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【ミ】『想貌』

1 『敗残者』 :2019/01/18(金) 00:26:01
彼らは何処へ消えたのか――――

【過】『武闘列伝』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453728318/

2 『スリル!』 :2019/01/18(金) 00:53:27


     「チャオ、……聞けッ! チャオ!」


 誰が、こんな名前を付けたのだろう。

  エクリプス
 『 月 蝕 』だなんて、一時の幻になぞらえて――――


    「アイツが、『タダヒト』が来やがる……。
                    . . .
     アダージョもヤラれた、あの方も――――」


吹き飛んだ四肢に目をくれることはなく
『兄貴』は『 』を掴み、オレへと放り投げる。


    「行け、それを持って……遠くに逃げろ!」


    「お前が、やるんだよ……! チャオ!」


用意した愛車に乗る度、やれ助手席がキツいだの、荷物を減らせだの、
文句ばかりタレていた『兄貴』の『残骸』は、オレが背負えるくらいには、軽くなっていた。


    「――――そうだ、それでいいんだ……」


そう、思ったはずなのに。


    「     .   . .   。 」


                       ・


                       ・


                       ・

3 『スリル!』 :2019/01/18(金) 01:28:25


「ヘッヘッヘッ、『平石基』さんで、らっしゃいますねェ?」


夕方、『平石』が児童公園を横切ろうとした時だった。
薄汚れたベンチに腰掛けていた『浮浪者』が立ち上がり、
せむしの痩躯を引きずるように、歩み寄ってくる。


   「怪しい、……者ではあるんですがねェ」

   「『真っ当』なお話を、しに来たんでさァ」


不気味にもヘラついた笑みを浮かべた『浮浪者』は、
腐った卵のような臭いを醸し出しながら、『平石』の手の届く位置まで近づく。


   「アタシの名は、『曳舟利和』。

    この通り、『仲介人』をやらせて頂いとりますわ」


         スススゥゥ――――


せむしの身体を丸めて、卑屈なまでの辞儀と共に、
差し出された『名刺』には、こう書かれている。


         <仲介人  曳舟利和>


   「一晩で、『百万円』が稼げる『請負』を、

    ドンと引き受けて頂ける、『スタンド使い』をご所望でらっしゃる」


   「それが、アタシの『クライアント』の『需要』でさァ」


『名刺』が手に取られるのを待ちわびるように、『曳舟』は探り目を入れてくる。


(※『平石』はスタンド能力、持ち物、背格好の開示をお願いします。)

4 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/18(金) 17:58:48
『キック・イン・ザ・ドア』:
体の所々が歯車で構成される人型のヴィジョン。
手から『歯車』を生み出す。
『歯車』を機械に差し込むと、機械は『歯車』という異物に反応する。

破壊力:B スピード:B  射程距離:E
持続力:C 精密動作性:C 成長性:D

【基本】
・体の所々が歯車で構成される人型のヴィジョン。
・DFあり。視聴覚共有なし。
・手から『歯車』を生み出せる。
・『歯車』を機械に差し込むことで能力が発動する。

【歯車】
・スタンドの手から発現されるスタンド物質。
・大きさは最小で百円玉、最大で拳ほどの大きさの範囲なら自由。
・パBで破壊される。
・一度に発現できる数は2つ。
・機械に触れた場合のみ、透過する様に内部に差し込める。

【停止】
・侵入した『歯車』によって機械の動作が滞り、機械が『停止』すること。
・『歯車』全体が差し込まれた後、即座に発動する。
・『停止』できる時間は『1秒』から『10秒』の間で侵入させる時に自由に設定できる。
・『停止』は電源が落ちるなど外見的にも停止しているとわかる状態になる。
・時間経過後、即座に起動し『停止』前に行っていた機能を実行する。

【暴走】
・『歯車』同士が噛み合い、機械全体に作用すること。
・『停止』している対象にもう一つ『歯車』を差し込むと発動する。
・『停止』を解除し、差し込む際に本体が指示した動作を行い続ける。
・この状態の機械に触れる、操作を行おうとすると機械からパCの衝撃による『反発』が行われる。
・指定された『停止』の時間が経過した後、機械は破損し『暴走』も終了する。


平石基:
身長189cm。スーツに革のトレンチコート着用。履物は同じく革製の登山ブーツ。
所持品は『スマートフォン』『財布(免許証と保険証とポイントカードが2枚と、3242円)』『煙草とライター』。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「…」

怪しい男だ。
だが名刺を手に取る。

「あんたは『オレの名前』と」 大事なことなので、言葉を一旦切って、「『スタンド使い』ってことを知ってるんだな」
「……余計なお世話だろうけど、風呂は入った方が『感染症』とか『病気』のリスクを減らせるよ……」

ヘキエキしつつ、『話の続きを』、うながそう。

5 『スリル!』 :2019/01/18(金) 21:23:58
>>4(平石)
差し出された名刺を手に取ると、
『曳舟』は揉み手をしながら、後ずさっていく。

長身の『平石』と相まって、その『卑屈さ』が協調される。

>「あんたは『オレの名前』と」

>「『スタンド使い』ってことを知ってるんだな」


   「勿論、でごぜェやす」

>「……余計なお世話だろうけど、
>風呂は入った方が『感染症』とか『病気』のリスクを減らせるよ……」


   「勿論、でごぜェやす……。

    ……が、『平石』の旦那に依頼する『仕事』に比べれば、
    ノミやシラミ程度、歯牙にもかけねェことですわなぁ……」


      ガサ          「数週間前から、尋常じゃあない頻度で、
                    『煽り運転』での『死亡事故』が、急増してるのは、
          ゴソ       ――――『平石』の旦那なら、存じてましたかねェ?」


『防寒具』も兼ねていたのであろう。
『曳舟』の服の下から取り出された『新聞紙』には、
ビッシリと『星見町』での『交通事故』について、記載されている。


    「今、『世間』で騒がれてるにも拘わらず、

     ――――何より、事故車の『ドライブレコーダー』には、
     他の『車両』が映っていなかった、唯の『一台』も、……ヘヘッ」


『スタンド』に目覚めたばかりだが、『平石』はあることに気付いている。
“スタンドヴィジョンは『テレビ』や『ビデオ』には映らない”、その法則に。


    「『スタンド車両』の『煽り運転』を、
     旦那の『キック・イン・ザ・ドア』で、『撲滅』していただけやせんかァ?」


目ヤニとデキモノに隠れた『曳舟』の両目が、鈍い輝きを見せる。
それが『本題』だと、『平石』に告げているのだ。

6 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/18(金) 23:47:22
>>5

>   「勿論、でごぜェやす」

そうだろう。当然、ってわけだ。

>   「勿論、でごぜェやす……。

>    ……が、『平石』の旦那に依頼する『仕事』に比べれば、
>    ノミやシラミ程度、歯牙にもかけねェことですわなぁ……」

そうなんだろう。当たり前のことだ。

>      ガサ          「数週間前から、尋常じゃあない頻度で、
>                    『煽り運転』での『死亡事故』が、急増してるのは、
>          ゴソ       ――――『平石』の旦那なら、存じてましたかねェ?」

勿論だ。新聞で防寒してるわけじゃないけどな。

>    「今、『世間』で騒がれてるにも拘わらず、

>     ――――何より、事故車の『ドライブレコーダー』には、
>     他の『車両』が映っていなかった、唯の『一台』も、……ヘヘッ」

「…」「それは、」
「そうなのか? じゃあ…いや、それは」「知らなかったな」

平石基は日常生活で『車両を運転する』ことは少ない。
だから、自身の実体験に基づくことのない『煽り運転の危険性』を実感してはいない(報道で知ってはいる)。
だから、

>    「『スタンド車両』の『煽り運転』を、
>     旦那の『キック・イン・ザ・ドア』で、『撲滅』していただけやせんかァ?」

興味は一つだ。『キック・イン・ザ・ドア』。現代文明機構を悉く――これは『平石基の解釈』だ――『武器化』せしめるその能力。
果たして。それは。『何』に対して。『どこまで』有効であるのか。『平石基はそれを知らない』。

「いいとも。『煽り運転』で人を傷つけるだなんて、同じ『運転免許証』を持ってる身としては切歯扼腕の思いでいたところだ。」
「こう見えて『時事』には敏感でね。まさに『渡りに船』ってやつだ。それもあんた『達』の思惑通りだとしてもだ」
「見る目はあると思うよ。『キック・イン・ザ・ドア』でなら、そう」
「『撃滅』してごらんにいれるとも」「『撲滅』より強めの言葉を使ったけど、弱そうに思うかい?」「自信の現れだと思ってくれよ。『曳舟』さん」

きっとそこには何かしらの『答え』があるだろう。
『何故』『オレはスタンド使いになったのか』。勿論、のことだが『曳舟』は――『だから、声をかけてきた』のだろう。

「(まあ、何だっていいさ。フツーじゃないんだ。フツーじゃないことなんて、いくらでも)」

「それで、『オレはどこに行けばいいんだ』?」

鈍い、『曳舟』の視線に真っ向から、微笑んで問う。

7 『スリル!』 :2019/01/19(土) 00:28:21
>>6(平石)
己に目覚めた『異能』は、果たして何処まで『通じる』のか。
何時の日かの『大通り』で、ふと脳裏を過ぎった『疑問』に、
『答え』を出すにはうってつけの『仕事』だと、『平石』は判断したのか――――


>「それで、『オレはどこに行けばいいんだ』?」


       「ヘッヘッヘッ、流石でさァ」            フ
                                    ァ
       「引き受けてくれると、 
         .この『曳舟』は確信しておりやしたァ」      サ.
                                     ・
                                    ・

下卑た笑みを浮かべる『曳舟』。
彼は恭しく一礼をすると、傍の『ベンチ』に近寄り、
手にした『古新聞』を敷き広げる。

                      . .
        「間もなく、『依頼人』の一派の方が、
            『平石』の旦那を迎えにやってきますわ」


        「あたしも、旦那ほどの『スタンド使い』を
         託せたとあっては、鼻も高々というものですわなァ」


        「さぁさぁ、どーぞお座り下せぇ。
           無糖と微糖、どっちがお好みですかァ〜〜〜〜ッッ」


     ジャラッ
              ジャラッ
                       ジャラッ    ..ジャリン


今日はまだ暖かいとはいえ、真冬の公園は決して心地よくはない。
『曳舟』は道路角の自販機に『小銭』を押し込んで、『平石』にコーヒーを買ってくれるらしい。
それを飲んでいる内に、迎えの者はやってくるのだろう。

8 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/19(土) 00:42:55
>>7
「……ありがとう」

座ろう。「微糖で」注文も忘れない。
そして、ならば、考えなければならない。『依頼』してくるなら、考えて分からないことは聞かなければならない。
思い出す。記憶を探る。分からなければ、『新聞』(臭うかもだが関係ない。必要なことだと思う)なり、『曳舟』に聞くなり、
スマホでニュースを調べるなり、あるいは『来たヤツ』に聞く――これは必ずやらなければ。

つまり、今日の今、このときまで発想すらしなかったことを。
それは何だ? そうだ。決まっている。

・『被害に合った車両の、どんな細かいことでもいい。車種でも、運転手の属性や性別でも、走行経路でも、『共通点』を、思い出し、探し、問い合わせたい。
・『共通点』が無ければ――可能な限り、今ここで出来る限り、『被害の状況』に関する情報を思い出そう(報道で知ってはいる、のだ)。

「…あっ」「熱いのはニガテなんだ、『つめた〜い』ヤツを」「あ、もう買った? じゃあだましだまし飲むよ、悪いな…」

どーでもいいが、平石基は、猫舌である。

9 『スリル!』 :2019/01/19(土) 01:23:25
>>8(平石)
『微糖』の缶コーヒーを片手に、『平石』は考える。
尻に敷かれた『新聞』や『ネットニュース』をソースに、
事件に対する『情報収集』を進める。

(※『曳舟』がボタンを押す寸前、『平石』の要望は間に合った。)

>・被害に合った『車両』の共通点。

『車両』は『大型トラック』から『スポーツカー』、果ては『バイク』まで。
車種に一貫性はないが、共通点は存在する。『場所』だ。

ここ数ヶ月の『自動車事故』が、全て『星見IC』から『湖東PA』の間、
およそ『20km』の範囲で集中的に起こっている。

事態を重く見た『高速道路』の『管理会社』が注意喚起をホームページに記載し、
それを発見したことで、『平石』にも解ったのだ。

>・『被害』の状況。

――――が、ここで『平石』は首を傾げる。
『自動車事故』は多い。……だが、『煽り運転』との報道はされていない。

『自動車』のスタンドが起こした『煽り運転』であれば、
当然ながら『目撃者』はいないので、唯の『事故』と処理されるはずだが、
一体、『曳舟』や『依頼人』は何を以って『煽り運転』だと言ったのか……。


              カァー
                              カァー

何時の間にか、どっぷりと日が暮れていた。
そして、『曳舟』もまた、気付かぬ間にその姿を消している。


              ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・  ・  ・

10 『スリル!』 :2019/01/19(土) 01:25:24

              ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・  ・  ・


     「かつて、この町には『エクリプス』と呼ばれる『組織』が暗躍してました」


     「その『悪行』に業を煮やした『スタンド使い』達が結集し、『討伐』を決行しました。
      かくして『悪』は滅びて、『星見町』には平穏な日々が戻ろうとしている――――」


『平石』を迎えに来たのは、二十代後半の『女性』だった。
『緒方』と名乗った女性は、ベンチで古新聞を読み耽る『平石』を怪訝そうに眺めていたが、
互いに事情を説明し、『平石』は緒方の運転する『ミニ・クーパー』に同乗する。


     「一命を取り留めた被害者は、ほとんどが『入院中』ですが、
      一人だけ、スタンドを『視認』出来る被害者が、
      あの『車両』の詳細を、教えてくれました」


『ミニ・クーパー』は事件現場を下見するため、『星見IC』へ向かっている。
彼女も『スタンド使い』のようだが、『平石』の他に請負人はいないらしい。


     「下品な『電飾』の施された、真っ赤な『アヴェンダドール』。
      かつて、『エクリプス』に所属していた、『運び屋のチャオ』の車です」


     「既に『再起不能』だと思っていましたが、
      まだ生き残っていたなんて、驚きです……」


     「そして、まだ性懲りもなく、悪事に手を染めていることも、
      ――――この町に、まだ『穢れ』が残っているなんて」


落ち着いたパンツルックの似合う女性だが、
『エクリプス』を語る口調には、押し殺した『憤り』が籠る。

11 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/19(土) 01:50:05
>>9-10

「………」「ああ、あんたの話は聞いてる」

『興味』は――『エクリプス』だとか、『討伐』だとか、『穢れ』だとか、そういうことには無い。
『アヴェンダドール』。『運び屋のチャオ』。『星見ICから湖東PA』。

「その、『一人だけ見える』って被害者が、『煽り運転』だと教えてくれたのか?」

おそらく、最初のあいさつ以降初めて、こちらから質問をする。
今のところは特に意味のない確認だ。だが疑問は解消しなければならない。
『共通点』は『範囲』だけ。理由は何だ? 被害車両で特定できない。極端な話、『現金輸送車を狙って襲う』みたいなことではないのはわかる。
目的がわからない。理解できない。『だったら』『何故』? 理由が無い――無視できない発想だ。激情の発露。
『穢れ』と断じる彼女には、これは言えない。『わけもなくブッ放したい』のは、『分からないこともない』、なんてことは。

「……オレはその『エクリプス』だとか何だとかは全然知らないんだが」
「怒らせる気はないけど、怒らせたら悪い。先に謝っておくが」
「そんなにヒドい連中だったのか? つまり、その、『もう滅んだ』ってのに、そんな悪し様に表現する(『穢れ』という言葉)ような?」

考えていたら何となく悪い気がしてきて、『緒方』との会話を試みてみる。

12 『スリル!』 :2019/01/19(土) 02:29:10
>>11(平石)
>「その、『一人だけ見える』って被害者が、
>『煽り運転』だと教えてくれたのか?」


    「ええ、執拗に張り付いて、挑発を繰り返したそうです」

    「そして、急接近する『アヴェンダドール』を避けようと、
     ハンドル操作を誤って、側壁に激突したと、後で伺いました」

    「『ブレーキ』も、間に合わなかったと――――」


『緒方』は事故の様子を痛々しそうに語る。
この口振りでは、現場の写真や被害者の容態を確認済みなのだろう。

       カッチ
                  カッチ
                             カッチ . .  .

そして、『平石』は『エクリプス』の『悪行』について問い掛ける。
交差点の信号待ちで『ミニ・クーパー』が停車し、タイミングも良かったのだ。

   「かつては『星見町』に『月』を墜落させようとした、……そう伺っております。
    おぞましい能力を用い、数多の人々を傷付け、もう帰らぬ方も少なくありません」

   「『運び屋のチャオ』も、彼が秘密裏に持ち込んだ物資の数々が、
    『エクリプス』を組織たらしめ、『悪事』に加担したのは間違いありません」

『緒方』は『平石』の質問を、『無神経』とは捉えなかったようだ。
淡々と、『憤り』を押し殺した口調で、その存在を説明していく。

   「勿論、『エクリプス』は、『組織』としては『壊滅』しました。

    ……しかし、その『残党』は潜伏し、闇に紛れて『悪行』に及んでいる。
    規模は小さくなったとしても、彼らのせいで、誰かが泣いている……」


      ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・  ・  ・


   「スタンドの『犯罪』は、決して『露見』することはない。
    ですから、私たちが『闇』のままに片づけなければ――――」


            ┌────────────┐
            │ 注意! 死亡事故多発!  |
            └────────────┘


『事故』の影響か、各所に設置された『電光掲示板』が注意を呼び掛ける。
『ミニ・クーパー』は『星見IC』を抜けて、『高速道路』に入る。


   「『一晩』だけの付き合いになりますが、
    貴方は『危険』を承知の上で、この車に同乗した『パートナー』です。

    ――――これ以上の『犠牲』は、絶対に食い止めましょう」


『緒方』は固く、『平石』に呼び掛けた。

13 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/19(土) 02:46:45
>>12
「……」

『煽り運転』の状況はやはり良く分からない。『そうする理由』が、分からないからだ、と思う。
信号の赤を見ながら、『月』と『チャオ』の話を聞く。感慨は無い。勿論その時点では『スタンド使い』では無かった。
過去のことなのだ。だがその残党がいて、誰かが泣いて、それに『緒方』は、怒っている。

>   「『一晩』だけの付き合いになりますが、
>    貴方は『危険』を承知の上で、この車に同乗した『パートナー』です。

>    ――――これ以上の『犠牲』は、絶対に食い止めましょう」

「……そうだな」

「オレとあんたに、『モチベーション』の差と『理由の違い』はあるが」

『金』のためと、そして、いわばこれは『腕試し』に近い。命がけのやつだ。
何を、どこまで、成せるのか。これは憤怒でも怨恨でもない、まして正義じみた何ものも介在しない、単なる純粋な好奇心に近い。

「手は抜かないよ」

それだけは決めている。

14 『スリル!』 :2019/01/19(土) 22:03:39
>>13(平石)
>「手は抜かないよ」

『平石』の返答を聞いて、『緒方』の唇が僅かに動いた。
弧を描くように、『平石』の返答を好ましく思ったのか。

     「――――では、参りましょう。

      ここから『20km』が『事故現場』の集中地帯、
      私も何度か通っていますが、手掛かりはありませんでした」


『緒方』は左側に位置する『第一走行車線』に入り、
『時速80km』ほどの法定速度にて、走行を続ける。


      「この時間帯に入るのは、初めてですが。
       ――――貴方の目からも、現場を確認して下さい」


前方に見える『追い越し車線』の一角には、
真新しい『花束』が置かれている。

対向車線を仕切るひしゃげたガードレールには、
『死亡事故発生』の物々しい『ステッカー』が貼られ、
明らかに『事故現場』だというのが解った。

15 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/19(土) 22:27:42
>>14
「あんたが見て分からないものを、シロートのオレが見て分かるもんなのかね…」

手は抜かないとは言ったが、容易く限界を超えられるわけではない。『プロ(?)の目』には及ばない。

「あそこで、」

・『カーブ』している?

「『急接近されて』」「『避けようとして』…」

サイドミラーか、バックミラーで、何とはなしに後方にも目をやりながら、

「ハンドル操作を誤った、だっけ。よっぽど焦るもんなんだな。オレは煽られたことないから…」
「『追い越し車線』で右にハンドルを切るなんてな」「………」
「あと、なあ。『緒方』さん。ここって『高速道路』だよな」「あのあれ、『花束』だと思うんだが」
「『遺族』の人のなかにも、かなり『キマってる』ヤツがいるみたいだな」

 高速道路
「『ここ』で『花束供えたヤツがいる』――ってのは、寒気がするね」「それとも走りながら放り投げたのかな」「どっちにしろ、だよな」

16 『スリル!』 :2019/01/19(土) 22:48:32
>>15(平石)
  「一見して解らなくても、
  貴方の『スタンド能力』で精査できませんか?」


問い返す『緒方』だが、『平石』の様子を見るに、
そうした『能力』でないと解ったのか、追及はしなかった。

>「ハンドル操作を誤った、だっけ。よっぽど焦るもんなんだな。オレは煽られたことないから…」
>「『追い越し車線』で右にハンドルを切るなんてな」「………」

『平石』の言う通りだ。
『道路』がマトモに見えてさえいれば、在り得ない『選択』なのだが、
追い込まれたドライバーは、正常な判断能力を失うものなのだろうか……。

>「『遺族』の人のなかにも、かなり『キマってる』ヤツがいるみたいだな」

             ピクッ

『平石』にとっては、何の気もない発言だったのだろう。
だが、『緒方』の横顔は明らかに『硬直』している。

> 高速道路
>「『ここ』で『花束供えたヤツがいる』――ってのは、寒気がするね」
>「それとも走りながら放り投げたのかな」

    「私の『ロンドン・コーリング』は『遠距離操作型』ですので、
     『運転中』であっても、ある程度の『遠隔操作』は可能です。

     ――――『ヴィジョン』に、ではありますが、
     ちゃんと膝を付かせて、『花束』を供えましたので」


            ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・ 


.

17 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/19(土) 23:04:28
>>16
「……」「えっ」

きまずい。

「……そうか」「その」「……」
「オレの『キック・イン・ザ・ドア』は『調べる』力は無い」

話題を変えよう。ミラーのチラ見も続ける。

「だから『見て分かること』しかわからない。今のところ、『異常』は無いみたいだが…」
「今日は『お休み』ってことなのかな?」

『車のスタンド』なのは分かるが、その『能力』は謎に包まれている。
単純に轢いてくるわけでもなさそうだ。『煽り運転』で『事故』を起こす…のが、現状確認できる『事実』だ。

18 『スリル!』 :2019/01/19(土) 23:26:52
>>17(平石)

       カッチ
                  カッ 


    ブロロロロロロロロ―――――

┌────┐
│ 90km/h .|  「そうかも知れませんね」
└────┘

                                        ┌────┐
            .「『チャオ』が何故、人を襲うのか。     │100km/h |
           私達は、まだ何も掴めていませんから」 └────┘


『追い越し車線』に車線変更をした『緒方』は、
表情を変えないまま、アクセルを踏んで『加速』する。

人によっては、精神状態の変動で『運転』に支障が出るものもいるが、
『緒方』にはそれが顕著に表れたようだ。

┌────┐
│110km/h |  「情報が足りないまま、
└────┘  勇み足だったかも――――」


                           _ i /
               ┌────┐      ノ
               │120km/h |      ゥ
               └────┘    ン /
                             ・

チラリと覗いた『ミラー』から、朧げな『車影』が見える。
『急加速』での接近ではない。急に『発現』したかのようだ。

『車影』は後方からグングン接近し、『ミニ・クーパー』は張り付こうとする。

19 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/19(土) 23:36:30
>>18
「……」

「……なあ」

『スピード』を出し過ぎていないか?
そう言おうとして、『ミラーの車影』を認める。
『煽り運転』。
『スピードの出しすぎ』。
単純に、『加速させる』ってことか?『アクセルを』、『踏ませて』、『制御不能なスピードになるまで』……

「『キック・イン・ザ・ドア』」

   ギャ  リ ン!

「『十秒』だッ」

『スタンド』を発現! 即座に『歯車』を『ミニ・クーパー』に差し込み、『十秒間停止』!!
少なくとも『アクセル』の機能が働くことは無くなる。ライトも全部消える。十秒間、この車は単に転がっているだけのハコだ。
ある程度の『減速』は望める…かもしれない。
だが今重要なのは、『接近する車影』だ。ミラーではなく体ごと振り返って目視確認。『アヴェンダドール』を、視認したい。

20 『スリル!』 :2019/01/19(土) 23:50:23
>>19(平石)
『加速』と『車影』、その二つを関連付けた『平石』は、
『キック・イン・ザ・ドア』を発現し、『歯車』を挿入する。

   ギャ  リ ン!

                 オ  ォ   ン ...


     「こ、これはッ!」


『エンジン』が停止し、『加速』の止んだ『ミニ・クーパー』は、
慣性に任せるだけに前進し、急激に減速していく。


           フッ . . .


   カッチ
               カッチ  . . .


咄嗟に『ハザードランプ』を光らせ、第一車線に移動する。
『減速』した瞬間、『車影』は音もなく消え去った。
だが、『平石』には朧気にだが、あれが『スポーツカー』だと確認できた。


      「今のは、恐らく、『チャオ』の『アヴェンダドール』。

       ――――急に現れて、何もなく消え去った。
       間違いなく、『スタンド』の力です」


      ブロロロロ  ロ  ロ


『十秒』が経過し、『エンジン』の稼働が再開する。
近くに『車両』がなかったから出来た『芸当』だったが、
一歩間違えれば、『事故』も起きうる展開だっただろう。

21 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/19(土) 23:59:10
>>20
「車が」
「他の車がいたら、大事故だな」

冷や汗は『緒方』に気付かれているだろう。

「今、どーいうことだったんだ? 『スピード』を出しすぎてた」
「無意識に?」

まず、それを確認しよう。
今のが『チャオ』だとして、まだだ。分からないことがとても多い。
『襲撃』されている側だ、と自覚をあらたにしよう。

22 『スリル!』 :2019/01/20(日) 00:32:04
>>21(平石)
『平石』の頬を冷や汗が伝う。
『緒方』も同様だ。『ミニ・クーパー』は運転を再開する。

>「今、どーいうことだったんだ? 『スピード』を出しすぎてた」
>「無意識に?」

『緒方』は非常に困惑した表情を見せる。
『平石』からの『質問』が解らない、ということではなく、
どうやって『説明』すべきか、という様子だ。


   「『スピード』は、私の『自意識』で出してたのですが、

    ―――――『120km/h』に差し掛かった時点で、
    あの『アヴェンダドール』が姿を見せた」


現在のスピードは『90km/h』、『アヴェンダドール』は影も形もない。


   「もう一度、あのスピードで走れば……」

23 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/20(日) 00:48:45
>>22
「そ、そうなんだ」「けっこー飛ばす方なんだな」
「なるほど…」

『急いでいる』ときは、そりゃ、『飛ばす』。そうでないときも、飛ばす人は飛ばす。
今までの『被害者』も、そうだったのだろうか。

「『120km/h』で、後ろから追いかけてくる…」「『減速』すると、消えていなくなる」

それが今、体験したことだ。

「『お休み』じゃなかったってことだな」「うん」

ところでこの車、『サンルーフ』は付いているだろうか?
もしあったら、開けておいてもらうよう頼みたい。寒いが。

「もう一度、『120km/h』……自分でも意外なんだが、割と『スピード恐怖症』なところがあるみたいだ。さっきは悪かった」
「飛ばしてくれ」

24 『スリル!』 :2019/01/20(日) 01:03:06
>>23(平石)
『サンルーフ』を確認するが、
『ミニ・クーパー』には搭載されていない。


     「では、行きましょう」


   ブロロロロロロロロ ―――――――

追い越し車線に移動し、『加速』を始める。
『100km/h』、『110km/h』、  ...


          ブゥン!
                     「あれは――――」


朧気な『アヴェンダドール』がその姿を見せる。
張り付こうとする『アヴェンダドール』を突き離そうと、
『緒方』は『ミニ・クーパー』を加速させていく。

25 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/20(日) 01:24:04
>>24
「来た」

「…」

実際、加速すると何やら恐怖感がこみあげてくる気がするが、弱音は吐けない。
さっきのこともある。

「さて…どう来るか」

『出方を探る』のは、悠長なのかもしれない。
きっと、おそらく、ここから先はもっともっと、『加速する』――多分。

26 『スリル!』 :2019/01/20(日) 20:40:35
>>25(平石)

      ブォォォォ――――  ンン

『アヴェンダドール』は瞬く間に『ミニ・クーパー』に張り付き、
第一車線に回り込むと、ピッタリと『ミニ・クーパー』に並走する。


      「『平石』さん、敵の確認を!」


『時速120km』を維持したまま、『緒方』が叫ぶ。
助手席に座る『平石』は、『車影』が間近で確認できる。


     オ   ォ      「SHUUUUUUUU...」

        ォ              「FUUUUUUUUUU...」


朧気な『アヴェンダドール』の奥、運転席に光る目がハッキリと見える。


           ゴスッ
                      ギギギギギギッッ!!!

『アヴェンダドール』が幅寄せをし、『ミニ・クーパー』のボディが擦れる。

27 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/20(日) 23:24:01
>>26
窓を開けたい。寒いけど。

「『運転手』がいるぞッ」「寄せられる――!」

煽り運転というよりは、もっとこれは『危険』な…
それに対して、果たして、『何が出来るのか』     「さて!」

   ギャリ  ン!!

ブッつけ本番、力試しといこう。『キック・イン・ザ・ドア』、その指に『歯車』をはさみ!
そのまま『アヴェンダドール』を、『幅寄せ』てくるその車体を、『ブン殴る』!
勿論、当然、『歯車』は『差し込む』つもりだ。まずは試しの『三秒停止』だ。

28 『スリル!』 :2019/01/20(日) 23:34:21
>>27(平石)
スイッチを入れて『窓』を開け、
接近する『アヴェンダドール』に『拳』を振るい――――


          スカッ    「!?」


その拳が『空を切る』。
まるでヴィジョンを鉄パイプで殴ったかのように、
手応え一つなく、『歯車』も挿入されなかった。


          ギギギギギッッ!!!


だが、『アヴェンダドール』は依然として、
『ミニ・クーパー』への体当たりを敢行している。
車体のパワー差はある。このままでは『押し込まれる』。


          ブォォ―――――ッッ!!


『緒方』は更にアクセルを踏み込んだ。
『一馬身』ほど距離を取り、車影の攻撃から脱出する。


         「今、確かにヴィジョンの攻撃を『すり抜けた』――――」


既に『130km/h』を超えて、『ミニ・クーパー』は走行する。
追跡する『アヴェンダドール』の朧気な姿は――――


          オォォ   ァァァ アアアアア――――ンンンッッ!!!


