルバートを…満足させるためだけの…世界」

プロメテが言う通りだった。パンドラが言う通りだった。
戦争の後からもこの世界は…狂っていたのだ。

「世界の全てはアルバートが自分のために用意した…
 作り物だったってことなのさ!
 ロックマンが…人々の進化した姿だとぉ!?
 ふざけるなあああああああああああ!
 作り物の英雄など…
 狂った世界ごとぉ!!
 ぶっ壊してやるのさぁあああああああああああああああ!」

だが…その叫びの瞬間…突然何かが起こり始める。
「ぐああああああああああ!」
「きゃあああああああああ!」

以前ローズパークの塔で見た、違法ハンターの体から出てきたどす黒い何か…
それが、プロメテとパンドラの中から溢れ出す…洪水のように溢れ出す。
それら全てが…背後にあるモデルV達へと注がれていった。
いや…これはまるで、モデルVに貪られているようだった。

そして、大量のモデルVのコアがあの時のように、禍々しい光を放ち始める。
「お…おい…これって…もしかして!」
「全てのモデルVが…覚醒した!」

そこに、何者かが降り立った。

165ロックマンZXA 第21話 ウロボロス 後半:2008/07/05(土) 11:36:42
「プロメテ…パンドラ。
 君たちの数百年分の怒り…憎しみ…悲しみ…そして狂気。
 様々なロックマンと戦ったこのデータ…確かに頂いたよ」

現れたのは赤い髪をした、眼帯をかけ、拘束具のような物に身を包んだ者。

そしてその声は…あり得ないはずのものだった。
「その声…まさか…マスター・アルバート!」
「じゃあ…プロメテ達が倒したのは…?」

「アレはダミーだ。
 三賢人として働いてきた、私のダミーボディだよ。」

続けて彼は自らの名を名乗る。
「私は、DAN−000「オリジナル」
 この私こそ、正真正銘本物のマスターアルバートだ!」

モデルVに注がれる膨大なエネルギーにより部屋が崩壊し始める。
「全て、計画通りだ…!
 まもなくモデルVが融合を始める!
 私が究極のロックマンとなって、この計画は完成する!」
「おい、ここも持たないぞ!早く脱出しようぜ!」
「だけど…プロメテ達が!」
倒れている彼らを放っておくわけには…だが。

「ここでお前が死んじまったら、誰がアルバートの野郎をぶっ飛ばすんだ!」
「くそぉ…っ!!」
グレイには、その場を立ち去るしかなかった。
背中に、アルバートの笑い声を受けながら。




「お、おい!なんだあれは…!」
ハンターキャンプに戻ったグレイが外に出るなり、
ハンターの一人が驚嘆の声を上げる。


見ると、海から巨大な何かが浮かび上がる。
バイフロストの工場で作り出された、巨大なメカニロイドの兵に囲まれた、
大きな大きな輪。
それこそが…

「あれが…モデルVが一つになった姿…ウロボロスか!」
「アルバートは…きっとあの中に!」

乗り込んでやる。そう意気込むグレイだが、
どうやらもう飛行艇は全て破壊され、残されていないらしい。

打つ手はないのか…? 頭を抱えるグレイの背中に声がかかる。
「いいえ、まだ手はあるわ」


現れたのはエールだった。
「実は君に見せたいものがあるの。
 ただし…ここから先は後戻りできないわよ」

166ロックマンZXA 第22話 最後の戦いへ:2008/07/05(土) 19:28:51
グレイを待つ間、エールは空を見ていた。

「大変なことになったわね。あれが究極のライブメタル…ウロボロスってわけね
 アレから出てきた凄い数のイレギュラーが各国を襲っているらしいわ
 アタシもあの後いくつかモデルVをつぶしてきたけど、焼け石に水だったみたい」

「もう、飛行艇も残されていない…どうすればいいんだ」
「しっかりしなさい、君に見せたいものがあるって言ったじゃない
 行くんでしょ、自分の運命を取り戻しに」


エールは空に向かって指を指す。その先には…飛行艇。

「あ…あれは…!」
「アタシと…アタシの仲間たちの船…ガーディアンベース!
 残された手はただ一つ…
 ガーディアンベースでウロボロスに乗り込んでアルバートを倒すしかない!」

「おい!親玉のとこに行くんだろ?俺達にも暴れさせろよ!」
グレイを助けてくれたあのときのガーディアンが駆けつけてくれた。
たくさんのガーディアンを引き連れて。
「待ってくれよ!これはミッションじゃないんだぞ?」
そこにまた声がかけられる。
「いや…これはレギオンズからの正式なミッションだ。」
マスター・トーマスだ。
「逞しいな、君達は。こうでもしないと…おさまってくれないのだよ」
呆れたように…でもこの世界のため戦う彼らに嬉しそうな顔で。

「最早、レギオンズでも各国への対応が追いつかない状態だ。
 グレイ君…君に、全てを託したい。」
「みんな…!」
運命に立ち向かうことこそがこの世界の人々全員が背負った戦い。今、その戦いがやってきた。

「どうやら、守るべきものを見つけたみたいね 行くよ、アタシについてきて!」
エールは走り出した。


「ウロボロスに取り付いたら、イレギュラーがわんさか集まってくるはずよ
 ハンターのみんなでなんとしてもガーディアンベースを守りきって!
 いい…?絶対に勝って、みんなで帰るのよ!」
そしてガーディアンベースはウロボロスへと到着…もとい、激突をした。
「グレイ!あなたは先に行って!アタシもここを守りきったら、すぐに追うわ!」

そして荒れ狂うモデルVの塊…ウロボロスへと突入した。
内部には沢山のイレギュラー。バイフロストのトランスで壁をぶち破り
イレギュラーをテティスのトランスで破壊、
天井の敵をアトラスのトランスで攻撃しつつ先へ進む。

そして、立派に整備された通路に出る。
警戒をしつつ、赤い絨毯の上を歩くグレイに…どこからともなく、声が響く。

「まさか、飛行艇でこのウロボロスに突っ込んでくるとはね…。
 進化に追いつけぬ者のやることは…野蛮だな」
そして姿を現す。マスターアルバートだ。
「アルバート!」
「所で…君に会いたいという者達がいるのだが。
 相手をしてやってくれないか?」

するとアルバートが眩い光に包まれ…姿を変えた。その姿は…

ディアバーン。
「裏切り者、モデルA、俺、お前、倒す!」
クロノフォス。
「シャーッシャッシャッシャ!この時を待っていたぞ…復讐の時をな!」
ローズパーク。
「また会えて嬉しいよ、少年♪」
カイゼミーネ。
「あら…私にもおもてなしさせて欲しいわ…?」
コンドロック。
「アンコールに応えて、来てやったぜぇ!」
アーゴイル、ウーゴイル。
「覚悟せよ!二度も不覚は取らぬ!」
テスラット。
「処刑はまだ継続チューなのよっ!」
バイフロスト。
「王に仇なす者め!今度こそ滅ぼしてくれる!」

まさか…。
「トランスオン…!」
「モデルAと同じコピー能力をなぜ…お前が!」
「言ったろう?君は私の影だと。だが、私の力はコピー能力などではない…
 モデルVの生贄となった全ての魂が、私の中で生き続けている
 全ての命を操る力…それが究極のロックマンの力…真の、トランスオンだ!」

真のトランスオン。ライブメタルの力を使うアルバートは一体…?
消えたアルバート。乗り越えてきた者達と再び会いまみえ、全てを知るべく…彼は先へと進む。

167ロックマンZXA 第23話 蘇る敵達:2008/07/05(土) 21:38:25
「今回はVIP待遇だ…お前だけのために歌うぜ
 とっておきの…レクイエムをな!」
8人全員を早く倒すには、やはりエールの力を借りるのが手っ取り早い。
グレイはエールにトランスオンし、まずコンドロックの背筋から足にかけてを斜めに切り裂いた。
「俺様は…引退するぜ 後はお前たちだけで盛り上げな…ロックな悲鳴を頼んだぜ…」

「私の所に来てくれたのだね、嬉しいよ少年♪君の魂の美しい散り様を私に見せてくれ!みてごらん♪」
回転斬りでローズパークの顔面から体の中心線に沿って真っ二つにする。
「おお…何故私を拒むぅ…進化なき世界に…光なき世界に…花は咲かぬというのにぃ…」

「シャーッシャッシャッシャー!さぁ始めるか、至福のひと時を!じっくりたっぷり、時間をかけていたぶってやろう!」
氷のトゲをかわしてクロノフォスを切り刻む。
「時の流れは…止められん!新たな時代の波に…飲み込まれるがいい!」

「アオアオアオオー! 新たな王、生まれた!新たな世界、生まれる!お前、もう、いらない!」
ディアバーンの背中から上半身と下半身を真っ二つに。
「お前…掟…破った!王の…罰…受けろ!」

「この先へ進める者は新たな王に従う者と、新たな王に捧げられる者のみ!」「うぬ!」
「貴様がここを通る術はただ一つ…王に捧げる生贄となることだ!」「死ねい!」
アーゴイルを倒した後、ウーゴイルを斬る。
「よかろう…進むがいい そして、我らが王の力に…ひれ伏すがいい!」「ぐあああああ!」

「来たわよ来たわよ、アタシの番なのよ!やるわよ!やるわよ!アンタなんかやっつけちゃうのよー!」
テスラットの小さな体を輪切りにし…
「無駄よ、無駄なのよ!アンタはどうせ、アルバート様にやられちゃうのよ!」

「貴様など所詮は大海に浮かぶ氷の粒に過ぎん 進化の波に飲まれる前に、一思いに我が牙で噛み砕いてやろう!」
バイフロストの巨体をダイナミックに一刀両断し
「滅びよ!王の影たる貴様に光ある世界は作れぬ!」

「今宵は素敵なパーティになりそうですわ…♪あなたも祝いなさい?
 だって…新たな王が降臨された、記念すべき日なのですから!」
カイゼミーネの胸から腹を真っ二つにした。
「我らよりも…進化できぬ者との馴れ合いを取るのですか…どこまでも…愚かですわ!」

8人を倒したグレイは更に奥へと進む。
そこはさっきとは違った雰囲気。
ドクドクと脈動する背後のモデルV達の音が聞こえる…生物的な場所だった。

先ほどの硬いブロックとは違い、ここのブロックはすぐに破壊できる。
だが…すぐに再生する。細胞壁のような奇妙な物質だった。
モデルVは…生きている。飲まれるわけにはいかない。
細胞壁を破壊しながら進んでいくグレイ。
素早く、且つ足元の細胞を破壊して落ちないように気をつけながら。

コンドロックのトランスで注意深く渡り、
分厚く行く手を阻む細胞壁をヘリオスのトランスオンの能力で削った先に大きな扉が。
その先はアルバートの間へ続く、最後の通路のようだった。

一直線に走っていくグレイ…だが彼を阻むべく現れたのは。
「愚かなる選択 あのまま地上で逃げ回っていればよかったものを」
ヘリオス。そして背後には…
「まだ僕らとの決着はついてないだろ?勝ち逃げなんかさせないよ」
「これ以上、先へは行かせない!」
「戦力差4対1…コレヨリ目標ノ完全破壊ヲ開始スル」
テティス、アトラス、シャルナク。あわせて…4人の適合者達だ。

「お前ら…!アルバートは僕たちを利用していたんだぞ!
 アイツは最初から自分が王になるつもりだったんだ!なのにまだ戦うってのか!」
勝負のついた、見せ掛けだけの下らないゲーム。それにまだ本気で乗っている奴らが、グレイには理解できなかった。
「些細なる問題 ならばこの中の勝者が奴を倒し新たな王となるまで
 最後の勝者が王となる アルバート自身が決めたルールだ」
「お前ら!!」
その瞬間、何者かが彼らの中に飛び込んできた。エールだ。

「ここはアタシが引き受けるわ!グレイ、先へ行って!」
チャージショットをヘリオスに向かって放つ。
倒せはしない。だが、かつてモデルHの能力を手に入れた彼女なら、ヘリオスの行動は予測できた。

エアダッシュでとっさに空中へ逃げるヘリオス。そう…道が開いた。
グレイはショットを追うがごとく、ヘリオスの下を駆け抜ける。
「貴様…!」
「アタシは、あなた達の方に用があるのよ
 あなた達が使っているライブメタル達を…返してもらうわ!」

それぞれの最終決戦が始まろうとしていた。

168ロックマンZXA 第24話 モデルA:2008/07/05(土) 22:17:04
風に乗り、花びらがグレイの視界を覆う。
血の如く赤い、気色の悪い脈動するモデルV達の奥…そこは花畑だった。
花畑の真ん中にまっすぐにひかれた道の先には地球儀の嵌められた玉座。
そしてそれに座っていたのはアルバートだ。

