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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
955
:
境界原理のフラクタル
◆.4U5FmAuIw
:2017/08/01(火) 17:13:12
「西尾か?……ああ、ここにおるけど。なんや、さっきまで泣いとってな。
話にならんかったわ。えっ?ああ、海砂利と会ってたらしいけど。
白のリーダーやる資格がないとか、なんとか」
大部屋の村田からの電話を受けている桶田は、「ちょっと待て」と10円玉を追加する。
「平気やって。嵯峨根?あ、ひどいケガやったけど、桜井がな。あ?
ダーンス4やダーンス4。半拍遅れの。そうそう、右端でオチ言うとる、
おもろい顔のあいつや。その桜井がな、治してくれる言うねんけど、北条がおらんから」
また10円玉を入れて、桶田はちらっとボックスの外で頭を抱える西尾を見る。
「せやから……おう、そういう事や。北条見かけたら頼むわ。
嵯峨根はまだ眠らしとくわ。うん。……ほな、またあとで」
受話器を置いて、桶田はボックスを出る。
これが相方の村田なら、優しくなぐさめる所だったが。
「動かんデブはただのデブや。下りるか、戦うか、はっきりせえ」
厳しい言葉だけを吐き捨てて、桶田はさっさと大部屋へ帰っていった。
一週間後――。
「加賀谷、これどないした?」
顔の傷を目ざとく見つけた村田さんは「ちょお、待ち」と持ち前の
世話焼きを発揮して絆創膏を貼ってやる。
「なあ松本、お前こいつにどんな事させとんねん」
聞いた村田さんの声には、わずかな怒りが見える。
「しゃあないやないですか。誰かさんが俺に石を使わすから……」
答えた松本は、それっきり加賀谷も視界から外してネタ作りに戻る。
まだ何か言いたげな村田さんを、加賀谷は「いいんです」と止めた。
俺はその光景をじっと見ていた。
松本の中で何かが確実に変化している。それがどう転ぶかはまだ分からない。
ただ一つ言えるのは、罪の意識から解放された松本は、
また別のものに囚われたということだった。
【終】
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