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レス代行依頼スレ

462以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/14(火) 21:48:47 ID:???
 頬に手を当てて首をかしげる京。そんな仕草がいちいち可愛らしく、それが嫌味でない。確かに自分で『ちょっとお目にかかれへん
ような美人』と言うだけのことはある。実際、俺は一目惚れだった。これは誰にも、まだ京さえ話してはいないのだが。
 それはともかく、話が見えない。名刺のことは本題ではないらしいが……。
 と、思った矢先。
「まぁ、えぇわ。とりあえず、タカシはん。これからしばらく、この手のところは謹んでもらいまひょ」
「え? いや、え?」
「あらぁ、タカシはん。うちがおんのに、こないなとこ行きたいん?」
 わざとらしく手を口に当てて驚いて見せる姿が小憎らしい。俺は無論、頭を振って否定する。
「まぁ、ほら。お酒なら、家で飲めばよろし」
「そりゃ、そうだけど」
 まぁ、もともと余りその手の店が好きというわけではないのだが、それにしても何か変だ。わざわざ正座で膝を突き合わせていうこ
とだろうか。俺が考えつく理由としては、家計が苦しい、ということだが、その心当たりがない。それでも一応尋ねてみると、
「そうやねぇ。苦しくなるかも解らんねぇ」
というあいまいな返事が返ってきた。
「苦しくなる?」
「そやね。キリキリ働いてもらわんと。なにかと入用やろうから」
 にやにやと俺を品定めするように見る。まるっきり試される形になって、俺は首をかしげた。ここまでくれば、京がわざと遠まわり
しているのは解る。しかし、一体なんのことだろう。いつものはんなりした京ことばが、こんなときは妙にもどかしい。
 一人で首をかしげていると、京は大きく息をつき、
「まだ解りまへんか?」
とこちらを可哀そうなものを見る目で見てくる。その眼差しに、原因不明の罪悪感が掻き立てられた。
「うっ……ごめん」
「ほんまに、夫婦なんやから、こんくらい解っておくれやっしゃ」
「そう言われても」
「うち、病院行きましてん」
「え?」
 唐突に話題が変わる。俺はさらに混乱に追いやられながら、
「風邪でも引いたの?」
と自分でも間抜けだと思う答えを返した。案の定、相手は頬を膨らませて、こちらを睨みつけてくる。


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