「…そろそろ来ると思っていたよ。いや…むしろ来てもらわねば困る。
 これでようやく…私の計画は完璧だったことが証明されたというわけだ。」
「どういう意味だ」
「…なんだ?モデルA。まだ彼に話していないのか?君は全てを思い出したはずだ」
「う、うるさい!グレイ、相手にすんな!こんな奴、さっさとやっつけちまえ!」
モデルAの言葉には焦りを感じる。
それで全てを察したアルバートは玉座から立ち上がり、彼に話し始める。
「ハハッ、残酷だな、君は。グレイ君。教えてあげよう
 君は私の影だ!もしも、私が何者かに敗れた時…この玉座に座るのは、君だったのさ

 私が作った究極のロックマンのスペアボディ。それがグレイ君、君の正体だ!」

三賢人としてのアルバートの他に、アルバートはもう一人自分を用意していたのだ。
「僕が…究極のロックマンのスペア!?」
「モデルAも私が作った物さ。適合者…つまり君にこの計画を伝えるためにね」

アルバートは続けて、楽しそうにグレイに言う。
「私の計画と知識の全てを収めたバックアップシステム…
 故にモデル・アルバート…モデルAとー名づけたー!」

明かされた、Aの意味。黙っていたモデルAはアルバートを睨み付ける。
「むかつく名前だ…!」
「そう言うな。直にその名前も意味がなくなる」

そう言うと地球儀が真っ赤に染まり、玉座が光となってアルバートを包み、姿を変える。
三つ首の龍の姿に。

「計画が完成した今、君らは居てはならない存在なのさ
 究極のロックマンは…私一人でいい!」

アルバートとの戦いが今、始まる。

「食らえ!」
グレイの方から見て右の首の口から雷が床に放たれ、当たった場所に真っ黒な重力波が発せられる。
それは床板を引き剥がしながら首の動きとともに前へ進んでいく。
シャルナクに変身したグレイは、それを垂直に飛び避けた後、クナイを龍の腹…アルバートを包む壁へと連射する。
「それ。」
今度は左の首。グレイに向かい数個の爆弾を吐き、床に当たったそれは炎へと変化する。
わずかな移動でそれを避け、絶え間なくクナイを腹へ突き刺し続ける。

「諦めろ。」
真ん中の首が真っ直ぐに伸び、地面に角を突き立てて火花を散らし縮んでくる。
鋭いその角でグレイを切るつもりのようだ。
クナイの方向を変えて角に連射するグレイ。その衝撃で首が動き、避けるスペースができた。
ダッシュでそれを潜り抜け、すかさず変身。クロノフォスのタイムボムで時間を遅くし…
エールに変身し腹へ向かいセイバーの連撃を食らわし続ける。

アルバートは効果が切れた後、左右二つの首を使ってブラックホールを発生させると同時に
中央の首から闇のブレスを吐き、それをブラックホールの中へ入れていく。

炎に当たっても、ホールの中にも入っては危険。
急いで逃げたグレイに、今度はブラックホールの出口、ホワイトホールからブレスが放たれる。

この方法以外にあり得ない位置から飛んでくる黒き炎をかわし、またエールへと変身。
チャージショットとセイバーの二段攻撃を当てる。

「頑張るなぁ…」
腹が煙をあげたが破壊まではまだ早い。
三つの首がもげていく。

それも別に倒したからではない。
三つの首は空へと浮かび、グレイに向かい雷の集中射撃を行う。
頭の取れた首からはミサイルが発射される。

だが集中射撃はその場でかわせば怖くなどない。ミサイルも近くに居れば問題ない。
かわしてすぐに腹へセイバーをぶつけたそのとき…

アルバートの腹部から閃光が発せられ…爆発した。

169ロックマンZXA 第25話 神 前半:2008/07/05(土) 23:05:15
「究極とは。 進化の果てにあるものとは。
 私は…それが知りたかった。」
花畑の真ん中でアルバートは語り始めた。

「三賢人として。何より…一人の科学者としてだ
 進化の果てにあるもの…それは空しさと哀れみだ。人々は、またいつか争いを始めるだろう。
 平和だ、正義だと キレイごとを並べ、そんな自分に酔いしれ、あがき続ける…
 この世界は空しく、哀れな未来しか生まないことを、私は悟ってしまった」
アルバートはそう…この世界に失望していた。

「だから…自分が支配者になろうってのか」
「支配者?それこそ空しいじゃないか…」

アルバートはアホ毛を揺らし…真っ青な空を見上げる。
「私はね…新たな世界を作ろうと思うんだ。
 天と地を定め…新たな生命を生み出し、行く末を見守ろうと思っている」
「ふざけるな…!神様にでもなったつもりか!」

その言葉を聞いたアルバートはこう言うと同時に、纏っていた拘束具を外した。

「神になったつもりではない…私は… 神だ!」
バサっ…と、その衣服を脱ぐとボディを包む闇に顔が覆われる。
その場の花畑も青空も、ガラスのような音を立てて割れ、崩れていく。

考えてみればこのウロボロスの場所からして、こんなに風のない場所のわけがない。
割れた空からは、まもなく闇が訪れることを告げる夕焼けが支配していた。
空と花畑がアルバートに吸い込まれていく。
そして…アルバートは真の姿を現した。
顔全体をバイザーで覆った、金色のアーマーを着た姿に。これこそが神なのだという。
アルバートに三角の形をしたビットが集結し、アルバートの周りに配置される。
合図とともにそれらはエネルギーを発し…翼のような、刃のようなアルバートの体の一部となる。

「君たちが住むこの世界そのものが失敗作だ。
 新たな世界を作る前にこの世界をリセットしなければならない…
 モデルVがもたらした、この究極の力を使ってだ。
 これは神である私が決めた事だ、滅びの運命は変えられない!」

神としてのアルバートの言葉に、人としてのグレイが言葉を返す。
「例えこの世界を作ったのがお前だとしても…僕達の運命は僕達が作る!
 お前を倒して…僕は自分の運命を取り戻すんだ!」

その言葉にアルバートが、柄にもなく反応する。
「それだ!その姿だ!
 空しく!哀れで!虫唾が走る!!
 だから私はロックマンを生み出した、進化するために!!」
彼もまた弱い人としての自分を捨てるため…進化をしたのだろうか。

「神になり損ねた者よ!
 お前はロックマンですらない…ただのヒトだ!」

吹き抜ける風と滅びを示すかのような夕日。
ここに最後の戦いが始まった。

170ロックマンZXA 第25話 神 後半:2008/07/05(土) 23:06:10
「大いなる嵐だ!」
まずアルバートは4つのビットを射出する。

それは上下2組となりグレイを囲み、あり得ない速度で回転し竜巻を発生させる。
自分の体から離れたビットを手足のように自由自在に操作し、自在に力を引き出す力…
それが神の力だった。
攻撃に使うビットとバリアに使うビットとを自在に使い分けることができるらしい。
まずはバリアを破壊する必要がある。

ビットをホーミングレーザーで攻撃し、グレイはその竜巻を停止させることに成功する。

アルバートがまた姿を現す。そのタイミングでグレイはサイトを展開、
アルバートのビット全てに照準を合わせ、レーザーを撃つ。

「漆黒の刃だ!」
今度は二つのビットを取り外しどこかへ飛ばす。

アルバートが消えるとそこには巨大な手裏剣型のエネルギーを纏い回転してくるビットが。
ヘリオスのトランスでそれを回避し、現れたアルバートにまたホーミングレーザー。
そしてバリアがとうとう破れる。
そこに向かいグレイはヘリオスになり飛び上がり、空中で解除、チャージショットを放つ。
「ぐっ!!」
情けのない格好でボトリと床へ落ちるアルバート。
クロノフォスへと変身しタイムボムを発動。
続けてエールに変身し、回転斬りから三段斬りへと連携させる。
アルバートはこのときは無防備らしい。
だがその瞬間…
「消え去れ!!」
突然アルバートがビットを並べ時計のようにし、素早く回転させた。
するとなんとタイムボムが解除されてしまった。これが神の力だということか。
すぐに姿を消し、次の攻撃へと切り替わる。

「ふんっ!」
地面に拳をたたき付けるアルバート。
その動作と同じく、突然巨大な拳が地面に落下してくる。よく見るとそれはビット。
火柱が噴出され、辺り全体が揺れる。グレイはその場に動けなくなってしまった。

「逃がさん!」
続いて上下にうなりながらビットを氷で繋いで作った龍が踊りだす。
これを回避するのは容易。すぐに剣をアルバートに当てる。

「絶対の光だ!」
ビットを引き連れてアルバートが遠くへと移動する。
そして左右にビットで輪を作り、巨大なレーザー砲として打ち出す。
ヘリオスへ変身しそれを回避したグレイは、戻ってきたアルバートに一撃。
だがアルバートもこれを見て同じことをし始めた。
「ハァ!!」
ビットで今度は大きな剣を作り出し、地面へ叩きつける。
これを直に食らい、グレイは一気にピンチへと陥る。
「貴様如きに…」
あと一発という所。またバリアを纏うと次の攻撃へと移行する。
「信念の刃だ!」
下部のビットを刃へと変形させ、床を切り裂きながらグレイへと近づいて行く。
「ああぁあああ!」
ギガクラッシュでアルバートのビット全体を攻撃し、決着をつけようとする。
…が、そうはいかなかった。そして、グレイのエネルギーは底を尽いた。
もう、自然回復に身を任せ攻撃するしかない。

ここまで来てグレイは解った。
嵐はモデルH、手裏剣はモデルP、炎の拳はモデルF、氷の龍はモデルL。
レーザーと剣はモデルZXのもの。
そして、今の攻撃は解らないが…どれもライブメタルの攻撃に酷似している。
ならば恐らく…この攻撃が残っている。

「絶対の光だっ!」
照準のようなものが飛んでくる。

やはり来た。モデルAの攻撃…ホーミングレーザーだ。
苛立つように、認めたくないように一発、二発とグレイを始末するべく光が放たれる。
グレイも同じくアルバートへ向かい、やっとのエネルギーでホーミングレーザーを放つ。
バリアが…剥がれた!

そしてアルバートはグレイへとはっきりと照準を合わせ、一斉射撃を行おうとする。
これが最後の攻撃…
グレイは高く飛びあがり…アルバートへと平行に向かい合いチャージショットを放つ。
アルバートのレーザーとグレイの渾身のチャージショット。

早かったのは…グレイだった。
「馬鹿な…!?」

171ロックマンZXA 第26話 ただのヒト:2008/07/06(日) 14:16:25
「そうさ、お前の言う通り…僕は失敗作だ。グレイって名前の、ただのヒトだ」

割れたバイザーから顔を覗かせ、膝をつくアルバート。
それを見下ろすように、グレイは立っていた。
「…お前は、そんな僕一人の運命さえ変えることができなかったのさ」

そして戦いの前のアルバートの言葉に返すように言う。
「…これは僕が決めた運命だ。僕は、この世界でみんなと生きていく!」

その言葉をに対し、アルバートは最後の言葉を口にする。
「それが…もう一人の私が出した答えか…。フフッ…さらばだ、究極の失敗作よ」
そして、嫌味も込めて。
「緩やかな平和の中で…ゆっくりと…朽ちて行くがいい」


かくして、戦いは幕を閉じた。

だが、グレイにはまだやるべきことがあった。皆の元へ帰ることだ。
「やばいぜ!アルバートがやられて、この要塞が落下し始めてる!」
「はぁ…はぁ…これで、終わったんだ…
 なんだか…つかれたよ…みんなの所へ…帰ろう」
その言葉を最後に、バタリと倒れてしまった。
「おい、しっかりしろよ!グレイ!」

一方、すっかり光を失った…死したウロボロス内部。
エールは今も、4人の適合者と戦い続けていた。
「エール、ここはもう危険だ。グレイを助けに行かないと!」
「わかってるけど…4対1ってのはちょっとまずかったかな」
その瞬間…エールの姿が青いロックマンへと変化する。
モデルZXから、赤いライブメタル、モデルZが遊離し…モデルXになったのだ。
「先に行け。ここは俺が食い止める」
「ちょっと、何を言ってるの?無茶よモデルZ!」
「心配するな。死ぬつもりはない」

「エール…行こう」
「その言葉、信じてるからね!」
そしてエールは駆け出した。

「美しき覚悟…友のために命を捨てるか」
ヘリオスは言う。
だが、英雄の魂は考えなしにそんな事をするわけはない。
そして、彼には余裕さえ見られた。
「死ぬつもりはないと、言ったはずだ。それに…」

