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【場】『自由の場』 その1

1 『自由の場』 :2016/01/18(月) 01:47:01
特定の舞台を用意していない場スレです。
他のスレが埋まっている時など用。
町にありえそうな場所なら、どこでもお好きにどうぞ。

419 三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』 :2019/01/07(月) 23:32:33
>>418

鉄さんを呼び止めたのは、12歳くらいの子供でした。
体付きは細く、顔立ちは中性的です。
襟足が大きく跳ねていて、長い睫毛がクルンとカールしています。

「そうでしたか」

「ありがとうございます」

     ペコリ

お礼を言ってお辞儀します。
礼儀は大事です。

「――はい」

「一人で散歩してたら迷ってしまいました」

「お兄さんは何をしてるんですか?」

お兄さんに聞きながら、肩の袋に視線を向けました。
何か細長いものが入ってるみたいです。
あまり見かけないものなので、ちょっと気になりました。

420 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/01/07(月) 23:48:51
>>419

「どういたしまして」

しっかりとお辞儀をする子供に、微笑ましいものを感じつつ頷く。
少女かと思ったが、ひょっとしたら少年だったかもしれない。
どちらにせよ、あまり問題はないが。自分は女性は苦手だけれど、妹より年下(に見える)なら問題ない。
しかし礼儀正しい子だ。親の教育が行き届いているのだろうか。

「分かった、なら君が知ってる場所まで送ろうか」
「ただ、先にお参りをしてきてもいいかな」「すぐに終わるから」

『神社』を指差して、自分の目的を口にする。
と、そこまで少女に伝えたところで、その視線に気付いた。

「あぁ、これは部活の帰りだからね」
「オレは私立清月学園高等部の二年生、鉄 夕立(くろがね ゆうだち)」「『剣道部』なんだ」

421 三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』 :2019/01/08(火) 00:10:11
>>420

「――いいんですか?」

「ありがとうございます」

    ペコリ

優しい人です。
親切な人が近くにいてくれてよかったです。

「じゃあ、一緒にお参りしたいです」

   テク テク

「三枝千草です。三つの枝に千の草と書きます」

「中等部の一年生なので鉄先輩の後輩です」

「よろしくお願いします」

     ペコリ

「剣道部ですか――」

「大変そうです」

剣道部といったら、毎日厳しい練習をしてるんだと思います。
それを続けてる鉄さんは、きっと凄い人だと思います。

「――鉄先輩は、いつから剣道をしてるんですか?」

422 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/01/08(火) 00:24:08
>>421

「三枝さんか。よろしく」
『ペコリ』

こちらも三枝と同じくらい頭を下げて、互いに自己紹介を終える。
三枝千草。名前と名字で韻を踏んでいるのが面白い、覚えやすくいい名前を付けられたなぁ、と思った。

「おや、三枝さんも何か願い事があるのかな」

共に参詣する、という三枝にふと訊ねながらも歩き出す。
特に願い事がなくても、お参りする人間がいてもおかしくはないが。
三枝と年が近い自分の妹は、間違いなくそういうタイプではない。もっと己の欲望に忠実だ。

「小学四年生からだから…おおよそ8年くらいだな」「三枝さんは何か部活動に入っているのかい?」

他愛もない話をしつつ、軽く会釈をして鳥居をくぐった。境内に入る。

423 三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』 :2019/01/08(火) 00:56:26
>>422

「はい、一つあります」

「叶うかどうか分かりません」

「叶えられたら嬉しいです」

いつも考えているお願いが一つあります。
それは『将来の夢』です。
大げさですけど、『人生の目標』みたいなものかもしれません。

「8年もですか――」

「凄いです」

素直に感心した表情で、両方の目を少し見開きます。
やっぱり鉄先輩は凄い人でした。
見習いたいです。

「――いいえ」

「部活動には入ってないです」

「でも、時々生徒会のお手伝いをしてます」

「書記のようなことをしてます」

運動は得意ではないです。
体育の成績は、昔からずっと下の方です。

424 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/01/08(火) 01:10:39
>>423

「そうか」「努力すれば、きっと叶えられるよ」
「少なくとも、オレはそう信じて今まで続けてきたからね」

三枝が口にした、願い事。
気にならないといえばウソになるが、年頃の子供なら、秘密にしておきたい事の一つや二つはあるだろう。
今はただ、彼女が願ったことがやがて叶うことを祈るだけに留めておく。

「あぁ、いや…ありがとう」「昔から、地道に続けるのは得意な方なんだ」

少女の純粋な視線に思わず照れくさくなり、頬をかく。
自分はどちらかといえばセンスのある方ではないが、継続する事は苦ではない。

「そうか、生徒会のお手伝いを…立派だね」「三枝さんは礼儀正しいし、自立心もありそうだ」
「いずれは生徒会に立候補するのかい?」

生徒たちが自ら、学園の運営に携わる生徒会。
その手伝いをしているとは、確かにこの子なら納得できるかもしれない。
そんな事を考えながら、手水舎で手を清めた後、賽銭箱の前に辿り着いた。
財布から五円玉を取り出し、その中に入れる。

425 三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』 :2019/01/08(火) 01:42:20
>>424

「ありがとうございます」

    ペコリ

「叶えられるように頑張ります」

苦しまず見苦しくもない素敵な死に方をすること。
それが将来の夢で、人生の目標です。
それが本当になったら嬉しいです。

「鉄先輩のお願いも叶うように応援しています」

鉄先輩の願い事が叶ったら、千草の願い事も叶うでしょうか。
でも、そういうのは他力本願です。
自分の夢は自分の力で叶えないといけません。
だから頑張ります。

「でも、まだまだ見習いです」

「鉄先輩みたいに続けていきたいです」

まだお手伝いのレベルです。
いつか本当に立派になりたいです。

「できるかどうか、まだ分かりません」

「もし――できるならしてみたいです」

ほんの少し強い口調で、鉄先輩に答えます。
立派な人間になれたら、目標に近付ける気がします。
たくさんの人から慕われるような立派な人間になりたいのです。
そうしたら、人生の最後を安らかに迎えられると思います。

「――叶いますように」

鉄先輩と同じように手を清めて、小銭入れから五円を出しました。
賽銭箱に入れて、お参りをします。

426 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/01/08(火) 01:59:53
>>425

『ガランガラン』

邪気を払うと言われる鈴を鳴らし、二礼、二拍手。そして再度一礼。
三枝の、幼い見た目にあまりにそぐわない願いはつゆ知らず。鉄もまた、同様に願いを心に秘めて、目を瞑り祈る。

(─────どうか、アイツと仲直りできますように)

しばし、静寂。

そして目を開き、手を下ろした。隣の三枝に顔を向ける。

「ありがとう」
「もし三枝さんが立候補したら、その時はオレも応援させてもらうよ」
「君みたいなしっかりした子が生徒会なら、同じ中等部にいるウチの妹も安心だからな」『ニコリ』

