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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

954境界原理のフラクタル ◆.4U5FmAuIw:2017/08/01(火) 17:12:22
「結局、西尾さんは、そのちっぽけなプライドが一番大事なんですよ。
 本音は、白のユニットにもバラバラなままでいてほしい。
 白に共感した奴らを引っぱって戦うなんて、そんな器じゃない」
「そんな……」
「どっちつかずなまま、白のリーダー気取ってる。その状態が一番楽なんだ。
 黒に抵抗する奴らが、自分のふがいなさを責めないから、西尾さんは
 内心ホッとしてたんじゃないですか?」
「そんなこと、あるわけないやろ!勝手な憶測で話すな!」
「だったら、なんで嵯峨根さんをほっとくんですか?」

まだ床に転がったままの嵯峨根を指さして、上田が言う。

「俺たちなんか簡単に倒せる力があるのに。それで相方を助け起こしてやらない。
 たった一つ、自分を許してくれる大義名分を失うのが怖いから」
「ちゃう……俺は、ほんまに……」

何も言い返せない西尾の前で、有田は嵯峨根の首に手をかける。
ぎり、と力がこもって、嵯峨根が苦しそうに眉をよせた瞬間。

「やめろぉぉぉ!!!」

涙と共に、西尾の絶叫が響いた。


□ □ □ □ □ □


静かな大部屋。扉を開いてみると、寝かされた松本が
無邪気な笑みでごろんっと寝返りを打つ所だった。
世話をしていた芸人たちが収録で出て行ったので、部屋にはこいつ一人だ。

近づく足音にも、起きる気配はない。
俺は眠る松本の上にかがみこんで、額にかかった髪をどけてやる。
のんきな寝顔してやがんな、有田にバッシングさせてやるか。

「お前があんまり辛そうだからよ……丸ごと記憶を消しちまえば、
 楽になれるかと思ったんだよ。まあ、半分だけだけどな。
 お前の中から罪悪感を消して、黒に染めちまおうってのも、まあ、あった」

俺は言葉を切って、少しずつ自分の顔を近づけていく。

「お前はこんな結果、望まねえんだろうな。……物騒な能力だからよ。
 誰かのために使おうなんて、多分今回だけだ。だから、人助けと思って、
 俺のエゴに付き合ってくれ」
額を合わせて、目を閉じる。俺たちの体を、青い光が包みこんだ。


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