突然ヘリオスが地へと落ち、他の3人も苦しみ始める。
「モデルH達のことは、俺の方がよく知っている。」
4人のライブメタルは一体モデルZとは過去に何があったのだろうか。
単に彼と同じく戦った者なのか。それとも…

「くっ…何だ、体が…重い!どうした…モデルL!」
「ライブメタルどもめ、まだアタシ達に抵抗する力が残っていたのか!」
「理解不能、理解不能!!」
「エール。グレイのことは、頼んだぞ」

そして全てが眩い光に包まれ…究極のライブメタルは滅びの時を迎えた。
ライブメタル・モデルV…ガーディアンベースのリーダーが言うには、
大昔の戦争で、ある一人の邪悪な科学者が自ら作り出した要塞の破片だという。
そして、科学者はその要塞と一体化し支配者になろうとするが、
ある一人の英雄に破れ地に落ちたのだそうだ。その英雄がどうなったのかは…解らないが。


「うわぁあああ!」
いつぞやのように医務室のベッドから叫び声とともに起き上がるグレイ。
「あれ…?ここは…」

だが、彼は今度は一人ではなかった。
「グレイ!やっと目が覚めたか!よかった、よかった!
 オイラもう心配でさぁ!」
「………」
「どうした?何かまだ痛むところでもあるのか?」
「モデルAが…人の心配してる…」
「悪いかよ!オイラは眺めてるくらいしかできなかったんだし、心配くらいさせろよ!」
「はは…ごめんごめん」

医務室の外に出る。
そこにはつきぬけるような真っ青な空。
何事もなく過ぎていく…平和がそこにあった。

「体の方は大丈夫?倒れてた君を担いで逃げるの、大変だったんだからね」
外にはエールがいた。
「そうだ!ウロボロス!モデルVはどうなった?」
「大丈夫よ、あのまま海に沈んだ。モデルVの反応もない、ただの瓦礫になって消えていったわ」
「そうか…エールはこれからどうするんだ?」
「アタシはこれからまたガーディアンベースで世界中を廻って見ようと思う。
 探し物も増えちゃったしね 君は?」
「あ…そうか 考えたこともなかった。これは僕の運命なんだ 僕が決めるんだよね
 …旅に出ようと思う。どこまで行けるのか、何ができるのか…僕は自分のことを何も知らない。
 だから、旅に出たいんだ。自分を知るために」
「え!?お、おい…オイラは?オイラはどうすればいいんだ?」
「それも君の運命でしょ」
「そ、そうか!えーと…じゃ、グレイ、オイラも行くよ!一緒に連れてってくれ!」
「うん。一緒に行こう、モデルA!僕らの居場所を探しに!」

グレイは走り出す。
「また、会えるといいね!」
「いつでも会えるさ!ここは僕たちの世界なんだから!」

172ロックマンZXA 後日談:2008/07/06(日) 14:53:32
ネタバレ注意














「天と地を定め、新たな命を生み出す神となる、か」
「最後のミッションレポートか…アルバートめ
 随分とたいそれたことを言ったもんだ…」


レギオンズの最上階、三賢人の間にて。
いつぞやのようにトーマスは窓へと向かい、話していた。
「ミハイル。君は我らが新たな命を生み出すなど、おこがましいと思うかね」
「バカなことを…トーマス。お前さんでもそんな妄想を抱くことがあるのかね?」

そう。いつぞやの…マスターアルバートのように。
「人間とレプリロイドを平等にするための法律があるだろう。
 覚えているか?あれが決まったのは、私とアルバートが賛成したからだ」
「? 何が言いたい」

「人間に機械の体を与え、レプリロイドに寿命を設定する」


「では…機械と入れ替わったオリジナルの人間の肉体はどこにあると思う?」
 寿命を設定する前のオリジナルのレプリロイドのデータは、どこにあると思う?」

彼の周りに4人の男女が現れる。ヘリオス。アトラス。テティス。シャルナク。
「トーマス、貴様!」
「アルバートは間違っていた。だから私も、ハンター達に力を貸した」
そして付け加える。

「だが…奴の言葉にも一つだけ、正しかったことがある。」




「この世界は、リセットしなければならない」

173Metal Slug:2008/07/31(木) 19:47:49
20XX年、ドナルド=モーデン元帥は数年間かけて準備していた
軍事クーデターによる覇権掌握を実行に移した。
彼と、彼を取り巻く有能な賛同者と、
世界に散らばる彼の同志達の電光石火の侵略によって、
世界の主要都市はモーデン元帥の計画発令より、
わずか170時間(7日と2時間)で統制下におかれ、抵抗力を失った。
世界が感じたその時間は、まさに一瞬のことであった。

元帥反逆軍の奇襲に遭い、瞬く間に一蹴されてしまった正規軍だったが、
わずかながらも生き延びた者達はレジスタンスとなり、
兵力の立て直しを図りながら元帥討伐の機会を伺っていた。

そんなある日、轟音と共に砕け散るレジスタンスの秘密工場。
ついに秘密工場を突き止めた元帥反逆軍の攻撃だった。
十分な兵力の整わないままのレジスタンスの抵抗は、
まさに蟷螂(とうろう)の斧(弱者が力量を弁えずに強敵に立ち向かうこと)で、
試作の段階までこぎつけていた数輌の新型万能戦車、
「メタルスラッグ」は敵の手に落ちてしまった。

もはや一刻の猶予も許されない。
正規軍特殊工作部隊ペルグリン・ファルコンズ通称PF隊に指令が下った。
「小人数の部隊編成をもって、元帥反逆軍の拠点をピンポイント攻撃、これを破壊せよ。
奪われたメタルスラッグは、機密保持の為に奪還、
困難な場合は、この破壊も止むなしとする。」

この失敗の許されない任務にマルコとターマの二人の兵士が選ばれた。
いま、たった二人の元帥討伐戦が始まる…。

174Metal Slug2&3:2008/08/06(水) 12:47:34
前回の対戦(初代メタルスラッグ)から2年が過ぎたにも関わらず、
世界各地で散発的な反乱が発生していた。
そこにモーデン元帥の影を感じ取った正規軍の参謀本部は
マルコとターマに第二次クーデターを未然に防ぐ任務を与える。
そしてさらに今回は情報局特殊部隊スパローズ所属の
エリとフィオとの共同作戦が義務付けられるのだった。
「おいおい、こんなお嬢さん達とドンパチやらかすのかよ」
「これは任務だ、やるしかない!」
そしてPF隊とスパローズ隊による第二次クーデターを
未然に防ぐための掃討作戦が始まるのだった。

175Metal Slug3:2008/08/06(水) 12:51:54
再びクーデターを食い止めたマルコとターマ、そしてエリとフィオ。
しかし残党狩りの中でマルコとターマの2人はモーデン元帥の影を感じていた。
そして同時に世界の異常気象や怪事件の調査を行っていた情報部は、
さらなる脅威を察知していた。
マルコら4人が残党軍の潜む孤島へ潜入したのを皮切りに、
史上最大の任務が始まる―。

176Metal Slug4:2008/08/10(日) 10:39:23
各国軍事システムを乗っ取るコンピュータウイルス、
「ホワイト・ベイビー」の誕生と発信がネット上で予告された。
これを受け、テロ組織「アマデウス」の職滅作戦が決議され、
PF隊はマルコとターマに加え、若手のとレバーとナディアを選抜。
彼らは出撃前に送られた衛星画像にモーデンの姿を発見する…。

177Metal Slug5&6:2008/08/10(日) 10:46:51
5
次世代メタルスラッグを開発中の研究所が襲撃を受け、
機密ディスクが強奪されてしまう。
これを奪還するためにマルコとターマはその行方を追う。
一方、スパローズ隊のエリとフィオは調査に訪れた古代遺跡で、
一連の犯行が武装組織「プトレマイック・アーミー(*1)」によるものだと知る。
機密奪還と組織壊滅のため、4人が再び集う!

6
メタルスラッグ3の大戦から間もなく(*2)、
正規軍情報部には未確認飛行物体や、
宇宙人の目撃応報が寄せられていた。
そして、とある山岳地帯で、
「モーデン軍らしき一団が潜伏している」という情報が入ると、
参謀本部はマルコ達4人を召喚した。
新たに傭兵のラルフとクラークを含めた6人の精鋭たちが、
これで最後の任務になるようにと祈りながら戦いに挑んでいった…。

178Metal Slug7:2008/08/10(日) 10:53:18
驚異的な速さで進む復興作業により、
徐々に破壊の爪痕を薄れさせ、活気と秩序を感じ始めたころ、
ゴミ問題を報じた番組で、モーデン兵らしき人物が一瞬だけ、
横切っていく映像が流されたのだ。
真偽の確認とモーデン軍発見の際の職滅を目的とした、
6名の潜入チームが編成された。
集められたメンバーはPF隊のマルコ、ターマ、
そしてスパローズのエリとフィオ、
傭兵でKOFでは有名な「怒」チームのラルフとクラークが
前回に引き続いて召集されることとなった。

かくして、彼らはモーデン兵が潜伏すると思われる、
ゴミの島への潜入を開始する―。

>>177
*1 のちにモーデン軍と判明
*2 MS4、5はパラレルワールド扱いらしい

179風のクロノア -door to phantomile-:2008/08/16(土) 09:48:41
「そしてぼくは不思議に思う
あさ目がさめると確かにみたはずの夢が思い出せないことがある
その夢はいったいどこへ行ってしまうのだろう
でもその日の夢は鏡を見るようにはっきりと覚えているんだ」

ここはどこか別の世界、ファントマイル。
ファントマイルにはひとつの伝説があります。
それによると、人々が見る夢のエネルギーは、
月の国と呼ばれる幻の国に集められ、
世界を形造るのに使われるといいます。
目が覚めたあと確かに見たはずの夢が思い出せないのは、
そのためだというのです。

ある日のことです。
風の村ブリーガルに住むクロノアは、鐘の丘に飛空艇が墜落し、
邪悪な影が迫ってくるという悪夢にうなされて目を覚ましました。
不思議なことに、この夢は時間がたっても
はっきりと思い出すことができるのです。

そんなおり、鐘の丘に本当に飛空艇が墜落しました。
「夢で見たのと同じだ。」
一瞬よぎった不安は、あふれんばかりの好奇心に吹き飛びます。
「行ってみようクロノア!」
幼いころからの親友、リングの精ヒューポーが声をかけました。

ドキドキとワクワクを胸に、クロノアとヒューポーは元気に駆け出しました。

180ファントマイルに伝わる伝説:2008/08/16(土) 09:59:44
かつてファントマイルには、風の神、木の神、水の神、
そして月の神の4人の神々が君臨していました。
月の神は人々の夢のエネルギーを集めて世界全体を形作りました。
そのほかの神々もそれぞれの与えられた資質、
風の力、木の力、水の力を互いに与えあって平和が保たれていました。

そんなある日のこと。万物を創造することのできる月の神の力をねたんで、
闇の王が反乱を企てました。神々は力を合わせて戦いました。
はじめは圧倒的に優勢だった闇の王も、光と天翔ける鱗によって
次第に追い詰められていったのです。
戦いは100日間続き、ついに闇の王は封じ込められたのでした。

このあと二度とこんなことが起こらないように、
月の神は姿を隠すことにしました。
月の神は風、木、水の神々が思いを合わせない限り、
決して現れることはありません。
夢みる力は永遠に夢の彼方へと秘められたのです。

181メタルスラッグ2&X フルストーリー:2008/09/11(木) 18:16:17
初代メタルスラッグの舞台となった第一次大戦終結から2年…

世界を破壊と混乱の淵に叩き込んだモーデン元帥のクーデターは、
正規軍の反攻作戦により寸前の所で鎮圧された。
作戦成功の立役者、マルコとターマは昇進。
自分たちがもたらした平和を満喫しつつ、
特殊部隊ペルグリン・ファルコンズの再生に尽力していた。

そんなある日、マルコとターマは正規軍の参謀本部に召還を受けた。
モーデン一党の動きが最近活発化しているらしい。
モーデン反逆軍の勢力はすでに根絶されていたが、
正規軍上層部や各国政府の腐敗ぶりを唱えたモーデン元帥の主張には
同調者が意外に多く小規模な反抗反乱の類は散発的ながら絶えることがなかった。
ところが、最近の反乱は組織化されますます計画的になってきている。
全世界の情報を総合的に分析した結果、それら各地の反乱は、
ある大規模な作戦計画の存在を明確に差し示していた。
そのような大作戦を立案実行指揮できる人間はただ一人。