そして、鳥居の下をまた潜った。二人揃って、『神社』の外へ出る。

「…さて、どの辺りなら分かるかな」

三枝に訊ねる。先程の言葉通り、彼女が知っている場所まで送っていくとしよう。
この街も安全とは限らないのは、つい先日身をもって体感したのだから。

427 三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』 :2019/01/08(火) 02:28:11
>>426

「こちらこそありがとうございます」

    ペコリ

「その時は頑張ります」

「その時のために、今は今を頑張ります」

千草は鉄先輩の願い事は分かりません。
鉄先輩も千草の願い事は分かりません。
だけど、願い事を叶えたいと思っていることは同じです。

「お手数をおかけします」

「知ってる場所まで、そんなに遠くないと思います」

「ここまで歩いてこられたので」

町の方を見つめて答えます。
あっちに学校があります。
家もあります。

「鉄先輩にお任せします」

「しばらく歩いていたら、分かる場所が見つかると思います」

     テク テク

ゆっくりとした足取りで歩き出します。
そして、鉄先輩の顔を見上げます。

「鉄先輩の妹さんのお話が聞きたいです」

「――してくれますか?」

お互いのことを知るために色々な話をするのが大事だと、
小銭を拾ってくれた宮田さんが教えてくれました。
それに、鉄先輩は立派な人です。
だから、立派な鉄先輩の妹さんの話は気になるのです。
他の人達から、見習えるところを見習いたいです。
そうして少しずつ積み重ねていけば、目標に近付いていけると思います。

428 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/01/08(火) 02:59:21
>>427

「分かった、学校の近くで目立つ建物にしようか」

道に迷ったといえど、流石に右も左も分からない状態ではないか。
おおよその方向は分かっているなら、後は自分がそちらへ向かう道を歩けばいいのだ。
しかし道すがらの話として提案されたのは、妹の話だ。
思わず、眉根を寄せてしまう。

「妹か…アイツは君と違って、あまり立派なヤツじゃないぞ」
「朝陽(あさひ)はワガママで感情的だし、すぐに手が出る方で…」

「…まぁ、しかし素直で裏表はないし、情にも厚いタイプだよ。友人も多いみたいだ。君の二個上だな、中等部三年生」
「特技はピアノ。身内へのひいき目かもしれないけど、結構上手いと思う」
「………今は、ちょっと腕をケガして演奏できないんだけどな」

竹刀袋を握る手に力がこもる。
自分があの店へと赴くことになった、その原因だからだ。とはいえ、彼女に話していたずらに怖がらせることもあるまい。

「君のことを話しておくよ。きっと立候補の際の支援者、その第2号になってくれるはず」
「もっとも、オレより先にもっといるのかもしれないけどな」『ハハハ』

そんな他愛もない話をしながら、のんびりと道を歩いていく。
鉄にとって守りたいものが、人が、また一つ増えた日だった。

429 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2019/01/15(火) 19:58:36

星見町で密かに熱を帯びるスポットといえば、
通りに根を張るように存在する『地下アーケード』。

アンティークグッズやジャンクショップ、
特殊な専門店、怪しげな異国料理屋など、
表通りや歓楽街ではあまり見かけないような、
どこか『マニアック』な店が並ぶ地帯で……

「…………」

        トコ トコ

恋姫のような『子ども』は、わりと目立つ事になる。

430 降神志一『プラガーシュ』 :2019/01/18(金) 01:48:10
>>429

しょぼくれた顔の男がいる。
目にかかるくらいの癖毛と、黒縁の眼鏡。
背中を丸めて俯き気味に歩いている。

「……」

(あれ、あの人どっかで見たかな……)

ふと、前から歩いてくる子供を見た。

431 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2019/01/18(金) 02:10:38
>>430

「………………??」

(なんだあいつ……僕の顔見てるな。
 見るからにオタクっぽいし…………
 ファンか……? ただのロリコンか……?)

         トコトコ
               …ピタ

距離が詰まり切る前に、
恋姫の方から脚を止めた。

「……」

(エンカは避けたいけど……
 この距離で、目ぇ合っちゃったし、
 ファンならスルーするのはヤバいよな……)

    (でもロリコンならもっとヤバいぜ……)

一仕事終えた帰りで、自意識が高まっていた。
あるいはこの場所特有の『アングラ』な空気が、
恋姫の中のそういう成分と反応したのかもしれない。

「……何、僕の顔になんかついてる?
 あー……僕の方から話しかけたから、
 『声かけ事案』にはならないわけだが……」

           「……気のせいなら、すまん」

結局、声を掛けることにしたのだった。

432 降神志一『プラガーシュ』 :2019/01/18(金) 23:10:01
>>431

「いや……」

(声かけられ事案だな。まぁ、多分、そっちが声かけられたって言えば警察は信じるけども)

アングラな空間であることはよく知っている。
なので、ここで何か起きると良からぬ考えをされることもある程度予測できる。

「どこかで見た顔だと思ってね」

「そういうことよく言われない?」

433 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2019/01/19(土) 00:23:51
>>432

「……ふぅん……じゃあ何で……え?」

    アンダーグラウンド
まさに『地下の世界』なこの商店街は、
当然、『水面下』の悪いウワサにも事欠かない。

恋姫としても、それは承知している。

「……え、やばぁ〜っ」

「それ……ナンパのテンプレトークじゃん。
 『マンガ』でしか聞いた事なかったわ」

           ニタァ

「流石にナンパされた経験はそんなにないぜ……
 『YESロリータ・NOタッチ』って言うじゃん。
 僕とか、常識的に考えて完全アウト…………えひ」

からかっているのかなんなのか、
陰気な笑みを浮かべて妙な事を口走る。

        「で、……どこで見たと思う?
         『夢で見た顔』とかはNGで」

逃げ出してもよかったのだが、
害意という物を感じない気がするし、
なにより――――自分も無力ではない。

いかにもひ弱そうな少女が妙に自信ありげに話す姿は、
奇異に映るかもしれないし、『イキってる』だけに見えるかもしれない。

434 降神志一『プラガーシュ』 :2019/01/19(土) 01:37:01
>>433

(やべぇ、何だこの人)

(リアルにこんな人なのか)

「ナンパじゃないよ……」

ちょっと眉をひそめて言葉を返した。
そういうことをするタイプではない。

「テレビとかで見たかな……現実の……」

435 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2019/01/19(土) 01:56:53
>>434

「えひ……違うならいいや。
 変な事言って悪かったな……」

(なんか……普通のやつっぽいな、こいつ。
 ファンってわけでもなさげだし……
 最近変なヤツのが多かったから麻痺してたか)

