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【ミ】『コメットテイルの止まない町で』

1『幸せ兎』:2020/06/12(金) 00:54:18

人間の幸福の二つの敵は苦痛と退屈である。

       ――――ショーペンハウアーのことば

★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。

☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1455891211/

【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1482053460/

【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1511075107/

【ミ】『忘れじの瑕、コメットテイル』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1552052081/

★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1427557344/

【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1439137290/

691スミノフ『デマーケイション』:2021/07/06(火) 18:46:19
>>690

「心の音ねぇ」

どこかの誰かの顔が浮かんだ。
まぁ、そういうこともあるんだろうなとは思う。
それだけだ。
それ以上のことは無いが。

「同郷ならとびきりのを入れてやろう」

(足場ごと崩すのは簡単だぜ……?)

(だがよぉ……これはちょっと考える場だな)

加茂のスタンドのパワーで考えると乗った棚を足場をへし折ってこちらに倒すということは無いだろう。
だが倒そうと棚を掴んだ瞬間にこちらの背後に降りてきたらどうだろう。
速度ではこちらの方が不利。
ヒットアンドアウェイで削られるし、文房具の類も武器にはなる。
判断しろ、この瞬間の処理を。

「……ご挨拶だぜ」

左のフリッカージャブ。
あくまでもボクシングスタイル。
加茂の乗る棚に向かって放つ(パス精ACD)
触れるための一撃。
棚に向かってスピードを重視して打って、即座に腕を引く。
加減が苦手な『デマーケイション』だ。
出来る範囲で構わない。
ひとまずこの棚に仕掛けがないか見る。

692『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/07(水) 00:55:44
>>691

「とびきりの挨拶か、それは随分―――――――――――」

             ド 

                    ゴ!!!!

                         ≪フリッカージャブッ!!!
                           鞭の如く振るわれた豪腕が、
                            加茂選手の足場を大きく揺らしたァッ!≫

                    「プロボクサーも顔負けじゃねーか!?」
                        「ジャブであの威力、本気で当たれば一撃だなァ」

圧倒的破壊力は、『潰す打撃』でなく『当てる打撃』でさえ、
重機さながらのスケールで棚を更に歪ませる。
それによって何かが起きる、という様子は無い。
『サイコ・システム』の能力は今の時点で不明瞭だが、
この棚に何か反撃の仕掛けがある様子は無い。

「っ……! 成る程、これは相当……」

                        「加茂ォーーーー!」 「油断してんなよ!」

動こうとしていた加茂も、姿勢を乱され――――――1歩下がり、足元に手を付いた。

                         <加茂選手の過去の対戦相手にも、
                           このレベルのパワーの者は少ないでしょう。
                           身体制動で堪えられると思ったものの、
                           読み間違えた……と見てよさそうですね>

                 ≪好機を掴み取り勝利を手繰るのが強者の条件ッ!
                   スミノフ選手ッ! このまま押し込めるかァーーーッ!!≫

         ワ ア ア  ア ア  ア  ――――――――――――   !!!

一撃を撃った姿勢を引き、元の位置に戻るスミノフ。『加茂』と対峙するのは同じだが状況は変動する。

「……先に能力を見せるのは、やはり、私という事になりそうだな」

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□加三□□□三三□□■∴
∴■□□□Ⅲ□ス□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□□□□☆★三■∴∴
∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

?:加茂の現在地の可能性が高い位置。

□:闘技場内。各マス大きさは1x1mのコンクリタイル。マットは全面無し。
三:棚。加茂のギミック。高さは2mに満たない程度。『自販機』のように金具固定。
Ⅲ:棚に激突した棚。激突した先の棚は大きくゆがんだが、粉砕や崩壊までは行っていない。

■:壁。高さ『3m』ほど。凹凸が一切ない。コンクリート製。
  上には金網が張られ、観客席との行き来は不可能。
∴:壁の上にある観客席。『野球場』に近いイメージ。

凸:へし折った棚の根元部分だけが残っている。
★:謎の箱は完全に埋もれた。周囲にオフィス用品が散らばる。
☆:ボールペンはこのあたりに落ちたと思われる。

693スミノフ『デマーケイション』:2021/07/07(水) 07:40:04
>>692

(よし)

まだ能力の発動条件は見えていないが、押し込めるか。
いや、能力を出し惜しみするならそのままひき潰してしまおう。

「降りたらどうだ」

もしかすると高度もなにか関係しているのか。
いや、まだ分からない。
分からないことをああだこうだと考えるからここまで攻められる所で攻められていないのだろう。
臆病風に吹かれるな、果敢に攻めよ。
勝利に向かって吹く風はいつだって勝つものの背を押すものだ。

「それか能力を見せるかだ」

もう一度踏み込む。
今度は強く、打つ(パス精ACD)
完全に加茂が足場にして棚をぶち壊したいところだ。

694『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/08(木) 23:25:10
>>693

       《スミノフ選手ッ、踏み込みからァァーーーッ》

          「壊しに行ったか!」
                 「やっちまえェェーー!」

「……成る程、それもそうだ」 
                       <・・・・・・!>

       グ

既に一度棚を打つ『拳速』は『見せている』。
スミノフが敵の速さを知るのと同じ、敵もスミノフの速さの程を知るが故に。

            タンッ!

       〈加茂選手の武器は速度と精度。
        足場を奪うのは名案ですが、
        諸共に、とまでは行かないですね〉

片手を『先程見えていた紙片』を入れたとは逆の、
ジャケットのポケットに入れたまま……跳んだ!!
不安定な姿勢からの跳躍であっても、スタンドの有する高い精度がそれを失敗させない。

          ド

            ゴ 

             《強烈な一撃が、クリーンヒットォォッ!!
                まともに入れば一撃必殺は不可避!!
                  まずは対物で、その破壊力を示したッ!》

        ォ

       ォ
 
    ン
  !!
                  バ ギャ  アッ  !!!

対し、スミノフの破壊もまた『必然』の暴力。
今度こそ全力で打たれた棚は、歪みを越え! ボルト固定ごと床材のコンクリートが抉れ!!

         ド    ガ    

――――――――――――――――吹き飛び!!
        
                         ァァァァ  ン!!!!!!!!!!!

            「うおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!?」
                  「席までビリビリ衝撃が来たぜ! もっと壊せスミノーーーーフ!!!」
                                「加茂ッ!! ビビんなよ!!!」

ステージを囲む、平らなコンクリート壁に激突!
その轟音と破壊を見下ろすように、超跳躍力によって歓声に満ちる空に身を投げ出した加茂は――

695『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/08(木) 23:30:06

「能力を働かせる――――――『サイコ・システム』」 


     シュピ!

手を、居合の如き高速にてポケットから引き抜き――――    

                『ピラ』

――紙片! 『いつ』『なぜ』それがあるのかはわからない。
先程見せたのとは若干……模様の異なる紙片だ。
その細かい意匠にどのような意味があるのかは分からない。

                               『カション』

だが、『それ』を『逆の手の甲』へと『差し込みながら』、
加茂は、スミノフと交差するように跳んで来ている!

                     <加茂選手――――『サイコ・システム』の身体制動なら、
                       あの跳び方でも蹴りを入れられるでしょうね。
                        逆に言えばスミノフ選手も迎撃は可能な位置取りですが>

           ≪ここに来てついに交差するか、2つの『武装』ッ!
              獅子の拳が勝つか、それとも仕事人の靴が頭を垂れさせるかァーーーッ!!!≫

      ワ  ア   ア    ア    ア    ア   ァ―――――――――――――    ・ ・ ・  !

要は、ポケットから物を出しながら跳び、空いた側の手に出した物を触れさせた。
身体能力を活かした行動、だが、その『意図』は不明だ。確実なことは――――『能力が、来る』。

                                                                    カ チャ ・ ・ ・

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□加□□□□□□□■∴
∴■××□□ス□□三三□□■∴
∴■□□□Ⅲ□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□□□□☆★三■∴∴
∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

□:闘技場内。各マス大きさは1x1mのコンクリタイル。マットは全面無し。
三:棚。加茂のギミック。高さは2mに満たない程度。『自販機』のように金具固定。
×:ボルト固定がコンクリごと吹き飛んで、壁に激突した棚。かなり大きくゆがんでしまった。
Ⅲ:棚に激突した棚。激突した先の棚は大きくゆがんだが、粉砕や崩壊までは行っていない。

■:壁。高さ『3m』ほど。凹凸が一切ない。コンクリート製。
  上には金網が張られ、観客席との行き来は不可能。
∴:壁の上にある観客席。『野球場』に近いイメージ。

凸:へし折った棚の根元部分だけが残っている。現状は確認出来ていない。
★:謎の箱は完全に埋もれた。周囲にオフィス用品が散らばる。現状は確認出来ていない。
☆:ボールペンはこのあたりに落ちたと思われる。現状は確認出来ていない。

696スミノフ『デマーケイション』:2021/07/09(金) 21:51:54
>>695

「あぁ、来なよ」

構えを解き、ゆらりと腕を振る。
『髑髏』を切り離し浮遊させる。
能力の発動は確実。
問題はこちらが対応する側に回されること。

(札を切るタイミングは考えるぜ)

能力によるシーソーゲーム、相手がこちらを押し込むのを防ぐ。
出鼻をくじく。

「俺はやる」

跳躍。
マップ左下一コマの位置に向かって相手を見ながら跳ぶ。

697『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/10(土) 00:39:32
>>696(確認)
>マップ左下一コマの位置に向かって相手を見ながら跳ぶ。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□加□□□□□□□■∴
∴■××□□ス□□三三□□■∴
∴■□□□Ⅲ□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□□□□☆★三■∴∴
∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

跳ぶ位置は左下1マス=激突させた棚のあるマスで間違いなかったでしょうか?