 デビルリバース・モーデン元帥、本名ドナルド・モーデン。

2年の歳月をもってしても、モーデンの影を消し去ることはできなかったのか。
しかし、いかにモーデンと言えどもこんな短期間で
二度目のクーデターを準備することなどできはしない。
果たしてモーデンは生きているのか。
生きているとすれば、どのような手段で、いつクーデターを開始するのか。
そして、こんな短期間でクーデターの準備を可能にした秘密は…?
マルコとターマには反逆軍に機先を制して、
第二次クーデターの勃発を未然に防ぐという秘密任務が与えられた。
反逆軍の作戦を少人数の精鋭部隊で次々と奇襲鎮圧し、
全て叩きつぶしてしまおうという過酷な作戦だ。
当然最高度の機密性が要求される。
モーデン派には情報が漏れないように、
彼らの上司ですら全貌を知らされることはない。
そして何よりも未だモーデンの影のおびえる世界の人々を刺激しないように…。

前大戦以上に過酷と言える任務だが、彼らは即座に承知した。
モーデンが生きているなら、今度こそ息の根を止めてやる。
意気込む二人であったが、この任務には意外な付帯条件がついていた。

情報局所属の特殊工作部隊、スパローズと共同作戦を行うこと。
PF部隊だけで片を付けるつもりでいた二人は反対したが、
参謀本部は聞き入れてくれなかった。
実戦部隊に対抗意識を燃やす情報局の意向や、
上層部の対立などが複雑に絡み合った結果なのだが、
マルコたちには分かるはずもない。
結局うやむやのまま、将軍たちに押し切られてしまうのであった。

作戦当日。スパローズから二人の兵士がやってきた。
エリ・カサモトとフィオリーナ・ジェルミ。若い女性だ。

「エリ・カサモト軍曹だ。エリでいいよ。」
「あの、えっと、前大戦の英雄お二人にお会いできて光栄です。
  スパローズのフィオリーナ・ジェルミ一等軍曹です。
  こんな大規模な作戦は初めてですが、わたしは大丈夫です。
  がんばります。よろしくお願いします。」
「おいおいマルコ、こんなお譲さんたちと一緒にドンバチやらかすのかよ」
「今さら何を言っている。時間だ。作戦開始!」

こうして、クーデター鎮圧作戦は発動された。
マルコたちは第二次クーデターを未然に防ぐことができるのか。
本当にモーデンは生きているのか。そして、反逆軍の恐るべき秘密とは。
今度も戦争だ!

182Driver -潜入!カーチェイス大作戦-:2008/10/16(木) 18:19:54
マフィアが暗躍する大都会の夜
マイアミ、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨーク――。
華やかにアメリカの大都市は、ドラッグや武器の密売で
甘い汁を吸うマフィアたちの温床でもある。
そこへひとりのアンダーカバー、潜入捜査員が入りこもうとしていた。

危険を顧みず非情な世界へ
その名はターナー。彼はヤバい仕事をうけおうドライバーとして
ファミリーに認められ内部から組織の壊滅を図ろうとする。

信じられるのはステアリングを握る両腕だけ
この世界に信じられる者は誰もおらず、警察をも敵に回さなくてはならない。
はたして彼のこの任務は成功するのか?そして無事に帰還できるのだろうか?

だが、これだけは言えた。
ターナーは、カスタルディファミリーのしようとしていることをまだ、
何も知ってはいなかったのだった―。

183ツインビー オリジナル版:2008/10/16(木) 20:29:21
宇宙暦2801年のこと。
平和だったドンブリ島に突如スパイス大王が大軍で攻めてくる。
スパイス大王の軍の前にドンブリ島は占領され、
さらに島に伝わる5つの玉のうち、4つを4人の部下に分け与えた。
そしてその部下たちが4分割された島を統治しはじめたのだ。

これを重く見たシナモン博士の弟子であるアンナモン、ドンナモンは、
シナモン博士が作り上げた傑作戦闘機、ツインビー、ウインビーに乗って、
スパイス大王率いる大軍に勇敢に挑んでいったのだった。

184ぼくのなつやすみ2 海の冒険編:2008/10/18(土) 21:22:13
海の上に白い入道雲が浮いていた…

昭和50年8月。
母親が臨月を迎えた9歳の少年「ボク」は、
夏休みが終わるまでの1ヶ月間、黒潮が洗う伊豆半島の田舎町、
富海(ふみ)に住むおじさんの家に預けられることになりました。

ボクが居候するのは、おじ夫婦が経営する民宿「茜屋」。
あかね……、それは夕間暮れの空の色。
潮館の港で父親と別れ、独りぼっちで連絡船にのってきたボクが
たどり着いた富海の町は、美しい夕焼けに包まれた幸せな、
そして、ちっぽけな町でした。

夏休みだというのに、
さっぱり客がやって来ない民宿を切り盛りする
おじちゃん、おばちゃんと、その子供のタケシとシゲル。
台風が来たら壊れてしまいそうな海の上の食堂で毎朝、毎晩食事する。
元気印がでっかく付いたやんちゃな家族との生活は、
都会っ子のボクの心と体にきっと暖かい何かを残すでしょう(たぶん)。

富海の人々との触れ合いや、
さびれた民宿にやってくる謎のお客が巻き起こすチン騒動………。
それは愛すべき人々と、愛すべき風景が織り成す幸せな物語。
潮の香りが漂う富海の町で、ボクはどんな思い出を作るのでしょうか…。

185ぼくのなつやすみ ムシムシ博士とてっぺん山の秘密!!:2008/10/19(日) 18:38:18
1975年、夏。
小学3年生のボクは、おじさんの家で
「なつやすみ」の一ヶ月間を過ごすことになりました。
おじさんの家のある田舎町は、
都会育ちのボクが見たことのないものでいっぱいです。
さあ、どんな「なつやすみ」になるのでしょうか。

186ポポロクロイス 月の掟の物語:2008/10/19(日) 18:57:27
これは、昔々のお話です。
まだ、妖精が森に溢れ、世界が精霊に満ちていたころ、
あるところにポポロクロイスという小さな王国がありました。
緑あふれる森には鳥たちがうたい、
草原にはお菓子よりも甘い香りのする花が咲き、
町には平和に感謝する大人と笑顔の絶えない子供たちが住んでいました。
ポポロクロイス王国は、小さくとも大きな幸せに満ちた国でした。

ポポロクロイス王国を災厄から救ったピエトロ王子は、
やがて立派な奥王となり、妖精王の娘ナルシアを王妃に迎えました。
月日が流れ、二人の間にかわいい王子が誕生しました。
王子はピノンと名付けられ、すくすくと大きくなりました。

ピノンが生まれるずっと前のこと。
世界に龍や人間が増えていくにしたがって、
妖精たちの住みかが少なくなっていきました。
住処を奪われた妖精たちの心にいつしか闇が生まれ、
ついに妖精の王ゼフィスが闇の力を手に入れてしまったのです。
闇の妖精王となったぜふぃすは、闇の力を使い、
ほかの種族を次々と追放しました。

ゼフィスが闇の力を振るうたびに悲しみと憎しみがあふれ、
世界は光を失っていきました。
様子を見ていた神々はたいそう怒り、創造主デュオンの力を持って、
ゼフィスを闇の世界へ封じ込めることにしました。
そして、妖精族を森と海にわけ、
互いが交わることのないように「月の掟」を科したのです。

187ナビット:2008/10/19(日) 23:06:03
イライラする渋滞を一発解消、めざせ交通管制大臣!

このゲームの主人公は新米の交通管制官。
渋滞を解消し、スムーズな交通環境を整えることが主人公の任務です。
管制室のモニターに映るのは、それぞれに意志と個性を持った車が
右へ左へと走りまわる小さな世界。
でも、見とれているだけではあっという間に渋滞発生。
ここからが主人公の腕の見せ所です。
信号の設置や調整、車線の規制、道路の整備、駐車場の運営など、
やることはいっぱい。
限られた時間と予算で、交通量の目標値を達成できればマップクリアです。
さあ、あなたの頭脳で渋滞に挑戦!
思いのままに道や道路を操って、交通管制官大臣の座を獲得しましょう!

188ラジアータ ストーリーズ:2008/10/29(水) 22:06:56
―大地産声を上げしとき一対の眼生まれる
      眼平衡を護り交互に大地を照らす―

―定まる大地繁る森根ざす塔
      四の光現れ大地を照らす光堅固となる―

―終焉の日塔高まり歪む大地翳る森
      塔の頂天を突くとき龍現れこれを崩す―

世界の中心に位置する人間の王国、ラジアータ。
人々はその王国で繁栄の時は謳歌していました。
世界には人間のほかに妖精に属する”エルフ”や”ドワーフ”、
”ゴブリン”などがそれぞれの生活を営んでいます。
人間と妖精族は決して仲良くはありませんが、
対立することもなく平和な日々を送っていました。
そんななか、姉と二人暮らしをしていたジャックは、
父のような立派な騎士になるべく、
王国騎士団の入団セレクションを受けることになりました。

189サムライスピリッツ 天下一剣客伝:2008/11/13(木) 21:11:36
              告

駿府御前試合之事

御前にて尋常なる仕合に臨む武辺者を
素性不問にて世界各国より広く募りて候
勝者には以下の報奨を約束す

一、天下無双の証

一、大願の成就

一、金一千両及び米一千石

存分に剣技を尽くすもの也

                         徳川廣寅

その御触書は江戸を始まりとして各地をめぐり、
やがて世界に知れ渡る。

時は天明。舞台は世界。目指す高みは天下一。

サムライ世界大活劇、ここに開幕。
いざ、尋常に勝負せよ!

190TRUECRIME NEWYORKCITY:2008/11/13(木) 21:19:35
ニューヨーク市警。
アンダーカバー・コップ“マーカス・リード”。

自分の信念、自分の正義に基づいて犯罪に手を染めることになった彼は、
そこで父親同然である刑事によって救われ、
その後犯罪者を取り締まる道を選択した。

しかし、何者かに恩人である刑事を殺され、
真犯人を探すため、単身ニューヨークの
強大な犯罪組織調査に乗り出すことになる。

だが、マーカス自身も、組織的な陰謀にとらわれていることに気がつく。
すべてを解決するためには、自分の権限を最大限に行使し、
自らの信念に基づいて行動しなければならない。

次々に起こる犯罪、強力な敵が登場するミッション…。
自らを鍛え、犯罪都市ニューヨークに挑め!

191VIEWTIFUL JOE:2008/11/15(土) 20:02:06
PROLOGUE

映画館に彼女シルヴィアと一緒にデートに来ていた青年ジョー。
だが突然、恋人のシルヴィアが映画の中の悪者にさらわれてしまった。
ジョーはすぐに彼女を追いかけ、自分も映画の中に飛び込んでいく。
そこで彼は、美しきヒーロー「ビューティフルジョー」に変身する、
驚異のパワーを手に入れたのであった!

さあ、悪の手からシルヴィアを取り戻せ!

What's VIEWTIFUL?

VIEWTIFULとは?
VIEW(光景、眺望)の言葉をいただく通り、
ただ美しい(BEAUTIFUL)だけではなく、
人の目を奪って放さず、その心をたちまち悩乱の境地へと誘う程、
揺るぎなき、果てしなき、偽りなき
“美々(ヴィヴィ)しさ”が備わっていることを表す造語である。

192LocoRoco:2008/11/15(土) 20:05:30
“惑星さん”の上には、楽しい歌を歌う不思議な生き物、
“ロコロコ”がたくさん住んでいました。
ある日惑星さんがお昼寝をしていると、
宇宙から“モジャ軍団”がやってきて、
ロコロコを襲い始めたのです。
ハッと目覚めた惑星さんは、雷を鳴らし、大地をを傾け、
ロコロコをこの危機から救うことにしたのでした。

193チョロQ ワンダフォー!:2008/11/15(土) 20:27:03
ここはチョロQワールド。
たくさんの仲間たちが生活しているんだ。
レースをしたり、ゲームをしたり。
楽しい毎日を送っているよ。
今回は色々な街を冒険して、
チョロQの世界の謎や秘密の場所を解き明かしていこう!!

今回のお話
ボクの親友で幼馴染の友達は、遊び仲間でもあり、よきライバルなんだ!
間もなく開催されるチョロQたちの祭典「ワールドグランプリ」。
ボクは前回行われたワールドグランプリで見事優勝を果たした!
もちろん今年も、優勝を目指して出場するつもりさ!
再びガレージにトロフィーを飾るんだ。

ところが…。
ボクとしたところが、慌てていて大切なトロフィーを踏みつけちゃった!!!
こんな無残な姿じゃ、大会委員会に変換できないよ。
なんとかしなくちゃ!!