どこまで本気なのか分からないが、
妙な口調は完全に演技という風には見えなかった。

「テレビ………………テレビかぁ」

         「……お正月に見た?
          ……『地方ローカル局』で?」

    スッ

小さく手ぶりしたジェスチャーは、『餅つき』だ。
すぐにポケットの中に手を戻し、笑みを浮かべる。

「今のは、超イージーモードの特大ヒント。
 当たっても賞品とかは無いけど……えひっ」

そういえば――――そんな番組を、観たかもしれない。
地元のアイドル(らしい)少女たちが『神社』で餅をついていた。気がする。

                 ・・・この桜色の瞳も、そこにあった気もする。

436 降神志一『プラガーシュ』 :2019/01/19(土) 02:27:13
>>435

(まぁ、前にあったやつよりは全然普通……)

人に会うといいことも悪いことも起きる。
そういうのは面倒だがそういうことが人生に厚みを持たせる。
だから無下にしにくい。
まぁ、無下にするが。

「あぁ、見てたよ」

(その番組のエキストラ落ちちゃったけど……)

「稗田こいひめさんだろう? Veraisonの」

437 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2019/01/19(土) 02:51:45
>>436

「えひ、当たり……今日は、オフだけど……」

           「……ん?」

撮影現場で会った事もない。
顔も、見た記憶はない。

(先入観抜きで……普通にしゃべると、
 なんか……なんだ……引っかかるな……)

さっきまでは何も感じなかった。
それくらい『僅かな』印象だった。

「お前……あれ、なんか、喋った事ある?
  ……えひ、もちろんナンパじゃないけど」

「……なんだろ、まあいいや……?」

握手会とかで似た顔はいた気はするが、
流石に『知ってる顔』なら気づけるのに。

声も聴いた事はないのに。
『何かわずかに引っかかる』気分があった。

「……とりあえず……見てくれてありがとな。
 ……面と向かって言うのも……あー、照れるけど」

                 「……えひ、礼は言うぜ」

438 降神志一『プラガーシュ』 :2019/01/19(土) 03:06:44
>>437

「喋ったことはなくても、会ったことはありますよ」

「多分、覚えてないと思いますけど」

目を逸らし、少し硬い口調で答えた。
どこか投げやりな雰囲気があった。
多分本人にはそんなつもりは無いのだろうが。

「いえ、ファンなので」

(それが理由でこの世界に来たので)

(それだけじゃないけど)

間違いはないと思いたい。

「応援してますこれからも」

(一緒に仕事がしたいので)

439 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2019/01/19(土) 03:57:09
>>438

「あー…………」

「…………握手とか、した事あったっけか。
 ライブ来てたりとか…………あー……ごめん。
 ファンみんなの顔、覚えるくらいじゃないと、
 ……『みんなのお姫様』としては不合格だわな」

全てのファンの顔を覚えていられたら、
それが本当に理想的な偶像なんだと思う。

稗田こいひめは『ローカルアイドル』であり、
そんな狭い世界も、全てを理解してはいなかった。
投げやりな返しで、それを指摘されたように思えた。

「そんな僕でも……応援してくれるならさ……
 僕はそれに……期待に応えるよ。
 えひ、ちゃんと出来るか分からないけど」

「…………ありがとな」

            「……えひ、本気だぜ?」

だから、せめて、覚えておこうと思っていた。
この青年の言葉は……何か熱を感じるから。

「……今日オフだし、特別扱いは出来ないから、
 こいひめとしてサービスとかは出来ないけど」

           「僕は……稗田恋姫は、お前が……
            僕のファンだって事、ちゃんと覚えとく」

440 降神志一『プラガーシュ』 :2019/01/19(土) 19:18:15
>>439

「あーライブ入ったことある、かな」

「現場でも見た事あると思います」

(がっつり会ったのは今日が初めてかな)

この場合の現場とはライブ会場ではなく、仕事の現場で間違いない。
いつだったかすれ違っていたかもしれない。

「不合格なんてことはないです!」

不意に大きな声が出て、自分でも驚いた顔をした。
慌てた素振りを見せずに口を一旦閉じる。

「無理だし、全員覚えるのは。そういう心意気っていうのは大事だけど」

「いい事ばっかりじゃないし」

良いファンも悪いファンもいる。
良くも悪くも熱狂的だ。

「……覚えてくれてたら、ありがたいです」

「励みになる」

441 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2019/01/19(土) 23:11:44
>>440

「そっか……まあ、ライブ来るだけがファンじゃないし、
 …………ファンだって言ってくれるやつは、大切なファンだよ」

「えひ、またどっかで見かけたら……応援ヨロシクな」

『降神』の事は知らない。『現場』で見たかもしれないし、
いわゆる養成所に足を運んでレッスンを受けたこともあるが、
恋姫は『芸能人の卵の男』に、さほどの興味を持って接して来なかった。

なにせ自分達以外でアイドルといえば、
よほど親しい面々を除いてしまえば、あとは、
『スマホゲーム』のキャラクターというくらい。
まして『男性芸能人』に至っては『推し』を聴かれて、
思わず言葉に詰まってしまうほどに『遠い』存在だ。

「僕も応援しとく……何に励んでるかは聞かないけど」

           「……ファンのする事だからな。
            僕が応援してやれるなら、してやんよ」

恋姫は『華やかな天上界』でなく、『光輝ける舞台』として芸能界を見ていた。
そして、その輝きが自分の『ファン』たちの心を照らす太陽になるなら、とてもうれしくて。

「えひ」

・・・笑みが浮かぶのだ。

「…………それじゃ、僕はそろそろ買い物してくるよ。
 次会う時は……僕はステージの上かな。えひ、なるべくデカいステージがいいよな」

                 「なるべく、いい席で見てくれよな……んじゃ」

442 降神志一『プラガーシュ』 :2019/01/20(日) 01:06:35
>>441

「応援してます」

多分これからも応援する。
が、この距離が縮まることはないのかもしれない。
確率からいえばそちらの確率の方が高い。
悲しいことだが、現実は花開かぬものの方が多い。

「はは」

励む。
何に励む。

(当然、芸事)

迷いなし。

「はい。大きなステージじゃなくても行きますけど」

「……さようなら」

去っていく人の背中にそう告げた。

(次は舞台袖にいられたらいいな)

443 美作くるみ『プラン9・チャンネル7』 :2019/01/23(水) 20:48:54

ある晴れた日の午後。
この街の何処かで誰かが『ラジオ』を聴いている。
スピーカーから流れてくるのは、カナリアを思わせるような明るく澄んだ声だ。

「――――今日ご紹介するお店は、星見街道商店街南口から徒歩5分っ!
 口コミで人気上昇中のベーカリー『Milky Way』です!」

「こちらは『クリームパン専門店』なんですねぇ〜。
 定番のカスタードクリームやホイップクリームから始まって、
 チーズクリームやチョコレートクリーム、
 メープルクリームやコーヒークリームなどなど、
 豊富な種類のクリームパンが選べるお店となっていますっ」