698スミノフ『デマーケイション』:2021/07/10(土) 00:47:46
>>697

棚のマスのひとつ左隣でお願いします

699『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/10(土) 03:06:14
>>696

スミノフがしたのは『回避』――――『犬の髑髏』を一つ切り離し、跳ねたという事。
複雑な動きをする加茂と異なり、シンプル故にその挙動は早く、そして、速い。
                                        
          「構えを変えた、ボクシングだけじゃねーのか!?」
                 「喧嘩屋なら何でもありが基本だろ!」
                    「それより何かしら、あの――――『ドクロ』?」

                ≪スミノフ選手ッ、身を翻すように跳ねてェーーー!≫

                   ヒュ

「! 読んでいたのか――――――」

                      ン

                  ≪これによりッ! 『挟撃』を逃れたァーーーッ!!!≫
 
                                  「あァーーーー!?!?」
                                     「惜しいッ……!!」

                オ ォ ォ ォ ―――――――――――――――――  

歓声。回避に、或いは位置取りに専念したスミノフは、声を沸かせた『それ』を見た。
加茂が先ほど投じ、床に転がっていた『ボールペン』が――――彼の手に向けて飛来して来ていた!
仮にその場で迎え撃っていれば、アレが背中に突き刺さっていたのだろう。

                 パシ

「それとも運も実力のうち、と言う話なら」

                    <双方、己の手札を開示しましたが――――
                      スミノフ選手の能力は未だ『動き』は見えません。
                      対する加茂選手は、『サイコ・システム』の十八番ですね>

                  「運が良いぜ、あいつ!」 「運だけじゃない。
                                   迷いが無かった……」

                        「スミノフゥーッ!! やるからには徹底的にやれよッッ!」

         ワ ア ア ――――――――――――ッ

「……それはそれで、厄介な新人研修になるんだろうな」

                    ダンッ      ≪加茂選手が着地し、両者位置を変えて睨み合うッ!
                              先ほどまでと異なるのは、やはりあの『髑髏』かァーーーー!?
                              スミノフ選手の『能力』が遂にベールを脱ごうとしているぞッ!!!≫

キャッチしたボールペンを右手に持ち、着地してスミノフ選手の動きを見計らう『加茂』。左手はジャケットのポケットに入っている。
                         

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□□加□□□□□□■∴
∴■××□□□□□三三□□■∴
∴■□□スⅢ□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□□□□□★三■∴∴
∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

□:闘技場内。各マス大きさは1x1mのコンクリタイル。マットは全面無し。
三:棚。加茂のギミック。高さは2mに満たない程度。『自販機』のように金具固定。
×:ボルト固定がコンクリごと吹き飛んで、壁に激突した棚。かなり大きくゆがんでしまった。
Ⅲ:棚に激突した棚。激突した先の棚は大きくゆがんだが、粉砕や崩壊までは行っていない。

■:壁。高さ『3m』ほど。凹凸が一切ない。コンクリート製。
  上には金網が張られ、観客席との行き来は不可能。
∴:壁の上にある観客席。『野球場』に近いイメージ。

凸:へし折った棚の根元部分だけが残っている。現状は確認出来ていない。
★:謎の箱は完全に埋もれた。周囲にオフィス用品が散らばる。現状は確認出来ていない。

700スミノフ『デマーケイション』:2021/07/10(土) 11:19:10
>>699

「喧嘩慣れしてるもんでね。前にだけに目が着いてるわけじゃねぇんだよ」

(触れたもんを取り寄せるのか……それとも別の解釈か……)

しかし投げたボールペンが返ってきたのは間違いない。
となるとあの箱や壊した棚が動くことも可能性としてある。
着地場所は少し読み違えたかもしれない。
だが、攻める。

「それと」

「ボクシングだぜ、これもな」

>>696 メ欄→着地、再跳躍準備

つま先、膝と曲げて衝撃を吸収。
そしてもう一度跳ぶ。
狙うのは加茂。
緩めて振っていた腕を勢いよく大きく振ってのフック(パス精ACD)

「ナジーム・ハメドのスタイルだ」

701『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/11(日) 00:00:54
‭‭>>700‬‬

‭‭対峙からの様子見、そこからの第二ラウンド?‬‬
‭‭そんな筋書きは、スミノフの前には存在しない。『猛攻』だ!‬‬

‭‭             《あぁーッとスミノフ選手、止まらないッ!!‬‬
‭‭              足を休めたのではなく溜めていたッ!‬‬
‭‭              ボクシングの蹴り技ッ!! 即ちッ!‬‬
‭‭              圧倒的フットワークによる追撃だァーッ!!》 ‬‬

‭‭‭「ハメド・スタイル……ッ」‬‬‬

‭‭           〈回避自体が次の一撃への布石……‬‬
‭‭            スミノフ選手の格闘センスが、一手先でしたね〉‬‬

‭‭   グ ‬‬
‭‭    ジュ!!‬‬

‭‭「くぉッ」‬
                 「カス当たりか!?」‬‬
‭                「いや……いや見ろッ!!!」‬

‭‭敵は動き出せば高速、だが動くまでは人の速さ。‬‬‬
‭‭バックステップでの回避で直撃こそ免れたが――‬‬

‭             オオォォォオオ  オオオオ ー‬

‭‭「…………………ッ、面目を潰されるとは、まさに……この事だな」‬‬

‭‭              《なんと、直撃せずともぉーッ!!!‬‬
‭‭                白兵の間合い、その縄張りに入れば!‬‬
‭‭                  スミノフ選手の拳は容易く奪い去るッッッ!!!》 ‬‬

‭‭            ビシャァッ ・ ・ ・‬‬

702『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/11(日) 00:01:05
‭‭
                   〈あの鼻血、持久戦は不利になりましたね〉

‭     オオォォォ   ーーーーーーッッッ ‬

‭‭鼻が、潰れている。いや『崩れている』。‬‬
‭‭肉と骨が潰れ大量の流血――――殆ど『機械事故』並の負傷だった。‬‬

‭‭                タッ ‬‬
‭‭                                      …カション‬‬

‭‭「…………お返し、だ」‬‬

‭‭そして南東方向に駆け出しながら、先程回収した『ボールペン』を投じて来る。‬‬
‭‭高速かつ精密、狙いは顔面。単調な一撃ではある、だが効果的でもある……‬‬

‭‭                     「加茂ぉーッ、日和ったら負けんぞぉ!!」‬‬
‭‭                         「ルーキーの方が気張ってるじゃんかよォ」‬‬
‭‭                         
‭‭∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴‬‬
‭‭∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴‬‬
‭‭∴∴■三□□□□□□□三■∴∴‬‬
‭‭∴■□□□□□加□□□□□■∴‬‬
‭‭∴■××□ス□□□三三□□■∴‬‬
‭‭∴■□□□Ⅲ□□□□□□□■∴‬‬
‭‭∴■□□□□□□□□□□□■∴‬‬
‭‭∴■□□三三□□□三三□□■∴‬‬
‭‭∴■□□□□□□□□□□□■∴‬‬
‭‭∴∴■三□□□□□□★三■∴∴‬‬
‭‭∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴‬‬
‭‭∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴‬‬

‭‭□:闘技場内。各マス大きさは1x1mのコンクリタイル。マットは全面無し。‬‬
‭‭三:棚。加茂のギミック。高さは2mに満たない程度。『自販機』のように金具固定。‬‬
‭‭×:ボルト固定がコンクリごと吹き飛んで、壁に激突した棚。かなり大きくゆがんでしまった。‬‬
‭‭Ⅲ:棚に激突した棚。激突した先の棚は大きくゆがんだが、粉砕や崩壊までは行っていない。‬‬

‭‭■:壁。高さ『3m』ほど。凹凸が一切ない。コンクリート製。‬‬
‭‭  上には金網が張られ、観客席との行き来は不可能。‬‬
‭‭∴:壁の上にある観客席。『野球場』に近いイメージ。‬‬

‭‭凸:へし折った棚の根元部分だけが残っている。現状は確認出来ていない。‬‬
‭‭★:謎の箱は完全に埋もれた。周囲にオフィス用品が散らばる。現状は確認出来ていない。‬‬

703スミノフ『デマーケイション』:2021/07/11(日) 02:03:26
>>701-702

「……そうだなァ」

ハメド・スタイル。
嘘ではないが、完璧ではない。
このスタイルを実現することが出来るのは『デマーケイション』によるパワーの高さゆえだ。
雑な攻撃しか出来ないがその威力は強烈。
その高威力の一撃を持つが故に、足の動きに集中さえすればかろうじてそれを実現できる。
だが、それでいい。
スミノフのスタイルはもっと粗暴で総合的だ。

(ボールペン……もっかい戻すか……いや、音がした)

(入れた音か出した音か。入れた音に賭けろ……!)