194ツインビーヤッホー!ふしぎの国で大あばれ!!:2008/12/08(月) 20:37:49
ナァーンセンスッ!!

ふしぎの国―――、そこはどんぶり島より遥か北にあり、
ファンタスティックアイランドの中にある平和な国。
ふしぎの国の代表であるメロディ女王は、
「ふしぎのハープ」の力を使い、
「ふしぎな生物たち」に力を与えていた。
しかし、平和な時代はそうそう長くも続かなかった。
ナンセンス大公のクーデターにより、その平和は早くも崩れ去る。
すぐにメロディ女王は幽閉され、そして、
「ふしぎのハープ」もナンセンス大公の手に落ちてしまった。
そしてナンセンス大公はその「ふしぎのハープ」を使い、
「全世界ふしぎの国化計画」を企てたのだ。
だがそんなとき、妖精であり、メロディ女王の側近でもあったフルートが、
助けを求め、遥か南のどんぶり島へと向かっていた―――。

195セクシーパロディウス:2008/12/08(月) 20:55:43
一時期はMr.パロディウスの長男として、名を馳せ、活躍したタコスケ、
そのタコスケも今はお年頃、つまり思春期を迎えたのだ。
―タコに思春期があるかなんて知ったこっちゃないが―
彼は同世代であり、戦友でもあるペン太郎を会計に迎え入れ、
探偵事務所を開くことを決意した。
―理由は欲望を満たすためのお金を稼ぐためだが―
昔からの戦友はもちろん、ファンタスティックアイランドからエース、
惑星グラディウスからはオプション、
そして南極大陸から新たなサイボーグペンギンと、新たな顔も揃い始めた。
―ツインビー?さあ、どこへ行ったのやら―

そして今日も仕事が舞い込んでくる。
…え?牧場の巨大トウモロコシ退治?これは腕が鳴るぜ!
よし、金のために行ってこーい!

196HALF-LIFE2 冒頭:2009/01/12(月) 09:12:55
Rise and shine, Mr. Freeman. Rise and shine. Not that I have a mission to invite you having been
the sleeping one but the job......no one is more deserving for the rest and all the effort in
the world would gone to the waste until ...... well, let's just say your (…) hasn't come again.
So, wake up Mr. Freeman. Wake up and smell the ashes.

目覚めのときが来ました。 フリーマンさん。 さあ、目を覚ますのです。

任務を先送りしていると言いたいのではありませんよ。
あなたは、休息を取ってしかるべきですからね。
世間の皆が頑張ったところで、その努力は結局…
まあ、あなたが活躍するときがまたやってきたとだけ言いましょうか。

肝心な者が必要とされている場所にいないと、世界の運命は大きく変わるでしょう。

目覚めるのです、フリーマンさん。目を覚まして、灰の臭いを嗅ぐのです。

197HALF-LIFE 採用通知:2009/01/12(月) 09:19:57
ブラックメサ研究所
管理事務局
Black Mesa、New Mexico
(ニューメキシコ州、ブラックメサ)

200X年5月5日

Technikerstr.25
A-6020 Innsbruck、Austria
(インシュブルック、オーストリア)
インシュブルック大学
実験物理学研究所
客員研究員 ゴードン・フリーマン博士


 採用のお知らせ


親愛なるフリーマン博士:

この手紙は、先日お電話にてご連絡申し上げましたように、貴方をブラックメサ研究所の職員として
採用いたします事を正式に通知するものです。すでにお伝えの通り、貴方はアクセスレベル3の
准研究員として特殊物質ラボラトリ(Anomalous Materials Laboratory)で勤務する事となります。
合衆国へのご帰国については、インシュブルック大学との調整が必要のこととお察しいたします。
つきましては、帰国のご予定が決まり次第、直ちに人事部までご連絡いただけるようお願いいたします。

未婚であり扶養者もいない貴方の為に、当研究所では社員寮に適当な部屋をご用意いたしました。
ただし、レベル3の安全検査が完了するまで、寮への引越しは出来ません。 搭載用通知と添え付けの
リストに記載されたものをご持参の上、遅くとも5月15日までにブラックメサ研究所人事部までおいで下さい。
なお、今回は、網膜スキャンは必要ありませんが、雇用期間中の健康履暦の基礎データとして、尿検査と
血液検査が行われます。

定期的な健康診断は、特殊物質を扱う職員の必須項目とお考え下さい。 また、就労中はHEV(環境防御)
スーツの着用が必要となるかもしれません。 HEVスーツの使用法については、オリエンテーション中に
トレーニングが行われます。 ブラックメサ研究所、また准研究員としての貴方の職務などについての
疑問には、全てオリエンテーション中にお答えする事といたします。

ご存知の通り、当研究職に貴方を推薦されたのは、マサチューセッツ工科大学で貴方の担当指導
教授であったクライナー博士です。 博士から、当研究所で新しいスタートを切る貴方に祝福と励ましの
メッセージが届いております。 貴方がブラックメサ研究所で末永く実りあるキャリアを築かれる事を期待
しております。

ブラックメサ研究所
民間人雇用センター
管理事務局

198HALF-LIFE エンディング:2009/01/12(月) 09:20:36
これは、これは、生身のゴードン=フリーマン氏…いやハザードスーツのと言うべきですかな。
とりあえず武器は預かっておきましたよ、邪魔でしょうからねぇ、まあ殆どは元々政府の所有物
であるわけですし。 そのスーツに関しては、ふむ、報酬とでもしておきますか。

あなたの活躍のおかげで、Xenという異次元は今のところ我々の手にありましてね、 それに
しても見事に殺し尽くしたものですねぇ、私も感心してしまいましたよ。

まあそれで、私がここに来たわけです。私、あなたを私の…上司に推薦いたしまして、あなたに
我々の元で働いてもらうよう依頼する権限を貰ってきましてね。上司も私も、あなたの能力には
素晴らしい可能性があると確信しているのですよ。あなたの決断力の高さは証明済みですから、
どうすべきかあなたが決断に悩むことなどないと思いますが。興味がおありならポータルをくぐる
だけでよろしい、それで、私の依頼をお受けになったと考えましょう。

もし、お受けにならないのなら…かわりに素晴らしい戦いを提供させていただきましょうか、 ただし
残念ながらあなたには勝つ見込みがない。ここまで生き延びたと言うのに、大変つまらない幕切れ
でしょうねぇ。

Yesと答えた場合
ああ、良い選択をしましたねぇ、ではこの先でお待ちしてますよ。

Noと答えた場合
ふむ、私達は一緒に働くことにはならないということですか。本当に後悔はないのですか、
Mr.フリーマン?

しかし、あなたの虐殺を生き延びたものがまだいくらか残ってまして。自分の種族を壊滅に
追いやった張本人に復讐できるチャンスがあるとしたら、それはうれしいでしょうねぇ?

199CALL OF DUTY 4 MODDN WAR FAIR:2009/01/24(土) 21:13:57
ロシアの過激派テロリスト、イムラン・ザカエフ

スターリンを崇拝し、旧ソ連の理想を現代によみがえらせようと目論む超国家主義者
彼は、野望の障害になるアメリカに対抗するため、中東の反米武装テロ組織を率いるアル・アサドと手を組む
国家と人種を超えた国際テロネットワークが組織され、大規模なテロ活動を計画する

この情報を察知したイギリス陸軍特殊部隊SASはアメリカ海兵隊に協力を要請、テロ計画を阻止するため、共同作戦を展開する…

そのころ、イギリス陸軍特殊部隊SAS選抜試験に合格した新米隊員、ジョン・ソープ・マクダヴィッシュ軍曹はテロリストがタンカーで核を運搬する
という情報を諜報部から受け、上官のプライス大尉、ギャズらと共にヘリからのファストロープ降下でテロリストのタンカーへ潜入した

これはこれから始まる世界の命運を賭けた戦いのほんの序章にすぎなかった…

200CALL OF DUTY 4 MODEN WAR FAIR:2009/01/24(土) 21:14:26
ロシアの過激派テロリスト、イムラン・ザカエフ

スターリンを崇拝し、旧ソ連の理想を現代によみがえらせようと目論む超国家主義者
彼は、野望の障害になるアメリカに対抗するため、中東の反米武装テロ組織を率いるアル・アサドと手を組む
国家と人種を超えた国際テロネットワークが組織され、大規模なテロ活動を計画する

この情報を察知したイギリス陸軍特殊部隊SASはアメリカ海兵隊に協力を要請、テロ計画を阻止するため、共同作戦を展開する…

そのころ、イギリス陸軍特殊部隊SAS選抜試験に合格した新米隊員、ジョン・ソープ・マクダヴィッシュ軍曹はテロリストがタンカーで核を運搬する
という情報を諜報部から受け、上官のプライス大尉、ギャズらと共にヘリからのファストロープ降下でテロリストのタンカーへ潜入した

これはこれから始まる世界の命運を賭けた戦いのほんの序章にすぎなかった…

201CALL OF DUTY 3:2009/01/30(金) 19:56:11
時は1944年、第二次世界大戦中のフランス近郊。
ノルマンディー上陸作戦後、ドイツ軍に占領されたフランスを奪還すべく、
アメリカ、イギリス、カナダ、ポーランドを中心とした連合国軍が侵攻を開始した。
しかし大勝していた一部の戦場とは裏腹に、
多くの戦場では激しい戦いが繰り広げられ、一進一退の攻防が続く日々だった。
フランスを奪還しなければ、多くの犠牲を払ったノルマンディー上陸作戦は無駄となり、
光の街と呼ばれたパリは闇に沈んだままになってしまう。
各軍は互いを援護し合いながら、時には地元のレジスタンスとも協力しながら、
フランス奪還への戦いへと赴いてゆく―。

202メタルスラッグ3D:2009/02/06(金) 12:44:05
激動の2030年代、世界は度重なるモーデンの軍事侵攻により混乱の時代を迎えていた。

世界征服を策謀する独裁者デビルリバース・モーデンは、
これまで幾度となく正規軍に対しクーデターを仕掛け、
ある時は正規軍の万能戦車『メタルスラッグ』を強奪し、
またある時は未知の生命体と手を組んだり…と、
熾烈な戦いを繰り返してきた。
しかし、その度に正規軍が誇る4名の精鋭の活躍によって、
彼、デビルリバース・モーデンの野望は悉く打ち砕かれてきた。

敗北を重ね、疲弊しきったモーデン軍の戦力は、
今や各地に散ったわずかな残存部隊と首都を残すのみであった。
もはや、モーデンに戦う力、戦う術など残っていない、
正規軍の誰もがそう思い始めたころ、
情報部から潜伏中のモーデン軍発見の報告が飛び込んでくる。
正規軍本部基地に程近い山村にモーデン軍の中規模部隊が潜んでいるという。
これに対し、信憑性が高いと判断した司令部は、
特殊工作隊ペルグリン・ファルコンズ、通称PF隊に再調査を命じる。

命令を受けたマルコとターマは直ちに輸送ヘリに乗り込み現地へと向かう。
「どうせ誤報」と楽観視するターマ、
だがマルコは、再び動き始めたモーデンの存在を感じ取り、
妙な胸騒ぎを覚えずにはいられなかった。

203HALF-LIFE2 エンディング:2009/02/10(火) 15:05:47
時間は大丈夫ですか、フリーマン博士?
もうそんな時間ですか?
あなたが来て間もないような気がしますが。
短い時間で、大仕事をしましたね。
あなたの仕事振りがあまりにもいいので、興味深い仕事の
依頼がもういくつか来ていますよ。
普通は、お断りするんですが、
このような時勢ですからねぇ。
あなたに選択の自由という幻想を与えるよりも、私が選んで
さしあげましょう…またあなたが必要とされるときが来たら。
任務を一方的に押し付けられていると思っているなら、謝り
ますよ、フリーマン博士。
そのうちにすべてがはっきりするときが…その…
私からはこれ以上は言えません。
とりあえず今は…
ここで失礼しましょう。

204メタルサーガ 砂塵の鎖:2009/02/19(木) 22:53:21
あんた、ハンターになるんだって?