『緒方』が『悪趣味』と称した、ド派手なボディーが光り輝く。
より『鮮明』な姿を映し出した『アヴェンダドール』が、
『ミニ・クーパー』の背後にピッタリと張り付いた。


         「スピードを出せば出すほど、

          ――――『実体』を取り戻す……?」

29 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/21(月) 00:16:53
>>28
「『スピード狂の幽霊』ってか?」「バカバカしいとも言い切れないな…」

『キック・イン・ザ・ドア』の拳は確かにスリ抜けた。
『スタンド』ですら触れもしない『スタンド』…だが、『高速』で張り付いてくる車体は、確かに先程よりもよっぽど鮮明――!

「いつも透明で、120キロ出してるヤツに追いすがって、ブツけてきて」
「それ以上の速度で『ハッキリ見える』ようになっていく…」「って感じか」

小さな疑問として『見えない』ハズなのに『煽られて事故る』のは不自然だと思っていた。
何せ『スタンド』は『スタンド使い』にしか見えない。だが、一定以上のスピードの相手に『幅寄せ』『接触』してくるなら事故にもなるし、
あるいは唯一『見えた』って被害者も『スタンド使い』では無いってことも考えられる。
上記のことを口に出して『緒方』にも聞いてもらい、それから、

「(いや、『実体を取り戻す』ってのが曲者だ。その通りかもしれないし、間違ってるかもしれない)」

って思い直した。

「『取り戻す』ってのは」「こんなタイミングであれだが、確認するぞ。『残党』であって『死人』じゃないんだよな?」
「運転手は確かに、目が見えた、と思うんだが」「……いや、『スタンドごと現れたり消えたり』するような『スタンド使い』って」

いるのか? ともかく対処すべきは『アヴェンダドール』だ。背後に張り付かれたらどっちみち拳は届かないだろう。

 ギ  ァ ッ

可能性のあることはブチ込む。とっくに『人が死ぬ速度』だ。
『歯車』をもう一枚発現、『二枚』、『投擲』する! 鮮明になった『アヴェンダドール』に差さるかどうか、だ。
当然、『差さったならば』、『停止→暴走(指定操作は『現状進路・速度を維持』、つまりハンドル操作や加減速には『反発』)』!
差さらなくとも…『運転手』的に、進行方向から飛来物がカッとんでくるのは…普通ならかなり怖い。何らかの反応があるか見る。
何となく『噛み合ない』『カーチェイス』みたいになっているが、

「なんとか『主導権』はこっちが欲しいな。なあ?」

30 『スリル!』 :2019/01/21(月) 20:56:31
>>29(平石)
『拳』がすり抜ける、不可解な『感触』を確かに覚える。
追いすがる『アヴェンダドール』をハッキリと目視しながら、
『平石』は思いついた考えを、『緒方』へと語り並べる。


    「ええ、そして……もっと言うのであれば――――」

    「唯一、見えた『被害者』は、
     スタンドが見える『サングラス』を掛けていました」


          ギ     ァッ!


『キック・イン・ザ・ドア』は二枚の『歯車』を発現し、
       . . . .
『ドア』をすり抜け、宙を滑りながら、
背後の『アヴェンダドール』へとぶち込んだ。


           ガギャッ!
                        バギャァッ!


二枚の『歯車』はフロントガラスをぶち抜いた。
ヒビ割れて『白化』したせいで、『運転手』の様子は解らないが、
大きく車体が『揺れ』ているのを見ると、ダメージはあるようだ。


――――だが、『暴走』はしない。


>「こんなタイミングであれだが、確認するぞ。
>『残党』であって『死人』じゃないんだよな?」

               . .
          「その、はずでした……」

『緒方』は唇を噛み締める。
彼女の背後にも、機械的なヴィジョンが姿を現した。

                         スチャラッ
                                  チィィ...
  「私の『ロンドン・コーリング』は、

    人々の『息吹』、『バイタルサイン』を読む能力」

  「――――全く以って、在り得ない話の、はずですが……」


          ォ   オ  オ   才  オ .  .  .


        「この『運転手』には、
                         『鼓動』がないッ!」


正体の知れない『アヴェンダドール』から逃げるように、
『緒方』は加速を続ける。―――――既に、『時速140km/h』。


              フ   ッ


不意に、『道路』が消えた。

31 『スリル!』 :2019/01/21(月) 21:00:01


        『誘導灯』が光りながら、


                            『エンジン音』が響きながら、


        周囲の一切が『漆黒』となる。



                                   ド


                           ド

                                          ド


                                ド


                                       ド



        ―――― ― ― ォォオオオオンンンッ!!!!


      『アヴェンダドール』だけが、その派手な電飾を響かせ、
      『ミニ・クーパー』を刈り取ろうと、四駆を唸らせる。

32 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/22(火) 00:07:24
>>30
「その人のおかげで、『煽り運転』って分かっただけ良かったね、って話だな…
 そして、くそ…ダメージは通るみたいだが…!」

あわよくば、と思ったが、やはり『歯車』は噛まない。
ガラスにヒビを入れさせるほどの手裏剣、その程度の意味合いだ。いや、スリ抜けないのが分かった。良いことだ。

「…鼓動が無い」「…そうか」「いや、そんな気がしてた、ってワケじゃないんだが――『スタンドごと』出たり消えたり、ってのがね」
「『生きた人間が乗ってるわけじゃない』、可能性が、高い」「と」
「うおッ」

そして『漆黒』! 助手席でも驚くのだ、運転手の緊張も最高潮に達することだろう。
『誘導灯』。『エンジン音』。高速道路の光景ではあるが、それだけ抜き出したこの、禍々しいことといったら。死にそうだな。

「だが『地面』はあるし、『ダメージ』も通るってわけだ」

思いついたことは、順番に、全部やる。幸い『運転』は任せられる。

「よく狙うのにも限界はあるが、くそ。ええい!」

既にかなり危険な速度だが、窓から首を出して後方目視!
『アヴェンダドール』の『前輪』を狙うためだ。そいつに『歯車』を踏ませる…平然と乗り越えるか、
いい具合にスピードに乗って、前方の視界も悪いことだろう、ハンドルをミスって『自爆』したら最高だ。さすがにタイヤをバーストさせることはできないだろうが。
だから、再び『歯車を投擲する』ッ!!狙いは『アヴェンダドール』の『前輪』、うまいこと踏むように!

33 『スリル!』 :2019/01/22(火) 22:45:20
>>32(平石)

        ヴヴゥゥゥ―――z____ 
                            ォォォオオオオ オ゙ ン ン―――――


      「前が、見えない――――」


エンジンが『異音』を発しながら、『ミニ・クーパー』は暗闇を駆ける。
懸命にハンドルを握る『緒方』は冷や汗を吹き出し、壮絶な表情を浮かべている。
『アヴェンダドール』をどうこうするより、『スピード』の維持に精一杯のようだ。


      シュバッ!!


一方、窓から頭を突き出した『平石』は強烈な『風』を浴びながら、
既に車体の半分を追いつかせた『アヴェンダドール』の『前輪』目掛けて、
異能の歯車を投げ放つ。 ――――その一撃は、


            ガギッ
                        ――――『前輪』に踏みつけられ、


                     パシュッ...

『解除』された。
『破壊』による『強制解除』とは異なることを『実感』する。
タイヤに触れて『減速』した瞬間、『歯車』が消え去ったのだ。


           グァァァァァ――――z______


               ゴゴゴッ
                             ギギギギギッッ!!!!

『アヴェンダドール』が鼻先を突っ込ませ、
車体全体を使って、『ミニ・クーパー』を押し込んでいく。
ふと、『緒方』が思いっきりハンドルを切り――――


                ギャァァァァンンン!!!



        ププーッ!!!

                     「なぁーに、やってんだよぉ!!!!」


暗闇の中、クラクションと男の『怒声』だけが聞こえてきた。
息も絶え絶えになりながら、『緒方』が掠れ声を発する。

 
         「ば、『バイタルサイン』が、見えた、から――――」


         「車を、思いっきりズラ、し、」     ギャォォンッ!!!


            プーッ!
                           プーッ!   プーッ!!!

          「私達が『見えて』、ないだけ――――」


                「まだ、『車』がある、……!」


無茶苦茶な軌道で『蛇行運転』をしながら、『緒方』が叫ぶ。

34 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/22(火) 23:36:05
>>33
「―――」    絶体 絶命。
「―――っぐ」

『減速で消えた』…? 『クラクション』。『他の車は存在する』。『漆黒』。何故だ?『高速だから』――?

「落ち着いて『運転』…に、集中してくれ…!
 『バイタルサイン』が見えるなら…『車の流れ』も…くそ、無茶だよな! でもがんばれ、何とかする…!」

実際ブッ飛んだ『無茶ぶり』だと分かっているが、運転自体は頼るしか無い。
もう『停止』したところで(ブレーキでも歯車でも)、『安全な速度』に到るまでに『追突』は免れない…と思う。
ミニ・クーパーがどんなに頑丈か知らないが、既にそういう次元のスピードではない…と思う。

「考えろ―――」「考え――」

『アヴェン・・・長い。『敵』はスタンドで、『高速域』で実体化する(いや、『すり抜けなくなる』か)が、『人』が乗っている可能性は少ない。
ある程度以上のスピードで『漆黒』の、『そう見える』ように『させられる』…? たぶん140キロ以上で。
『何も見えない』、ヘッドライトでも照らせない、暗闇にする。そういう『能力』か。『それ以下の遅さ』は、『見えなくなって』しまう…。
機械の見た目、なのに悔しいことだ。『歯車』が当たったが、『差』せない。―――

>二枚の『歯車』はフロントガラスをぶち抜いた。
>ヒビ割れて『白化』したせいで、『運転手』の様子は解らないが、

「…」「割と的確に追ってきたな…」

ぴったり追って、並んで、寄せて…寄せるのは、横の視界だ。追って並ぶのは、前方の視界だ。見えるのか?あれで?
見えないが、『緒方』のような『能力』? 暗闇で獲物を捕らえるような、そーいう生き物の…車が? 車の『スタンド』…それはハッキリしている…。

「視界無しとして、音…エンジン音はどうする?無し。臭い…排気ガスに個性は無いよな。皮膚、舌…震動を感じて――自分のが邪魔じゃないか?」
「…車に乗っているなら、フロントガラスがあんな状態で、高速走行を、するか…?」「車自体に目があるってのか?」「『ワイルドトラックス』みたいに…」
「あるいは」「別の視界があるのか…」

間違っているかもしれないし、何かに近付いているのかもしれない。
『蛇行運転』にも『アヴェンダドール』は追従しているだろうか? また『寄せ』てきそうか?

「(そして)」「(オレの『スタンド』は…)」「(『時速140キロ以上で走る鉄の塊を、ブッ叩けるのか』?)」

また、そうするべきなのか…?『歯車』は当たった。拳も、今度は当たる。先にすり抜けたのが、幸運にすら思える.よく考えてみれば。
いかに『キック・イン・ザ・ドア』の膂力が人を越えているとはいえ、あんなスピードのものを殴り飛ばすことが…
いや、だめだ。『ここで戦おうという発想』そのものが良くない…! ここは『敵の領域』で『こっちが大いに不利』すぎる。
『スピードを落とせば敵は消える』、それは先程経験した。何より、『何も見えない』のでは、なにもわからない…!

「『どこまで』見える、『緒方』! 『バイタルサイン』だ… とにかく『スピード』を落とさないことには」
「『真っ暗闇』ではどうしようも無いッ! とにかく『敵』が横にいて、『後方』が空いたタイミングに、ブレーキをかけるしか…!」

『キック・イン・ザ・ドア』がどこまで通用するかわからないが、『敵』の体当たりや幅寄せに備えつつ、
『緒方』にさらなる無茶ぶり…『急減速』を要求しよう…! 思いついたことは順番に全部やる。暗いと、わからないのだ。

35 『スリル!』 :2019/01/23(水) 00:11:10
>>34

「え、えェ、――――ひゃっ!」

         グォォッッ!!
                         ビーッ!
                                     ビーッ!

         「死にてぇのかバカヤロー!」

                       「テメェ殺すぞ星見ナンバー!」

蛇行する『ミニ・クーパー』に対し、
『アヴェンダドール』は猟犬のように容赦なく襲い掛かる。
実体のある『車両』を回避する『ミニ・クーパー』に対し、
それらを『無視』して『一直線』に走り抜け――――

        ガァンッ!
                       ゴガッ!

『アヴェンダドール』の体当たりが『ミニ・クーパー』のボディを歪め、
助手席に座る『平石』の身体を容赦なく揺らしていく。


            ゴスッ!
                        「ぁ う!」


揺れに従って、『緒方』と側頭部同士をぶつけ合う。
絶体絶命の状況下、『平石』は『緒方』に対し、『減速』を指示する。

                        . . . . .
        「で、 ――――『できません』っ!!」

              「エンジンブレーキも、全然利かないッ!」


                ガゴッ!


   「ざけんじゃねェぞゴラァ!」

                                プップー!!

          「マーク貼っとけクソボケェ!!!」


悲痛な『緒方』の叫びを裏打ちするかのように、
スピードメーターは依然として『140km/h』を差し続ける。
『敵の領域』であると察した『平石』の直感は正しい――――


      「あっ」
                      「あああああ!!!!!」


           ギャギャギャギャギャギャギャギャッッッ!!!!!


暗闇の中で『ミニ・クーパー』が滑るように車体を『曲げ』、
タイヤのグリップ力が有るにも拘わらず、体感的な『スピード』が変わらない。
『緒方』が何とか車体を修正しようと、血管の浮いた手でハンドルを回し――――


                  ド

                        ォ
                                  「『アヴェンダドール』ッッ!!!」

                   オ/
                   ・

『ミニ・クーパー』の横っ腹に、『アヴェンダドール』の鼻先が突き刺さる。
このまま押し込まれ、―――――『大破』は免れない。

36 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/23(水) 23:30:33
>>35
『痛感』の極みだ。敵の条件はわかっていた筈だ。最初の『停止』のときに。
そのあとで無計画に『加速』するのを止めるのは、自分自身の役目だった筈だ。
ならばここまで、切羽詰まった状況には陥らなかったかもしれない。気付けた筈だ.推理は可能だった筈だ。
だが後悔しているヒマはない。『減速』は効かない。そういう『領域』。だから視界も利かない。
この『領域』に飛び込むこと自体が間違いだった。いや、今更、その『後悔』すら遅い。
思考するべきは別に在る。少なくとも、『生存』は『絶対条件』だ。考えられる、最も確実な、回避方法。
『遅くなる』ことだ。『アヴェンダドール』は脅威だが本質的ではない――と、思う。
もちろん…『バキバキに罅割れたフロントガラス』ごしに『こっちの横っ腹を正確に狙える』ことは…脅威ではある。

「『滑走』してるわけじゃないんだろう、『緒方』…」「単に…『ブレーキがきかない』だけだ…そうだよな?」
「最大、十秒間だ」「『停止』させるが………」「くそ」「『祈れ』」「無事をな」

もちろん足掻く。
『殴り壊す』ことは出来ないだろう。だが。『突き刺さった鼻先』を、どんなに僅かでも、『離す』こともできないほど、『キック・イン・ザ・ドア』は『非力』か?
『歯車』を『クーパー』に差し込み、ふたたび『停止』させる!
それで『速度の差』が如実に生まれれば、大いに弾き飛ばされるだろうが、こっちは減速し続ける。
しつこく『突っ込んで』くるようなら、『腕力』を以て『どかさなければならない』。
ともかく、試すのは『この環境下での減速』だ。『機械』に噛み込んで『停める』、問答無用の能力。それがどこまで、通じるだろうか…?

37 『スリル!』 :2019/01/25(金) 21:58:10
>>36(平石)

        | il
        ト   i |        『アヴェンダドール』がぶちかました『助手席』のドアが、
           ホ            『平石』の脇腹に押し込まれ、痛烈な衝撃が走る。

            ア /       だが、『平石』はあがく。
             ・          『歯車』を『ミニ・クーパー』に挟み――――


           ズザザザザザザァァァ――――z_______


『エンジン』が停止し、車載モニタがブラックアウトする。
助手席の『窓ガラス』には亀裂が走り、割れた『フロントガラス』から、
『チャコ』の顔が覗く。『平石』と、視線を交わらせる。

        「ニガ        さ  な   ャ」

                 「アニ、   を」

                    「とお、ぐ     に
                           _/
                   . .
ハンドルを握る『南米系』の青年だった。
ズル剥けた『表皮』、大きく抉れた『頬骨』、凄惨な『死に顔』が、
夜目が利き始めた『平石』へ、否応にも『亡霊』であると告げてくる。

              フォ ・ .    衝突によって、互いに『減速』し、
                  。     ふと、『平石』は『暗闇』から解放される。
                 ’

只ならぬ『暴走』を警戒した他ドライバーが『減速』をしたのだろう、
後続車両がハザードランプを焚き、『後方道路』を徐行している。
――――が、その光景を視界で捉えられたのは、『ほんの』一瞬。


     「い、いやァァァ ァ゙   ァ゙ ―――!!!」


この世の終わりとばかりに、『緒方』は金切り声を上げる。
『ハンドル』の操作が利かない以上、彼女にはそれしかできなかった。


           ズザザザザザザァァァ――――z_______


『実体』を保ったまま、『アヴェンダドール』が突っ込む先、
『湖西PA』へ至る『分岐点』、それを示す『看板』を支える『鉄柱』、
その根本へ叩きつけるように、『ミニ・クーパー』は『押し込まれる』―――――

38 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/26(土) 17:56:39
>>37
『暗闇』は解除された。140km/hを切った、ということだ。減速は『可能』だ。
問題は、『敵』そのものと、そして『速度』…

「『緒方』」「くそ、祈れ!堪えろ…『これはオレ自身も把握できて無い』!!」

   ギ  ァ リリリリリリ リ

『キック・イン・ザ・ドア』の渾身で、『アヴェンダドール』を『連打』するッ!
真っ直ぐ後ろに下がらせるのではなく、『クーパー』の進行方向に向けて、ズラすように、可能ならば、そうなるように『殴る』!
おそらく、それでも、『敵』のパワーは上回ってくるだろう。ならば使うしか無い。だから『連打』を開始するほんの直前、
『もう一枚の歯車』を、『クーパー』に噛ませる。
『指定した操作以外を受け付けない』。『操作や接触に反発する』。二つ目の歯車が機械に与える『能力』――『暴走』だ。
指定する操作は当然、『フルブレーキ』!
『反発』の威力も乗せて、『アヴェンダドール』を『撃退』するッ!!

「っ」

身構え、堪える。平石の理解において、『暴走状態のクーパー』に『接触』しているのは…運転席と助手席の『搭乗者』も、例外ではないからだ。
一発で危険があるわけではない。ともかく『停止』と『連打』と、『反発に耐える』ことを継続する…可能な限り。可能な限りだ。

39 『スリル!』 :2019/01/27(日) 21:14:29
>>38(平石)


         ギ  ァ リリリリリリ リ

      ド                     ラッシュ
       ガ              「両拳の『乱撃』ッ!」
          ガ   l |
             力  ァ、        「―――それ、でも……!」
                  \_
                     \ /
                            ・

全力であれば『重機』や『ブロック塀』さえも破壊できる、
『キック・イン・ザ・ドア』の『最大出力』が、『アヴェンダドール』に突き刺さる。


           ズザザザザザザァァァ――――z_______

              ブロロロロロォォオオオオンンンッ!!!!


だが、『アヴェンダドール』は健在だ。
『バンパー』や『ボンネット』は歪み、パーツは吹っ飛ぶ。
それでも、『車体』のパワーが上回り、『推進力』は減じない。


        ス       故に、『キック・イン・ザ・ドア』は、
         チ
          ャッ     もう一枚の『歯車』を、装填する。


      パァァンッ!              「ぅ、ぎゃあ!」


『ハンドル』、『アクセル』、『シート』の全てから、
『拒絶』の衝撃を受けた『緒方』が悲鳴を上げる。

それは、『平石』も例外ではない。
まるで『振動』によって弾かれるように、全身を『衝撃』が襲う。


       「こ、これで、本当に――――」


本当に、大丈夫なのか?
『緒方』の問い掛けは、『アヴェンダドール』の軌跡が答えた。


               ヴ
          ゥ           「『チャコ』が、
            _ゥ                        . .
    __―   ̄                      逸れ、たァァ〜〜〜ッッ!!!」
 

『ミニ・クーパー』を動かすために『減衰』した車体に対し、
『キック・イン・ザ・ドア』のラッシュ、そして『反発』のパワーが合わさり、
辛うじて、『アヴェンダドール』が大きく車体を曲げる。


          スゥ     そして、二台の車が、
             ゥ   『湖西PA』まで残り『500m』に迫ろうという時……
           .・
               ・     .『アヴェンダドール』は、まるで『夜』に溶けるように、
                  その『姿』を消していく――――


     「ハァ……    ハァ……

      『チャコ』、消え、ました……ね……」


      ブ、    ブロロロォォォ―――z____


『暴走』の効果が解除され、『緒方』は満身創痍ながらも、
無理矢理『ミニ・クーパー』を走らせ、『スマートIC』を抜けていく。
『高速道路』を降りて、国道へと移動する方針のようだ。

40 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/27(日) 23:02:28
>>39
「…ごほっ」

全力だった。渾身だった。『自爆技』にすら縋った。その『甲斐』はあったようだ。
何とか『運転』と『走行』は出来ている。高速を降り、一般道なら『チャコ』は出てこない。出てこないだろうか?

「危なかった…」「荒っぽくなってスマなかったな」

窓の外に目をやりつつ、

「『にがさな』… 『にがさなきゃ』 か?」
「『あに を とおくに』」
「『チャコ』の…『スタンド』だか『亡霊』だかが、そう言っていた気がする」
「『あに』?兄弟がいるのか、それとも名前か」「知っているか?」

先程の戦闘中に聞こえた、亡霊の言葉。何かの手がかりになるだろうか。『緒方』に質問してみる。

41 『スリル!』 :2019/01/28(月) 00:08:08
>>40(平石)

        ――――  トゥン♪

             ≪料金 ハ 410 円 デス≫

『一般道』を抜けてからも、『平石』は安心できない。
敵影が映らないか、ミラーを注視するが、
『アヴェンダドール』が追ってくる気配はない。


      「彼に血の繋がった『兄弟』がいるかどうかは、
       私も調べてはいませんが……」

      「『エクリプス』に出入りする切欠となり、
       『チャオ』が最も尊敬していた、『兄貴分』の男」


ハンカチで冷や汗を拭いながら、『緒方』は質問に答える。


      「『吉仲瞬一』、元々は『チャオ』が働いてた、
       .大手の『自動車工場』の部門長でした。

        『エクリプス』に必要な物資や製品を手配し、
        『チャオ』を通じて運んでいた……」


『ミニ・クーパー』はただっ広い『駐車場』に停まった。
大型の『複合商業施設』だが、駐車場を中心とし、
『コの字』に低層のテナントが並ぶ、『オープンモール』のタイプだ。


      「彼は、『タダヒト』さんが、その手で『再起不能』にしましたが、
         『チャオ』は彼と共に、あの『アヴェンダドール』で逃走しました。

       出血量も多く、共に『高速道路』での『自動車事故』によって、
       『再起不能』になったと、伺っていました」


       ガチャッ


憔悴しきった表情だが、『緒方』はヨロヨロと運転席から出ると、
後部座席からハンドバッグを取り出し、『平石』を見やる。


      「まずは、『アヴェンダドール』の能力を、考えましょう。
       ……その上で、私達がこれからどうするのか、決めなければ」

42 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/28(月) 00:26:16
>>41
『緒方』に続いて、車を降りよう。
体に怪我や異常がないか、ちょっと屈伸して確かめよう。

「…あにをとおくに。アニ、をとおくに」「『兄貴を遠くに』か?」

どう聞こえたかを反芻しながら、『緒方』の話と繋ぎ合わせてみる。
兄貴を遠くに逃がさなきゃ、と言ったとすると、その話は繋がるように思う。

「『再起不能』…『死んだ』ってことか?」

確かにあの『顔』は、生きた人間のそれとは言い難かった。
『幽霊』になって、いつまでも事故り続けているのだろうか。なんともやりきれない話のように思える。

>      「まずは、『アヴェンダドール』の能力を、考えましょう。
>       ……その上で、私達がこれからどうするのか、決めなければ」

「そうだな。賛成。」「ドッとつかれた」

どうするのだろう。どこか店で休むのだろうか。着いて行くことにしよう。

43 『スリル!』 :2019/01/28(月) 21:46:28
>>42(平石)

            ググ...
                     ―――ビキキッ !


降車したその場で軽く屈伸するが、全身の節々が痛む。
急カーブや急ブレーキに身体を強張らせた『引き攣り』が多いが、
『アヴェンダドール』の衝撃を受けた『脇腹』は、ズキズキと痛みが走る。

だが、『キック・イン・ザ・ドア』の操作に支障が出るほどではなく、
あの『カーチェイス』を思い返せば、『奇跡的』な軽傷と言えるだろう。

                 ・

                 ・

                 ・


    「『兄貴を遠く』に、
     ――――『チャコ』が、そう言ったと?」


『ホームセンター』の『フードコート』に、二人は腰を落ち着けた。
他の店もあったが、『緒方』の買い物ついでに立ち寄った形だ。


    「……間違いなく、死んでいるのでしょうね。
     その最後は『交通事故』だと、聴いてますから……」


二人の『生死』を問われれば、『緒方』は言葉を濁しながら、呟いた。
知り合いが手を下したとなれば、『悪人』とは言え、やるせないのだろう。


『緒方』は紙パックの『オレンジジュース』を飲み終えると、
購入した『スケッチブック』に、サインペンで何やら書き込んでいる。


    「あの『アヴェンダドール』の能力について、

     ……私達が『体感』した限りを、図式してみました」


運転中は『恐慌』していた『緒方』だったが、落ち着きを取り戻したようだ。
手中のスケッチブックをひっくり返し、白黒の『図』を『平石』に確認させる。

44 『スリル!』 :2019/01/28(月) 21:48:31
>>43
【時速120km/h】

←━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【現実世界】━
←::::【加速世界】::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
              [アヴェンダドール]
←::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::│::::::::::::::::::::::::::::::::::::【加速世界】:::::
                    ↓
              [アヴェンダドール(影)]

                     [ミニ・クーパー]
←━【現実世界】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

       ┌────────────────────┐
       │加速する『アヴェンダドール』は、          │
       │『ミニ・クーパー』を一方的に攻撃できる!    │
       └────────────────────┘



【時速130km/h】

←━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【現実世界】━
←::::【加速世界】::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
              [アヴェンダドール]
←::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::↑::::::::::::::::::::::::::::::::::::【加速世界】:::::
                    ↓
              [アヴェンダドール]

                     [ミニ・クーパー]
←━【現実世界】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


       ┌───────────────────┐
       │『アヴェンダドール』は実体を取り戻し、    .│
       │此方からの攻撃が通じるようになる!    ...│
       └───────────────────┘

【時速140km/h】
←━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【現実世界】━
←::::【加速世界】::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
              [アヴェンダドール]
                    ↑
                    │ [ミニ・クーパー]
←::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::│::::::::::::::::::: ↑::::::::::::【加速世界】:::
                    │       .|
              [          ]  .!
                          ↓
                     [ミニ・クーパー]
←━【現実世界】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


       ┌───────────────────────┐
       │『アヴェンダドール』は『現実世界』から消失し、      │
       │『ミニ・クーパー』を『加速世界』に引きずり込む!    │
       └───────────────────────┘

45 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/29(火) 20:57:06
>>43-44
「そう、聞こえたってだけなんだがな」

『フードコート』で一息つきながら、こたえる。
煙草は吸いたいがどうせ『室内禁煙』だ。帰ればいつでも吸える。帰れば。

「その図に加えることを言う前に、オレの能力を説明しておく」
「知ってるか? それでも一応は聞いてくれ」「『歯車』を噛ませる。一枚なら『機械を停止させる』。二枚噛ませると『暴走』させる」
「そういう『能力』だ。あと力も強い。その上で」

「『アヴェンダドール』には、オレの『歯車』が噛まない」

「実体化した時に当たった筈だが、ガラスが割れただけだった。干渉はできるが、あれは『機械』ではないってことだ」
「まあ…『運び屋』的にはスゴくいいんだろうな。どこでも車が出せるし、渋滞知らずだ。『加速世界』ってのは良いね」
「オレの意見で付け加えるなら、『アヴェンダドール』を『逸らす』ことは可能だが、破壊はできないってところだな」
「感覚として『限界』が知れたのは良いことだが、状況的には良くないな」

可能なら『スケッチブック』にメモ書きを加えつつ、言う。

「一息にこちらから言うばかりで悪いが、それはそっちでまとめてくれ。
 ヤツを『破壊』することは現状、無理だ。対抗策を言うぞ。非現実的なことだ。
 戦車で走ってみる。まあ今スマホで調べたが、140キロも出せる戦車は無いし運転もムリだろ。
 ここからは単純に、オレの聞いたことから発想した疑問だ」

「『逃がさなきゃ』って言ってんのに、なぜ逃げずに『ぶつかってくる』のか?」

「『兄貴を遠くに逃がす』って言ってるように聞こえた。なのに逆だ。延々ぶつかり続けてる。事故り続けているわけだ」
「そこが引っ掛かるんだが」「『幽霊』で」「『そこから離れられない』みたいな」「そーいう話なら、『スタンド使い』より『霊能者』のほうが適任じゃないか?」
「あんがい『供養』してやったら成仏したりして」「いや、そんな顔しないでくれ。冗談だよ」

とにかく思いついたことを述べてみる。少なくともここは安全地帯だし、意見交換の場でもあるだろう。
変なところに気合の入ったホラー・パニック・エンタメ映画なら、設定をガン無視して幽霊が突っ込んでくるかもしれないが。

「何にせよ、どうやれば『根を絶てるか』だよな。オレは運転手の顔を見たが、ありゃどう見ても『死体』だった」
「そいつを例えば破壊できたとして」「死人を殺せるって法は無い気がする。それとも『実は生きてた』かだな…」

思いつくままに喋っているが、確認しようがない/多分そうではない、という感覚は強い。
今のところは、『その可能性を潰すために言葉を発している』という感じだ…。

46 『スリル!』 :2019/01/30(水) 19:42:18
>>45(平石)
頭を整理するための矢継ぎ早な『考察』を、
『緒方』は最後まで訊き届け、厚手の封筒を出した。

「解りました。唯、私が『重要』だと理解したのは、

 貴方が『機械』を操れる、その一点が最も重要」

『封筒』には、分厚い『札束』が覗く。

「スタンドエネルギーで操る『機械』なら、
 スタンドに干渉できるはず。

 つまり、『アヴェンタドール』を『破壊』できる。
 そうでしょう、『平石』さん?」

『ホームセンター』、『家電屋』、『中古車センター』、
数多の『販売店』が集うモール、機械は選り取り見取りだ。

47 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/01/31(木) 23:20:27
>>46
「(実際『生きてる』可能性だってゼロってわけじゃ…)」

>「スタンドエネルギーで操る『機械』なら、
> スタンドに干渉できるはず。

> つまり、『アヴェンタドール』を『破壊』できる。
> そうでしょう、『平石』さん?」

「………」
「……」
「…」

そういうものなの?