「お店の奥にイートインスペースが併設されていますので、
 そこで焼き立てのパンを食べる事も出来ますよぉ。
 お好みのパンとセットでドリンクも頂けちゃいます!
 ちょっとした休憩場所として、カフェ代わりに立ち寄るのもいいですねぇ〜」

「中でも特に人気なのが、その名も『幻のクリームパン』ッ!
 厳選された素材を惜しみなく使った、オーナーこだわりの特製クリームパンで、
 こちらは一日限定20個なのですが、
 いつも販売と同時に完売してしまう大人気商品なのです!」

「さて――この『幻のクリームパン』なのですが……。
 なんと今日は、私くるみの手元に届いております!
 そういった訳で、この味をリスナーの皆様にレポートしたいと思いますッ!」
 
   「では、早速…………」

           ムシャッ

          「――はむ……おぅふ……」

「――まずですねぇ……口当たりは思ったよりも軽くて、とても食べやすいです。
 糸が一本ずつ解けていくような甘さと言いますか、
 ふわっと香るような甘さと言いますか……」

「だけど、その後に来る味わいは凄く濃厚ですね。
 こう『ドンッ!』と響く感じとは違って、徐々に染みてくるような……。
 それが頂点に達した瞬間に感じられる濃厚さ!いやぁ〜、絶品ですねぇ〜」

「常日頃から思っておりますが、味を『声』だけで皆さんにお伝えするのは、
 なかなかどうして『難問』なんですねえ。
 どう表現すれば、私が感じているものを上手いこと伝えられるのかと……。
 ああッ、なんとももどかしい!」

「さてさて、くるみの私情は放っておきまして、引き続きレポートをお送りしますっ!
 意外にも、後味はサッパリしていますねえ。
 しっかりとしたコクがあるのに、しつこさみたいなものがないんですよぉ」

「濃厚でありながら、口当たりや後味は爽やかで、
 相反する要素を見事に両立させた逸品ですねぇ。
 例えるなら、抑揚のある奥深い味わいが、
 口の中で『メロディー』を奏でているとでも言いましょうか……」

「評判なのも頷ける納得の美味しさです!私くるみも大満足ですねっ!
 ただ……一つだけ『欠点』がありまして……」

「一回食べるとハマっちゃって、毎日でも食べたくなっちゃうんです!
 だけど、一日限定20個ですからねぇ〜。
 毎日買いに行くのは、ちょっと大変かもですねっ!」

「ご紹介したクリームパン専門ベーカリー『Milky Way』さんは、
 星見街道商店街南口から徒歩5分。
 限定商品の他にも、様々な種類のクリームパンを取り揃えておりますッ。
 お近くにいらした際は、是非お立ち寄り下さいっ!」

「――――続きましては、このコーナー!
 リスナーの皆さんと私くるみがお届けする『ツーショット・トーク』ッ! 
 本日のテーマは『オススメのお店』ですっ!
 あなたのオススメショップを、是非ともくるみに教えて下さいねぇ〜」

       プルルルル プルルルル

「さぁ、リスナーの方(>>444)と電話が繋がったようです。
 では――――」

           ガチャ

「こんにちはぁ〜!!
 『Electric Canary Garden』パーソナリティーの『美作くるみ』です!!」

444 美作くるみ『プラン9・チャンネル7』 :2019/02/01(金) 17:35:56
>>443

「――――なるほど〜ッ」

「星見街道に店舗を構える老舗洋菓子店『黒猫』さん!
 『チョコレートケーキ』がオススメとの事ですッ。
 ラジオネーム『スウィート・ダーウィン』さんからでしたッ!」

「いいですねえ〜、私も食べたくなってきましたよお。
 今度はソレを頂けませんかね、ディレクター?
 あ、ダメですか?自分で買いに行けと。アハハハハ……」

「気を取り直して、ここで一曲参りましょう!
 今日のリクエスト曲は――――」


【撤退】

445 御徒町『ホワイト・ワイルドネス』【29】 :2019/02/03(日) 21:24:27
「なぁぁ〜〜〜んだぁぁぁ〜〜〜〜〜〜ッッ!?

 そこはねェ、『優先席』ではないかと!
 私は言ってるんですよ、それがお解りにならないかァ?

 私を無視して公衆の面前でシコシコシコシコ……
 ――――見られたものじゃあありませんよ!」

夕方、『星見町』方面へと向かう電車の中。
多少は混み合う車内、『優先席』に座った若者に対し、
唾を飛ばしながら激を飛ばす、いかにも頭の固そうな老人が一人。

    「私をねェ、誰だと思ってるんですか!?

     そうでなくても、老人を前にですねェ、
     シャンと立って、席の一つでも譲ろうかと、
     そういった『配慮』がスジってものじゃあないんですかァ!?」

『スマートフォン』でパズルゲームをしていた若者は、
面倒臭そうに睨みを利かせながら、目の前の老人をシカトしている。
言ってることはともかく、言う通りにするのは「シャク」だと言ったところか。

誰か一人、勇敢な乗客が仲裁してくれれば、上手く進みそうだが……

446 御徒町『ホワイト・ワイルドネス』【29】 :2019/02/04(月) 22:54:22
>>445
「よくもまぁ、ナメたマネをしてくれたなァ!

 アンタもねェ、私のゲームに出演させてやりますよ!」


         プシュゥゥ――――z_____


                 「ダァ、  シャァァリヤス」

不穏な捨て台詞を吐き、老人は忌々しげに乗客全員を睨み付け、
足早に駅のホームへと降りて行った。

447 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/02/08(金) 00:42:09
怪しげなショップ街こと『地下アーケード』。
その中の一つ、『骨董品店』の前にて一人の学生が立っていた。
竹刀袋を肩にかけたその青年は、物欲しそうにトランペットを見つめる黒人少年のような雰囲気で、ウィンドウを眺めている。

「・・・・・・・・・・」

448 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2019/02/08(金) 01:13:44
>>447

         ガラガラ

ドアが開いて。

              スタ
                スタ 

『エコバッグ』を持った女……少女?が出て来た。
金色の瞳と、左右で後ろ髪の長さの違う黒髪。
アンティーク趣味を思わせる白中心の服装。

・・・・・『骨董マニア』かなにかだろうか?