時は近未来。
地球の自然環境を汚染と破壊から守る方法を見つけだすことを目的として、
人間の叡智を駆使して作られた巨大電子頭脳『ノア』。
だが『ノア』が選択した道は、自らを生み出した人類の抹殺であった。

『ノア』の作り出した兵器やモンスターによって、
人類の文明はわずか数日の間に破壊し尽くされ、
その生活は瓦礫の下へと崩れ去って行った。
後の世に言う『大破壊』である。

月日が過ぎ、僅かに生き残った人類とその子孫からは
『大破壊』の記憶も薄れつつあった。
先人が残した過去の遺産を細々と使いつぶし、
『ノア』の作り出したモンスターの脅威に怯えながら暮らす人々。
しかし希望を捨てたわけではなかった。
人々は集い、いつしか村や町ができ、ささやかな活気を取り戻しつつあった。

生活に幾許かの余裕を取り戻した人々の中には、
人類が陥った運命に逆らうかのように戦い始めた者たちもいた。
『大破壊』以前に人類が使用していた強力な兵器、
『戦車』を駆って、地上を闊歩し空を支配するモンスターどもをなぎ倒す。
情け無用の賞金稼ぎ。

彼らはモンスターを狩る狩猟者であると同時に、
より強力な武器や戦車を求めて廃墟をさすらう冒険家であった。
人々は彼らを畏敬の念を込め、『ハンター』と呼んだ。

『大破壊』を引き起こした『ノア』は、
『とあるハンター』によって破壊されたが、
この世界からモンスターたちが姿を消したわけではなかった。
『大破壊』の傷痕は未だ癒えず、世界に様々な恐怖と悲劇をもたらした。

そしてこの世界にまた一人、ジャンクヤードと呼ばれる鉄クズの街から、
腕利きのハンターである父親に小さい頃からあこがれ、
自らもまたハンターを目指した男の子がやっとハンターとなり、
今、広大な砂漠に旅立とうとしていた。

その少年こそ、この物語の主人公である。

205メタルサーガ 砂塵の鎖Ver.Ⅱ:2009/02/23(月) 22:44:40
鋼鉄(メタル)の意思を継ぐ、新たなる伝説(サーガ)

『大破壊』のあと大部分が砂漠化し、荒廃したこの世界。
大地の底に眠る前世界の遺産『戦車』を手に入れ、
自由に生きる為、君は旅立つ。

あんた、ハンターになるんだって?

206メタルサーガ 砂塵の鎖Ver.Ⅲ:2009/02/24(火) 15:39:03
3丁目に住む斉藤さんちのポチくん、
ある日突然バズーカ担いで言い出したことには
「俺、ハンターになるよ」
えぇっ!ハンターになりたい、ですって?
いったい何を言い出すんだい、このコは!
「自由に生きてみたいんだ、俺」
そう語る彼の瞳には決意を秘めた炎が燃え上がっているのであった。
彼の脳裏にさまざまな想いが走る!
「飼い犬稼業も楽しいが、自分の力で生きてみよう。
聞くところによると同じプレイステーション2のゲーム、
「ドッグズ ライフ」に主演しているジェイクとかいうビーグル犬は、
自由にあちこち動き回ってるっていうじゃない。
こちらも日本犬の意地がある。なんたって名前はポチだからな。
どうだい、日本の伝統、重みを感じさせるいい名前だろう?
だけど俺は伝統には縛られないぜ。伝統の誇りを持って自由に生きるのさ。
自由に生きるには義務が伴う。大きな力に大きな責任が伴うように。
ハンターを相棒にするなら、その覚悟を持った奴を選ぶぜ。
飼われる訳じゃないんだぜ。相棒になってやるのさ。
決して強くなくたっていい。俺のアシストで成長していく
男をみるのも楽しみなんだよ。
幾多の試練を乗り越えて少年は「男」になるのさ。
なぁあんた。あんたもハンターを目指すなら俺の相棒になれるような、
そんなハンターになってくれ。楽しみにしてるぜ。
そしたら俺は、あんたにとことんついていくよ。
俺は戦車には乗れないけどな。俺だって武器の扱いは手馴れたものさ。
いろいろな場面で役に立つ特技も覚えるから安心しな。
たまには戦闘中に逃げ出すこともあるけど、
そこは犬ってことで勘弁してくれ。チキンよりマシだろ。
わんわんグルメをたーんとくれれば体を張って守って見せるぜ。
なんたって俺は犬だからな。余計な事には囚われないで
あんたの役に立ってやる。そこが人間とは違うところさ。
ところで、人間ってのはどうしてあぁも不器用なんだ。
素直じゃないというべきか。
犬に対して素直になれるのに、人間同士じゃ素直じゃないんだよな。
余計な悩みを抱えてらぁ。
そんな時に人はドラム缶を押したくなるのか?
それは人間の一人遊びなのか?
俺たちが自分の尻尾を追ってぐるぐる回るかのように
いつまでいつまでもドラム缶を押しつづける。
まぁ、そんなところも人間の愛すべきところだ。
とにかくハンターになったら俺は世界中の賞金首を退治してやるぜ。
戦車の改造はあんたに任せるよ。人間のハンターだったら戦車が必要だぜ。
犬よりひ弱なんだから。さぁ、行こうぜ。まだ見ぬ相棒よ!」
…そして、ポチは旅立つのであった。
戦車(クルマ)に乗ってハンターとして旅に出る。
どこへ行くのか自分次第。狙うは世界中の賞金首。
バリバリ稼いで戦車(クルマ)を改造。どんな危険が待っていようと、
俺は自由に旅をする。世界を救う?竜退治?そんなことにはもう飽きた。
全方位系(なんでもありあり)RPG。
「METAL SAGA 〜砂塵の鎖〜」いよいよ登場!

あんた、ハンターになるんだって?

207アルカナハート:2009/03/04(水) 12:04:52
これは、小さな愛と、少しの勇気の物語

あなたは、天使や精霊の存在を信じますか?
普通の人には見えていないだけで、
この世界には聖霊―アルカナ―という存在がいます。
不思議なことに、聖女―純粋な心の女の子―にしか、
アルカナは見えないので、一般的な信憑性は低いですが、
アルカナは確かに私達の身の回りにいるのです。

もしも、二つの世界が一つになったら
聖霊界と物質界。
いつ、なぜ、世界が二つに分かたれたのか…、それを知る手段はありません。
ただ、漠然と世界は境界を隔てて並行に存在しているのです。
その境界は、今、とても曖昧になりつつあり、
ふたつの世界の均衡は危うい状況にあるという現実を知っているのは、
聖霊庁と呼ばれる組織のほんの一握りの人だけ。
アルカナを見ることができる少女たちも、うすうす気づいています。
―――アルカナ達が騒いでいる、おかしなことが起こり始めている―。

東京上空に出現した次元の歪み

そこにある危機に気づいた時、あなたは?
アルカナに関する事変を一手に担う組織、聖霊庁。
総本部をイギリスに起き、世界各地に支部を設けています。
どこの国でも国家機関の一部として、秘密裏に活動を続けています。
日本では環境省の外局という扱いになっています。
英国聖霊庁は、日本、東京上空に次元の歪みを観測しました。
それは、放っておけば世界の境界がおかしくなるほどの規模。
なのに、英国聖霊庁はその事実を各国に伝えませんでした…。

関東崩壊まで、後8日

そして、女の子たちの運命は?

都立御苑(みその)女学園。その上空に次元の歪みは確認されました。
日本聖霊庁がそれに気づいた時には、予断を許さない状況でした。
異変に気づいた学園の女の子。次元の歪みを知っている女の子。
聖霊庁のから調査のため編入してきた女の子。
都立御苑女学園を中心とした関東一円を中心に、この物語は始まります。

208メタルサーガ 砂塵の鎖:2009/03/19(木) 13:10:20
無限に広がる広大な砂漠、汚染された湖、未だ絶えぬ人同士の争い…。
だが、それでも彼らはたくましく生きていた。それはその中の一人のお話。
その物語はジャンクヤードという、小さな町から始まった。

「ハンターになりたい、ですって?」
青い作業着を着た一人の若い女性が、自分の息子へそう言った。
彼女の名はニーナ。そこらじゃ有名な名メカニックだ。
「あのね、ハンターになるってそう簡単なことじゃないのよ?」
モンスターハンター、それはノアによって作り出されたモンスターを狩ることを仕事とする者たち。
だが気を抜けばあっという間に殺されてしまう。彼女はモンスターハンターの厳しさを知っていた。
なぜなら、ニーナの夫(そして彼女の息子の父)であるキョウジがモンスターハンターだからだ。
かつて、ニーナはメカニックとして、キョウジはハンターとして、、
そして友達であったジャックはソルジャーとして、三人でよく西部を旅をしていたのである。
それがゆえに、モンスターハンターとしての辛さをよく知っているのである。
だが、ニーナとの思いは裏腹に、彼、主人公はキョウジの生き方にあこがれを抱いていた。
そして、とうとう「ハンターになる」と言い出したのだ。
「ねぇ、あなた、どうしてもハンターになるつもりなの?
 私の息子なんだから、メカニックの才能はあるはずなんだから、
 ね、メカニックになりなさい?」
ニーナは主人公にそう言った。だが、主人公の答えは、「ハンターになる」、だった。
さすがのニーナもこれ以上は反対できず、主人公をハンターとして送り出すことにしたのだった。
主人公の妹、エミリは兄に「頑張ってね」と寂しそうな目で行った。
そしてニーナは主人公にお小遣いを少し渡して、旅立つ息子を見送ったのだった。

209萌え萌え二次大戦(略):2009/03/25(水) 17:53:32
19XX年―――…。

ドイツ、日本に対し、アメリカ、イギリス、ソ連が参戦。
俗に言う第二次世界大戦の勃発。
火の粉は戦線拡大によって世界中に広がって行った。

そこに兵器少女―鋼の乙女―として開発され、
戦場を駆け巡る乙女たちの姿があった。
太平洋には零式艦上戦闘機、いわゆる零戦のレイが、
中国大陸にはフライング・タイガースの一員としてP-40のクレアが、
北アフリカの大地ではドイツの傑作戦車、ティーガーのフェイが、
そしてイギリスには本土を守らんとせんスピットファイアのマーリンがいた。
さらにいろんな国の多くの他の鋼の乙女たちを交え、
太平洋と欧州を中心とした戦いの物語が始まろうとしていた。

210CALL OF DUTY4 MODERN WARFARE:2009/03/31(火) 23:18:34
ここはイギリスのとある建物。
あご髭をたくわえた男性が、口髭が立派な男性に話し始めた。
あご髭の男性の方はギャズ、口髭の男の方はプライスと言った。
何かあったらしく、ギャズがプライスに説明をしていた。
「今日はいいニュースと悪いニュースがある
 まずはいいニュースから言おうじゃないか、
 世界情勢は極めて良好だ」
だが、ギャズの言葉にはわずかではあるが、余裕は感じられなかった。
「ロシアで超国家主義者たちとの反乱が起きた
 今ロシアは15000発もの核を取り合っている状態だ」
それにプライスが鼻で笑って答える。
「いつものことだな それで?」
「カレド・アル・アサド。中東でのNo.2、No.1に最も近い男だ
  今諜報員がアル・アサドを探っている」
一通りのいいニュースを聞き終えたプライスは、ギャズに一言
「悪い方のニュースは?」
「選抜試験を通過したばかりの新人が
  新しい仲間として編入することになった、名前はソープ。」

所変わって、イギリス S.A.S基地。
そこに一人の男がいた。彼の名はソープ。
ジョン・ソープ・マクタヴィッシュ。
ソープは基地につくとすぐにギャズの元へ行くように指示され、
そしてギャズに会うと実力拝見とばかりに射撃訓練場へとソープを案内した…。

211名無しさん:2009/04/10(金) 13:53:09
あいつのことか ああ、知っている
話せば長い そう、古い話だ
知ってるか?エースは3つに分けられる
強さを求める奴、プライドに生きる奴、戦況が読める奴、この3つだ
あいつは―

彼は『片羽の妖精』と呼ばれた傭兵
『彼』の相棒だった男

よう相棒、いい眺めだ ここから見ればどの国も大して変わらん

私は『彼』を追っている

あれは雪の降る寒い日だった

『エリアB7R』で大規模な戦闘!
援軍か?どこの隊だ!

―ACE COMBAT ZERO―

ガルム隊、撤退は許可できない
だろうな、報酬上乗せだ

こちら、クロウ隊のPJ、可能な限り援護する

落ちるなら俺の見えないところで頼む

ベルカ戦争には謎が多い
誰もが正義となり、誰もが悪となる
そして誰が被害者で、誰が加害者か
一体、『平和』とは何か

ベルカ戦闘機接近、全機撃墜し、制空権を確保しろ
玄関でお出迎えだ

―THE ROUND TABEL エリアB7R 通称『円卓』―

―エースたちに与えられた部隊―

野犬狩りだ

円卓の鳥だ!油断すんな

円卓がなんだ!俺がやってやる!

空戦にルールはない、ただ敵を殺すだけ
この戦いはどちらか死ぬまで終わらない

―人は彼らを『円卓の騎士』と呼んだ―

受け入れろ、小僧 これが戦場だ

―変化する出会い―

―変われない世界―

連合の犬が!