「そーいうもんか」「うん」「なるほど」

戦車は要らないというわけだ。
考えよう。130km/hは絶対条件として、『クーパー』は道具を使うのに適さない気がする。
『アヴェンダドール』と鍔迫り合いするのは大いに危険だ。
何より、『暴走』させられるのは一つだけ。…当然だ。『停止』した道具で何をするっていうんだ?

「『スタンドに干渉できる』か…」
「『手で扱う』道具は駄目だ。『反発』が起こる。『暴走』させた上で、『扱う』必要がない、」
「…『危険なもの』」

爆弾だ。市販の肥料だけで爆薬を作ることはできないし、それが『スタンド』に効くわけがないが、
『暴走』――危険な不具合を起こして爆発する『機械』なら、爆弾にできる。
電化製品。バッテリーなら良いだろう。だが『最悪の事故』を最小の被害に抑える造りでは? 炸裂しても規模は意外に小さいのでは。関係ないか? いや、不安だ。
燃料式はどうか? 爆発力は燃料のタンクの大きさ次第か。点火装置と燃料を遮断する機能を暴走させれば良い。車一台を走行不能に破壊するのは、期待ができる。
燃料式だ。車。本末転倒だろう。ガソリン式の農業機械。タンクが小さい。人間ではなく車をフッ飛ばすのだ。溶接機。電源とガスがいる。だめだ。
単独で、燃料があれば稼働して、燃焼室を『暴走』させて、手頃な……

「発電機はどうだ」

不謹慎な話だが、『爆発』に関してはある程度『実績』もある。そういう『事故』が発生している。
そうした事例はあくまで飛び散った燃料が原因で大惨事を引き起こしているものだが、かといって『爆発』そのものが、
『車のボンネットなり、シャーシ下なり、あるいは運転席で』発生したならば、十分に『危険』な現象であることに変わりはない。

「軽トラと、大型の発電機と、トラックシートだな」「…お金、足りる?」

48 『スリル!』 :2019/02/02(土) 20:27:51
>>47(平石)
『平石』は『発電機』の『爆弾』を想定し、
加えて、運搬に必要な『資材』を提案する。


    「……いいですね。
     かの震災以降、ホームセンターでも
     取り扱いが増えているはずです。

     私は『トラック』を用意してきますから、
     『平石』さんは他の物資を調達してきてください」


購入に様々な『申請』が必要なのだろう。
『緒方』は『トラック』の購入を申し出、封筒を『平石』に押し付ける。


>「…お金、足りる?」


     「この『仕事』は、本来は『3人』以上で行うはずでした。

      『曳舟』の手配違いか、貴方一人だけになってしまいましたが、
      ……ともかく、余剰な『報酬』が残っている、ということです」

渡された『封筒』から、確かな質量を感じる。
『金』は十分なようだ。

49 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/02(土) 23:45:50
>>48
「分かった」「…」

『余分な報酬』を渡されたとき、渋面を作らないように努力しよう。
ネコババされる可能性を考えていないのか? いや、思い直せばネコババしたところで絶対に追い詰められるのか。
それにしたって、素直に渡しすぎではないか。

「と、上の空のオレがスリだとかひったくりにあったら目も当てられないな」

気を取り直し、『ホームセンター』に向かおう。発電機とトラックシートが目当てだ。
大体売ってあったとして、最大のものでも40kgそこそこだろう。『キック・イン・ザ・ドア』で充分に投擲できる筈だ。そういうのがいい。
それにトラックシート。…そうだ。『荷台』で待機するわけだから、余るだろうお金でハーネス安全帯とランヤードも調達しておきたい。
万一の場合、時速140kmで放り出される可能性があるからな…。

50 『スリル!』 :2019/02/03(日) 00:36:07
>>49(平石)
手ごろな『発電機』と『トラックシート』を購入する。
使用するガソリンは、すぐ近くに『ガソリンスタンド』がある。

ハーネス安全帯、ランヤードを購入した。
その時、『平石』の『スマートフォン』が着信を告げる。


   ≪『緒方』です。

     ――――『爆弾』は、『投擲』だけとは限りません。
     予め『設置』し、そこに『実体化』した『アヴェンダドール』を引き寄せれば≫


   ≪オガタサーン、オマタセシマシター≫


   ブツッ


一方的な会話と共に、『通話』が切れた。
敵が一定の『コース』を走る以上、『待ち伏せ』も効果的だと、
『緒方』は伝えたかったようだ。

51 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/03(日) 21:24:09
>>50
「時限爆弾てわけか」

 ブツッ

「……」

なんだか寂しい。が、時限式のトラップとして使うということは、高速道路上に発電機を遺棄するみたいなことで…
結局それは『敵』にぶつけるわけだから同じと言えば同じことだが、いや、そうだ。『何秒』の設定にするかが問題だ。
長過ぎたら避けられるだろう。短過ぎたら、それは直接投げるのと同じこと。それなら、投げた方が早い。
最初に出現したのと同じように現れるなら、ヤツは後方からまっすぐ追いかけてくる。
脇目も振らずに真っ直ぐに追突コースを取ってもらいたいので、

「『待ち伏せ』は反対だが」「……いや、そうだな」

(『キック・イン・ザ・ドア』にとっては)そう大した荷物でもない。
『もう一つ』発電機を調達しておこう。買い終えたなら、着歴から『緒方』に電話をかけてその旨を伝える。

52 『スリル!』 :2019/02/03(日) 22:08:58
>>51
『発電機』を二つ、用意する。
新しい車が『調達』できるまでは、
『ホームセンター』に置いておいてくれるようだ。

物品を調達できたので、『緒方』に電話をする。

   ≪『緒方』です。

     此方も、『トラック』を用意できました。
     私の『ミニ・クーパー』も、修理を手配したので、
     すぐにそちらへ向かいます。≫

   ブツッ

             ボッ ボッ ボッ ボッ .  .  .

その数分後、『平石』の前に『ボロボロ』の軽トラックが現れた。
荷台に塗られた『(株)中瀬樹脂工業』の文字も見えにくい。
『緒方』は仏頂面だ。あまりこのトラックがお気に召さないように見える。


   「一応、『150km/h』くらいまでは出ると、
    ディーラーの方からは伺ってますが……」


辛うじて『オートマ』なので、運転は簡単そうだ。

53 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/03(日) 22:42:08
>>52
『クーパー』と比べれば確かにだいぶと、ボロいが。軽トラはこういうもんだよ。うん。
オシャレじゃないしたぶん内装もキレイじゃないけどさ…。

「どうせ使い捨てだ、上等上等」

とはいえ『発電機二つ』、載せるわけだ。かなり無理をすることになるな。
店員さんに荷物の積載を頼んで、車から少し離れ、『緒方』に自分の考えを伝える。

「一つは予備だ。『時限爆弾』のように使うのは難しい。『歯車の暴走』は『即座に始まる』。直接、運転席にブチこんでやるほうが早い、と思う」
「後ろから追跡してくるなら、『キック・イン・ザ・ドア』であれば確実に狙える」
「勿論、オレが荷台に乗り込む。トラックカバーもかけてな。アンタはとにかく真っ直ぐぶっ飛ばしてくれ」

MT車のほうが馬力が出ていいんだが、まあ問題ないだろう。多分。耐荷重満載ってわけじゃないし。

54 『スリル!』 :2019/02/03(日) 22:53:55
>>53
「いえ、……なんか、タバコ臭い……」

前オーナーの置き土産に、『緒方』は露骨に眉を顰めている。
『緒方』が降りた運転席には、封が開けられたばかりの『消臭剤』が、
二つも並んで置かれている。

『緒方』に自身の考えを伝える。
彼女はそれを聞き、得心するようにうなずいた。

    「それで、『安全帯』も買ったわけですね。

     えぇ、あの『アヴェンダドール』の暴走を止めるには、
     多少、『道路』に被害が出ても、やむを得ませんからね……」

先程の『平石』の懸念を読み取ってか、『緒方』は言い聞かせるように呟いた。
荷物の搬入も終わり、後は『トラックカバー』を被せるだけだ。

55 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/04(月) 23:39:20
>>54
「あー……」

吸わない人にはキツいよね…。

「『道』は直せばいいさ。自動車税重量税ガソリン税に消費税まで上乗せしてやってるんだからな。
 人の被害は取り返しがつかない。だから『これ以上』出さないってことだろう?」

役所への批判を織り込みつつ、返答する。

「どうするかな。このまま高速に乗るか? だったらオレは荷台で待機だな。…」
「まあ、積み込んでくれた店員さんが離れてくれれば、サッと乗り込んでサッと出ればいい」

このまま特に寄るところもなく、『直行』なら、そうしよう。カバーをかけるので寝転ぶような格好になるが、ハーネスも装着しないといけない。
軽トラの助手席ではちょっと手狭だしな…。

56 『スリル!』 :2019/02/05(火) 23:20:19
>>55
「このまま『高速』に乗りますが、
 『アヴェンダドール』を呼ぶタイミングは任せます」

      ブロロロロロロロ ・ ・ ・

カバーの裏で寝そべるように『荷台』に乗った『平石』。
トラックは走り出し、その傍に『ロンドン・コーリング』が近づく。

        「あらかじめ『荷物』を置いておくなら、
         ゆっくりと走って目的地まで向かいます」

        「ですが、『アヴェンダドール』を呼ぶとなれば、
         『加速』を掛けて、呼び出しましょう――――」

既に『夜』だが、夜明けまでは時間的な余裕もある。
『アヴェンダドール』の出現コースを『2〜3周』は容易いだろう。

57 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/07(木) 23:40:29
>>56
燃料は大丈夫だよな。


ごそ  ごそ

高速に乗るまでに(相当の時間はかかるが大丈夫だろう、ということだ)、ハーネスを着け、命綱で車体と自身を繋ごう。

「そうだな…」
「さっきも言ったが、やはり『直接叩き込む』。飛ばしてくれ」

『ロンドン・コーリング』にそう頼む。

58 『スリル!』 :2019/02/08(金) 21:55:52
>>57
窓からチラリと見えた燃料タンクは『満タン』だ。
そして、それは『発電機』も同様である。

     ガチャッ

『緒方』もそれなりにスピードを落として運転をしているが、
『荷台』の上というのは、それなりに揺れるし、居心地はよろしくない。
『ロンドン・コーリング』は揺れなどないかのように振る舞っているが、
それはスタンドの『追従性*1』を用いた結果に過ぎない。

           キィィィ――――
                              ガタッ
                                    ゴッ!

『緒方』が急ブレーキを掛け、『発電機』が大きく揺れる。
『命綱』と『荷造り』は完璧とはいえ、肝を冷やす一瞬だ。
外から聞こえる会話から察するに、『高速道路』の通行券を受け取ったらしい。

          「『ETC』、ありませんでしたね……」

『緒方』は惚けたことを呟いている。
……『戦場』への『門』、『平石』は確かに潜ったのだ。

          「参りましょう。
           ――――お望み通り、『加速』します……」


         ブロロロロロロロロロロッッ!!!

                                   ボブッ!
                                         ブススッ!

中古車が故の奇怪な『エンジン音』を発しながらも、
『トラック』は加速していく。――――間もなく、『120km/h』だ。




*1:本体の移動に従い、スタンドもまた移動する特性。
   高速で動く乗り物の上でも、本体を軸として自在に動ける。

59 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/09(土) 23:51:20
>>58
「車に酔う方じゃなくて良かったよ」

人間の『乗り心地』など期待できるものではないが、愚痴と強がりを混ぜる。
そして、まさにここからは『戦地』に他ならない。
二度目だ。用意は充分…だと思う。
少なくとも、『やる気』だとかそういうものは不足していない。

「来い」

『キック・イン・ザ・ドア』を傍らに、『敵』を待つ。
エンジンの結索を一つ外し、スタンドで押さえる。その分のパワーは充分あるし、すぐ『戦闘』に移れるようにだ。

60 『スリル!』 :2019/02/10(日) 00:03:27
>>59(平石)

       バササササッ――――

車体のスピードによって、『平石』に被さるシートがはためく。
そして、風圧によってシートの末端がめくれ、


                 ォ  ォ  オ  オ――z____

    「来た……。
     『アヴェンダドール』ッッ!」

捲れたシートの隙間から、朧げな『アヴェンダドール』が覗ける。
『トラック』の『背後』からヘッドライトを照らし、みるみる内に接近する。

    「まずは『130km/h』、そして『140km/h』……

     一気にぶっ放して、『加速世界』に『入門』します」

『ロンドン・コーリング』越しに『緒方』が告げる。
エンジンの『結索』を外し、『キック・イン・ザ・ドア』がそれを押さえる。

61 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/10(日) 00:45:15
>>60
「ああ――」

しっかりと見据える。
『実体化』するのは大前提だが、可能な限り確実に叩き込まなければならない。
ひきつけて、外さずに。

「なにせ、ぶつけられたらひとたまりもないものな」

ボロ軽だ。『アヴェンダドール』も疑いなく真っ直ぐに追突コースで来てくれれば最高に良いが、
さて、『加速』のときだ……

62 『スリル!』 :2019/02/10(日) 21:05:42
>>61(平石)

     ヴォヴォヴォヴォヴォヴォォォォンンン!!!

『アヴェンダドール』は異常な『加速』により、
瞬く間に『軽トラック』との距離を詰めていく。

         ブロロロォォォオオンッ!!!

一方、『緒方』の運転する『軽トラック』もまた、
アクセルを踏み込み、そのスピードが『130km/h』へと到達する。

             ォ    「『アヴェンダドール』、実体化ッ!
              オ   
           .ォ      逃がさない――――、『加速』は続行するッ!」

そして、『実体』を取り戻した『アヴェンダドール』は、

         フォッ
                  ――――グォォゥン!!

『軽トラック』の背後に張り付いてた『アヴェンダドール』は、
同一の『追い越し車線』から、『第一車線』へと車体を滑らし、
またしても『タックル』によって、『軽トラック』を押し込もうとする。

      「――――何のこれしきッ!」

『緒方』の運転する『軽トラック』が、その一撃を『加速』によって避ける。
『アヴェンダドール』の動きを読み、『加速度』を温存していない限り、
決して出来ない行為だ。先程の『カーチェイス』を経て、ドラテクが増している……!

      「『ロンドン・コーリング』、『ゾウの時間、ネズミの時間』で、

       一時的に『体感速度』を加速させていますが、長くはもたないッ!」

      「『平石』さん、『奥の手』をッ、早く!」

『アヴェンダドール』は勢い余った車体をガードレースに擦り、
『実体』を残したまま、『軽トラック』の背後に張り付いている。
『緒方』の呼び声通り、今が絶好の『隙』だ。

63 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/13(水) 20:43:30
>>62
「スゴいな緒方!」

どんなタネでも、どんな仕掛けでも、今の『回避』運動はスゴかった。
そしてそのお陰で――

「『キック・イン・ザ・ドア』」「十秒!」

『歯車』を発現、『エンジン』に装填! 未始動のエンジンはそれすら出来ない『停止』状態に。
力任せにトラックシートをはねあげながら、『スタンド』は立ち上がる。『アヴェンダドール』に。

「ブチ」
   「かませッ!!」

二枚目の『歯車』を装填!しつつ、その『フロントガラス』めがけて、エンジンをブン殴り飛ばす!(パス精BBC)
『暴走』の反発の影響を考慮しても――一瞬の衝撃――外す距離では無いだろう。
ただ『暴走』するだけでは『爆発』を発生させることはムズカしい。今時の機械は『安全』だからだ。
なので殴って壊して燃料漏らして配管歪ませて、その上でひたすら狂ったように『点火』させ続ける。
フロントガラスから飛び込んで、車内で炸裂する…のを狙ってだ。『第二弾』の用意にかかりつつ、着弾とその結果を見定める。

64 『スリル!』 :2019/02/13(水) 22:50:09
>>63(平石)
『歯車』を『エンジン』に押し込み、『発電機』は完全に『停止』する。
そして、トラックシートを翻しながら、『キック・イン・ザ・ドア』は立ち上がる。

     ギャギャギャギャギャッッ!!!
                         ガリリリリッ

『軽トラック』の荷台に噛り付く『アヴェンダドール』。
その『フロントガラス』目掛け、ヴィジョンは拳を振り上げ……


        バッギャァァァ!!
                      ドバァ〜〜〜ッ!!


『歯車』を装填しつつ、『発電機』を思いっきりぶん殴る。
不安定な『荷台』から転がり落ちた『発電機』は、
異臭と黒煙を纏いながら、『アヴェンダドール』にぶつかり、

  | l /
  ト
    ツ   \ i /
       \/ ォ   オ  才 ――――z______ ンンッ!!


       「や、……やった―――!?」


強烈な『爆発』が『ボンネット』で炸裂し、
『爆風』を叩きつけられた『アヴェンダドール』は大きく車体を曲げ、

      ギャリリリリリリッッ!!

                     ゴスッ!

       ガゴッ!
                ゴォッ!!

車体を『ガードレール』にぶつけながら、
もがき苦しむように蛇行運転を続けていく。

       「や、やりましたね、『平石』さんっ」

『アヴェンダドール』に合わせるようにスピードを落とし、
『ミラー』に車体を捉えたまま、運転を続ける『緒方』。

65 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/14(木) 19:11:37
>>64
着弾と爆発、そして蛇行運転。それは『追跡』を諦めていないように見えるだろうか?
もし、そうだとしたら、

「『スピード』はそのままで頼む、『緒方』ッ」
「普通の車ならこれで終わりだと思うが、コイツは違う。『スタンド』だよな」「少なくとも」
「『120キロ』で、敵が健在なら、まだ一方的に激突できるってことだ」

正確に速度をはかる術がないので目測に頼るしかないが、『120キロ』の領域が最もヤバい。すり抜けるからだ。
そのスピードをまだ出せるのか? 出してくるのか? 壊れて走れないか? 『加速世界』はまだ解除されないか?
だからスピードを落とすことには反対する。『アヴェンダドール』の動向も注意だ。

「消えるか? 来るか? 備えて悪いことは無いんだからな」

ひとまず『歯車』を一枚、二つ目のエンジンに装填。『十秒間停止』状態にしておく。

66 『スリル!』 :2019/02/16(土) 20:56:56
>>65(平石)

     「えっ――――?」

     ブロロッ
               ォォォオオオオンッ!!!


『緒方』が聞き返すよりも早く、
『アヴェンダドール』が唸りを上げ、『トラック』へ飛び掛かる。
そのスピードは『遅い』。『80km/h』と言ったところだが、
それでも尚、体勢を立て直し、『軽トラック』を追跡する。

             スチャッ

『歯車』を『エンジン』に装填する。
『アヴェンダドール』は『120km/h』の時の『朧』な像ではなく、
ひしゃげたボンネットや割れたフロントガラス、
焼け焦げた『タイヤ』といった『故障』が見て取れる、『実体』だ。

67 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/17(日) 00:33:54
>>66
「どういう理由かは知らないが」「実体のようだな」

大事なことはそれだけだ。
今、『アヴェンダドール』には『攻撃が通る』だろう、ということ。
『エンジン』を振りかぶる。狙うのは『運転席』だ。

「『もう一発』だッ!」

向かってくる『敵』めがけて、『エンジン』を投擲する(パス精BBC)!

68 『スリル!』 :2019/02/18(月) 00:12:09
>>67(平石)

    ブォォォンンッ!!!

迫り来る『アヴェンダドール』、それを真っ直ぐに見据え、
『キック・イン・ザ・ドア』は、その『エンジン』を高々と掲げ、


          ゴスッ
                  ―――――ドォォォォンンンッッ!!!

強烈な『爆風』が『平石』の鼻先を掠め、
真下の『アヴェンダドール』を『炎』が包むッ

          ガゴッ
                         ゴスッ

『アヴェンダドール』の鼻先が『荷台』に突き刺さるが、互いに走行中の身。
マトモなダメージさえ負わず、炎上する『アヴェンダドール』は停止し、
見る見る内に遠ざかっていく。

……ボロボロにひしゃげた『車体』が朽ちるのを、
『平石』は軽トラックの荷台で、見送っていく。

          ≪『アヴェンダドール』、『停止』してます。

            ――――あれではもう、『再起不能』でしょう。
            ……本当に、どうなるかと思いましたが。≫

          ≪『平石』さん、お疲れさまでした。≫

間近の『ロンドン・コーリング』を介して、『緒方』が労いの言葉を掛ける。
『トラック』はスピードを上げ、追い越し車線を走っていく。

69 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/19(火) 23:46:36
>>68
「…」「……」

「終わり?」「ぶっ壊したか? 突っ込んできたのは『最後ッ屁』ってやつか」

緒方に応えつつ、エンジンを下ろして、それでも後方に気をつけつつ、姿勢を低くする。
高速道路に軽トラの荷台でエンジン持ち上げてるヤツなんて不審人物以外の何ものでもない…と気付いたからだ。
トラックシート被れるなら被っておこう。

「ああ、アンタもな…運転お疲れさん」「礼を言うよ。オレ一人だったら、最初のときで事故ってただろうな」

70 『スリル!』 :2019/02/20(水) 00:10:13
>>69(平石)
>「礼を言うよ。オレ一人だったら、最初のときで事故ってただろうな」

  「二度とはゴメンですけれど、
   ――――無理した甲斐が、ありました」

     ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・ ・

『エンジン』は既に、二台とも投げ捨てている。
背後を振り向くが、『アヴェンダドール』は既に彼方だ。
街頭に照らされた『白煙』だけが辛うじて見える。……『致命傷』だろう。

あの走行の最中、『トラックシート』も吹っ飛んでいるようだ。
やむを得ず、『屈む』に留める。加速する車体に対し、安定する姿勢だ。

  「そう、貴方は『一人』でやってきた。

   ――――あの『曳舟』は『需要』と『供給』を繋げる、
   『アナーキー・イン・ザ・UK』のスタンド使い。

   『危険』の予想される、スタンド使いの『討伐』なら、
   数人は連れてくると思いましたが、貴方は『一人』でやってきた」

『ロンドン・コーリング』を通じ、静けさを帯びた『緒方』の呟きが零れる。

  「『曳舟』の手腕を疑いましたが、……今ならその理由が解ります。

   『アヴェンダドール』のパワーとスピードには、
   真っ当な『ヴィジョン』では、対抗できません。

   貴方は、たった一人で『暴走車』に立ち向かい、
   『破壊』し、打倒した。……貴方でなければ、ならなかった」


                     ロ ロ ロ ロ ロ ロ ォ ォ ォ 


冷たい荷台から響く『エンジン音』は、身体を直に震わせる。
そのまま寝そべるように腕を伸ばし、『平石』の掌は、


                ベトッ


悪趣味な色彩に輝く、『蛍光塗料』に触れる。


       ゴ
                      ゴ


              ゴ

                          「ニィ   を
         ゴ

                           だすけ、   なきゃ.  .  .」


          ズルッ

                      ルルゥゥ


皮膚の禿げた『青年』が、醜面を『荷台』の縁から突き出した。
身体を這いずらせ、『軽トラック』へよじ登っていく。



.

71 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/21(木) 20:08:33
>>70
『緒方』に返答する。

「そうなのか? 『真っ当』ってのがよくわからないが  」

「とにかく」

べとつく。『蛍光塗料』を確認する。
すぐに起き上がろう。
そんな気はしていた。『これで終わりなのか』という疑問。直感(これは『メタ』いが)はあったが行動はしなかったし確認もしなかった。


「彼は、何だ。ああ。『チャオ』だったっけ?」「『健在』のようだな」


生きてるのか死んでるのか分からないが、『まだ戦おうとする』状態を『健在』と言おう。
『蛍光塗料』に濡れた手に『異常』を感じるだろうか。
『荷台』に『塗料』が飛び散っているのだろうか。あるいは『出現してきている』? 掌だけ?

『確認すべきことはたくさんある』。だが最短最速即決で『やること』は一つだ。何よりもまず、

「『キック』!」

突き出した『青年』の顔面を『スタンド』の全力で蹴っ飛ばすことだ。(パス精BBC)
骨まで砕く。『スタンド』だろうが『生身』だろうが、『キック・イン・ザ・ドア』のパワーなら――タダでは済むまい。その筈だ。

72 『スリル!』 :2019/02/21(木) 21:09:49
>>71(平石)

>「彼は、何だ。ああ。『チャオ』だったっけ?」

                「えっ!?」

>「『健在』のようだな」

                「なに、を――――」

    ギラッ

                「ギャアアアアァァァァ〜〜〜〜ッッ!!!」

皮膚の剥がれた屍鬼の形相を目の当たりにした『緒方』は、
絶叫とともにブレーキを踏み込んだ。


                「なっ、     ――――効いてないッ」


焦燥する『緒方』、棒立ちの『ロンドン・コーリング』。
『蛍光塗料』は奇妙な『グラフィティ』を描いており、
それは『荷台』だけではない。ボディや、……見えてないが『フロント』も同様だろう。
異様な『発光』を始める『塗料』、傍から見れば『電飾』にも見える『明度』だ。

――――無論、そんなことより、『平石』は、


               「『キック』!」

                             バオッ!!

『キック・イン・ザ・ドア』を発進させ、強烈な『蹴打』。
『荷台』の上であれば、その全てが『ヴィジョン』の射程内となる。
顔面を思いっきり、押し破るように『足裏』をぶち込み、


         ガキィッ!

                     「ォ レ は」

                     「兄貴ヲ ォ   オ  ォ――――」


弾かれる。
亡霊となった『チャオ』、透けた『肉体』に被さるように、
エネルギーの塊が、『腕』の形を成して、蹴りを弾いたのだ。

――――『平石』と同じ、『ヴィジョン』を持つ存在ッ!


                スタッ!

                        荷台に、『チャオ』が立つ。

73 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/21(木) 21:52:37
>>72
「オレは」「『命綱』を外してないが」

『急ブレーキ』に、敵は動じていない。

「君に『慣性』は働いていないみたいだな。こっち」自分を指さし「より、こっち」『キック・イン・ザ・ドア』を指さす「ってわけだ」
「能力は『車を操る』っていうより、この『蛍光塗料』か?」
「『車』を壊したのに君は健在で『塗料』を撒いてるもんな」「そりゃそうだよな。こっちが『能力』だ」「ところで会話は出来るのか?」

「無理そうだな」と言う代わりに、

  ギァ リン!

『歯車』を一枚。手裏剣のように『チャオ』の顔面に投擲する!
蹴りを弾いたなら『視覚』はあるのだろうし、反応もする。『防御の必要性』もあるという意味だ。
コイツは『機械ではない』。生身というわけでもないだろうが。『塗料』の能力は不明だが『長引けば長引くほど不利になる』気がする。
ならば可能な限り単純かつ素早く、殴るか蹴るかして制圧するべきだ――と、思う。
だから顔面に投擲する。当たればタダではすまない。防御をするだろう(しないなら脳天に歯車が食い込んで終わりだという自信はある)。
防御をするなら足下には集中できない。そこにローキックなりを叩き込む段取りだ。
スピードの差が大きければこれは問題だが…『出たとこ勝負』だ。どのみち先攻で速攻する以上に良い手はない。殴り合いなら。

74 『スリル!』 :2019/02/21(木) 22:00:36
>>73
描写漏れ失礼しました。
『急ブレーキ』は全く効いておらず、
トラックは現在も『高速』で走行中です。

75 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/21(木) 22:17:05
>>74
読解が不十分で申し訳ありません。
>>73の最初の五行を


>「オレは」「『命綱』を外してないが」
>『急ブレーキ』に、敵は動じていない。
>「君に『慣性』は働いていないみたいだな。こっち」自分を指さし「より、こっち」『キック・イン・ザ・ドア』を指さす「ってわけだ」
>「能力は『車を操る』っていうより、この『蛍光塗料』か?」
>「『車』を壊したのに君は健在で『塗料』を撒いてるもんな」「そりゃそうだよな。こっちが『能力』だ」「ところで会話は出来るのか?」


から


「なるほど」「君の能力は解除されてないようだな。この『塗料』がそうなのか?」
「『車』のヴィジョンじゃあなくて、こっち(塗料)がさ…ところで」「会話は出来るのか?」


というふうに変更しても良いですか?(行動自体には変更無しです)

76 『スリル!』 :2019/02/23(土) 22:07:50
>>73(平石)

>「なるほど」「君の能力は解除されてないようだな。この『塗料』がそうなのか?」
>「『車』のヴィジョンじゃあなくて、こっち(塗料)がさ…ところで」


    バシュッ!


『平石』は語り掛けながら、『歯車』をヴィジョンに投擲させる。
※特に指定がなければ、『最大サイズ』とします。

       ガッキィィンッ!!

                         ズォリッ!

『チャオ』のヴィジョンは『歯車』を両腕で防ぐ。
そこをすかさず『ローキック』を放つが、
その腿裏を掬い上げるように『蹴り上げられる』。

――――『格闘戦』において、両者は全くの『互角』ッ!

>「会話は出来るのか?」

                     「コイツには、出来ねぇよ――――」

立ち上がった『チャオ』、その手に『ロープ』で縛られ、
吊るされるように掴まれた『何か』を、『平石』は目撃する。


           「ゔっ ……あ、れは」

『首』だ。
思いっきり『引き千切られた』かのように、
ズダズダの断面をした『生首』が、『思念』によって『平石』に語り掛ける。


           「『生きて』ます……。

            ハムスターよりも、か細い『バイタルサイン』、
            それでも、あのままで、生きているなんて――――」


      ドゥッ!

タックルを仕掛けるように、『チャオ』は駆け込みながら、
『キック・イン・ザ・ドア』にぶちかましのような『拳撃』を放つ。
身を捩れば避けられるが、背後には『ロンドン・コーリング』がいる……。

77 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/24(日) 01:02:19
>>76
※申し訳ないです。指定無ければ最大サイズでお願いします。


>       ガッキィィンッ!!

>                         ズォリッ!

『互角』!――いや。
対応の『素早さ』そのものか、あるいは格闘の『経験』か。総合的な戦闘能力という意味では

「(一歩劣るな…『こっちはずぶの素人だ』って感じが)」

>      ドゥッ!

そして迫る『チャオ』に思う。『戦力』『経験』『思念』『妄執』、すべてに於いて劣っている。
負けはしないと断言できるのは『キック・イン・ザ・ドア』の能力。それと

「―――『君』には出来るのか?」「『兄貴』かな?」
「ひとつ明確にしておく。オレにとって『誰が死んで生きていようと』それ自体は心底どうでもいい」「会話が成り立つって意味だろうから伝えてるだけだ」
「大事なことは、『曳舟サンのメンツ』と『緒方の安全』と、『オレの能力と収入』。その四つだけだ」

一晩で『百万円』という大金が発生する。
ならば当然そこには不文律として、当然の処置/期待として、依頼主(その身内――つまり緒方を含む)の安全が見込まれているに決まっている。
それをひっくるめて、理屈は不明だが、曳舟はこの平石基に『依頼』を持ち込んだ。
「(そしてオレはこの機会に確かめようとした。オレと『キック・イン・ザ・ドア』の有用性をだ)」

  ギ  ァ ッ!