「…………? どうしたの?
 ドアなら見ての通り開いてるけど」

そして声を掛けて来た。鉄よりは、多少年上に見える。

449 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/02/08(金) 01:30:12
>>448

「ああ、いえ・・・」「───ッ!!」

ただのウィンドウショッピングです、という二の句を鉄は継ぐことができなかった。
店から出てきた女性の特徴的な容姿が珍しかった。それもある。
そもそも若い女性が、このような『骨董品店』に何の用があるのか?そんな疑問も出てきた。
だが、何よりも鉄の言葉を妨げるのは、この相手が『女性』だからだ。

「あっ」「あ」「ええと」『サッ』

その金色の瞳と目を合わせるも、すぐに逸らす。
質問をされたのだから返さなければと思いながらも、一日中砂漠を歩いたかのような、掠れた声しか出ない。
心臓の音がうるさくて、冷静な思考ができなくなる。
そんな鉄が声の代わりに取った行動は。

「・・・・・・・・・・」

『スッ』

震える指先で、店頭のディスプレイを指差すことだった。
そこにはいくつかの、『日本刀』が飾られていた。

450 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2019/02/08(金) 02:06:34
>>449

「??」   「……ああ」

鳥舟学文は首を傾げた。
が、すぐに笑みを浮かべた。

「なるほど、なるほどね。
 日本刀――――かっこいいよねえ」

         ススッ

「ボクは詳しい訳じゃあないんだけどさ」

鉄からやや距離を置いて、
ディスプレイに並んだ刀剣を見る。
視線を合わせたりは、しない事にした。

「ウィキペディアだったか本だったかで、
 作り方を読んだことがあったんだよ。
 現代ではもう再現できない技術だとか、
 それがつい最近再現出来るようになったとか。
 そういうのが、まあ、けっこう好きなんだよね」

このまま立ち去るのはかえって気まずいし、
『こちらから話に行く』という方向性を選んだのだ。

だから返答は求めていないし、笑みも曖昧なものだ。

451 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/02/08(金) 02:33:25
>>450

「・・・・・・・・・・」

鉄は内心、安堵の息を吐いた。
言葉ですらないこちらの挙動から意思を汲み取ってくれた、この女性の優しさに感謝する。
目を合わせないのも、距離を置いてくれるのも、とてもありがたい。
ほんの少しずつだが、心が落ち着いていく。

「・・・・・何度も折り返して、鉄から不純物を取り除く作業」
「好きなんです」「そういうのが」

横を見ないまま、独り言のように呟く鉄。
そうした地道な作業の繰り返しの先にできる、日本刀の美しさと強靭さ。
それに心を惹かれる、というような事が言いたかったようだが、ままならない。

(もっとも、鑑賞しに来ただけではないけれど)

「あ」「あの」

「あなたは、何を」

今度は、鉄の方から問い返す。言葉が足りなくて、やや不躾になってしまったかもしれない。

452 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2019/02/08(金) 03:11:06
>>451

「わかるよ、なんとなくだけど」

深い追及はしない。
言わんとする事全部は分からなくても、
なんとなく分かるし……そこに謎はない。

「ボク?」

「ボクはねえ、わりと『アンティーク』が好きなんだ。
 いや、マニア、ってわけじゃあないんだけどね」

               ゴソ

「こういう置き物なんて心を惹かれちゃうんだよ。
 ああ、下にあるのは『仕事』だから気にしないで」

エコバッグを軽く広げて中が見えるようにする。
土台のように入った『梱包』済の商品の上に、
いくつかの『動物』を模した『置物』が確かにあった。

「要は、仕事のお使いのついでに欲しい物を買ってたの」

                 「内緒だよ、これは」
     スッ

置物を差していた指を自分の口元に動かし、
『内緒』の意志を悪戯っぽいジェスチャーで示した。

453 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/02/08(金) 03:40:24
>>452

>「ボクはねえ、わりと『アンティーク』が好きなんだ。
> いや、マニア、ってわけじゃあないんだけどね」

「・・・・・意外、です」「お若いのに」

それを言ってしまえば鉄もなのだが、青年の感覚からすると
男が刀剣に憧れを抱くのは分かるが、この女性のような若い人が骨董品を好むのは、珍しいようだ。
彼女が『エコバッグ』を開けてくれたのを感じて、視線をそちらへと向ける。

(下の商品は仕事用…この女性が買いに来たのは、動物のような『置物』の方か)

なるほど。理解できたが、それにしても珍しい趣味だな、と鉄は思った。
動物が好きなのか、こういった和風の置物が好きなのか、あるいは両方だろうか。
と、そのバッグを指していた指が移り─────女性の口元で止まって、微かに笑った。

『ボッ』
「えあっ」「は」

「・・・・・・・・・・はい」

顔を真っ赤に染めた鉄は、思わず顔を背けて頷いた。消え入りそうな声が共に出る。
我ながら情けない、と心の中で自嘲する。何度か会話をしたことがあるクラスメイトなら多少はマシだが、
初対面の女性ともなると、いつもこんな風になってしまう。
例えばあの女性、『音仙』に聴いて頂いた時のように。他に緊張、あるいは集中するものでもあれば何とかなるが─────。

(…この女性との会話が終わった後でもいいが。あまり長居をして、不審に思われてしまうのも困るし)


突如、学生服の青年の腕に重なるように、スタンドの『ヴィジョン』が発現する。
そしてその腕は、ショーウィンドウのガラスへと手を伸ばした。

「お仕事…とは、その、古物商とか、ですか?」
「いえ、仕事用のものも、こちらで購入されていたなら、ですが」

454 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2019/02/08(金) 21:11:01
>>453

「スマホも持ってるし、ゲームとかもするよ。
 化粧っけだって見ての通りなくはないしさ。
 だから、あくまでの趣味の『一環』ってところかな。
 あんまり、普段人にアピる感じの奴ではないんだけど」

「ボクは夜にね、こういうのを持ってね、
 ちょっと考えたりするんだよ……
 『なんで嘴がへんな色なんだろう』とか、
 『なんで服を着せてみたんだろう』とかね。
 いまさら答え合わせできない問題をさ」

        「そういうロマンが好きなんだな」

赤面をからかうほど『子供』でもない。
相手も『思春期』なのだろうし――
女子と話すのが苦手な男子はいるものだ。

もちろん、『悪い気』もしない。

「……」

「ん、骨董品が仕事ってわけじゃないんだけどね。
 『新品のデジタル時計』を置いちゃうと、
 しまらないような職場にいるんだよね。『巫女』なんだ」

「うちの神社の時計が、落ちて壊れちゃってさ。
 代わりにいい感じに『古い』のを買いに来たわけ」

というと、口元にやっていた指を下ろして、
ショーウィンドウの硝子を緩やかに指さす。

「それで……そう。ボクは『巫女』さんなんだけど。
 そうだからか、ちょっとした『霊感』ってやつがあってね」

              クス…

      「そこに『落ち武者』がいるって言ったら、どうする?
        いや、武者……っていうよりは『騎士』なのかな」

その笑みは興味とも、挑発とも、緊張とも取れる。入り混じった笑みだ。

455 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/02/08(金) 22:30:45
>>454

「なるほど…」

流石に浮世離れしている、とまではいかないらしい。
自分もスマホを使うし現代人だと思うが、時代劇も見るし和菓子は好きだ。
しかしそのような哲学的な問いは、自分のような若輩者にはなかった。
答えの出ない問いを楽しむというのは、なんというか、大人な感じだ。