ぐっと姿勢を下げる。
ボールペンはかわす、それは簡単だ。
問題は能力の対象に取っているのはどれかということで。

(……ボールペンが戻るか、追ってきた所狙って箱戻すか)

(俺だったら、棚だが……!)

姿勢は下げたまま。
手を伸ばして掴み、棚を相手に向かって放る(パス精ACD)

「お前は強い。だから、それは逃走じゃないと分かる」

704『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/12(月) 14:16:36
‭‭>>703

‭「――――! 逃げを選んだなら、追ってくる方に賭けていたが」‬

‭       《‬あぁーーーーッと! 棚が奇妙な動きをしたぞォッ!‬
‭        スミノフ選手の豪腕と、加茂選手の能力、‬
‭‭        双方の仕掛けが、かち合った結果かァーッ!!》 ‬‬‬

‭‭‭                      「ボールペンと棚、これで二つか!」‬‬‬
‭‭‭                 「加茂のやつ、逃げたのは作戦かよ!」‬‬‬
‭‭‭                   「ルーキー……やはり冴えてる」‬‬‬

‭‭‭棚を投げる、その動作が完遂されていないにも関わらず、‬‬‬
‭‭‭投げようとした棚が――『加茂』へと引き寄せられる!‬‬‬
‭‭‬
‭「これはこれで、悪い結果ではない……とはいえ」‬

‭‭ボールペンの際と違い速度は人並み程度であり、‬‬‬
‭‭‭なおかつ、その勢いも人並み……スミノフの投擲では無い!‬‬‬
‭‭‭ ‬‬‬
‭‭‭                 バシッ ・・・‬‬‬

‭‭‭投げた威力が無い。衝突も無い。棚は、加茂の前で停止した。‬‬‬
‭‭‭想像通りだったのだ。加茂は棚を自分へと引き寄せていた。‬‬‬
‭‭‭つまり、スミノフに『追わせ』て、棚と自分の間に入れる事で、‬‬‬
‭‭‭棚によってスミノフを弾き潰そうとする策謀を『崩した』のだ。‬‬‬

‭‭‭「『サイコ・システム』が…………読めてきた、という所か」‬‬‬

‭                 ワ  ア ア ア ーーーーー ‬

‭‭‭棚の向こうから、加茂の声が届く。声だけではない。‬‬‬
‭‭‭歪んだ棚、中身のない棚ゆえその姿は棚越しにも見える。‬‬‬
‭‭‭鼻血で濁った声、血濡れの顔。だが闘志は未だ純。‬‬‬

‭‭‭「そして読み終わるより早く、殴り潰すつもりでいるんだろうな?」‬‬‬

‭                〈加茂選手は、あくまでも『待ち』ですね。‬
‭                 速度差を活かしての白兵も彼は出来ますが、‬
‭                 スミノフ選手の能力を警戒しているのでしょう〉‬

‭そして・・・棚から南方向に姿を表す。投擲後のスミノフと再び直線上。‬
‭接近はして来ない。視線は、浮遊する犬の髑髏にも向いている。‬

705『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/12(月) 14:16:48

‭‭‭‭‭∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭∴∴■三□□□□□□□三■∴∴‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭∴■□□□□□Ⅲ□□□□□■∴‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭∴■××□ス□□加三三□□■∴‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭∴■☆□□□□□□□□□□■∴‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭∴■□□□□□□□□□□□■∴‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭∴■□□三三□□□三三□□■∴‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭∴■□□□□□□□□□□□■∴‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭∴∴■三□□□□□□★三■∴∴‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴‬‬‬‬‬

‭‭‭‭‭□:闘技場内。各マス大きさは1x1mのコンクリタイル。マットは全面無し。‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭三:棚。加茂のギミック。高さは2mに満たない程度。『自販機』のように金具固定。‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭×:ボルト固定がコンクリごと吹き飛んで、壁に激突した棚。かなり大きくゆがんでしまった。‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭Ⅲ:スミノフが投げようとし、加茂の方に引き寄せられた棚。現在立った状態で止まっている。‬‬‬

‭‭‭‭‭■:壁。高さ『3m』ほど。凹凸が一切ない。コンクリート製。‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭  上には金網が張られ、観客席との行き来は不可能。‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭∴:壁の上にある観客席。『野球場』に近いイメージ。‬‬‬‬‬

‭‭‭‭‭凸:へし折った棚の根元部分だけが残っている。現状は確認出来ていない。‬‬‬
‭☆:ボールペンはこの辺りに落ちたと思われる。‬‬‬‬‬
‭‭‭‭‭★:謎の箱は完全に埋もれた。周囲にオフィス用品が散らばる。現状は確認出来ていない。‬‬‬‬

706スミノフ『デマーケイション』:2021/07/12(月) 23:11:02
>>704-705

「そうしたいんだけどさぁ」

「そうやってご期待に沿うのもどうなのかって話さ」

積んでいく。
読みを重ね、繋げていく。
全てはそうやって勝ちへと向かう。

「……」

(どうすっかなぁ……位置的にこのまま動いてって追わせた背に引き寄せて当てるって感じか……?)

(今までの行動自体がブラフの可能性もあるが)

ピーカブースタイルに構えて姿勢は低く、タックルするように突進していく。

(両腕は上げとく、一応ガードの体勢はとっとかねぇと)

707『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/13(火) 01:15:58
>>706

「ふ、言われるがままに動くのも……そう悪いものではない。
 尤も、そういう生き方を好む人間には、見えないがな」
 
               ≪スミノフ選手ッ、攻める攻めるッ、攻めまくるッ!!
                 やはりこの男の猛攻には休まる間など無いのかァーーー!!!≫

                      <ガードの余地は残していますね。
                        猪突猛進とは真逆、格闘技術です>

「『サイコ・システム』―――――――」

           ド
                   ド 
                          ドド

突進するスミノフ――――――――加茂はそれを見据え、
血を吐き捨てて、手の甲のパネルに指先を這わせる。

「潰れるのは、どちらかな」

                      ―――― カショッ
                                   『パラパラ』

手の甲から『紙片』が一枚飛び出、それが崩れるように解除される。

                           ガ  タ

そして『棚』がガタリと音を立てた。間違いない、『能力』が来る!
だが、この突進が命中するまでの『間』も、それ程は無いはずだ―――――!

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□□□Ⅲ□□□□□■∴
∴■××□□ス□加三三□□■∴
∴■☆□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□□□□□★三■∴∴
∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

□:闘技場内。各マス大きさは1x1mのコンクリタイル。マットは全面無し。
三:棚。加茂のギミック。高さは2mに満たない程度。『自販機』のように金具固定。
×:ボルト固定がコンクリごと吹き飛んで、壁に激突した棚。かなり大きくゆがんでしまった。
Ⅲ:スミノフが投げようとし、加茂の方に引き寄せられた棚。現在立った状態で止まっている。

■:壁。高さ『3m』ほど。凹凸が一切ない。コンクリート製。
  上には金網が張られ、観客席との行き来は不可能。
∴:壁の上にある観客席。『野球場』に近いイメージ。

凸:へし折った棚の根元部分だけが残っている。現状は確認出来ていない。
‭☆:ボールペンはこの辺りに落ちたと思われる。
★:謎の箱は完全に埋もれた。周囲にオフィス用品が散らばる。現状は確認出来ていない。

708スミノフ『デマーケイション』:2021/07/13(火) 02:19:09
>>707

>>706 メ欄 タックルは敵前で停止

「その通り」

ぴたり。
止まる。
急停止。

「……」

(髑髏は反応してねぇ……あれは能力の対象じゃない……)

切り返す。
足を進めるのは棚の方。

(一か八かだ。俺の覚えが正しけりゃあ箱も向こうにあったはず)

(正確な位置は分からない、だからこれが外れれば一撃貰うのは覚悟の上……!)

棚を受け止める(パス精ACD)
することはそれだけだ。

「全部ぶっ潰して勝ち切るぜ……!」

709『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/14(水) 05:35:51
>>708

            「タックルを……止めたッ!?」
              「なんだァ、当てれば勝って……」

見えない第三者が動かしている――
そうした類の能力では無い、という事なのだろう。
能力自体を活かせるシチュエーションでは無い。
だが、加茂は『髑髏』への警戒を『怠れない』。

     ガ

         ゴン!! 