飛び込んでくる拳を、だから『キック・イン・ザ・ドア』の両腕をクロスさせた形で『防御』する。
蹴りと投擲で『力』だけならば張り合える確信があるからだ。純粋な殴り合いならば、純粋に場数と経験値で不利だが――
防御しながらでも、手から『歯車』は発現できる。それは投擲でも殴りながら差し込むわけでもない。ただ発現するだけ。ぽろりと、下に落ちて行くだろう。
『殴り掛かってくる』なら、目立たない。気付かないかもしれない。気付いたところで『今』何かできるわけでもない。
良く分からないし、単純な推測に過ぎないが――

『バイタルサインが感知できるなら、その生首は本物(実体)なんだろう』。

78 『スリル!』 :2019/02/24(日) 23:16:07
>>77(平石)

>「―――『君』には出来るのか?」「『兄貴』かな?」


   「ああ、コイツはそう呼んでたな」

   「『吉仲』、貴方は『タダヒト』さんが――――」

異様な光景ながら、『緒方』は『ロンドン・コーリング』越しに口を挟む。

   「……誰だぁ? まぁ、いい。
    すんでのところで、『チャオ』に救われた、ってわけだ」

   「救われた、と言えた姿でもないでしょうに……」


  ギ  ァ ッ!

                    ゴゴォッ!

両腕をクロスし、『チャオ』のヴィジョンによる一撃を『防御』する。
『チャオ』は接近し、対の腕が『平石』へと伸び、


              グワシッ!
                             ―――ボロッ


『喉輪』をかまされるように、ヴィジョンの『左掌』が、
『平石』の喉を締め上げていく。――――これは、『締め上げる』に留まらない。
まるで、『もぎ取る』かのように、握力を強めていく。

落ちた歯車を気に留めることもなく、
『チャオ』は腕力を強め、『吉仲』は語り続ける。


      「これから、救われるんだよォ……。

       お前は長々と喋った後だが、俺が大事なのは『一つ』だけ。
       ――――『身体』だ。『加速世界』の影響によって、
       死の寸前を生き永らえているが、……いずれは死ぬ」

      「だから、『チャオ』に命じて、次の『肉体』を探させた。
       だが、『アヴェンダドール』で『死体』を作るってのは、
       牛刀で鶏を割くようなモンでなァァ〜〜〜〜〜ッッ」

      「――――『五人』も無駄に殺しちまったよ。
       まあ、こうやって『高速道路』で暴走する車ってのは、
       俺だけでもねぇ〜〜〜みてぇ〜〜〜だし、対して騒がれねェ」


      「お前をこの場で『殺せ』ば、無駄な犠牲者は出ねぇしなぁ」



.

79 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/02/28(木) 22:54:58
>>78
『加速世界』の能力が『チャオ』。
死んでも動かす――ゾンビ?――の能力が、『吉仲』というこの生首。逆か?
首を掴んで…引きちぎって、すげ替えるつもりか? 『次の肉体』ってわけだ。中々便利そうだが…

「グッ」

息が詰まる。声が出せないから『スタンド』で話そう。

「だから『走らせ続けている』のか?」「『緒方』はブレーキを踏んだ――効かないってのはそういうことで、理由は一つだよな」
「『停めさせない』ように。意外と焦ってるのか? 『加速世界』のお陰で生き延びてると言ったな。今、その『下限』を超えるとどうなるんだ?」

歯車は落ちた。トラックの荷台に。

「遅くなったが説明しておく。スタンドの名前は『キック・イン・ザ・ドア』」
「『機械を停める』能力。エンジンだろーとギアだろーとシャフトだろーと、『機械を停める』。歯車を噛ませてな」
「足下のこれだよ」

防御の姿勢はそのまま、スタンドで『歯車』を踏み、『軽トラに装填』!『停止』させる!

80 『スリル!』 :2019/03/03(日) 21:41:21
>>79

    ≪……クズがッ!

      『吉仲』、貴方はもう、『生きて』すらいない。
      唯、『死』をバラまくだけの貴方は、既に死んだも同然ッ≫


    「『甦る(リ・ボーン)』って言ってるだろーが、

     別にテメェの身体でもいいんだぜ、話を訊かねぇヤツだな」


        ググ・・・ッ

『キック・イン・ザ・ドア』に対抗出来るだけあり、、
『平石』の首を締め上げる、ヴィジョンのパワーは相当だ。

    「そのまま『締め上げろ』、
     ――――『ファブ・カトル』、そのままだ……」

『吉仲』が命じるままに、『チャオ』はヴィジョンで首を締め上げる。
このままでは『死』も危うい中、『平石』はヴィジョンのガードで、
首を握る腕を押し上げながら、『歯車』を踏みつける。


               グゥンッ!


『歯車』は抵抗なく、『トラック』に押し込まれる。
そのまま『減速』に移行するが、――――『想定』よりも下がらない。


    「ブレーキが利かないってことはだなァ、
     テメェのトラックが、『ユービック』の支配下にあるってことだ」

    「『加速』は止まらねェ、そうだろォ?  チャオォ?」


                        「. . ォ  ァ、ァ ア ・ ・ ・」  
 

『停止』を指示する『キック・イン・ザ・ドア』と、
車体を加速させる『ユービック』、『スタンド能力』同士が『拮抗』している。
このままでは、『平石』の『意識』が無くなるのが先か―――― 

         ≪『ロンドン・コーリング』ゥ !≫


          ブ ワ ァ ァ!

『ロンドン・コーリング』が、その脆弱な腕を振りかざし、『ファブ・カトル』に殴りかかる。
が、『ファブ・カトル』は対の腕を振り回し、『ロンドン・コーリング』を振り払った。

この一瞬、首に掛かる手のガードが緩む。


                   ブ  ロ   ロ   ロ  ・  ・  ・


車体の『減速』により、周囲の状況も把握できるようになった。
隣接する車線にいる何台かの車両が、トラックに近づいてくる。

81 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/03/05(火) 23:03:05
>>80
「(助かった…『緒方』…)」

一連の現象から、掴んできているコイツが『ファブ・カトル』、
(おそらく飛び散った蛍光塗料を含めて)車体に取り憑くのが『ユービック』、
そして『加速世界』から減速しても、死に損なった『吉仲』と死ねない『チャオ』のコンビは平気なのだ、
ということを理解する。少なくとも、今すぐ時間が元に戻って死ぬわけじゃない。

 ギ !

スタンドで緩んだ『ファブ・カトル』の手を振り払いたい。その余裕はある筈だ。
振り払うその手の中に、『歯車』を一つ発現する。

「………」
「『減速』はしている」「確かに、優位かどうかは判断しかねる状況だが」
「『歯車』は噛む。それは確実だ」

最も大事なことを理解できた。そして『吉仲』も『チャオ』も、『二枚目の歯車』が何を現象するかは知らない。
正確に体験したことはない。「だから」

「君たちの『加速』は、ここで終わるよ」

82 『スリル!』 :2019/03/08(金) 22:05:30
>>81(平石)

         バキャァッ


   「脆弱だなァ、ザコがッ!」


                   ―――バァンッ!       ≪ぅぐ!≫


『ロンドン・コーリング』が振り払われ、
その『ダメージフィードバック』を受けた『緒方』が『シート』の背凭れにぶつかり、
荷台に繋がる小窓に後頭部を打ち付け、鈍い音と悲鳴を発する。

             バシッ!

だが、そのダメージは無駄ではない。
『ファブ・カトル』の腕を払い、『平石』は拘束から逃れる。
そして、その掌に『歯車』を発現した。


 >「君たちの『加速』は、ここで終わるよ」


      「終わらねェんだよ、俺達も……『エクリプス』もッ」


      「そうだろォ、『チャオ』ッ!?

       『ユービック』ゥゥゥ―――z_______]


      ブロロロロロロロロォォォォッッ!!!!!

『キック・イン・ザ・ドア』による『減速』に抵抗するかのように、
『蛍光色』を輝かせる『真っ赤』なトラックが、『エンジン音』を響かせる。


            ブォォ―――z_____


隣接車線から『大型トラック』が迫ってくる。

83 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/03/10(日) 14:10:33
>>82
「往生際が悪いのは」「良いことだ。諦めることは簡単だものな」

その『精神性』だけは尊敬するべきだ。他の全部がそうではないとしても。
諦めずに、戦い続ける、その点だけは。

「でも終わりだ。『君たちは、命綱、つけてないだろ』」

   ガ ン ッ

軽トラの荷台を叩く。『二枚目の歯車』を押し込む。二枚目だ。暴走命令を装填する。『フルブレーキ』。緒方も踏みっぱなしだろうが。
それ以外の操作を受け付けない。そして『接触』するだけでも、―――


  >『ハンドル』、『アクセル』、『シート』の全てから、
  >『拒絶』の衝撃を受けた『緒方』が悲鳴を上げる。

  >それは、『平石』も例外ではない。
  >まるで『振動』によって弾かれるように、全身を『衝撃』が襲う。


『弾かれる』。
吹きっさらしの、走行中の、荷台から、だ。『命綱』の大切さを解こうと思ったが、

「緒方に言い忘れてたな」

相談も合図も無しだったことを思い出し、あとで謝ろう、と考えることにした。

84 『スリル!』 :2019/03/12(火) 00:03:18
>>83

   グ ゥ  ゥ ンッッ!!

二枚目の『歯車』がトラックに装填され、
『フルブレーキ』の命令を下すが、――――車体は『止まらない』。


    バ ォ オ 


         ブロロロロロロロロォォォォッッ!!


「『ユービック』、既に『車体』は染めあがったッ

  ここから、テメェらを『加速世界』に招待し、」


       ドバッ
                  「て」


     バ
       シ   「な、、  ぁあ !!!」

     ィ


『フルブレーキ』を無視する『トップスピード』への移行、
その刹那、『チャオ』の身体が、弾かれたように『浮き上がる』。
たたらを踏み、辛うじて堪えるも、――――致命的な『隙』だ。


    「チャオ!

     耐えろォォォ――――z_____」


     「ァ   ニ……」


既に、『キック・イン・ザ・ドア』の射程内だ。

85 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/03/13(水) 00:13:55
>>84
「せっかくだけど」

『キック・イン・ザ・ドア』、既に『射程内』に敵を収めている。
さっき言ったことの通りに、『加速』を終わらせる。あの『世界』はもう、

「二度とゴメンだ」


ギ  ァ  リ ッ ッ ッ


丁重に断りながら、剛腕、一閃!
たたらを踏んだ『チャオ』の体を、その手に括った『吉仲』の首ごと、『路面に叩き落す』ッ!!
可能な限り…『大型トラック』が迫る…隣接車線に、落ちるように。
『生きてるか死んでるか分からない』ようなことの、無いようにだ。

86 『スリル!』 :2019/03/15(金) 23:15:56
>>85(平石)

          ギ  ァ  リ ッ ッ ッ

『キック・イン・ザ・ドア』の剛腕が、空を薙いだ。
その掌峰が『チャオ』の霊体を、容易く『真っ二つ』に割いて、


               バシッッ!!


     「ン  ァ  ぁ  あああ!!」


『吉仲』の首は荷台から滑り落ち、
断末魔を轟かせながら、『大型トラック』に吸い込まれ――――


              ブ 
                    チャッ


振り薙いだ『一閃』は、確かに『生死』に一線を引いたのだ。


           ド
                    ォ     オ  ―――z_____ ンン!!


チャオ『ファブ・カトル』
吉仲『ユービック』⇒『消滅』、『再起不能』

87 『スリル!』 :2019/03/15(金) 23:16:23
>>86


       「―――――― 何か、

        『合図』を、決めておくべき、でしたね……」


ボロボロの軽トラックがサービスエリアに停泊すると、
運転席から降りてきた『緒方』は、細い首項を抑えながら、
顰め面を浮かべて、荷台へと歩み寄ってきた。


       「ですが、……『チャオ』も、『吉仲』も、滅しました。

        もう、『犠牲者』が出ることはないでしょう」


むち打ちになった『緒方』だけではない。
『平石』もまた、締め上げられた『首筋』や、打ち据えた脇腹、
身体の節々に鈍痛を覚える。――――だが、やっと終わったのだ。

88 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/03/16(土) 23:32:57
>>87
「…スマン。何しろ急で」

言い訳がましく、荷台から降りる。体が痛い。伸びをしたり、屈伸したりしてみよう。

>       「ですが、……『チャオ』も、『吉仲』も、滅しました。

>        もう、『犠牲者』が出ることはないでしょう」

「そうだな。うん、良かった。それにしても、た」「っ」「と」
「とんでもないヤツらだったな。『死んでも動く』って、本当にあるもんなんだな」

言いかけたのを言い間違えたことにして、とんでもない敵だったことの話題。
『チャオ』と『吉仲』に、義憤めいた感情(だと思う)を以て戦った緒方の前では言い辛かった。
自分でも良く分からない。殴り合いのケンカも小学生以来、格闘技も高校の体育で柔道やったっきりだ。
なのに、ふと口をつきかけた。『それにしても、楽しかった』。本心だ。楽しかった。
徹頭徹尾、『殺されそうになって』、『やりかえして』、『叩き落した』、要するにあれは『殺し合い』だ。
ちょっとどころじゃなく『日常生活』とはかけ離れた異常事態だ。そうだ。
よく考えれば、『曳舟』の話を聞いたときから、楽しみだった。

「………」
「もう『犠牲者』は出ない。うん。一安心だ」

89 『スリル!』 :2019/03/17(日) 22:45:46
>>88(平石)
奥底から浮かんだ『高揚』を隠しながら、
『平石』は『緒方』からの言葉に受け答えをする。


   「私も、訊いたことはありませんが、

    『幽霊』が実際にいるなんて、
    ……想像にも、及びませんでしたね……」


身体の痛みを紛らわせるように、足腰を伸ばしていく。
しばらくは『通院』が必要だろう。


    「本当なら、『病院』まで送っていきますが、

     もう、零時を回ってますから、
     今日は家まで送っていきます」

    「報酬は、車の中で渡しましょう。

     ――――それにしても、『チャオ』が乗り込んでくる前に、
     私が言ったことは、少しだけ『訂正』しないといけませんね……」


安全帯を外し終えた『平石』が、せっせと柔軟体操をするのを背にし、
『緒方』は何事かを言い残せば、運転席へと乗り込んだ。

90 平石基『キック・イン・ザ・ドア』 :2019/03/17(日) 23:57:58
>>89
「ああ」

『スタンド使い』でも、『幽霊』は珍しい――というより『想定外』か。
超能力をもってても人間は人間、死んだら死ぬのが当たり前ってところだろう。
そりゃそうだ。

「ありがたいね。最初に会った『公園』の近所だ。そこでお願いする」

『送ってくれる』という申し出はありがたく受け取ろう。
車内で、『報酬』もありがたく受け取るとしよう。車に乗る。

「で、『訂正』って?」

正直、内容をあまり覚えていないが、気になったので、それは訊く。

91 『スリル!』 :2019/03/18(月) 23:16:03
>>90

      ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・

『平石』はトラックの助手席に座った。
無理の利いたエンジン音を響かせながら、
インターチェンジを抜けたトラックは、高速道路を後にする。

>「で、『訂正』って?」

    「『ヴィジョン』を超えた『破壊力』こそ、
     『曳舟』が『アヴェンダドール』の撃破に必要とした、と――――」

    「私はそう、貴方に言いましたが、

     ……ひょっとしたら、スタンドの性質なんてものではなく……」

赤信号で停車したのを切欠に、
『緒方』は封筒に収めた『札束』を、
ダッシュボードに滑らすように、『平石』に押し出した。

    「『加速世界』という未知の空間、
     『幽霊』という未知の存在、――――これらを前にして、

     尚のこと、立ち向かえる『好奇心』こそ、
     貴方の持ち得る、最大の『武器』だった」

>「ひとつ明確にしておく。
> オレにとって『誰が死んで生きていようと』それ自体は心底どうでもいい」

    「『ロンドン・コーリング』は、
     『バイタル』を聞き取る能力。
                         ス リ ル
     ……貴方の内から湧き上がる『高揚感』は、
     彼女を通じて、私の『耳』に及んでいるのですから」

冷たく、確かな語気が、断じるように『平石』に届いた。
だが、それを放った唇が、フッと柔らかく弧を描いた。

    「ですが、『チャオ』と『吉仲』の『抹消』は、
     それが無ければ、決して成し得なかったでしょうね。

     ……ハアァァァ〜〜〜〜〜ッッ

     なんだか、肩肘を張ってた私が、
     バカを見るような話でしたねェ――――」

脱力するように大きく息を吐いて、
『緒方』は呆れたように愚痴り始める。
もうしばらく、付き合わなければならないだろう――――

平石基『キック・イン・ザ・ドア』⇒『首に青あざ』、『脇腹、他各所に打ち身』、『全治二週間』
                    報酬額は『100万円』。

92 『スリル!』 :2019/03/18(月) 23:46:59
能力は『人馬一体』。
正しく言うならば、『スピード』を乗りこなす能力。

『高速』である程、ヴィジョンの『精度』は高まり、
それは『運転技術』にも応用される。

―――――『超高速』であれば、
人知を超えた『分子レベル』での『技巧』を発揮し、
新鮮な『遺体』との縫合による『死者蘇生』さえ成し得ると、
『吉仲』は『チャオ』に告げ、『凶行』に駆らせていた。

無論、それが『真実』かどうかは、やって見ないと解らない。

『ファブ・カトル』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:E 精密動作性:速度次第 成長性:E

93 『スリル!』 :2019/03/18(月) 23:48:36
車体に憑依する『ボディペイント』のヴィジョン。
『概念』として存在する『加速世界』へと入門し、
『現実世界』に『加速のヴィジョン』を発現させる。

『加速のヴィジョン』は車体と同一の動きを取り、
自身より明らかに『低速』の物体からは『干渉』されず、
『加速世界』に足を踏み入れた物体にのみ、その影響を受ける。
(※あくまでも『移動速度』であり、『動作速度』は含まれない。)

『140km/h』に到達した『現実世界』の物体は、
『加速世界』に『加速のヴィジョン』を発現させる。
物体と同一の動きを取り、その『知覚』は『加速世界』に移行する。

『死』の直前、『加速世界』へと入門した『本体』は、
『走馬灯』の流れる『体感時間』で『魂』が固定されており、
自身が『高速』で移動する間、『死』に向かう時間が引き延ばされている。

『ユービック』
破壊力:なし スピード:B 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:D 成長性:完成

94 『スリル!』 :2019/03/18(月) 23:49:14
『チューブ』や『管』で構築された人型のヴィジョン。
身体の一部を解きほぐし、『極細』のチューブとして、
その射程距離を伸ばすことができる。

射程内の『バイタルサイン』を『聞き取る』能力。
『バイタルサイン』は『魂』が醸し出す『息吹』そのもの。
周囲に存在する『生命体』の数や大きさを、
一人ひとりの『脈動音』の大小によって『把握』できる。

『カクテルパーティー効果』の増幅により、
過去に聞いた『異常』と同質の『脈動音』であれば、
群衆の中であっても、その位置を『正確』に聞き取れる。

また、『心音』を直接『聞き取る』ことを条件に、
『嘘』、『緊張』、『好意』、『確信』などの『心理』の変化さえ、
『バイタルサイン』の範疇であれば完璧に理解できる。

無論、『吉仲』の『真意』もまた、彼女は完全に『理解』していた。

『ロンドン・コーリング』
破壊力:D スピード:D 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:A 成長性:D

95 <削除> :<削除>
<削除>

96 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/03/29(金) 20:20:36
>鉄 夕立『シヴァルリー』
>塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』

ある日の夕方、二人は『歩道橋』を渡っていた。
ゆっくりと、互いがそれぞれすれ違おうとした時――――


    「ヘッヘッヘッ、『夕立』の坊ちゃんに、
     『犀川』の姐さん、……お待ちしておりやした」


橋の中央、手すりに捕まって佇んでいた、背むしの男。
一目で『浮浪者』と解る、みすぼらしい風体をしていた。


    「スタンド使いのお二人に、頼みてェお仕事がございやす。

     ――――盗まれた『現金』を、取り戻してほしいんでさァ」


         スススゥゥ――――


せむしの身体を丸めて、卑屈なまでの辞儀と共に、
差し出された二枚の『名刺』には、こう書かれている。


         <仲介人  曳舟利和>


     「恐らく、盗人は『スタンド使い』。
      お巡りさんでも、手の回らねェ『犯罪者』。

      ソイツらの手を後ろに回すには、
      お二方のご助力が、必要になんでさァ」

据えた臭いを放ちながら、『曳舟』は卑屈な言い回しで、二人に話しかける。

97 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/03/29(金) 20:54:01
>>96
名前を呼ばれ、ふと立ち止まる長身の女。

「ふーん………。
良くわかったね。『スタンド使い』。そっちの君も?
私のことを知っている奴は、そう多くない筈なんだけどな……」

『鉄』を一瞥したのち、値踏みをするように『曳舟』を見下ろす。
名刺の一枚を受け取った。

「楽しそうなハナシだな。
詳しく聞きたいね」


-----------------------------------------------------------------
ガラス細工の鳥のスタンド。群体型。
身体を擦りつけた物にガラスの羽を植え付け、『ガラス化』させる。
また、頭部に核があり、破壊されるなどで露出したこれに触れた物は、
大きな物、分厚い物などであっても一気に『ガラス化』されてしまう。

『クリスタライズド・ディスペア』
破壊力:E スピード:B 射程距離:B(12m)
持続力:E 精密動作性:C 成長性:B

【能力詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/177

--------------------------------------------------------------
【持ち物】
ハンドバッグ・財布・スマートフォン・手帳・ボールペン・文庫本


【簡易プロフィール】
長身痩躯の長髪の女。24歳。
見るものを委縮させるきつい顔立ちだが、身に纏う雰囲気は緩い。
高級そうなスーツを着崩した、アンバランスな服装。
職業はなし。宿もなく、男の家に寝泊まりしている。

98 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/03/29(金) 22:32:22
>>96

「・・・・・・・・・・」

名前を呼ばれ、振り返る。そこにいたのは、恐らく一度も会ったことのない『浮浪者』のような男性だ。
まさかだろ、という感じだが。もしそうだとしたら、『早過ぎる』。
音無さんから話を聞いたのが昨日、覚悟を決めたのがその夜。そして出会うのが、まさかの今日?
そう、あるいは勘違いというセンもあった。この『名刺』を受け取るまでは。


「…『曳舟』さん」
「これがあなたの…『需要』と『供給』を操る能力ですか?」
「ああ、話は伺わせて頂きます」

「・・・・・」 チラリ
ペコリ

共に声をかけられた女性の方へと顔を向け、視線を外しながらも一礼した。



-----------------------------------------------------------------

視認した『刃』から殺傷力を奪い、なまくらにする。
奪った殺傷力は、その『刃』の形を成して手に発現出来る。
奪う際にも殺傷力が刃の形を成してこのスタンドに飛来し、それを吸収する。
その飛来経路に無生物があっても透過し、生物がいれば容赦なく切り裂く。

『シヴァルリー』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E(2m)
持続力:B 精密動作性:B 成長性:B

【記】『スタンド能力詳細まとめスレ』
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/103

-------------------------------------------------------------
【持ち物】
竹刀袋(鍔と竹刀入り)、スクールバッグ(筆記用具、財布、勉強道具、小型ポーチ[鉄釘、75mm、15本入り])、スマホ
【簡易プロフィール】
『清月学園高等部二年生』、『剣道部』。
右目にかかる、斜めに切られた前髪が特徴的なショートヘア。目は切れ長で細め。身体もやや細身。
女性が苦手で、初対面だと特に目も合わせられない。緊張が原因なので、非常時など他に強い意識が向いている時は、その限りではない。

99 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/03/29(金) 23:54:48
>>97(塞川)
名刺には『曳舟』のフルネームのみが記載されている。

    「素晴らしい『即断』でごぜぇます。

     アタシの粗末な身なりじゃあ、
     まずは『警戒』されるモンですがねェ……」

    「そこを行くと、『塞川』の姐さんは、
     見かけ通り、肝が据わっていらっしゃる」

『曳舟』は何本かすっこ抜けた『乱杭歯』を晒しながら、
唇を緩めた締まりのない笑みを『塞川』へと向け、おべっかを並べる。

>>98(夕立)
>「これがあなたの…『需要』と『供給』を操る能力ですか?」

    「これはこれは、お耳が早いことで。

     アタシのような下賤の身であっても、
     『夕立』の坊ちゃんにも知られているとは……」

    「ヘッヘッヘッ、老いさらばえても何でも、
     長く生きてみるものですなァ」

遥か年下の『夕立』に対しても、
『曳舟』は卑屈な態度を曲げず、ハエのような揉み手を欠かさない。


>ALL

    「事の仔細は、アタシからお聞かせしたいのですがねェ、

     今回に限っては、『クライアント』が直接関わりたいと、
     そーいう『要望』でさァ、すいませんねェ、ヘッヘッヘッ……」

話を聞く姿勢を見せた二人だが、
『曳舟』はへりくだった態度のまま、フケまみれの頭を垂れる。

    タッタッ
            タッ

    「おっと、……それじゃあ、アタシはこれにて」

『曳舟』は丸めた背中を二人に見せると、足早に去っていく。
彼とすれ違うように、スーツを着た大柄な中年男性が、二人の前に現れる。

    「あっ、『曳舟』さん。
     ちょっと、ちょっと待ちなさいよ」

彼は去っていく『曳舟』を大声で呼び止めようとするが、
離れていく『曳舟』を諦めたように見送り、二人へと向き直る。

    「あー、君達が、その、『スタンド使い』ということかな?

     ……そうなんだろうな。『曳舟』さんの『名刺』を持ってるってことは、
     彼を通じて雇われた、そう考えていいんだよな。うん?」

疲労の影が残る強面、鋭い目に鷲鼻、胸襟が不自然に広がったスーツ。
185cmを優に超える巨躯、一目でその筋の者という印象を与える。

    「私は『立石晴人』。『三課』の刑事、といえば解るかな?」

『立石』は不躾に歩み寄り、二人に『警察手帳』を突き付ける。

100 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/03/30(土) 00:11:42
>>99
「ふん、自分の事がわかってて、
あえてそういう態度を崩さない……。
『泥棒』とかより、よっぽど手ごわそうなヤツだよな、君の方が」

にやにやと笑って、『曳舟』に話しかけた。
名刺の裏表を確認している内に……相手が変わったようだ。


「ケージ……刑事か。
うーん、ま、雇われたって言や、雇われたかな。
そーだよな、『夕立』クン」

目を細めて、『警察手帳』を眺めた後、
隣の『鉄』の背中をばんばん、と叩いて同意を求めた。

「私は『塞川』という。
何だって? あんたらがお手上げの『盗人』が居るんだって?」

101 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/03/30(土) 01:36:46
>>99-100

「・・・・・」

謙虚さは美徳だが、『曳舟』さんほどまで行くと、あまり美しさを感じない。
自分より遥か年上にも関わらず、こんなにも鮮やかに依頼を取り付けたにも関わらず。
あくまで『卑下』する姿勢を崩さない。だからこそ、彼に対する警戒心を崩せない。


>    「事の仔細は、アタシからお聞かせしたいのですがねェ、

>     今回に限っては、『クライアント』が直接関わりたいと、
>     そーいう『要望』でさァ、すいませんねェ、ヘッヘッヘッ……」

「『クライアント』?」「……姿が見当たらないようですが」「あっ」

言い終えるより早く、曳舟さんは素早くその姿を翻していく。
そして入れ替わりに現れた、大柄な男性。お膳立てされたかのような登場だ。
とはいえ、この男性にその意思はないだろう。それもあの曳舟さんの能力の一部なのだろうか?
個人的に曳舟さんに訊ねたい事があったのだが、それも今は難しそうだ。
なら、依頼を受けた後で訊ねればいいか。『需要』と『供給』を操る能力、
自分が『需要』を作り出せば、後は彼が『供給』をしてくれるかもしれない。

>    「私は『立石晴人』。『三課』の刑事、といえば解るかな?」

「…警察の方でしたか」「オレは鉄 夕立、17歳の高校生です」「よろしくお願いします、立石さん」

改めて、挨拶をする。この手帳が偽物でない限り、国家公務員までもがあの曳舟さんを、
そして『スタンド使い』を頼りにしているというわけだ。事態の重大さを感じ───

>そーだよな、『夕立』クン」
>隣の『鉄』の背中をばんばん、と叩いて同意を求めた。

「ひゃいっ!」 ブンブン

唐突な異性からの接触に驚きながらも、顔を縦に振って同意をする。
声が多少裏返ったかもしれないが、気にしない。…気にしないことにする。

102 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/03/30(土) 21:28:35
>>100(塞川)
    「ああ、……恥ずかしい話だが、
     我々だけでは太刀打ちできそうにない」

『立石』の醸し出す雰囲気は物々しいが、
助力を求める声は、低く押し殺されていた。

>>101(夕立)
「?」

裏返った『同意』に訝しむ『立石』。
その表情が険しさを増すが、すぐに鳴りを潜める。

    「何、別に取って食うわけじゃあない。
     私はむしろ、君に『協力』をしてほしいんだ」

『警察官』への物々しさに怖気づいた、とでも解釈したか、
『立石』は多少は声を和らげて、改めて『夕立』へ伝える。

>ALL

    「詳しくは、『車』の中で話そう。
     尾いてきてくれるか?」

『警察手帳』をそそくさとしまい、
二人に背中を見せた『立石』は、『歩道橋』を下っていく。

ハザードの焚かれた、シルバーの『ミニバン』が停車している。
俗に言う『覆面パトカー』というものだろう。『立石』が開錠した。

    「『夕立』君の竹刀は、
     一番後ろに置いておいてくれ」

二人が乗り込んだのを確認し、
『ミニバン』は走り出す―――――

103 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/03/30(土) 21:29:01
>>100(塞川)
>>101(夕立)

  ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ . . .

    「正直に言って、この事態は『イレギュラー』だ。

     私が『スタンド』という存在を知ったのも、
     この一週間かそこら、『未知』の領域になる」

    「だが、『超能力』でも用いない限りは、
     あの『事件』は絶対に説明が付かない、……そう『確信』している」

『カーステレオ』を収める箇所に、謎の『無線機器』が配備されている以外、
『パトカー』といえど、普通の車両と変わりのない内装だった。

    「私の所属する『三課』は、
     『窃盗犯』を主担当としている」

    「スーパーの『万引き』、『空き巣』や『ひったくり』は、
     この町の何処かで、毎日起こっている」

    「―――――今回は、『空き巣』だ。

     捜査鉄則として、『空き巣』は物証が残りやすく、
     過去の事件と『手口』が類似する傾向が強い。
     本来であれば、早期に片付く事件のはずだった」

『ミニバン』は国道を走り、『立石』は静かに事件の概要を話していく。

    「全く、見たことのない『事件』だ。

     いずれの現場も、頑丈な『金庫』が置かれていた。
     だが、犯人は『指紋』一つ残さずに『金庫』を開錠し、
     中に収められた『現金』と『通帳』、『重要書類』に至るまで、
     全てを奪い取って、モノの『15分』かそこらで消え去った……」

『立石』の語調は、苦々しい。
前例のない『事件』であると、ハッキリと強調している。

    「既に、『上』からは捜査方針の『転換』を指示されている。

     『外部犯』ではなく、『身内』若しくは『本人』の自作自演、
     そう決め付けている。……私も、疑っていないわけじゃあない」

    「だが、似たような事件が、
     管内で立て続けに『三件』も起こっている。

     これが『偶然』だとは、私にはどうにも思えない」

104 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/03/30(土) 22:24:07
>>102
「ふーん……ずい分とカワイイな。
誘ってるのか? ン?」

『鉄』の肩に手を回し、
『立石』をそっちのけで顔を覗き込む。
にやにや笑いを消さずに、先導されるままに車に乗り込んだ。

「17さいだっけ?
イイよな、一番いい年齢だ。
『剣道』?やってんだよね、体つきもいいし、
よく見りゃルックスもイケメンだよなぁ〜」

車内でも『立石』の話を聞いているのかいないのか、
べらべらと『鉄』に話し掛けている……。
と言っても、真面目そうな『鉄』の方が、
あらかた話は進めてくれるだろうが。
『立石』の方は、怒るかも知れないな。

105 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/03/30(土) 22:31:57
>>102-103

「・・・・・」 フゥー

奇妙な返事については、優しい勘違いをしてくれたようで良かった。
これから仕事の一部を任せようという人間があまりに情けない姿では、立石さんに心配されてしまいかねない。…が。

>「ふーん……ずい分とカワイイな。
>誘ってるのか? ン?」

「えっ」「あっ、いや、そのっ」「仰ってることが、ええと…」

近い。距離が近い。ものすごく。熱くなった顔を背けながら、両手だけ塞川さんの方へ向ける。
これがこの女性流のコミュニケーションなのだろうか。大人とは難しい。
ひとまず立石さんの指示に従い、逃げるように車内へと入る。言われた通り、竹刀袋は最後部へと置かせてもらおう。

「すみません、突然のことで荷物が多くなってしまいまして…」

呼吸を整え謝罪をしつつ、今回の仕事に関する話を伺った。
立石さんは『スタンド』を知って日が浅いらしい。自分よりも、だ。
そして事件の内容を把握する。つまり、『スタンド』を用いた『空き巣』ということか。
しかし、自分は内容と同じくらい気になったことも別にある。
『窃盗』ほどの犯罪なら、この街では毎日起こっている、という点だ。
犯罪とは、ニュースで聞くどこか遠いことのように思ってしまっていたが。
確かに音無さんの言う通り、悪意を持つ人間は、そう珍しいものでもないらしい。
気を引き締めた。

「恐らく犯行に使われたのは、『スタンド能力』です」「そういうことができる能力があっても、おかしくありません」
「ちなみに、『金庫』のロックはどういった形式でしたか?」

立石さんに訊ねる。

>「17さいだっけ?
>イイよな、一番いい年齢だ。
>『剣道』?やってんだよね、体つきもいいし、
>よく見りゃルックスもイケメンだよなぁ〜」

「きょっ、恐縮です」

視線を合わせずに、一礼をした。
褒められているし、これから仕事をする上でコミュニケーションをするのは大事なのだろうけど、
ちょっと距離を詰めるのが早過ぎて、また自分には対応できない。

106 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/03/30(土) 23:03:14
>>104(塞川)
事件の概要には反応せず、
もっぱら『夕立』をイジることに終始する『塞川』。


          「グォ   ホンッ!」


怒の籠った咳払いが、運転席から飛んできた。

>>105(夕立)
>「恐らく犯行に使われたのは、『スタンド能力』です」
>「そういうことができる能力があっても、おかしくありません」

    「やはり、そうか。

     ……『曳舟』さんから、スタンドがどういう力は聞いている。
     が、イマイチ『実感』を得てなくてね。

     例えば、なんだが。
     これはあくまでも『イメージ』として、だが、
     君の『スタンド能力』なら、同じような『盗み』が出来るのかい?」

刑事らしからぬ、余りにも『浅慮』な質問が飛んできた。

>「ちなみに、『金庫』のロックはどういった形式でしたか?」

    「被害者によりけり、だな。
     プッシュキーの形式もあれば、
     『指紋認証』の金庫もあったぞ」

    「そして、『開錠』されたという、
     『電子的』な記録もなかった……」

>ALL

二人は『後部座席』に座っている。
『立石』の私物であろう、大きなバッグが『助手席』を占領していたからだ。
先程の質問といい、余り気の利くタイプではなさそうだ。

    「これから、君達は『警察官』の振りをしてほしい。

     ――――犯行現場に向かい、
     被害者達に聞き込みの傍ら、
     その『スタンド能力』で『現場』を見てほしいんだ」

    「『指紋』の一つも残っていない現場だが、
     君たちの『インスピレーション』で、
     何かが解るかも知れない。……そう考えている」

場当たり的な『捜査依頼』だが、
スタンド能力に関しては素人同然であることが有り有りと解る。

やがて、『市営スポーツセンター』に停車すると、
運転席から下りた『立石』は、二人に『スポーツバッグ』を差し出す。

     「中に警察官の『制服』が入っている。

      ――――『曳舟』さんの手配だが、
      どうやら、サイズは『ピッタリ』らしい……」

     「とりあえず、着替えてからまた来てくれ」


       ジパァー
                       ジジジ……

疑わしそうに、もう一度バッグを開けて中身を確認してから、
不思議そうに首を傾げながら、『立石』は二人にバッグを差し出す。

107 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/03/30(土) 23:19:23
>>106

>     例えば、なんだが。
>     これはあくまでも『イメージ』として、だが、
>     君の『スタンド能力』なら、同じような『盗み』が出来るのかい?」

「…率直に言って、難しいですね」
「オレの『シヴァルリー』は、戦闘向けの能力です」
「人よりも器用な動きはできますが、盗みの技術を動かすオレが知らないと、話にならないので」

顎に手を当て、真剣に考えてみたが、あまり上手くできそうにない。
透明な箱の中に尖った鍵が入っている、とかの限定的な状況なら活躍することもできるだろうが。
それは立石さんの言う、同じような盗みには当てはまらないだろう。

「『解錠』された記録もなかった、ですか?」
「『デジタル』に干渉するスタンドか、密室の中に入り込むスタンドなどでしょうか」

大まかな予想を口にする。とはいえ、この時点ではあまり決定的なことは言えなさそうだ。
恐らく、これから聞き込みの流れになるのだろうが───。

>    「これから、君達は『警察官』の振りをしてほしい。


「・・・・・・・・・・・・・・・」

本気らしい。嘘をつくのは心苦しいが、被害者たちが『スタンド』能力を知らない以上、
警察官が現場に二人の一般人を連れて行く方が不自然か。
バッグを受け取り、着替えに赴くとしようか。

108 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/03/30(土) 23:33:08
>>106
「はっは、まあ待ちなって。
折角の若いツバメをさ」

立石の反応に、クスクスと笑って前を向く。

「じゃ、私からも話をすると......」

「まず1つ。
『スタンド能力』の『推理』は、
人の心を覗き込むようなもんだ。
『心』に決まったカタチが無い以上、
『スタンド能力』も無数にある。
故に、当たりゃご喝采。
わかんなくても、文句は言うなよって事」

「ふたつ目。
『報告』は正確にしな。
『開錠されていたかどうか?』
あんたは『中の物が無い』ことから開錠って言葉を使ったんだろうが......。
『開錠され、中の物が無くなった』事と、
『中の物が無くなった』じゃあ、全く別って事だ。
この意味がわかるか?」

「そして3ツ目は.....ま、これはいいか。
今回の話は、私にも役得がありそーな話だ。
大人しく従うよ」

鞄を引っ掴んで眼前の建物を一瞥し、
車の扉に脱いだ服を引っ掛け始めた.....。

109 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/03/31(日) 00:09:40
>>107(夕立)
>「『解錠』された記録もなかった、ですか?」

    「ああ、『抹消』したのだろう。

     『開錠』の時間によって、
     犯行時刻の特定を恐れたか……」

『立石』は歯切れの悪い口振りで、『夕立』へと返答する。
バッグを受け取り、『夕立』はスポーツセンターへ向かう。

>>108(塞川)

>『開錠され、中の物が無くなった』事と、
>『中の物が無くなった』じゃあ、全く別って事だ。

    「んん? 何を言っている。

     『金庫』から出さないと、
     『現金』は持っていけないだろう」

ピンと来ていないのか、
『立石』は愚問を返すが……

    「――――  ―― あッ!

     まさか、出来るってのか!?」

一拍遅れて、『テレポート』にピンと来たようだ。
しかし、『塞川』が服を脱ぎ始めると、

    「酔っ払いか!

     わざわざロッカーのある施設まで、
     車を出したんだから、向こうでやれ!」

『塞川』を怒鳴りつける。

110 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/03/31(日) 00:10:02
>ALL
紆余曲折ありながらも、『警察官』の制服に袖を通し、
二人は駐車場に再集合した。

『交番』で見かけるような、一般的な『制服』だ。
『立石』の言う通り、二人の体格にジャストフィットしている。
胸ポケットには『警察手帳』も入っている。

唯、腰に付けた『拳銃』や『警棒』、『無線機』については、
精巧な『贋作』であると、触れただけで判別が付いた。

    「うーん、中々似合ってるな」

『立石』はなおざりな感想を述べると、
再度、『運転席』へと乗り込んだ。

    「まずは『箱根誠一』の事務所へ移動する。

     古くから『星見町』に住む一族だが、
     中でも彼は、郊外の広大な土地を所有する『地主』だ」

    「あの『スカイモール』を建設する際にも、
     用地所得に多大な協力をしたと聞いている」

二人が乗り込むのを確認してから、『ミニバン』が発進する。

    「被害総額は『1000万円』。

     加えて、管理している『重要書類』、
     通帳の類も盗難されている。
     本件の一番の『被害者』といっても、過言じゃあない」

111 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/03/31(日) 00:23:03
>>109-110
「職務に熱心なヤツだな、やれやれ」

紆余曲折あり、着替えた。
着崩したりはしていない、今のところは。
どお? 似合ってる? などと『鉄』に話し掛けたりしている。

「1000万、金庫にあったって事か?
キャッシュで?」

移動中、何気なく質問をしながら、スマホを操作して、箱根誠一について調べる。
来歴や、まちのニュースに最近上がってないか?などだ。

112 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/03/31(日) 01:02:38
>>110-111

着替え終えて、鏡で姿を確認してみる。我ながら、馬子にも衣装といった感じだ。
なるべくクラスメイトに会わないことを祈るしかない。
腰に手を当て、装備を確認する。贋作か。とはいえ『拳銃』は手に余る武器であるし、『無線機』はスマホがあればいい。
『警棒』も『シヴァルリー』がいれば、さほど大したものではない。

「お待たせしました」 ビッ

とりあえず警官らしく、敬礼をしてみる。

>どお? 似合ってる? などと『鉄』に話し掛けたりしている。

「えっ」「えっと、その… 」チラリ
「ッ」「とても、よく、お似合いだと…」

直視はできないが、適当に返事をするのもよくない。一瞬だけ視線を送って、そして直ぐに逸らした。
見知った顔が(とはいってもついさっきだが)警官の制服に身を包んでいるのは、なんとも奇妙な感じがする。
だが、似合うと言うのはウソではない。
兎にも角にも、ミニバンの中に再度入り込む。


>    「被害総額は『1000万円』。

「いっせんまん、ですか…ッ?!」

あまりの金額に、思わず口が開いてしまう。高くとも数十万円を想定しただけに、これは流石に予想外だ。
『空き巣』と聞くと少々ケチな雰囲気がするが、これは完全に大犯罪だろう。

「ちなみにその『重要書類』とは、仕事に関わるモノだったんですか?」

113 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/03/31(日) 01:33:04
>>111(塞川)
>「1000万、金庫にあったって事か?
>キャッシュで?」

    「ああ、『100万円』の札束で10個。

     ご丁寧に、札束をまとめる『帯封』を抜いて、
     万札だけをすっぽ抜いて、盗み取ったようだ」

『箱根誠一』で検索を掛ける。
残念ながら、来歴は載っていない。

小中学校の『備品寄贈者』のページや、
複数の『各種団体』に名前が載っている。
『奉仕精神』に富んだ性格のようだ。

>>112(夕立)

    「うむッ」
            ビッ

『立石』から敬礼が返された。

    「仕事上の『書類』から、
     賃貸契約書のような、私的なものまで、一切合切だ」

    「あくまでも、事務所に置いていたのは『写し』だったから、
     業務上の被害は出なかったが、……たまったものじゃあないな」

>ALL

    「ここが、被害者の事務所だ」

『ミニバン』はマンションの駐車場へと停車した。
タイル張りの『五階建て』のマンション、何の変哲もない。
入口はオートロックであり、まだ真新しい。


       カツ・・・
               カツ・・・

『エレベーター』を利用し、『3階』へと移動する。

114 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/03/31(日) 01:33:16
>>111-112(塞川&夕立)

『立石』は『箱根地所』と表札が掲げられたドアの前で、
インターホンを押し、その要件をドア越しに告げる。

    ガチャ・・・

     「『立石』さん。どうもどうも。
      どうですかね、何か解りましたか?」

撫で付けた髪、整えられた口ひげ、
ダブルスーツを着た、恰幅のいい老人が、
おずおずと『立石』に話しかける。

     「未だ、目星は付いておりません。

      今回は更なる『捜査』のため、
      改めて現場を『見分』したく、参りました」

『立石』は冷静に告げる。

     「ええ、上がってください。

      ……それにしても、
      何も出てくるとは、思えませんが……」

不安そうな表情ながら、
『箱根』はドアを押し開けて、三人を招き入れる。

     「此方のお二人は、
      『立石』さんの部下の方で?」

     「ええ、早期解決のため、
      人員を増やしておりまして」

     「左様ですか。

      ――――『箱根誠一』と申します。
      今回はね、ご迷惑をお掛けしてますが、
      ……本当に、何がなにやら……えぇ、ねぇ……」

『箱根』は困惑の色を隠せない。
今回の事件について、どう接していいか解らないようだ。

115 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/03/31(日) 01:49:29
>>113-114
「ふん、なるほど。
金持ちのやる事は、わからんね。
因みに、『盗られていないもの』は?」

『ハンドバッグ』は……仕方ないから置いていこう。
中身を適当にポケットに突っ込んで、欠伸をしながら『立石』についていく。
道中で質問を投げかけながら。

「ヤア、こんにちは。
あなたが箱根さん?
娘の小学校に、あなたの名前がありましたよ。
寄贈品は……えー、何でしたっけ?」

ネットで数分前に仕入れた知識を披露しながら、
適当に挨拶して、部屋にずかずかと入っていく。
中心に立って部屋中を見渡す。

116 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/03/31(日) 20:06:27
>>113-114

立石さんに敬礼を返されたことにより、自分が『警察官』であるという自覚が湧いてくる。
いや、実際はただの学生で、妄想に過ぎないのだが。

「他の被害者たちの状況にもよりますが…最初から『重要書類』目当てで、
 大金を盗んだのはそのカモフラージュの線もあり得るでしょうか」

自分には、そういった書類が一般的にどの程度価値を持つのかは分からないが。
帯封を残すほど几帳面な性格なのに、金になるか分からないものまで持っていくのは妙かもしれない。
犯人にとって重要だった可能性もあるか?
色々と思考を巡らせながら、マンションの中へと入る。

「あなたが箱根さんですね、よろしくお願いします」 ペコリ
「繰り返しになるでしょうが、オレたちにも『最後に金庫の中身を確認した時間』、
 『中身が消えていたことを確認した時間』、そして『その時の家の状態』を教えて頂いてもよろしいでしょうか?」

一礼しつつ、辻とか村上とかの偽名を名乗っておくべきかと思ったが、やめた。
警察手帳は恐らく鉄 夕立で作られているのだろう。下手な嘘はやめておこう。
事件の後に街で出会ったら、そっくりさんということにしておけばいいか。

117 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/01(月) 22:24:03
>>115(塞川)
「印鑑の入った『木箱』、
 書類をまとめていた『クリアファイル』、
 事務所やマイカーの合鍵の入った巾着は、
 『金庫』の中に入ったままだった――――」

『立石』は振り返らず、『塞川』の質問に答える。
そして、ドアを開けて姿を現した『箱根』に対し、
適当な挨拶をしながら、『塞川』は室内に入っていく。

     「え、ああ……」

咄嗟のことに、『箱根』は口を閉ざしている。
その間に、『塞川』は部屋の中心へと到着した。

>>116(夕立)
「その可能性は、あるかも知れない。

 ……が、今一つ決め手に欠ける。
 不動産に関連する『重要書類』とはいうが、
 そこまでして『盗む』ものかと言うと、な……」

この様子だと『重要書類』の関連人物は、既に当たっているのだろう。
――――そして、その聞き込みは『事件』の真相には結びつかなかった。

    「ええ、此方こそ。よろしくお願いします。

     先ほど、奥へ行った婦警の方と一緒に、
     お話をさせて頂きましょうか。―――どうぞ、此方に」

部屋の主に案内されるがままに、
『夕立』は事務所の奥へと足を進める。

118 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/01(月) 22:24:36

【箱根の事務所】
■─┬──┬─[ 出  窓 ]─――――■
│便│水□│植┌───┐□□机□棚│     ☆:金庫。『1m』の立方体。
│所│場□│□│応接用│□□机椅棚│
└□┴─□┤□└───┘□□机□棚│     植:観葉植物。おそらくバオバブ。
│□□□□扉□□□□□□□□□□☆│
■─扉──┴─.[飾り棚]-─■棚□机机■  応接用:ソファとローテーブルのセット。
                  │棚□□椅│       どちらに座っても、出窓を眺められる。
                  ├─扉──┤
                  │□□□□│  ..飾り棚:営業許可書や、県からの感謝状など、
                  ■────■          華やかな褒章が飾られている。

>ALL
前情報に反し、『箱根』の事務所は質素だ。
『1LDK』に必要最低限の調度品を配備している。
掃除は行き届いており、『書類棚』にもホコリは目立たず、
出窓の傍に飾られた『観葉植物』も、瑞々しい香りを醸し出している。

『出窓』の隣には『星見町』の地図がデカデカと貼られ、
『棚』には『経営』や『法律』、『地学』に関する分厚い書籍が並び、
その正面には革張りの『肘掛け椅子』に、年季の入った『社長机』が鎮座する。

『社長机』の脇には、ノートパソコンの置かれた『事務机』が在り、
傍にある本棚には『経理』に関する書籍や、黒ファイルが並んでいる。
『箱根』の他に、もう一人誰かが頻繁に来ているようだ。

室内に入ると、問題の『金庫』は真っ先に発見できた。
『卓上プリンター』の置き場所にこそされてはいるが、
『ダイヤル』の目立つ鉄の箱は、誰が見ても『金庫』だった。

     「あれは、『三日前』のことでした。

      私は、『17時ごろ』に『事務所』を出た後、
      近所の駐車場に停めた車で、家に帰る時でした」

     「『車』の『電子キー』が利かなくなりましてな……。
      理由は解りませんが、まぁ『壊れた』と考えまして、
      とりあえず、『金庫』から『合鍵』を取ろうと、事務所に戻しました」

     「事務所を出てから『15分』くらいでしょうか。
      娘に電話して、『開錠番号』を確認してから、
      『金庫』を開けたら、……無くなっていたのですよ」

     「『土地』の売買に必要な、書類が何から、
      それに『通帳』、ましてや『現金』が全て!」

     「事務所の『窓』も、『扉』も、全て『施錠』されてました。

      ましてや、『金庫』の中身は、
      『事務所』を出る直前に、ハッキリと見ていたのに……」

『箱根』は狐につままれたような様子で、三人に話しかける。
『立石』の表情に変化はない。話の内容に『変わり』はないようだ。

119 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/01(月) 22:46:21
>>117-118
「なるほど、なるほど。
その『盗まれた書類』………
全て、『金庫』に入ってたモノだけか?
机の中にもあるよな、重要なモンは」

喋りながら『飾り棚』の傍まで歩いていき、
その中身を興味深そうに眺めながら質問をする。
営業許可証や感謝状を。

「そりゃ、奇妙な話だな。
『電子キー』は、その後使えるようになったワケ?
ま、これはあんまり関係ないような気もするけどな……」

120 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/01(月) 23:15:40
>>117-118

「…なるほど」
「その『金庫』は、解錠した時の履歴が残るタイプですか?」

もっとも、履歴が残っていないのは知っているが。
仮に残るタイプなら、後から消されたか、開けずに中身を奪われたわけだが。
消すとしても、誰にでも出来るわけじゃないだろう。それも暗証番号が必要なのか。

「それと、暗証番号はあなた本人はご存知なかったのですか?」

121 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/01(月) 23:37:20
>>119(塞川)
「他のものは『手付かず』だった。

 ……そうでしたね、『立石』さん?」

話を振られた『立石』が、重々しく頷く。
『営業許可証』や『感謝状』は、いずれも『額縁』に収まっている。
『塞川』に何か『見識』や『意図』があるのであれば、
より突っ込んで『注視』することもできだろう。

    「『金庫』の中身以外、盗まれたものはない。

     犯人は『指紋』一つ残さず、
     『金庫』の中身だけを奪っていったわけだ」

    「無論、さっき言ったように、無事だった品物もある。
     『電子キー』の合鍵は、手を付けられたはいなかった。
     ……『ディーラー』に問い合わせたら、『故障』だったらしい」

「キーを差して『運転席』に入って、
 『発進』させようと『電子キー』を翳したら、
 ……まぁ、ウンともスンとも言わんでしてなぁ。
 やっぱり、“ハイテク”には慣れませんなぁ……」

とりあえず、『電子キー』は偶然にも壊れただけのようだ。

>>120(夕立)
「『ダイヤル式』ですから、
 そのような『履歴』は残りません。

 腕のある『技師』であれば、
 ダイヤルの微かな『音』で判別が付くとか、
 前に『テレビ』で見た記憶がありますが……」

    「その番組は、私も見ましたな。

     しかし、その『金庫』は真新しい様子。
     何度も『ダイヤル』を回し、『劣化』した上で、
     発生した『異音』を聞き取る『メカニズム』でしたな」

『箱根』の思い付きを、『立石』が補足する。
金庫はアナログな作りで、電子的な『履歴』は残っていないようだ。

「お恥ずかしながら、『ド忘れ』してしまいまして。

 『手帳』も『車内』へ置きっぱなしでしたので、
 変に弄らないよう、『娘』に電話を入れました」

そそっかしいが、妙なところで『冷静』な老人だ。
元々は『用心深い』性格だったのだが、
年を経るにつれて、老いが目立ってきたのだろうか。

122 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/01(月) 23:55:05
>>118

完全にアナログ式の金庫か。いや、解錠はアナログで、デジタルに記録を残すとかあるのか知らないが。
先ほど立石さんが言っていた記録云々は、この箱根さんのことではないようだ。

「ちなみに、その『三日前』より以前にも、何か妙な出来事はありましたか?」
「比較的、最近のことでいいんですが」

しかし15分以内に、痕跡一つ残さずに、金庫の中身を抜き取る。実に鮮やかな手並みだ。
ならば、既にある程度下調べをしていたのではないか?
例えば現場を下見したりする際に、『スタンド』で偵察をしていた可能性もある。遠隔操作型ならば、だが。

123 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/02(火) 00:03:44
>>121
「『電子キーの故障』は、犯人の立場としては不利なだけ……。
意図的に起こされた筈はない。何かの影響って可能性も……ま、無いだろうな」

『他に盗まれたものはない』……という部分までを聞いて、
飾り棚を見るのは一旦やめて、金庫の前に戻ってくる。
『箱根』と話をする『鉄』の方をちらりと見た。

「じゃ、次は『金庫』を見せて貰おうか。
『指紋』とかはもう調べたんだろうが……一応ね」

そう言って金庫の開錠を待つ傍ら、『鉄』に話しかける。

>>120
「………私達の『立場』を忘れるなよな。
重要なのは『どうやって?』、の、その一点。
それ以外の事は、コイツらがやってくれてんだから」

ぴっ、と『立石』を指さして。

「基本的に犯人には、必要以上に『急ぐ』理由は無い。
『15分』という制限時間……。 それが偶然だった以上はな。
それを『メチャクチャ手際がいいプロ』と考えるより……
『一瞬』でできる、『遠隔』でできる…・…そう考える方が『私達の真実』には近いよな?」

「それを考えるんだ、感覚の目で良く見なよ。
あんたにも、期待してんだから」

124 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/02(火) 00:19:35
>>122(夕立)
「……『妙』なこと。

 うーむ、これと言って思い当たりませんな」

不可解な事件に巻き込まれているにも関わらず、
『箱根』は思い当たらない、と口にしている。
……おそらく、本当に『解らない』のだろう。

>>123(塞川)
>「『電子キーの故障』は、犯人の立場としては不利なだけ……。
>意図的に起こされた筈はない。何かの影響って可能性も……ま、無いだろうな」

    「確かに、『電子キー』が壊れてなければ、
     『盗難』の発見はもっと遅れていたからなぁ……」

同意を示した『立石』は、巨躯を折り畳むように、『金庫』の前に屈みこむ。
既に『捜査』の過程で、『開錠番号』を聞きこんでいたようだ。

>ALL
『塞川』は『金庫』の開錠をしている『立石』を指さし、
『夕立』目掛けて激を飛ばす。

――――確かに、『急ぐ』理由はない。
そして、常軌を逸した『手段』だったからこそ、
二人に宿った『感覚の目』が、真実に至る一助となるだろう。


         ガチャッ

唯一の『物証』である『金庫』は、事件発生時から『保全』されている。
『立石』が話した通り、中には『帯封』がちらばり、
空っぽの『クリアファイル』や『ゼムクリップ』が散乱している。
そして、『印鑑箱』や『巾着』は手付かずのまま、置きっぱなしになっている。

「すみませんね。『箱根』さん。
 唯一の『証拠』とはいえ、『保全』へのご協力を頂き……」

    「いいえ、どうせ入れる『中身』はありませんから……」

『箱根』は物寂しい返答を、ボソリとこぼした。

125 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/02(火) 00:33:34
>>123-124

「どうやって、を知るのにもっと効率の良い質問があるということですか?」
「…ひょっとして、既にある程度目処が立っていますか?」

塞川さんの言葉に、体を向けつつも明後日の方向を向きながら質問をする。
『瞬間移動』でどこにでも現れることができるなら、犯人を捕まえることは不可能に近い。
それならば打つ手なしだが、『音泉』さんの言葉を聞く限り、無制限に強力なスタンドというのはあまりないようだ。
つまり、この場合金庫から中身を取り出すにあたって何らかの仕込みか、
あるいは犯人に都合のいい状況があったというのが自分の推測だ。
それが『瞬間移動』や、過去の解錠を『繰り返す』能力などかは分からないが。
自分はそれを知りたいが故に質問をしているが、あるいはこの女性は既に何らかの推測ができているのかもしれない。

「何かお気付きになりましたら、よろしくお願いします」

自分はこういった『探偵』のようなことは初めてだ。できればご教授願いたい。
そして『金庫』の中身を屈んで見る。
『帯封』を触らずに調べてみよう、これも紙製だろうか?

126 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/02(火) 00:42:18
>>124
一応『手袋』をして、金庫の中を覗き込む。
『帯封』『クリアファイル』『ゼムクリップ』の状態を確認。
力が掛かって外されたのか?すっぽ抜けた感じなのか? 程度はわかるはずだ。

「『書類』に『札束』……。
総量としては、どんなもんなわけ? 重さは」

内側を覗き込むのは一旦止めて、
しゃがみ込んだまま、金庫の外見を触れながら、
周囲とぐるりと回り、なんらかの痕跡が無いかどうかを確認する。

>>125
「推測………いや、『妄想』ってレベルなら、無いことはない。
だが、まずは確かな事を拾っていかなきゃあな。
この状況、犯人がノコノコ『部屋に入ってきた』可能性は、あまり高くない……と、私は考える。
偶然の『時間的制約』もそうだが、手口が『鮮やか過ぎる』。
単純に『泥棒の七ツ道具』の延長線上のような『能力』なら、警察に全く影も踏ませない…・…とはならないはずだからな」

127 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/02(火) 00:50:09
>>125(夕立)
「ああ、すまない。
 君の制服には、入れ忘れてたみたいだな」

『帯封』を注視していると、『立石』が手袋を差し出した。
証拠品に触れるために用いる『真っ白』な手袋だ。

『帯封』は『フィルム製』だ。
『星見信用金庫』とロゴが入っている。

>>126(塞川)
「『1,000万円』の札束、ああ、いや……。
 『帯』は解かれているから、『1,000万円』のお札か。

 少なくとも『1kg』、書類を合わせても『1.5kg』ほどだ。
 持って逃げる上では、『重量』よりも、かさばる方が厄介だろうな」

『ひっかき傷』や『マーキング』のような『痕跡』は見当たらない。

128 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/02(火) 01:06:30
>>126

「なるほど…警察の目を欺けるレベルは、通常の侵入では難しい、というわけですね」
「こっそり『電子キー』を壊し、箱根さんが金庫を開けたところで
 『時間を停止』したり、『超スピード』で中身を抜き取った…なども想像してましたが」
「それだと確かに多少なりとも『痕跡』が残ってもおかしくないですね」

立石さんには失礼だが、警察の捜査力を侮っていたようだ。
並大抵の泥棒なら、痕跡を見つけられるほどの力があるらしい。
神業級の潜入力+『解錠のスタンド能力』よりも、塞川さんの言う通り『スタンド能力』単独で
金庫の中身を直接抜き去ったと考える方が自然だろうか。

>>127

「ありがとうございます」

感謝して手袋を受け取り身につけて、『帯封』を見た。
イメージ的には紙製のものだったが、こうして触ってみると『フィルム』製のようだ。
あるいは紙製のものもあるのかもしれないが。
部屋の中に小さな紙製の『メモ用紙』などがあれば、金庫の中身を崩さないように、そっと中に入れてみたい。

129 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/02(火) 01:07:01
>>127
>>126 の上3行については、特にわからなかった、ということでいい?
具体的には、帯封は切れていない? 等

「……他を調べるか」

立ち上がって、『飾り棚』の方へ。
がたがたと棚を揺すって、『立石』へ声を掛ける。
『箱根』に言っても、理由がわからないだろうからな。
『立石』は、『わからない事を調べている』事をわかっている為、何でも応じてはくれるだろう。

「この『棚』……これは、開けられるのか?
中の『感謝状』の状態が見たい……重要度は低いけどな。
虱潰しに探っていくぞ。 」

「そっちの『地図』もだ。
何か『痕跡』はないか?」

そっちは『鉄』に調べてもらおうと、声を掛ける。

130 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/02(火) 01:20:00
>>128(夕立)
業者のFAXチラシを裏紙にした、手製の『メモ帳』が事務机にある。
それを一枚破り取ると、『金庫』の中へと入れてみる。

      シーン...