「─────『巫女』」
「確かに」「便利なのは分かりますが、神社に電子機器が置かれ過ぎるのはちょっと違和感がありますね」

光景を想像して、思わず破顔する。とはいえ、顔はショーウィンドウに向けたままだったが。
スタンドを扱うことに集中すれば、段々と普段のように話せてくる。
そしてガラスの中の『日本刀』に掌の照準を合わせたところだった。


>「それで……そう。ボクは『巫女』さんなんだけど。
> そうだからか、ちょっとした『霊感』ってやつがあってね」

「『霊感』…ですか?」

『ピタリ』

思わず『シヴァルリー』の手が止まり、巫女さんの足元へと視線を移す。
これが友人の言葉なら一笑に付すところだが、年上の女性の言葉だ。
改めて、目の前のガラスケースに目を移す。
だが、そこにやはり霊はいない。自分の目では見えないのだろうか?
そこにはただ、『シヴァルリー』がいるだけだ。そう、騎士のような外見の自分のスタンド─────。

「・・・・・」「まさか」
「いや、貴方はッ!」

「『スタンド使い』ッ?!」

金色の瞳を見ながら、思わず叫ぶ。

456 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2019/02/08(金) 22:52:04
>>455

「参拝客がガックリしちゃいそうだしねえ。
 『雰囲気』だけで食ってるわけじゃないけど、
 雰囲気を食いに来てる参拝者さんもいるしさ」

「ボクは最近毎朝スマホの目覚ましで起きてるけど、ね」

趣味が古いと思われたくないのか、
デジタル機器も使っているアピールだ。

ともかく――――指先は『シヴァルリー』の、
頭の先から足先までをゆっくりと焦点にしていく。

「あんまり見つめないでよ。照れちゃうぞ?」

そう言いつつ目は逸らさない。

         「……『スタンド』」

「『スタンド』ね……その言葉は、知ってる。
 ボクのそれが『ヴィルドジャルタ』って名前なのも、
 なんとなく――――『直観』というか『神託』というか」

             「わかる」

        ニィーーーッ

「ま、出し方は、分からないんだけどね。
 だから『スタンド使い』っていうのは買い被りだ」

「ただ『見えるだけ』のボクにはね」

困ったような笑みを浮かべた。
それからその瞳を、『騎士』の目に合わせる。

「こういうのを、ボクも出せるのかもしれない。
 そう思うとちょっとテンション上がっちゃうわけだよ。
 気合を入れて出してるの? それとも『道具』でもあるの?」

                   「気になるんだよね」

457 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/02/08(金) 23:22:16
>>456

『スタンド使い』。
その言葉の意味を知らないものには、それだけで何故ここまで驚愕しているのか理解できないだろう。
しかし、その意味を知るものならば。見えない力で不可能を可能にする者だと分かれば、この反応も納得だろう。

「・・・・・」

もちろん、それだけで目の前の女性が危険とは限らない。どんな力も扱う者の意思次第だ。
だから、それを見極めなければならないし、同じように彼女にも伝えなければならない。
自分に敵対する意思はないと。


>「ま、出し方は、分からないんだけどね。
> だから『スタンド使い』っていうのは買い被りだ」

「・・・・・え」

だから、そんな鉄の意気込みは空振りに終わってしまった。
そんな事例を聞くのは初めてだったが、そういう事もあるのだろうか?
『音仙』に色々と教えてもらった自分には、分からない。

「その…どういう経緯で目覚めたんですか?誰かに、目覚めさせてもらったとか…」
「出し方は…オレの場合なんで、参考になるかは分かりませんが」
「心に『覚悟』を決めて、しっかりと出す『意思』を露わにすれば、この『シヴァルリー』は出せます」

458 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2019/02/08(金) 23:58:43
>>457

「『誰かが目覚めさせてくれる』ものなの?
 ボクは――――いつの間にか目覚めてた。
 いや、忘れてるだけなのかも、しれないけどさ」

「『意思』……」

          ググ
                バッ

          「ハッ!」

手を強く握りしめて、掛け声と共に開いた。

「うーん、気合を入れたつもりなんだけどね。
 『覚悟』ってやつも、決めてるつもりなんだけど」

何も、出ていない。
見た目が小さいスタンドとかでもなく、『何もいない』。
ヴィジョンが無いのか、目に見えないのか、
それとも――――何か『条件』が揃っていないのか。

「どうにも、あまり『都合のいい』力じゃないらしいね」

そう語る声は、悲観の色はなかった。
エコバッグを持ち直して笑みをもう一度浮かべる。

「『ヴィルドジャルタ』の事……もうちょっと考えてみようかな。
 『出ない』なんてことは、きっとないんだろうからさ、
 まあ……寝て起きたら全部『神託』されてるかもしれないけど」

         「君のおかげで『目標』が一つできた。
          そういえば『名前』を聞いてなかったかな」

                            トリフネマアヤ
「ああ、先に言うよ。ボクは『烏兎ヶ池神社』の『鳥舟学文』。よろしくね」

459 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/02/09(土) 00:34:23
>>458

「そういうパターンもあるんですね…」
「オレの場合は、とある『女性』に力を貸して頂いたので」
「ひょっとしたら、彼女なら何かを知っているかもしれませんが…」

一応『音仙』の居場所を伝えておくべきだろうか。あるいは念のために、『同行』していくべきか?
しかし、未だに能力の分からないこちらの女性ならば、危険はないか。

「・・・・・『見えない』」
「いえ、あるいはそういう『能力』なのかもしれませんが…」
「あなたにも動かしている感覚がないとなると、何らかの『条件』が必要なのかもしれません」
「『見えるだけ』…そういうことはないと思います」

推測でしかないが、自分の意見を述べる。
特にヴィジョンが出ないことを悲しんでいる様子はないが、少しでも希望になってもらえたなら。

「鳥舟さん、ですね」
「オレは清月学園高等部二年生。鉄 夕立(くろがね ゆうだち)です」
「もしよろしければ、連絡先を交換させて頂ければ」
「能力を確かめるのに、他の『スタンド使い』が必要になるかもしれません」
「もちろん、『スマートフォン』で」

そういってスマホを取り出す。
LINEで『音仙』に関する情報も後で送っておくとしようか。

460 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2019/02/09(土) 01:23:35
>>459

「そういう人間もいるわけなんだね。
 世の中広いな……って思う事は多いけど、
 スタンドの世界は、もっと広いのかな。
 広ければいいってものでもないけど」

『スタンドを与える女』。
何が目的なのか、何者なのかは知らないが、
それに会えば『ヴィルドジャルタ』も分かるのだろうか?