         《スミノフ選手、受け止めたァァァッ!》

      オオオ
            オオオ    
                 オオォォ ォ

そして動き出す棚は、剛腕を振り切るほどでは無い。
勢い付く前に、即座に止めに行ったのも要因だった。
    
       〈動き出す前に止めるの自体は、
        一つの無難な手ではあります。
        ですが……タックルからの切替。
        咄嗟の判断が、非常に早いですね〉

          「早いんじゃない、読んでたのねッ」
           「とはいえ手は塞がっちまったぞ!」
            「加茂ォォッッ、今だッ! やれぇッッ!!」
 
――――そしてスミノフは感じ取る。
この棚の動きは『加茂への引き寄せ』では『ない』。
より南側、正確な位置までは不明だがそれは確かだ。
いずれにせよ、受け止めた直後に勢いは消えた。       

「予定とは違ったが――
 力をこちらに向けられない瞬間も、待っていた」

            タッ
    
          《この受けは見事ッ!
           しかして加茂選手には焦りは無しッ!
           地を蹴り駆け出し、白兵に挑むぅーッ!!》

棚を受け止めたスミノフに対して、
加茂は左手をポケットに入れ、南から回り込んで駆け寄って来る――!

(いくら超絶の腕力でも、大きな物を振り回すには若干の間が空く。
 見たところ、それを補える程の精度も速度も彼の動きからは感じない。
 ……その間があれば一撃を入れて離脱することは可能、保険も掛けてはおくが)

「やはり、潰れるのは――ルーキー、お前の方だ」

                   ―― シュピン

この至近距離、対応する余地は殆ど無い。大きな動きは困難だ。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□□スⅢ□□□□□■∴
∴■××□□□加□三三□□■∴
∴■☆□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□□□□□★三■∴∴
∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

710スミノフ『デマーケイション』:2021/07/14(水) 09:53:55
>>709

「『ロールアップ』! 打ち込め、今しかねぇ!」

『髑髏』にそれらしい事を叫んで手に力を入れる。
棚を押し下げるようにして自分の体を上にあげるとだ。
敵をよく見ろ、動きをよく見ておくんだ。

(これが上手くいってもいかなくても加茂ちゃんは気付く)

『髑髏』の優位を失う、それでもまだ足への切り替えは気付かれていない。

(そろそろ、切り替え時だ。頭のだがな)

小手調べはそろそろ終わりにしよう。
枷を外す時は近い。

711『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/15(木) 01:30:10
>>710

スミノフは腕の力で棚を地面に押し下げ、反動で身を持ち上げる。
その視界から外す事のない敵、加茂は――――

             「加茂の『アレ』が出るんじゃねーか!?」
                           「いや……」

「――――――!」

        シャコン!        『ピシッ!』

             ≪迫る加茂選手の足を止めてみせたのはッ
              未だ未知なる、最後の伏せ札だッ!!
              スミノフ選手の隠し玉が出るかァァーーーー!?≫

「―――……ブラフ」
                タッ

          「日和りすぎなんだよォォー!! さっさとスミノフに潰されろッ!」
              「逆だ、スミノフが謎を残して戦ってやがるのが効いてるッ!!」

            <加茂選手、回避動作――――
             彼は慎重すぎる所がありますからね。
             ですが、この攻防で『判断』はついたようです>

「か、その髑髏。少なくとも――――――防御の駒ではないな」 

スミノフの声に、加茂は全ての慣性を失ったかのように急停止し、
バックステップをして距離を取って――――『気付いた』。

                ≪これは互いに札そのものは見せ終えたかァッ!?
                 ここからの攻防はその先にある物、
                 如何にして切るかッ、躱すか、重ねるかァー!!≫

正しくはまだ半信半疑かもしれない。
だが、ここまでの攻防のように、
髑髏の『未知』を武器とした攻防は難しくなる。

                 タタッ

「なら――――――その速度と精度で一撃を当てるのと、
 『サイコ・システム』の打撃でお前を倒すのと、どちらが早いかの話だ」

                           「今度こそやれェェェーーーー!」
                         「スミノフ、まだあるんだろぉぉ〜〜〜!」

バックステップから体勢を戻し、右手を顔の前。身を小さくした突撃姿勢で、加茂が来る。
彼の言葉は大言壮語とも限らない。『デマーケイション』。振るうだけなら躱される可能性はある。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□□スⅢ□□□□□■∴
∴■××□□□□□三三□□■∴
∴■☆□□□加□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□□□□□★三■∴∴
∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

712スミノフ『デマーケイション』:2021/07/15(木) 22:17:46
>>711

「ちょっとずつ見えてきたろ、俺のやり口が」

加茂に体を向ける。
もうボクシングの構えを取る必要もない。
札を切った、髑髏に疑惑を向けていてもこれが防御に使えないことは知られている。
次に知られるのは攻撃に転用できないことだ。

「……昔、こんな与太話を道場でしたなぁ」

「もしも相手が自分を追尾するミサイルのスイッチを持ってるとして、どう倒すかってな」

ボクサーの振りはやめだ。
スミノフは喧嘩屋だ。

「答えはひとつ、スイッチを押す前にぶん殴って気絶させること」

ゆっくりと歩き出す。

「加茂ちゃんが今からすることはそう言うことだ。俺が押す絶命のスイッチを止めなきゃ行けねぇ」

顔面をカバーしつつ前進だ。

713『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/16(金) 03:37:13
>>712

加茂へと進む。スミノフ本来のスタイルで。まっすぐと――――

「ああ、大体わかった。一度しか通じないが、効果的な手口ではある。
 そういう『知恵』は一つや二つではないんだろう? 喧嘩の知恵は」

                   ≪加茂選手ッ、スミノフ選手共に前進ッ!!
                     ここに至り肉弾戦となるかァァァーーー!!≫

                               「ぶん殴られて御仕舞いでしょ!」
                             「いいや、ルーキーの拳は粗い。
                              加茂なら見てからでも躱せるだろ!」

「それと、その話。答えは同感だ。
 どんな武器でも、撃たれるより先に潰せばないのと同じ」

距離が詰まっていく。
あと2m少し、から、1m50cm―――――――その時だった。

「切らないカードに、意味はないのだからな」

                   <鼻血が止まっていない以上、加茂選手は、
                     膠着はすればするほど不利になります。
                     ―――――あとは、どう捌き切るか。
                     あるいは撃たれる前に撃破するか。
                     スミノフ選手の見立ては正しい――――>

                    <決着は案外近いかもしれませんね>

                   ク
                        ンッ

                       「加茂ぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーー!」
                                        
                               「スミノフッ、そのまま押し込めェェ〜〜〜!!!」

加茂の姿が消えた―――――違う。
より姿勢を低め、スミノフの視界から身を消したのだ。
顔をカバーしているゆえに視界が狭まっている今、
それが起こった瞬間に即応は出来ない。一瞬の間が空いてしまう。

                             オ  オ オ オ ・・・

歓声が鎮まって聴こえるのは――――状況故だろう。

下を見る間があるか――――――『下から来る』それは間違いない。だが『何をして来る』?
対応を誤れば間違いなく速度差で『一撃』を受ける。『受ける前提』の手もあり得る、が――――


∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□□□Ⅲ□□□□□■∴
∴■××□□ス□□三三□□■∴
∴■☆□□□加□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□□□□□★三■∴∴
∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

714スミノフ『デマーケイション』:2021/07/16(金) 12:09:09
>>713

(加茂ちゃんも全部の札を切ってるわけじゃねぇ)

(例えばあの能力を自分にも適応出来るとしたらどうする?)

(あのキューブがなんなのかもまだ不明だぜ)

下から来る。
どうくる。
下の角度からくる攻撃というのは少なくない。
アッパーカット、膝蹴り、それらのオーソドックスなところから変則的なフックや後転の勢いを使っての蹴りなど。
加茂のスタンドの速度なら問題なく可能な範囲だ。
だが、そんなことをするのか?
加茂という闘士がその手を取るのか?
この場でそんな魅せる技をするのか?
その答えを見抜かねばならない、その答えを考えなければならない。

(胴体狙うと思ったがな……)

その場で手を背後の床に着くように回る。
姿勢を低くした分動きはコンパクトに、かつ足の間から相手の様子を見ることが出来る。
上半身はより低い位置になり、胴体でも頭でもどこを狙っていても対応できる。

「『デマーケイション』」

その意味は境界、部外者を弾き出すその能力ゆえか。
しかし、スミノフが最初に感じたのはそれに由来するという理由ではない。
スミノフは知っている。
それは残酷なまでに切り分けられる。

「足に移動しろ」

勝者敗者の境界線。
『デマーケイション』を足に移動させる。

715『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/17(土) 03:18:49
>>714

             「加茂ォォォーーーー! やれっ、『直帰』で決めろォォォッッッ!!!」

                   ク
                    ル
                           ≪スミノフ選手、身を翻したッ!
                               だがあくまで退かないィィーッ!≫
               ッ!
                         「な、何してんだスミノフゥーーー!?」
                       「バカ、よく見ろ……あれは上手いッ!!」

                   <あの姿勢、股下から加茂選手を視認出来ます。
                     ボクシングスタイルを捨てただけではなく、
                     効率的な『喧嘩の型』を、彼は持っているんですね>

「――――――――!!!」

単にしゃがんで迎撃するのではない。
『回転』し背中を向け、なおかつ足の間から姿を見る事で不意打ちを防ぐ。
背に腹は代えられない――――まさにその言葉通り、『背中』は『盾』になる。

                   ≪加茂選手、跳ねたァァーーーーー!
                      飛び越える、いやその勢いで突撃を選んだかッ!!≫

そして、股下から見た加茂の動きは地を蹴り跳ねるような『タックル』だ。
スミノフに対する組技は自殺行為にも思えるが、
何らかの『勝算』があった、という事なのだろう。
単純に、この速度で跳んだ成人男性の質量が、
まともに腹に直撃すれば『強烈』ではある。

だが、いずれにせよ――――スミノフの動きに、焦りの顔を見せている!
         