しかし、特に何かが起こるわけではない。
見るに見かねた『立石』が、そっと『夕立』に耳打ちする。

      「『夕立』君。
       一体、何を狙ってるんだ?」

>>129(塞川)
『帯封』、『クリアファイル』、『ゼムクリップ』に変形や破損は見当たらない。
中でも『帯封』は『輪』を保ったまま、金庫内に散乱している。

     グイ
                ググ・・・

『飾り棚』を揺すってみるが、ビクともしない。
『耐震対策』がしっかりしているのだろう。

      「おい、何をやってるんだ?」

『立石』が小声で耳打ちをする。
『飾り棚』は棚板が剥き出しになっており、『ガラス戸』などはない。

      「あの、あまり荒らすような真似は――――」

『捜査』の手が『飾り棚』に及ぶと解れば、
見かねた『箱根』が、おずおずと『口出し』をする。

131 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/02(火) 01:33:27
>>130

「『スタンド』には一定の法則があります」
「『超能力』だからといって、何でもできるわけではありません」
「『札束』も『重要書類』も紙製なので、例えばそれらだけを抜き取る仕掛けがあるかと思いましたが…」
「ハズレか、あるいは仕掛けは取り去った後のようですね」

立石さんに同じく、小声で話す。メモ帳は取り除き、スマホと同じポケットにでも入れておこう。

>>129

「こちらですか?」「了解しました」

塞川さんの指示に従い、出窓付近にかけられた地図を調べる。裏側なども見てみて、異変がなければ
次は観葉植物だ。部屋の中に入り込む、あるいは金庫中身を取り出すために
何らかの能力が使われている、その為には何かを使っているはずだ。

132 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/02(火) 08:19:03
>>130
「何って、『捜査』だよ。
あんた達のやり方とは違うだろうがな」

耳打ちする立石に、更に一歩詰め寄り、
超至近距離でボソボソと呟く。
『箱根』には聞こえないように。

「私達が『狂人』に見えるかァ〜〜?『立石』。
ならそれは、あんたも同じだ。
こうやって私達に依頼したって事はな」

『箱根』をチラリ、と見て、額縁ごと感謝状を手に取り、
裏面を触って中身を取り出そうとする。

「こんな『事件』、常識で考えれば『狂言』が本線だ。
だがあんたは違った。
自分の中の『感覚』の方を信じたんだ。
刑事としての『常識』よりもな」

「なら、最後までそれを信じろーーッ!
そうしたら、全ての現場であんたのやる事は、
私達の邪魔をする奴を止めとく事だ。
そして、早速『仕事』のようだぜ」

やや乱暴に『立石』の胸板を叩き、会話を終わらせる。
『妄想』の内容とは『夕立』の言う通り、
『紙に作用する能力』ではないか?という事だ。
ピン留めされた地図、額縁に入った表彰状、ファイリングされた書類....
全て固定されているから盗まれなかっただけではないか?
そういう観点から、捜査を続ける。
感謝状を確認したなら、次は事務机の書類もチェックしにいくつもりだ。

133 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/02(火) 23:22:23
>>131(夕立)
「確かに、盗まれたモノは、
 全部『紙』で出来ているな……!」

納得したように、『立石』が嘆息を漏らした。
『夕立』はメモ帳をポケットにしまい、
『塞川』の探索を手伝う。

『地図』を確認するが、表裏のどちらにも珍しいところはない。
そして、『観葉植物』にも何ら変わった点はない。
『仕掛け』を取り去った後か、あるいは最初から何もなかったか。


>>132(塞川)

    ズオオオォォォ―――z____

            「グッ」

                   「うぅ...」

大柄な『立石』の醸し出した『迫力』に一歩も引かず、
『塞川』は煮え切らない『立石』の尻を叩くかのように、
啖呵を切るような気炎を吐いた。

            ドンッ!

    「た、立石さん。

     ……何をしているんですか、止めて頂けませんか?
     じ、『15分』で金庫を漁った上に、  . . . . .
     地図や書類をイジるようなマネ、誰もするはずが――――」

    「いや、彼女の言う通りだ……。

     『はず』じゃない、が通じないんですよ。
     痛くない『腹』を探られるような話でしょうが、
     根掘り葉掘りの精神で、徹底的に洗わせてもらう」


        ガバッ!


『塞川』は額縁を外し、『感謝状』を抜き取った。
しばらく確認し、何の変哲もない『感謝状』だと解った瞬間、
事務机の書類をバラバラと捲っていく。

背後では『夕立』が壁に貼られた『地図』を調べ、
すぐ近くでは『立石』がゴミ箱をひっくり返している。


>ALL


      目に付く場所を徹底的に『捜査』した結果、

      二人にはハッキリと解った点がある。

      この部屋には、『不審』な点は何一つない。


         プルプルプルプルプル...


      部屋の主である『箱根』は震えている。
      『怒り』か、それとも『落胆』か……。


      「気は、済みましたか。
       ……隠している『現金』なんて、どこにもない」

      「妻も、娘も、私を疑って、
       『脱税』だ、『所得隠し』だの、
       遠まわしに言っては、『自首』を促してくる」

      「違う、私じゃない……!

       ――――とても、私自身が言い切れんのです。
       昔のようにいかない。頭もボヤけて、思うがままにならない」

      「海千山千のディベロッパーと対等に競り合って、
       先祖代々、居を構えてきた、この町の発展に尽力し、
       二十七校の小学校に、『二宮金次郎』の銅像を寄贈した……」

      「私は、いつまでも、真っ当に生きられるつもりだった。

       ――――こんな、人様をダマしてまで、
       お金と書類を隠して、大騒ぎをするようなマネ、
       私が、『箱根誠一』が、やったとでも、いうのですか……」

深く、息を吐くように、静かな独白が、室内を支配した。

134 <削除> :<削除>
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135 <削除> :<削除>
<削除>

136 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/02(火) 23:49:57
>>133

「異常なし、ですね」

どうやら異常な痕跡は何一つないようだ。
『スタンド能力』を知る自分たちから見ても、能力の痕跡やキッカケになるものはないと思われる。


>      「私は、いつまでも、真っ当に生きられるつもりだった。

>       ――――こんな、人様をダマしてまで、
>       お金と書類を隠して、大騒ぎをするようなマネ、
>       私が、『箱根誠一』が、やったとでも、いうのですか……」

「…心中お察しします」
「ですが、ご理解頂きたい。我々は、あなたが『無実』だと思っているから、こうしているんです」
「その為のきっかけを、これから同じ被害者からも探していきます」

箱根さんへと一礼する。家族からも疑われるというのは、あまりに辛いだろう。
また家族も、なるべくなら疑いたくはないが、最近衰えつつある箱根さんを見て、信じきれないのかもしれない。

「最後に二つだけ、お聞かせ下さい」
「先ほど(>>121)、暗証番号を記した『手帳』は車内に置き忘れたと言いましたが、
 塞川さんとのお話では、『運転席』で電子キーをかざした、と仰っていました」
「車内には入ることができた、そういうことで間違いありませんか?」

「それと、ここの『経理』を担当している方は、身内の方ですか?」

事務所に出入りするもう一人の人間についても、訊ねておこう。

137 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/02(火) 23:52:45
>>133
「………何も『出ない』、か。ふん、残念。
ま、そんな簡単に行くわけもないってのは、
最初っから覚悟はしていたけどな」

白けたように伸びをして、周囲を見回し、
二人も、何の成果も得られていないことを確認した。
感情を吐露する『箱根』を横目で見て、無言でその横を通り抜けて部屋を出ていく。

(別にカワイソーとは思わんし……
励ますような言葉を言ってやるようなキャラじゃあないんでね、『私は』)

138 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/03(水) 00:21:02
>>134-136(夕立)
『箱根』に質問をするが、答えは返ってこない。
『動揺』しているのだろう。

>>137(塞川)
先んじて『玄関』に出て、靴を履き始める。


>ALL
老人にしてはシャンとしていたはずの背筋を情けなく震わせ、
『箱根』は『淀み』ともいえる、混沌とした感情を吐き出し、立ち尽くす。

荒んだ心情を労わるように、『夕立』は語り掛ける。
その一方で、『塞川』は踵を返し、用済みの現場を後にする。

    「彼の、言う通りです」

        バンッ

『夕立』の肩を叩き、その傍に『立石』が連なる。

    「我々が、必ず『犯人』を捕まえます。
     ――――『箱根』さん、ご協力に感謝します」

『立石』は一礼し、三人は『現場』を後にした。
それぞれが『ミニバン』に乗り込むと、『立石』が大きく息を吐いた。

    「二人とも、始めての『捜査』。ご苦労だったな。
     結局、あの『金庫』以外に、何の異変もなかったが。

     ……だが、『紙』が怪しいというのは、大きな収穫だな。
     『犯人』は『密室』に侵入し、『金庫内』の『紙』だけを奪い取った」

    「わざわざ『帯封』や『クリップ』を抜いた理由が解らなかったが、
     『紙』だけを奪うスタンド能力、という可能性も、あるのだろう?」

    「ルパン三世の『五右衛門』は、コンニャクだけは切れなかったが、
     ちょうど、その『真逆』とでもいうのかな。……うーん、この言い方でいいのか……」

慣れない『スタンド』の概念を何とか説明しようと、
四苦八苦しながら、『立石』が車を走らせる。

    「いずれにせよ、もう今日は遅くなった。

     また『明日』、協力してもらいたい。
     次の被害者は、漫画家の『切江ギヤマン』だ。

     彼の『アトリエ』にある『金庫』が被害にあった。
     本人曰く、被害総額は『100万円』だ。
     なんでも、漫画の『資料』で札束を使っていたそうだが」

そう遠くない場所であれば、『立石』が家路に送ってくれるだろう。

139 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/03(水) 00:44:31
>>138
「………わかってきたなァ、『立石』。
そのとーり。あらゆる『可能性』があるってことだな。
発想は、ジューナンに」

後部座席に座り、スマートフォンを操作して、
地図を表示した画面を、運転席の立石に見せる。
駅に近い、『高級マンション』と言っていい建物の住所が載っている。
そこへ行け、という事らしい。

「しかし『漫画家』か……
私達には知ったこっちゃないが、
当然、被害者同士の共通点なんかは、もう調べているんだろ?
節操のないヤツだな、犯人も」

「いや、違うな………
私達が調べる『共通点』は、そんな事じゃあないか。
被害者の人となりでなく、『ロケーション』の共通点……
つまり『能力を行使しやすい』条件が揃ってた。
とかって方向性の方かな………」

ぶつぶつ、とつぶやいていたが、
思い出したように『鉄』の方を見る。

「何か感じたか?
今日の『場所』、『箱根の事務所』について………。
私の方じゃ、もうアイデアがない。そっちの『意見』が聞きたいね」

140 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/03(水) 00:54:16
>>138-139

答えは返ってこなかった。この男性も、幾分心が折れかかっているということか。
回答を頂けた方が犯人逮捕へと僅かでも近付ける可能性があるのだが、仕方あるまい。
合理性だけでは動けないのが人間というものだ。この場を切り上げて、車へと戻る。

「『漫画家』…ですか」「『共通点』を上げるなら、『紙』に値打ちがあることでしょうか」
「とはいえ、最近はPCで描いたりする作家さんもいるらしいですから、まだ確定ではないですが」

塞川さんから意見を求められる、口にする。

「現場に怪しい痕跡は全くなかったようなので、何か外部から必要なものを持ってくるタイプではなさそうですね」
「能力の『キー』となるのは、元からそこにあるものを使うタイプか、あるいはそれを必要としないのか」

膝下を見ながら、自分で感じたことを口にする。
理解度に関しては、恐らく自分も変わらない。現時点では、これ以上分からないというところだ。

ちなみに下ろしてもらう場所は、家から少し離れたところだ。
荒事に関わっている以上、念のため少し歩いてから家へと向かいたい。

141 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/03(水) 01:37:34
>>139(塞川)
「『被害者』の共通点は、ほとんどない。
 三人は『顔見知り』ですらないからな」

『スマートフォン』の画面を見ると、
それだけで『立地』を把握したようだ。
僅かな頷きを見せると、車両を左折させる。

   「『共通点』を無理矢理付けるとすれば、

    いずれも『老齢』であること。
    『個人事業主』かつ、仕事場が狙われたこと。
    そして、『金庫』があること、くらいか……」

   「星見町内で『条件』に当てはまる人物は、
    ……まぁ、『50人』はいるだろうな……」

   「最後の被害者、『吉本花南』さんは『専業農家』だ。
    それを加えれば、『100人』は超えるだろうな」

範囲を『市内』に広げれば、より人数は増えるだろう。

>>140(夕立)
「以前、現場で訊いた限りでは、
 『切江』先生は『手描き』で執筆されてるようだ。

 本人は『パソコン』を全く使えないらしい。
 『東京』にいる編集者と、打合せとか出来るのか聞いたら、
 それは問題ないそうだ。……まぁ、アシスタントはパソコンも使えるしな」


>ALL

       ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・


まず、『スポーツセンター』で着替えを終えてから、
二人は改めて、それぞれの家路へ送り届けられる。

果たして、どのような『スタンド能力』で犯行に及んだか。
……そして、それを解明出来たとしても、
『法』の力によって、犯人は捕らえられるのか。

――――まずは『一日目』が終わる……。

(※次レスはGMより行います。)

142 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/03(水) 23:14:33
>ALL
次の日、時間はまだ『午前9時』ごろ。
『星見横丁』にある『雑居ビル』の前に到着する。

    「ここが『切江ギヤマン』の仕事場だ。

     『漫画家』が籠るには、ちと騒がしいが、
     ……まぁ、個人の好き好きなんだろうな」

『立石』を追って、二人は集合玄関から階段を昇る。
『内廊下』の雑居ビルには空きテナントも目立つが、
『ラウンジ』や『スナック』の看板が散見される。

三階の角部屋で立ち止まると、『立石』はチャイムを鳴らす。

    ピーンポーン


    「はぁい。

     ――――あッ、『刑事』さんじゃないッスか。
     どーしました? 犯人、捕まりましたァ?」


『切江』と表札の掛かったドアから、
『アームカーバー』を付けた、中肉中背の男が顔を覗かせた。

    「ああ、『木山』さん。

     もう一度、『捜査』のお願いにと上がりまして。
     『切江』先生はいらっしゃいますかね?」

    「今日は午後からなんスよね。
     いいッスよ。先生には、俺から行っときますから。

     ――――あれれ、若い人も来てるじゃない。
     今日は『新任研修』でも兼ねてるんです?」

    「ままま、上がってくださいよ。
     狭苦しいところですが、勝手に見てってください」

『木山』は軽薄な口振りで三人を招き入れる。

143 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/03(水) 23:15:43
>ALL

モダンな壁紙の貼られた室内には、
『紙』と『インク』の匂いが充満している。
『イラスト』の書かれた『原稿用紙』が、
机上や作業台、L字デスクのあちこちに置かれている。

     「ちょっと『原稿』を片しちゃうんで、
      ソファーで待っててもらっていいッスか?」

目当ての『金庫』は林立する『本棚』の端、
オフィス用の『複合機』の傍に置かれている。
『指紋認証式』の『ブラックパネル』が貼られ、
いかにも『最新式』に見える……。


■────────────■
│机椅□□机机□□本棚本棚│
本机机□□机机椅□□□□□│
棚□□□□机机□┌──┬□┤
本□作□椅机机□□  水│便│
棚□業□□机机□□  場│所│
本□台□□□□□└─┬┴─┤
棚□□□┌───┐□扉□□│
☆□□□│応接用│□│□□│
│複合□└───┘□├──┤
│機〇□□□□□□□│□□│
■─────扉───┴ 扉 ┘

144 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/03(水) 23:26:00
>>142
「……………眠っ。
まだ『9時』ってさ……」

集合した時からずっと変わらず、
ぶすっとした顔つきで、2人に遅れるようにして部屋に入る。
ソファーに深く腰掛けて、やる気なさそうに部屋を見渡す。

「ね、『切江ギヤマン』って、有名?
漫画とか見ンの? 『夕立』君」

145 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/03(水) 23:43:43
>>142-143

「ここが『二件目』の被害家屋ですか」

既に制服に着替えて、ビルの前に立つ。今回は『竹刀袋』は置いてきた。
スクールバッグも使わないので、同じく家にある。ただ、ポーチだけは一応車の中に置かせてもらった。
大したスペースではないので、これくらいは許してもらおう。
立石さんの後に付いて、ビルの3Fへ到着した。ドアが開く。

「はい。自分たちは、『立石』さんや被害者の方々の力になれるように、やってきました」
「よろしくお願いします」

嘘をつかないように、言葉を選んで口にする。これなら堂々と言える。
案内に従い、『ソファ』へと座った。

>「ね、『切江ギヤマン』って、有名?
>漫画とか見ンの? 『夕立』君」

「うぅん、『週刊少年ジャンプ』なら毎週買っていますが」
「それ以外は、あまり見たことはありませんね…」

塞川さんの質問へ、頷いて答える。
『切江ギヤマン』さんの作品は、週刊少年ジャンプに載っていただろうか?思い出してみよう。
そして、部屋の中も同時に見渡してみる。

「・・・・・」
「『箱根』さんの金庫も、近くに『卓上プリンター』がありましたね」
「『複合機』とは少し違いますが」

「『紙』というキーワードと合わせるなら『FAX』のような感じでしょうか…」
「後ほど、かけた電話番号の履歴でも見させてもらいましょうか」

とりあえず、木山さんの準備が整うのを待とう。

146 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/04(木) 00:11:28
>>144(塞川)
「コラッ、シャンとしろっ」

気の抜けた様子の『塞川』を見かねて、
『立石』が注意を飛ばした。

    「そのソファ、ヤバくないッスか?

     前の住人が置いてったヤツなんスけど、
     マジに座り心地が天国仕様ッスよ」

『木山』の雑な表現通り、『ソファ』の座り心地は極上だ。
彼は取っ散らかった『原稿』を回収し、丁寧に『ファイルケース』に収めている。

>>145(夕立)
「お巡りさんもジャンプ読んでるんスか。

 『こち亀』、終わっちゃって残念ッスねェェ〜〜〜ッッ
 やっぱ、読むとしたらあーいうのッスか?」

――――現行の連載陣を思い返すが、
『切江ギヤマン』の作品は、『少年ジャンプ』には載っていない。

    「先生の『漫画』は、『時代劇』ッスからねェェ〜〜〜ッッ

     隔週の『青年誌』で、ずっと連載してるんスけど、
     お巡りさん達じゃあ、ちょっと解らないンじゃないッスか」

      シグレカワズ
    「『 時 雨 蛙 』は拝見しました。
     
     『雰囲気』に味がある、素晴らしい作品でした。
     それにしても、あの『筆致』で十五年も描き続けるとは……」

    「あざっす。『時雨蛙』は、ありゃあ、
     先生の『ライフワーク』ッスからねェ」

件の作品を、『立石』は既読済のようだ。
話に出た『こち亀』までとはいかないだろうが、
それでも長期にわたって連載を続けているらしい。

>ALL

    「お待たせしゃーした。

     先生、モノの置き場所とかニブいんで、
     マジで好きにやっちゃってください」

吹けば飛ぶような、余りにも軽い『木山』のスタート合図。
『夕立』が目を付けた『複合機』は、コンビニの『コピー機』に近い。
これなら、初見であっても簡単に操作できるだろう。

147 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/04(木) 00:26:57
>>146

>「お巡りさんもジャンプ読んでるんスか。

> 『こち亀』、終わっちゃって残念ッスねェェ〜〜〜ッッ
> やっぱ、読むとしたらあーいうのッスか?」
>    「先生の『漫画』は、『時代劇』ッスからねェェ〜〜〜ッッ

「最近の作品だと個人的に好きなのは『鬼滅の刃』ですね」「しかし、『時代劇』ですか?」

テレビでなら、『鬼平犯科帳』や『剣客商売』はよく見ていた。
漫画で『時代劇』があることは一応知っていたが、実際にこれから会う人の作品となると、興味がわく。

>     隔週の『青年誌』で、ずっと連載してるんスけど、
>     お巡りさん達じゃあ、ちょっと解らないンじゃないッスか」

「いえ、とても面白そうです。今度拝見させて頂きます」

立石さんの評価も高いようだ。名前を覚えておこう、『時雨蛙』。
さて、ここからは仕事に集中する時間だ。まずは最初に目を付けた『複合機』を、手袋を付けてチェックする。
外部からの接続は、Wi-Fiだけだろうか?あるいは個人での使用だから、その機能もない可能性もあるか。

148 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/04(木) 20:34:12
>>146
「んー、ヤバい、ほんとヤバイ……私、寝てちゃダメ?
それか、コーヒー買ってきてよ、『立石』………」

ずぶずぶとソファに沈み込んで、そんなことを言っている。

「フー……それじゃ、やるかな。
そして、『コピー機』、鋭く見てるね。エライぞ、『夕立』くん。
確かに『あった』………気づかなかったな」

仕方なく立ち上がり、『金庫』に近づく。

「ところで、その『先生』の作業場がココってのは、そんな有名な話?
『漫画家』の職場なんて、知ってる人間、限られてんじゃないの?」

「そして、盗られたのは、『カネ』だけ?」

149 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/04(木) 23:33:06
>>147(夕立)

>「最近の作品だと個人的に好きなのは『鬼滅の刃』ですね」

     「お巡りさんも、結構『子供』っぽいんスねェ」

『皮肉』とも言えない、純粋な『感想』が『木山』から返ってくる。
作品のタイトルを心に留めながら、『夕立』は『捜査』を開始する。

    ピッ

『複合機』のスイッチを入れると、『スリープモード』から再起動する。
画面の左上には、『Wi-Fi接続中』を示すマークが点灯している。

表示されるアイコンは、『コピー』や『ファックス』、『スキャン&メール』、
『プリンター』といった基本的なコマンドが並んでいる。

>>148(塞川)

     「おいおい、甘ったれるんじゃあないぞ」

『立石』が呆れた声を発する。
一方、『木山』はいそいそと『台所』へと歩いて行った。
ひょっとしたら、『コーヒー』を入れてくれるかもしれない。

     「場所も場所、ッスからねェ。
      人の口に戸は立てられねぇですし、
      『水商売』とか通じて、知ってる人は知ってるッスよ。

      それでもファンが押しかけたりしないってところが、
      先生のじみィ〜〜〜〜なところなんッスけどねェ」

『台所』から『木山』の声が返ってくる。
それを受けて、『立石』も補足を告げる。

     「『聞き込み』の結果だが、
      このビル内では『周知の事実』だった。

      『話のタネ』にもしやすかったんだろうな。
      話題に出した、というホステスや店主も珍しくなかった」

間近で見ると、真新しい『金庫』だと良くわかる。

     「あぁー、多分『カネ』だけッスねェ。
      ……実を言うと、俺も『中身』は詳しく知らないんスよ。
      唯、カネを入れたはずの『金庫』を開けたら、スッカラカンだったんで、
      マジにビビって『通報』したんスよねェ〜〜〜〜ッッ」

      にしても、『100万円』なんて、わざわざ何に用意したんだか。
      結局、すぐに持ってかれて、マジに運が悪いなぁー、って感じですよォ」


                コトッ


『木山』が三人分のコーヒーを入れてくれたようだ。

150 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/04(木) 23:51:47
>>148-149

「ありがとうございます」ペコリ

塞川さんからの賞賛に一礼をする。
たまたま自分が先に気付いただけで、恐らくこの女性もすぐに気付いていただろうが、
それでも褒められるのは嬉しいものだ。

>     「お巡りさんも、結構『子供』っぽいんスねェ」

ギクリ

「は、はは。よく言われます」

まだ『学生』ですから、とは口が裂けても言えない。
『複合機』を操作しながら、内心冷や汗をかく。
調べたいのは、『履歴』だ。
『FAX』の送信履歴、『メール』の送信履歴や添付されたデータなどを調べたい。
接続中のWi-Fiを表示する機能があれば、それもだ。

151 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/04(木) 23:57:36
>>149
「ふーん、そんなモンか……。
この金庫はいつから? 結構、新しいっぽいけど」

金庫が空くのを待つ傍ら、作業台を眺める。

「なんか、わかんないことが多いんだな。
 『先生』には、一回事情聴取はしたんだろ?」

『立石』に問いかける。

「その辺、なんて言ってんの?
『漫画の資料』以上の事は無し?」

152 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/05(金) 23:05:43
>>150(夕立)
「ハハハッ、まだ若造ですからな」

『立石』がフォローを入れる。
それを背にし、『複合機』を操作する。

『スキャン・メール』を確認するが、
『送信履歴』には『木山』の名前しかない。

『FAX』を確認するが、
『西東社』との送受信がほとんどだ。
他出版社の名前も散見されるが、多くはない。

    「メールは『資料』をパソコンに取り込んで、
     デジタル化して『作画』に使ってるんスよ」

    「FAXは、先生が『ネーム』のやり取りに使ってるッス。
     逆に、そっちは全然使ってないッスね。俺の方では」

履歴を確認してみるが、それなりの量がある。
ある程度絞り込まなければ、情報を得られないだろう。

>>151(塞川)
「あー、二週間前からッスね」

『金庫』を開けるのを待っているが、
『木山』は不思議そうな顔をしたまま、待ちぼうけている。
……が、何を求められてるか気付けば、バタバタと両手を振り回す。

    「――――あっ!

     ダメダメ、俺もう開けられないんスよ。
     先生が『指紋認証』を消しちゃったんで、
     今は先生しか、中身は見られないんですって」

    「なッ!?

     参ったな。これじゃあ調べられないぞ」

『立石』は難渋に顔をしかめて、腕組みをする。

>「なんか、わかんないことが多いんだな。
>『先生』には、一回事情聴取はしたんだろ?」

    「……言い方は悪いが、
     この件で一番『非協力的』な被害者だ。

     まぁ、『芸術家』というのは、
     そーいう気難しい面もあるとは思うが。

     『札束』も『漫画を描く用途で下ろしてきた』と言っていたが、
     ――――『時代劇』に『諭吉』が出るシーンがあると思うか?」

『立石』はヒソヒソ声で『塞川』に話しかける。
一方、『携帯電話』を取り出した『木山』は、席を立った。
どうやら、『金庫』を開けるよう、『切江』に電話をしにいったようだ。

153 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/05(金) 23:22:45
>>152

「なるほど」
「『木山』さん。最後に『百万円』を確認した時間と、盗難に気付いた時間。
 そして、その前後で現場に何か変化はありましたか?」

一応木山さんに訊ねてみるが、既に電話をしていたら、『立石』さんに訊ねよう。
覚えてくれている範囲でいい。
そしてその時間の間に何か送信されていないか、チェックしてみよう。
今の話を聞く限りだと、なかなか奇妙な漫画家のようだ。

154 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/05(金) 23:26:14
>>150 >>152
「『送信履歴』と『受信履歴』……。
事件当日のヤツに、怪しいトコはある?」

複合機をいじる『夕立』へと問いかける。
『木山』と入れ替わりで、金庫の前へ。

「そして、弱ったな……。
『金庫』を開けられないんじゃあ、どーしようもないぞ」

大げさに頭を振って、バシン、と金庫を叩く。

「情けないな、何のために『捜査』に来たんだか……
出来る事ってーと、こーやって『覗き込む』……くらいか?
天井を透過して……」

『クリスタライズド・ディスペア』は、既に発現している。
スタンドの像を金庫に密接させて能力を行使。
透明になった『金庫』の中身を覗き込む。

155 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/06(土) 00:15:17
>>153(夕立)
「『木山』さんが『札束』の盗難に気付いたのは、『五日前』だ。

 ――――『盗難』とはいうが、『被害届』も出されていない。
 本来であれば、『事件性なし』とするところだが……」

    「立て続けに、他にも『二件』の空き巣があった。
     ご存知、昨日の『箱根地所』と、もう一か所の事件だ。
     同一の『手口』であれば、『証拠』が残っているはずとして、
     『切江』先生には無理を言って、『捜査協力』を頂いている形となる」

「『時間』は不明だ。

 だが、『朝』に『現金』を入れたのを確認し、
 『夕方』にはそれが、もぬけの殻だったそうだ。

 どちらも『午前中』には『打合せ』で出払っていたから、
 おそらくはその時にやられたのではないか、と――――」

『立石』の言葉に従って、『五日前』の『午前中』の履歴を探す。
『西東社』を始めとする、複数の出版社から『FAX』が来ている。
――――そして、その中に『非通知』の『送信履歴』を発見する。

    「『FAX』が、どうかしたのか?」

『受送信履歴』に固執する『夕立』に、『立石』は不思議そうに問い掛ける。

>>154

         ズアッ

                   ――――シュ カ ァ ァ . . .


      「おい、何をして、」

『立石』には見ることさえ敵わない、硝子製の『鳥像』。
羽ばたきによって舞い落ちる『羽毛』が触れた時、
『金庫』の板金にポッカリと『ソフトボール大』の穴が開く。

      「――――ッ!

       『金庫』に『覗き穴』ッ!?
       まさか、これが『スタンド』ってヤツか!?」

仰天する『立石』。身を乗り出して覗き込む。
無論、『穴』が空いているわけはない。そのように見えるだけだ。
『クリスタライズド・ディスペア』のスタンド能力は、『硝子化』。


>ALL

          キラッ

                   「何か、中にあるな……」

『立石』が『マグライト』を取り出し、『硝子窓』を照らす。
そこにいたのは、『顔』。いや、『一万円札』だ。


          ブワサァァァァ〜〜〜〜〜〜ッッ


まるで、敢えて『散らかした』かのように、無造作に押し込まれている。
かなりの枚数だ。『万札』に交じって、『ビジネス書類』のようなものが、
これまた乱雑に押し込まれている。

156 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/06(土) 00:26:55
>>155
「………『ある』ぞ?
どうなってる……? 『先生』は、なんて言ったんだ、ン?」

『立石』へ問いかけながら、
『クリスタライズド・ディスペア』を移動させ、
複数個所をを『硝子化』させ、全体が覗けるようにしよう。

「100万円………『100枚』以上ないか、これは?
『木山』を見張ってろ、 『立石』。」

『金庫』に顔を近づけて、『ビジネス文書』に書かれている文字を読み取る。
同時に、『スマートフォン』で撮影。

157 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/06(土) 01:12:17
>>155

「『被害届』すら…」
「流石にそれは、異常と言っていいですね」

あまりに売れっ子な漫画家なら、100万円も端金と言えるかもしれないが、
『切絵』さんとやらは不定期の連載を続けているようで、そこまでとは思えない。
長年漫画家を続けられているのだからカツカツとは違うだろうが、それにしても大金を奪われたのを、なかったことにしてしまうとは。

「あくまで予想ですが、この『複合機』が敵の能力に関わっているかもしれません」
「立石さん。『警察』の方は、『非通知』の人の電話番号を電話会社から調べたりすることはできますか?」

訊ねる。
事件当日、出払っていたにも関わらず、『送信履歴』があるのは奇妙だ。
調べてもらう価値はあるように思える。─────いや?