「心当たりは多いに越した事ないわけだし、
 また色々教えてよ『夕立(ゆうだち)』くん。
 もちろん――――『LINE』で、ね」

             ニィッ

「ま、別にメールでもいいけど。
 『SMS』はあんまり見てないからそれ以外ならね。
 もちろん、話す方が早いなら電話でもいいよ。
 あ、かける前にラインで確認とかしなくていいからね」

「そういうことしろって、言うヤツがいるらしいからさあ」

シックなイルカ柄のカバーに飾られたスマホを差出し、
とりあえずの連絡先交換を意外なほど手早く済ませた。

躍る指先は、やはり『古くないぞ』と主張する意図を感じた。

「それじゃ、ボクはそろそろ帰ろうかな。
 ああ――――『刀』をどうする気だったのかは、
 次までに考えとくからさ。また今度教えてよ!」

            「『教会』の『懺悔室』じゃあないけど、
             悪いハナシでもヒいたりしないからさ」

空の色が変わるような時間ではないが、偶然の出会いにしては話し込んだ。

「またボクからも連絡するよ、それじゃあね。
 あ、もし気が向いたら参拝来てね! ……じゃ!」

幸いにして、話の続きは電波に乗せていくらでもできる……止めないなら、鳥舟は立ち去る。

461 鉄 夕立『シヴァルリー』 :2019/02/09(土) 01:58:08
>>460

「力になれることがありましたら、喜んで」

(スゴいな…むしろオレよりも『今ドキ』なんじゃあないか?)

彼女、鳥船さんの言葉に頷きながら、内心思う。
自分は『LINE』はやってはいるが、『SMS』に関してはかなり疎い。
友人に言われてアカウントを作ってみたものの、基本的に見る専門だ。連絡手段として使ったことはない。
少し冗談を込めて『スマートフォン』で、と言ったが本当に彼女は『古くない』人間のようだ。

「ああ、いえ、もちろんです」
「親に対して恥じるようなことをするつもりはありません」
「今度お会いできた時に、お話させて頂きます」

軽く頭を下げる。
実際にこの場で見せてもいいが、自分の能力は少々剣呑だ。
直に見せるより、こんなことをしたと後日口頭で話す方が良いかもしれない。

…というか、今更思ったのだが、女の子ならともかく、いきなり『女性』に対して連絡先を交換を持ちかけたのは軽薄だったのでは?
『スタンド』の話に集中し過ぎていたが、冷静になっていくと、急に羞恥心が込み上げてきた。
また赤面しながら、その金色の瞳から目を外してしまう。もう少し手順というのを踏むべきでは?
手順なんてものは全く分からないが。いや待て、そもそもそういう目的ではなくて───。
などとテンパっている内に、彼女の姿がやや遠くなっている。

「あっ、えっと、その」

「………はい」

「また、是非とも」

小声で呟き、会釈をして、背中を向けた彼女を見送った。
実際、自分にはまだ参拝しても叶ってない願いがある(>>426)。
また願掛けにいくなら、今度は『烏兎ヶ池神社』へと行くのもいいだろう。
…もっとも、その場合はもう少し女性に対して慣れておいた方がいいかもしれない。
そんな事を思いながら、『シヴァルリー』を改めて『日本刀』へと向けた。






(『扱い』は申し分なし。『携帯性』も悪くはない)
(けれども『値段』と、見つかった時の『危険性』が問題だよな…)
(それを言ってしまえば、『包丁』や『ナイフ』でも同じだが)

『バキィンッ』

(…というか、これ片方ニセモノじゃないか)
(とりあえず、ここも『メモ』に書いておこう)

(お借りしました、ありがとうございました)『ペコリ』




そして数分後、鉄も『骨董屋』の前から去って行った。

462 御徒町『ホワイト・ワイルドネス』【10】 :2019/02/22(金) 21:41:36

    「あ゙ 、あ゙ぁぁ〜〜〜〜〜ッッ!?」


    「だからねェ、体調が悪いと、言ってるじゃあないですかァッ

     急に、ってねェェ〜〜〜ッッ
     私みたいな年寄りを捕まえてねェ、
     ナメたことヌカしてンじゃあないですよぉ!」

    「だからこうやって、連絡してやってるんじゃあないの! ん!?
     ガキ共と違って、わざわざ『電話』を寄こしてやってるんですよ!」

    「ちょっと連絡が遅れてからってねェ、
     鬼の首でも取ったかのように、よくもまぁ粋がってくれましたねェ!」

『駅』のロータリーの前、ガラケーを片手に、
デカい声でがなり立てる老人がいる。

    「ええッ!?  『チューター*1』風情がァ!
     電話で好き勝手言えるなら、直接来てみなさいよォ!」


             カァー      ベッ!


    「アンタみたいな無能がぁ、雑用の御用聞きでおまんま食えるのもねェ、
     私がッ!  『御徒町満志』が、ガキ共のケツをケリ上げてこそでしょう!

     その威光も忘れて、『次は早めに連絡をください』だァァ〜〜〜ッッ!?
     くれくれくれくれ、やかましいわァ!   切るぞォ!」


     PI!             「ぜぇぇー    はぁぁー ……」

衆目を集めながら、『体調不良』がウソかのような罵声をがなり立て、
電話を切った頃には、息を荒げながら、ヨロヨロと歩道へと踊りだし


                   ゴッ


>>463へと身体をぶつけた。


*1 御徒町の勤める専門学校での、『職員』の呼び方。
   『講師』では手の回らない業務に注力してくれる、縁の下の力持ち。
   当然、彼らがいないと学校運営自体が成り立たない。

463 御徒町『ホワイト・ワイルドネス』【4】 :2019/02/28(木) 23:08:54


           ヴォォォ  オオオオンンンッ


      『な、なんだ!?』

                      『おい、ジイさん!』


       「んあ、  」

                   「えっ」


        ドォォォ――――z________ンン!!!


突如、歩道へと乗り出すように疾駆する、一台のトラック。
銀色に光るボディに気付き、あわや避けようとするも時すでに遅し。


              ピーポー
                        ピーポー

                                  ピーポー


御徒町『ホワイト・ワイルドネス』⇒『???』

464 美作くるみ『プラン9・チャンネル7』 :2019/03/06(水) 22:14:48

この街の何処か。
誰かが『ラジオ』を聴いている。
スピーカーからは、『カナリア』の歌声を思わせる、よく通る澄んだ声が流れていた。

    「今日も貴方の隣に電気カナリアの囀りを――――」

           「皆様いかがお過ごしでしょうか?」

     「『Electric Canary Garden』」

         「パーソナリティー・美作くるみです」

    「今回は少し趣向を変えて、
     いつもよりしっとりした『大人のムード』でお送りしていきますよ?」

 「さて……本日はリスナーの方から、くるみへの質問を頂いております」

 「『くるみさんのマイブームは何ですか?』」

 「そうですねえ……。
  趣味は色々とあるんですが、最近ハマッてるのは『小物集め』でしょうか?
  特に『小鳥モチーフ』の小物を見つけると、つい手が出ちゃいますねえ」