    「くッ」    「だが」

                           『 ガ ギン 』

    「……『サイコ・システム』の速度なら、 
       背中からでも無事では―――――!?」

                        <―――――スタンドが、脚に!?>

                   ≪なんとッ!! 観客諸君ッ!! アレが見えているかァァァーーーー!!
                     驚くべき光景ッ! スミノフ選手の『デマーケイション』が『脚』を覆った!
                      拳だけではないッ! 彼の喧嘩殺法同様、変幻自在かァァーーー!!?≫     

                           <纏う場所を変えられるスタンド……ここまで隠していた、ようです> 

「――――――隠し玉を、持っていたか!」

                       シャコンッ 
                                『パラパラ』 

そして――――隠してきた『デマーケイション』の脚への移動。
だが加茂はそれを見ても怯んで足を止めはしない、いや、一度跳ねた以上は止められはしない。

716『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/17(土) 03:22:16

元より高速の加茂が、『サイコ・システム』が。ポケットに入れていた左手を抜き。
同時にポケットの中から『紙片』が舞い、崩壊――――――――――

「ぐッ……『サイコ・システム』の精度なら、攻撃を修正する事は出来るッ!」

                    ズ
                                        「良いのが入ったァ!」
                                    「いや、浅い――――!」
                         ゴン
                                   <加茂選手の『サイコ・システム』は、
                                      特定条件下で『超高速』の動きが可能。
                                      それを活かす事こそできましたが――――>

―――――――それと同時に、スミノフの背に『神速』の右肘が突き刺さる!
全体重を乗せた砲弾のような跳躍突撃ではなく、跳躍の勢いを活かした『肘打ち』。
だが、そのスイングはタイミングが合い切っておらず、骨を砕く程の威力はない!

「………………!」
                              <『必殺』足りえないのは、スミノフ選手の姿勢。
                                そして元々予定していたタックル攻撃から、
                                急遽『肘打ち』に切り替えたゆえの……>

                         ≪――――――――さあスミノフ選手どう動くゥーーーー!!!!≫

何より功を奏したのは――――『地面に着いていた手』。打たれても姿勢が、崩れずに済む!!
解説が正しいなら、そしてスミノフのみた光景に裏が無いのであれば、
加茂は寸前までタックルを当てようとしていたのを、姿勢と『脚の装甲』を見て急に肘に変えた。

『能力を隠していたから』ではなく、白兵戦における『スミノフ』の『喧嘩殺法』が勝った!

         ・・・決死の形相の背後の加茂は、肘打ちを終えたこの瞬間、まだ着地に至っていない!
                            瞬間だ。全ては『次の瞬間』に起きる―――――!

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□□□Ⅲ□□□□□■∴
∴■××□□ス□□三三□□■∴
∴■☆□□□加□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□□□□□★三■∴∴
∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

717<削除>:<削除>
<削除>

718スミノフ『デマーケイション』:2021/07/17(土) 11:10:48
>>715-716

(懐かしい形だ)

かつての戦い、カーバンクルを取り合うあの時に似た形になったことがある。
あの時は決めきれなかった。
だから、ここは確実に決める。
逆立ちではなく、明確な意思を持っての一撃で。

(ハボ・ジ・アハイア……この体勢からでも打てる技だが)

『デマーケイション』の精密性で行われるそれは技ではない。
荒っぽく、技の表面をなぞるような攻撃。
だが当たれば十分。
当てられれば十分。

「言ったろ、鴨撃ちだって」

「さぁ、スイッチが押されるか逃げるかだが……?」

足を振り上げ、加茂に向かって一撃を見舞う(パス精ACD)

719『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/18(日) 03:02:38
>>718

『デマーケイション』――猛威を『正面突破』しようとする敵は、多くはあるまい。
だが、あの時との違いは、スミノフの『狙い澄ました』型である事。
圧倒的『破壊力』と、類稀な『鉄の強度』を振るう代償は、精度の低下。
故にこそ拳や脚だけでなく、『頭』で狙い澄ます事が『殺法』となる!

                         「加茂ッ」
                   《――――コンパクトな動きッ!!》

           ド
              ゴ

                ォ
                 ン

                  《されど強烈ゥゥゥゥーーーーーー!!!》

                       「加茂ォォォーーーーー!」
                          「ついに当たったッ! やったんじゃねえか!」

                <カポエイラのような動きです、スミノフ選手。
                 動作制度は高くはないようですが、
                 それを補っているのは本人の工夫ですね>

――――『回避不能』。
                       「いやギリで腕を噛ませたッ!」
                      「そんなん死んでねえってだけだろ」
     「が」                    「スミノフゥゥ〜〜〜〜!!!!」
 
   「ああ」

ポケットから抜いたばかりの『左手』で受けたようだが、
そのような生半可なガードが通用するような威力の筈はない。
骨を砕く感触。腕ごと、ガードの下の身体にも痛烈な衝撃が入った。手ごたえだ。

       「ぁ」

          「ッ」

重々しい衝撃と共に軽々と吹き飛んだ加茂は、『南側』の入場口に背から落下する。

                       シュゥゥゥゥ ――――― ・・・

                <踏み込みや体重移動を伴わないあの一撃でさえ、
                 クリーンヒットならば沈んでいたでしょう。
                 腕一本で、辛うじてそれは防いだ形です。
                 とはいえ、ダメージは腕だけでは済んでいない……>

             《だが、スミノフ選手の受けた一撃も軽くはないッ!!
               泣いても笑っても、決着は最早待ったなしだァァァーーー!》

「……グ、う……」

軽くはない。実況はそう言うがスミノフとしては動けない程ではない。痛みは燃えてきたが。
試合終了のゴングは、まだ鳴っていない。だが、加茂にそれほどの余力があるとは見えない。

               シュピン

無事な右手から出てきた紙片が、彼の傍に落ちる。彼は――――上体を辛うじて起こしスミノフを見遣る。
 
                                            ・・・『まだやる気だ』。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□□□Ⅲ□□□□□■∴
∴■××□□ス□□三三□□■∴
∴■☆□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□□□□□★三■∴∴
∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■加□□■■∴∴∴∴

720スミノフ『デマーケイション』:2021/07/18(日) 10:45:46
>>719

「一つ、思ったことがある」

ゆっくりと立ち上がりながら言葉を発する。
敵を見やる、加茂を見ている。

「俺は強くなる、より強くなる」

「闘争が好きだし、知力でも財力でもなく、この暴力でのし上がる気でいる」

この法治国家において、ひどく時代錯誤な価値観だ。
それを理解した上で、スミノフはそれを実行する。
だが、疑問なのは。

「アンタはなんなんだ」

「俺でも理解できるくらいのサラリーマン気質」

「ルールの囲いの中にいりゃあ人生それなりなんじゃあないのか……?」

闘争の世界に身を置かなくても人は生きていける。
スタンド使いでありながらアリーナを避けて歩くことは出来るはずだ。
一歩、また一歩と足を進める。

「あんたは、どうしたいのかね」

距離を詰める。

「さて、スイッチの押し方も様々」

「両手両足の四種、されど四択にあらず」

床が砕けるほど思い切り踏み締めて(パス精ACD)構える。

「挿しなよ、加茂ちゃん」

「次で最後にしよう」

721『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/19(月) 04:00:47
>>720

「そうだな」

実況が何かを叫んでいる。観客もだ。闘士二匹の名を叫んでいる。
解説は黙して次の局面を待つ。どれも同じだ。向き合う獣に外の声は必要ではない。

「それなりの大学を出た。それなりの会社に入った。
 出世もそれなりのスピードだ。
 無論、今後どうなるかは分からないが、
 ――――――――『それなりの人生』に満足はしている」

                ペッ 
                    ビチャ

「『それなり』だ」

上体を起こし、血の混じった唾を吐く。

                シャコン

傍に落ちた紙片に、彼は無事な左手を添えた。

「ここはお前達のような闘争に生きる者にとって天への階段だが、
 囲いの中に生きながら闘争を愛する者にとっては、地上の楽園だ。
 どれだけ殴ろうと、殴られようと、次は保障され、明日がある。
 怨恨も、激怒も、狂気も、恐怖も無く、闘争の為の闘争が待っている」

紙片は手に飲まれ、次の瞬間。

(……囲いの中で生きる羊にこそ、お前達の生きる荒野の景色は美しく見える。
 だが囲いを超えれば待っているのは現実だ。生き残るのはお前のような狼だけだ。
 ――――羊の身でそれを制する悦楽は。この場所だけで得られる)

「私は『闘いたい』――――そして『貪りたい』」
 
                    グ
                 イ

                   ン!!