撃てよ!臆病者!

ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR

―交戦規定はただ一つ、生き残れ―

生き残るぞガルム1!

212名無しさん:2009/04/23(木) 22:58:20
あいつのことか ああ知っている
話せば長い そう 古い話だ
知ってるか?エースは3つに分けられる
強さを求める奴 プライドに生きる奴 戦況を読める奴
この3つだ あいつは――

ガルム隊へ 撤退は許可できない 迎撃せよ
だろうな 報酬上乗せだ
10年前――世界を巻き込んだ戦争があった

『エリアB7R』で大規模な戦闘!
上も下も戦闘機だらけだ!
ガルム隊、掩護に向かえ!
よう相棒、俺たちにお似合いの任務だ

彼は『片羽の妖精』と呼ばれた傭兵
『彼』の相棒だった男
ベルカ戦闘機接近!全機撃墜し、制空権を確保しろ
玄関でお出迎えだ
私は『彼』を追っている

今までの奴より速い
円卓の鳥だ! 油断すんな
片羽の赤いのがいる、噂に聞いた奴か
野良犬どもには贅沢な墓場だ
ここは『円卓』 死人に口なし
そして――『片羽』の言葉で、物語の幕は上がる

あれは雪の降る寒い日だった

生き残るぞ!ガルム1

213戦場のヴァルキュリア:2009/04/26(日) 21:28:12
征暦1930年代のヨーロッパにおいて、
大陸は強大な軍事力を誇る「帝国」と「連邦」にほぼ二分されていた。

覇権を争う両国はついに開戦。
ヨーロッパ全土を巻き込む「第二次ヨーロッパ大戦」(E.W.Ⅱ)が勃発したのである。

帝国と連邦に挟まれた小国、ガリア公国。
中立を掲げるこの国を突如、帝国軍が侵略する。

その強大な軍事力の前にガリア軍は敗走。
首都陥落寸前、という絶体絶命の危機を迎えるが、
ガリア義勇軍の小隊長の意表を突いた作戦の前に帝国軍は撃退される。
その小隊長の名は…

214ACE COMBAT X Skies of Deception:2009/05/05(火) 17:42:55
見上げると相変わらず左回りに動く太陽が寝不足気味の眼にしみた。
こんな先の見えた戦争取材はとっとと終わらせてしまおう。
季節が裏返ったこの国にはどうもなじめそうにない。

<<グリフィス1、聞こえますか? 攻撃態勢に入ってください>>

-X-

<<レーダーに反応!>>
<<オーレリアの航空戦力は全滅したんじゃないのか!?>>

-Project Aces "The dawn of a New Chronicle"-

<<星のエンブレムなんてレサスにはない!>>

この戦争は内乱と代わるデモンストレーションにすぎない

<<グレイプニル、ミサイル発射!>>

-Skies of Deception-

それを国のためと信じて戦う兵士達はどこまで知っているのか

<<真正面に機影多数!>>
<<なんて数だ!嘘だろ>>

-An Ace Pilot-

だが―
世の中すべてが思い通りにはならないさ

<<俺たちの命はあんたに預けたぞ!>>

-He Alone knows the truht-

なあ、そうだろ?

Ace Combat X Skies of Deception

-The Ace legacy is now in your hands-

215ぷよぷよフィーバー2 紅き『まもの』の魂について:2009/08/14(金) 01:24:33 ID:lUFliKzI0
ゲーム中でいう、はらはらコース関連の内容+α

その昔、アルカの地にそれはそれは恐ろしい姿をした『まもの』がいた。
ある日、アルカに商人がやってきた。本を開いた者の魂を封印できる本と共に。
アルカに住む一人の人物(性別不詳)は、商人からその本を買った。

そしてその人物は、『まもの』の魂を封印することを試みた。
が、本には邪悪な魂のみが封じられるらしく、
『まもの』は紅き邪悪な魂と、『まもの』とは似ても似つかぬ少年に分離した。
紅き邪悪な魂は、本に封印された。
少年は魂が抜けたように、四時六中ぼーっとしていた。

長い年月が流れた。
アルカ文明は天災によって滅亡しており、
プリンプタウンや近隣の町によってアルカ文明の発掘調査が行われていた。

クルークは、プリンプ魔導学校の成績最優秀生徒。
豊富な知識と魔力欲を持つ一方、クラスメート達をひどく見下しており、
感じのいいタイプではなかった。

そして、巡り巡ってその本は彼の手元に来てしまった。
その本を手に入れたことで、彼の魔力は増幅された。
しかしそれでは彼は満足できず、その本の力をさらに引き出すことを考えついた。
やがて彼は、本の力を解放するためには、「星のランタン」「月の石」「太陽のしおり」という
3つのアイテムが必要であることを見いだした。

そして、彼は3つのアイテムを集めきり、
アルカ遺跡の奥で解放の為の儀式を行った。
しかし。「本の力」とは「本に封印された魂」のこと。
そう、長い年月に渡り本の中に閉じこめられたあの『まもの』の紅き魂である。

『まもの』の魂の封印が解かれた。
そして空になった本に、あろうことかクルークの魂がまるごと封印されてしまった。
そして、その『まもの』の魂がクルークの体を乗っ取ったのである。

しかし、『まもの』にとって、それは本来あるべき体ではない。
彼は本来あるべき体を探し始める。

216名無しさん:2009/08/14(金) 01:25:05 ID:lUFliKzI0
一方、シグもプリンプ魔導学校の生徒。しかしクルークと違い成績は壊滅的。
そして…彼こそが、『まもの』から分離した少年の血を引く者であった。
クルークが本の力を解放させ始めた結果なのか、
シグの左手は少し前から、明らかに人間のものではない、赤くて鋭いものに変化していた。

シグは別の用件で「星のランタン」を探していた。
そんな彼に、プリンプの地で何千年も暮らす霊物であり、
プリンプタウンにある「プリサイス博物館」の名誉館長でもある「あくま」が現れた。
あくまはシグに災いの警告をし、そして護符である「くまもりのじゅ」を授けた。

そして、シグはとうとう『まもの』の魂に出会ってしまった。
『まもの』の魂はシグの体を奪おうとするが、
「くまもりのじゅ」によって魂の共鳴を防がれてしまう。
シグにとっても、「星のランタン」を手に入れなければならない。
シグと『まもの』の魂の戦いはシグに軍配。
シグは「星のランタン」を手にその場を立ち去った。

『まもの』の魂は恐慌状態だった。
復活が完全でない現状では、三つのアイテムのうち一つは手元にある必要がある。
そうしないと、本に閉じこめたクルークの魂に体を取り戻されてしまうのだ。

だが、ここにプリンプ魔導学校の生徒で、高飛車なお嬢様である「ラフィーナ」が現れる。
彼女も私用で「月の石」を探していた。
シグとの戦いのキズがまだ癒えていない『まもの』の魂はラフィーナにあっさり敗れ、
「月の石」を持ち去られてしまう。

217名無しさん:2009/08/14(金) 01:26:06 ID:lUFliKzI0
そしてもう一人、この場所を訪れた者がいた。
プリンプ魔導学校の生徒である、元気が取り柄の少女「アミティ」である。
そして彼女は事情が違った。

とある事情でアミティはクルークと一戦交えることになったのだが、
予想外なことに、アミティはあっさりとクルークを破ってしまった。
成績不振な彼女に敗北を喫したクルークはそのことが認められず、
本の力を持って彼女に再戦を挑むことにした。
再戦の場所は…アルカ遺跡。

アミティは正直なところ、あまり乗り気ではなかったが、
やむを得ず遺跡に向かった。
しかし、そこにいたクルークは明らかに様子がおかしい。
勿論、それはクルークではなく、『まもの』の魂だった。

当然、『まもの』の魂も必死だった。次の敗北は決して許されない。
そのため、クルークのフリをして相手を油断させようと考えていた。
しかしそのフリは、クルークを僅かでも知ってる人間からすれば
「やる気あるのか」というレベルでしかなく、アミティにあっさり見破られた。

『まもの』にとってあるまじき、三度目の敗北。
「そのしおりだけは持って行かないでくれ」
そうアミティに懇願するも、天然ボケが入ってるアミティはそのしおりを手に取ってしまった。
その瞬間、『まもの』の魂は再び本の中に閉じこめられ、
クルークの肉体に本来のクルークの魂が戻ってきたのである。

とりあえず概説的に。
それぞれの私用の内容まで書いてるとキリないので

218笹森水希:2009/09/01(火) 00:29:08 ID:bw1AzgmA0
リッツ・マルール from ファイナルファンタジータクティクスアドバンス

それは彼女にとってはどうでもいいことだった。
人にあらざる事だと言われようと、おしゃれな服が着られなくなろうと、ましてクラスメイトからババァと言われようと、
リッツにはそんなことを気にしないだけの力があった。
ただ… 普段はその髪の色を白からピンクに染めてくれる母の顔がいつも悲しそうな顔をしていたこと…
これだけはどうしても耐えることが出来なかった。そしていつも終わった後に自らも涙する…
そんな日常を変えられない自分がとても嫌だった。
しかし、ある日そんな彼女の心を変えてしまえるだけの、ある事件が起こった。本屋で友達が買ってきた一冊の本…
それを開くことで、彼女の住む町、セント・イヴァリースは一変… 『ファイナルファンタジー』の世界に変わって
しまったからであった。

219笹森水希:2009/09/01(火) 03:08:01 ID:bw1AzgmA0
何も分からない世界にいきなり放り出されたリッツ。
そんな彼女に最初に手を差し伸べたのは、通りすがりの一人の女性だった。
名前はシャアラ。
その美しい風貌でひときわ目立ったのが白い髪。訊けば、彼女達−−− ヴィエラ族はみんなこのような
髪の色だという。
シャアラはリッツを”クラン”に誘ってくれた。恐らくは彼女達が人数不足に悩んでいたという理由も
あるのだろうが、それでもリッツにはそれに乗るしかなかった。
「でも珍しい髪の色よね」
そう言われてリッツは鏡を見てみる、すると何もしないのにリッツの髪はピンクのままになっていた。
そして… リッツはこの世界に留まる決意をすることになった…。 この髪の色を守りたいがために。

220笹森水希:2009/09/24(木) 01:28:34 ID:s34UZoA.0
…全てが終わった。
主人公マーシュによってクリスタルは壊され、世界の創造主もその力を失った
イヴァリースは元の田舎町に戻ろうとしているのだ

「雪… 珍しいわね」
「私がこの世界に来たときも雪が降ってたわ」
「そう…」
「世界が元に戻ろうとしているのよ」
リッツはそう言って空を見上げる
その髪の色はピンクではなく、白に戻っていた

「綺麗な髪よね」
リッツの側にいつもいたヴィエラ族の女性、シャアラはそう言った、それは慰めでも何でも無く、本心で
「綺麗?」
「ええ… あなたはきっとヴィエラの神に祝福されているんじゃないのかなって思うの」
「…」
リッツは答えられなかった
そう、今まででもシャアラの、そして自分の白い髪をどうこう思ったことは無かったからだ
ただ思うとすれば、自分に悲しみをもたらすだけの存在、ぐらいなものか

しかしシャアラの本心からの言葉で、リッツは自分の髪のコンプレックスが消えていくような気がした
世界が元に戻っても悲しむことは無い
自分が気持ちを強く持っていればいいのだ、と

221真・女神転生 STRANGE JORNY:2009/10/21(水) 19:55:13 ID:tKOqcCzYO
人類よ、これ以上何を望むのだ。

人口、70億に達してもなお繁栄を続ける人類
しかし、その代償――貧困、環境破壊、水質汚染、地球温暖化、紛争……これはあまりに大きなものだった
そして、ある日……
南極大陸に突如出現した滅びの地、『シュバルツバース』
あらゆるものを分子崩壊させながら巨大化するこの亜空間によって人類は、地球と共に消滅する危機にたたされていた
国連は対策機関を設立し、民間人がパニックにならないよう非公表で問題解決を図るが
人知の及ばないその存在には対策法はおろか調査もままならない状況であった
拡大を続けるシュバルツバースに猶予を失った国連はその内部に有人探索艦を送るという最後のプラン、
『シュバルツバース調査隊』を承認した
調査隊には各国の優秀な兵士や科学者が集められ
国家間の利害を越えた最高のテクノロジー試練がなされた
乗り込むのは――
亜空間への侵入能力をも備えたレッドスプライト号を始めとする次世代揚陸艦
装備するのは――
米軍が開発したあらゆる過酷な環境に耐え、装備者の身体と戦略に応じて拡張進化する高性能戦闘服であるデモニカスーツ
人類の科学技術を結集したシュバルツバース調査隊は滅び行かんとする人類の未来を救うべく
彼らの想像を超えた存在ざいたちが待つ世界へと旅立つのである……

