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レス代行依頼スレ

3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/29(土) 22:54:45 ID:???
『……………』

別府家とは窓越しにと向かい合った椎水かなみの部屋の中、主人・椎水かなみはベッドの上でくるんと丸くなっていた。
寝具の上に身を横たえているにしては、その瞳はむしろ開いている。頬も少し赤く見えた。

『……アイツ…何であんな事……っ』

ぎゅう、と抱きかかえた枕を強く握る。
脳裏に例の男の顔を浮かべつつ、今日の昼間起こった恥ずかしい出来事にまたも「思い出し羞恥」した。


────これって間接キスだよな?


昼間に彼が言った一言。
人前である手前彼女は極めて冷静に繕ったが、その実心臓は聞こえてしまいそうに高鳴っていた。

『…何で…あれくらいで…。か、間接キスくらいどうってことない筈なのに…!』

ぶんぶんとかぶりを振るが、頬の熱は冷めてくれない。

思い出せば思い出すほど、消え行くはずの記憶はむしろ刻銘に蘇ってくる。
彼が口をつけたジュースを無意識に飲んでいた自分。口が触れ合ったジュースの飲み口部分が、いやにはっきりと思い起こされた。

────アイツの、唇────。

触れた、という動詞は再生できるほどの余裕が無かった。

なんでだろう。アイツは今まで、私にとってただの幼馴染だったはずなのに。
今はこんなにも、たった一言、言われただけで。

顔さえ見るのも恥ずかしい。
本当に、何故なのだろう。私、そんなに子供だったんだろうか?


『……間接…キス…かあ…』


そっ、と彼女は自らの唇に軽く触れ、感覚を確かめた。

無論、そんな行為に意味は無い。強いて言うなら────。
彼と間接的に触れた部分をなぞる事で、彼の身体を味わいたかったのだろう。


ふ、と彼女は自分のしている事に気づく。


自分が無意識の内にこうしていたのがまた恥ずかしく、椎水かなみはその場に倒れ込んで布団をかぶった。

────もう、こんなの知らない……。

自分の中で芽生えた「何か」を必死に否定しながら、彼女は瞳を閉じて強引に寝に入ったのだった。


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