「これで幕引きだ、スミノフ。
 ―――――――『サイコ・システム』」

―――――――『スミノフ』自身の身体が、『加茂』へと『引き寄せられる感覚』がある。
地面を踏みしめている今、耐える事は出来ているが、踏み出そうとすれば間違いなく『崩される』。
そうなれば、待ち構え呼吸を整える加茂はその隙を逃すまい。『どうする』?

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□□□Ⅲ□□□□□■∴
∴■××□□□□□三三□□■∴
∴■☆□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□ス□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□□□□□★三■∴∴
∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■加□□■■∴∴∴∴

722スミノフ『デマーケイション』:2021/07/19(月) 13:30:23
>>721

>>720 メ欄(つま先に瓦礫)

「なんだよ寂しがり屋だな」

「プレゼントくれてやろう」

踏み砕いた瓦礫を蹴り飛ばす(パス精ACD)
隙を作られるならこちらも隙を作らせてもらおう。
そして、引き寄せられようがられまいが関係なく前進して距離を詰める。

「加茂ちゃん……」

「……ぶっ潰す!」

723『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/20(火) 17:12:39
>>722
                    <スミノフ選手、『サイコ・システム』を受けながらも、
                       圧倒的な『踏みしめる』力によって崩されません>

                 《それも織り込み済みの『装備移動』だったのかァッ!!
                  あるいは、運命の女神のほほえみかッ!?
                  しかし気を抜けば『引かれる』のは変わらぬ状況!》

「ハッ……お前と違って、群れないと安心できない性分でな」

                         ガ
                              「駄目押しの瓦礫散弾ッ!?」
                     ゴッ!!         「いや、あのパワーじゃ……」

つま先で蹴った瓦礫は、『デマーケイション』の精度と破壊力では、
過度に砕けすぎて加茂に重傷を負わせるほどのサイズを残さない。

        「……ッ」
                        <スミノフ選手は優位の状況ですが、
                          油断をせずに進めていきます。
                          その選択は、正しいでしょうね>

が、細か過ぎるゆえにガードする事も出来ない。
反撃の為に開けていた目を、一時的に閉ざす事には成功した――――――
対する加茂は。

「来い―――――――!!」

                             《加茂選手は待ちの構えッ!!
                               カウンターにすべてを賭けるゥゥーーー!!》

                        シャコン
                               『パラパラ』

その『手から』『紙片』が再度飛び出し――――――――崩れ、消えた。最後の交錯は近い。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□□□Ⅲ□□□□□■∴
∴■××□□□□□三三□□■∴
∴■☆□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□ス□□□★三■∴∴
∴∴∴■□三□□□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■加□□■■∴∴∴∴

724スミノフ『デマーケイション』:2021/07/20(火) 20:26:32
>>723

「打ち込む……」

(打ち込む……)

内面と外面の一致。
打ち込め、打ち込め、打ち込め、打ち込め。
差すべきは何か、打つべきは何か。

(『デマーケイション』の一撃は大雑把だ)

通常、この精密性では敵の体を捉えるのは難しい。
同時にスタートしても加茂が勝つ以上、あと一手、あと一手が足りない。

(……一手、か)

スミノフは選びとる。
選んだのは、前蹴り。
腕で顔を守りつつ、足を伸ばして敵を蹴り抜くということ(パス精ACD)

「下がるなよ」

加茂の位置は入場口の前、これ以上下がれば闘技場から出てしまう。
この場面でそれはやらないはずだ。
であれば、かわせるのは前か横。
ガードされるということは無い。
なら、相手の動きはそのどちらか。
どちらでもいい、どちらでもいいのだ。
蹴りを放つと同時に『デマーケイション』を腕に位置変更をする。
移動のラグはあるだろうが、本命は拳の方だ。
蹴りは撒き餌だ、札を切るのは加茂の方だ。

725『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/21(水) 01:35:31
>>724

打ち込む。その一念に心を燃やす。スミノフは燃えている。 

           《スミノフ選手、リング際の獲物を追い詰めるゥゥーーーー!》

                  <リングを出れば『リングアウト』――――
                    数多の試合を経験済みの加茂選手でしたら、
                    その意味するところも、よくご存知の筈です。
                    勝利を目的とする以上、後ろへの逃走は叶いません>

「下がらないさ。下がればリングの外だ。そこでは闘えない。
 目を潰されても、片手が砕けていても、下がる事だけはしない。
 お前が近付いてくるのだけは、この薄目でも見えている」

         フラ ・・・

「それで」

「踏ませようと思っていたが――――――――『脚を上げたな』」
   
                                     ドサ
               「加茂ぉぉぉーーーーー」
                      「まだだ、終わってねえぞ……!」
                   「スミノフゥゥ終わらせろォォーーーー!!!!」

起こしていた上体が再び倒れ、加茂は床に背を付けた。
加茂は『上体を起こした(>>721)』だけで、立ち上がってはいない。
だからこそ、蹴った瓦礫の粒で『目を閉じさせる(>>723)』結果を生んでいた。
前蹴りが刺さるとしたら、起こしていた顔面以外にはない。『狭い的』だ。
だからこそ、それは本命では無かった訳だが――――――

                                『ギュ

                                  オン!!!』

                        「加茂にはまだ残ってるッ!
                          『サイコ・システム』が――――」

           ワ ア ア ア ア ァ ―――――――――――――――

蹴りを放った瞬間のスミノフの身体が、『再び引き寄せられた』(パスCB相当)

先ほどとは違う。腕は顔のガードに使われ、脚は片足だ。
更に、『蹴りを放つと同時』に『腕』に装甲を移したことにより、
回避の結果を見てから、『踏ん張るため』に怪力を発揮は出来ない。
引き寄せる力は人間並みだが、速度という『勢い』が加わり、抵抗を赦さない。

                      《あーーーっとォ!!!
                        スミノフ選手、ここで引き寄せを受けたッ!!》

                  <勝負は時の運もあります。
                    ――――加茂選手も狙っただけではない。
                    攻撃のため脚に装甲を残さなかったのは、『偶然』でしょう>

ゆえに蹴り脚が加茂に突き刺さる事はなく、姿勢は崩れ、『引っ張られる』。
どこに? 『前方』だ。ならば『加茂』に? ――――――――『違う』! 『斜め前』だ。
『開始位置』だ。この距離なら分かる。スミノフは『試合開始位置』へと、『引き寄せられる』!

              グ

「お前の顔色は良く見えないが――――
 お前が『どこに帰るか』は、試合開始時から『決まっている』」

                          <あとはそれを勝敗に結び付けられるか、
                            それとも、ねじ伏せる事が出来るかです>

                       グ

     「『サイコ・システム』……『出勤』させ、『退勤させる』」

加茂は――――引き寄せられるスミノフを視界に捉えながら。
全身と、残る左手のバネを使い、恐らくは精度に任せ『蹴り』を放ってくるだろう――――その予兆の、動きだ。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□三□□□三□■∴∴∴
∴∴■三□□□□□□□三■∴∴
∴■□□□□□Ⅲ□□□□□■∴
∴■××□□□□□三三□□■∴
∴■☆□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□三三□□□三三□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■三□□□□□□★三■∴∴
∴∴∴■□三□ス□凸□■∴∴∴
∴∴∴∴■■加□□■■∴∴∴∴

726スミノフ『デマーケイション』:2021/07/21(水) 21:43:52
>>725

「だから」

「なんだって言うんだよ加茂ちゃん」

出した足で踏み込む。
深く、深く、根を張るように強く。

「行って帰るなんて、本気で思ってるのか?」

「酔っ払いは……ゴミ捨て場で寝るのがお似合いだ」

左フックを放つ(パス精ACD)
加茂から見て右側からの攻撃だ。
壊れた腕であることを置いても、この一撃は防げない。
そして、加茂の左側には壁。
例えクリーンヒットしなくとも、弾き飛ばされる衝撃そのまま壁に叩きつけられろ。
こちらが攻撃を受けてもいい、こちらの攻撃が当たるのならば……!

727『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/22(木) 03:15:49
>>726
 
                        「蹴りが刺さればそっから繋げられる!」
                           「グラウンドに引き込んでもあのパワーじゃ……」
                        「加茂なら! 殴られる前にオトせんだろ!」

左手を軸にし、寝た状態から跳ね上がるような、
精度任せの無理矢理な蹴り――――
それが加茂の選んだ『一手』だった。
だが、それが何であれスミノフの拳は変わらなかっただろう。

          ド                    「あ、あいつ」
                                 「一切、止まらねえ!?!?」
                ゴ
               ン
                            「あぁァーーーっ……!!」
                   !!!