222ウォーシップガンナー2:2009/10/25(日) 21:05:28 ID:tw1Jlo.Q0
シベリア極東にある小国家"ウィルキア王国"。
1938年、そこでライナルト・シュルツという一人の若者が、
日本から来た教官、筑波貴繁大尉より艦長として、
また一人の軍人として立派になるための訓練を受けていた。
そして、訓練が終わるころにはシュルツは技術的、精神的に一人前となっていた。
そのシュルツを見届けた後、筑波大尉は日本に帰って行った。
エリート軍人であった彼は訓練後、近衛軍近衛艦隊に配属された。
この時、彼は、また他の人々も彼が世界を救うとは予想だにしていなかった。

1939年、国王直属の近衛軍と、国防省管轄下にある国防軍との、
総合大演習がオホーツク海の沖合で行われることになった。
しかし国防軍が近衛艦隊に向け急に砲撃を開始、
国防軍防衛艦隊の数と質に押され被害は広がるばかりの状態で、
近衛艦隊は同盟国であった日本への逃走を開始した。

だが奇跡的にも国王マンフレート・フォン・ヴィルクはシュルツの上官であり、
近衛海軍副司令アルベルト・ガルトナーの艦に乗って、
奇跡的に戦域を脱出していたのだ。
ぼろぼろの状態で日本についたウィルキア近衛艦隊、

だが彼らは日本軍によっていきなり抑留されてしまう。
ウィルキア帝国軍が国王の引き渡しを日本に要求、
さらにそれに呼応した君塚日本海軍司令の手によって拘束されたのだ。

223ウォーシップガンナー2:2009/10/25(日) 21:47:46 ID:tw1Jlo.Q0
だが、シュルツに軍人としてのイロハを教えた筑波大尉の手によって、
また、その同僚であり、親友の天城大佐の手によってウィルキア軍人たちは解放される。
さらにすでに解放されたガルトナー司令とともに国王が国外へ脱出したという情報も届いた。
しかし、それを知らない君塚艦隊は彼らが抑留されていた横須賀港の封鎖を敢行、
筑波大尉、天城大佐に支援してもらいつつ、何とか横須賀港の封鎖網を突破した。
天城大佐は君塚司令の説得に当たることになり日本に残ることになった。
だが筑波大尉はこの戦い以降、近衛軍と行動を共にすることになった。

そのころ、君塚司令とウィルキア反乱軍の手によって、
日本はウィルキア反乱軍の支配下に置かれることになってしまった。
またほぼ時を同じくして国防軍大将兼国防議会議長だった、
フリードリヒ・ヴァイセンベルガーがウィルキア帝国の建国を宣言。
それと同時に全世界に向けての宣戦布告を行った。

帰る場所を失った旧ウィルキア王国近衛艦隊は、
アメリカ合衆国の協力により一時的にハワイ沖への投錨を許される。
その途中、同じくウィルキア帝国軍から逃げていたドイツ潜水艦を救助、
兵器研究のプロフェッショナルであるブラウン博士を新たな仲間にした。
帝国軍の太平洋上の追撃を振り切りハワイへ着いた一行は、
ドック艦スキズプラニル上でウィルキア解放軍を組織、
総司令官にはアルベルト・ガルトナーが着任することになった。

だが、ウィルキア帝国も黙ってはいなかった…。

224ウォーシップガンナー2 後日談:2009/11/03(火) 18:52:35 ID:Ld1WGMII0
全ての戦いが終わった。
超兵器を擁したウィルキア帝国軍相手に戦う必要はなくなった。
そして最後の究極超兵器を永の眠りに就かせ、世界をも救った。
だがウィルキアを、そして世界を救った英雄は政治の世界では蚊帳の外だった。

ウィルキア王国に突きつけられる賠償請求、領地の割譲等々の問題、
そして別の地で新たに起こった戦争…。
結局ウィルキア帝国との戦いで人間は何を学んだんだろう、
世界を救ったシュルツ艦長、ならびに元解放軍クルーはそう思っていた。

だが数年の後、戦争が終わり真の平和の時が訪れた。
この時シュルツは少将となっていた。
今日は日本近海にとある用で哨戒の任に就いていた。
言うならば日本海軍と共同での国境警備、と言ったとこだろう。

その時、小笠原諸島のほうから遭難信号に似た電波を受信した。
彼らが受信したものとは一体…?

225ウォーシップガンナー2 後日談:2009/11/03(火) 19:09:46 ID:Ld1WGMII0
深夜、真暗闇からの通信も慣れた手つきで
通信士のナギがその電波を解析し、艦内に流す。
「発信源は小笠原諸島のようです …通信、流します」
『ちゃーんちゃーんちゃんちゃか
  ちゃんちゃんちゃんちゃんちゃんちゃんちゃん!』
その声は低く、けれど大きく、何かの歌を歌っているようなそんな感じであった。

ナギは困り果てたように艦長であるシュルツにこれは何かと聞いたが、
シュルツにこの歌が理解できるわけがない。
するとブラウン大尉が知っているらしく、ぼそりと答えた。
「これは軍用のBGMですね 日本のパチンコ屋で聞いたことがあります。」
ブラウン大尉が知っているのにさほど驚きはしなかった。
むしろ驚いたのはパチンコ屋で聞いたことがある、ということだ。
「行かれるんですか?パチンコ」
シュルツはすぐさま聞き返す。
するとブラウン大尉は舌打ちをし、その場をなんとかごまかそうとした。
そんなブラウンを無視し、ナギは話を進める。
「近所迷惑ですよね、こんな時間に 誰かわからないけど、しょっぴいて来ましょう」
シュルツは彼女のその発言に対し、「いや、近所ってどこだよ」と言った。
だが確かに迷惑だ、そう思って一応注意しに行くことにはした。
「よぉ〜し、行くかぁ〜 出撃準備〜、急がなくていいぞぉ〜」
シュルツもこんな任務は時間をかける必要はないと、やる気のない声で準備を促した。

そして、いよいよ小笠原諸島へ向けシュルツ一行を乗せた艦が動き出した。

226ウォーシップガンナー2 ウィルキア王国歴史:2009/11/04(水) 21:39:32 ID:gyJtmEp20
ウィルキア王国(英語表記は『Kingdom of Virkia』、漢字表記では漆亜王国)とは、
ヴィルク国王が統治する議会制の君主国家だ。
その歴史はかなり浅く、19世紀末帝政ロシアより独立を果たす。

ウィルキア人の祖先はアイスランドに住んでいたデーン系部族の一つ、
ヴィルク族と言われている。
13世紀初頭に新大陸に渡り更に西へ西へと進んでいき、
アムール川流域に定住したと言われている民族だ。
長らくヴィルク族は帝政ロシアの支配下におかれ、
クリミア戦争の際に欧州勢力は後方撹乱をするため、
当時高まっていたウィルキア独立運動を利用、
この二年後に講和、独立しウィルキア王国が誕生する。
この戦争のことをウィルキアでは漆露(しつろ)戦争と呼んでいる。
首都はアムール川河口にある大都市、シュヴァンブルグ。
この際地名も変更され、ウラジオストックはシェルドハーフェンとして生まれ変わった。

ウィルキア王国は第一次世界大戦のとき、日本とともにドイツ国内の革命に加担し、
見事プロイセンを打倒し、ドイツ共和国を樹立した。
しかし第一次世界大戦後、ウィルキア国防会議では異常事態が起こっていた。
国民から選出された議員によって運営されるウィルキア国防議会では、
ヴァイセンベルガーを中心に軍出身者が過半数以上を占めていた。

通常、武力行使には国防議会の議決及び国王の承認が必要と定められていたが、
これであとは国王の承認だけとなったのだ。
対する近衛軍はウィルキア国王ヴィルクに指揮権が残された直轄軍であり、
国防軍の4分の1程度の数しかいなかった。

1856年独立時に制定された国旗には、白鳥を中心としたデザインとなっている。
ウィルキア国民は自らをアイスランドから飛来した白鳥と例える人が多く、
国のシンボルにもなっていた。
ちなみにシュヴァンブルグは白鳥という意味であり、
ウィルキア国民が白鳥と自分たちをどれほど重ね合わせているかがうかがえる。

227グリムグリモア:2010/01/12(火) 16:46:56 ID:bOENONdI0
秀でた魔法の才能をもつ者のみが招かれるという魔法学校がある。
そこの校長を務めるのはかつて魔王カルヴァドスを倒したガンメル・ドラスク。
ガンメルは全ての魔法使いの憧れの的であり、
またこの魔法学校への入学を望む者も少なくなかった。

そんな時、魔法学校の南側にある田舎町に住むリレ・ブラウに
魔法学校への招待状が届いたのだった。
リレは心躍らせながらすぐにドラゴンに乗って魔法学校へ向かった。
そして彼女は魔法学校で奇妙な五日間を体験することになる―。

228エアフォースデルタ ブルーウィングナイツ:2010/01/29(金) 22:56:11 ID:ZaOFFxDs0
人類が宇宙へと進出した未来。
宇宙空間で生活している軌道市民共同体、通称O.C.C.がある日地球へ宣戦布告した。
それとともに地球の宇宙ステーションが奇襲され、地球軍は何もできずに壊滅。
さらに高度な技術を駆使し攻めてくるO.C.C.に対し何もできずに大陸の8割を明け渡してしまう。

これに対し地球軍は地球防衛同盟軍、通称E.D.A.F.を組織。
だが圧倒的な技術差を持つO.C.C.に対してできたことは今の状態を保つことだけだった。
O.C.C.も伸びすぎた補給線の維持が困難となり、戦争は段々と膠着状態へと陥っていく。

そんな時、『問題兵隔離部隊』第27戦闘航空軍団第四混成航空中隊、
通称『デルタ中隊』が前線へ配属されることになる。
「デルタ中隊が誇れるのは歴史の長さだけ」、「どうせすぐに壊滅するさ」、
そんな声が多い中、デルタ中隊は宇宙ステーション奇襲事件の生き残り、
カズヤ・ササイを中心としてその実力を発揮し、O.C.C.を徐々に追い込んでいく。

最初はお邪魔、お荷物と言われたデルタ中隊はE.D.A.F.の中心的存在となっていた。
そんな時、カズヤはかつての恋人であり宇宙ステーション奇襲事件の際に
死んだと思われていたエレン・マクニコルと再会する…。

229Metal Max 3:2010/10/29(金) 10:52:12 ID:lNgcr8Do0
大破壊、それは地球の環境を守るために作られたスーパーコンピュータ、
『ノア』が引き起こした人類に対しての戦争―

『地球ヲ綺麗ニスルタメニハ人類抹殺ガ最優先!』

人類は必死に戦ったがやがて人類の敗北という形で終息していく。
だが人類は滅んだわけではなかった。
ノアが作り出したモンスターを倒し生計を立てる人も現れる。
大破壊前のクルマを掘り出し、それでモンスターに挑む人もいた。
戦うだけでなく、この時代ではなんでも仕事になり、なんでも金になった。
そんな時代のお話―。

とある街の研究所、ここに一人の自称天才科学者と死体があった。

甦るのだァッ!こォの電撃でェェェーッ!!

バリバリバリバリバリッ!
…反応なし

…甦るのだァァッ!!こォォの電撃でェェェェェーッ!!

バリバリバリバリバリッ!!
…反応なし

えェェェイ!甦らんかァァァいッ!!!

バリバリバリバリバリッ!!!
…反応なし

なんじゃこの死体は…新鮮だと思ったんだがのう…

自称天才科学者ががっくりしていたその時、死体がむくりと立ち上がって

―ここはどこだ?―

230クイズマジックアカデミーⅦ:2010/11/12(金) 01:25:26 ID:iV.0rC3Y0
(持ちキャラスレ288の続き

メディアが拾った青い石… それは『幾多の力』と呼ばれる、不思議な宝石だった
それは持ち主の魔力に応じて無限の力を発揮できるといわれるもの…

そして、メディアは順調に魔力を鍛え、ついに大魔導士と呼ばれる階級にまで達した
そんなある日…

初めて挑むドラゴン組でのトーナメント、その準決勝戦でのこと
4位入賞の者の名… メディアが呼ばれたその時、マジックアカデミーに突如何者かが現れる
それは… 魔神と呼ぶにふさわしきもの
マジックアカデミーを地上に墜とすに至らしめたものはこいつだと、メディアは確信した
そして、準決勝を勝ち抜いた他の3人の賢者と共に、メディアは魔神に戦いを挑むことになったのである


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板