 「小物に限らず、鳥関係の雑貨は割とよく買ってます。
  この前も、コマドリのペーパーウェイトとインコのマグカップを買ったばかりですしね。
  あ、マグカップは『ペア』ですよ。相手もいないのに。アハハハハ……」

 「おっと――今回は『しっとりした雰囲気』で進めるんでしたねえ。
  いやいやぁ〜、うっかり忘れちゃう所でしたよぉ〜!
  では、気を取り直して……コホン」

 「本日、リスナーの皆様とお話するテーマは――『あなたのマイブーム』です。
  皆様からのお電話を、くるみは心よりお待ちしております」

 「――――早速、リスナーの方(>>465)と電話が繋がったようですね。
  もしもし、こんにちは。こちらは美作くるみでございます」

465 稲崎 充希『ショッカー・イン・グルームタウン』 :2019/03/06(水) 22:33:38
>>464

「≪灼熱≫と≪冷気≫の双龍が畝りを上げ咆哮する日々。
更に、無限にも等しき杉の≪木霊≫の軍勢の猛攻。
哀れな≪凡夫≫共は≪蹂躙≫されぬ為に≪回復薬≫に頼る。
≪伝播者:美作≫…、汝、患いはないか?≫」


電話口から女性の声が聴こえてきた。


「我は≪伝播者:美作≫に≪電波≫を用いて≪対話≫するのは初めて故。
≪仮初≫の名を持たぬ≪愚者≫。
なので≪真名≫である≪稲崎≫を名乗らせて貰う。
≪製造日≫はあえて伏せておくが、
この≪世界線≫では≪生死≫を司る職に就いてる」

466 美作くるみ『プラン9・チャンネル7』 :2019/03/06(水) 23:25:32
>>465

(――なるほどね)

電話から聞こえたのは奇妙な語り口だった。
ある意味では放送事故とも呼ぶ事も出来るだろう。
頻繁にではないが、こういった事もたまにはある。

 「はい、『稲崎さん』ですねえ。お電話、ありがとうございます。
  幸い身体は昔から丈夫な方で、病気一つした事がないんですよぉ」
  
 「お気遣いいただきまして恐縮です。お医者さんでいらっしゃるんですか?
  それとも整体とか……。いや、何しろ素人なものでして」

 「どうも不勉強で申し訳ありませんねえ」

しかし、美作は取り乱さない。
何故なら『プロ』を名乗っているからだ。
スタッフも、それを理解して特に通話を切らせようなどとはしていない。

 「――さて、本日のテーマは『あなたのマイブーム』となっております。
  そんな訳で稲崎さんの『今ハマッているもの』について、お話いただけますでしょうか?」

467 稲崎 充希『ショッカー・イン・グルームタウン』 :2019/03/06(水) 23:52:54
>>466

「≪木霊の群勢≫、≪季節の群勢≫など見えなき≪疫病≫は勿論脅威だが、
この≪世界≫にはありとあらゆる≪悪≫が蔓延っている…。
我と同じ≪月≫の≪院≫に所属する≪骨の騎士≫も、
先日≪鉄の牛≫に突撃され、≪脚≫を砕かれ≪民の骨≫を守る職務からの離脱を余儀なくされた。
≪伝播者:美作≫もせいぜい気をつける事だなッ!ハハハ!」


電話の向こう側のラジオ局の様子など露知らず、楽しそうに話を続ける稲崎。


「既に≪伝播者:美作≫に看破されてしまったが、我は≪月≫の≪院≫の≪騎士≫だ。
守りし≪月≫については≪凡夫≫には理解できないだろうからあえて伏せておくがな。
クックック…!≪黒魔道≫…!

我の周囲での≪流行≫…!ああ!あるぞ!
ーーなんとッ!≪断罪≫の≪傍観≫だッ!
最初は他人の≪罪≫と≪罰≫が下る瞬間をデバガメするのを趣味とするのは、
些か下世話ではないかと躊躇していたのだが、
いざ出向いてみたらッ!中々に趣があるッ!

それにだッ!≪罪人≫を擁護する≪向日葵の騎士達≫がやはり弁が立ってだなッ!
あの達者な≪舌≫にはこちらも≪舌を巻く≫ッ!
加えて!≪断罪の場≫で見たとある若き≪向日葵の騎士≫は中々に男前でだッ!
最近では、≪断罪≫ではなくあの≪騎士≫目当てに通う日々だッ!ははは!」

468 美作くるみ『プラン9・チャンネル7』 :2019/03/07(木) 00:54:17
>>467

 「ああ〜、『交通事故』ですかぁ〜。それは、お気の毒で……。
  私も普段スクーターに乗ってるので、事故に遭うのは怖いですねえ。
  もちろん起こす側になるのも――ですけど」

 「私は声を届ける事しか出来ませんが、
  同僚の『整体師さん』の入院中の娯楽の一つになれたら幸いに思いますねえ。
  ――どうぞ、お大事に」

 「私は、まだ『整骨院』のお世話になった事はありませんけど、
  身体の調子が思わしくなくなったら、その時は是非お願いしたい所ですねえ〜。
  いざ悪くなる前に、一度見てもらうのも良いかもしれませんね。
  『治療よりも予防が大事』って聞きますからねぇ〜」

 「はい――なるほど、『裁判の傍聴』ですかぁ〜。
一風変わった感じがして新鮮ですねえ。
  ドラマで見た事はありますけど、実際に目にした経験は確かにないですねぇ〜。
  
 「何か、一種の『格闘技』のような雰囲気を感じますよねえ。
  『知恵と弁舌の格闘技』といった感じでしょうか?
  私も『舌』で仕事をしてますけど、『ジャンル』は全然違いますもんねぇ〜」

 「それで、カッコイイ『弁護士さん』を眺める事にハマッてらっしゃると。
  ありますよね、そういう事。
  何ていうか、いつの間にか目的と方法が入れ替わってるというか。
  私の場合は『逆』なんですけども。
  『新しい出会い』を求めて『ジム通い』してたら、
  何だか『鍛える方』に熱中しちゃってた事がありましたねぇ〜」

 「――――はいッ!『稲崎さんのマイブーム』でした!
  『裁判の傍聴』、なかなか見ない『マイブーム』が聴けましたねえ。
  皆さんも、今まで出掛けた事のなかった場所へ足を向けてみてはいかがでしょうか?
  新しい出会いが見つかるかもしれませんよぉ」

 「では、本日はお電話ありがとうございましたッ!
  お話して下さった稲崎さんには、『Electric Canary Gaeden』から、
  番組特製クオカードを差し上げます!」
 
稲崎 充希『ショッカー・イン・グルームタウン』⇒『500円分クオカード』Get!!


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