                       《入ったァァァーーーーーー!!!!
                         双方の一撃が、今交差したッ!
                          ――――――――――――!!》

スミノフの胴にも一撃が入る。
同時に、スミノフの拳も、加茂に突き刺さり。

                    <『交差』してしまった。それが『要因』ですね。 
                      勝つためには拳を振るわれるより早く、
                      一撃を見舞って更なる隙を作る必要がありました。
                      姿勢が崩れ、能力を受けた状況なら初動は遅れ得た。
                      ですが―――――――――――>

「良い――――仕事」
                              「加茂ぉぉぉーーーー!」
                              「まだ、まだやれんだろぉー!?」
               ドッ

紙のように吹き飛んだその身は、壁に叩きつけられ――――――

              「だっ」

                   <スミノフ選手は、状況に迷わず拳を振り抜いた。
                      それが、『勝敗』を分けた要因になるでしょう>

          ド                 「た」
                      ・・・           サッ

スタンドが、解除された。
同時に鳴り響くのは。

                          《――――――決着ゥゥゥーーーーーー!!!
                           今夜のメーンイベント、勝利の女神を掴み取ったのは、
                           圧倒的破壊力とクールな戦術眼ッ!!
                           大型ルーキー、『スミノフ』ゥウゥーーーーーーーーッ!!!!》

        ワ ア ア ア ア ァァァアアアアアアアアアアアアアア ――――――――――――!!!!!

                『カン!』
                          『カン!』

                                  『カァーーーーーーーーーン!!!』

勝敗を告げる鐘の音。――――――――『喧嘩屋』の牙は、『仕事人』を捉えてみせたのだ。

728スミノフ『デマーケイション』:2021/07/22(木) 06:26:11
>>727

《スミノフ、今どき流行らねぇよ》

───うるせぇ

《そんなにやりてぇなら海外にでも行け》

───黙ってろ

《いつまでもガキみてぇなことしてんなよ》

───燃えカスはそこで見てろ

俺は、俺を全うする。
この拳と体はどこまで行けるか、それを知るまで。
線引きしてやる、お前ら一歩を踏み出せなくなった奴らとの『境界線』だよ。

(あぁ……思い出すな……)

打つ、打つ、打つ、打つ。
ただ、打ち込む。
打ち込めば。
打ち込んだならば。
ほら。

「……」

「……もし」

「ここが中央だったなら、負けてたのは俺かもな」

「いい、喧嘩だった」

倒れていない、倒れたのは相手だ。
勝った、らしい。
疲れた。
アドレナリンが出てるうちはまだ元気だが。
ゆるゆると加茂の傍により声をかける。

「おつかれ」

終わったらしい。
なら、これでいい。
それでいい。
努力しないものなんてここにはいない。
加茂も勝利のために多くのものを積んだだろう。
それをジェンガのように崩してしまったのはスミノフだ。

「ふぅ……やってやったぜ」

拳を上げて勝ち名乗りとする。
今度は闘技場の中央に。
さっさと帰ってもいいのだが興行としておわらせよう。

「あ。マイクねーのマイク」

マイクを欲求するジェスチャーをする。

729『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/23(金) 02:04:48
>>728

加茂に意識は無いようだが、死んではいないし、死なせる事もないだろう。
彼は笑っている。闘争を噛み締めてか、新たな勝者を祝してかは、分からない。
控室の方から医療班らしき白服の者たちが向かってくるのも、見えていた。

    ウ              「スミノフッ!!」

                「スミノフゥー!」
 「『デマーケイション』!
   まだ底を見せちゃねーんだろ!!」
                              「加茂のヤローッ!
                                 次は勝てよォ!」 
          オ オ オ
                 オ オ オ    「イキのいい新人じゃねえか!
                            2戦目は俺に当てろ桜島ァーーーー!」

   《本日ッ!! 会場に居合わせた者たちは幸運であるッ!!
         これが『始まり』であるにせよ!
    あるいは『今夜限り』の大花火であったにせよッ!!》

       《由緒ある闘技場に、新たな『名』が刻まれたッ!! 
         その豪腕で、消えないクレーターを作り上げたァ!!》
 
                オオオオオ
「やりやがるぜルーキーッ」
  「はンッ、初戦の利を活かしたってだけでしょ!」   「いいや、あいつは強ェー」        
                                      「加茂ォッ!! また来いよ!!」 
  「あのパワー、攻略しがいがあるワ……」   
                                       「まだやれただろ加茂〜〜〜ッ!」
              オ オ ――――――――――!!
                                         「スミノーーーーフ!!」
闘志は肯定され、観る者たちに火を点ける。
ここは『闘技場』――――獣でも、奴隷でもない者達が、己が望む闘いへ臨むステージ。
勿論ここにいる全員が闘士という訳ではないのだろう。だが、誰もが今、燃えている。


   <それでは――――――――勝者から、一言をいただきましょう>

 
                   『フ
                    ワ』

頭上の観客席から、解説の女がスミノフに向けて『羽』を投げ落とす。
それはひらひらと落ちてきて――――――スミノフの手に収まると、『マイク』になった。

        シ
          ィィィ ―――――――――――――――――――
                                  ン


ほんの僅かな時間かもしれない。誰もが勝者の言葉を待つ瞬間があった。
さながら嵐の前の静けさ。そして嵐とは、スミノフだ。『興行』を締めくくる、その言葉を待っている。

730スミノフ『デマーケイション』:2021/07/23(金) 10:08:51
>>729

「おつかれ」

まず、そう発した。
インタビューやコメントは喧嘩にはないものだ。

「いいもん見ただろ」

「ここはクラブじゃねぇから……まぁバーカンもなさそうだし一緒には遊べない感じだな」

「だから各々、これから飲みに行くなりなんなりしてメインの後のデザートなりなんなり楽しんでくれ」

なんてことないことをなんてことないように言う。
これはイントロダクションだ。
後に言いたいことは言う。

「で、だ」

「まさかと思うが……店でとりあえずビールだとか」

「家で飲むのが混ぜもんばっかの9パーセントの酎ハイじゃねぇよな?」

「誰が今日勝った? 何を飲むべきか、思い出すべきはなにか」

「しっかり刻んでやったろ? 頼むぜ、そのあたり」

「で、本題なんだけど」

変わらぬ雰囲気。
だが、言いたいことはこちらの方。

「俺の能力ってやつは多人数戦向きなんだよ。ぶっちゃけ、ここじゃあほぼ使えねぇ」

別にあかしてしまっていいだろう。
一から十まで説明してしまう訳では無いが。
スミノフのマイクパフォーマンスは続く。

「でもどうだ? 俺は今日、俺の頭とこの剛力ってやつで勝ったろ」

一つ、区切って。

「『アリーナ』……喧嘩、売らせてもらうぜ」

「俺のは人型でもねぇ。必殺の仕掛けもねぇ。だが、強い。虎は武器を持たなくても強ぇのと変わらねぇ」

「読み合い仕掛け合いを叩いて砕く。格闘士には未体験の痛みを、客には爽快な結末を」

「このアリーナの暴力、それを独占させてもらう」

「文句あるなら、俺と遊ぼうぜ」

笑う。
血湧き肉躍る、それを求めている。
脳内物質で脳漿を満たして、薬物なしに高高度のフライトを実現する。
スミノフは己の道を選ぶ。

「またこの闘技場で会おうぜ」

そう言って、闘技場から出ていく。

731『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/24(土) 23:49:18
>>730

加茂が担架に載せられて搬送されていく中、言葉が響く。
スミノフは語る。アリーナの場で勝利を勝ち取った喧嘩屋の言葉を。
客達はそれを聞く。水を差すものはいない。闘士も、そうでないものも、
求めているのは暴れる事ではなく、『闘い』だからだ。

                「ケッ…………!」

 「………………へえ」

                「………………………」

さながらスポーツ観戦のような統率された熱気。
然し、その枠を焼き焦がすような灼熱の沈黙。
誰もが声を上げる瞬間を待つ。幾重もの闘争心がスミノフに降りかかる。

       「スミノフゥゥゥゥゥウウウ!!!!!」
          「また来いよー!!」 「悪くねえ試合だったぞ〜〜〜〜!」

               「名前覚えたぜッ!
                闘技場(アリーナ)からぜってぇ逃げんなよ!!」

   「痛い目見せてあげるワ! とびっきり刺激的なのをネ!!」

―――――――――その瞬間は、スミノフが踵を返したその時だ。

            「スミノフーーーーーーー!!!」
                  「絶対俺に当てろよォ!
                   アリーナの床の味を教えてやりてェ!!」


  《――――――――――以上、今夜の興行はこれにて閉幕とするッッッ!!!
   スミノフ選手、加茂選手、その両名に惜しみなき賞賛と、次戦への期待を贈ろう!!》

          「また魅せてくれよ!
            お前のファイト!!」
                        「文句だらけですよ!
                         言い逃げだけはさせませんからね!」

   オ オ オ オ オ オ オ ――――――――――――――― !!!!