「ッ?!」

塞川さんの方を、金庫を見て驚愕する。
彼女のスタンド能力を初めて見たこともだが、何よりそれで確認できた、金庫の中身に、だ。

「これは、どういうことですか…?『書類』まで中に?」

この場を外している木山さんの方を見る。これでは、金庫を開ける許可などもらえそうにないが…?

158 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/06(土) 22:43:13
>>156(塞川)             . . .
「『100万円』ッ  いや、それ以上あるぞ……!」

    ゴ
               「これは、『社判』だ。
         ゴ
                ――――在り得ない、なぜだ?」
    ゴ
                     . . . .
        ゴ      「何故、『箱根地所』の書類が、
                ここにあるっていうンだァァ〜〜〜ッッ!!」

『塞川』の指示に、『立石』は従う。
『木山』の後を追って、アトリエを後にする。

『文書』には『土地取引』についての契約条項を記載されている。
『立石』のいう通り、間違いなく『箱根』の『重要書類』だ。

       パシャッ

金庫の『天面』、『正面扉』、『側面』をそれぞれ『硝子化』する。
いずれも範囲は『ソフトボール』大だ。

>>157(夕立)
「『掛け合えれば』可能だが、

 ――――『根拠』がなければ、その『要請』は難しいぞ」

『電話会社』に働きかけるとなれば、『一個人』の判断だけでは難しい。
『立石』も『上司』に許可を得なければならない。それなりの『根拠』がいる。

     「とにかく、私は『木山』を追う……」

声を潜めながら、『立石』はアトリエを出ていく。
金庫に向き直る『夕立』。金庫の『硝子化』が進行していく。

>ALL
傍目に見ても、金庫にぶち込まれた現金は、『一千万円』ほどあるだろう。
『重要書類』と合わせて、『箱根』の被害と一致するとみて間違いない。

重要な『証拠』だが、『金庫』からは取り出せない。
『スタンド能力』を介して『発見』した以上、
そのままでは用を成さないのだ。

159 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/06(土) 23:20:51
>>158

「流石にすぐに教えてはくれませんか…」

立石さんの言葉に頷きながら、透明なガラスのようになった『金庫』を見る。
中身はやはりというか、『箱根』さんの盗まれた現金と書類のようだ。
『空き巣』の犯人は、果たしてこの漫画スタジオの人間なのか。
それとも罪を被せるために、誰かがこの金庫の中に移したのか。

「割りますか?オレの『シヴァルリー』で」「もし『強度』も落ちているのであれば、ですが」

立石さんのいう『根拠』は、もし『紙』の送受信にスタンド能力を使っているのであれば、
それを用意することは無理だろう。ひとまず、鍵を握っているのは『絵山』さんだろうか。
もし『絵山』さん含め当時誰もここにいなかったのであれば、侵入した者が
勝手に『複合機』を起動させたことになる。その手がかりを求めるために、なら電話会社も説得できるかもしれない。
塞川さんの意見を伺いつつ、立石さんを待つ時間で『複合機』の近くに怪しいものや、
あるいは鈍器に使えそうなものがないか、チェックしておこう。

160 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/06(土) 23:44:50
「想像以上の成果だな....。
こりゃ、『先生』にもっと話を聞かなきゃなぁ〜〜」

『木山』の様子を伺う。

>>159
「いや、今はやめときな。
まずは、奴をとことんまで追い詰めるッ!」

161 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/06(土) 23:53:25
>>159(夕立)
『夕立』は『鈍器』を探すが、手ごろな『重量物』は見当たらない。
少なくとも、『工具』や『スポーツ器具』の類は、室内には置いていない。

――――仮に、『硝子』を割って『中身』を取り出したら、
現場にいる『二人』の仕業であると、すぐに解るだろう。
そうなれば、『不法捜査』によって得た『証拠』に他ならない。
『紙幣』の『証拠能力』は失われ、犯人を追い詰められなくなる。

>>160(塞川)
『木山』も『立石』も扉の向こうにいる。
その様子を探るには、『行動』をしなければならない。

162 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/07(日) 00:01:38
>>161
「なんだ......?
ヤケに時間が掛かっているな......」

直ぐに木山を連れて来るものと思っていたが.....?
金庫の側を離れて、『立石』の後を追う。

163 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/07(日) 00:13:17
>>161-162

「了解しました」

塞川さんの指示に頷き、壊すのは止めておく。
目の前に確たる証拠がありながら、手が出せないのはもどかしいものだ。
立石さん始め、警察の人々も苦労しているんだろうな、と思いつつ彼を待つ。

「・・・・・?」

が、来ない。

「…妙ですね」

辺りから『カッター』『Gペン』を探しつつ、金庫と複合機の方を見ておく。
塞川さんは、立石さんを探しに行ってくれている。何かあれば呼びかけてくれるだろう。
自分は見える範囲での証拠確保に待機していよう。

164 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/07(日) 00:34:18
>>162-163(塞川&夕立)
『立石』が離れてから、さほど時間は経っていない。
『塞川』はアトリエの扉を開けて、雑居ビルの内廊下に出る。

「ああ、どうだった?

 ――――今、『切江』先生と掛け合ったところだ。
 彼は間もなく、この『アトリエ』にやってくる」

開いた扉から、『立石』が顔をのぞかせた。
『立石』の横では、『木山』が電話で何やら話している。
会話の内容を聞くに、『切江』と話をしているようだ。

    「彼が何も知らなければ、
     『金庫』を開けてくれるはずだが……」

    「わざわざ『木山』さんの『指紋認証』を削除した以上、
     その可能性は低いだろうな。
     ……間違いなく、『事情』を知っている」

この会話は『夕立』にも聞こえている。
『カッターナイフ』は大机の『ペン立て』に収まっている。
『Gペン』も『L字デスク』の上にあるのを確認できた。

    「まずは、その『スタンド能力』を、元に戻してくれないか?
     金庫に『異常』があれば、『切江』先生も近づけないからな」

『硝子窓』の出来た『金庫』を横目に、『立石』が要請する。

165 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/07(日) 22:19:07
>>164

「仮に『切江』さんが『スタンド使い』で、そして『金庫』から中身を抜き取る能力だった場合」
「この『金庫』の中身を、別の場所へと移そうとするかもしれませんね」

もし木山さんから新しい刑事が来たと聞いていても、こちらが『スタンド使い』だとは思うまい。
そのシーンを目撃すれば、能力の推理には非常に役に立つ、が。
あるいは『金庫』を開けずに徹底抗戦の構えかもしれない。

「立石さん。やはり『切絵』さんが拒んだ場合、金庫の中身を強制的に開けてもらうことはできないのですか?」

「…しかし木山さんの『指紋認証』が解除されたということは、切絵さんの指紋なら開くのでしょうか」

それとも別のシステムで開くのだろうか。後で木山さんに訊いてみようか。

166 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/07(日) 22:38:09
>>164
(どうする………?
『切江』がどんなヤツかはわからんが、
一筋縄ではいかんヤツであろう事は、想像に難くない……。
『夕立』の『スタンド』と私の『能力』で、
金庫の見えない部分に『穴』をあけ、
『交渉材料』として『書類』を取り出すか……?
そんなのを見せたくらいで動揺するようなチョロい精神なら、だが……)

『鉄』と合流する。

(穴をあける事で『難癖』をつける口実を与えることにはなる、
だが、どっち道『スタンド能力』は『立証不可能』…………)

「………ま、ここは『様子見』にしておくか。
『立石』の顔を立ててやる。
なあ、この『金庫』。少し動かせるか?」

『鉄』へ尋ねる。
『金庫』の裏面は『壁』へ密接しているだろうか?
そうでないなら話は早いのだが。

「もしも『切江』が犯人なら………
どこかのタイミングで中身を動かすかもしれん。
私のスタンド、『クリスタライズド・ディスペア』……。
その視界にて、それを見張る事はできるッ。
奴のウラを掻いてやるぜ〜〜〜、『犯人』なら、だけどな」

『金庫』の裏側へ『クリスタライズド・ディスペア』を回り込ませ、
裏面を『ガラス化』。その視界にて、交渉中の『金庫の様子』を
リアルタイムで確認するつもりだ。
話をしながら、少しずつ『金庫』の『ガラス化』は一旦解いていく。
上記発言のような懸念はある為、
天井のガラス化、ソフトボール大の覗き窓1つ分は、ギリギリまで解除はしない予定。

167 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/07(日) 23:07:49
>>165(夕立)
>「立石さん。やはり『切絵』さんが拒んだ場合、
>金庫の中身を強制的に開けてもらうことはできないのですか?」

    「私も、この『金庫』を破りたいのは、同じ気持ちだ。

     『大金』と『書類』が戻れば、『捜査』は進展する。
     何より、憔悴しきった『箱根』さんを、
     少しでも『安心』させてやりたい……」

    「だが、『被害届』が取り下げられている以上、
     『無関係』の彼に、何かを『無理強い』はさせられん。

     『木山』さんの『指紋』の登録が消された以上、
     『切江』先生でなければ、『金庫』は開錠できないが……」

顰め面を作ったまま、『立石』は首を振る。
『物証』を前にして『切歯扼腕』しているのは、彼も同じだ。

>>166(塞川)
>「………ま、ここは『様子見』にしておくか。
>『立石』の顔を立ててやる。

    「ああ、助かるよ」

『金庫』は『壁』に密接している。
ボルトで固定された『金庫』を違和感なく動かすのは、
どんなスタンドであっても難しいだろう。

……が、『本棚』と『壁』の間に、
『握りこぶし』ほどのスキマが見える。
ここになら『ヴィジョン』を隠せるだろう。

>ALL

    コン    コン

    「入りますよー、刑事さぁーん!」

自身の『職場』のはずなのだが、
『木山』は丁寧に『ノック』をしてきた。
間もなく、『木山』と『切江』が到着する。

168 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/07(日) 23:22:38
>>167
「……そういえば、一つだけ確認するのを忘れてたな。
『被害届』は『切江』から出されて、その後取り下げられたのか?
話の流れ的には、そうとしか思えない、が。妙な話だな」

ヴィジョンを、金庫の隣の本棚と壁の隙間へ向かわせ、
そこから見える位置のみを『ガラス化』。
ヴィジョンを監視カメラのように配置する。
自身は複合機の前方辺りへと移動。
部屋の主を待ち構える。

169 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/07(日) 23:33:56
>>167

「…なるほど」「『被害届』を取り下げたのは、そういう意図もあるのでしょうか」

つまり、こちらがどう頼もうとも『切江』さんに開けてもらうことは不可能だということか。
ならば、彼自らの意思で開けてもらう必要があるわけだが。
再び金庫を見る。

「このタイプは」「本人の指紋で触れれば、他に捜査せずとも開いてくれるのでしょうか?」

例えば、切江さんが近くを通りがかった際に『シヴァルリー』を発現。即座に彼の手を掴み、
その精密性で指を開かせ、金庫に触れさせる。難点はこちらが『スタンド使い』だとバレてしまうということだ。
それで開けさえすれば、仮にバレても問題ないが。万が一抵抗されて不発に終わってしまうと、警戒心をより高めてしまう。
恐らく、切江さんのスタンドは『近距離パワー型』ではないはずだ。成功率は低くないとは予想しているが。

「後は、金庫の中から煙でも出てくればいいのですが…」

例えば、何らかの火種を金庫の近くに仕込む。あるいは煙だけでもいい。
それで中の紙幣が燃えていると錯覚すれば、能力を使うか、金庫を開けざるを得ないだろう。
しかし、危険性を考えるとこの案は捨てざるを得ないか。一応、周囲に『ライター』がないかはチェックしておこう。
スタッフの誰かがタバコを吸っているかもしれない。
そして、部屋の主を待ち構える。気をつけの姿勢で、立石さんの隣に立つ。

170 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/08(月) 23:03:49
>>168(塞川)
「『盗難』を発見した『木山』さんが通報をした。

 その場で簡単な『聴取』を終えた後、
 今後の話と、『被害届』の話題に入った時、
 『事件』にはしたくない、と話を終えた形だ……」

『金庫』の影にヴィジョンを隠し、『硝子化』を行う。

>>169(夕立)
「そこの『ブラックガラス』に『指』を押し付け、
 『指紋認証』に成功してから、『OPEN/CLOSE』の
 ボタンを押せばいい。……そのはずだ」

『切江』への『力づく』での『開錠』、『放火』による『開錠』の誘導。
まるで『北風と太陽』だが、『行動』に移さなければ、
その『成否』はハッキリとはしないだろう。

『ライター』は見当たらないが、
『水場』に行けば『ガスコンロ』があるだろう。

>ALL

    「『切江』先生、お邪魔しております。

     この度は、『捜査』へのご協力、ありがとうございます」

『二人』の準備を終えた時、
『立石』が扉を引き開けて、『切江』を招き入れる。

    「――――『進展』は、ありましたか?」

真新しい『作業着』を纏った、長身痩躯の老人。
『画材店』のロゴが入った、小さな『紙袋』を提げている。
血の色を感じない、無機質な表情のまま、『切江』を凝視する。

    「お恥ずかしながら、未だに『尻尾』も掴めず。
     この通り、『増員』を掛けて犯人確保に邁進しております」

    「―――――早速ではありますが、
     『金庫』の中身を、もう一度『確認』させて頂けますか?」

何食わぬ顔をして、『立石』が捜査の要請をする。
『切江』はたじろきもせず、沈黙を返す。

    「それは、出来ませんな。
     ……話は以上ですかな?」

しばらくの後、低くもハッキリした声色で、『切江』は拒絶を示した。

171 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/08(月) 23:24:21
>>170
「それは何故?」

もうひとつの視界を確認しながら、
二人の会話にあえて割って入る。

「あ、失礼………。私は、『塞川』といいます。
この事件の『捜査』をしている………」

「話を戻しますが……何故、開けられないのか?
以前は、そこの『木山』さんも金庫を開けられたとか。
その『認証』も消してしまった……それも何故?」

172 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/08(月) 23:27:53
>>170

「この度の捜査から手伝わせてもらっている、『鉄』と申します」
「よろしくお願いします」

まずは『切江』さんへと一礼。

「まだオレたちは現場を確認できていないので、できればもう一度『金庫』を拝見させて頂ければ、と」

塞川さんの言葉に重ねて、まずは依頼する。
理詰めで開けてもらえるなら、それに越したことはない。
どういった理由で彼は開けるのを拒むのか?金庫の近くに移動しながら、訊ねてみよう。

173 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/08(月) 23:39:37
>>171(塞川)
「今までは『空っぽ』だったから、
 何の気兼ねもなく、開けて見せてたが」

    「その『金庫』には『中身』が入った。
     わざわざ、人に見せるモノでもない。
     ――――『木山』も含めて、という意味でだ。

     そういう話だと、思って頂きたい」

ゾッとするような冷たい目が、『塞川』に向けられる。
断言的な口調で、『切江』は会話を終わらせようとする。

>>172(夕立)
一礼をするが、『切江』は一瞥を向けただけで返答も見せない。
『塞川』の質問に対する様子を見るに、『箱根』とは対照的だ。

    「『金庫』には何もなかった。
     それだけで十分でしょう。……他に、何か?」

突き放すような言葉が『夕立』に返ってくる。
単純な『質問』や『要望』では一切通じない、肌でひしひしと感じる。

174 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/09(火) 21:01:36
>>173
(………まあ、そうなるよな。
『立石』ひとりの捜査と何も変わっていない以上は……)

真っすぐに視線を返し、ゆっくりと口を開く。

「なるほど………尤もな話ですね。わかりました。
なら、中身を見る事は諦めます」

「しかし、その代わりに……といっても、
そちらに主導権がある以上、交換条件にはなりません。
これは『お願い』ですが………
私達は退室しますので、あなた一人で『金庫』を検めてはいただけませんか? 『今』」

「それが『捜査』に必要な事だと、私達は考えています」

(かなり不自然ではあるが、『落としどころ』としては、この辺りか………。
『証拠』がここに存在する以上、『切江』は限りなく『黒』………。
だが、この質問でハッキリと線を引いてやるッ)

175 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/09(火) 21:38:08
>>173-174

「…承知しました」

ここは承諾しておくしかない。無理に事を荒立てて、以降この部屋を訪れなくなる方が問題だ。
今のところ、『金庫』に近付いた瞬間に『シヴァルリー』を発現して力ずくで触れさせる作戦で行くか。
この場には他に一般人の『木山』さんと『立石』さんがいる。
多少不自然であろうが、見えない以上自分で『金庫』の指紋認証に触れた形になるだろう。
後はどうやって『金庫』に近づかせるか、だが。

まずは、塞川さんの言葉に従う素振りを見せてくれたなら、こちらもそれに従って退出する。
恐らく、彼女のスタンドは『遠隔操作』が可能なのだろう。
そしてもし、それにも反対をするようだったら。『金庫』を指差して、こう訊ねる。

「分かりました。最後にオレから一つだけ、質問をさせて下さい」
「この『金庫』に小さく書かれた文字、『箱根』と書いてあるように見えますが…
 これは事件の前から書いてあったものですか?」

金庫を指差し、そう訊ねる。
『切江』さんは高齢だ。デスクワークを続けていることもあり、視力はさほど高くないと思われる。
もし文字を見ようとすれば、必然的に近付く必要があるだろう。
そして冷静さを失わせるために、被害者である『箱根』さんの名前を出す。
『金庫』に接近してきたなら、射程距離『2m』ギリギリまで離れつつ。
『切江』さんの背後に『シヴァルリー』を発現し、そのパワーと精密性を生かして、『人差し指』を指紋認証へと付けさせる。
まずは『右手側』、それでもなければ『左手側』だ。
違う指の可能性もあるが、これは賭けだ。
高齢の男性は、利便性を重視することが多いらしい。一番扱いやすい『人差し指』を使うのではないか。
ロックが外れたなら即座に『シヴァルリー』にオープンボタンを押させ、開かせる。

もし塞川さんの言葉に従ってくれたなら、この行動は必要なくなるだろうが。
開いた時のリアクションで、本当に『切江』さんが犯人なのかも分かるかもしれない。

176 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/09(火) 22:23:01
>>174(塞川)
「断る。

 『捜査』には必要だとしても、私には『不要』なことだ。
 ……では、お引き取り願いましょう。よろしいですかな?

 此方もわざわざ『110番』のような、『不名誉』なマネをしたくない」

『不信』を露わにした、抑揚に欠けた返答が、アトリエに響いた。
そして、『110番』と聞き、『立石』の顔が引きつる。
『偽警官』とバレれば、『捜査』は続行できない。

『塞川』の提案は、『切江』の興味を引いていない。
完全に『心』を閉ざし、相手にしていないのだ。

――――『切江』の興味を引くには、
『会話』をさせるには、『工夫』が必要だろう。
まだ、解明されていない、彼の抱えた『謎』がある。

>>175(夕立)
『塞川』の提案を、『切江』は拒絶する。
彼にとっては、『道理』も『利益』もない要請に過ぎなかった。
感情の欠けた『不信』の色が、皺に囲われた相貌に宿る。

    スゥゥ...

喉から出掛かった『質問』、発現される『ヴィジョン』。
『不可視』の腕を伸ばそうとした時、

          バンッ

『立石』の大きな『掌』が、『夕立』の肩を叩いた。

     「あ、いや」

            「失礼、なんでもない」

只ならぬ『気配』を感じ、半ば『無意識』だったのだろう。
『立石』は訳のわからぬ驚き声を上げながら、掌を引っ込める。

     「……『短気』は起こさないでくれ」

それだけ言い残し、『立石』は『切江』に向き直る。
ヴィジョンを使って『不意』を突けば、『金庫』は開くだろう。
だが、その行為は、今はまだ『確証』のない老人に対し、
一方的な『力』を行使するのと、なんら変わりのない行為だ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                            ズパァッ!

        『――――――ッッ』  ボ
                       タ
                        .
                       ・
                        ,
           ┌───────────────────────┐
           │『妹』を傷付けた『通り魔』と、何が違うというのか。  .....│
           └───────────────────────┘
                             i。
                        ・
              『〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!』
                        。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

177 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/09(火) 22:56:14
>>176
(そりゃあ、そうか………私だって断る。
く、何かないか、なにか…………)

「……さっ、『札束』。
あれは、なんに使う予定だったんですか?」

(くそ………馬鹿か私は……。
『資料のために用意した』……建前の回答があるだけだ。
こんな質問じゃあない………!)

助けを求めるように、『鉄』の方を見る。
『立石』は、私達を退室させようとするだろうか。
最後の引き際は、本職の彼に任せる。
そうすることで、マッチポンプではあるが彼の評価はそこまで落ちはしないだろう。
バカな新米警官の暴走と取られる……筈だ、

「それに『金庫』だって………まだ新しい!
これじゃあ、『盗ませる』為に『用意した』ようじゃないッ!
何故、こんな『頑丈』な『金庫』を用意する必要があったの……漫画家のあなたが?」

焦燥感に駆られて、早口に声を掛けようとする。

178 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/09(火) 23:18:44
>>176

『目には目を、歯には歯を』。それの何がいけないのか。
『スタンド』を使って犯罪をするようなら、こちらも『スタンド』を使って取り締まる。
私利私欲の為にスタンドを使うような人間なら、盗むのが『金銭』だけでなく、『人の命』になる日がいつか来るかもしれない。
『空き巣』から『強盗』へと変わってしまうくらいなら、ここで無理にでも『証拠』を突き詰めるべきだ。
そうするのが、これ以上被害者を増やさない最も確実な道だ。
そうでないと、また妹のように、傷付けられる人が出てしまう─────。

>          バンッ
>     「あ、いや」
>            「失礼、なんでもない」

>     「……『短気』は起こさないでくれ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「了解しました」「…すみません。ありがとうございます」

立石さんの呼び掛けに、行動を止める。
自分が正しいとは思っていないし、自分が必要だと思えば汚い事でもするつもりだ。例えそれが『通り魔』と同じ行為でも。
胸を張って生きていけなくなってしまっても、自分の大切な人間の夢や命が守れるなら、それでいい。
…しかし、この時はその時ではないようだ。
限りなく『クロ』に近い切江さんだが、まだ犯人とは決め付けられない。
本当の犯人が罪をなすりつける為に、『金庫』の中に札束やファイルを保管した可能性もある。
それを確かめる為にも、できれば彼には金庫を開けて欲しかったが。
道を踏み外す時は、ギリギリまで見極めてからだ。熱くなっていた頭を冷やしてくれた立石さんに、謝罪と感謝をする。

「…事件当日、皆さんが出払っていた時間に、この『複合機』が使われていたようですが」
「『切江』さんは、何かお心あたりはありますか?」

質問をする。動揺するか、それとも意外な反応を見せるか。

179 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/09(火) 23:37:21
>>177(塞川)
「……あれは、『漫画』を描く為だと」

    「差し出がましいようですが、
     『江戸時代』の何処のシーンに、
     『札束』の『絵』が必要になりますか?」

『札束』が『時代劇』に登場することなど、まず在り得ないと、
詰問するように『立石』が切り込み、『切江』がたじろく。

    「……『絵』の資料に、するわけではない。
     唯、あの『札束』は、私の『原稿』に必要だった。

     ――――それだけだ。……『金庫』もその為だ」

『塞川』はハッキリと解ったことがある。
この『老人』は興味のないものを、全く相手にしない。
だが、少なくとも、――――自分の『仕事』に『嘘』は付けない。

>>178(夕立)
気を取り直し、『複合機』について問い掛ける。

「……いいや、何も」

『切江』は『複合機』に視線を送る。
誤魔化すというよりは、本当に知らないようだ。

180 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/09(火) 23:57:19
>>179
「待って……話がわからない。辻褄があわない……。
それは、喋っている『切江』さん、あなたも感じている筈……。
それなら、いったい何のために『必要』だったの?
『絵』の資料にしないなら、それ以外に必要な事があるの?」

駆け引きも、『警官』(偽だが)の立場をも忘れて、そのまま問いかける。
その問いを、そのまま『木山』にも振る。

181 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/10(水) 00:05:07
>>179

「そうですか」
「ちなみに、こちらで『金銭』ではなく『原稿』などの盗難は起きていませんか?」

質問を重ねる。
切江さんが『被害届』を出してくれていれば、『非通知』の電話番号も知る事ができたかもしれないが。
非協力的な以上、それも難しいだろう。

182 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/10(水) 00:38:59
>>180(塞川)
>>181(夕立)
二人の『質問』を訊き終えると、
『切江』は沈黙し、ややあってから重々しく口を開いた。

    「……これは、私の『恥』になる。

     『金庫』や『現金』を用意したのも、
     『被害届』を取り下げたのも、
     全ては、私の『恥』が原因だ……」

    「『時雨蛙』は、夏を迎える前に『打ち切り』となる。
     ――――長く連載を続け、何時かはその日が来ると思っていた。

     本当を言えば、私は『時雨蛙』を終わらせたくはなかった。
     『木山』から聞いたと思うが、あれは私の『ライフワーク』。
     連載が終わってしまえば、衰えた『腕』も動かなくなり、
     私の『作家生命』が消えてしまうと、言い知れぬ予感があった……」

全てを『観念』したかのように、『切江』はポツリポツリと語り始める。
振っては止み、それを繰り返す『時雨』のように。

    「その一方で、『打ち切り』だと解った瞬間に、
     怒涛のように『構想』が、脳髄を走り広がっていく……。

     理想的な『最終回』は、既に出来上がっていた。
     それを『脳奥』に封じるのは、私自身の『腕』を裏切る行為だ。
     今すぐにでも『ペン』を振るって、『終幕』を描きたかった。

     だが、それを『掲載』し、『終止符』を打つことを、
     私はどうしてもしたくなかった。私の、ワガママだ。
     ――――だから、『木山』を『銀行』へ走らせた」

    「『現金』を、……『千円札』を『千枚』、用意した。
     そして、『それ』を仕舞う『金庫』を設置して、
     ――――それから、『木山』を呼んだ。

     私ももう『老齢』だ。……彼の『指紋』を登録し、不測の事態に備えた。
     ……極端を言えば、私が死んでから『最終回』を公開してくれるのなら、
     それで構わなかったが、――――恥ずかしながら、私は『生き汚い』男だった」

肝心の『恥』の内容について触れないまま、『切江』は語り続ける。
シビレを切らした『立石』が、おもむろに切り出した。

     「『切江』先生、貴方は一体……?

      貴方は『最終回』を描いたんですよね?
      だが、それが『掲載』されないようにした、……そういう、ことですか?」

     「――――、   そう、なる」

このまま黙っていても、『切江』はいずれ、話すかも知れない。
しかし、『恥』とまで言い切った己の『所業』を、黙して『告白』させるのは、
今の様子を見るに、『酷』なことだろう。

183 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/10(水) 01:11:56
>>182
話を聞いている内に、一つの答えに辿り着く。
『ありえない』と思った。
だが、この話が導く結論は、そうとしか思えない。
『確かな事を拾っていく』……自分で言ったことだ。

「つまり……あなたは、『描いた』の?
その…………『千円札』に。そして封じ込めた。
自らが死んだあと、『最終回』が世に出るように」

そんなことが可能なのだろうか?
そして、『可能』だとして、どれだけの技が必要なのか。
真っ白な『原稿』でなく、模様の入った『千円札』に。
『塞川唯』は、自他ともに認める適当な女だ。
この『捜査』だって、いつ飽きて辞めるかもわからない。
そんな自分に、『切江』の気持ちは理解できないと思った。

(だが、それなら………)

184 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/10(水) 22:06:52
>>182

自分には夢がない。将来こうしたいという具体的な目標がない。
現在は『剣道』に対して真剣に打ち込んでいるものの、それを職にして食べていけるとも、食べていこうとも思っていない。
だから、切江さんがここまで情熱を傾ける理由を完全には理解できていないし、
『終幕』を描きたいが、それを『掲載』したくないという複雑な心境も察しかねていた。
しかし彼がこの仕事に対して『偽り』がないことだけは理解できた。

「事情は多少ですが、理解しました」
「───しかしそれなら何故、同じ『金庫』に大量の『万札』と『書類』を置いておくのですか?」

『金庫』を指差しながら、切江さんへと訊ねる。

185 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/11(木) 23:37:11
>>183(塞川)
『塞川』の切り出した『真実』に、
『切江』は、小さな首肯を返した。

「私が死に、『描けなく』なると周知されれば、

 私のアシスタントである『木山』に、
 紙幣の『ネーム』を基にした『清書』の依頼が、
 滞りなく出来ると、――――『逃げ』の期待が、あったのだ」

『切江』の独白は、自嘲的なものだった。
聞き手に回っていた『立石』が、おもむろに口を開く。

    「経緯はともかく、
     『紙幣』に『原稿』を描くというのは、
     なんとまあ、……『傍迷惑』なことを……」

    「――――『紙幣』への落書きは、罪には問われない。
     だが、『紙幣』を勝手に『印刷』する行為は、
     『通貨及証券模造取締法』で禁じられている」

    「千円札の『顔』が『野口英世』になった時に、
     郵便局が『新紙幣』のデザインを流用した『中吊り広告』を作り、
     問題視された『回収騒ぎ』になったが、――――おっと、君らは知らないか」

少なくとも、『切江』の行為は『罪』には問われないが、
『立石』が呆れがちに呟いた、『傍迷惑』という言葉が、事態を形容していた。

>>184(夕立)

>「───しかしそれなら何故、同じ『金庫』に大量の『万札』と『書類』を置いておくのですか?」

    「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!

     何故、それを知っている?」

『切江』は眉を吊り上げ、焦燥を浮かべる。
やがて、観念したかのように『金庫』へと歩き出せば、
ブラックガラスに指先を押し当て、

                          <PI!>

     ブワサァァァァァ〜〜〜〜ッッ!!

『金庫』から吐き出され、床に広がった『福沢諭吉』達が、
恨みがましそうな目で、『切江』を睨み上げる。

     「事件のあった『翌日』に、

      金庫をもう一度開けた時、『入っていた』」

     「―――――身に覚えはないが、
      共に入っていた『書類』を見れば、
      綺麗な『カネ』ではないことは明らかだった」

     「……全て、私のみが『知り』、私だけが『隠した』ことだ。

      ――――『木山』は、あの男は何も知らん。
      『金庫』に触れたのは、私と、万札を入れた『何者』かだけだ……」

『アシスタント』を庇い立てる、これが『沈黙』の動機だった。

186 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/12(金) 00:13:09
>>185

「なるほど」「あなたも『木山』さんも、『犯人』ではないようですね」

得心がいった。
現場の証拠からすると、確かに間違いなく切江さんか、木山さんが犯人だと思われるだろう。
事実、自分も先程までは彼らを疑っていた。
彼を庇いだてる為に、静かに沈黙を貫いていたということか。
しかし、件の『千円札原稿』はどこへ消えたのか。
仮に『一千万円』と入れ替わって更にどこかへ消えたのだとしたら、何故『千円札原稿』を戻さないのか?