          《そして――――――――幕はまた、すぐに開かれる!!
           滾る闘志を抑えられない者は、この後『試合登録』の受付を行うので!
           望むならば会場に残り、係の者の指示に従うようにッ!!!》

                  《お帰りの方は忘れ物や落とし物の無いようにッッ!!!》

声を背に、スミノフは舞台を去る。

「―――――――見てましたよ! 新たなスターの誕生ですね?」

控室に繋がる通路で、『吾妻』が立っていた。もちろん茶化す為ではない。手には分厚い『封筒』だ。

732スミノフ『デマーケイション』:2021/07/25(日) 01:33:13
>>731

「そいつはどーも」

封筒に向かって手を伸ばす。
報酬ということでいいだろう。

「まぁ、俺がやったら地味になるとは思うからな。これで盛り上がったろ」

そう言って伸びをする。
医務室など行くべき場所があるならそこに行こう。

「闘技場にいる間はアリーナの人間として喧嘩させてもらうぜ」

「別件でかち合ったら、その時は敵だがね」

くっくと笑った。

733『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/26(月) 00:37:14
>>732

封筒には確かな重みと厚みがあった。
吾妻は特に何を言うでもなくそれを渡して来る。
仕事には、報酬を。『当然』のやり取りだから。

「戦うのが強いだけじゃスターにはなれない。
 あんなバッチリの『興行』をやって貰えると、
 俺らとしては、本当に助かりますね!」

        ニッ

「『アリーナ』はいつでも二戦目を待ってますんで!
 金でも、闘いでも、足りなくなったら、
 いつでも門を叩きに来て下さい。
 出来れば、『ウチ』でやる試合の門を、ね。
 結構、似合いのステージだと思いますよ?」

アリーナでもロクでもない派閥ってのはあるんで、
と付け加えて、スマートフォンを見せる吾妻。

「ちょうど前教えた番号が、その『門』になるんで。
 敵として『宣戦布告』に使われないのを祈ってますよ!」

彼の携帯は今後もアリーナの窓口として使えそうだ。
友好的にであれ、敵対的にであれ…………

「傷は…………そんなでもないですよね?
 一応医務室で軽ーく検査だけやってるんでェー、
 それだけ受けてもらえると、ありがたいですね!」

それが終われば帰って良いだろうし、
それは恐らく何事もなく終わるだろう。
ここで何かあるなら、今のうちと考えて良さそうだ。

734スミノフ『デマーケイション』:2021/07/26(月) 13:16:54
>>733

報酬の封筒は適当にポケットにねじ込んでおく。
別にカバンとかもないのだから。

「しっかり魅せたろ」

「派閥に関してはまぁ、俺は外様だからな。気にはしといてやるが」

医務室に行こう。
今はあの闘技場に戻る必要も無い。

「行ってくるわ、医務室」

735『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/26(月) 23:00:19
>>734

「ええ、『ファン』も増えたと思いますよ?
 物販で出すグッズも、
 次までには良いのを用意しないとですね!」

         ニカッ

「とはいえ、そーゆーのは俺らが気にする事なんで!
 スミノフさんは――闘士たちは『闘争』を。
 俺は、それを出来て楽しめる『場』の用意を」

「持ちつ持たれつ、今後とも御贔屓にして下さい!
 それじゃー、帰りの車は用意してますんで。
 次も味方で会いましょう!」

          ペコ

お辞儀する吾妻の元を去り、医務室に向かう。
背中に受けた一撃は鈍い痛みこそ伝えて来るが、
それほど後を引く傷のようには思えず、
実際、医師の診察も『打撲』との事で、
湿布だけを渡された――ごく普通の湿布だ。

「――お疲れ様でした。
 期待以上の風邪を吹き込んできた、ようですね。
 お帰りは自宅に? それとも、歓楽街にでも?」

外に出ると、『駒野』とその車が待機していた。
後はこれに乗れば、今日の闘いは、仕事は終業だ。

736スミノフ『デマーケイション』:2021/07/27(火) 00:24:28
>>735

「へぇ。じゃあ今度からサングラスしとこ」

割と本気でそう思う。
あれだけの数の人間に見られたし、あの中にスタンド使いもいるだろう。
面倒事はいつだって知らぬうちにやってくる。

「あぁ、またな」

医務室で湿布を貰って車に乗り込む。
窓の外の景色を見つつ、腕を組む。

「歓楽街の方に」

飲む相手はいない。
一人でいい、騒ぐだけが酒の楽しみ方じゃあない。

「……いい、喧嘩だった」

願わくば加茂という人物に、あの男に多くの幸があらんことを。

「……くぁ」

737『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/28(水) 00:46:50
>>736

「裏の連中はあんたの顔、結構覚えてきてますよ」と。
吾妻もまた、本気で『サングラス』を肯定していたようだった。
尤も、知れ渡ったのは悪名ではなく、勇名だ。
それもまた面倒を招きはするだろうが――――悪い物でもない。


「分かりました。……着いたら起こしますので、ご自由に」

 
           ブ   ォ ォ ―――――――――  ン

車は夜の街へと駆けていく。
ギラギラと輝く闘技場は、車窓の外のネオンの波に取り残されていく。
だが、そこに戻る『権利』は既に得ている。誰もが勝者の帰還を待っている。



「『加茂』氏は今夜も良い仕事をしてくれたッ! 敗戦ではあったが、
 客達は『闘技』を十分に楽しめたのは、彼の働きあってこそッ!!
 だが…………『スミノフ』氏は『スター闘士』になり得る逸材だッ!
 だが、そのためには彼がより『活きる』ステージを用意する必要があるだろう!」

「ええ、ウチもそう思ってますぅ。舞台の方も目途は立ちましたし。
 抱えとる例の案件が済んだら、やりましょか。
                               バトロワ
               ―――――C級闘士を集めた、『多人数試合』」


               ―――――――――――或いは、相応しい舞台と共に。


スミノフ『デマーケイション』→『背中に打撲』『全治1週間』『入院不要』
                  『30万円』『吾妻の連絡先』獲得。

                       『我らの仕事はスタンド使い』→おしまい。

738『我らの仕事はスタンド使い』:2021/07/30(金) 06:03:42

【C級闘士】『加茂 時政』のスタンド。
サイバー調な三つ揃えのスーツの『纏うタイプ』。
元々スーツを着ている場合は、どれに一体化して発現する。
両手の甲を覆うガントレット部には『パネル』が存在し、
視認は難しいが、後述の紙片が出るスリットがある。

触れたものの『タイムカード』を作る能力。
物体に触れてから数拍ほどのラグの後、
両手のいずれかから『紙片』が排出される。

この紙片を改めて『手』に接触させる事で、
能力対象を『出勤』させる事が可能である。
そして出勤させた後、手でパネルに触れることにより、
一回だけ、その対象を『退勤』させられる。

出勤とはこのスタンドに向けて引き寄せる事であり、
退勤とは、対象を『初期配置』に向け引き戻す事である。
どこが初期配置であるかは、原則は発現時点の位置に基づき、
自力で持ち上がらない物は引き寄せ・引き戻しの勢いがやや遅くなる。

『サイコ・システム』 Psycho System
破壊力:C スピード:B 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:B 成長性:D

739『露顕する瑕 ―N県某医療施設にて』:2021/10/30(土) 19:25:13

    Pi
           ウィー ・・・  ン 

                                       ガチャリ

「――――――笹暮サぁーン、最近は具合いかがです?」

              「見ての通り『『まだ入院が必要』だ。
               それで診断書も問題なく出るだろう。
               ……それで。例の件を探っている人間は?」

「分かりやすいのがおったら話が早かったんやけどねえ。
 あの期間に何があったんかを気にしとる派閥は多少あるけど」

              「『桜島派』は、そうなるだろうな……
               あとはお前らと『そりの合わない』
               『威武派』といった連中も、か」
 
「ええ、やけどその辺は表向きの報告で、これも表向きは納得しとる。
 そんで笹暮サンは勿論、草間も監視役以外は誰も接触してへん。
 ――――あ、如月サンだけは顛末を気にしとったけど」

               「――――――俺としては如月も『容疑者』だ。
                介在していた以上顛末を気にするのは自然だが、
                介在していたという事実そのものが疑いになる。
                信頼できるのは、俺自身と、お前だけ。
                お前がそこに含まれているのも、状況証拠でしかない」

740『露顕する瑕 ―N県某医療施設にて』:2021/10/30(土) 19:27:48


 ・ ・ ・
「『内通者』――――嫌やねえ。
 ま、ま、如月サンにももちろん、何も教えとりませんよ。
 とはいえ、イデオロギーを考えたら――――っちゅうのは身内贔屓か」
               
              「……あの時『紅鏡町』を知っていた人間だけが、
               『イズ』らの一味に俺の行動を横流しできた。
               草間輝矢への情報班の『仕事』を踏まえれば、、
               あいつらの『バック』には、確実に『影』がある」

「まあ――――単なる情報系かもしれへんから、
 決めてかかりは出来へんのが、厄介な世界やわほんま」

               「ああ……いずれにせよ『処理』の算段が立つまでは、
                俺の現況は引き続き、『誘引剤』として伏せておこう。
                ――――そういえば、『出雲明』はどうなった?
                本業ではないとはいえ、彼の状況には俺の責任もある」

「ああ、出雲クン。スタンド酷使の後遺症はまだ残っとります。
 本人の気質としても、ファイターにするのは向かんやろうね……やから」

                  バサッ
 
                          「――――これは?」

「今日来たんは面談だけやなくって……
 『スカウト担当者』にはやっぱ一応、一報入れとくべきやと思ってね。
 作りましたわ。あのヒトの能力に、適任の仕事。『漣派』と『桜島派』の合同事業。

             ――――『バトロワルール』には、欠かせへん人材としての、ね」


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