即座に考えられることは二つ。
元より『千円札原稿』が目的だったか、あるいは切江さんと木山さん、彼らを陥れたかったか。
犯人に仕立て上げた場合、『一千万円』は押収されて犯人の手の届かない所へと行ってしまうかもしれない。
それでもこの金庫に万札を入れたい理由が、犯人にはあったのだろうか。

「切江さん、どなたかと最近トラブルになったりとか、恨まれる心当たりはありませんか?」

「それと立石さん。切江さん本人が再度『被害届』を出した場合、
 あの『非通知』の電話番号を知ることはできますか?」

二人へと質問する。

187 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/12(金) 00:25:39
>>185
「……なるほど、ね。
確かに『はた迷惑』な話ではあるけど……一歩前進ってトコだな。
そして、そんな顔する必要はないぜ」

軽く頭を振って、金庫の『ガラス化』は解除しておく。
切江へと喋りかけながら、吐き出された『書類』を、手袋をした手で摘まむ。

「つまり、私たちはその『何者か』を探してるって事だからな。
しかし、確かにあんたたち二人のどちらかが犯人……『ではない』場合、
何故、ここが中継地点となったのか………?
そのナゾは残るがな」

188 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/12(金) 20:44:50
>>186(夕立)
>「切江さん、どなたかと最近トラブルになったりとか、
>恨まれる心当たりはありませんか?」

    「……いいや、皆目見当が付かん。

     確かに、『連載終了』の旨を聞いた時は、
     『編集者』とは『口論』になったが……」

    「――――だが、『最終回』に着手すると、
     とどのつまりは納得を見せた、そのつもりだ」

そのつもり、が『掲載』できない『原稿』なのはさておき、
周囲との『トラブル』に対し、『切江』は不服そうに反論する。

>「それと立石さん。切江さん本人が再度『被害届』を出した場合、
> あの『非通知』の電話番号を知ることはできますか?」

事態の解決を計るには、『当然』の質問だった。
だが、それに対し、『立石』は複雑そうな表情を浮かべる。

>>187(塞川)
『金庫』の『ガラス化』を解除し、書類を一枚摘まみ上げる。
『朱印』がモノクロであることから、『複写』であるのは明白だった。

    「『中継地点』、――――か。

     ……ああいや、『被害』があったのは、
     『切江』先生が先で、『箱根』さんが後だ」

    「そして、もう一人の『吉本』さんが『最後』になる。

     私は、彼女に『連絡』を取ってみよう。
     まさかとは思うが、その『原稿紙幣』が、
     その『金庫』に移転してないか、念のためだ」

『立石』はポケットからスマートフォンを取り出した。

>ALL

    「『切江』先生が『被害届』を『再提出』したのなら、

     当然、“我々”警察は一から『現場』を確認する必要がある。
     私一人で『再検』するわけじゃあない。ある程度の『動員』は必然だ。

     そうなれば、この『物証』はイヤでも『目』に付くだろうな……」

『床』に広がった大量の『紙幣』と『書類』。
『処分』は愚か、『隠蔽』さえ憚られる、大事な『物証』だ。

    「だが、現場に残された『非通知』の『ファクシミリ番号』。

     ――――………それ自体に『違和感』がある。
     ハッキリ言って、これを『精査』出来ないのは、
     クランケに革ジャンを着せて『手術』をするようなものだ」

    「明らかな『核心』が、この『複合機』には眠っている……」

『迷宮入り』も目前だった『連続金庫破り』、
その最中に発見された『盗品』は、『警察』にとっても『突破口』となる。
――――『真実』はどうであれ、『切江』に容疑が傾くのは『必然』だ。

それは到底、『立石』という一個人では抑えきれない。
そして、一個人の『思惑』で協力していた『二人』は、捜査から『離脱』せざるを得ない。

       ギリリッ

『立石』は歯噛みし、『切江』は思い詰めたように『金庫』を見据えている。

189 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/12(金) 22:08:29
>>188
「犯人の目的が『カネ』だった場合……だがな。
ただ移動させて満足……そんなハナシはないだろうよ」

『鉄』へ、複写と思われる『書面』を渡す。

「そして……『夕立』。
あんたのカンは、かなりいい所まで行ってそうだぜ。
ただ………もう一度確認したいが。
非通知なのは『送信履歴』なのか?『受信履歴』でなく?」

言いながら、『紙幣』を一枚拾い上げる。

「これも、『コピー』じゃないだろうな」

190 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/12(金) 23:30:58
>>188-189

「オレたちだけに留めておくことはできなくなるわけですか…」

この『大量』の『万札と書類』、どうにか隠しておくのも難しいだろう。
そして万が一見つかってしまえば、『切江』さんと『木山』さんは限りなく有罪に近くなる。
犯行に第三者の『スタンド』が使われていると思われる以上、その冤罪を取り消させるのも難儀するだろう。

「少なくとも切江さん側にはないようですね」
「後は、ファンや同業者からの逆恨みの線もありそうですが…そうなると、一切予想はできません」

切江さんの言葉に頷き、怨恨の方向から犯人を絞っていくのは難しそうだと知る。
やはり唯一と思われる物証は、この『複合機』となるか。

「立石さん。その連絡の後で構わないのですが、箱根さんにも連絡して頂いてもよろしいですか?」
「『卓上プリンター』の『外部通信履歴』、それも犯行当日に何か使われていないか、訊ねたいのですが」
「…もし箱根さんの気力がないようでしたら、犯人へ繋がる手がかりになると、お伝えして頂ければ」

立石さんに依頼したい。もちろん自分が電話番号を知っていれば、自分で連絡する。
去り際の意気消沈した様子を思い返しながら、あまり無気力に苛まれているようであれば、少しでも希望を抱いてもらえるように。

「はい、『送信履歴』のようです」

塞川さんの言葉に答える。
先程(>>155)チェックした様子だと、『送信履歴』とはいえ相手から送られてきたものを指し示すもののようだが。
念のため、『メール』なども含めて事件当日の通信履歴を再度洗ってみよう。
何か不審な点はないか?

191 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/15(月) 21:52:24
>>189(塞川)
『書面』を『夕立』に渡し、『紙幣』を拾う。
『透かし』の入ったそれは、間違いなく『ホンモノ』だ。

       じっ . . . 

『切江』の視線を感じる。
落ち窪んだ両目が、『塞川』の腰部を注視している。

>>190(夕立)

    「ああ、連絡をしてみよう。

     ――――仮に繋がったとしても、
     今日、すぐに『確認』出来るかどうか……」

学生である『夕立』が朝から動ける以上、今日この日は『休日』だ。
『箱根地所』に人がいるかどうか、半々といったところだ。

      ピッ
                ピッ

『受送信履歴』を確認する。
この『複合機』から他の『FAX番号』へ書面を『送信』する、
その番号履歴が『送信履歴』に当たる。

他に不審な点は見当たらないが、それは一見して、という意味だ。
『根拠』があれば、より精査できるだろう。

――――が、それはあくまでも『素人』の捜査に過ぎない。
これ以上の『手がかり』が出てくるかは、解らない。

>ALL

     「――――『夕立』、『塞川』と言ったか」

『切江』が口を開いた。
まるで『値踏み』をするかのように、代わる代わるに視線を向ける。

     「お前たち、何故この事件に首を突っ込んでいるんだ?

      ……『警官』じゃあないだろう。
      良く似た格好をしているが、全くの『別物』だ」

     「!?

      何の『冗談』ですかな、『切江』先生……?」

確信的な『切江』の言動に、あくまでも『立石』は白を切る。

192 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/15(月) 22:19:27
>>191
「あんたの『漫画』には、『拳銃』も出てくるのか?」

『切江』の言葉に、ため息をついて『立石』を見る。

「まっ、こんなスタイル抜群な女警官はいないってんなら、
そりゃそうだろうけど、なあ?」

軽口を叩きながら、複合機に近寄っていく。

>>190
「非通知の『送信履歴』………。
その時間の周囲に、受信履歴はあるか?」

193 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/15(月) 22:43:47
>>191

「五日前の事件当日は、やはりこの『送信履歴』だけ・・・」
「なら、『切江』さんが現金に気付き、『箱根』さんが盗難に気付いた四日前の『送受信履歴』はどうだろうか」
「それに、最後の『吉本』さんの事件が起きた日はも調べてみるか」

四日前の『送受信履歴』、それに最後に起きたという『吉本』さんの事件の時間も調べてみよう。
立石さんから聞いていればその時間を、聞いていなければ今訊ねてみよう。


>     「――――『夕立』、『塞川』と言ったか」
>     「お前たち、何故この事件に首を突っ込んでいるんだ?

>      ……『警官』じゃあないだろう。
>      良く似た格好をしているが、全くの『別物』だ」

「・・・・・・・・・・」
「格好が違うとしても、やることは同じです。『犯人』を捕まえる、その為にオレたちは動いています」

『複合機』を操作しながら、答える。

>>192

「もう一度、念のために調べてみますか」

塞川さんの言葉に頷き、『送信履歴』の時間の前後に、
同じく見慣れない番号がないか調べてみる。

194 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/17(水) 23:53:35
>>192(塞川)
「そもそもが『警官』らしからぬ『振る舞い』だったか……」

ややあってから、『立石』は諦めたように呟いた。

>>193(夕立)
四日前の『受送信履歴』には、
『非通知』の『受信』、『送信』が残っている。
時間は真夜中の『25時』ごろだ。

この不可解な『受送信履歴』が関与しているのは、
『確定』といっていいだろう。

>ALL

     「ならば、――――私も賭けてみるとするか。

      『立石』さん。すぐに『被害届』を出しましょう。
      そうしたら、後は煮るなり焼くなり、好きにすればいい。

      ……その間、アンタ達が手に入れる『非通知』の『番号』から、
      『真犯人』を割り出し、『原稿』を取り返してくれ――――」

己が『身柄』を差し出すと、意を決して『切江』は告げる。
『立石』はギョッとした表情で『切江』を見返す。

     「私も『最善』を尽くしますが、

      『物証』が出てからの『取り調べ』、
      ましてや『著名人』の『重要参考人』となれば、
      『報道機関』が黙ってはいないでしょう――――」

     「『マスコミ』に嗅ぎ付かれる前に『事件』を解決しなければ、
      『切江』先生の名誉にキズが付く、……『無実』であるなら、
      それはなんとしても、避けねばならない」

195 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/18(木) 21:06:05
>>194

「…やはり『非通知』か」

迂闊に痕跡を残すようなことはしないか。
むしろ、この『非通知』を調べさせない為に『現金』を『切江』さんの金庫に入れた可能性も出てくる。
そして協力しない『切江』さんに警察が諦めた頃に、『現金』を回収する。
非通知とはいえ履歴が残ってしまうが故の対策だとしたら、犯人はかなり頭が切れるようだ。
何か他に手がかりはないだろうか───。


>     「ならば、――――私も賭けてみるとするか。

>      『立石』さん。すぐに『被害届』を出しましょう。
>      そうしたら、後は煮るなり焼くなり、好きにすればいい。

>      ……その間、アンタ達が手に入れる『非通知』の『番号』から、
>      『真犯人』を割り出し、『原稿』を取り返してくれ――――」

「・・・・・それは」

もし、自分たちが犯人を捕まえられなかった場合、どうするのか。
そう訊ねたかったが、意味のない質問だと思って止めた。そのリスクを背負うと、彼は言っているのだ。
ならば、自分たちが何をすべきかは決まっている。一刻も早く、犯人を見つけ出すことだ。

「ご協力に感謝します」

切江さんへと一礼をし、立石さんへと向き直る。

「今からでも動けますか?」

196 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/18(木) 21:16:20
>>194-195
「…………盛り上がってるトコ悪いけどさァ〜〜」

珍しく、少しバツが悪そうに手を挙げて発言をする。

「手口が同じなら、他にも『非通知』の『受送信履歴』……
それがあるトコはあるよな?
そっから取ったらイんじゃないの?」

「ダメ?」

197 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/18(木) 23:47:03
>>195(夕立)
『夕立』の一礼に対し、『切江』は首肯で返す。

    「あの『原稿』を取り戻すのに、
     他に手段はなかろう……」

    「『迷い』は残ったが、
     それでも私の『終止符』は、

     結局のところ、あれだったのだろうな」

『原稿』に対し、『切江』は未練があるようだ。
それこそが『協力』を惜しまない『動機』なのだろう。

>>196(塞川)
『塞川』の提案は非常に的を射ていた。
だが、それを聞いた『立石』は難渋そうに顔をしかめる。

「それが出来れば、
 『人質』を取るようなマネをしなくて済むが、

 『箱根地所』にあった『卓上プリンタ』は、
 『ディスプレイ』の付いていない『旧式』だった。

 『ファクシミリ』の履歴を見られない、ということだ。
 その中で『非通知』の受送信履歴の照会をするのは、
 あまりにも『不自然』になる。――――残念だが……」

    「『受送信履歴』を『手掛かり』にするには、
     『切江』先生に『関与』してもらう他にない」

>ALL

    「これからの流れは、こうだ。

     『切江』先生は『被害届』を提出し、
     私と別の警官で『現場検証』をする。

     ――――『現金』は発見され、『切江』先生は『重要参考人』扱いとなる。
     だが、その間に『照会』される『非通知』の『発信先』が解れば、
     それが『物証』に繋がるかも知れない。――――か細い『賭け』だが」

『立石』は順序立てて話しながらも、不穏さを隠しきれない。
『非通知』の『照会』が出来なければ、『番号』が無関係であれば、
その時点で『手詰まり』となる。

    「君たちは『別行動』によって、『発信先』へと急行してほしい。

     ――――『時間』を費やせば、『切江』先生を庇いきれなくなる。
     私も尽力するが、『警察組織』から『容疑者』として扱われれば、
     ……あまり言いたくないが、『白』も『黒』になる、それだけの『力』がある」

重々しくも『立石』は断言する。

198 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/19(金) 00:02:41
>>197
「ま、確かにそうか………。
色々、『しがらみ』があって面倒なトコだな、『警察』ってとこは」

窮屈な『制服』の上着を脱いで、肩に引っ掛ける。

「フン、あんたたちを庇うわけじゃあないが、
『スピード解決』してやるよ。 なぁ?」

同意を求めるように、『鉄』の方を見る。

「その『マンガ』………そこまでのモノなのか、
ちょっと気になって来たしな。私も」

199 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/19(金) 00:21:29
>>197-198

「了解しました」「全力を尽くします」

立石さんと塞川さんの言葉に頷く。

「しかし現場へ急行するとのことですが、『移動手段』はどうしましょうか」
「オレは自転車しか運転できませんが…」

一応訊ねる。前もって場所の予測ができるなら、それに越したことはないが。
もし番号が『無関係』なら、三人目の被害者へ聞き込みをしなければならないが、
果たしてそれで『切江』さんを無罪に戻せる猶予があるだろうか…。

200 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/20(土) 23:22:05
>>198(塞川)
役目の終わった『制服』を脱ぎ、肩に掛ける。
『夕立』の方を見るが、彼もまた『意気込み』を見せている。

>>199(夕立)
「そうだな、『タクシーチケット』を渡しておこう」

慣れた様子で『立石』が提案をする。
『警察手帳』を提示すれば、『公共交通機関』は無償で利用できるが、
民間の『タクシー』ともなれば、そうもいかないのだろう。

>ALL

    「『切江』先生。また後程に会いましょう。
     ――――今度は、『現職』を連れて参りますので」

『立石』と共に、二人は『アトリエ』を後にする。
そして、『制服』から『私服』に着替え、
『駅前』のカフェにて待機する運びとなった。


    「では、私は『応援』を要請する。

     ――――犯人との『遭遇』になれば、
     君達の言う、『スタンド』の出番となるのだろう」

    「そうなれば、私はどの道『足手まとい』だ。

     ……『健闘』を祈っている」


      ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・


二人をミニバンから下ろすと、
『立石』は敬礼を返し、その場を後にする。

201 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/20(土) 23:31:43
>ALL

そして、『二時間』が経過した頃、
『夕立』のスマートフォンに着信が入った。


            <Pi!>


   「私だ。

    たった今、『電話局』からの『照会』が終わった。
    何故、『送信履歴』が『非通知』になったかは不明だが……」

   「発信先は判明した。

    『第七ボックスビルヂング』の『3階』にある、『編集プロダクション』だ。
    地方紙の他、フリーペーパーや連載漫画の『編集業務』を代行している。

    『西東出版社』からの業務委託を受け、『時雨蛙』の『編集業務』をしていた。
    とはいえ、『零細』の会社だから、業務はほぼ『加佐見』という編集者が行っていた」

    「ビルの名前を言えば、『タクシー』で移動できるはずだ。
     此方は『事件』の発表を遅らせようと、腐心している。

     ――――『物証』が得られるよう、祈っている」

『立石』は電話を切ろうとしている。

202 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/20(土) 23:46:50
>>200-201

素早く電話を取り、立石さんの声に耳を傾ける。

「承知しました」「出版業の関係者ですか…それも、『時雨蛙』の」

怨恨の線が強くなったか?あるいはファンの暴走の可能性もあるが。
とにかく『発信源』は割れた、後は物証さえ見つけられればいい。
この世に二つとない、『原稿』が描かれた千円札の束だ。それがあれば言い逃れはできまい。

「塞川さん、場所が割れました」「容疑者は『加佐見』さんと仰るようです」
「向かう前に、何か立石さんに訊ねておくことはありますか?」

やはり目を合わせないようにしつつ、訊ねる。

203 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/21(日) 22:15:41
>>200-202
「基本的な『プラン』としては………確かに『原稿』。
それを探すって事でいいだろうな。
『ファックス送信先』に金庫でもあるなら、私のスタンドで確認をする」

『立石』から電話がかかって来るまでに、
カフェでコーヒーを飲みながら、『鉄』と作戦会議をする。

「………最終的には『力技』にもなりそうだが、
踏み込む『理由づけ』が何かいるか?
『正面突破』でもいいけどな………お前がやったんだろ! ってな」

喋っている最中に、『立石』からの通話が掛かる。
『夕立』の言葉に、テーブルの上の伝票を取って立ち上がる。

「『警察』の方で、そいつの情報は何かあるのか? って聞きな。
短時間じゃあ、そこまで調べるのは無理か?
『前科持ち』って事はないだろーが………」

喫茶店を出て、『タクシー』を捕まえる。
打ち合わせは道中でもできるだろう。

204 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/21(日) 23:23:13
>>202(夕立)
『立石』から聞き取った内容を、『塞川』に告げる。
『塞川』から『加佐見』の情報を聞かれると、
電話越しに聞き取れたのか、『立石』が付け加える。

      「それ以上の『情報』はないが、
       ――――露骨に『怪しい』経歴があるわけじゃあない」

      「真っ当な職を得て、働いている以上、
       後ろ暗いところがあるようには、感じられんが……」

何処にでもいる『一般人』なのだろう。

>>203(塞川)
喫茶店を出て、『タクシー』を捕まえる。
無言で後部ドアが開き、運転手が下りてきた。

      「お客さん、どちらまで行きます?

       デカい荷物はなさそうですね、乗ってください」

運転手は平常通りの対応をする。

205 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/21(日) 23:41:55
>>203-204

「はい。塞川さんの『透明にするスタンド』…アレは証拠を探す上でとても心強い能力です」
「いざとなれば、家中をひっくり返してでも探さなければなりません」
「『箱根』さんと『切江』さん、二人の冤罪を証明するためにも」

切江さんは実際に警察に捕まってしまったし、箱根さんは家族から脱税を疑われてしまっている。
例え犯人にどんな理由があろうと、身勝手に罪をなすりつけるのは許される事ではない。
もっとも一番の理由は、そんな危険な人間が野放しにされていることへの警戒心からだが。

>「………最終的には『力技』にもなりそうだが、
>踏み込む『理由づけ』が何かいるか?
>『正面突破』でもいいけどな………お前がやったんだろ! ってな」

「『切江』さんが、『加佐見』さんに『現金』を盗まれたと言っている」
「そしてオレたちはそれを信じて中に踏み込んだ、とかはどうでしょうか?」
「それとなく、『原稿が描かれた千円札』のことが彼の口から出てくれば、重畳なのですが」

仮に現金でなくとも、関係者しか分からないことを喋ってくれれば十分だ。
『被害届』を出していなかった以上、現金を盗まれたことを知る人間はほとんどいないだろう。
ひとまず、タクシーの中に入る。

「『第七ボックスビルヂング』へお願いします」

どうでもいいが、少し発音し辛い建物の名前だ。

206 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/22(月) 00:03:06
>>204-205
「正確には『透明』じゃあない。
『ガラス化』が、私の『能力』……」

能力を『隠す』必要もないだろう。
触れた部分を『ガラス化』する能力、と『鉄』に説明する。

「成程、それでいこうか。
ま、言いがかりでもなんだっていいんだ、そーいうのは」

タクシーに乗る。

207 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/22(月) 00:28:26
>>205(夕立)
>>206(塞川)

     「はーい、乗ってくださーい」

行き先を告げると、運転手は簡単に応じた。
二人は『後部座席』に乗り込み、タクシーは発進する。

          ・

          ・

          ・

程なくして、『第七ボックスビルヂング』に到着した。
『大通り』沿いであり、駅からさほど離れてはいない。

『休日』ということもあり、周囲は閑散としている。
外から見る分にも、『3階』のフロアには灯りが付いていない。

208 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/22(月) 01:13:38
>>207
「ヤツは不在か………?
ま、行くだけ行ってみるか。時間も無いしなァ」

『鉄』から提案がなければ、
素直に『西東プロダクション』へ向かう。

「『スタンド』で様子を伺う事もできるが……。
どこで誰が見てるかも知れないからな」

209 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/22(月) 20:54:02
>>207-208

「不在なら、それはそれで好都合ですが」
「オレの『シヴァルリー』なら、普通の鍵程度は破壊できます」

当然そうしたからには、確実に『証拠』を見つけなければならないが。
万が一見つからず、そして加佐見さんに見つかってしまったから。不法侵入、並びに器物損壊は確定だろう。
だが、切江さんとて名誉をかけてまで自分たちに賭けてくれた。
ならば、自分も法に触れる覚悟を決めておく。

「『ガラス化』…やはり強度も落ちるんでしょうか」「なら、大体のものはこれで壊せますね」
「ちなみに『シヴァルリー』は、視認した『刃物』の切れ味を奪い、操作する能力です」
「ガラスの破片でも、『刃物』の対象に入ります」

相談をしながら、『3階』へ。『西東プロダクション』のインターホンを押してみる。

210 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/22(月) 23:00:00
>>208(塞川)
>>209(夕立)
二人は『3階』へと向かう。
小ぢんまりとしたエントランスの『共用ポスト』を見る限り、
『空き室』があるわけではないが、人の気配はない。

『エレベーター』で『3F』へと移動する。
『鉄扉』の前には、『読人プロダクション』と表札が掲げられている。

         ピーンポーン

『インターホン』を押してみるが、反応はない。

211 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/22(月) 23:05:19
>>210
「『ぶっ壊して入る』はアリなのか?
手っ取り早く、それで行きたいが、『立石』はなんて言ってる?
証拠能力がなくなってアウト……とか言うかもな」

言いながら、扉が開くかどうか試す。
鍵が掛かっているようなら、『ガラス化』で部屋内部を覗くつもり。

212 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/22(月) 23:28:28
>>210-211

「それでは」「・・・・・」
「ドアの破壊…こうでいいのでしょうか」

『シヴァルリー』でドアノブを掴む。
後は力任せにひねれば破壊できるのだろうが、ドアノブを壊せばドアのロックも壊せるか?
なにせドアを破壊したことがないので分からない。
ひとまず手を離し、塞川さんが開けられるかどうか見てみよう。

「ここにはオレたちは一般人として来ていますから、証拠を残して去っていくことになるかもしれません」
「スタンドを使っての犯罪を立証することは難しいでしょうしね…」

しかし、確かにどこまでやっていいのかは気になるところだ。
立石さんは何と言っていただろうか。

213 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/22(月) 23:42:42
>>211(塞川)
>>212(夕立)
『ドアノブ』を捩じるが、当然ながら『鍵』が掛かっている。
『塞川』は『クリスタライズド・ディスペア』を発現し、
『ドア』の『硝子化』を試み、円状の『硝子窓』を作る。

          ィ  ィ  ィ  .  .  ンン

『書類』が積まれたスチールデスクや、
新聞記事の貼られた『ホワイトボード』が見える。

雑然とした『編集室』そのままの様相だが、
『コピー機』の傍に置かれた『金庫』が、
否が応にも『塞川』の視界に入る。

『立石』は『違法捜査』について、特段は何も言っていない。
だが、一般人に『制服』を貸与しての『捜査』は明らかに『違法』だろう。
その一方で、『力』を使おうとした『夕立』を無意識に制するなど、
一見すると、その『姿勢』は一貫しないように見える。

――――『ドア』のロックを『破壊』する方法を、『夕立』は知らない。
だが、それを知る術を『塞川』は持っている。

214 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/23(火) 00:17:42
>>213
「『金庫』、そして『コピー機』か………
あいつ、私たちもついでに逮捕しないだろうな」

ドアノブ周辺からドア全体をガラス化していく。
『エレベーター』の動きも、一応は気にしておく。

「ええっと、どうやったら開くんだ? こいつは。
ロックの部分だけ、『ガラス』にしてぶっ壊したらいいのか?」

215 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/23(火) 00:24:52
>>213-214

「恐らく、大丈夫だとは思います」
「もしオレたちまで捕まってしまったなら、『曳舟』さんの仕事の信頼性が疑われますから」

彼は『スタンド使い』を相手に、それなりに幅広く仕事を斡旋しているのだろう。
そして斡旋した仕事をしっかりこなしたにも関わらず、依頼人から逮捕されたとあっては
仲介者からすれば面目丸つぶれといったところだろう。あの人が仕事人であるなら、その心配は要らないはずだ。

「成る程、これでドアの構造も見られるわけですね…」

『ガラス化』したドアノブ付近を見て、ロックの構造を知る。
具体的に何を壊して回せばロックが引っ込むのか、注視すれば分かるだろう。

216 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/23(火) 00:47:11
>>214(塞川)

     ィ  ィ  ィ .  ・  . ン


『鉄扉』全体を『ガラス』に変え、
ドアの機構そのものを『可視化』する。

『エレベーター』に動きはない。

>>215(夕立)
『ガラス化』した扉を注視する。

『施錠』によって扉の内側から飛び出し、
さながら『閂』のように『扉』を固定する、
『デッドボルト』と呼ばれる金具がある。

扉と内壁の間に、ガラス化した『デッドボルト』が見える。
僅かな『隙間』から見える『金具』を破壊すれば、ドアは開くだろう。

217 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/23(火) 20:11:35
>>215-216
「『曳舟』ってあいつかァ〜〜。
あんまり、良く知らないしな、私は」

「そして、『防犯システム』とか、
色々気になるトコもあるが、ま、手っ取り早く行くか」

コツコツ、とガラス化した『施錠』の辺りを叩く。

「なんかツッコむもの、持ってるか?
なけりゃ、鍵の回りだけぶっ壊すって方法もあるがな」

『鉄』のアイデア次第だが、
ガラス化をいったん解除して、施錠近辺だけを『ガラス化』、
そこを『シヴァルリー』で叩くことで、一部分の破壊も用意だろう。

218 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/23(火) 20:50:29
>>216-217

「成る程、パーツに分かれている部分まで『ガラス化』はできるのですね」
「そしてこの隙間…『シヴァルリー』の指で壊すには、少々細いかもしれません」

ドアを透かしてみるだけでなく、内部のロック構造までもガラス化できるとは。
塞川さんにかかれば、文字通り壊せないものはない、といったところか。
やはり、それは『人体』でも同じなのだろうか。個人的には、そこまで剣呑な事態にするつもりはないが。
腰に付けているポーチを開き、中に入れてある『鉄釘』を取り出す。
それを『シヴァルリー』に持たせ、ドアの隙間に突っ込んで『デッドボルト』を破壊する。パス精BCB
もしそれも通らないようなら、塞川さんの策に従い殴打でドアノブ付近を破壊する。

219 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/23(火) 23:09:54
>>217(塞川)
>>218(夕立)
『防犯システム』を警戒しながら、
『塞川』は『ガラス化』を利用した『破錠』を想定する。

――――が、頭の中で考えている間に、
『夕立』は『鉄釘』を取り出し、『シヴァルリー』で叩き込む。


        ガギッ
                 バキィッ!!

釘頭に何発か殴打を加え、『デッドボルト』を破壊した。
ドアノブを捩じれば、『扉』が開いて室内に入れるだろう。

220 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/23(火) 23:16:59
>>219

「良し」

自らの手でドアノブを回し、中に入り込む。もし暗いのなら、電気を点けよう。
ついでにスイッチの近くに、『シヴァルリー』の手に持った釘を突き刺しておく。
その人並外れた膂力なら、容易く壁に刺しておけるだろう。

そして周囲を見渡し、人の気配を探す。
罪を犯した人間は、些細なことにも敏感になる。
例えば、本来誰も来ないはずの時間にインターホンが鳴っただけでも警戒して隠れている可能性もある。
油断はできない。それなら侵入は悟られている、即座に攻撃してくることもあり得る。

221 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/23(火) 23:30:42
>>218-219
「『夕立』……あんた、大工の息子?
なんでそんなモン持ってんの?」

夕立に続いて部屋へと入る。
ただ、明かりをつけるのは静止する。

「ま、『明かり』は要らないんじゃないの?
ほれ、そんなに暗いワケでもないしな」

222 『アポなし泥棒御用なり』 :2019/04/23(火) 23:40:09
>>220(夕立)
>>221(塞川)
スイッチに手を伸ばす『夕立』だが、『塞川』に制される。

            ブスッ

スイッチ傍の壁に『鉄釘』を突き刺した。
窓から差し込む『陽光』が室内を照らしており、
『照明』に頼らなくても、室内を見回すことは可能だ。


            シーーン・・・


室内には誰もいない。

223 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/04/23(火) 23:51:13
>>221-222

「思ったより、日当たりがいいですね…確かにこれなら『明かり』は不要なようです」

塞川さんの言葉に頷き、提案に従う。
調査を始めてからそれなりに時間は経ったが、そこまで日も沈んではいないようだ。

「『釘』は、オレの『スタンド』に使うんです」「場所と状況によっては、オレは能力を使えないので」

『金庫』は塞川さんが調べてくれるだろう。
自分はこの部屋の中にあるであろう『LAN回線』を調べておく。
大元から抜いておくことで、ここを回線的に孤立させる狙いだ。
せっかく『金庫』の中身を確かめたところで、またもや別の場所に移動されては困る。
犯人の自室にも、通信機の近くに『金庫』が置いてある可能性はあるだろう。

224 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 :2019/04/24(水) 00:03:23
>>222
「なら、堂々と調べさせてもらうとするかな。
………『クリスタライズド・ディスペア』」

『スタンド』を先行させ、接触によって金庫を『ガラス化』する。
そして、覗き込んで内部を見たい。


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